【らき☆すた】こなた×かがみPart21【こなかが】at ANICHARA2
【らき☆すた】こなた×かがみPart21【こなかが】 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:21:11 6LMp0SOl
>>134
GJ!
べたべたこなかがもいいけど、
こう、つかずはなれずで、日常らきすたが進行していくこなかがを見てると、
頬がにやけてくるwwww

ところで……
>>133
「ううん、お父さん今日仕事で出かけてて夕方にならないと帰ってこないから無理」
「ゆーちゃんも最近体調崩してるから無理させられないよ。送ってもらってもゆーちゃんの方が先に倒れそうな気がする。二人共倒れなんて嫌だよ」
つくづく、泉家って、下手に体調不良や急用ができない体制なんだなあ、とふと思った。

でもまあ、ゆーちゃんにはみなみちゃんが、
こなたにはかがみがいるから、いっかー(・∀・)


>>148
こちらもGJ!
オーソドックスな告白こなかが!
黒井先生カワイソスwwww

151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:41:21 UX44X8hg
SSラッシュだな
みなさんGJ!

152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 02:42:25 6saeq5Oa
>>135で一旦書き込みしたものです。すみません!書き込んだ所で電話がかかってきたものだから、書き込む事が出来なかったんです。迷惑をかけてしまい、非常に反省しています。皆さん、すみませんでした…。

153:137
08/06/15 02:47:46 F+flXqE7
>>152
ドンマイ

154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:01:49 6saeq5Oa
というわけでお詫びの意味も込めて、SS投下させていただきます。

155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:02:44 6LMp0SOl
>>152
どんとこい(≡ω≡.)9m

156:melody
08/06/15 03:03:13 6saeq5Oa
今日はこなたとデートの日だ。デートといっても多分いつも通りアニメイトやゲーマーズに行くだけなんだろうけど。

でも私にとってはそんないつも通りの事ですら大きな意味を持つ。なにせ今日は両想いになってから初めてのデートだから。
だからこそオシャレにも気を遣わなきゃ。
それにこなたにどうしても見せたいものがあるんだ。だから今日は私から誘った。こなた、喜んでくれるといいな…。



「うーん、こなた、可愛いって言ってくれるかな…?」
「お姉ちゃん、遅れるよ」

つかさが私の部屋に入ってきた。こなたとの色々を妄想してるうちにだいぶ時間が過ぎていたらしい。

「そうね。じゃあ、つかさ、行ってくるわね」
「頑張ってね、お姉ちゃん」

…何を頑張れというのだろう。私はつかさの言葉に若干の疑問を持ちながら家を出た。

こうして考えてみると、私がこうして誰か一人の人を想って行動を起こしているなんて。昔の自分に話しても信じて貰えそうにないな。

私はそれほどこなたにベタ惚れなんだな、と思うと顔が少し熱くなった気がする。



待ち合わせ場所にはこなたはまだ来ていなかった。

「全く、これがゲームの発売日なら前日から並んでるクセに」



157:melody
08/06/15 03:07:09 6saeq5Oa
…っていうかゲームに嫉妬するな、自分。ああ、すっかりこなたに毒されているなと感じる反面、それも悪くないと感じる自分もいる。そんな事を考えていると、遠くの方から私の“恋人”が走ってきた。

「かがみー」
「遅いわよ、こなた」
「いやーなかなかネトゲがやめられなくてね~」

そう言ってこなたは猫口でいつものようにニヘラと笑顔を見せる。

…ヤバい。やっぱり可愛すぎる。もう今すぐ押し倒したい衝動に駆られるが、ガマンガマン。それは後にとっておこう。

「全く…せっかくのデートなんだからもうちょっと自重しなさいよ」
「ごめんごめん。…ね、かがみ」
「何よ」
「その服、可愛いね。似合ってるよ」
「あっ…///…ありがとう…///」
「アハハ、照れてる照れてる、デレデレかがみん萌えー」
「うるさい!」

と、私はこなたに軽くデコピンを一発。
…ああもう可愛い。可愛すぎる。抱きしめたい!…けど今はガマン。後でゆっくり…。


「私ね、見たい映画があるんだ」
「何?どうせアニメでしょ?」
「さすがかがみんご名答。でね、その主役の声優さんの声がさ…」

と、言いかけた所でこなたが顔を赤らめて俯きだした。

「…その声がどうしたのよ?」
「かっ…かがみにそっくりなんだ…。だからその人の声聞く度、ドキドキするんだ…///」
「なっ…///あっ、あんたバカじゃないの!?そんな事言われたら…こっちがドキドキするじゃない…!」

全く、コイツは…。私をどんだけドキドキさせる気だ。

「あっ…でも私には本物のかがみがいるから、別に良いんだけど…」

なおも赤面したままのこなたの手を引っ張って私はこなたにありったけの笑顔を見せる。

「早く行かないと上映時間に遅れるんじゃないの?ほら、行くわよ」
「…うん!!」

…やっぱりこなたが恋人で良かった。今はとりあえず、こなたとのデートを楽しもう。

158:melody
08/06/15 03:11:27 6saeq5Oa
「やっぱりかがみの声に似ていたよね?」
「そうかしら?他人からしてみれば似てるのかな」
「でもでも、私はかがみ一筋だから、心配しないでね?」
「誰も心配なんかしてないわよ。私だってあんたがいれば他に何にもいらないし」
「エヘヘ///」

そういって私はこなたの頭を撫でてやる。本当に子供みたいだ。…っていうか可愛いなぁもう!

私達はその後もご飯を食べたり、例のごとくアニメイトやゲーマーズに行ったりして。端からみれば恋人同士には見えないだろうけど、私は今幸せだ。このまま時が止まってしまえばいいと願うほどに。

もう日も暮れかけている。さっきも言った通り私が今日こなたにデートに誘ったのには理由がある。こなたの笑顔を思い浮かべながら私達はその場所へと急ぐ。

「なになに?かがみ」
「あんたに見せたいものがあんのよ」
「見せたいもの?」
「まああんたが喜ぶかどうか分かんないけど。私の自己満足だからさ」

そんな事を言いながら私達は橋へ急ぐ。良かった。ちょうど良いタイミングだったみたいだ。

「かがみ…これって」


オレンジ色の夕陽が今、沈みかかっている。私が好きな風景だ。私の好きな一番風景を私の一番好きな人に見て欲しかったから。私はこなたをデートに誘った。

「私ね、こなたにこの風景を見せたかったんだ。一番好きな人とこの景色見たくて」
こなたは照れ笑いしながら

「アハハッ、かがみったら意外とキザなんだね。…綺麗だよ、かがみ…本当に…綺麗…」

こなたは夕陽に見とれていた。その横顔がたまらなく愛しくて、私はこなたを抱き寄せた。

「こなた…」
「かがみ…恥ずかしいよ」

そう言いながらもこなたは抵抗を見せない。

「こなた。今日一日一緒にいてわかったんだけどね」
「なぁに、かがみ」
「私、やっぱりこなたの事、大好き」



159:melody
08/06/15 03:12:50 6saeq5Oa
「いっ…いきなり何っ!?///」
「私、こなたに片想いしてる時は、本当に苦しくて、辛くて…。本音言うとさ、こなたの事を嫌いになろうと努力した事もあった…。でもね…」
「でも…?」
「私、やっぱりこなたの事嫌いにはなれなかった。こなたを知る度、どんどんこなたに惹かれていった。あの時はこんな日が来るなんて思わなかったから…。…こなたはどうなのかな…?」
「……」

しばらく間があってこなたは私に抱きついてきた。その瞬間、不意に心臓が高鳴って。

「私も…かがみの事大好きだよ!…私もかがみの全てにドキドキしてて…。名前を呼ばれるだけで自分がどうにかなっちゃいそうで怖かったんだ。でもあの日かがみから告白された時、本当に嬉しかったよ。かがみも私と同じだったんだーって」
「…ってことは、私達が両想いになるのは運命、だったのかな」
「…今日のかがみ、本当になんか凄いキザっぽいよ」
「フフッ、何言ってんの。キザっぽい私なんてあんたの前でしか見せないんだから」
「…レアかがみん、だね」
「バカ…」

私達は沈む夕陽を背に唇を重ねた。そのキスは、二人で食べたケーキよりも甘かった。



――帰り道――


こなたは私にベッタリくっつきながら話し始めた。

「ねぇ、あの時、私がかがみの告白を断ってたらどうなってたのかな」
「さぁね。そんな事考えもしなかったわ」「…ただの友達のままだったのかな。それとも、友達にも戻れなかったかもしれ―」

私はこなたの言葉を唇で塞いだ。

「かっ…かがみっ…///」
「今はそんな事考えなくてもいいでしょ?だって私達こうしてここにいられるわけだし、私は今、最高に幸せよ?…一番大好きなこなたが隣にいるんだもの」
「かがみ…」
「大事なのは未来よ。…これからこなたと歩んでく未来。ケンカもするだろうけど、私こなたとならやっていける自信がある」

こなたは小さく笑って

「かがみ…本当にキザっぽいよ…。でも…そうだね。かがみの言うとおりだ」

こなたはより一層、くっつきを強くして。



160:melody
08/06/15 03:14:17 6saeq5Oa
「これからもよろしくね。私の“お嫁さん?”」
「本当に私が嫁でいいの?料理できないし。ダメな嫁だと思うよ」
「だったら私が主夫になって家事全般やってあげる!そのかわりかがみは私を養ってよ?」

私はクスッと笑って

「ハイハイ、分かりました。私のお婿さん」

そう言ってまたキスをした。


その日の夜は星がやけに綺麗で、私達をいつまでも照らし続けていた。




END




161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:15:25 6saeq5Oa
以上です。こんな駄文にお付き合いいただいてありがとうございました。

162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:28:08 6LMp0SOl
>>161
激甘っ!
おまいのこなかが魂、しかと見せていただいた!
GJ!

163:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 03:52:38 UX44X8hg
>>161
いいね~

164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 09:54:17 hbMq/K9p
な、なんと言うssラッシュだ!!オーラス!
みなさんGGJ!!

そういえばアニメ23話「微妙なライン」見てて気がついたんだけど、こなたのPCって‘ツンデレ’ってフォルダがあるのな。
何が入ってるかは、ここの聡明にして愛すべきこなかが中毒者の皆様なら推して然るべしだと思いますが。
浪漫溢れるねぇ。

165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:02:29 cPYV/04x


「あ、雨だ」

ぽつんと鼻先に冷たい雫を感じる。
空を見上げると、鈍い光を受けた雨が線となって降り注いでいた。
あともうすこしで家に着くというのに。
徐々に強くなる雨が私の髪を濡らしてゆく。
腰まで届く蒼い髪が雨を含み、体にまとわりついた。
「むぅ、嫌な季節になったねえ」


『紫陽花色に光る雨』


6月も半ばを過ぎ、梅雨の季節を迎えていた。
連日降り続く雨のせいで、空は一面暗い雲に覆われている。
どこまでも続いてゆく暗い雲は、私の心まで覆ってしまいそうだ。
ずっと青空が見られないのは寂しい。
気分までどんよりとなりそうになったが、雨もたまにはいいことをしてくれる。
「今日は録画の時間変更しなくてもいいかな」
野球が中止になるからだ。

「かがみが横にいれば一緒に入れてもらうんだけど」
今、傘に入れてくれそうな人は横にいない。
かがみ達とはさっき駅で別れたところだ。
どうして別れた後で降り出すんだろう。
どうせなら、一緒にいるときに降ってくれればいいのに。
「何で傘持って来ないの、なんてまた怒られそうだけどね」
いつ雨が降り出すか分からない今の季節には、折りたたみ傘を持ち歩くのが当然なのかもしれない。
でも、かばんが膨らむので中には入れたくない。
折りたたむのが面倒くさいという理由もある。
手は濡れるし、一本一本骨を折りたたむ作業が大変だ。
誰かボタンひとつで簡単に折りたためる傘を開発してくれればいいのにといつも思う。

突然雨が強くなった。
愚痴を言っている暇は無さそうだ。
雨が制服に染み込み、徐々に体温を奪ってゆく。
衣替えも既に終え半袖の薄着ということもあり、肌寒さに身震いした。
6月に入り気温が上がったとはいえ、雨の日は急に涼しくなることもある。
「急がないと」
自慢の俊足で家を目指す。
一人雨に打たれながら走る自分の姿が、水溜りに映る。
─こんなとき側にいてくれたら
一抹の寂しさを感じながらも、これ以上濡れてしまわないよう先を急いだ。






