07/12/18 01:12:26 jroMIx0z
「う~」
「にゃぁ…」
調子に乗って猫TQNと外で遊びすぎたせいで、すっかり風邪をひいたカズキ。
「…ときこさん…外に行ったほうがいいよ…」
「?」
「いや、感染るのかどうかは知らないけど、感染ったらマズイし」
ベッドで横になったまま、カズキは猫TQNに語りかける。
「…ニャア」
カズキの意図を汲み取ったのか、一度だけ短くない出て行く猫TQN。
(…でも、ちょっと寂しい…)
あんまり素直に出て行かれてちょっと悲しい気分になりながら、カズキは眠った。
しばらくした後、カズキが目を覚ました。
「…ん……今、何時だろ?」
枕元の時計に向かって手を伸ばすと、コトリと何かが落ちる音。
「…? わぁ!」
何とそこには咳止め薬、頭痛薬、解熱剤、ありとあらゆる風邪薬が。
「一体誰が……あ」
箱をよく見ると、端の方が少し湿っていて、なぜか丸く並んだ穴が空いている。
「…まさか……ときこさん!?」
カズキは部屋を見回したが、猫TQNの姿はない。
「……ありがと、ときこさん……」
カズキは、薬ではなくこの温かい気持ちのお陰で、風邪は早く治りそうだと思った。
後日、ある銀星学園生徒の会話。
「なあ、俺こないだスゲー猫見たよ。薬屋襲撃猫」
「なんだそりゃ…」
「いや、実話なんだって! 俊敏に動き回って、店員さんも何のその!
で、結局なんか風邪薬いくつか盗られてたよ。しかもその一軒だけじゃないんだとさ」
「……猫って言えば」
「何?」
「タカだかワシだか、大きい鳥と喧嘩してる猫見たよ」
「うわ、可哀想に。一方的になぶられてたんだろうな」
「……猫の方が強かったよ」
「マジで!?」
「凄い執念で攻撃してさ。最後は鳥の急降下攻撃をジャンプでかわして、
頭と背中に爪突き立てて猫が勝っちゃってた」
「…その後は?」
「喰わずに、首を噛んでひきずってどっか行ったよ……どうするつもりだったんだろうな」
「………なぁ、まさかその猫と俺が話した猫って……」
「「同じ猫!?」」
うん、>>897に触発されて書いたんだ。流れぶった切りすまない。