08/06/25 23:24:50 9R4ElhPm
この季節は遅い時間まで外が明るい。
夕方のイメージは茜色
だけどここに差し込む光は暗い水色
私には御誂えむき
またいつかに茜色に染まるのかな、とか考えつつも
音はするけど姿の見えない厨房へむかって「まだ、やっていますか?」と
白々しいわね
毎日この時間に来ているからあのどんぶりを出してくれることはわかってる
「はいはい、何にしましょう?」
安くて量も多く腹もちがいい学食の定番のどんぶりを私はお願いして出してもらう。
座るのはいつもと同じ外の見える窓側の席
いつもうるさい食堂がこうも暗く静まりかえるとホント、イメージ変わるわ
ぱくぱくぱくと、私は時々窓の外を見つつ機械的に箸を進める。
昨日食べたものより今日は乗っているものがちょっぴりおいしいかな?
「ちょっとぬるいかもしれないけど、どうぞ」
食堂のおばちゃんがやかんと小さなコップを持ってきてくれる。
飲み物を買って入らないのは、これにちょっと期待しているからだ。
「あ、ありがとうございます」
ごちそうさまでしたと言えば
これで最後でこれが最初、明日も明後日もその次も
人との会話はいつもどおりのこの通りのこれぽっきりだ。
「ツェー、ツェーよ」
少なくなったどんぶりの具を箸でつつきながら転ばした後
私はやかんからコップにお茶を注いだ。
コップからはいい香りのする湯気がどこまでも伸びてゆく。
「あったかい・・・・。」