166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:04:27 cPYV/04x
★☆

昨日から降り続く雨が、今朝も駅舎を濡らしていた。
いつものように駅前で待ち合わせをしながら、止まない雨をじっと見つめていた。

「おーっす、こなた」
「こなちゃん、おはよう」
ざあざあと降り続く雨の音が頭の中で反響している。
かがみ達の声が、どこか遠くから聞こえてくるようだ。

「おーい、こなた?」
「……ああ、おはよう、かがみ、つかさ」
「元気ないわね。どうしたのよ?」
「ん、ちょっとね」
怪訝な表情でかがみは私の顔を覗き込んできた。
「ん、何?」
「ちょっとごめん」
そう言うと私の額に手を当てた。
ひんやりとしたかがみの手が心地よい。
「うわ、これは熱あるわね。ボーっとしてるから熱でもあるんじゃないかと思ったけど、その通りみたい」
「こなちゃん、大丈夫? 苦しくない?」
つかさが心配そうに身を乗り出した。
「これぐらい大丈夫だって。昨日ちょっと雨に濡れただけだから」
「苦しくなったら言ってね」
「うん。つかさは優しい娘だねえ」
そう言ってつかさの頭を撫でると、恥ずかしそうに笑った。
「まったく。雨の中ではしゃいでたんじゃないでしょうね?」
「むっ、双子なのにどうして姉の方はこうもがさつなのかねぇ?」
「悪かったわね、どうせ私はがさつで優しくないですよ」
頬を膨らませながら、そっぽを向いてしまった。
─ちょっと言い過ぎたかな?
腕を組みながら横を向いているかがみの様子を窺っていると目が合った。
「むふふ、心配してない素振りを見せながらも、さりげなく横目で私の体調気にしてるかがみ萌え」
「う、うるさい! 冗談言う元気あるんなら、さっさと行くわよ」
そう言うとかがみは先を歩き出した。
「あ~、待って、かがみ様~」
「様は止めんか」
私に気をつかってくれているのか、ゆっくりと歩いてくれている。
心配そうに後ろを振り返っては私のことを見てくれた。
時折目が合うとごまかすように前を向く。
そんな不器用なかがみの心遣いがとてもうれしかった。






167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:06:07 cPYV/04x


「─じゃあこの問題を、泉」
お昼も近い4時間目の授業を、ボーっとする頭で聞いていた。
どこかで私の名前が呼ばれた気がする。
「泉、おーい、泉、寝てんのか?」
耳元ではっきりとした声が聞こえると同時に、頭にゴスンと衝撃が走った。
「おおお、これが病人に対する仕打ちですか?」
「何や、いつもみたいに寝てんのかと思たけど、ほんまにしんどいんか?」
「ちょっとしんどいかも」
「昼までもちそうか?」
時計に目をやると、授業が終わるまでまだ30分以上あった。
授業が始まってからずいぶん長い時間経ったと思ったが、まだ20分しか経っていないことに驚いた。
このまま30分以上座り続けるのはさすがにきつい。
「うう、無理そうです」
そう言ってまたぺたんと机の上に顔を乗せた。
「あんまり無理しーなや。どうする、保健室行くか?」
「そうさせてもらいます」
「一人で大丈夫か?」
「まあ、なんとか」
「保健室の場所分かるか?」
「……大丈夫です」
思わずツッコミそうになったが、その元気も無い。
これも先生なりの気の使い方なのだろう。
確かに以前の私は保健室に縁が無く場所を忘れていた時期もあった。
しかし、ゆーちゃんがよく利用するようになってからというもの、自然と覚えてしまっていた。

机の上の教科書をまとめ席を立つと、不意につかさが立ち上がった
「先生、私保健室まで付き添います」
普段のおっとりした様子とは異なり、はっきりとそう告げていた。
「ああ、そうやな。途中で倒れたらあかんからな。ほんなら頼むわ」
先生の了承を得ると、早速つかさが私の側まで来る。
「あんまり無理しないでね」
「うん、ありがと」
みゆきさんも心配そうな目を向けてくれている。
普段余り意識することはなかったけど、こうやって心配してくれる友達がいることに胸が熱くなった。
これ以上無用な心配はかけたくなかったので、大丈夫だとみゆきさんに手を振った後一緒に教室を出た。




168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:07:45 cPYV/04x


「じゃあ、ゆっくり休んでね」
「うん。一緒に来てくれてありがとう」
「お姉ちゃんには、またあとで言っておくから」
「私と一緒にお昼ごはん食べられないからって寂しがらないように言っておいてね」
「えへへ」
そう笑い、つかさは保健室を後にした。
最後に見せた謎の笑顔が気になったが、今は何も考えずゆっくり休もう。
体の力を抜き、倒れるようにベッドに横になる。
自分の部屋とは違い、消毒薬のにおいが漂っている。
ベッドも真っ白で清潔だ。
火照った体で横になりながら、窓の外を眺めた。

朝から降り続く雨は、一向に止む気配を見せない。
一日中雨に降られたグラウンドには、大きな水溜りが出来ていた。
こんな雨の日に外で体育の授業を受ける生徒はいない。
誰一人いないグラウンドは、まるで生き物が活動を停止したように静まり返っている。
小さな花壇に咲く草花だけが、潤いに満たされ青々としたその姿を見せつけていた。

そのとき、ふと目の端に鮮やかな紫が映った。
もう一度その方向に目を向けると、紫陽花だった。
雨に打たれた紫陽花は蒼とも紫とも取れない色を見せている。
雨露をたっぷりと含み、ますます鮮やかになってゆく色がとてもきれいだ。
雨で霞む景色の中、まるでそこだけが輝いているようだった。

つかさが去ったあと、この部屋には誰もいない。
保健のふゆき先生も、用事で席をはずしている。
今自分の置かれている状況を思うと、急に寂しくなってきた。
しとしとと降り続く雨の中、一人だけこの学校に取り残されたような感覚に襲われる。
「かがみ……」
今は側にいない人の名を呼んでみる。
紫陽花の中に、かがみの姿が思い浮かんだ。
笑った顔、怒った顔、今朝私に見せてくれた心配そうな顔……
様々な表情が浮かんでは消えてゆく。
でも、どの顔も私を見守ってくれていた。
腕に抱かれたような安らぎを覚え、そのまま目を閉じた。




169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:09:47 cPYV/04x


─……
苦しくない?
うん、大丈夫
寒くない?
うん、かがみが一緒にいてくれるから
ずっとそばにいるからね
かがみ……
……─

耳元で聞こえる物音に、私は目を覚ました。
「あっ、起こしちゃったようね」
「……うぅん、かがみ?」
「よっ、気分はどう?」
未だボーっとする頭をもたげると、かがみがベッドの脇に座っていた。
なんだかずいぶん恥ずかしくなるような夢を見ていた気がする。
「顔が真っ赤ね。まだずいぶん熱があるのかしら?」
「……それは熱とは関係ないと思うよ」
「?」
「何でもない。今休み時間?」
「そう。お昼休みよ」
「お昼ご飯は?」
「みゆき達と一緒に食べた。あんたまだでしょ?」
「うん。寝てたみたいだから」
「ほんとよく寝てたわ。よっぽど疲れたみたいに」
「見てたの?」
「えっ、いや、ずっとって訳じゃないけど」
気まずいのか明後日の方向を向いた。
「寝てる人の顔を見るなんて、かがみのエッチ」
「なっ、……何がエッチよ。だいたい同じ性別なのに」
顔を真っ赤にしながら、もじもじしているかがみがおかしかった。
「そ、それにあんたが呼んだんでしょ?」
「私が?」
呼んだ覚えは全く無い。
もしかしてうわごとでかがみの名を呟いてたんだろうか。
そうだとするとかなり恥ずかしい。
「あ、あんたが寂しそうにしてるって聞いたから」
「誰に?」
「つかさ」
つかさ、なんという味な真似を。
「と、とにかく、ずっと寝顔見てて悪かったわね」
「ううん。別に気にしてないから。私もからかったりしてごめんね。私のこと心配して見に来てくれたのに」
「まあそうだけど。今日はずいぶん素直なのね。熱のせいかしら?」
「むぅ、せっかく素直に謝ってるのに」
「ふふっ、ごめんね。あんまりあんたがしおらしいから、つい。いつもこうだったらいいのにね」
「ふん、どうせ素直じゃないもん」
「そうやってふくれないの。ほら、お弁当持ってきてあげたから」
そう言ってかがみお手製だろうか、お弁当を差し出してきた。





170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:11:20 cPYV/04x
「食欲はある?」
「うん、ちょっとだけなら」
「少しでもあるなら、ちゃんと食べなさい。チョココロネばっかり食べてちゃだめよ。少しでも栄養あるもの食べないと」
焼き魚と野菜という、質素ながらも栄養バランスの良さそうなお弁当だった。
「かがみが作ったの?」
「そうよ。味に関しては自信ないけど、栄養はあると思うわ。私の余った分で悪いけど、何も食べないよりはましでしょ?」
私のために自分のお弁当を少し残してくれたんだ。
そう思うと、胸から熱いものがこみ上げてきた。
それをごまかすように、私は口をあーんと大きく開けた。
「えっ、何?」
「あれ、かがみが食べさせてくれるんじゃないの?」
「ば、ばか。そんな恥ずかしいことできるか」
「でも誰もいないよ?」
「誰もいなくたって、恥ずかしいのは恥ずかしいのよ。それにあんた手は動かせるでしょ?」
どうしても食べさせてくれないみたいなので、少し芝居を打つことにした。
「どうせかがみは私なんかに食べさせてくれませんよ」
悲しそうに目をつぶり、不貞寝をした。
「なっ、そんなにいじけることないでしょう。分かったわよ、もう」
そう言うとお弁当の中からおかずを適当な大きさに切り分けて、口まで運んでくれた。
「はい、あーん」
「ノリノリだね、かがみん♪」
「そんなこと言うならあげない!」
「あ~、やめないでかがみ様」
「もう、冗談は言わないでよ。あと、様はやめい」
恥ずかしそうにしながらも、ちゃんと食べさせてくれた。
口に含んだおかずはごく普通のもののはずなのに、ともておいしい。
幸せな味が口いっぱいに広がった。
「かがみの愛情の味だね」
「恥ずかしいこと言うな」
顔を赤くしながらも、まんざらではなさそうだ。
そのはにかんだ笑顔が私を幸せな気持ちにしてくれる。
後ろで赤くなっている二人も、この微笑ましい私たちの姿を祝福してくれているに違いない。
……

「申し訳ありません、お取り込み中でしたか」
「こなちゃん、お姉ちゃん、どんだけー」
その声に私たちは固まった。
ここが誰もが入ってくる可能性のある保健室であることを忘れていた。
かがみは錆びた機械のように、ギギギと首を後ろに回している。
「い、いつからそこにいたの?」
「かがみさんが、はい、あーんとおっしゃったときからでしょうか」
かがみは頭を抱えてうずくまった。
「申し訳ありません、泉さんの体調が気になってしまって、つい。で、でも、これだけ甲斐甲斐しく看病してもらえれば、泉さんの風邪もすぐに治りますよね」
「……フォローになってないよ、みゆきさん」
「お姉ちゃん、こなちゃんと一緒に幸せになってね」
抱えていた頭をなんとか持ち上げ、かがみは説得に乗り出した。



171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:13:05 cPYV/04x
「と、とにかく、誤解だってば!」
真っ赤になりながらかがみは必死に否定し始めた。
─そんなにむきに否定しなくてもいいのに
何だかその姿を見ていると、無性に悔しくなってきた。
「かがみんとの関係がこの程度だったなんて、悲しいヨ」
「そうよ、こなたも言って……ん、って何言ってんのよ、あんたは」
「かがみんの愛は見せかけの愛だったんだネ」
「ああ~もう、ややこしくなるからあんたは黙ってなさい!」
「みんなー、保健室では静かにね」
しばらくぶりに戻ってきたふゆき先生の一言で、その場は何とか納まりを見せた。

そんなこんなで一騒動あったあと、昼休みも終わりに近づいてきた。
「5時間目の授業は、この熱じゃ無理そうね。どうする、おじさんに迎えに来てもらう?」
ピピッと鳴った体温計を見ながら、かがみはそう提案してきた。
「ううん、お父さん今日仕事で出かけてて夕方にならないと帰ってこないから無理」
「そう。ゆたかちゃんに送ってもらうわけにもいかないか」
「ゆーちゃんも最近体調崩してるから無理させられないよ。送ってもらってもゆーちゃんの方が先に倒れそうな気がする。二人共倒れなんて嫌だよ」
「共倒れって……しかたない、私が帰り家まで送ってあげるわよ」
「えっ、でも悪いよ」
「あんたに途中で倒れられるよりましよ」
「病弱のヒロインを家まで送り届けるなんて、……かがみん、リアルで私を攻略するつもりだね?」
「ちゃかさないの。それに誰が病弱のヒロインだ」
「……ほんとに、いいの?」
「当たり前よ。さっさと休んで風邪治しなさい」
「……うん。ありがと」
「じゃあ、放課後またここに寄るから」
「うん」
ちゃかしてみせたけど、かがみは力強く私を送ってくれると約束してくれた。
かがみ、冗談じゃなく本当にフラグを立てちゃってるよ。
ゲームみたいに何かイベントが起こるのかな。
こういうシーンってどういうイベントが起こったっけ?
去っていくかがみの背中を見送りながら、これまでやった数々のゲームを思い出していた。
主人公がヒロインを家に送り届けて、家はたまたま親が仕事で遅くまで帰ってこなくって、……って○シーンに突入?
……駄目だ、自重しろ、私。
恥ずかしい妄想をしていると、熱が出てきそうになった。
○な妄想で熱出したなんてかがみに知られたら、一生の恥。
私は一生からかわれて、主導権を握ることができなくなる。
「……寝よう」
なるべく変なことは考えないよう、放課後まで寝ていることにした。






172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 10:15:59 cPYV/04x
かが×こな

―12月26日、終業式も終わり、私とこなたは夕暮れに染まる町を歩いている。

「いや~買った買った!」

…両手に握られているのは紙袋だが、中には大量の同人誌。
―私は半ば呆れ顔でこなたを見つめる。

「つか、3万もそんなもんに使うなよ…。」
「それは違うよ~かがみん。」
「目に止まったら即買い。これは基本だよ?」

…あぁ、そうですか…。

―と、横断歩道に差し掛かる。信号は赤だ。
こなたは見えていないのか気づいてないのか、
かまわず歩き続ける。
きっと、買った同人誌で頭がいっぱいなのだろうか?

