【らき☆すた】こなた×かがみPart21【こなかが】at ANICHARA2
【らき☆すた】こなた×かがみPart21【こなかが】 - 暇つぶし2ch85:「守る」という事・前編
08/06/14 20:10:24 UfsVd5yJ
「……私は、かがみさんが何を悩んでいるのか知っています。そして、その原因の一端は……間違いなく私にあるんです……」
「えっ? ゆきちゃん、どういうこと?」
 ますます混乱してそう尋ねると、ゆきちゃんの抱きしめる力が少しだけ強くなった。
「……つかささん、話を聞いてください。理解できないかもしれませんし、嫌悪するかもしれません。けれど、力を貸してください。かがみさんを救うために……」
「…お姉ちゃんを、救う?」
 ゆきちゃんが何を言いたいのかはわからない。けれど私は、ゆきちゃんも私と同じ様にお姉ちゃんのことで悩んでいたことがわかった。
「はい。その話を聞いて、私の事を嫌ってもかまいません。けれど、かがみさんを先ほどの話のウサギに…しないために、どうか……力を…貸して…ください……」
 顔を見上げた私の頬に、ゆきちゃんの瞳からあたたかなしずくが落ちてきた。
 そして、ゆきちゃんは私を抱きしめたまま、声を上げて泣き出してしまった。
 困った私は、泣き止まないゆきちゃんを落ち着かせようと、背中を優しく撫でた。


『「守る」という事』

「何が守るよ! そんなに軽々しく言える事じゃないでしょう!」
 食後の一家の団欒は、私の怒声と共に終わりを告げてしまった。
「……なっ、なにむきになっているのよ、あんたは!」
 まつり姉さんの言葉に、頭にのぼった血がすぅーっと引いていくのが分った。
 そう、まつり姉さんの言うとおりだ。なんということはないテレビドラマの一つのシーン。何事もまじめに取り組もうとはしない主人公が、恋人に涙ながらに引っ叩かれて改心し、君の事を一生守りつづけると告げるシーンが流れただけ。
 そして、まつり姉さんが、こんなこと言われてみたいと言っただけ。



86:「守る」という事・前編
08/06/14 20:12:38 UfsVd5yJ
 ただ、私は一度引っ叩かれたぐらいで改心して、守り続けるなどと軽々しく言うその主人公が好きになれなかった。
だから、「そんなにぺらぺら「守る」なんて事をいう男なんてろくなもんじゃないわよ」とつっかかってしまった。そして言い争いをしているうちに、
怒声を上げてしまった。ただそれだけ……。
「お姉ちゃん……」
「どうしたんだい、かがみ?」
 つかさやお父さん、いのり姉さん達みんなが、私を心配そうに見ていた。
「……ごめん。まだ、入試のテンションが抜けないみたい…。今日はもう休むわ……」
 いたたまれなくなり、私は皆にそう告げて立ち上がった。
「ごめん、つまらない事でむきになってた」
 とまつり姉さんに謝りはしたけど、
「まちなさい、かがみ!」という言葉を背中に受けても、私は振り返ることなく自分の部屋に戻った。

 部屋に戻るなり、私はそのままベッドに転がった。
「……だめだ。こんなことじゃ……」
 そう声に出して自分を叱咤しても、何もする気になれない。
 ふと何とはなしに視線を横にやると、枕元においてあった携帯電話が着信を知らせていた。
 携帯を開くと、メールが1件来ていた。送信者はこなただ。
 メールを開くと、
『いよいよ明後日が本番だよ! 大丈夫。かがみんへの愛のために、今度こそ絶対合格するから! 
だからさ、とりあえず試験が終わったら私とデートしてね! 自分で決めた事とは言え、かがみ分が不足しているからさ』
 いかにもあいつらしいメールだった。
「まったく、あいつは……」
 私は苦笑するしかなかった。
 私は何とか第一志望の大学に合格する事ができた。
けれどこなたは第一志望の大学に、私と同じ大学に合格する事はできなかった。
 でも、こなたは本当に頑張ったと思う。3年生になってからだったとは言え、
今までアニメやゲームに費やしていた時間の全てを勉強につぎ込んで頑張った。
ただ私と同じ大学に行くために。……それだけを目標に。
 私は返信メールに、気を抜かないで頑張る事と体調管理をしっかりする事を
自分でも細かすぎるだろうと思うくらい書き込んだ。そして最後に、
『O,Kよ』と書き込み、送信した。
 すぐにメールが返ってきた。



87:「守る」という事・前編
08/06/14 20:16:31 I/KSieCh

 相手の事をまるで考えない自己中心的な私の言葉を聞いて、あの人はどれだ
け絶望したのでしょうか? 
 私はつかささんに全てを話しました。話しているうちに、あの人の、かがみ
さんの心をどれだけ傷つける事を、そして追い詰める事を言ってしまったのか、
今更ながらに思い知らされて……自分の愚かさを再認識させられて……。
 私は何度もつかささんに謝りました。「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度
も。直接かがみさんには謝れないから。あわせる顔がないから。
 ……いいえ、違いますね。私はかがみさんに会うのが怖いから、つかささん
に謝って、許してもらいたかったのだと思います。少しでも自分が楽になりた
いから……。
「……大丈夫だよ、ゆきちゃん。私はゆきちゃんを嫌ったりしないよ」
 優しい声。そして、私に向けられるつかささんの顔は、笑顔でした。
 つかささんは私の懺悔を聞いても、私に笑顔を向けてくれました。
 私の思っていたとおりに……。
 その笑顔で私は気持ちが楽になりました。 
 ズルイですよね? 私は、つかささんが許してくれる確信がありました。
 つかささんは優しいから。こんな私のことも許してくれると思っていました。
期待をしていました。
 きっと、あの時のかがみさんも、今の私と同じだったのだと思います。かけ
てほしかったのは励ましの言葉。向けてほしかったのはあたたかな笑顔。
 思い起こしてみると、『みゆき、あんたを親友だと思うから話すんだけど……』
と、あの時かがみさんはそう前置きをしてから、私に話してくれたんでした。
私を親友だと言ってくれたんです。私なら苦しみを和らげてくれると信じてく
れていたはずです。なのに、それなのに私は……。

★ ☆ ★ ☆ ★
 
 大学入試を終えるまでは良かった。合格に向けて一心不乱に勉強をしていた
時は、余計な事を考えている暇はなかったから。
 考えていた事といえば、合格後のこなたとの楽しいキャンパスライフ。広い
部屋を借りての共同生活。きっと楽しい日々だろうと私は胸を膨らませていた。
 けれど、現実は上手くはいかず、こなたは試験に落ちてしまった。
 私もショックを受けたけれど、落ちた当人であるこなたの落胆は酷かった。
 合格発表のあの日、ネットを利用して自分の不合格を知ったこなたは、私の
家にわざわざやってきて、私に謝った。
「……ごめん、かがみ。私、落ちちゃった……。でも、でもね、まだ第二志望




88:「守る」という事・前編
08/06/14 20:18:47 I/KSieCh
に合格すれば、かがみといっしょに居られるから。一緒の大学には行けなくて
も……ほら、もともと学部が違ったら講義も別なのがほとんどだし……。
 次こそ頑張るから。絶対に、絶対に合格するから」
 涙を見せまいと無理に笑おうとするこなたを、私は抱きしめた。
 必死に涙を堪えているこなたがあまりにも痛々しくて、かける言葉が見つか
らなくて……私は抱きしめる事しかできなかった。
 その時、私の腕の中で嗚咽が漏れるのを我慢しながら泣いているこなたを見
て思った。これから先に何があろうと、私がこなたを「守る」のだと。私が守
っていかなければならないのだと。
 こなたのこんな顔を見たくない。泣き顔や悲しい顔は見たくない。笑ってい
てほしい。そう思ったから……。
 こなたを落ち着かせてから、私は手始めに、こなたの第二志望の入試対策を
行おうと考えた。幸いな事に試験までは2週間以上余裕があったし、この1年
でこなたはしっかりと全ての科目の基礎を身に着けているのだから、あとはど
うしても苦手な部分を潰していけば良いだけのはずだ、と。
 しかし、その事を話すと、こなたは首を横に振った。
「気持ちはすごく嬉しいけど、大丈夫だよ、かがみ。それくらいの事なら私一
人でも大丈夫だから……」
「でも……」と私は食い下がったけれど、
「お願い、かがみ。私を信じて……」
 そんなこなたの懇願に、同意せざるを得なかった。
「ありがとう、かがみ。かがみのおかげで元気が出てきたよ。愛の力は偉大だ
よね~」
 私の同意に、先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら、こなたは軽口を言
って笑った。いつものこなたの笑顔。私の大好きな笑顔だった。
「ばっ、バカ、そういう発言は自重しろ!」
「真っ赤になったかがみん萌え~」
 いつもと同じ緊張感のないやり取りがとても嬉しかった。
 だからその日は笑顔でいられた。笑顔でこなたと別れられた。幸せな気持ち
でいられた。……だけど、それは長くは続かなかった。
 合格発表から3日後。たった3日なのに、私はこなたに直接会う事ができな
いことが寂しくて仕方がなかった。
 予定をたくさん入れていた。まずは合格祝いに、こなたと二人で少し値のは
るレストランで昼食を食べて、帰りはゲマズに行って買い物をする。随分とア
ニメやマンガを絶っていたこなたは、目を輝かせて嬉しそうに商品の物色を始
める。私はそれを「やれやれ…」とか言いながら……。





89:「守る」という事・前編
08/06/14 20:20:47 I/KSieCh
「……しかたないわよね。こなただって我慢しているんだから」
 こなたの事を「守る」と決めたのに、私の方が先にまいってしまった。こな
たに会えないことが辛くて仕様がない。
「2週間とちょっとじゃない。すぐよ、すぐ」
 そう自分を言い聞かせる。
 試験が終わればいくらでも遊ぶ事ができる。そして春になれば、こなたとの
共同生活を始めるんだ。
 2週間くらいあっという間に過ぎていく。寂しいけれど、私はこなたを信じ
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
 自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
 支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
 仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
 不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
 体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
 私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
「……お父さんやお母さんたちがあんなに喜んでくれたのに、そんな事できる
わけないじゃない」
 それに、4人も子供がいる我が家の財政状況を考えると、そんな余計なお金
をかけられるはずがない。
 その後も色々と浅知恵を出しては自分で否定する事を繰り返した。
 ……八方塞だった。もしもこなたが試験に落ちてしまったら、何も手立ては
ない事が分った。そして同時に、自分がどれだけ無力なのかが分った。
「守れない。私はこなたを守れない…」
 悔しくて涙がこみ上げてきた。私はこなたを守りたいのに。





90:「守る」という事・前編
08/06/14 20:22:55 I/KSieCh
「頑張らないと……」
 私がどうにかしなければいけない。今のままでは何もできないから。もとも
と私とこなたの思いは世間に認められるものではないのだから。
 そう決意を固めようとした。なのに、私のネガティブな思考は、
「守っていけるの? 私が……」
 そうやってすぐに不安を増幅させる。
「私が守っていけるの? 世間の冷たい目から、こなたを守っていけるの?」
 今後大学生活が終わっても、私はこなたとずっといっしょにいたい。一緒の
人生を歩んで行きたい。けれど、私は本当に守れるのだろうか……。
 不安は広がっていき、私の心を侵していった。
 それから何日かは何とか耐える事ができた。夜はほとんど眠れなかったけど、
頑張って普段の私でいようと努力した。けれど、
「お姉ちゃん、心配なのは分かるけど、こなちゃんならきっと大丈夫だよ」
 ある時つかさにそう言われたから、私は普段どおりの私ではいられなかった
ようだ。
 その時はつかさに話をあわせて、「そうなのよ。一応友達だから、心配は心配というか……」とか言っておいた。
「他に何か困っている事があるなら言ってね。私じゃ役に立たないかもしれな
いけど……」
 でも、つかさにそう言われてしまった。つかさは妙に鋭いところがあるから、
私がそれだけじゃない悩みを抱えているの感じ取ったのかもしれない。
 ……その日までが精一杯だった。日が経つにつれて積もる不安は、私の精神
力の許容量を超えようとしていた。
 一人で悩むのはもう限界だった。けれど一生懸命頑張っているこなたに余計
な心配得を掛けたり、プレッシャーを与えたりしたくないと思った。
 つかさにもこんな事は相談できない。今まで秘密にしていた私とこなたの関
係を知ったら混乱してしまうだろうし、つかさは嘘をつくのが下手だから、誰
かに私たちの関係を漏らしてしまうかもしれない。
 だから私は、信頼できる親友に相談する事にした。
 そう、みゆきなら助けてくれると思ったから。

★ ☆ ★ ☆ ★

 相談したい事があるとかがみさんから連絡があり、私はお茶菓子と紅茶を用
意して待っていました。
 かがみさんの家から私の家までは距離があるので、どこかで落ち合う事にし





