07/08/27 16:22:50 ZXwYHzWo
私の名はメガネ。かつては友引高校に通う平凡な一高校生であり、
退屈な日常と戦い続ける下駄履きの生活者であった。
だがあの夜、ハリアーのコクピットから目撃したあの衝撃の光景が
私の運命を大きく変えてしまった。
ハリアーであたるの家に強行着陸したその翌日から、
世界はまるで開き直ったかの如くその装いを変えてしまったのだ。
いつもと同じ町、いつもと同じ角店、いつもと同じ公園。
だが、なにかが違う。
路上からは行き来する車の影が消え、建売住宅の庭先にピアノの音も
途絶え、牛丼屋のカウンターであわただしく食事をする人の姿もない。
この町に、いやこの世界に我々だけを残し、あの懐かしい人々は突然その
姿を消してしまったのだ。
数日を経ずして荒廃という名の時が駆け抜けていった。
かくも静かな、かくもあっけない終末をいったい誰が予想し得たであろう。
人類が過去数千年にわたり営々として築いて来た文明とともに、西暦は終わった。
しかし、残された我々にとって終末は新たなる始まりにすぎない。
世界が終わりを告げたその日から、我々の生き延びるための戦いの
日々が始まったのである。