「ちょ!?あぶ…!!!!」

…あぶ”ない”まで聞こえただろうか?
こなたの小さな体が”宙を舞う”。

バンパー。ボンネット。ウインドウ。
続いて派手なスキール音。
車道の左脇にたたきつけられ、こなたが横たわる。
一瞬の出来事が異常に長く感じる。
…体が動かない。
…何が起こったのか目で見て判断できるが、”理解”ができない。
ようやく体を動かしてこなたのところに駆け寄る。
「こなた!?こなたぁぁぁ!」

―多分このとき私の顔はバッカみたいに情けない顔をしていたと思う。
すでに目は閉じられ、口から少し血も出ているこなたの体を必死にゆする。

「こなたぁぁぁっ…こなたぁぁ!」
「起きなさいよぉぉ!…っ」
・・・・・・・・・。
・・・・・。
・・・。




173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:18:29 UX44X8hg
>>164
わかります

174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:21:55 SGRSSenA
らき☆でいに出てくるこなたも盗撮好きだったな

175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:25:47 cPYV/04x

『答え』~こなた~

あの日の夜、
かがみに告白しようと決心した。

そして迎えた月曜日。
「・・・いつ告白しようかな。」
やはり放課後に体育館裏とか屋上?
ベタだが今の私にはこれくらいしか思いつかない。

ふっと時計を見る。
そろそろ家を出なければ電車に遅れてしまう。

私は急いで準備をし、家を出る。

いつものように駅前ではかがみとつかさがいた。

「こなた!遅いじゃないの!もうすぐ電車出ちゃうわよ!」
「ごめん・・・」
「なんだか元気が無いけど・・・どうかしたの?」
「ん?なんでもないよ?」
「そう?ならいいんだけど・・・」
一応感付かれないように振舞った。
関係ないけど今日も空気だね・・・つかさ

そしていつも通り学校まで向かう。
私は隣にいるかがみばかり見ていた。

(どうやって告白しよう・・・?)
かがみの見つめながら考えていた。
(やはり普通に『好き』というのが一番かな・・・)
少なくても何かネタに走るのだけはいけない。
またなんか変な子といってると思われても困るし・・・

・・・断れたらどうしよう

というか普通に考えたら断られるよね・・・
真面目なかがみだもん。
同性に恋愛感情を持つなんて考えにくい。

・・・でも
それでも自分の気持ちを伝えるんだ・・・
昨日、そう決心したから・・・

そうして私たちは学校に到着した。
いつも通りの、それでいて私にとっては、
覚悟を決めた一日が始まる・・・





176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:36:04 cPYV/04x

私は授業中どうやってかがみを体育館裏に呼び出そうか・・・
そればかり考えていた。

少しぼーっとしていたのかもしれない。

「それじゃあここを・・・泉!」
「・・・」
「泉!」
「・・・ぁ」
「どないしたん?」
「ぁ・・・なんでもないです。すいません。」
「そうか。ならいいわ。教科書の243ページの13行目から呼んでくれや。」
「はい。」

授業の後・・・

「おい。泉。」
「なんですか?黒井先生?」
「お前なんか悩み事でもあるのか?」
「いや・・・特に無いです・・・」
「そうか。」
「はい」
「まぁ何か悩みがあったら遠慮なくいいな。」
「分かりました。ありがとうございます。」

そんなやり取りもあったが結局ずっと悩んでいた。

結局昼休みの間にかがみに直接「放課後に体育館裏に来てほしい」
そう伝えることにした。

そして4時限目
授業は終わりに差し掛かった。
一応考えはまとまったので、
これといってぼーっとすることも無かった。

そして授業は終わった。
お昼休みである。
一応つかさやみゆきさんに聞かれないように、
かがみを呼びに行くことにした。

「かがみん~」
「おぉこなた~」
「お昼ごはん一緒に食べよ~」
「おー分かった。ちょっと待ってて。」
「分かった。」
そしてかがみと一緒にクラスに向かう。
チャンスは今しかない。
(あぁ・・・なんかすごくドキドキする・・・)
別に告白するわけじゃないのにすごくドキドキする。
今こんなんだったら告白する時どうするの私!

と・・・とにかく言わなきゃ・・・

「「あ・・・あのさ」」

同時に両者から言葉が出た。




177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:44:31 cPYV/04x

「あぁ・・・かがみからどうぞ」
「いや・・・こなたからどうぞ」
よく分からない会話が成り立った。
このままではgdgdになってしまって、
かがみに言うことができない!
少し沈黙ができる。
「んで?なに?こなた。」
会話を切り出したのは、かがみだった。
言ってしまおう。
「あのさ・・・かがみん。」
「ん?」
「今日の放課後さ、体育館裏に来てほしいんだけど・・・」
言った。
かがみはどんな反応するんだろう。
「分かったわ。」
うん。その反応じゃないと困ってしまいます。
「かがみは何?」
「いや、私はやっぱいいや。」
「そうかぁ~」
「じゃあ皆でお弁当食べようかぁ~」
「あんたはどうせチョココロネでしょ?」
そしていつも通りのお昼休みを過ごす。

5,6時限目はどんな言葉で告白しようかと考えていた。
素直に好きということにしたが、
どうやってその展開に持っていくか・・・

悩んでも思いつかない・・・
その場の雰囲気に任せるか・・・

一応決まった。

とりあえず授業に集中しないと・・・

そしてHRが終わった。
私は速攻で体育館裏に行った。

かがみが来るまでに心を落ち着けておかないと・・・

「・・・遅いなぁ。」

私が着てから30分。
なんだか長く感じる・・・

「こなた。」
「・・・あ。」
「『・・・あ』じゃないわよ。あんたが呼んだんでしょ。」
どっかで聞いた台詞だがそんなことはどうでもいい。

「あ・・・あのさ・・・」





178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 11:58:12 cPYV/04x

「かがみんってさ・・・」
「ん?」
「同性愛とかってどう思う?」
「え?なんで?」
「いいから答えて。」
「わ、私は別に愛があれば性別は関係ないと思う。」
「そうか・・・」
思っていた反応と違う・・・
でも一番気になっていた、
かがみが同性愛についてどう思っているかが分かった。

よし。
覚悟を決めて・・・

「かがみ。」
「ん?」

ドキドキする・・・
自分でもどんどん心拍数が上がっていくのが分かる・・・
ドクドクと音が聞こえる。

「あ・・・あのさ・・・」

「私・・・かがみのこと好き!」

言ってしまった・・・
恥ずかしい・・・
恥ずかしすぎてかがみのこと見ていられない。
必然的に頭が下に向く。
目線がかがみの足にいく。

「こなた」

かがみの声が聞こえる・・・

「あのね・・・」

「私もこなたのこと好きだよ。」

「え・・・?」

「私も今日こなたに告白しようと思ったの。」

「・・・」

何故か涙が出る。
嬉しくて涙が出る。
嬉しすぎてその後の会話は忘れてしまった。





179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:00:31 cPYV/04x

「かがみ・・・」
「こなた・・・」

私はかがみを見つめる。

かがみも私と同じように真っ赤だった。

そして抱きしめあう

どれくらいの間抱き合っていたか分からない。

でも覚えていることは、、

かがみは暖かかった。

かがみはいい匂いだった。

そしてお互いに見つめあい、

そして・・・

キスをする。

かがみの唇は柔らかく、

キスの味は何物にも例えられないほど甘かった。

唇と唇が離れる。

そしてもう一度抱き合った。

そして・・・

「そろそろ帰ろうか?」
「そうだね。少し暗くなったし。」

私たちは校舎内に戻った。
しかしそこには人影がない。

「おかしいわね。」
確かにおかしい。
かがみと私がいないなら探していると思ったが・・・

そう思っていると、後ろから、
「わっ!」
「うわぁ!」
「なんだぁつかさかぁ~」
つかさだった。





180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:03:34 cPYV/04x

「どうしたの?つかさ。」
「つかさ先輩だけじゃないッスよ。」
つかさの後ろからひよりんとパティが出てきた。

「どうしたの?三人とも。」

なんだか変な空気が漂う。

ま・・・まさか?

その静寂の時を待っていたかのように、金髪の欧米人が攻撃を繰り出す。
「Oh!コナタ!見させていただきましたよ!」

やっぱり・・・

「「・・・見てたの?」」

「もちろんだよお姉ちゃん。」
「いやぁつかさ先輩になんだか先輩たちの様子が変だと聞いたので・・・」
「こっそりついていったらコナタたちが・・・ねぇ。」

まさかあんな恥ずかしいシーンを見られていたとは・・・
顔が真っ赤になる。
おそらくかがみもだろう。
というかつかさめぇ~空気の癖にぃ~

「頼むからみゆきさんには内緒に・・・」
「でもそんなの関係ねぇ♪もうメールしちゃったよ。」

orz

つかさめぇ~空気のk(ry

まぁそんなこんなありながらも、
私とかがみは互いに思い続けていて、
今日めでたく結ばれましたとさ。

その次の日から周りの人からの質問の嵐だったのは
いうまでもない・・・というか半分生き地獄でした。
なぜか黒井先生泣いてたし。

とにかく私は今、幸せです。

終わり





181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:23:36 CUjfCT/G
SSラッシュキタ!!これからじっっくり読ませて頂きます!GJはその後にノシ

>>164
画像フォルダは、
アホ毛、エルフ、シスター、ツインテール、ツンデレ、
ポニーテール、メイド、ヤンデレ、猫耳、巫女 があった。

その中でかがみがその属性を有するものは4つ。…なんかありそうだよねw



182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:29:26 cPYV/04x
今日はこなたとデートの日だ。デートといっても多分いつも通りアニメイトやゲーマーズに行くだけなんだろうけど。

でも私にとってはそんないつも通りの事ですら大きな意味を持つ。なにせ今日は両想いになってから初めてのデートだから。
だからこそオシャレにも気を遣わなきゃ。
それにこなたにどうしても見せたいものがあるんだ。だから今日は私から誘った。こなた、喜んでくれるといいな…。



「うーん、こなた、可愛いって言ってくれるかな…?」
「お姉ちゃん、遅れるよ」

つかさが私の部屋に入ってきた。こなたとの色々を妄想してるうちにだいぶ時間が過ぎていたらしい。

「そうね。じゃあ、つかさ、行ってくるわね」
「頑張ってね、お姉ちゃん」

…何を頑張れというのだろう。私はつかさの言葉に若干の疑問を持ちながら家を出た。

こうして考えてみると、私がこうして誰か一人の人を想って行動を起こしているなんて。昔の自分に話しても信じて貰えそうにないな。

私はそれほどこなたにベタ惚れなんだな、と思うと顔が少し熱くなった気がする。



待ち合わせ場所にはこなたはまだ来ていなかった。

「全く、これがゲームの発売日なら前日から並んでるクセに」






183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:31:21 cPYV/04x
…っていうかゲームに嫉妬するな、自分。ああ、すっかりこなたに毒されているなと感じる反面、それも悪くないと感じる自分もいる。そんな事を考えていると、遠くの方から私の“恋人”が走ってきた。

「かがみー」
「遅いわよ、こなた」
「いやーなかなかネトゲがやめられなくてね~」

そう言ってこなたは猫口でいつものようにニヘラと笑顔を見せる。

…ヤバい。やっぱり可愛すぎる。もう今すぐ押し倒したい衝動に駆られるが、ガマンガマン。それは後にとっておこう。

「全く…せっかくのデートなんだからもうちょっと自重しなさいよ」
「ごめんごめん。…ね、かがみ」
「何よ」
「その服、可愛いね。似合ってるよ」
「あっ…///…ありがとう…///」
「アハハ、照れてる照れてる、デレデレかがみん萌えー」
「うるさい!」

と、私はこなたに軽くデコピンを一発。
…ああもう可愛い。可愛すぎる。抱きしめたい!…けど今はガマン。後でゆっくり…。


「私ね、見たい映画があるんだ」
「何?どうせアニメでしょ?」
「さすがかがみんご名答。でね、その主役の声優さんの声がさ…」

と、言いかけた所でこなたが顔を赤らめて俯きだした。

「…その声がどうしたのよ?」
「かっ…かがみにそっくりなんだ…。だからその人の声聞く度、ドキドキするんだ…///」
「なっ…///あっ、あんたバカじゃないの!?そんな事言われたら…こっちがドキドキするじゃない…!」

全く、コイツは…。私をどんだけドキドキさせる気だ。

「あっ…でも私には本物のかがみがいるから、別に良いんだけど…」

なおも赤面したままのこなたの手を引っ張って私はこなたにありったけの笑顔を見せる。

「早く行かないと上映時間に遅れるんじゃないの?ほら、行くわよ」
「…うん!!」

…やっぱりこなたが恋人で良かった。今はとりあえず、こなたとのデートを楽しもう。




184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:33:43 cPYV/04x
「やっぱりかがみの声に似ていたよね?」
「そうかしら?他人からしてみれば似てるのかな」
「でもでも、私はかがみ一筋だから、心配しないでね?」
「誰も心配なんかしてないわよ。私だってあんたがいれば他に何にもいらないし」
「エヘヘ///」

そういって私はこなたの頭を撫でてやる。本当に子供みたいだ。…っていうか可愛いなぁもう!

