08/06/08 15:45:16 tRmCgHjt
>>603
おおーーーー!
夏の祭典にも期待!
607:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 15:58:50 qnq35f0d
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
608:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:07:35 6O9w3Y4s
先に負けて追い詰められているのに、冷静にカリ梅をかじるこなた
「この格好になっとけば、かがみんは集中できないからねえ」
逆転勝利を狙う計画
609:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:11:12 VM9kVJ4L
>>603 チラシの裏にでも描いてろよ。
下手糞。
610:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:12:37 NTIa2dx8
>>603
二人とも必死ですね
611:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:14:52 hweciomT
>>603
あはは
次に勝った方が実質勝利ですね
ブラかショーツ取られたらゲームどころじゃなくなるw
612:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:15:11 zN0eE34q
>>603
GJです。かがみの炎が熱すぎ!
そういえば、かがみは、こなたが秋葉でバイトしてることをどう思っているのだろう
けっこう人気あるって言ってるし、気が気でないのかも
こなたがパティとユニット組んでで販売までしてることは・・・・かがみもバイトに応募してきたりして
613:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:15:23 mfa7zn6X
>>603
思わず吹いたwww
そして焦りだすこなたと必死すぎるかがみに萌えたwwww
そして最後の1枚は2人同時に、
そして夜2人は(ここより先こなたの合気道跡地
614:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 16:26:35 bNRrykj2
かがみ燃えすぎw
615:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 17:01:20 hweciomT
>>612
意中の相手が自分の知らないところで人気者って状態は、やっぱり面白くないかと
内心モヤモヤしてるに違いない
で、しばらく悩んだ後に「私・・・こなたのことが好き・・・なのかも?」みたいな感じで
本当の気持ちに気づくと超萌えるw
616:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 17:14:12 mjqwCUIT
実際こなたって主人公だから色んな人と絡むしライバルが多そうだ
結構押しに弱いし意外と真面目だから早く告白した者勝ちのような気がするし
かがみ頑張れ!
617:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 18:40:02 zN0eE34q
まあ、かがみはかがみで友達も多いんだろうけど、接客業のバイトしてると交友関係は広がります
それこそ真面目にこなたを援助しようとする者、援助をたてに関係を迫ろうとする者、
真面目に交際を申し込もうとする者多数だと思う。
618:意外と押しに弱いらしい人
08/06/08 18:45:06 mfa7zn6X
>>616
かがみには是非積極的になっていただかないと
他の人にいっちゃうよ~むふふ~≡ω≡.
つかさ「(こなちゃん、抱きついて顔摺り寄せて胸つんつん
しながらそういっても説得力ないと思うんだけど……)」
619:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:28:37 zN0eE34q
こなたの誕生日を祝おうと思って店にいったら、
常連客やバイト仲間に盛大に祝ってもらってコスプレ衣装で歌を歌うこなた達・・・・・
をみて、トボトボ帰るかがみ
620:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:45:07 N33C5aW4
途中で帰ったりなんかしたら
来てくれなかった…と、こなたが泣いちゃうぞ
621:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:47:11 mfa7zn6X
帰ろうとしたかがみをみつけ、飛びつくこなた
「どうしたの我が嫁、嫁が来ないと祝いムード半減だヨ(≡ω≡.)」
622:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:50:17 QWq5V7Be
実際、こなたはバイト先で人気者って設定だしね。
CD出せるほど人気なのは結構凄い、というか特徴的な外見と相まってちょっとしたアイドルのような?
623:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:57:59 Ulc7mm1m
声色が得意(まあ、本人だったけどw)だからあの手の店ではそれも強力な武器だろうな
624:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 19:58:58 r3c/b8vQ
いい雰囲気になってきた
このまま荒らしが居なくなればいい
みんなでがんばろう
625:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:00:51 0d+12N/M
そういうのが荒れる原因なんだから自重しろよ。
626:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:05:35 Up/6zHOF
ごもっとも
627:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:06:52 N33C5aW4
こなたが勝手に嫁アピールしてたせいで、秋葉で
「かがみの姐御!今日はお一人ですか」とか
「かがみ様に失礼があっちゃ、こなちゃんに怒られますからね」とか
気を遣われるかがみん
628:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:07:01 bjVmfo7q
>>622
かがみ凄い心配してそう
変な男寄り付かないか
629:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:16:52 zN0eE34q
対外的にみれば、こなたと一番仲いいと見えるのは、
趣味も合いユニットも組んでるパティかクラスメイトのつかさだよな
かがみは全然趣味合わないし、けっこうこなたに辛らつなこと言うし、なんでこの人が
こなたと・・・・・みられているのかも
630:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:25:47 GOzLpBMk
かがみんが店に来る日は18番のpuppy loveを歌うので
その辺の理解は常連達には浸透している
631:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 20:40:59 wAhsje44
>>629
でも近くで二人のやり取りを聞いていると「ああ、この二人の深い信頼関係の成せる業なんだな」と
納得しそう
で、次回以降二人の容赦の無いやり取りを聞くたびにニヤニヤするハメになるとw
632:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 21:35:03 +Y1i7kpt
クラスメイトにこなた紹介してくれ!って言われたときのかがみの反応が見たい
リアルに一瞬固まるな
633:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 21:51:03 tRmCgHjt
>>631
関西人のメンタリティを持っていれば、こなたとかがみの親密さを見抜きやすいとオモ。
ときおり辛らつなコトをいいつつ丁々発止やってるさまは、どうみても上方漫才だし。
634:フタ☆某
08/06/08 22:03:34 GALtwwk+
こんばんは。
そっと投下…
つURLリンク(konakaga.me.land.to)
635:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 22:03:53 mfa7zn6X
>>633
こなた「♪丁々発止、皆必死~♪」
かがみ「ネタが古いっつーの」
こうですね!わかります!
636:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 22:07:07 mfa7zn6X
>>635
きたあっ!
あのプリンセスかがみと、こナイト!
カラーになって鮮やかに見参!
「一生お守り申し上げます、姫」
「…勝手になさいよ……///」
637:636
08/06/08 22:07:52 mfa7zn6X
安価ミス、>>634だorz
とにかくGJ!!
638:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 22:20:40 8WmRXdn4
>>634
GJ!!この季節にあってるイイ絵です、ステキすぐる・・・!
639:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 22:20:50 tQes8/rz
韓災塵とか、アレ人間じゃないし
640:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/08 22:22:41 wAhsje44
>>634
うむGJ
だがSSの方も早く (ry
641:フタ☆某
08/06/08 23:27:37 GALtwwk+
ありがとうございます。
せっかくなんでpixi○に投稿してみましたが… ここの絵師さんも結構投稿されておられるようで、ちょっとビックリでした。
しかし… おえびの方でもそうですが、感想の二言めにはSSの催促されてるな、僕って…w; もう少し時間が取れたら、ちゃんと取り掛かりますから気長にお待ちになって~。
642:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 00:19:54 w1+snIvN
このスレあとどのくらい容量残ってるの?
結構長いSS作ってる最中だけど、次スレに投下した方がいいのかも…
643:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 00:21:50 8xcNjCXT
>>642
あと100Kは残ってるから安心汁。
644:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 01:12:45 mUazHb+k
>>642
あと104K残ってます。
645:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 01:36:41 vzO42gJK
>>642
お前のための104KBだ! さあ!
646:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 03:28:23 pep3xIsb
かなり遅くなったけど、誕生日おめでとうこなた!!
URLリンク(konakaga.me.land.to)
こういうのはこなかが的にはありでしょうか(汗
647:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 03:44:29 6x3DDKrQ
>>646
大いにアリ!!
648:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 04:20:15 5HM9z2RT
むしろ推奨
649:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 05:22:29 p92oikbi
>>643-645
ちょw俺、大人気www
では、早速、仕上げたSS投下したいと思います。
>>646
そして、手をつながれたまま、こなたにいろんなイタズラされるのですね?分かりますw
GJ!
650:5-974
08/06/09 05:23:39 p92oikbi
しかしてその正体は、自重できない5-974でした。
イカれたネタの多い私めですが。
でも、保管庫にはイカれたSS以外にもちょっとは真面目なSSあるじゃないかー!!
ほんとだって信じてくれよぉ\(`Д´)/ウワァァァァン!!!