91:「守る」という事・前編
08/06/14 20:25:09 I/KSieCh
ませんかと提案したのですが、人目があると話しにくいことだからと断わられ
ました。
 私は、かがみさんの相談したい事とは、泉さんの事だと推測していました。
 私にもかがみさんは親しい友人として接してくれていますが、泉さんは別格
な存在だと分っていました。
 私やつかささんといっしょに居るときも、かがみさんは泉さんに話を振る事
が一番多いんです。もちろん、私はそのことに不満なんてありません。むしろ
お二人のあたたかなやり取りが大好きでした。
 お二人は本当に仲が良くて、大学へ進んでからもいっしょにいたいと、同じ
大学への進学を決めたほどです。あいにくと、泉さんが残念な結果になってし
まいましたが、近くの第二志望校への合格に向けて頑張っているはずです。
 だからきっと、かがみさんの相談事というのは、泉さんの手助けをしたいと
いう事だと思っていました。そして、そのような相談事であれば、微力ながら
喜んでお手伝いするつもりでした。
 本当に私は、お二人の「大切な友人」へのあたたかな心遣いとやり取りが大
好きだったんです。
 約束の時間どおりにかがみさんは我が家を訪ねて来られました。
 部屋に案内し、お茶菓子と紅茶をお出ししました。そして、かがみさんは私
に相談事を話して下さいました。それは私の考えていたとおり、泉さんの事で
した。
 ……けれど、その内容は私の想像していたものとは次元が違っていました。
「……ごめん、今まで黙っていて。でも、真剣なの。私もこなたも……。だか
ら、お願いみゆき、力を貸して。私一人じゃ、不安で仕様がなくて…どうした
らいいのか分らないのよ……」
 そうかがみさんが締めくくったことから、ようやく話が終わった事が分りま
した。けれどあまりにも突飛な内容に、私は唖然とするしかありませんでした。
 私は、かがみさんと泉さんは大切な友人、つまり「親友」だと思っていまし
た。けれど、それは違うと、お二人は高校3年生の春から、「恋人」なのだとい
うのです。
「……同性愛…ですよ……」
 困惑する私の思考は、言葉となって口から出てしまいました。
 かがみさんは、「うん、分っている」と頷きました。
「……同性を愛する思考をお持ちの方がいらっしゃる事は知っていました。で
すが……」
「あっ、その、やっぱり引くわよね……」
 かがみさんが顔をうつむけて言いました。





92:「守る」という事・前編
08/06/14 20:27:43 I/KSieCh
ていたのかを。
 ……私のエゴだったんです。私は、大切な友人と過ごしたこの三年間の日々
を、何よりも大切な宝物だと思っていました。大好きだったんです。かがみさ
んたちとの、掛け替えのない友人たちとの毎日が。
 かがみさんと泉さんの関係を肯定してしまったら、私の大切な思い出が壊れ
てしまうと思ったんです……。だから、否定したかったんです。拒絶したかっ
たんです。高校生活が終わっても、何年経っても、私はずっとずっと、大切な
友人でいたかったんです。だから、だから私は、私の思い出の中のかがみさん
と泉さんでいてほしかったんです。そんな事が出来るわけがないのに……。
 私は泣き崩れました。ただ悲しくて、悲しくて……。
 好き勝手な事を言って、我儘を言って、そしてただただ泣いている私を、か
がみさんはどんな目で見ていたんでしょうか?
 泣きじゃくる私の頭を、不意に誰かが撫でました。この部屋にいるのは私と
かがみさんだけなのですから、それが誰なのかは考えるまでもありませんでし
た。
「ごめん、バカな相談をしたわ……。みゆきはなにも悪くないから、泣かなく
ていいよ。……私の事、嫌って。……私が全部悪いんだから。みゆきは悪くな
いんだから。ねっ?」
 かがみさんはとても優しい声でそう言って、弱々しく笑いました。
「みゆきに迷惑をかけたりしないから。最悪の事態になんてならないから。私
が強くなる。私が強くなって、こなたを守るから。ごめんね、困らせて……」
 かがみさんはそう言って部屋を出て行きました。
 私はただ泣いていました。自分が何をしたのかも理解せずに。
 私は最低な事をしてしまったんです。困って、苦しんで、どう仕様もない時
に、私を頼って来てくれた大切な友人を傷つけて、追い詰めたんです。
 
★ ☆ ★ ☆ ★

「……私は、クマなのでしょうか?」
「えっ? ゆきちゃん、何を……」
 心の中だけで呟くつもりだった言葉が、口から漏れてしまいました。
 私は、言葉を続けました。
「私はあの時、ただ知識をひけらかしたんです。さも私の口にした言葉だけが
唯一の正論であるかのように言って……私が言っている事が正しいと思わせれ
ば、私の我儘を通せると考えたのだと思います……。
 先ほどの話の中で、クマは簡単に魚を取って来たんですよね? なのに、無





93:「守る」という事・前編
08/06/14 20:29:02 I/KSieCh
力なウサギが困っているのを見ても、クマはウサギを助けませんでした。ただ、
自分の力を誇示したかったのだと思います。……自分だけが良ければいいと考
えていたのだと思います。私と同じよ…」
「違うよ!」
 私の言葉をさえぎって、つかささんは大きな声で否定しました。
「ゆきちゃんは、クマさんなんかじゃないよ! ほわほわなヒツジさんだよ」
 つかささんは真剣な顔でそんな事を言いました。けれど、すぐに顔を赤くし
て……。
「えっと、その、胸大きいから、こなちゃんが言ってたとおり、ウシさんかも
しれないけど……」
「えっ、あっ、すっ、すみません!」
 私は、ずいぶんと長い間つかささんの顔を胸に抱いていた事に気づき、あわ
てて体を離しました。
 苦しくてさぞ不快だったでしょうに、つかささんはそんな体制のまま私の話
を聞いてくれていたんです。
 顔を真っ赤にする私に、
「よかった。いつものゆきちゃんに戻ってくれて」
 つかささんはそう言って輝かんばかりの笑顔を見せてくれました。
「ねぇ、ゆきちゃん。私は頭が良くないから、何が良い事で何が悪い事なのか
は分らないけど、大丈夫だよ。お話とは違うよ。
 ウサギさんには、優しいキツネさんがいるんだから」
 つかささんの言葉の意味を、私はすぐに理解しました。
「でもね、今、キツネさんは忙しいから、イヌさんとウシさんも力を貸してあ
げないとダメだと思うんだ」
「……あの、ヒツジさんにしては頂けないでしょうか?」
 私の要望に、つかささんは、あははっと無邪気に笑いました。
「私の方からお願いするね。お願い、ゆきちゃん。私に力を貸して。お姉ちゃ
んを助けるために」
 つかささんのその言葉に、私は「はい」と答えました。何度も、何度も。
 こみ上げてきた涙で、またもや泣き崩れてしまった私を、今度はつかささん
が抱きしめてくれました。
「大丈夫。大丈夫だよ……」
 そう言って、私の頭を撫でてくれるつかささんの手はとてもあたたかくて、
優しくて、私はいっそう涙がこみ上げてきて……。
 つかささんは私が泣き止むまで、ずっと私を抱きしめてくれました。





94:「守る」という事・前編
08/06/14 20:30:36 I/KSieCh
★ ☆ ★ ☆ ★

 静かに目を開くと、部屋の天井が目に入った。
 どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。時計に目をやると、もうお昼になる時間だった。
「まったく、つかさじゃあるまいし……」
 そういえば、最近ろくに寝てなかったから、そのツケがまわったのだろう。
 久しぶりの睡眠で少しは体調が良くなっているはずなのだが、気だるい感じがまったく抜けない。
「……まつり姉さんを怒らせて、お父さんやお母さんたちも嫌な気持ちにさせて……。何をしているのよ、私は……」
 昨日の夜の事を思い出し、私は嘆息する。
「これじゃ、みゆきの言ってたとお……」
 弱気な発言を何とか飲み込むと、私はパンパンと両手で顔を叩いて気合を入れた。
「強くなる……。うん、私は強くなるんだ!」
 昨日は失敗したけれど、頑張る。私は強くなる。泣いてばかりいられない。
 そう決意した私は、とりあえず空腹を訴えるお腹を満たすために台所に向かう事にした。
「あら、かがみ。ようやく起きたの?」
 台所に着くなり、お母さんが声をかけてきた。けれど食卓には誰もいない。休日のこの時間帯なら、いつもであれば誰か一人ぐらいはいるはずなのに。
「いのりやまつり達はみんな外に遊びに出かけたわよ。お父さんはもう少ししたら来ると思うわ」
 キョロキョロしていた私に、昼食のおかずを並べながらお母さんがそう教えてくれた。
「そうなんだ。……あの、お母さん、昨日はごめんなさい。私……」
 私は、昨日みんなを不快にさせた事を謝ろうとしたけど、
「謝らなくていいわよ。誰だって機嫌が良くない時はあるんだから。ほら、かがみ。顔を洗っていらっしゃい。すぐにお昼ご飯にするから」
 お母さんはそう言って微笑んだ。
「うん、その、ありがと……。顔、洗ってくる」
 どんな顔をすれば良いのか分からなくて、私は逃げるように洗面所に向かった。
 それから顔を洗って食卓に戻ると、お父さんがいつもの席に座っていた。
「おや、かがみ、起きたのかい」



95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:33:13 I/KSieCh


あぁおもしろいおもしろいw

96:フタ☆某
08/06/14 20:35:58 Sw9M6dkq
おえびの修正版に色を塗りました。

URLリンク(konakaga.me.land.to)


97:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:36:49 sOrgfY9m
>>71
GJ!読みやすくて良かったです
続き期待してます。

98:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:39:26 I/KSieCh
>>8
GJです。前編読ませていただきました。
かがみ一人で抱え込もうとすると、いずれ壊れてしまうでしょうね
人はお互い支えあって生きていくのであって、一人が弱い人間を守るんじゃない。
そういう関係が続けば、いずれ支配するもの・支配されるものの関係に陥って、
最悪な結果になりかねないです。
かがみ一人で頑張らなくていいんだよと、声をかけてあげたくなりました。


言っている奴の事を想像するとかなり笑える。

99:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:43:23 UfsVd5yJ
「―それでは本日の議題ですが―…」
議長の淡々と会を進める声と、どこかのクラス委員の意見を交わす声。
そして時折、カツカツと書記が黒板に白い文字を書く音がする。私はそれらを『音』として
聴覚で感じてはいたものの、具体的に『何が』とまでは認識していなかった。
有り体に言えば右から入って左に抜ける状態。
普段の私であれば、よっぽどの事がない限り真面目にも聞くし
決議されたことを事前に渡された資料、あるいはルーズリーフにメモしたりもする。
その、普段ならば出来ているはずのことが手につかない。
逆に言うと今の私には『よっぽどのこと』が起きている、ということになる。


あれから一週間と一日が過ぎた。
こなたに告白したという彼は、こなた程ではないもののゲームも漫画も好きらしく
あいつとも話があうみたいだった。「みたい」というのは、私が直接確認したわけじゃなく
つかさから聞いた話だから。私自身はこなたと、その彼が視界に入るたびに
目を閉じ、耳を塞いで逃げ出していたから。

一週間以上が経った今でも、私の中でも芽を出した感情に名前は付けられていない。
ただ、それは育てているつもりがなくとも、日毎に少しずつ成長しているみたいだった。


何かが決まったらしく、パチパチとひかえめな拍手が普通の教室よりも
幾分か広い視聴覚室に寂しく響く。ふと、ぼんやり資料に落としていた視線を上げ、
夕方といえる時刻になった窓の外の空を見た。
夏の終わりを告げる蜩の鳴き声がどこからか聞こえる。
薄い雲がいくつかふわふわと浮かび、鳶がゆったり上空を旋回している。
こなたが、一人教室で待っていた、あの時程ではないけど
赤く染まった太陽が空を、雲を青や白から橙色に塗り替えていって。
怖いぐらい綺麗だった風景の中、あいつは何を思っていたんだろうかと考える。所詮、私は私で
こなたはこなたなんだから答えなんて出ないのだけれど。



100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:45:06 yV4a5+w4
>>96
GJ!

101:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:45:58 UfsVd5yJ
「―み……ん…か…みさ…かがみさんっ」
「ひあっ!!?」
突然現実へと引っ張り戻した大きめの声に、声帯と肩、そして背中の筋肉が反射的に反応し
ガタッと椅子の揺れる音と共に、私は悲鳴をあげてしまっていた。
余りにも人を引き付ける力を持った風景に、心奪われるうちに
委員会は終わってしまったらしかった。
会が終わった開放感と、それと同時に感じる疲労感で教室が一杯になっている。
私の顔を心配そうに覗き込むB組の委員長―高良みゆきに苦笑を浮かべつつ手を振る。
「ああ、ごめんみゆき。少しぼうっとしてたわ」
「そうですか?それなら良いんですが、具合が悪くなられたのかと思いまして…」
「本当ごめん!大丈夫だから。あ、頼みがあるんだけど…今日の決定事項とか、後で見せてくれない?」
「それは構いませんが……。…かがみさん、この後ご予定とかありますでしょうか」
みゆきの問い掛けに私は首を傾げた。つかさやこなたから、こういう風に言われて
どこかに寄ったりすることはあっても、みゆきから言ってくるのはめったにないことだったからだ。
「ない、けど……どうしたの?」
「それは…あ、少し待って下さいませんか?」
私の疑問に言葉を濁し、さらに返事を聞く前にみゆきは踵を返していた。
他のクラス委員は既に教室から居なくなっていて、
一人ぽつんと取り残された私はまた窓の外を仰ぎ見る。
空は、橙色からあいつの髪の色よりもちょっと濃い群青色に変わりゆく途中だった。


「お待たせしてしまい、申し訳ありません。…ミルクティーで宜しかったですか?」
しばらくしてみゆきが戻って来た。手には二本のミニペットボトルが握られていて
どうやら下の自動販売機で買ってきたらしかった。
「あ、そんな気を遣わなくてもいいのに…」
「いえ、私が呼び止めたんですから。どうかお気になさらずに」
それに、少々長くなりそうですし、と言いながらみゆきが片方のミルクティーを差し出して来て
私は躊躇いつつもそれを受けとる。
パキッと小気味よい音と共にペットボトルの蓋が開けられ、
中身を一口口に含んだみゆきが、間違っていたら申し訳ありません、と
前置きをして話し始めた。







102:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:47:54 UfsVd5yJ
「……泉さんと何か、あったんですか?」
「!!!」
いきなり、しかもここ数日悩んでいたことの核心に触れられ
驚いた私は、キャップも開けず手の中で弄んでいたペットボトルから目線を外しみゆきの方を凝視した。
「な、んで……」
「…気のせいじゃなかったようですね…。…泉さんの様子も気になっていまして…」
「…………」
こなたの名前が出たことで、私はより一層緊張した。ペットボトルの蓋を開ける乾いた音が
酷く場違いなものに聞こえる。体温で大分温くなった中の液体で唇と喉を湿らす。
喉を通っていった液体に初めて、私の喉がからからに渇いていたことを知らされた。

「泉さんにも…おせっかいだと思われるかもしれませんが…
お話を伺ったんですが、上手くはぐらかされてしまいまして」
ごくん、と知らず唾液を飲み込む。その音がやけに大きく響いて
慌てて、咳込むふりをしてごまかした。
私は先刻から何も話していないけれど、みゆきは意にも介さないように話を続ける。
「―実は、泉さんとかがみさんの様子が以前と違うことには
大分前から気付いていました。かがみさんは、約一ヶ月前から。
泉さんはそれよりもさらに前から」
「最初は何か…小さな諍いがあったのか、とも思いました。
ですが、それはお二人の問題。当人同士が解決しなければいけないものです。
私が口を挟むべきではない、と考えました。
しかし一ヶ月以上が経っても一向に以前のようになる気配がありません。
諍いとは違うのではないか、という思いが生まれました」
そこでみゆきは一度口を閉じ、何かを振り払うみたいに目を閉じ
二、三度首を振ってまた、言葉を紡ぐ。
「私が、介入すべき問題ではないのかもしれませんが……今のお二人を見ているのは
辛いです。また、以前のように楽しそうにお話する泉さんとかがみさんが見たいんです。
…差し出がましいようですが、お二人の間に何が、あったんですか?」

その問いは二度目だ。だけど、私自身何がどうなのかよくわかっていない。

私の中に渦巻くこの気持ちは?
こなたの行動の理由は?

疑問が有りすぎて何から話していいのかわからない。「…断片的でも良いんです。人に話すことで楽になることもありますから。
もし、話したくないのであれば無理に、とはいいません」







103:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:49:31 UfsVd5yJ
ああ、みゆきは。
この友人は、私たち二人のことをこんなにも思ってくれている。
そう思ったら、両親にも、まして妹には言えなかった言葉が
涙と共に一気に溢れ出していた。

「…っ!!わ…私っ……あいつに…っく、こなたに、告白されて…っ
友達としか思えなかった、のに、拒絶、したのに…それでももやもやしたのが残って……!
どうしたらいいのかわかんなく、て……っ!」
一度崩れてしまった堤防は水を止める術を持たない。胸にあったものを全て吐き出す
私の言葉と言う名の水―いや、しゃくり上げていたせいで単語すら怪しかったかもしれない―を
みゆきは辛抱強く最後まで受け止めてくれた。


すん、と時折鼻をすする私と、時計だけがこの部屋に存在する音源。
私はいつの間にかみゆきに抱き締められていた。こういう風にされるのは
小学生、下手したら幼稚園の時以来だな、と思う。
…訂正。こなたはぺたぺた引っ付いてきてたりしたっけ。
けれど、こなたとは違う、母親が子供をあやすような抱擁。小さい子扱いされてるみたいだけど
不思議と嫌な感じはしなかった。恋人同士のそれの胸の高鳴りの代わりに、
なにもかもを預けられる安心感がある。

「……落ち着き、ましたか?」
「ごめん、みゆき…。…はは、情けないわね」
同級生に縋り付いてわあわあ泣いていた自分の姿を脳裏に描いて
恥ずかしさに、なるべく軽く笑って体を離した。
「いえ、良いんですよ」
にっこり笑うみゆきは、同い年とは思えない程の母性や包容力を持っている。
聖人君子というよりは聖母マリア様。今の私にはそんなイメージが浮かんでいた。
もっとも、どっちも似たようなものなのかもしれないけれど。

「…かがみさんは、泉さんが嫌いですか?」
「嫌いなわけないじゃない」
これは、自信を持って言えること。
「では、好きですか?」
「好き、ではあるんだと思う。ただ…その『好き』の種類がわからないっていうか…。
…近くに居すぎたせいかしらね」
大泣きして落ち着いたおかげか、前よりもすんなり言葉が出て来る。
まだまだ曖昧だけれど、それでも心の中のもやもやの輪郭が見えた気がした。







104:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:51:40 UfsVd5yJ
「それをそのまま伝えれば良いんですよ。言い方は少々厳しいかもしれませんが、
今のかがみさんは……もちろん泉さんもですが……中途半端に逃げているだけです。
恋人としても、友達としても付き合えていない…」
さっきとは打って変わって、真面目な顔をしたみゆきがじっと私を見つめて来る。
目を逸らしちゃいけない気がして、私も瞬きもせず見返す。
「それでは泉さんもかがみさんも傷付くだけです。
ですからかがみさんは…泉さんともう一度、向き合うべきだと思います。
……なんて、偉そうにすみません」
「ううん…その通り、だから。考えとてみれば、私ずっと気を遣ってた。
普通に接しているつもりでも、どこか腫れ物に触る態度で…。
それは、こなたも同じだと思う。だから、明日こなたと話をしようと思う。
私の気持ちをぶつけてこようと思う」
そう宣言すると、みゆきはまたいつもの優しい笑顔を私に向ける。

「その結果の関係がどうであろうと、お二人なら大丈夫ですよ」


みゆきに何度もお礼を言ってから家路に着く。一ヶ月前とは違い
心はさっぱりしていて、なぜだかとても穏やかな気分。
玄関を開けると、ちょうど台所から出て来たらしいつかさとばったりあった。

「お姉ちゃん、お帰り。今日は遅かったね……って、目、真っ赤だよ!?
どうしたの!?」
「ただいま。あー…これは…色々あって…」
まさかみゆきの胸で大泣きしていたとは言えない。そしてその理由も。
姉としてのささやかなプライドだ。

「…こなちゃんと何か、あったの?」
靴を脱いでいる私につかさが近付いて、少しだけ声のトーンを落として話し掛けてくる。
「違うけど…もしかしてつかさ、私とこなたの様子が変だとか思ってた?」
「……うん。ちょっと前からお姉ちゃんもこなちゃんも
なんか無理して笑ってるみたいだったから…」
…まさか妹にまでバレているとは。ぼんやりしてることが多いつかさだけど
今回はそんな妹にすらはっきり解るほど変だったのか、私たちは。
「さっき、みゆきにもおんなじこと言われたわ。
で、発破かけられちゃった。
大丈夫。明日、こなたと向き合ってくるから。
……心配かけちゃったわね」







105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:53:30 UfsVd5yJ
「ううん、私も今のお姉ちゃんとこなちゃんを見てるのは辛いから……頑張ってね」
私たちのことをまるで自分のことのように心配するつかさに、また感謝の涙が滲みそうになる。
それをぐっと抑えて、涙の代わりにありがとう、と呟いた。


その夜。私が寝るには早い時間に部屋のドアがノックされ、
続いて枕を抱えたつかさが入って来た。
「えへへ…お姉ちゃん、今日は久しぶりに一緒に寝てもいい?」
机に向かって明日のことを考えていた私はくす、と苦笑を漏らして立ち上がりベッドに入る。
「全く、しょうがないわね。いいわよ、一緒に寝よ?」

知らない人から見れば姉に甘える妹の図なんだと思う。でも、違う。
本当に甘えているのは私の方だ。つかさは無意識にかもしれないけど、敏感に
不安な私の気持ちを察知して、こうやって支えてくれているんだと思う。
甘えるのが下手な私の代わりに。

電気を消したつかさが私の隣に潜り込んでくる。
ぼそぼそと、そうする必要なんてないのに小声で話す姿は小さい頃に戻ったよう。

「ねぇ、つかさ。好き、ってどういうことなのかな?」
「ふぇ?す、好き?」
「っていうか…友達としての『好き』と恋愛感情としての『好き』の違い、かな」
まだ暗闇に慣れない視覚の中、隣でつかさがもぞりと動く気配がした。
きっと、一生懸命考えてくれているんだろう。
「…んー…全然違うと思うよ?
恋愛感情で好きになると、その人が居るだけでドキドキするし
…毎日が楽しく感じられる、かな」
一つ一つ確かめるように言うつかさの言葉はとても実感が篭っていたけれど、
やっぱり私には、いまひとつピンとこないものだった。

「…つかさは、恋、してるの?」
「うん、してる。大好きな人がいるんだ」
漸く暗さに慣れてきた私の目に映った微笑む妹の顔はもう、雛鳥みたいに私の後を付いてきていた
甘えん坊の表情じゃなかった。




どくん

心臓が高鳴る。自分で決めたことのはずなのに、投げ出してしまいそうになる。
私はB組の教室、こなたの右隣りに座っていた。時刻は12時半。
いつものメンバーでいつもの昼食。違うところは私の心中だけ。
今日はある意味で、私とこなたの関係に終止符を打たなければならない。
そのためには、こなたを誘う必要がある。







106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:55:45 UfsVd5yJ
どくん

まただ。口を開こうとする度に心臓がきゅうっと収縮して、臆病な私が顔を覗かせる。
ちらりとみゆきとつかさの方を見ると私を勇気付けるように頷いてくれた。
それに励まされた私は、大きく息を吐いてから、普通を装ってこなたに話し掛けた。

「こなた」
「んー?なにかな?かがみんや」
「……今日の放課後時間、ある?」
「……なんで?」
途端にこなたの顔が強張る。でも、それも今日でおしまいにしないといけない。
私のために。それに、なによりこなたのために。

「大事な話がある、から…。放課後、校舎裏に来てくれない?」
「……わかった……」


瞬く間に時間が過ぎていった。きっとそれは間近に迫る秋という季節のせいだけじゃないはずだ。
みゆきとつかさは邪魔しちゃ悪いから、と一緒に帰っていった。
あの二人も上手くいけばいいな、と思う。昨日のつかさの表情を思い出して
自然にそう考えた自分に驚いた。ちょっと前までは同性同士というだけで
恋愛対象にはならない、と思っていたのに。


「ごめん、待った?」
校舎の影から通学鞄を持った青い髪の小さな少女が小走りでやって来る。
「ちょっとだけね」
「それで、話って何?」
校庭の方からどこかの運動部の掛け声が聞こえて来る。
蜩の鳴き声はもうしない。代わりに鈴虫やキリギリスが季節のメロディを奏で始めている。
夕日が、長い影を私とこなたの足元から作っていた。こなたの表情は
普通ならば逆光のせいで見えないはずなのに、距離のせいか不思議とよく解る。色々考えたけれど、言いたいことは結局上手くまとまらなかった。
だから、思ったことをそのまま伝えよう。
早いリズムを刻む心臓。汗が伝う背中。唾液の出ていない口内。
それらを全部無視して、私は漸く一歩を踏み出した。

「ごめん!私、こなたに謝らなきゃいけないことがある。
いつも通りにする、って言ってて全然出来てなかった。余計にこなたを傷付けた。ごめん…!!」
「そんな…わ、私も…私こそ、かがみに謝りたい…!!」
私が一息つけるのと同時にこなたが叫んだ。







107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 20:57:40 UfsVd5yJ
その姿がいつかのこなたと重なって、目頭が熱くなる。
「私っ……私もかがみに言ったこと出来なかった…!拒絶、されたのに
諦められなく、て。…告白された時、よかったと思った。
付き合っちゃえばかがみのことも忘れられると思った。友達として付き合ってみたけど…だけど
全然、ダメで…。話してても、かがみと比べちゃって…っ。
かがみのこと、もう、友達とは思えないよ…ごめん…っ」

一言喋る度に大きな瞳に涙が溜まり、声には泣き声が混じる。
違う。私はそんな顔を、声をさせるためにここに来たんじゃない。

「…もう一つ、謝りたいことがあるの。私、こなたに告白された時女同士だからとか
そんなことで最初から考えないようにしてた。
あんなにも真剣なこなたにちゃんと向き合ってなかった」
そこで私は一つ息を吸い込んで。私が本当に言いたいのはここからだ。
「こなたと、あの彼が一緒に居る時もやもやした気持ちになった。
…多分、嫉妬。……私はこなたのことが好き、なんだと思う。
だけど正直どういう意味の『好き』なのか私自身よく解ってないの。
……だから、もしあんたが私のことを本気で好きなら……惚れさせてみなさいよ」

―そう。これが私の出した答え。正直な気持ち。そして、後はこなた次第だ。
羞恥も、なにもかもかなぐり捨てて一気に言ってこなたを見つめる。
こなたは涙も引っ込んだみたいで、呆けた顔をして私を見てる。
「……か、がみ。それ、って、私にもまだ可能性はある、ってこと?」
「…ま、そうね。せいぜい頑張って私をときめかせてみなさい?」
「――っ!!かがみぃっ!!」
「な………んっ……」
体を震わせたこなたが飛び付いてきて頬に、不意打ちのキスをされた。
一瞬、触れ合うだけのそれが離れてこなたがくふ、と笑う。
前みたいな、日だまりの中に咲く一輪の花のような本当の笑顔で。