私達はその後もご飯を食べたり、例のごとくアニメイトやゲーマーズに行ったりして。端からみれば恋人同士には見えないだろうけど、私は今幸せだ。このまま時が止まってしまえばいいと願うほどに。

もう日も暮れかけている。さっきも言った通り私が今日こなたにデートに誘ったのには理由がある。こなたの笑顔を思い浮かべながら私達はその場所へと急ぐ。

「なになに?かがみ」
「あんたに見せたいものがあんのよ」
「見せたいもの?」
「まああんたが喜ぶかどうか分かんないけど。私の自己満足だからさ」

そんな事を言いながら私達は橋へ急ぐ。良かった。ちょうど良いタイミングだったみたいだ。

「かがみ…これって」


オレンジ色の夕陽が今、沈みかかっている。私が好きな風景だ。私の好きな一番風景を私の一番好きな人に見て欲しかったから。私はこなたをデートに誘った。

「私ね、こなたにこの風景を見せたかったんだ。一番好きな人とこの景色見たくて」
こなたは照れ笑いしながら

「アハハッ、かがみったら意外とキザなんだね。…綺麗だよ、かがみ…本当に…綺麗…」

こなたは夕陽に見とれていた。その横顔がたまらなく愛しくて、私はこなたを抱き寄せた。

「こなた…」
「かがみ…恥ずかしいよ」

そう言いながらもこなたは抵抗を見せない。

「こなた。今日一日一緒にいてわかったんだけどね」
「なぁに、かがみ」
「私、やっぱりこなたの事、大好き」






185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:36:16 cPYV/04x
「いっ…いきなり何っ!?///」
「私、こなたに片想いしてる時は、本当に苦しくて、辛くて…。本音言うとさ、こなたの事を嫌いになろうと努力した事もあった…。でもね…」
「でも…?」
「私、やっぱりこなたの事嫌いにはなれなかった。こなたを知る度、どんどんこなたに惹かれていった。あの時はこんな日が来るなんて思わなかったから…。…こなたはどうなのかな…?」
「……」

しばらく間があってこなたは私に抱きついてきた。その瞬間、不意に心臓が高鳴って。

「私も…かがみの事大好きだよ!…私もかがみの全てにドキドキしてて…。名前を呼ばれるだけで自分がどうにかなっちゃいそうで怖かったんだ。でもあの日かがみから告白された時、本当に嬉しかったよ。かがみも私と同じだったんだーって」
「…ってことは、私達が両想いになるのは運命、だったのかな」
「…今日のかがみ、本当になんか凄いキザっぽいよ」
「フフッ、何言ってんの。キザっぽい私なんてあんたの前でしか見せないんだから」
「…レアかがみん、だね」
「バカ…」

私達は沈む夕陽を背に唇を重ねた。そのキスは、二人で食べたケーキよりも甘かった。



――帰り道――


こなたは私にベッタリくっつきながら話し始めた。

「ねぇ、あの時、私がかがみの告白を断ってたらどうなってたのかな」
「さぁね。そんな事考えもしなかったわ」「…ただの友達のままだったのかな。それとも、友達にも戻れなかったかもしれ―」

私はこなたの言葉を唇で塞いだ。

「かっ…かがみっ…///」
「今はそんな事考えなくてもいいでしょ?だって私達こうしてここにいられるわけだし、私は今、最高に幸せよ?…一番大好きなこなたが隣にいるんだもの」
「かがみ…」
「大事なのは未来よ。…これからこなたと歩んでく未来。ケンカもするだろうけど、私こなたとならやっていける自信がある」

こなたは小さく笑って

「かがみ…本当にキザっぽいよ…。でも…そうだね。かがみの言うとおりだ」

こなたはより一層、くっつきを強くして。






186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:38:48 cPYV/04x
「これからもよろしくね。私の“お嫁さん?”」
「本当に私が嫁でいいの?料理できないし。ダメな嫁だと思うよ」
「だったら私が主夫になって家事全般やってあげる!そのかわりかがみは私を養ってよ?」

私はクスッと笑って

「ハイハイ、分かりました。私のお婿さん」

そう言ってまたキスをした。


その日の夜は星がやけに綺麗で、私達をいつまでも照らし続けていた。




END







187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 12:40:59 cPYV/04x
―こなたは誰かが呼んでくれた救急車に乗せられ、
病院に向かったが、すぐに死亡が確認された。
今日が仮通夜だそうだ。
私はこなたとずっと一緒にいた。

―急遽作られた低めの祭壇の中央に置かれた棺の中で、こなたが眠っている。
時間は夜中の4時。祭壇がある居間には、今は私とこなたしかいない。
…なんでこんなことになっちゃったんだろう?
…ずっと一緒にいられると思ってたのに。
…なんで私じゃなくてこなたなの?
…私、これからどうすればいいの?

白装束に着替えさせられたこなたを見て呟く。
「アンタって結構和服も似合うんだね。」
?(・・・・・・・・。)
以前、夏祭りの時も、そう感じた。
でも、なんとなく気恥ずかしくて、そんなこと、言えなかった。
…思えばあの時以来、感じていた、かすかな思い。
”大事な親友”以上の、何か―。

……好き。

…そっか。私、こなたの事、”好き”だったんだ。
…今さら、分っちゃった…。
…失って、初めて気づくなんて、私、ホンット、バッカみたい。
?(・・・、・・・・・キタコレ。)
「!!!!?」
ハッとして顔を上げる。
今の…なに?…。
…こなたの声だった…?
…声が聞こえた…?
……幻聴だよね……。
「ほら、アンタのこと思い過ぎて、幻聴まで聞こえるようになっちゃった。
責任、取りなさいよ。」

―あてつけの様に言ってみる。
?(・・ぁ、・れ・・ンデレ・の・骨頂だね~。)
?(・がみん・・~。)
「え?」

―今度こそ聞こえた。幻聴だなんていうつもりもない。
こなたの声が聞こえる。
気をつけて聞いていないと聞き取れないくらい、小さな声。




188:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:03:03 6saeq5Oa
ちょいまち。>>182>>186は何故人の文章をそのままコピったんだ?sageてなかったんなら謝るから理由を聞かせてくれ

189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:04:02 UX44X8hg
>>188
半年ロムッテロ

190:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:05:56 cPYV/04x
   『ねぇ、知ってた?』

「知ってた?
 いつも変に想われないように
 ガマンして触れてたんダヨ?」

 私の胸の中に顔を埋めながらこなたはこんなことを言った。

「そのままずっと触れていたいのをガマンして
 自分の持っているキャラクター故の引き際をいつも演出してたんだよ? 知ってた?」

「…我慢? あれでか?」
「ひ、ひどいよー、かがみん」

 少し非難めいた声。
 いやだってそうでしょ?
 あれだけペタペタしてきてガマンもへったくれもあるわけないじゃない。
 でも…

「・・・なに私と同じようなことしてんのよ・・・(ボソッ」

 小声の本音

「えっ?」




191:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:09:13 cPYV/04x
(ぉ?)
「こなた、なの?」
(かが・ん?聞・えて・んだね?)

…こなたとの会話が成立する。

(ごめ・ね?)
「ううん。ずっと一緒にいたのに守ってあげられなかった。私のほうこそごめん。」

…こなたの小さくて、か細い声に全神経を集中する。

(ま・話せて、嬉・・よ、か・みん♪)
…こなたの小さい声は本当に嬉々としている。
なぜか、照れてくる。
「もっと早く返事しなさいよ。…もう。」
(私はずっとかがみんに呼びかけてたんだよ?)
「え…ホントに?」

…心なしか、こなたの声がマトモに聞き取れるようになってきた。

(状況から察するにさ。)
(かがみんが私を思う気持ちに比例してるんじゃないかな。この現象♪)
「私は…いつも通りよ」
半分以上照れ隠しだが、言ってから後悔した。
こ(だ・・、ず~っ・呼・・た・だよ?)
…また小さな声に戻ってしまった。
…あわてて再び全神経を集中する。
(それがかがみんが私のことスキって思った瞬間から…。)
「なっ!!!??」
(ぅぁ…。マズった。)

…ってことは私の心を読んだのか!読めるのか!?

(うん。バラすと大体そんな感じ…。)
…バレた以上は仕方がない。開き直ってやれ!
「そうよ!?。私アンタのこと好き!だぁ~い好き!!何か悪い!?」
「あのさ、かがみん?」
「…なによ?」

…完全に赤面してると分っているので思わず下を向いたままになっている。

「私もかがみんのこと好きだからさ、とりあえず、顔あげなよ。」
…諭すように言われる。
…素直に従って顔を上げると信じられない光景が写っていた。




192:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:11:47 cPYV/04x
 聞き返された、私はたまらず、すぐ近くのあんたに
 よく聞こえるようにはっきりと本音を言っていた

「私だってずっと触れていたいのガマンしてたんだから!
 変に思われたりしないように、いつもちょっとですませてたのに!!
 あんたなんか私よりぺったぺたしてくれてたじゃない…!」

「そ、それは、私がそういうキャラでそういう関係だったからだよ!
 慣れ慣れしいぐらいの距離感で触れるの、苦労してたんだよ?
 か、会話だって、変にならないようにならないようにって!」

「いつも…いつも!
 あんたを抱きしめ返したくて仕方なかったのよ!?
 あんたと私じゃ訳が全然違うわよ!」

「そうは言うけどね、かがみ
 私だってあれでもいっぱいいっぱいだったよ!」

「うー」

「むー」




193:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:13:47 cPYV/04x
…見える。

…棺のなかの体の上にちょこんと正座して、
こっちをみてにっこり笑う女の子が。
…半透明だが。
そういえばさっきから声も普通に聞こえていた。

「あ…。」

…ありえない光景。
ずっと見たかった顔。
もう一度見せてほしかった表情。

…すべてが目の前にあった。
…涙が…あふれる…。

「ど!?どったの!??」
「アンタが…ひっく…見えてるのよぉ…っ。」
「マジで!?。んじゃこれは?」
言ってVの字を指で作る。
「はっ…うぅ…なにが”ブイ”よぉ…バカぁ…。」
…もう、感情の抑制は効かない…。
…こなたの声がますます聞き取れるとか
体の透明度がどんどん下がっていってるとかそんなことを計算したわけじゃない。

―思わず、こなたを抱きしめていた。
「こなたっ…こなたぁ…。」
「かがみん…。」
…あれ?”抱けている”?
…今、こなたって”ユーレイ”のはずなのに…。
…感触があるのだ。
―こなたも気づいているらしく、頭から?マークが出ている(気がする。)
…神様からの最後のプレゼントという訳だろうか。

―それなら、いまはこなたに自分の想いをぶつけるときだ。
…抱く力を弱めて、少し間隔を置く。

―キスして、いい?





194:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:15:02 cPYV/04x
「…ふふふ」
「あははっ…」


結局何となくだけど
今なら分かるような気がしたんだ

確かに私たちはいっつもギリギリだったんだなぁって


  ぎゅううううううう!!!!!

どちらともなく強く抱き締めあって、
それは「離さないから」そう言ってるみたいに聞こえた
もちろん、私もコイツを離してやるつもりなんてない。

「もー遠慮とかしないわよ?」

「かがみ、私だって…エンリョしないよ?」

「うん、もっと…」


「「するからね」」





195:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:17:06 cPYV/04x
…上目使いで、目で聞いてみる。
…返事の代わりに、こなたのまぶたが閉じられる。
…初めてなのだろう。少しまつげが震えて表情もリキんでいる。

―カワイイっ…思わずクスッと笑ってしまった。
「大丈夫だよ。私も初めてなんだし。」

―こなたが怖がらないように、そっと唇を重ねる。

「ん…。」

…こなたの唇って…すごく柔らかい。
…ごめん。こなた…アンタが可愛すぎるからいけないのよ…。
…全部奪っちゃうけど…良いよね?…答えは聞かない…。

―一度、唇を離す。
―優しく、深く、再び重ねる。

「あ…んっ…んぅ…んんん!?」

…まぁ、舌を入れたらびっくりするでしょうね。

「ごめんね?…ごめんね。」

―言って、無理矢理こなたの舌を絡めとる。

「んっ…ふぁふぁいん(かがみん)…ふぁ…ん。」

―あぁ。冬なのに、アツイ夜になりそうだなぁ。





196:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:51:22 cPYV/04x
長編、鯖落ちと続いたので忘却の彼方さんだが、前スレの雑談はかがみんの進路と、こなたはもてるのか?だったな多分

モテモテこなた

かがみ「…こなたはバイト先で人気者なんだっけ?」
こなた「んー、常連客の人からは結構名前も覚えてもらってるかな」
かがみ「や、やっぱ、親しい人とか多いの…?」
こなた「うんうん。CD出した時も色んな人と話せて楽しかったよー。大きな声じゃ言えませんが、
    ちっちゃい子需要の話は伝聞じゃなくて実体験だからね(ニヤリ…)」
かがみ「あー…あの客層だと確かに…」
こなた「む、お客様は神様ですよ!かがみ!これだから神様で商売してる人は!」
かがみ「微妙な発言は控えなさいよ…」

こなた「それにー、常連客の人だけじゃなくて同僚サン達とだって仲良いんだから。可愛いし。目の保養だよ」
かがみ「オヤジっぽいことを…」
こなた「私もお店では、古参の先輩と言うものになってきたからね。後輩達に慕われてるんですよ。
    『先輩、お姉様とお呼びしてよろしいですか!』とかね(嘘)」
かがみ「えーと、もしかして…結構、もてたりしてた?」
こなた「ん。確かに、好きだー!って言われたこともあるよー」
かがみ「…」
こなた「私の人望も捨てたもんじゃないわけですよ」
かがみ「…」
こなた「でもね、みんな可愛いかったけど、私の方から誰かを好きだって言ったことはまだないんだよねー。
    ところで、かがみん」
かがみ「…え?」
こなた「好きだよ」

ひより「…な、馬鹿な!…消えたっス…」
ゆたか「ひよりちゃん、カメラ持ってどうしたの」
ひより「屋上で先輩達が意味ありげに佇んでいたので、(こんなこともあろうかと持参した望遠レンズ付きの)
    ビデオカメラで張ってたんだけど…、急に視界から二人とも消失しちゃった…」
ゆたか「ええー!か、神隠しかな…探しにいかなきゃ!」
みなみ「ひより、ビデオ巻き戻して…今の7コマ前…」
ひより「こ、これは…!ぶれているけど、柊先輩が泉先輩に特攻している!」    
みなみ「距離5mを推定0.14秒で詰めて…そのまま泉先輩の袖を掴んで引きずり倒している。
    人間の反応速度は10/60秒程度が限界。認識はできても回避行動は取れない」
ゆたか「なーんだー、お姉ちゃんが押し倒されただけかー」
ひより「クーッ、ここからでは角度的に屋上の床面が撮影できない…音だけでも拾えればなー」
みなみ「問題無い。丁度、該当箇所の下が3-B教室。高良先輩に連絡してコンクリートマイクを仕掛けてもらう」

頼りになるみなみちゃんだった




197:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 13:56:38 cPYV/04x
>>63 そもそも二人になどならないよ。

198:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:00:05 6saeq5Oa
>>189
明確な理由を述べてくれないとわけわかんないんだけど

199:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:05:41 cPYV/04x
     /                     \
      /  ,r'"j                i^'!、  ヽ
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    ,l        _,._,.        _,._,.       .:.:l,
    |       < (ヅ,>      < (ヅ,>     ...:.::|      乙
    !        ` ̄´      .   ` ̄´       ..: ::::::!   
   |           ノ . : . :;i,          ... ::::::.:::|    
     !          (.::.;人..;:::)      ...:.:::::.:::::::::!
    ヽ、         `´  `´    ........::..::..::.::::::::/
      \......,,,,,,,_           .....:::::::::::::::::::::::::/


200:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:07:09 6LMp0SOl
>>198
あ~これは初心者にはちっときつかったかもしれないなあ。
最近荒らしがここにはりついててなあ、その手口の一つが
「過去作品、倉庫作品を無差別に貼り付ける」ことなんだよね。
みんな懸命に無視しようとしてるんだ、
荒らしにとって最高のご馳走は反応することだからさ。
だから、頼むから今後一切気にしないでいただくとありがたい。
そして、今後ともよいこな×かがライフを(≡ω≡.)

201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:10:20 cPYV/04x
>>198
あ~これは初心者にはちっときつかったかもしれないなあ。
最近荒らしがここにはりついててなあ、その手口の一つが
「過去作品、倉庫作品を無差別に貼り付ける」ことなんだよね。
みんな懸命に無視しようとしてるんだ、
荒らしにとって最高のご馳走は反応することだからさ。
だから、頼むから今後一切気にしないでいただくとありがたい。
そして、今後ともよいこな×かがライフを(≡ω≡.)


202:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:13:13 6saeq5Oa
>>201
そうなんですか。僕も一度火が点くと止められないタイプなので…。
教えてくれて本当にありがとうございました!



203:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:15:51 6saeq5Oa
すいません アンカーミスりました
>>200



204:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 14:32:09 2ArJaQ2c
>>165->>172
>>175->>187


         ,. - ―- 、
       /        ヽ
     /    ,.フ^''''ー- j.
    /    /    >>0
   /     /     _/^  、`、
  /       /   /  _ 、,.;j ヽ|
  /.      |     -'''" =-{_ヽ{
. ./   ,-、  |   ,r' / ̄''''‐-..,フ!
. {  / ハ `l/   i' i    _  `ヽ  
 |  .rソ     i' l  r' ,..二''ァ ,ノ 
 | { ' ノ     l  /''"´ 〈/ /  
  .|/ -'     ;: |  !  ∧_∧
   l   l     ;. l |  < `∀´>     n
.  .|    !.     ; |. |  ̄     \    ( E) GJ!
  |   l    ; l iフ     /ヽ ヽ_//
   l     l   ;: l |    j {   
   |.      ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }
  |   ::.   \ ヽ、__     ノ
  |    ::.     `ー-`ニ''ブ
 l      :.         |


205:naniw
08/06/15 14:35:12 oACWPSWI
感想とかくれた方ありがとうございます。

SS書くのって結構疲れるんですね・・・
楽しいですけどね。
何があってもがんばっていこうと思います。

206:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 15:09:04 W4mSoQLq
荒らしにカッとなりやすい人は>>1の避難所を利用するのもいいだろう。規制時にも書けるし、基本マターリだから。

原作ネタ

つかさ「あ、ウサちゃんTシャツ!」
かがみ「オイィ!道行く人を指で指さない!(デコにペチッ!)」
つかさ「あうぅ、ゴメンなさいお姉ちゃん・・・でも、ウサちゃんが可愛かったから」
かがみ「PlayBoyのロゴじゃない。ポルノな雑誌で健全な女子高生がはしゃがないの!」
つかさ「ええー、そうなの?なんでウサちゃんがそういう雑誌に?」
かがみ「うーん、よく知らないけどバニーとかのイメージじゃないの?」
みゆき「あれは・・・確か創刊者の方が『セクシーでユーモラス』と選んだらしいです。
    ウサギはほ乳類で最も繁殖欲が強いと言われていまして・・・」
かがみ「ほう。良くネズミ算とか聞くけど?ウサギってネズミより増えるの?」
みゆき「繁殖力と言うよりは繁殖欲です。丸一日中、雄が雌を追いかけ回すこともあるんだとか」
かがみ「へーx3」
つかさ「ゆ、ゆきちゃん・・・ちょっと恥ずかしい・・・」

その後

こなた「私は悪戯好きだから狐。つかさはイメージ的に犬。
     ゆーちゃんは小動物ちっくだからリスかなー」
かがみ「なるほどね。私はさしずめ虎かオオカミとでも言いたいんでしょ?」

こなた「かがみんは寂しがりだから、ウサちゃんかもよー」
かがみ「なっ!そ、それは・・・」
みゆき「・・・やはり、そうだったんですか(クイッ)」
つかさ「・・・さすがこなちゃん(グッ!)」
こなた「どったの?」
かがみ「と、とにかくそれはやめてくれ・・・」

207:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 15:48:50 VP4IkN6I
>>134
GJ !
6月にちなんだキーワードが心地いいです
続きも頑張って !

>>138
こっぱずかしい展開にドキドキw
かがみ編頑張って !

>>161
なんというバカップルw
ニヤニヤしっぱなしでしたw

>>206
上手い ! 笑ったw

208:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 15:57:32 6saeq5Oa
>>206
GJ!!
なるほどかがみは性欲の塊なんですね わかります


209:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 15:58:42 cmHo3DZi
なんとなく浮かんだ会話。

「お姉ちゃんの料理、美味しいよね」
「どしたのゆーちゃん。あらたまって」
「んー、いいお嫁さんになれるなぁと思ったの」
「なんかいきなりだね」
「だって好きなんでしょ?」
「え?」
「かがみ先輩」
「っ!?」
「昨日寝言で『かがみ大好き』って言ってたよ。あと「お願いだから言わないでそれ以上!」
「お姉ちゃん顔真っ赤……」
「昨日のアホな夢を思い出してね……でも」
「?」
「その、何でいいお嫁さんとやらが、私がかがみを好きなのにつながるの?」
「今もだけど、お姉ちゃんは先輩のことになるとすごくかわいいから」
「そ、そうかな?」
「うん。先輩から貰った本は特別綺麗なところに保管してあったり」
(どうして知ってるんだろう?)
「先輩に頭を撫でられた日は機嫌がいいし」
(へぇ、自分でも気づかなか―て、だから何でわかるの!?)
「先輩の写真を見ながら『キスしてほしいなぁ』ってうっとり呟いてたときなんか、特に」
「ねえ、もしかして私ゆーちゃんに悪いことした? 新手のいじめ、これ?」
「だから、こういうのを、えっと」
(わー、きれいに無視された)
「あ、思い出した。こう言うんだよね。お姉ちゃんはかがみ先輩の嫁」
(……今度小早川の家に行くとき、ゆきおばさんに色々謝っておこう。
 ああ、純粋なゆーちゃんカムバック!)

普段人をいじってる分、自分がいじられたら弱いと思う。ゆーちゃん相手だとなおさら。

210:naniw
08/06/15 16:25:11 oACWPSWI
>>209
GJ!
ゆーちゃんそうだね~
こなたはかがみの嫁だよね~
というかいつの間にそんなに黒くなっていたんですか^^;

211:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 16:43:14 6LMp0SOl
>>210
表情を滅多に表に出さないみなみを調教して鍛えたと見た。

212:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 16:43:51 AWHUiywp
       /                     \
      /  ,r'"j                i^'!、  ヽ
    /   </´                `ヾ>  .:;i,
    ,l        _,._,.        _,._,.       .:.:l,
    |       < (ヅ,>      < (ヅ,>     ...:.::|      乙
    !        ` ̄´      .   ` ̄´       ..: ::::::!   
   |           ノ . : . :;i,          ... ::::::.:::|    
     !          (.::.;人..;:::)      ...:.:::::.:::::::::!
    ヽ、         `´  `´    ........::..::..::.::::::::/
      \......,,,,,,,_           .....:::::::::::::::::::::::::/


213:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 17:47:56 AvSJP7ft
某所のおまけ画像ですごいものが出ている

214:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 19:15:44 sYxIcGwJ
>>210
イチイチ固定で名乗るな。
投下するときだけ固定使え

215:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 19:25:27 6HKYbaOZ
コテハン云々って自殺スレの住民みたいだな...

>>210
コテハンは自由だけれど、職人さんとして発言する必要のない書き込みなら名無しの方がよいかもしれない
場の雰囲気が柔らかくなるから

216:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 20:13:34 yvXboL56
別にどっちでもいいんじゃない
名無し強制なんてルールないんだし

217:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 20:38:30 NB3APZ5J
>>213
(=ω=.)さてkwsk聞こうかネ

218:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 20:41:09 6LMp0SOl
>>213
ヲナヂクkwsk(≡ω≡.)