「絶対落としてみせるからっ!覚悟しててよね?」
キスまでしたくせに、恥ずかしいのか
頬を夕焼けよりも赤く染めてあいつは走り去っていった。

「そう簡単に落とされてたまるもんですか」
口調とは裏腹に、笑っている私は端から見れば怪しいことこの上ないに違いない。


この前よりもいきなりのキスなのに
不思議と嫌じゃなかったのは―まだもう少し言わないでおいておこう。







108:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:12:09 I/KSieCh
 そろそろ、時間ね―。
 休みの日、みんなで久しぶりに集まって、飲んで、騒いだ、泉家主催の誕生会の後。
 私はこなたの腕からそっと抜け出して、台所の片隅に向かった。

「ふぁ……」
 思わず出かかったあくびを、大急ぎで堪える。
 時計の針は、午前3時近く。普段ならとっくにベッドで目を閉じている時間だ。
 私だって本当は、さっさとこなたと眠りたい。
 ……でもその前にどうしても果たさなければならない、特別任務があった。

 雨戸も明かりもない闇の中、こなた以下全員が沈黙しているのを確認の後、ビールの空き缶や
 ワインの空き瓶、その他各種障害物の間隙を突いて冷蔵庫に到達。
 念のためにもう一度周囲の気配を探ってから、おもむろにソレを取り出す。

「ほんと、私って不器用よね……」
 一体何皿分になるだろう。
 冷蔵庫から取り出した、ビニール袋の中身。
 それは、こなたの誕生日に向けて何度も何度も焼いた、ショートケーキのスポンジ生地だった。


       しょーと&しょーと ~1日遅れの、ばーすでい~


「つかさ、ちょっといい?」
 飲み会の誘いを断って、久方ぶりに妹を訪ねたのは、1週間前。
「あの、さ……1週間だけでいいんだけど、ケーキ型と温度計と、泡立て器、貸してくれない?」
「もしかして、こなちゃんのお誕生日ケーキ?」
「え……うん、今度の誕生会だけど、昼間こなたが出てる間に、ケーキ焼いてあげようと思って」
「わぁっ、いいね!絶対喜んでくれるよ!」

 その後、私が買ってきたレシピで、つかさにケーキを作ってもらった。
「ジェノワーズ……あ、卵白と黄身を分けないで泡立てるやり方ね、は、始めはすごく難しいの。
 だから、レシピには書いてないけど、ここでちょっぴりベーキングパウダーを入れて……」
「生クリームを泡立てる時は、絶対に温めちゃだめ。こうやって、周りを氷水で冷やしながら……」

 雑誌にも載った料理教室の先生だけあって、私の手を取って色々解説しながら、
 料理番組のように楽しそうに作ってくれた、つかさ。
 でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
 過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
 ……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
 こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
 他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
 食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
 時もあったっけ。

 そんな努力を重ねて迎えた、泉家での本番。こなたがバイトに出かけたのを見計らって、
 ガスとオーブンレンジを駆使して何回もスポンジ生地に挑戦して……
 大きな生地と小さな生地、それぞれ一番よくできた二つを重ねて、みんなで分け合っても余る
 位のショートケーキを作った。
 前にこなたが作ってくれたのには及ばないけど、それでも私の精一杯を尽くしたケーキ。
 ……でも、残りはみんなが訪ねてくるぎりぎり前に、冷蔵庫や台所の片隅に
 緊急避難させたままだった。

 そんな失敗作を、誰か―というか主にこなたにだけど―気付かれないうちに『処理』する。
 それが、疲労と軽い二日酔いが残る体を無視して、早朝勤務に勤しむ理由だった。




109:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:13:46 I/KSieCh

 常夜灯モードの薄明かりの中、缶をどかす僅かな音にもどきどきしながら片付けたテーブルに、
 問題のものを並べてみる。
 こなたは勿論、つかさやみゆきもびっくりした『会心作』の影に隠れた、数々の失敗作。
 やっぱり、料理は苦手なのかな……
 テーブルを占領する歪な何かに、呆れ半分、懐かしさ半分の、ため息をつく。
 中途半端に膨らみ過ぎて、最後に陥没したもの。逆に全然膨らまないまま終わったもの。
 グラムも計って、いい材料を使って、温度にもあんなに注意したのに、
 それでもケーキにできなかったケーキたちだ。

「並べてみると、凄いわね」
 こうして実際に体験してみると、改めてこなたやつかさの凄さが分かる。
 焼きたてのシュクレと甘酸っぱいフルーツが絶品のタルト、
 バターの香りをいっぱいに吸い込んだパイ生地が、ざくざくっ、と口の中で解けるミルフイユ……
 たった20年の人生だけど、その中で二人が料理を失敗した所なんて、見たことがない。
 自分が何度も焼いた中から選んだ、『奇跡的にうまくできたもの』―
 それより断然美味しい生地を、当たり前のように焼いてしまう。
 今更だけど、そんな二人が羨ましい。
 いや、正確に言えば、二人みたいに上手にできない私が、悲しい。

「……いただきます」
 流石に全部捨ててしまうのはもったいなくて、厚さが通常の3分の1くらいの生地に手を伸ばす。
 確か、ベーキングパウダーと間違えて、片栗粉か何かを混ぜたやつだったっけ。
 ボウルにまだまだ残っていた生クリームを塗って、ナイフで分割して……
「うわっ」
 予想はしていたけど、これは酷い。
 スポンジ生地の筈なのに、何だか『べたっ』ていう歯ごたえがする。
 何というか、生焼けのホットケーキに齧りついた時のような……中学生頃に見た、スタジオ外に
 エプロンマークを飛ばされて絶叫するアイドルの図が、頭に浮かんでくる。

 でも、こなたのバイトや休日が重なってくれて、本当に助かった。
 こなたは優しいから、私が作ったものなら『卵かけごはん』でも喜んでくれるけど、
 折角の誕生日ケーキが『コレ』だったら、ちょっと複雑だろうし。
 それとも、ケーキを待ちわびていたみんなの前で『さすが私の嫁、お約束は忘れないネ♪』
 なんて、からかってくるのかな。
 というかその前に、おじさんやゆたかちゃんも食べることを考えると……。

 そんな妄想から帰ってきた所で、改めてテーブルという名の現実を見つめ直す。
 この残骸は、果たしてどうしたものか。

 明後日になれば可燃ごみの日だけど、それだけは100%ダメ。
 注ぎ込んだ材料費を思うと切ないし、何より折角の食べ物を粗末にしたくない。
 けど、それならどうやって再利用しよう?
 正直、人に進呈するには余りにも不器用過ぎる。
 なら自分が巧みに料理するしかないけれど、ここから何を作ると言われると、結構難しい。

 甘味がきっちりついているから、カツサンドとかにはできないし……
 でもフルーツサンドにすればお昼になるかな?それともジャムとか塗って、3時のおやつに
 しようかな?でも、そうしたらカロリーが大変なことに……
 と、そんなことを考えながら、もう一度フォークを伸ばした、次の瞬間。

「そんなに食べたら、また太るよ?」
「な……っ!?」

 私が振り返ったのと、突然点けられた蛍光灯に目を細めたのは、殆ど同時。
 数瞬後、目を開けた時には、背中からありったけの力で、こなたに抱きしめられていた。




110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:15:53 I/KSieCh
「いつから?」
「『……いただきます』の前からかな」
「寝たん、じゃなかったの?」
「かがみが起きた時に気付いてたよ。完璧すぎる演技でネタ振りしてたけど」
「……っ!あんなに用心してたのに……!!」
 思わず火照る顔を背ける。
 普段は布団引っくり返しても起きないくせに、どうしてこういう時だけ鋭いんだろう。
 つくづく、困った恋人だ。

「なんて、今回は心の中で戦闘準備してたからネ。かがみが夜な夜な練習してたの、気付かない
 私だと思ったのかね」
「え……?」
「私が気付いてなかったと思う?ジャムをパレットナイフで塗ってたり、ラノベの代わりにお菓子の
 レシピ見てたり、それに一昨日も、台所の壁に濃厚な白濁液が」
「なっ、いいいいちいち変な言い方……!」
「んふ~っ、いやらしい想像しちゃって、かがみんってばそんなに溜まってるのかな?かな?」
「っ、こな……」

 思わず出しかけた大声を強引に押さえ込む私の肩に、一層の体重がかかってくる。
 視線を逸らしている分、パジャマ越しに伝わってくる熱が、二人の髪が交わる音が、よりはっきり
 感じられて、どんどん心音が乱れていく。
 どうしてだろう。
 こなたと付き合って何年も経つし、キスどころか、体だって何度も重ねてきた筈なのに、
 時々心が陵桜の頃に戻ってしまうのは。

「……あのさ、こなた」
 高鳴る想いで真っ白になってしまう前に、まずはとにかく声を出す。
「い……一緒に、お茶でも飲まない?」
「星を見ながら秘密のお茶会か、そのシチュ相当嫌いじゃないね!でもそれならミルクティーは
 ホットミルクに茶葉入れるタイプにした方がいいんだったかな……」
 また何かのギャルゲネタだろうか、こなたはそう笑って、ふわりと私から離れた。
 でも、その動きに合わせて流れ込んだ冷気がこなたの温度と甘い匂いを流してしまうと、今度は
 さっきまでの感触が恋しくなる。
 こなたに隠れて、小さくため息。どうしてこんなにわがままなのかなと、我ながら呆れてしまう。
 ところがコイツは、内心寂しくなった私を小憎たらしいほど見通していて。

「でもさ、折角だから……お茶会よりもっと、いいことしない?」
 そう言って私の食べかけを奪うと、密かな照れと最高峰の悪だくみをブレンドした笑顔で、
 テーブルをセッティングし始めた。
「ちょ……いいこと、って?」
 昔からのノリで質問を投げかけた私に、こなたはびしっとポーズを取って、

「お誕生会は続くよどこまでも、だよ。答えは聞いてない♪」




111:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:17:09 I/KSieCh
「べっ、無理しなくていいのよ?こんなの所詮失敗作だし、冷蔵庫の中に、昨日の余り」
「だが断る♪」

 深い藍色の星空が、少しずつ白み始める頃。
 遠い街灯と、星の光、そしてキャンドルの灯す橙色の中で、私達は肩を寄せて笑っていた。
 目の前には、昨日食べたのと作りは同じ、二段重ねのショートケーキ。
 私の『失敗』生地を、余った生クリームとフルーツで飾った、ちょっと不恰好なお夜食だ。

 かがみんは、今食べてたのにこの生地継ぎ足してデコレーション。終わったらお茶お願い。
 私はこっちの大きめの使うから―
 あれからこなたは早速フルーツを挟むと、回転台の上でクリームを飾っていった。
 私は自分のを飾るのも忘れて、アニメの歌を口ずさみながらみるみる仕上げていくこなたに
 見入って……。
 結局、私のデコレーションの手際の微妙さをからかわれたり、二人連れ立って紅茶を淹れたり
 することになったけど、全然嫌じゃなかった。
 そして。

「嬉しいな。かがみのケーキがまた食べられて」
「でも、これ……」
「かがみ」
 灯したキャンドルの光が照らすテーブルで、こなたが呟いてきた。
 どうしても反論したがる私を、そっと人差し指で押さえながら。
「何て言うか、かがみは完璧主義だから、昨日みたいに見栄張っちゃうけど……」
 こなたの口調に、少しずつ、感情が混じっていく。
「でも、私はこういう不器用なかがみも、大好きだよ。不器用だけど、こんなに頑張ってくれたって、
 凄い伝わってくるじゃん?私じゃこんなに、何度もやり直したりなんてできないよ」
「こなた……」
「誕生日なんて知らないってふりしながら、何日も前から……ほんと、世界一のツン……?」

 ぎゅっ、と。
 うっすら涙を浮かべながら、それでも最高の笑顔を見せてくれるこなたを、抱き寄せた。

「ったく、あんただって、なんだかんだ言って凄いツンデレじゃない」
 最後の方なんか、素直になり切れなくて、わざとふざけようとしてたくせに―
「それに……そんな風に、私の不器用な……あんた風に言えばツンデレな所も、全部分かって、
 今みたいに受け止めてくれて……
 だから、私だってこんなに、こなたのために頑張れるんだから」
「っ、ずるいよ、こんな時にデレなんて、やっぱりかがみって、世界一の……」

 幸せな涙を見せたくなくて、私の胸に顔を埋めるこなたを、そっとそっと撫でる。
 私の気持ちを、体温と一緒に伝えるように。
 こなた、私、こなたが大好きだよ。
 ツンデレって素直になれないから、頑張り続けてると心が疲れちゃう。けど、それを癒してくれる
 たった一人の人が、こなたなんだよ。
 だから……綺麗なケーキを作ろうって張り詰めてた気持ちを解かしてくれたみたいに、
 たまにはこんな風に、私にも……。



 キャンドルの灯り中、一つに重なった二つの影。
 それは、誕生日の魔法のお陰でほんの少し素直になれた、私と、そのかけがえのない恋人。
「こなた、改めて……お誕生日、おめでとう」
「ありがとう……かがみ」

 秘密のケーキをご馳走になる前に、私は嬉しい嗚咽を漏らすこなたに、優しい笑顔で俯いた。
 幸運の星のような―こなたに負けないくらい幸せな雫を、いつの間にか零しながら。




112:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:19:42 I/KSieCh
PLLLLLL…
こ「あっ、電話だ。
おーい!!おとーさんかゆーちゃんお願ーい!」
か「いや、その二人がいないから、わたしがここにいるんでしょうが…」
こ「ん~じゃあ、かがみがとってよ」
か「えっ!?な、何でわたしがあんたん家の電話に出なきゃならないのよ!」
こ「私今こんな格好で、こんなんだからさ…///」
か「…変な風にぼやかさずに『エプロン姿で煮物してる』って言いなさいよ!!」
こ「早くしないと電話止まっちゃうよ?
それとも火加減命のこの煮物をかがみが作れるとでも?」
か「わ、わかったわよ…」
か(うぅ、なんでわたしが……しかも何故かめちゃめちゃ緊張してきちゃったし…)
こ「はりー!はりー!はりー!」
か「どこかの吸血鬼みたいに言わないの!!
もう、取ればいいんでしょ?取れば!!」

ガチャ。

か「はい、泉です」
つ「もしもし~、こなちゃん?
おねえちゃんは用事があっていないけど、もしよかったら遊びに来な……って、あれ?」

ガチャ。


113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:21:28 I/KSieCh
「かがみんコントローラー!」
「何だ、また何かのネタか?」
「ライフを1000払い、上上下下左右左右BA!」
「ちょ! コ○ミコマンドかよ!」
「……詳しいね、かがみん」
「あ、いやっ、そのっ……」
「そんなかがみんには特別にコ○ミの某クイズゲームにて『泉かがみ』になれる券をプレゼント~」
「いらんわそんなの!」
「ところで、私の『柊こなた』は直ったのカナ?」
「知らないわよそんなの……(あ~、頭痛い……)」
「かがみんコントローラーの特殊効果によりっ!」
「お前はいちいち展開が急だな?!」
「かがみんにダイレクトアタックする事ができる!」
「へ? ……のわあっ! ちょっと、止めろって!」
「ほれほれ~まだ私のバトルフェイズは終了してないぜ~」
「くっ……甘いわねっ! トラップカード発動っ!」
「何っ!(意外とノリノリだねかがみん的な意味で)」
「右手に盾を左手に拳をっ!」
「そ、それはっ!(明らかに一文字だけ字が違いますヨかがみさん!的な意味で)」
「そうよ! このカードの特殊効果によりっ!」

『攻 守 交 代』

「うわっ! かがみん馬乗りは止めてって!
ちょ! 重……!」

アッー!



……

………

チュンチュンチュン

「……まだジンジンする」
「ご、ごめんってば!
私も調子乗りすぎたわ……」
「まあ良いけど……モーニングコーヒー美味しいし」
「う、うん……」
「……気持ち良かったし」
「うん……」
「かがみんの事大好きだし」
「私もあんたの事が好きよ」

「は~あ……サレンダー、完敗だヨ」




114:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:23:24 I/KSieCh
真性モテモテかがみん

こなた「今日は重大な発表があるので聞いてね、ひよりん」
ひより「おおお、なんかいつになく真剣な眼差しッスね…先輩」
こなた「…閃いたのだよ。かがみんの落とし方を」
ひより「落とし方って…(いつになく真剣と思ったら、オヤジモード全開だ…この人)」
こなた「実は先日あるラノベを読了してね…ネンネな女の子が、女王様然としたお姉様に
    手を引かれて、百合の世界へダイビングと言う話なんだけど、これだ!と思ったね。
    ツンデレってのは要するに超奥手ってわけじゃん。昔風に言うと」
ひより「昔はツンデレって言葉自体無かったですけどね」
こなた「あまり恋愛に積極的じゃなかったツン子が、ぐいぐいと引っ張っていってくれる大人の引力に絡め取られ、
    ついにロシュの限界を越えて惑星直列となる訳だよ!(一大スペクタクル)」
ひより「王道…ですかね」
。。。

蒼井泉馬(アオイイズマ)様登場   主題歌:青いイズマがかがみんを攻める…(略)

こなた「と言う訳で、今回はストパニ風衣装でまとめてみた。コスプレ喫茶のバイトも捨てたモンじゃないね」
ひより「…(ああ、駄目だ…どう見ても押し倒される方です、先輩…でも身長のこと言うと怒るだろうし)」
こなた「漆黒の馬もいると良かったんだけど、みゆきさんに聞いたら、さすがに飼ってないってさ。どうしよ?
    自転車で良いのかな?」
ひより「馬は乗るのに梯子が必要かも知れないので、避けた方が賢明だと思うッス」
こなた「仕方ない、自転車を黒く塗るか…自らの自転車に塗装を施す学園のスター…これは絵になるね」
ひより「…そ、それより、どうやってネタ扱いされずに会話に持っていくかッスね」
こなた「フフー、ひよりんには悪いけどそんな心配は無用の長物。
    恋愛(ゲーム)上級者の私にとっては、ラブラブムードなど片腹が茶を沸かすようなもんだよ」
ひより「(言ってる意味はよく分からないがとにかくすごい自信だ…)」
こなた「うーん…お、ビビっときた。『バイト先で百合キャラフェアやるから、台詞の練習に付き合って~』どうよ?
    そんでもって『ワタクシの言うことだけを信じなさい、かがみや…(裏声)』…うし!楽勝だね。
    でもまあ、かがみんの魅力をくま無く堪能するためには、それだけじゃ駄目なんだけど」
ひより「魅力?」
こなた「やっぱりツンデレなかがみんだからね、最後はデレて欲しいじゃん。
    押して押して押しまくって、でも最後までは押し切らないわけよ。
    端っこの隅まで追い込んで追い詰めた所で、あえて一旦止めにしてね、焦らしてね、
   『かがみのせいだよ、こんな私になっちゃうのは』とか言って弱いトコを見せたりね…
    そして、かがみから私に向かって飛び込んでくるのを待つのサ…
    これは、これは…きっと可愛いよー…かがみんが…かがみんから…(トリップ中)…」
ひより「(泉先輩、超幸せそうだ…)」
。。。

ひより「そ、それでどうなったんスか、先輩」
こなた「途中までは上手くいったのに…台詞が全然間違ってるから、全部暗記するまで帰さないって…
    うう~…これだから、オタクは困るよ…明日も放課後練習に付き合わなきゃ…」
ひより「…(アレ、自業自得オチの筈なのに結構上手くいってる…?)」




115:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:24:25 I/KSieCh
メガミで布団被ってるこなたのかわいさは異常

早朝の泉家

かがみ「こなた~、クリーニングから帰ってきたスーツってもう無かったっけ?」
こなた「おー、昨日戻ってきたのがクローゼットの一番左端に」
かがみ「えーと、コレか…あとゴメン、ちょっと髪持って上げといてくれない?」
こなた「はいはい、かがみ様。お召し替え手伝わさせて頂きますわ。
    よっと…うん、私のツインテは今日もサラサラだね」

かがみ「あ、コラ、こなた。また毛布ズルズルさせながら家の中歩き回って。
    やめなさいって言ってるのに、もー。毛布置いてきなさい」
こなた「ええー?いいの?いいの?まあ、かがみがそう言うならそうするけど(パサッ…)」
かがみ「だあぁ!何で何も着てないのよ!」
こなた「家の中だしいいじゃーん。クールビズって事で」
かがみ「限度があるでしょ、限度が」

こなた「それよりさ、今日も遅くなるの?仕事」
かがみ「…ん、悪い。新人だし、ちょっとね…やっぱり寂しい?」
こなた「いや、お弁当の量足りるかなぁ、と。かがみん結構食べるじゃん。間食は特に良くない」
かがみ「そ、そんなに食べないわよ」
こなた「まあ、元気でやってるならいいんだけど。お弁当はリビングに置いといたから(全裸で)」
かがみ「ありがと。ありゃ、もうこんな時間か」

かがみ「じゃあ、行ってくるわね」
こなた「おお、かがみん忘れ物ー!」
かがみ「え、なに?お弁当は持ったけど」
こなた「行ってらっしゃいのちゅー!」
かがみ「待ったー!ドア、ドアが!世間様にお見せしちゃまずいでしょうが」
こなた「ちゅーぐらいどこでもやってるよー」
かがみ「だから!服!服着てきなさいって!」



116:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 21:26:23 I/KSieCh
         ,. - ―- 、
       /        ヽ
     /    ,.フ^''''ー- j.
    /    /    >>1
   /     /     _/^  、`、
  /       /   /  _ 、,.;j ヽ|
  /.      |     -'''" =-{_ヽ{
. ./   ,-、  |   ,r' / ̄''''‐-..,フ!
. {  / ハ `l/   i' i    _  `ヽ  
 |  .rソ     i' l  r' ,..二''ァ ,ノ 
 | { ' ノ     l  /''"´ 〈/ /  
  .|/ -'     ;: |  !  ∧_∧
   l   l     ;. l |  < `∀´>     n
.  .|    !.     ; |. |  ̄     \    ( E)
  |   l    ; l iフ     /ヽ ヽ_//
   l     l   ;: l |    j {   
   |.      ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }
  |   ::.   \ ヽ、__     ノ
  |    ::.     `ー-`ニ''ブ
 l      :.         |





117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:13:28 jLAq5IYs
久しぶりに来たら10スレ進んでたww

118:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:24:10 gku2Ajni
おかえりだぜこなかがジャンキーめ

119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:24:40 4f1iB/n7
>>96
GJ!
色があるとまた違っていいね

120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:31:35 WRgSaHvh
>>96
GJ!
このシーンがどういう状況なのか、思わずこんな事したくなった状況想像したくなりますね

121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:41:57 yV4a5+w4
>>117
その10スレの間に初夜やら朝チュンまがいやら色々起きてるぞw

122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 22:52:30 muK/jrK1
>>117
おかえり兄弟 (姉妹かもしれないけど)
いろいろ騒ぎもあったけど、みんなで楽しくやっていたよ
出来ればこのスレの一層の繁栄のために、また一緒に騒がないか?

10スレというと・・・今年の一月くらいかな?

123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 23:17:40 jLAq5IYs
どこぞのスレのせいで糖尿病になり入院してました本当にありがとうございました
あまーいSSばっかだった記憶あるけど・・・変わってないみたいだね!安心した

124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/14 23:46:12 tLyDhFyt
>>96
キャワワ(´Д`;)

125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 00:01:58 +Ein6ZUR
「手つなぐのはいいけど、顔近いわよ、こなた」
「だってそーいうポーズなのだよかがみん」
「ところで…私はいつまで手繋がなきゃいけないのかしら?」
「嫌なの?」
「い…嫌ってことじゃないけど…」

(…だってこんなにこなたの顔近いし手握ってるし…いろんな意味で私がやばいやばい…嫌だなんてとんでもない)

「かがみん?」
「はっ!」
「…手痛いよ」
「あ・ああ…ごめん」

(こなたの手…暖かかったな…)
(何だかんだで無意識に力込めちゃうかがみん萌え♪)

>>96を見てこんな電波を受信してしまった。ご笑納を。そして俺は逃げる。

126:18-236
08/06/15 00:48:51 Kwi5HOvr
新しいSSができましたので、深夜にコソーリ投稿したいと思います。

物語の季節は6月の梅雨真っ只中です。
8レス消費予定です。

127:18-236
08/06/15 00:49:12 Kwi5HOvr


「あ、雨だ」

ぽつんと鼻先に冷たい雫を感じる。
空を見上げると、鈍い光を受けた雨が線となって降り注いでいた。
あともうすこしで家に着くというのに。
徐々に強くなる雨が私の髪を濡らしてゆく。
腰まで届く蒼い髪が雨を含み、体にまとわりついた。
「むぅ、嫌な季節になったねえ」


『紫陽花色に光る雨』


6月も半ばを過ぎ、梅雨の季節を迎えていた。
連日降り続く雨のせいで、空は一面暗い雲に覆われている。
どこまでも続いてゆく暗い雲は、私の心まで覆ってしまいそうだ。
ずっと青空が見られないのは寂しい。
気分までどんよりとなりそうになったが、雨もたまにはいいことをしてくれる。
「今日は録画の時間変更しなくてもいいかな」
野球が中止になるからだ。

「かがみが横にいれば一緒に入れてもらうんだけど」
今、傘に入れてくれそうな人は横にいない。
かがみ達とはさっき駅で別れたところだ。
どうして別れた後で降り出すんだろう。
どうせなら、一緒にいるときに降ってくれればいいのに。
「何で傘持って来ないの、なんてまた怒られそうだけどね」
いつ雨が降り出すか分からない今の季節には、折りたたみ傘を持ち歩くのが当然なのかもしれない。
でも、かばんが膨らむので中には入れたくない。
折りたたむのが面倒くさいという理由もある。
手は濡れるし、一本一本骨を折りたたむ作業が大変だ。
誰かボタンひとつで簡単に折りたためる傘を開発してくれればいいのにといつも思う。

突然雨が強くなった。
愚痴を言っている暇は無さそうだ。
雨が制服に染み込み、徐々に体温を奪ってゆく。
衣替えも既に終え半袖の薄着ということもあり、肌寒さに身震いした。
6月に入り気温が上がったとはいえ、雨の日は急に涼しくなることもある。
「急がないと」
自慢の俊足で家を目指す。
一人雨に打たれながら走る自分の姿が、水溜りに映る。
─こんなとき側にいてくれたら
一抹の寂しさを感じながらも、これ以上濡れてしまわないよう先を急いだ。



128:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:49:50 Kwi5HOvr
★☆

昨日から降り続く雨が、今朝も駅舎を濡らしていた。
いつものように駅前で待ち合わせをしながら、止まない雨をじっと見つめていた。

「おーっす、こなた」
「こなちゃん、おはよう」
ざあざあと降り続く雨の音が頭の中で反響している。
かがみ達の声が、どこか遠くから聞こえてくるようだ。

「おーい、こなた?」
「……ああ、おはよう、かがみ、つかさ」
「元気ないわね。どうしたのよ?」
「ん、ちょっとね」
怪訝な表情でかがみは私の顔を覗き込んできた。
「ん、何?」
「ちょっとごめん」
そう言うと私の額に手を当てた。
ひんやりとしたかがみの手が心地よい。
「うわ、これは熱あるわね。ボーっとしてるから熱でもあるんじゃないかと思ったけど、その通りみたい」
「こなちゃん、大丈夫? 苦しくない?」
つかさが心配そうに身を乗り出した。
「これぐらい大丈夫だって。昨日ちょっと雨に濡れただけだから」
「苦しくなったら言ってね」
「うん。つかさは優しい娘だねえ」
そう言ってつかさの頭を撫でると、恥ずかしそうに笑った。
「まったく。雨の中ではしゃいでたんじゃないでしょうね?」
「むっ、双子なのにどうして姉の方はこうもがさつなのかねぇ?」
「悪かったわね、どうせ私はがさつで優しくないですよ」
頬を膨らませながら、そっぽを向いてしまった。
─ちょっと言い過ぎたかな?
腕を組みながら横を向いているかがみの様子を窺っていると目が合った。
「むふふ、心配してない素振りを見せながらも、さりげなく横目で私の体調気にしてるかがみ萌え」
「う、うるさい! 冗談言う元気あるんなら、さっさと行くわよ」
そう言うとかがみは先を歩き出した。
「あ~、待って、かがみ様~」
「様は止めんか」
私に気をつかってくれているのか、ゆっくりと歩いてくれている。
心配そうに後ろを振り返っては私のことを見てくれた。
時折目が合うとごまかすように前を向く。
そんな不器用なかがみの心遣いがとてもうれしかった。



129:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:50:04 Kwi5HOvr


「─じゃあこの問題を、泉」
お昼も近い4時間目の授業を、ボーっとする頭で聞いていた。
どこかで私の名前が呼ばれた気がする。
「泉、おーい、泉、寝てんのか?」
耳元ではっきりとした声が聞こえると同時に、頭にゴスンと衝撃が走った。
「おおお、これが病人に対する仕打ちですか?」
「何や、いつもみたいに寝てんのかと思たけど、ほんまにしんどいんか?」
「ちょっとしんどいかも」
「昼までもちそうか?」
時計に目をやると、授業が終わるまでまだ30分以上あった。
授業が始まってからずいぶん長い時間経ったと思ったが、まだ20分しか経っていないことに驚いた。
このまま30分以上座り続けるのはさすがにきつい。
「うう、無理そうです」
そう言ってまたぺたんと机の上に顔を乗せた。
「あんまり無理しーなや。どうする、保健室行くか?」
「そうさせてもらいます」
「一人で大丈夫か?」
「まあ、なんとか」
「保健室の場所分かるか?」
「……大丈夫です」
思わずツッコミそうになったが、その元気も無い。
これも先生なりの気の使い方なのだろう。
確かに以前の私は保健室に縁が無く場所を忘れていた時期もあった。
しかし、ゆーちゃんがよく利用するようになってからというもの、自然と覚えてしまっていた。

机の上の教科書をまとめ席を立つと、不意につかさが立ち上がった
「先生、私保健室まで付き添います」
普段のおっとりした様子とは異なり、はっきりとそう告げていた。
「ああ、そうやな。途中で倒れたらあかんからな。ほんなら頼むわ」
先生の了承を得ると、早速つかさが私の側まで来る。
「あんまり無理しないでね」
「うん、ありがと」
みゆきさんも心配そうな目を向けてくれている。
普段余り意識することはなかったけど、こうやって心配してくれる友達がいることに胸が熱くなった。
これ以上無用な心配はかけたくなかったので、大丈夫だとみゆきさんに手を振った後一緒に教室を出た。



130:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:50:13 Kwi5HOvr


「じゃあ、ゆっくり休んでね」
「うん。一緒に来てくれてありがとう」
「お姉ちゃんには、またあとで言っておくから」
「私と一緒にお昼ごはん食べられないからって寂しがらないように言っておいてね」
「えへへ」
そう笑い、つかさは保健室を後にした。
最後に見せた謎の笑顔が気になったが、今は何も考えずゆっくり休もう。
体の力を抜き、倒れるようにベッドに横になる。
自分の部屋とは違い、消毒薬のにおいが漂っている。
ベッドも真っ白で清潔だ。
火照った体で横になりながら、窓の外を眺めた。

朝から降り続く雨は、一向に止む気配を見せない。
一日中雨に降られたグラウンドには、大きな水溜りが出来ていた。
こんな雨の日に外で体育の授業を受ける生徒はいない。
誰一人いないグラウンドは、まるで生き物が活動を停止したように静まり返っている。
小さな花壇に咲く草花だけが、潤いに満たされ青々としたその姿を見せつけていた。

そのとき、ふと目の端に鮮やかな紫が映った。
もう一度その方向に目を向けると、紫陽花だった。
雨に打たれた紫陽花は蒼とも紫とも取れない色を見せている。
雨露をたっぷりと含み、ますます鮮やかになってゆく色がとてもきれいだ。
雨で霞む景色の中、まるでそこだけが輝いているようだった。

つかさが去ったあと、この部屋には誰もいない。
保健のふゆき先生も、用事で席をはずしている。
今自分の置かれている状況を思うと、急に寂しくなってきた。
しとしとと降り続く雨の中、一人だけこの学校に取り残されたような感覚に襲われる。
「かがみ……」
今は側にいない人の名を呼んでみる。
紫陽花の中に、かがみの姿が思い浮かんだ。
笑った顔、怒った顔、今朝私に見せてくれた心配そうな顔……
様々な表情が浮かんでは消えてゆく。
でも、どの顔も私を見守ってくれていた。
腕に抱かれたような安らぎを覚え、そのまま目を閉じた。



131:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:50:18 Kwi5HOvr


─……
苦しくない?
うん、大丈夫
寒くない?
うん、かがみが一緒にいてくれるから
ずっとそばにいるからね
かがみ……
……─

耳元で聞こえる物音に、私は目を覚ました。
「あっ、起こしちゃったようね」
「……うぅん、かがみ?」
「よっ、気分はどう?」
未だボーっとする頭をもたげると、かがみがベッドの脇に座っていた。
なんだかずいぶん恥ずかしくなるような夢を見ていた気がする。
「顔が真っ赤ね。まだずいぶん熱があるのかしら?」
「……それは熱とは関係ないと思うよ」
「?」
「何でもない。今休み時間?」
「そう。お昼休みよ」
「お昼ご飯は?」
「みゆき達と一緒に食べた。あんたまだでしょ?」
「うん。寝てたみたいだから」
「ほんとよく寝てたわ。よっぽど疲れたみたいに」
「見てたの?」
「えっ、いや、ずっとって訳じゃないけど」
気まずいのか明後日の方向を向いた。
「寝てる人の顔を見るなんて、かがみのエッチ」
「なっ、……何がエッチよ。だいたい同じ性別なのに」
顔を真っ赤にしながら、もじもじしているかがみがおかしかった。
「そ、それにあんたが呼んだんでしょ?」
「私が?」
呼んだ覚えは全く無い。
もしかしてうわごとでかがみの名を呟いてたんだろうか。
そうだとするとかなり恥ずかしい。
「あ、あんたが寂しそうにしてるって聞いたから」
「誰に?」
「つかさ」
つかさ、なんという味な真似を。
「と、とにかく、ずっと寝顔見てて悪かったわね」
「ううん。別に気にしてないから。私もからかったりしてごめんね。私のこと心配して見に来てくれたのに」
「まあそうだけど。今日はずいぶん素直なのね。熱のせいかしら?」
「むぅ、せっかく素直に謝ってるのに」
「ふふっ、ごめんね。あんまりあんたがしおらしいから、つい。いつもこうだったらいいのにね」
「ふん、どうせ素直じゃないもん」
「そうやってふくれないの。ほら、お弁当持ってきてあげたから」
そう言ってかがみお手製だろうか、お弁当を差し出してきた。


132:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:50:26 Kwi5HOvr
「食欲はある?」
「うん、ちょっとだけなら」
「少しでもあるなら、ちゃんと食べなさい。チョココロネばっかり食べてちゃだめよ。少しでも栄養あるもの食べないと」
焼き魚と野菜という、質素ながらも栄養バランスの良さそうなお弁当だった。
「かがみが作ったの?」
「そうよ。味に関しては自信ないけど、栄養はあると思うわ。私の余った分で悪いけど、何も食べないよりはましでしょ?」
私のために自分のお弁当を少し残してくれたんだ。
そう思うと、胸から熱いものがこみ上げてきた。
それをごまかすように、私は口をあーんと大きく開けた。
「えっ、何?」
「あれ、かがみが食べさせてくれるんじゃないの?」
「ば、ばか。そんな恥ずかしいことできるか」
「でも誰もいないよ?」
「誰もいなくたって、恥ずかしいのは恥ずかしいのよ。それにあんた手は動かせるでしょ?」
どうしても食べさせてくれないみたいなので、少し芝居を打つことにした。
「どうせかがみは私なんかに食べさせてくれませんよ」
悲しそうに目をつぶり、不貞寝をした。
「なっ、そんなにいじけることないでしょう。分かったわよ、もう」
そう言うとお弁当の中からおかずを適当な大きさに切り分けて、口まで運んでくれた。
「はい、あーん」
「ノリノリだね、かがみん♪」
「そんなこと言うならあげない!」
「あ~、やめないでかがみ様」
「もう、冗談は言わないでよ。あと、様はやめい」
恥ずかしそうにしながらも、ちゃんと食べさせてくれた。
口に含んだおかずはごく普通のもののはずなのに、ともておいしい。
幸せな味が口いっぱいに広がった。
「かがみの愛情の味だね」
「恥ずかしいこと言うな」
顔を赤くしながらも、まんざらではなさそうだ。
そのはにかんだ笑顔が私を幸せな気持ちにしてくれる。
後ろで赤くなっている二人も、この微笑ましい私たちの姿を祝福してくれているに違いない。
……

「申し訳ありません、お取り込み中でしたか」
「こなちゃん、お姉ちゃん、どんだけー」
その声に私たちは固まった。
ここが誰もが入ってくる可能性のある保健室であることを忘れていた。
かがみは錆びた機械のように、ギギギと首を後ろに回している。
「い、いつからそこにいたの?」
「かがみさんが、はい、あーんとおっしゃったときからでしょうか」
かがみは頭を抱えてうずくまった。
「申し訳ありません、泉さんの体調が気になってしまって、つい。で、でも、これだけ甲斐甲斐しく看病してもらえれば、泉さんの風邪もすぐに治りますよね」
「……フォローになってないよ、みゆきさん」
「お姉ちゃん、こなちゃんと一緒に幸せになってね」
抱えていた頭をなんとか持ち上げ、かがみは説得に乗り出した。


133:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 00:50:32 Kwi5HOvr
「と、とにかく、誤解だってば!」
真っ赤になりながらかがみは必死に否定し始めた。
─そんなにむきに否定しなくてもいいのに
何だかその姿を見ていると、無性に悔しくなってきた。
「かがみんとの関係がこの程度だったなんて、悲しいヨ」
「そうよ、こなたも言って……ん、って何言ってんのよ、あんたは」
「かがみんの愛は見せかけの愛だったんだネ」
「ああ~もう、ややこしくなるからあんたは黙ってなさい!」
「みんなー、保健室では静かにね」
しばらくぶりに戻ってきたふゆき先生の一言で、その場は何とか納まりを見せた。

そんなこんなで一騒動あったあと、昼休みも終わりに近づいてきた。
「5時間目の授業は、この熱じゃ無理そうね。どうする、おじさんに迎えに来てもらう?」
ピピッと鳴った体温計を見ながら、かがみはそう提案してきた。
「ううん、お父さん今日仕事で出かけてて夕方にならないと帰ってこないから無理」
「そう。ゆたかちゃんに送ってもらうわけにもいかないか」
「ゆーちゃんも最近体調崩してるから無理させられないよ。送ってもらってもゆーちゃんの方が先に倒れそうな気がする。二人共倒れなんて嫌だよ」
「共倒れって……しかたない、私が帰り家まで送ってあげるわよ」
「えっ、でも悪いよ」
「あんたに途中で倒れられるよりましよ」
「病弱のヒロインを家まで送り届けるなんて、……かがみん、リアルで私を攻略するつもりだね?」
「ちゃかさないの。それに誰が病弱のヒロインだ」
「……ほんとに、いいの?」
「当たり前よ。さっさと休んで風邪治しなさい」
「……うん。ありがと」
「じゃあ、放課後またここに寄るから」
「うん」
ちゃかしてみせたけど、かがみは力強く私を送ってくれると約束してくれた。
かがみ、冗談じゃなく本当にフラグを立てちゃってるよ。
ゲームみたいに何かイベントが起こるのかな。
こういうシーンってどういうイベントが起こったっけ?
去っていくかがみの背中を見送りながら、これまでやった数々のゲームを思い出していた。
主人公がヒロインを家に送り届けて、家はたまたま親が仕事で遅くまで帰ってこなくって、……って○シーンに突入?
……駄目だ、自重しろ、私。
恥ずかしい妄想をしていると、熱が出てきそうになった。
○な妄想で熱出したなんてかがみに知られたら、一生の恥。
私は一生からかわれて、主導権を握ることができなくなる。
「……寝よう」
なるべく変なことは考えないよう、放課後まで寝ていることにした。



134:18-236
08/06/15 00:51:02 Kwi5HOvr
今日は以上です。
できれば明日にでも後半を投稿したいと思います。

6月をテーマに書いてみたのですが、梅雨・傘・紫陽花以外に
良いアイデアが浮かばず、ありきたりな6月のイメージになって
しまいました。
一瞬だけ登場する保健のふゆき先生ですが、キャラクターが
いまいちつかめなかったため、ほとんど出番無しです。
以前に投稿した『小さな足跡』は受験シーズン真っ只中の冬の
物語だったのですが、今回のはそれよりも前の話という位置づけ
になってます。
それでは。

135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 01:16:08 6saeq5Oa
発顔ですが、早速SSを投下したいと思います!

136:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 01:20:14 6saeq5Oa
SS投下いたします。だいたい5レスくらい使うと思います。

137:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 01:45:08 LQGk4vpa
何らかの事情で投稿できなくなったのならその旨を一旦書き込んだほうがいい
他の方が投稿やレスできないからね

138:naniw
08/06/15 01:59:29 oACWPSWI
これはSS投下してもいい状態なのでしょうか?
『問い』~こなた~の続編が書けたのですが・・・

139:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:01:27 UX44X8hg
>>138
おねがいします!

140:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:02:52 IncoHwLA
いいと思いますよ、テンプレの5分ルールを大幅に超えてますから
投稿を宣言して、リロードして、投下すればOK

141:naniw
08/06/15 02:05:30 oACWPSWI
じゃあ投下します。
宣告どおり『問い』~こなた~の続編です。
やはり私の文章力が微妙なので
もしかしたら変な内容になってるかもしれません。

142:naniw
08/06/15 02:06:03 oACWPSWI

『答え』~こなた~

あの日の夜、
かがみに告白しようと決心した。

そして迎えた月曜日。
「・・・いつ告白しようかな。」
やはり放課後に体育館裏とか屋上?
ベタだが今の私にはこれくらいしか思いつかない。

ふっと時計を見る。
そろそろ家を出なければ電車に遅れてしまう。

私は急いで準備をし、家を出る。

いつものように駅前ではかがみとつかさがいた。

「こなた!遅いじゃないの!もうすぐ電車出ちゃうわよ!」
「ごめん・・・」
「なんだか元気が無いけど・・・どうかしたの?」
「ん?なんでもないよ?」
「そう?ならいいんだけど・・・」
一応感付かれないように振舞った。
関係ないけど今日も空気だね・・・つかさ

そしていつも通り学校まで向かう。
私は隣にいるかがみばかり見ていた。

(どうやって告白しよう・・・?)
かがみの見つめながら考えていた。
(やはり普通に『好き』というのが一番かな・・・)
少なくても何かネタに走るのだけはいけない。
またなんか変な子といってると思われても困るし・・・

・・・断れたらどうしよう

というか普通に考えたら断られるよね・・・
真面目なかがみだもん。
同性に恋愛感情を持つなんて考えにくい。

・・・でも
それでも自分の気持ちを伝えるんだ・・・
昨日、そう決心したから・・・

そうして私たちは学校に到着した。
いつも通りの、それでいて私にとっては、
覚悟を決めた一日が始まる・・・


143:naniw
08/06/15 02:06:30 oACWPSWI

私は授業中どうやってかがみを体育館裏に呼び出そうか・・・
そればかり考えていた。

少しぼーっとしていたのかもしれない。

「それじゃあここを・・・泉!」
「・・・」
「泉!」
「・・・ぁ」
「どないしたん?」
「ぁ・・・なんでもないです。すいません。」
「そうか。ならいいわ。教科書の243ページの13行目から呼んでくれや。」
「はい。」

授業の後・・・

「おい。泉。」
「なんですか?黒井先生?」
「お前なんか悩み事でもあるのか?」
「いや・・・特に無いです・・・」
「そうか。」
「はい」
「まぁ何か悩みがあったら遠慮なくいいな。」
「分かりました。ありがとうございます。」

そんなやり取りもあったが結局ずっと悩んでいた。

結局昼休みの間にかがみに直接「放課後に体育館裏に来てほしい」
そう伝えることにした。

そして4時限目
授業は終わりに差し掛かった。
一応考えはまとまったので、
これといってぼーっとすることも無かった。

そして授業は終わった。
お昼休みである。
一応つかさやみゆきさんに聞かれないように、
かがみを呼びに行くことにした。

「かがみん~」
「おぉこなた~」
「お昼ごはん一緒に食べよ~」
「おー分かった。ちょっと待ってて。」
「分かった。」
そしてかがみと一緒にクラスに向かう。
チャンスは今しかない。
(あぁ・・・なんかすごくドキドキする・・・)
別に告白するわけじゃないのにすごくドキドキする。
今こんなんだったら告白する時どうするの私!

と・・・とにかく言わなきゃ・・・

「「あ・・・あのさ」」

同時に両者から言葉が出た。

144:naniw
08/06/15 02:07:09 oACWPSWI

「あぁ・・・かがみからどうぞ」
「いや・・・こなたからどうぞ」
よく分からない会話が成り立った。
このままではgdgdになってしまって、
かがみに言うことができない!
少し沈黙ができる。
「んで?なに?こなた。」
会話を切り出したのは、かがみだった。
言ってしまおう。
「あのさ・・・かがみん。」
「ん?」
「今日の放課後さ、体育館裏に来てほしいんだけど・・・」
言った。
かがみはどんな反応するんだろう。
「分かったわ。」
うん。その反応じゃないと困ってしまいます。
「かがみは何?」
「いや、私はやっぱいいや。」
「そうかぁ~」
「じゃあ皆でお弁当食べようかぁ~」
「あんたはどうせチョココロネでしょ?」
そしていつも通りのお昼休みを過ごす。

5,6時限目はどんな言葉で告白しようかと考えていた。
素直に好きということにしたが、
どうやってその展開に持っていくか・・・

悩んでも思いつかない・・・
その場の雰囲気に任せるか・・・

一応決まった。

とりあえず授業に集中しないと・・・

そしてHRが終わった。
私は速攻で体育館裏に行った。

かがみが来るまでに心を落ち着けておかないと・・・

「・・・遅いなぁ。」

私が着てから30分。
なんだか長く感じる・・・

「こなた。」
「・・・あ。」
「『・・・あ』じゃないわよ。あんたが呼んだんでしょ。」
どっかで聞いた台詞だがそんなことはどうでもいい。

「あ・・・あのさ・・・」


145:naniw
08/06/15 02:07:37 oACWPSWI

「かがみんってさ・・・」
「ん?」
「同性愛とかってどう思う?」
「え?なんで?」
「いいから答えて。」
「わ、私は別に愛があれば性別は関係ないと思う。」
「そうか・・・」
思っていた反応と違う・・・
でも一番気になっていた、
かがみが同性愛についてどう思っているかが分かった。

よし。
覚悟を決めて・・・

「かがみ。」
「ん?」

ドキドキする・・・
自分でもどんどん心拍数が上がっていくのが分かる・・・
ドクドクと音が聞こえる。

「あ・・・あのさ・・・」

「私・・・かがみのこと好き!」

言ってしまった・・・
恥ずかしい・・・
恥ずかしすぎてかがみのこと見ていられない。
必然的に頭が下に向く。
目線がかがみの足にいく。

「こなた」

かがみの声が聞こえる・・・

「あのね・・・」

「私もこなたのこと好きだよ。」

「え・・・?」

「私も今日こなたに告白しようと思ったの。」

「・・・」

何故か涙が出る。
嬉しくて涙が出る。
嬉しすぎてその後の会話は忘れてしまった。


146:naniw
08/06/15 02:08:06 oACWPSWI

「かがみ・・・」
「こなた・・・」

私はかがみを見つめる。

かがみも私と同じように真っ赤だった。

そして抱きしめあう

どれくらいの間抱き合っていたか分からない。

でも覚えていることは、、

かがみは暖かかった。

かがみはいい匂いだった。

そしてお互いに見つめあい、

そして・・・

キスをする。

かがみの唇は柔らかく、

キスの味は何物にも例えられないほど甘かった。

唇と唇が離れる。

そしてもう一度抱き合った。

そして・・・

「そろそろ帰ろうか?」
「そうだね。少し暗くなったし。」

私たちは校舎内に戻った。
しかしそこには人影がない。

「おかしいわね。」
確かにおかしい。
かがみと私がいないなら探していると思ったが・・・

そう思っていると、後ろから、
「わっ!」
「うわぁ!」
「なんだぁつかさかぁ~」
つかさだった。


147:naniw
08/06/15 02:08:45 oACWPSWI

「どうしたの?つかさ。」
「つかさ先輩だけじゃないッスよ。」
つかさの後ろからひよりんとパティが出てきた。

「どうしたの?三人とも。」

なんだか変な空気が漂う。

ま・・・まさか?

その静寂の時を待っていたかのように、金髪の欧米人が攻撃を繰り出す。
「Oh!コナタ!見させていただきましたよ!」

やっぱり・・・

「「・・・見てたの?」」

「もちろんだよお姉ちゃん。」
「いやぁつかさ先輩になんだか先輩たちの様子が変だと聞いたので・・・」
「こっそりついていったらコナタたちが・・・ねぇ。」

まさかあんな恥ずかしいシーンを見られていたとは・・・
顔が真っ赤になる。
おそらくかがみもだろう。
というかつかさめぇ~空気の癖にぃ~

「頼むからみゆきさんには内緒に・・・」
「でもそんなの関係ねぇ♪もうメールしちゃったよ。」

orz

つかさめぇ~空気のk(ry

まぁそんなこんなありながらも、
私とかがみは互いに思い続けていて、
今日めでたく結ばれましたとさ。

その次の日から周りの人からの質問の嵐だったのは
いうまでもない・・・というか半分生き地獄でした。
なぜか黒井先生泣いてたし。

とにかく私は今、幸せです。

終わり


148:naniw
08/06/15 02:09:32 oACWPSWI
あとがき

オチ弱すぎるwwwww自分でも反省しています。
なんかいろいろ急な展開になってますねorz
一応書ききったのですが、
この後にこの物語のかがみ編を書こうと思っています。

見ていただきありがとうございました。

149:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:18:26 lH2OO9CF
>>148
GJ!
なんというかまぁ、つかさ一行自重しろww
オチが弱い、なんてことはないと思います。
いいものになっていると思いますよー

150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:21:11 6LMp0SOl
>>134
GJ!
べたべたこなかがもいいけど、
こう、つかずはなれずで、日常らきすたが進行していくこなかがを見てると、
頬がにやけてくるwwww

ところで……
>>133
「ううん、お父さん今日仕事で出かけてて夕方にならないと帰ってこないから無理」
「ゆーちゃんも最近体調崩してるから無理させられないよ。送ってもらってもゆーちゃんの方が先に倒れそうな気がする。二人共倒れなんて嫌だよ」
つくづく、泉家って、下手に体調不良や急用ができない体制なんだなあ、とふと思った。

でもまあ、ゆーちゃんにはみなみちゃんが、
こなたにはかがみがいるから、いっかー(・∀・)


>>148
こちらもGJ!
オーソドックスな告白こなかが!
黒井先生カワイソスwwww

151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:41:21 UX44X8hg
SSラッシュだな
みなさんGJ!

152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:42:25 6saeq5Oa
>>135で一旦書き込みしたものです。すみません!書き込んだ所で電話がかかってきたものだから、書き込む事が出来なかったんです。迷惑をかけてしまい、非常に反省しています。皆さん、すみませんでした…。

153:137
08/06/15 02:47:46 F+flXqE7
>>152
ドンマイ

154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:01:49 6saeq5Oa
というわけでお詫びの意味も込めて、SS投下させていただきます。

155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:02:44 6LMp0SOl
>>152
どんとこい(≡ω≡.)9m

156:melody
08/06/15 03:03:13 6saeq5Oa
今日はこなたとデートの日だ。デートといっても多分いつも通りアニメイトやゲーマーズに行くだけなんだろうけど。

でも私にとってはそんないつも通りの事ですら大きな意味を持つ。なにせ今日は両想いになってから初めてのデートだから。
だからこそオシャレにも気を遣わなきゃ。
それにこなたにどうしても見せたいものがあるんだ。だから今日は私から誘った。こなた、喜んでくれるといいな…。



「うーん、こなた、可愛いって言ってくれるかな…?」
「お姉ちゃん、遅れるよ」

つかさが私の部屋に入ってきた。こなたとの色々を妄想してるうちにだいぶ時間が過ぎていたらしい。

「そうね。じゃあ、つかさ、行ってくるわね」
「頑張ってね、お姉ちゃん」

…何を頑張れというのだろう。私はつかさの言葉に若干の疑問を持ちながら家を出た。

こうして考えてみると、私がこうして誰か一人の人を想って行動を起こしているなんて。昔の自分に話しても信じて貰えそうにないな。

私はそれほどこなたにベタ惚れなんだな、と思うと顔が少し熱くなった気がする。



待ち合わせ場所にはこなたはまだ来ていなかった。

「全く、これがゲームの発売日なら前日から並んでるクセに」



157:melody
08/06/15 03:07:09 6saeq5Oa
…っていうかゲームに嫉妬するな、自分。ああ、すっかりこなたに毒されているなと感じる反面、それも悪くないと感じる自分もいる。そんな事を考えていると、遠くの方から私の“恋人”が走ってきた。