219:18-236
08/06/15 20:46:04 Kwi5HOvr
すごいこなかが画像に大変惹かれる思いですが、前回の続きを投稿する
準備ができましたので、これから投稿してよろしいでしょうか?
よさそうなら、前回の続きを投稿したいと思います。
7レス消費予定です。

それから感想下さった方、ありがとうございます。
SS書きとしては何よりも励みになります。

>>150
ドラマチックな展開が続きすぎると食傷気味になりますからね。
やはりらきすたはまったりした日常があってこそだなと思います。

>>207
6月のイメージがうまく伝わってますでしょうか?
鬱陶しい季節ですが、すこしでもこなかがの熱でそんな
じめじめした雰囲気を吹き飛ばしたいものです。

220:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:50:31 Kwi5HOvr


にわかに生徒の声で騒がしくなりだした放課後、かがみはつかさやみゆきさんと一緒に保健室に現れた。

「おっ、起きてたんだ」
「さっき起きたんだよ。寝てる間にかがみんにいたずらされたら困るからね」
「するか。それより気分はどう?」
「うん。寝てたらずいぶんましになった気がする」
「無理しないでね」
「ありがと、つかさ」
「黒井先生にはかがみさんに送ってもらう件、既に伝えてありますので心配しないで下さい」
「さすが根回しが早いね、助かるよ」
「それにしてもずいぶん体調が良くなられたようですね。やはり、かがみさんの手料理が良かったのでしょうか?」
「へっ!?」
「んなっ!?」
思いもかけない台詞に私とかがみは同時に変な声を上げてしまった。
「な、何を言うのよ、みゆき」
「ああ、別に変な意味ではなく、本当に泉さんが元気になって良かったなと思いまして」
一人赤くなって慌ててるけど、こういうときこそ冷静であらねばならぬのだよ、かがみん。
「こなちゃんもお姉ちゃんみたいに真っ赤だね」
「うぇ? そ、それは熱のせいだよ、うん」
思わぬところから反撃がきた。
まさか私としたことが赤くなるなんて。
思わず頬に手を当ててしまった。
「まだ熱あるの?」
つかさは私の額に手を当ててきた。
「そんなに熱くないよ?」
「うああ……」
天然コンビにしてやられた。
つかさは何も気付いてないし、みゆきさんは本当に天然なのかどうか……
光る眼鏡に阻まれて目が見えず、考えが読めない。
むう、手ごわいね、みゆきさん。

「じゃ、じゃあ、気を取り直して」
未だ赤さの抜けきらない顔でコホンと咳払いしながら言った。
「こなた、歩いても大丈夫?」
「それくらいなら大丈夫そう」
「よし、じゃあ帰りますか」
「これ、こなちゃんのかばんだよ」
「悪いね。じゃあ、行きますか」
ベッドから降りると、まだ少しふらつくようだ。
完全に熱が抜け切っていないのだろう。
そんな私をかがみは支えてくれた。
今日は寝てばかりだけど、帰って休むことにしよう。
早く風邪を治さないと、かがみ達と一緒に過ごせないから。



221:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:50:48 Kwi5HOvr


「それじゃあ、こなちゃんお大事にね」
「うん。今日はほんとありがとね」
「お姉ちゃん、ファイト」
「何をがんばるのよ」
半分呆れ顔になりながら、かがみは妹に手を振っている。
今日さんざんいじられたせいか、すっかり慣れたみたいだ。
かがみには家まで送ってもらうことになっているので、途中つかさと別れることになった。
いたずらっこのような笑みを浮かべながら、つかさは去っていった。
ほんと、つかさは自分が何言ってるのか分かってるんだろうか。
分かって言ってるんだとしたら……なんか恥ずかしいな。

帰りの電車の中は思ったより混雑していた。
ずっと揺れる電車の中で立ち続けるのは思っていたより体力がいるようで、熱のある体では正直こたえた。
途中の駅で人が降りたので、ようやく一人分座れるスペースが空いた。
「ここ座って」
「ありがと」
かがみに感謝し席に座ると、体の力が一気に抜けていった。
思ったより、疲れているらしい。
まだ熱の残る体では、このままずっと立っているのは辛かったに違いない。

目の前では、電車の揺れに合わせてかがみの制服がひらひらと揺れている。
時折制服の隙間から、かがみのお腹がちらちらと見え隠れしていた。
─きれい……
ついその白い肌に見とれてしまう。
かがみはいつも体重のこと気にしているけど、本人が言うほど肉付きがいいようには見えない。
適度に腰は引き締まっているし、出るところは出ている。
理想的な体形だし、とてもきれいでうらやましい。
……って、何を見とれているんだ、私は。
昼間の妄想がふと頭をよぎり、また顔が赤くなり始めた。
かがみの顔をチラッと上目遣いでうかがう。
大丈夫、私のこと見ていない。
ほっとため息をつきながら、どこか申し訳ない気分になってきた。

気分を変えようと窓の方を向いた。
外では相変わらず雨が降り続いている。
斜めに走る雨の雫が電車の窓を濡らしていた。
「止まないね」
「そりゃあ、梅雨だからね」
その時窓の外に続く田園風景の中に、色鮮やかな紫陽花を見つけた。
「あっ」
「えっ、何?」
雨で霞む景色の中、そこだけが色彩を放っているようだった。
「紫陽花が咲いてる」
「どこ?」
「もう見えなくなっちゃった」
「あんた花とかに興味あるの?」
「いや、特に無いよ」
「ふーん」
「……でも、特別だからね」
「?」
「何でもない」
何か聞きたげな様子だったが、そのまま気付かない振りをした。



222:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:50:58 Kwi5HOvr


「ほら、こなた、そろそろ起きなさい」
「……んぁ?」
目を開けると体がゆらゆらと揺れている。
かがみが私の肩を揺さぶっていた。
「もうすぐ降りる駅よ」
「んん、分かった」
寝ぼけ眼をこすりながら、周囲を見回す。
もうすぐ降りる駅が近いようだ。
しかし、昼間あれだけ寝たはずなのに、また眠ってしまうとは。
ゲームで夜更かししたのが原因だろうか。
眠い目をこすりながら、またふらつかないよう注意し席を立った。

雨足は先ほどよりずいぶん弱くなったようだ。
「もう少し待ってれば雨止みそうだけど、どうする?」
「んー、早く帰って休みたいかも」
「そう。じゃあ、行きましょ」
「うん」

「そういや今日はちゃんと傘持ってるのね」
「そりゃあ朝から降ってたからね。さすがに雨に濡れながら登校するわけにはいかないよ」
「昨日はどうして雨に濡れちゃったのよ?」
「だって傘って持ち歩くのめんどくさいじゃん? 折りたたみ傘はかばんの中濡れるし膨れて邪魔だし」
「あのねえ。そうやっていつも傘持ち歩かないから、ばちが当たったのよ」
「むう、まさか風邪引くとは思わなかったんだもん」
「いい教訓になったでしょ」
「まあね。でもそんな風に言われると意地でも持ちたくなくならない?」
「ならないわよ。はぁ、まったくあんたは懲りないわね。
そんなに傘が嫌ならカッパを着ればいいじゃない。ちっちゃい子がよく着てるやつ」
「なんだかとても馬鹿にされてるような気がするんだけど」
「気のせいよ」
「カッパは蒸れるから好きじゃないんだよね」
「文句ばっかりね。まあ、確かにこの季節毎日傘ささなきゃいけないのが面倒くさいって気持ちは分かるけど」
そう言って止まない雨を見つめながら、いつものようにため息をつく。
肩が下がった拍子に、ツインテールが傘からはみ出し雨に濡れていた。
「かがみ、髪が濡れてるよ」
「えっ、ああ、ほんとだ。もう、これだから雨は」
「嫌だよね」
私も自分の髪が濡れていないか首を回して確認してみた。
幸い大きな傘だったので、小柄な自分が濡れることは無かったようだ。

振り向いた先の民家の庭先に、偶然紫陽花が咲いているのを見つけた。
今日あの紫の色の中にかがみの姿を見てから、気になって仕方が無い。
これまでそんなもの気に留めることもなかったのに。
熱のせいかボーっとしている。
まるで吸い寄せられるように、その花のもとへ近づいていった。



223:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:51:04 Kwi5HOvr
「こなた、危ない!」
かがみの声が聞こえると同時に、強く抱き寄せられた。
とたん、車が横を猛スピードで通り過ぎてゆく。
「まったく、何考えてるのかしら!」
かがみは通り過ぎた車をキッとにらみつけている。
どうやら私は前から車が近づいてきたことに気付かなかったらしい。
「怪我は無い?」
「う、うん。心配かけてごめん」
私が無事だとわかると、ほっと息をついた。
「大丈夫? さっきまで普通に話してたから熱が下がったのかと思ってたけど、まだ熱があるのね?」
「うん。完全にはまだ治ってないみたい」
「それもそうか。ごめんね、熱のこと忘れてて。家までちゃんと送り届けるっていったのに」
さっき危ない目に遭わせたことを悔いているようだった。
「そんな、心配しないで。ちゃんと歩けるから」
「でも、まだボーっとするでしょ?」
「それはそうだけど……」
かがみはしばらく迷ったあと、何かを決意したように言った。
「こなた、こっちに来て」
「えっ?」
そう言ってかがみは私を引き寄せると、肩に腕を回してきた。
「か、かがみ?」
「こ、こうしていれば安全でしょ?」
「う、うん」
「これでふらふらすることもないと思うし、さっきみたいに危ない目にも遭わないし」
照れを隠すためか、やたらと理由を強調している。
「うん。でもこれって、……相合傘だよね」
私の呟きに、かがみは真っ赤になった。
かがみはいつも通りの反応とはいえ、自分の言った言葉の意味を悟り私まで赤くなってしまった。
「なっ、何言ってるのよ。別に変な理由なんてないんだから。
仕方ないじゃない、だいたいあんたがふらふらして危なっかしくて─」
─やっぱりいつものかがみんだ
必死に反論するかがみを見ていると、ふと可笑しさがこみ上げてきた。
二人して一緒に赤くなって何やってるんだろう。
「もう、素直に私の側にいたいと言いたまへ」
「あ、あんたは私の話聞いてなかったの?」
「本心じゃないくせに」
「ううっ、もう知らない」
そういいながらも、私の側を離れることはしない。
私を守るように、ずっと肩を抱いてくれている。
─ありがとね、かがみ
私はそっと、気付かれないようかがみに寄り添った。

本当ならじめじめして暑いはずなのに、触れた肌から伝わるかがみの体温はとても温かくて心地よかった。
ほんのちょっと寄り添っただけなのに、それに気付いたかがみはぎゅっと私の肩を抱き寄せた。
驚いてかがみの方を振り返ると、頬を赤らめながら明後日の方を向いている。
何だかとても変な感じ。
頭がボーっとする。
でも、不思議と体のだるさは感じない。
これもきっと熱のせいなんだ。
朝から続いている熱が私をおかしくしているに違いない。
でもじゃあ、体をだるくするはずの熱がどうしてこんなに心地よく感じるんだろう。
ずっとこのままでいたいって思うのはどうしてだろう?



224:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:51:14 Kwi5HOvr
気がつくと、ずっと降り続いていた雨が止んでいた。
雲間から射す日の光が、雨の雫に濡れた周りの世界を輝かせていた。
光の雨が降りそそぐ中を、二人ひとつの傘をさし寄り添いながら歩き続けた。
傘が日の光をさえぎってくれる。
きっとこの瞬間、傘でさえぎられた私たち二人の世界にはまだ雨が降っているんだ。
だから、まだ傘はたたまない。
あともう少し、このまま一緒に歩きたい。
私たちの世界に降り続く雨が止まない限り……

「ここまで送ってくれてありがとね」
「どういたしまして」
駅から自分の家までの道のりは、こんなに短かっただろうか?
まだ未練の残る中、かがみのそばを離れた。
触れていた肌から温もりが消えていくのが寂しい。
本当は早く家に帰って休みたかったのに、二人でもっと歩いていたいと思った。
雨なんか嫌いだったはずなのに、……もっと降り続けてほしいなんて思ってしまった。
ほんとどうしてしまったんだろう。
そんな動揺を隠すため、冗談めかして言った。

「かがみんとの相合傘は良かったヨ」
「えっ、ほんとに?」
「ちょっ、何まじめに言ってるのさ」
かがみが素で返事をしてきたので、慌ててしまった。
いつもなら顔を真っ赤にして返してくるのに。
かがみまでどうしちゃったんだろう。
「そ、そうよね。何言ってんだろ私。あれは仕方なくなったんだもんね」
とても寂しそうな顔で、俯いてしまった。
その姿に私の心が痛んだ。
「ち、違うよ。自分でからかっておいておかしいと思うけど、かがみがそばにいてくれて嬉しかったよ。ああもう、何言ってんだか」
いつもの調子でかがみをからかうことが出来ない。
私まで慌ててどうしちゃったんだろう。
そんな様子の私をかがみが見ている。
とても恥ずかしい。

「こなた」
「なに?」
「ありがとね」
「……!」

それはとても幻想的な風景だった。
ほんの一瞬、雨の雫に濡れたかがみの髪が日の光を受けきらきらと輝いていた。
それにも勝るとも劣らない、輝きの中で見せる満面の笑み。
それはどんな花よりもきれいだった。

「……」
何も言えない。
私はかがみから目が離せなかった。
私はただボーっと見惚れることしかできなかった。



225:18-236 『紫陽花色に光る雨』
08/06/15 20:51:56 Kwi5HOvr
「こなた?」
「……」
「どうしたの?」
「……えっ、あっ、べ、別に何でもないよ」
「もう、家に着くなりどうしちゃったのよ?」
「うん……まだちょっと熱があるみたい」
「まだ立ってるの辛い?」
「ううん、そんなんじゃなくて」
「熱でふらふらするんじゃないの?」
「そんな熱じゃないよ」
「えっ、じゃあどんな?」
「……ずっと、下がりそうにない熱だよ」
かがみは頭の上にクエスチョンマークをつけながら、きょとんとしていた。
「もうすこし風邪が長引いてもいいかも」
「何でよ?」
「秘密だよ」
「?」
「気にしないで。熱でちょっとおかしくなってるだけだから」
「気になるわね」
「ふふ」
「教えなさい」
「またいつかね」

かがみ、私自身にもその答えは分からないよ。
このもやもやする気持ちが何なのか、今はまだはっきりと分からない。
この気持ちをうまく言い表すことができるかも、うまく伝えることができるかも分からない。
でも、いつか分かるときが来ると思う。
もしそのときが来たら、必ず言うから。
だから、今はもう少し待っててね。

空を見上げると、雲間から青空が覗いていた。
初夏の到来を予感させるその青空に、私の心は躍った。
─これから先きっといいことがあるよね
蒼に染まる空と、紫陽花色に光る雨。
それはまるで、私とかがみみたい。

季節はこれから夏に向かう。
蒼が空いっぱいに広がる私の季節が来る。
今はまだ紫の多い季節かもしれない。
でも、待ってて。
きっと夏空のように、かがみを私の色で染めてみせるから。