「かがみー」
「遅いわよ、こなた」
「いやーなかなかネトゲがやめられなくてね~」

そう言ってこなたは猫口でいつものようにニヘラと笑顔を見せる。

…ヤバい。やっぱり可愛すぎる。もう今すぐ押し倒したい衝動に駆られるが、ガマンガマン。それは後にとっておこう。

「全く…せっかくのデートなんだからもうちょっと自重しなさいよ」
「ごめんごめん。…ね、かがみ」
「何よ」
「その服、可愛いね。似合ってるよ」
「あっ…///…ありがとう…///」
「アハハ、照れてる照れてる、デレデレかがみん萌えー」
「うるさい!」

と、私はこなたに軽くデコピンを一発。
…ああもう可愛い。可愛すぎる。抱きしめたい!…けど今はガマン。後でゆっくり…。


「私ね、見たい映画があるんだ」
「何?どうせアニメでしょ?」
「さすがかがみんご名答。でね、その主役の声優さんの声がさ…」

と、言いかけた所でこなたが顔を赤らめて俯きだした。

「…その声がどうしたのよ?」
「かっ…かがみにそっくりなんだ…。だからその人の声聞く度、ドキドキするんだ…///」
「なっ…///あっ、あんたバカじゃないの!?そんな事言われたら…こっちがドキドキするじゃない…!」

全く、コイツは…。私をどんだけドキドキさせる気だ。

「あっ…でも私には本物のかがみがいるから、別に良いんだけど…」

なおも赤面したままのこなたの手を引っ張って私はこなたにありったけの笑顔を見せる。

「早く行かないと上映時間に遅れるんじゃないの?ほら、行くわよ」
「…うん!!」

…やっぱりこなたが恋人で良かった。今はとりあえず、こなたとのデートを楽しもう。

158:melody
08/06/15 03:11:27 6saeq5Oa
「やっぱりかがみの声に似ていたよね?」
「そうかしら?他人からしてみれば似てるのかな」
「でもでも、私はかがみ一筋だから、心配しないでね?」
「誰も心配なんかしてないわよ。私だってあんたがいれば他に何にもいらないし」
「エヘヘ///」

そういって私はこなたの頭を撫でてやる。本当に子供みたいだ。…っていうか可愛いなぁもう!

私達はその後もご飯を食べたり、例のごとくアニメイトやゲーマーズに行ったりして。端からみれば恋人同士には見えないだろうけど、私は今幸せだ。このまま時が止まってしまえばいいと願うほどに。

もう日も暮れかけている。さっきも言った通り私が今日こなたにデートに誘ったのには理由がある。こなたの笑顔を思い浮かべながら私達はその場所へと急ぐ。

「なになに?かがみ」
「あんたに見せたいものがあんのよ」
「見せたいもの?」
「まああんたが喜ぶかどうか分かんないけど。私の自己満足だからさ」

そんな事を言いながら私達は橋へ急ぐ。良かった。ちょうど良いタイミングだったみたいだ。

「かがみ…これって」


オレンジ色の夕陽が今、沈みかかっている。私が好きな風景だ。私の好きな一番風景を私の一番好きな人に見て欲しかったから。私はこなたをデートに誘った。

「私ね、こなたにこの風景を見せたかったんだ。一番好きな人とこの景色見たくて」
こなたは照れ笑いしながら

「アハハッ、かがみったら意外とキザなんだね。…綺麗だよ、かがみ…本当に…綺麗…」

こなたは夕陽に見とれていた。その横顔がたまらなく愛しくて、私はこなたを抱き寄せた。

「こなた…」
「かがみ…恥ずかしいよ」

そう言いながらもこなたは抵抗を見せない。

「こなた。今日一日一緒にいてわかったんだけどね」
「なぁに、かがみ」
「私、やっぱりこなたの事、大好き」



159:melody
08/06/15 03:12:50 6saeq5Oa
「いっ…いきなり何っ!?///」
「私、こなたに片想いしてる時は、本当に苦しくて、辛くて…。本音言うとさ、こなたの事を嫌いになろうと努力した事もあった…。でもね…」
「でも…?」
「私、やっぱりこなたの事嫌いにはなれなかった。こなたを知る度、どんどんこなたに惹かれていった。あの時はこんな日が来るなんて思わなかったから…。…こなたはどうなのかな…?」
「……」

しばらく間があってこなたは私に抱きついてきた。その瞬間、不意に心臓が高鳴って。

「私も…かがみの事大好きだよ!…私もかがみの全てにドキドキしてて…。名前を呼ばれるだけで自分がどうにかなっちゃいそうで怖かったんだ。でもあの日かがみから告白された時、本当に嬉しかったよ。かがみも私と同じだったんだーって」
「…ってことは、私達が両想いになるのは運命、だったのかな」
「…今日のかがみ、本当になんか凄いキザっぽいよ」
「フフッ、何言ってんの。キザっぽい私なんてあんたの前でしか見せないんだから」
「…レアかがみん、だね」
「バカ…」

私達は沈む夕陽を背に唇を重ねた。そのキスは、二人で食べたケーキよりも甘かった。



――帰り道――


こなたは私にベッタリくっつきながら話し始めた。

「ねぇ、あの時、私がかがみの告白を断ってたらどうなってたのかな」
「さぁね。そんな事考えもしなかったわ」「…ただの友達のままだったのかな。それとも、友達にも戻れなかったかもしれ―」

私はこなたの言葉を唇で塞いだ。

「かっ…かがみっ…///」
「今はそんな事考えなくてもいいでしょ?だって私達こうしてここにいられるわけだし、私は今、最高に幸せよ?…一番大好きなこなたが隣にいるんだもの」
「かがみ…」
「大事なのは未来よ。…これからこなたと歩んでく未来。ケンカもするだろうけど、私こなたとならやっていける自信がある」

こなたは小さく笑って

「かがみ…本当にキザっぽいよ…。でも…そうだね。かがみの言うとおりだ」

こなたはより一層、くっつきを強くして。



160:melody
08/06/15 03:14:17 6saeq5Oa
「これからもよろしくね。私の“お嫁さん?”」
「本当に私が嫁でいいの?料理できないし。ダメな嫁だと思うよ」
「だったら私が主夫になって家事全般やってあげる!そのかわりかがみは私を養ってよ?」

私はクスッと笑って

「ハイハイ、分かりました。私のお婿さん」

そう言ってまたキスをした。


その日の夜は星がやけに綺麗で、私達をいつまでも照らし続けていた。




END




161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:15:25 6saeq5Oa
以上です。こんな駄文にお付き合いいただいてありがとうございました。

162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:28:08 6LMp0SOl
>>161
激甘っ!
おまいのこなかが魂、しかと見せていただいた!
GJ!

163:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:52:38 UX44X8hg
>>161
いいね~

164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 09:54:17 hbMq/K9p
な、なんと言うssラッシュだ!!オーラス!
みなさんGGJ!!

そういえばアニメ23話「微妙なライン」見てて気がついたんだけど、こなたのPCって‘ツンデレ’ってフォルダがあるのな。
何が入ってるかは、ここの聡明にして愛すべきこなかが中毒者の皆様なら推して然るべしだと思いますが。
浪漫溢れるねぇ。

165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:02:29 cPYV/04x


「あ、雨だ」

ぽつんと鼻先に冷たい雫を感じる。
空を見上げると、鈍い光を受けた雨が線となって降り注いでいた。
あともうすこしで家に着くというのに。
徐々に強くなる雨が私の髪を濡らしてゆく。
腰まで届く蒼い髪が雨を含み、体にまとわりついた。
「むぅ、嫌な季節になったねえ」


『紫陽花色に光る雨』


6月も半ばを過ぎ、梅雨の季節を迎えていた。
連日降り続く雨のせいで、空は一面暗い雲に覆われている。
どこまでも続いてゆく暗い雲は、私の心まで覆ってしまいそうだ。
ずっと青空が見られないのは寂しい。
気分までどんよりとなりそうになったが、雨もたまにはいいことをしてくれる。
「今日は録画の時間変更しなくてもいいかな」
野球が中止になるからだ。

「かがみが横にいれば一緒に入れてもらうんだけど」
今、傘に入れてくれそうな人は横にいない。
かがみ達とはさっき駅で別れたところだ。
どうして別れた後で降り出すんだろう。
どうせなら、一緒にいるときに降ってくれればいいのに。
「何で傘持って来ないの、なんてまた怒られそうだけどね」
いつ雨が降り出すか分からない今の季節には、折りたたみ傘を持ち歩くのが当然なのかもしれない。
でも、かばんが膨らむので中には入れたくない。
折りたたむのが面倒くさいという理由もある。
手は濡れるし、一本一本骨を折りたたむ作業が大変だ。
誰かボタンひとつで簡単に折りたためる傘を開発してくれればいいのにといつも思う。

突然雨が強くなった。
愚痴を言っている暇は無さそうだ。
雨が制服に染み込み、徐々に体温を奪ってゆく。
衣替えも既に終え半袖の薄着ということもあり、肌寒さに身震いした。
6月に入り気温が上がったとはいえ、雨の日は急に涼しくなることもある。
「急がないと」
自慢の俊足で家を目指す。
一人雨に打たれながら走る自分の姿が、水溜りに映る。
─こんなとき側にいてくれたら
一抹の寂しさを感じながらも、これ以上濡れてしまわないよう先を急いだ。






166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:04:27 cPYV/04x
★☆

昨日から降り続く雨が、今朝も駅舎を濡らしていた。
いつものように駅前で待ち合わせをしながら、止まない雨をじっと見つめていた。

「おーっす、こなた」
「こなちゃん、おはよう」
ざあざあと降り続く雨の音が頭の中で反響している。
かがみ達の声が、どこか遠くから聞こえてくるようだ。

「おーい、こなた?」
「……ああ、おはよう、かがみ、つかさ」
「元気ないわね。どうしたのよ?」
「ん、ちょっとね」
怪訝な表情でかがみは私の顔を覗き込んできた。
「ん、何?」
「ちょっとごめん」
そう言うと私の額に手を当てた。
ひんやりとしたかがみの手が心地よい。
「うわ、これは熱あるわね。ボーっとしてるから熱でもあるんじゃないかと思ったけど、その通りみたい」
「こなちゃん、大丈夫? 苦しくない?」
つかさが心配そうに身を乗り出した。
「これぐらい大丈夫だって。昨日ちょっと雨に濡れただけだから」
「苦しくなったら言ってね」
「うん。つかさは優しい娘だねえ」
そう言ってつかさの頭を撫でると、恥ずかしそうに笑った。
「まったく。雨の中ではしゃいでたんじゃないでしょうね?」
「むっ、双子なのにどうして姉の方はこうもがさつなのかねぇ?」
「悪かったわね、どうせ私はがさつで優しくないですよ」
頬を膨らませながら、そっぽを向いてしまった。
─ちょっと言い過ぎたかな?
腕を組みながら横を向いているかがみの様子を窺っていると目が合った。
「むふふ、心配してない素振りを見せながらも、さりげなく横目で私の体調気にしてるかがみ萌え」
「う、うるさい! 冗談言う元気あるんなら、さっさと行くわよ」
そう言うとかがみは先を歩き出した。
「あ~、待って、かがみ様~」
「様は止めんか」
私に気をつかってくれているのか、ゆっくりと歩いてくれている。
心配そうに後ろを振り返っては私のことを見てくれた。
時折目が合うとごまかすように前を向く。
そんな不器用なかがみの心遣いがとてもうれしかった。






167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:06:07 cPYV/04x


「─じゃあこの問題を、泉」
お昼も近い4時間目の授業を、ボーっとする頭で聞いていた。
どこかで私の名前が呼ばれた気がする。
「泉、おーい、泉、寝てんのか?」
耳元ではっきりとした声が聞こえると同時に、頭にゴスンと衝撃が走った。
「おおお、これが病人に対する仕打ちですか?」
「何や、いつもみたいに寝てんのかと思たけど、ほんまにしんどいんか?」
「ちょっとしんどいかも」
「昼までもちそうか?」
時計に目をやると、授業が終わるまでまだ30分以上あった。
授業が始まってからずいぶん長い時間経ったと思ったが、まだ20分しか経っていないことに驚いた。
このまま30分以上座り続けるのはさすがにきつい。
「うう、無理そうです」
そう言ってまたぺたんと机の上に顔を乗せた。
「あんまり無理しーなや。どうする、保健室行くか?」
「そうさせてもらいます」
「一人で大丈夫か?」
「まあ、なんとか」
「保健室の場所分かるか?」
「……大丈夫です」
思わずツッコミそうになったが、その元気も無い。
これも先生なりの気の使い方なのだろう。
確かに以前の私は保健室に縁が無く場所を忘れていた時期もあった。
しかし、ゆーちゃんがよく利用するようになってからというもの、自然と覚えてしまっていた。

机の上の教科書をまとめ席を立つと、不意につかさが立ち上がった
「先生、私保健室まで付き添います」
普段のおっとりした様子とは異なり、はっきりとそう告げていた。
「ああ、そうやな。途中で倒れたらあかんからな。ほんなら頼むわ」
先生の了承を得ると、早速つかさが私の側まで来る。
「あんまり無理しないでね」
「うん、ありがと」
みゆきさんも心配そうな目を向けてくれている。
普段余り意識することはなかったけど、こうやって心配してくれる友達がいることに胸が熱くなった。
これ以上無用な心配はかけたくなかったので、大丈夫だとみゆきさんに手を振った後一緒に教室を出た。





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