Fin

226:18-236
08/06/15 20:52:39 Kwi5HOvr
以上で『紫陽花色に光る雨』は終わりです。
お読みいただきありがとうございました。

しとしとと降り続く雨、薄暗い世界に咲く色とりどりの傘、
落ち着いた色を見せる紫陽花など、どこかアンニュイな雰囲気の漂う
季節でイメージは好きなのですが、じっさいにはじめじめするので
余り好きにはなれません。

もう半月ほどあとには7月、かがみとつかさの誕生日が控えてますね。
さあ、そちらに取り組む準備をするとしましょう。

227:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:10:56 AvSJP7ft
>>217-218
昔、ぼっちスレに絵を描いていた人のところです。いってらー。


228:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:11:25 m16pvXLj
>>226
GJ!
かがみん綺麗だなぁ
紫陽花か・・・青色だったり紫色だったり・・・いいねえ

229:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:23:21 6LMp0SOl
なるほど、考えてみれば紫陽花って、
こな×かがのためにあるような花かもしれんな
青&紫(・∀・)b

ここのところ雨雨作品ラッシュで、
脳内でaikoの「相合傘」がリフレインしています(´∀`)

230:8-784
08/06/15 21:28:13 VP4IkN6I
>>226
GJです !
雨に濡れながら、親友以上恋人未満な二人が肩を抱き合って相合傘・・・絵になりますね
かがみとつかさの誕生日もがんばってください

それではお久しぶりの落書き行かせていただきます
かがみのキャラソン聴いてたらこんなお話思いつきました↓
URLリンク(up.mugitya.com)

お姫様は騎士様に優しくしてもらえないと、すぐにご機嫌ナナメになってしまうようですw

前回お返事くださった皆さんありがとうございます !
それから小ネタの使用許可ありがとうございます。かがみとつかさの誕生日に投下する予定なので
もう少し待ってください

231:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:32:35 YBddj8W/
>>230
やっぱりかがみは寂しがり屋のウサギ…GJ

232:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:35:28 6LMp0SOl
>>230
おとめかがみ、うさちゃんかがみ(≡ω≡.)GJ!
「なんか用でもあるの」こなたには悪気はなかったんでしょうけど、ねえ……
いやあ、言葉ってこわいね~(´∀`)

233:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:36:11 SqQDBw7u
「お姉ちゃん喧嘩しちゃだめだよ~」ってしっかり隣の部屋に丸聞こえだった事実に慌てて
「ち…違うのよこれは…」と取り繕うかがみん
そしてしっかり電話越しにそれを聞いてて「かがみん可愛いねぇ~」とニヨニヨするこなた

という怪電波を受信してしまったので丸投げさせてもらおう。

234:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 21:37:08 lOVOWFcc
おひさー
百合姫みたいになってきましたね、GJ!

235:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 22:13:04 6saeq5Oa
今から晩御飯食べてる時に思い付いたSS(っていうか小話)を投下したいんですけどかなり変な内容なので、そういうのが苦手な人は今のうちに避難準備しといてください。
あ、あとこなたは出ません。

236:柊かがみに10の質問
08/06/15 22:15:50 6saeq5Oa

―よろしくお願いします。

Q1:あなたの名前は?
A1:泉かがみ…じゃなかった、柊かがみ。

Q2:好きなものは?
A2:こなたに決まってるじゃない。愚問だわ。

Q3:嫌いなものは?
A3:こなたに近付くヤツ、こなたを泣かせたヤツ、こなたを(ry

Q4:趣味は?
A4:こなた観察。こなたったらチョココロネのチョコを口の周りに付けて気付かないのよ。もう可愛くて可愛くて。でもこなたの可愛さはこんなものじゃないわ。他にもこなた(ry

Q5:あなたの宝物は?
A5:こなたの画像&写真コレクションね。…え?これ盗撮じゃないかって?失礼ね。この画像と写真はこなたへの愛の詰まってるの。それを盗撮だなんて言われるのは心外だわ。

Q6:特技は?
A6:愛の追跡。こなたにバレないように後ろから尾けるのが得意なの。…ストーカーじゃないわ。うん、決してストーカーじゃない。

Q7:友達は多い?
A7:割と多い方だと思う。でもこなたに比べれば月とスッポンね。っていうかこなたがいれば友達なんていらないわ。

Q8:毎日の日課は?
A8:日記かしら。これでどの日にこなたがどんな事をした一目で分かるようになってるの。…え?自分の事はって?そんなのこなたの事に比べたらどうでもいい事よ。私はこなたの大親友としてこなたの全てを記しておく役目があるんだから。

Q9:今欲しいものは?
A9:媚薬…いや、なんでもない。

Q10:将来の夢は?
A10:こなたのお嫁さん!これしかないわね!!っていうかこれしか有り得ないから!


―………ありがとうございました。



おわれ。




237:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 22:17:54 6saeq5Oa
…本当に変な作品で申し訳ない…。今、別の作品も制作中なので出来上がったらそちらでお目直ししてください。

238:フタ☆某
08/06/15 22:29:11 6Bsz52/5
カンフーハッスル!
URLリンク(konakaga.me.land.to)

愛するかがみを救うため、拳士こなたは単身、敵のアジトに乗り込むのであった!


239:18-236
08/06/15 22:44:20 Kwi5HOvr
>>228
きらきら輝くかがみんは実際に見てみたいですね。
こなたが一瞬見たかがみはさぞかしきれいだったんでしょう。
もしかしたらこれが決定的になったのかな?

>>229
家の近くに咲いてる紫陽花は紫が多かったので、
主にかがみをイメージしてました。
確かに青い紫陽花もありますね。
ひとつの花の中にこなたとかがみを重ねることができますね。
これは良いネタになるかも。

>>230
雨の日の相合傘はマンネリではありますが、やはり外せません
とても綺麗ですからね。

それと、相変わらず可愛い絵柄でGJです。
かがみは付き合ってからも苦労しそうですね。
普段はだらけてても、ここぞというときにかっこいい台詞を言うこなたに、
「もうっ」と表向き怒った振りをしつつ、内心デレデレなかがみが容易に想像できます。
誕生日の絵も楽しみにしていますね。

>>237
かがみがいい具合に壊れてますね。
また甘々な作品を楽しみにしてます。

>>238
続き物ですか?
こなたは昔何の格闘技を習ってたんでしょう。

240:6-774
08/06/15 22:56:59 hbMq/K9p
どうもです。こなたの誕生日では、まぁ、お騒がせしました。
えっと、今書き途中であったssの続きが出来たので投下させていただいても構いませんか?23時5分まで様子見てからまたきます。


241:6-774
08/06/15 23:05:07 hbMq/K9p
時間になりましたので、ちょっと失礼します。
タイトルは『子狐こなたんの物語』(完結)
でお願いしますです。

242:6-774
08/06/15 23:05:48 hbMq/K9p
「こなた~、髪の毛梳かすからこっち来て」
「あ~い」
かがみの言葉に、こなたは狐耳をぴょこん、と揺らしながら頷くと、かがみの元までとたた、と駆け寄りました。
子狐のこなたがかがみのお家に来てから、もう、大分時間も経ち。すっかりと、人間の姿でいることにも慣れ、かがみもまたその状況を自然として受け入れていて、こなたの世話を率先してやるようになりました。
櫛を持ってこなたを手招きするかがみ。その目の前まで行ってかがみを見上げるこなたは瞳を僅かに潤ませていて、満面の笑顔。それに、無意識にでしょう、その尻尾もパタパタと揺れていました。
そんなこなたの様子を見て、かがみも相好を崩すと、床に腰を下ろして、自らの膝を示しました。
こなたは、さらに頬を赤らめて一瞬くすぐったそうに首を竦めましたが、直ぐにその膝の上に乗って丸まります。
そして、そんなこなたの髪を、かがみは梳き始めました。
サラ、サラ、と櫛が髪を梳く音だけが響くかがみの部屋で、1人と1匹。
窓からは午後の麗かな日差しが差し込んでいて、本当に、のどかな時間が、流れていました。

「こなた、気持ちいい?」
かがみが髪を撫でながら聞くと、こなたは、返事の代わりに耳をペタ、と倒して、かがみの胸の辺りに擦り寄りました。
その様は、狐というよりは猫で、そんなこなたに、かがみは苦笑しました。
「ん~♪やっぱりかがみは温かいな~、それに、柔らかい。優しい匂いがする」
かがみにじゃれつきながら、甘えん坊な一面を覗かせるこなた。直接に甘えられて、なんだか気恥ずかしくなったかがみは、プイ、と顔を背けました。
「な、何言ってるのよ……」
口調こそ強気でしたが、その顔は上気して、言葉とは裏腹なかがみの心情が如実に表れています。
そんな様子を見て、こなたはニコッと笑みを作ると、今度はかがみに抱きつきました。
「ムフフ、照れてるかがみん、萌え~」
「萌えって……アンタ時々変な言葉使うわね」
呆れたようなかがみの言葉にも、嬉しそうな顔をして、こなたは再び膝の上で丸くなりました。

その時、こなたが丸くなった拍子に、足元の傷口に巻かれた包帯が服の裾から覗き、かがみの目に留まりました。
「こなたの足の傷、大分良くなってきたわね。もう直ぐ治るわよ」
何気なく、かがみは言ったつもりでした。ですが、その言葉を聞いて、顔を上げたこなたは先程までの笑みを消し、耳や尾の毛を逆立て、緊張している様子でした。
「かがみ、それ、どういう……」
「え?だから、傷が治るって―」
かがみは、最後まで言葉を言い終えることが出来ませんでした。その前に、こなたがかがみの膝の上から、身をくねらせ、抜け出すと、凄い勢いで自らの足に爪を立て始めたからです。
「ちょっ……!こなたっ!?」
驚いたかがみは慌ててこなたを制止しようとしました。しかし、こなたは伸ばされたかがみの手を乱暴に払うと、目尻に涙を浮かべ、かがみのほうを哀しげに見やると、一気に部屋から駆け出して行ってしまいました。
「こなた……?」
後に残されたかがみは呆然とするしかありませんでした。一体、こなたは何故あんな事をしたのか、どうして、自分の下から去って行ったのか。何故、あんな哀しそうな目をしていたのか。かがみには分かりませんでした。

243:6-774
08/06/15 23:06:24 hbMq/K9p
ぼんやりとしていたかがみの所に、母、みきがやってきました。怪訝そうに眉を顰めています。
「さっき、こなたちゃんが凄い勢いで飛び出して行ったけど、かがみ、何か知らない?」
聞かれて、かがみは先程あった事を話しました。こなたの髪を梳いていた事。こなたの足の傷の事。そして、こなたが取った行動の事。
かがみが全てを話し終えると、みきは、納得したように頷きました。
「そう……」
一言、呟いて、かがみの方に向き直ります。その瞳は少し、険しく、吊り上がっています。
「かがみは、こなたちゃんの事、どう、思ってるの?」
「え? どうって、どうって……アイツは……」
答えようとして、答えられない事にかがみは気が付きました。
こなたが家に来てから、ずっと一緒にいるのが当たり前で、当たり前だからこそ、何も考えないで。ただ、一緒にいて、楽しくて。
そんなかがみの様子を見て、みきは、ちょっと息を吐きました。
「こなたちゃんはね、かがみの事、好きだって言ってたわよ」
言われて、かがみはハッとしました。
以前、確かに、こなたにそう言われたことがあったからです。でも、その時には深く意味を考える事はしませんでした。
なぜなら、かがみもまた、こなたのことが好きだからです。
「だけど、こなたちゃんは、人間は嫌い、とも言ってたわ」
「え……?」
とつとつと、みきは語ります。
「人間は嫌いだけど、かがみは好き。こなたちゃんにとって、かがみは、特別な存在なのよ」
「! こなた……」
「だけど、やっぱり、こなたちゃんは、人間を信じられない部分があるのかしらね。迷惑をかけてるかも、って言ってた。もしかしたら、かがみが自分と一緒にいてくれるのは足を怪我してるから。その治療のためなんじゃないかって」
「そんなっ!そんなこと……」
ここで、かがみにも合点がいきました。こなたが、自身の足を傷つけようとしたこと。それは、足を怪我しているから一緒にいてもらえる。逆に、足が治ったら、一緒にいられない、そう思ったからではないでしょうか。
「かがみは、こなたちゃんに、それを伝えた? 一緒にいるのは、そのためだけじゃないって事」
「あ……」
「追いかけなさい、かがみ。もし、あなたが、こなたちゃんの事を大切に思ってるなら。言葉にしなくちゃ、伝わらない事だって、あるんだから」
そう言うと、みきは表情を柔らかくし、かがみの頭に手を伸ばしました。
「うん……」
母に頭を撫でられ、かがみは、小さな子どものように、頷きました。

244:6-774
08/06/15 23:06:46 hbMq/K9p
「かがみ……かが、み……」
こなたは、1人で、丸まっていました。
足の包帯は真っ赤に染まり、じくじくと痛みます。
何度も、何度も足に爪を立てました。でも、こなたにも分かっているのです。そんな事をしても意味は無いという事を。
かがみは、こなたが出会った人間の中で、初めて‘特別’になりました。随分と可愛がってくれたし、常に気にかけてくれました。
だから、嬉しかったのです。かがみと同じ、人間になれたこと。
何で人間になれたのか、こなたには分かりません。だけど、そんな事はどうでも良かったのです。かがみの傍にいられれば。
こなたの足に残った傷は、かがみとの絆、でした。それが治って、消えてしまう。かがみから、離れなくてはいけなくなってしまう。ただの子狐に、戻ってしまう。
かがみと、もう、会えなくなってしまう。
それは、こなたにとって、とても恐ろしいことでした。
体の震えが、止まりません。
「かがみぃーっ!!」
「こなたっ!!」
ハッと、起き上がりました。涙でぼやけた視界に、薄い紫色が揺れています。人間より鋭敏なこなたの嗅覚は、視覚より先に、その存在を認識しました。
「かがみ~っ!!」
叫んで、こなたは立ち上がろうとしました。が、傷つけた足は力が入らず、姿勢を崩して、ガクっと倒れそうになりました。
「こなた~っ!!」
間一髪。かがみがこなたの元へ駆け寄ると、その小さな体を抱きしめ、受け止めました。
ふわ、と匂う優しい香り。柔らかくて、温かくて、こなたは、鼻の奥がツーンとするのを感じました。
かがみは、こなたの頭を、先程、母から自分がしてもらったようにゆっくり、ゆっくりと撫でました。
咄嗟の事で逆立っていたこなたの狐耳、尾の毛も、かがみの手の動きに合わせて、ゆっくりゆっくりと寝ていきました。
「かが、み、ゴメ……わたっ、かってに、かがみ、やさ、しく……でも」
しゃくり上げながら、それでも必死に言葉を紡ごうとするこなたを、そっと制すると。かがみは、こなたを落ち着かせるように、もう一度、今度は、その耳を撫でました。
こなたは、かがみにここを撫でてもらうのが好きでした。ふわふわ、もふもふ、優しく、包み込むように。
こなたは、目を細めて、首を竦めました。
かがみは、少し屈むと、こなたと目線を合わせました。
「私、こなたが来て迷惑だなんて思ったこと、一度もない。私が、こなたと一緒にいるのは、足に怪我してるから、憐れんでるからなんかじゃない。私が、こなたと一緒にいたいの」
「でも、私、人間じゃないよ。狐だよ?」
「関係ないわよ」
「自分勝手で、迷惑かけちゃうかも」
「だから、迷惑じゃないって」
「他の人間から見たら、私は……」
「その時は、私がアンタを守るから。だから、一緒にいてよ……こなた」
「……っ、かがみっ!」
こなたは、思い切りかがみの胸に飛び込みました。一房飛び出た髪の毛と、狐耳が揺れて、尾はパタパタと。そんなこなたを、かがみはぎゅっと強く抱きしめました。

「ねぇ、こなた」
「ん~?」
家に戻り、こなたの足の手当てをした後。やっぱりかがみの膝枕の上で丸くなるこなた。そんなこなたの髪を優しく撫でながらかがみは言いました。
「今度、家の神社のお祭りがあるんだけど。一緒に行かない?」
「いいの? かがみ、ずっと支度してたじゃん」
「一生懸命手伝ったからね。当日は、手伝いしなくてもいいって」
それを聞くと、パタッパタッっと今まで一定のリズムで床を叩いていた、こなたの尾がピンと立ちました。
「ホント?」
「うん」
「やったぁ~!」


「こなた、浴衣、大きくない?」
「む、そういう時、普通‘小さくない’って聞くんじゃないの?」
「いや、私のお古だし。こなたには少し大きかったかなって」
「失礼な。丁度いいよ。それに……」
「それに?」
「かがみの匂いがして、凄く落ち着く。大好きだよ、かがみ」
「なっ! は、恥ずかしいこと言うな……」
「ん~?顔が赤いぞ、かがみん?」
「あ~!私も、大好きだよっ!こなた!」
「うんっ! 行こっ、かがみ」
差し出された手を、かがみは苦笑と、微笑みの成分を半々に含んだ表情で、掴みました。
手のかかる子狐です。人になった、不思議な子狐です。でも、それ以上に、かがみにとっては、大好きな、子狐なのです。

245:6-774
08/06/15 23:10:50 hbMq/K9p
以上です。お付き合いくださいましてありがとうございました。

ゆーちゃんの書いた氷姫のお話を読んで、ああいう作風にもチャレンジしたいなと思ってトライした今回ですが。
まぁ、どうでしょうね。
ゆーちゃんはすごいなぁ、ちゃんと起承転結で纏まってるから。

こなた=狐。とはよく言われていますね。
なので、冬頃に♪子狐コンコン こなたんたん こなたんたん かがみに抱かれて昼寝をしたり、かがみの枕で夢の中♪
なんていう変な電波受信しまして、こういう風なの出来上がりました。

こなかが、といってもパラレルなので受け方様々にあるとは思いますが、少しでも楽しんでいてくれる方がいたら幸いです。
では。

246:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/15 23:32:22 2CSb82DP
>>236
吹きまくったwww
こういう小ネタも保管庫にいれてほしいなw

>>245
俺の好きなシリーズ来てるーーーー!!!!!
まだ読んでないけど、どうせおもしろいからぐっじょぶ!!w

247:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 00:26:00 GU26PwnP
>>245
GJ!今回で完結かぁ。
毎回思ってたけど動物的なこなたって可愛いなw

248:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 00:29:01 cexADlu6
>>213
もしかして某サイトで拍手すると見れるやつか?
あれは… R-15ってレベルじゃねーぞwww

249:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 00:33:19 9aGSAZ8N
その記事は見たんだけどよく考えたら拍手してなかった…と思って拍手したら、ちょwwwwwwwww

250:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 00:54:22 XjJNk8fp
何の記事?kwsk頼むっ!

251:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 01:10:28 J6sq8lGY
ほんと人の気持ちが理解できない奴等だな
作者は拍手してくれる人にだけ見てほしいと思ってるはず
少し考えれば分かることだろ

252:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 01:28:35 aafEcpEF
猛省orz

以後追求しないことにするorz

何のためにホムペ作ったか、
今俺らの置かれてる状況を鑑みれば、即座に分かるなorz

253:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 01:44:55 9hwqH2Yj
たかだかエロ絵一つ見つけたくらいでギャーギャーと…
ここの住人は小中学生しかいないのか

254:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 03:15:03 AyzEDgj4
>>226
GJ!
紫陽花って色々な色のある花ですからね。
他の方も言ってるように、蒼だったり、紫だったり。
ピンク色っぽいのとか、黄色っぽいのもあった・・・ような?どうだったかな?
もしあったら、こなたとかがみだけじゃなく、親友4人を表す花になれるのかも。

花に負けないくらい、綺麗な作品だったと思います

>>230
こなた空気読んでくれ頼むw
まーでも、いきなりこんなこと言われちゃショックもでかいかなw
別に用がなくたって電話してもいいじゃないか!

>>245
完結お疲れ様でした。
狐こなた可愛すぎるw
一挙手一投足のたびに動いているであろう尻尾とミミを想像しただけで死ねる

255:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 07:44:42 ZvIeq+Z7
画像普通に見られるようになってるけど、紛れもなくこのスレ民のせいでつね^^

256:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 14:03:50 AkmVD8OT
こなた「かがみ、付き合わせちゃってごめんね、こんなとこ嫌だよね」
かがみ「い、嫌に決まってるでしょ!でもあんた一人だと何するかわかんないし、ほら保護者って必要でしょ」
こなた「うん…かがみ、優しいよね」
かがみ「別に優しくないわよ」
こなた「優しいよ、つかさもみゆきさんもみんな優しいよ…」
こなた「理屈じゃなくてさ、優しいんだ…これすごく贅沢だと思う」
かがみ「ま、まー…長い付き合いだし」
こなた「ま、これが出来るのもここが二次元だからだネ☆」
かがみ「肝心なとこでメタ発言すんじゃねえっ!!!」

はぁかがみかわいい

257:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 14:57:15 ygrNbrs2
       /                     \
      /  ,r'"j                i^'!、  ヽ
    /   </´                `ヾ>  .:;i,
    ,l        _,._,.        _,._,.       .:.:l,
    |       < (ヅ,>      < (ヅ,>     ...:.::|      乙
    !        ` ̄´      .   ` ̄´       ..: ::::::!   
   |           ノ . : . :;i,          ... ::::::.:::|    
     !          (.::.;人..;:::)      ...:.:::::.:::::::::!
    ヽ、         `´  `´    ........::..::..::.::::::::/
      \......,,,,,,,_           .....:::::::::::::::::::::::::/


258:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 17:13:59 AfLhYYCE
>>214
>>215
感想とかの時は固定を使わずスレするようにします。

259:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/16 17:16:14 ASy1OH4F
新作SSが完成したので投下してもよろしいでしょうか?いいんなら、いきます。

260:隠していた本当のココロ
08/06/16 17:18:41 ASy1OH4F
──いつからアイツの事が好きだったのだろうか。アイツが笑うと嬉しい。アイツが悲しむとこっちまで悲しい。

今の私の感情の全てはアイツ─こなた─に占領されていた。今まではそれが普通だと思っていた。
でも、私がこなたに抱く感情が友情ではないと気付くのにそれほど時間はかからなかった。

──こなたと手を繋ぎたい。こなたに抱き締められたい。こなたとキスしたい。…そしてこなたと……。

そう思い始めた瞬間から私にとってこなたはただの友達ではなく、“大切な存在”になってしまっていた。





「かがみーん!宿題見せてー」
「もう、たまには自分でやれよ」』
「いいじゃん、かがみと私の仲ではないか」

こなたは私をどう思っているのだろうか。…ただの友達としか思ってないだろうか。
私がこんなに熱い視線を送っているっていうのに、こなたは気付く素振りも見せない。

「かがみーん」
「……あっ……なに?」
「こっちのセリフだよ。どうしたの、ボケッとして」
「あっ…ゴメン、ちょっと考え事してて…」

気付けば私はこなたの家にいた。どうやら私は今日一日中ボケッとしていたらしい。ここに来るまでの記憶がほとんど無い。




「もう、かがみ今日はどうしたの?一日中ボケッとして」
「…ゴメン…」
「かがみさあ、なんか私に言いたい事あるの?」
「へっ!? なっ、なんで?」
「いや、今日私ばっかり見てたから」

…なんでコイツは変な所だけ勘がいいのか。

「言いたい事はあるけど…いやだ、言いたくない」
「おいおーい、私とかがみんの仲でしょ?なんでも言っちゃいなYO~」
「…これを言ったらアンタ絶対私の事嫌いになっちゃうから言わない」
「よし、約束しよう!嫌いにならない」
「……本当に?」
「本当!」

…ここまで来たらもう言うしかない。嫌われたって構わない。私はこなたに今の気持ちさえ伝えることが出来れば良い。


「こなた…。私…アンタの事好き…なの」
「えっ…」
「友達としてじゃなくて……その、恋愛対象として……なんだけど……」

予想通りこなたはビックリしたような表情を浮かべていた。

「あっ…でもこなたがイヤなら、別にいいんだよ。……私、もう二度とこなたに関わらないようにするから……」

そう言って私はこなたの部屋から出ようとするとこなたが私のスカートの裾を引っ張ってきた。



261:隠していた本当のココロ
08/06/16 17:19:21 ASy1OH4F
「何?こなた」
「……かがみは鈍感だなぁ。私がこんなにかがみにラブラブ光線送ってたのに。今頃気付くなんてさ」
「…えっ…?…こなた、それって…」

私が何かを言いかけたと同時に私はこなたに押し倒されていた。何が起こったか分からないままの私にこなたは続ける。

「私、かがみにあんだけモーションかけてたのに、かがみったら告白のタイミングずれてるよ」
「こなた、アンタ…私の事…」
「好きだったよ…ずっと…かがみの事好きだった。でも私から言うのはちょっと悔しいから、かがみに言わせたかったんだ」


─好きだって…─


私の心臓が跳ねるのが自分でも分かった。…ヤバい。壊れてしまう。これ以上こなたに何かを言われると私の理性が壊れてしまう。

「…こなた、私アンタにこれ以上何か言われると、アンタを襲っちゃうかもよ?」
「別に良いよ?かがみを襲ってるのは私だもん」
「…こなた、キスしてよ」
「舌、入れてもOK?」
「ダメっつってもやるんでしょ…?」
「…やる」
「…バカこなた…///」


私達は長い間貯めていた想いを互いの唇に込めた。その想いはとても熱くて脳が麻痺しそうなほど頭がクラクラした。それはきっとこなたも同じだっただろう。

「…こなたぁ…」
「かがっ…みぃ…」


私達は長い間密着していた唇を離した。

「こなた…アンタの唇、甘過ぎ///」
「アハハ、お昼にチョココロネ食べたからかな///」
「……こなた、私達両想い…なのかな」
「もちろんだよ、かがみーん///」


こなたは私をより一層強く抱きしめて。

「どうする、エッチ…しちゃう?」
「こなたさえよけりゃ」
「…今夜は帰さないよ?」
「古」


私達はその夜、激しく愛し合った。

私、もう自分の気持ちに迷わない。こなた、アンタを幸せにするって決めたから…。





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