では、イカれたSSいきます。
続きが投下されなくなったら、避難所にて。
性格大改変注意。
甘いの通り越してものすごく恥ずかしいです。
糖分過多で死にたい人はお読み下さいw
651:1
08/06/09 05:25:19 p92oikbi
今日もいつもと変わらない日。
こなたと、かがみと、つかさと、みゆきの4人はお昼ご飯を食べながら、いつもの談笑をする。
取り留めもなく続く、些細な出来事の会話。
しかし、彼女たちはそれに終始することが日常であり、また彼女たちにとってはその会話をすることこそ有意義な時間なのであった。
「あはは、愚妻よね~」
「そうですね、愚妻ですね」
「ほんとに愚妻だもんね~」
「愚妻ね~」
一体、どこの嫁の悪口を言ってるのか、ということはさておき。
柊つかさは、その中である異変に気が付き始めていた。
(お姉ちゃんとこなちゃんはすごく仲がいい。…最近は、ますます仲良しになってるように見えるなあ)
でもでも。
「お姉ちゃんとこなちゃんてすごく仲がいいよね!」って言うと、
「な、何言ってんのよ…別にそんなことないわよ…!」
て言う。
「…ふ~ん」
頭ごなしに否定するが、かがみの性格のことだからそれが本意ではないと知っているのはつかさだけではない。
…ここまではいつもの日常だった。ある人達にとっては。
放課後。
つかさの携帯電話に、母・みきから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』との内容のメールが届き、つかさは早速、かがみに会うため、C組のクラスに向かった。
だが、かがみはそこにはいなかった。そういえば、こなたもいつの間にかいない。
そこで、みゆきと一緒に二人を探していると、こなたの従姉妹のゆたかの姿を見つける。同級生のみなみも一緒にいる。
すると、ゆたかが近くに来て聞いてきた。
「あのう…こなたおねえちゃん見ませんでした?」
「ううん。見てない。私もお姉ちゃんとこなちゃん探してるんだけど、見なかったかなあ…?」
「いいえ、見てないです…」
「そっか…」
どこに行ったんだろう。
「ハーイ☆どうシマシタ?」
「こんにちはッス先輩方」
ひよりとパティが来た。
「ねえ、ひよりちゃん、パティちゃん。お姉ちゃん見てない?」
「かがみ先輩っすか…?そういえばさっき見たような…」
「コノ上の階に行くのを見マシタ。コナタも一緒でしたヨ」
そして、6人は上の階に向かう。しかしその階にもこなたとかがみはいなかった。
…となると、あとは屋上しかない。一応、確認してみようかと彼女達は屋上に向かった。
652:2
08/06/09 05:26:41 p92oikbi
屋上への扉を開けると、赤い日の光がまぶしく照らされてくる。
夕日は、沈みかける陽の光の最後の抵抗なのだろうか。
屋上のある一角に、青い髪の背の小さな女の子と、紫色の髪を後ろ二方向にさげている女の子が座っていた。
つかさとゆたかが口を揃えて言った。
「「あ、お姉ちゃんだ~」」
そう言って扉を開いて行こうとする二人を、ひよりが静止した。
「ちょっと待つッス!なんだか、いつもと様子が…」
ひよりは“何か”を察知したようだ。
少し開いた扉から、声を潜めて見ていると、二人の声が聞こえてくる。
『かがみ…』
『こなた…』
夕日の中、二人はお互いに向き合って座っている。
かがみは、こなたの頬にそっと手をあてた。こなたは一瞬目を大きく開いたような表情をして、
顔を赤くしながら恥ずかしそうに微笑んだ。
それに合わせてかがみも優しく微笑む。
「…何してんだろ。お姉ちゃんたち?」
「ちょ、ちょっと…!!!これは、これは、まさかまさかっ…!」
興奮を抑えきれないひより。
その時、かがみが口を開いた。
『こなた……好きよ………』
「「「「「「!!!」」」」」」
「お、お姉ちゃん…!?」
つかさが口を押さえてびっくりしている。
「おおおお……!」
「Humm…これはヨイ“こな×かが”デスネ☆」
「ふぉおお…マジっすか…やっぱりそうだったんすかあの二人…なんだかすごくいい感じっすよ…まさか、この場に居合わせることができようとは……」
ドキドキしながら見守る一同。
653:3
08/06/09 05:28:27 p92oikbi
こなたは、かがみの手を両手でぎゅっと握って、言った。
『…私も………かがみのこと、大好きだよっ!』
これ以上ない可愛らしい笑顔でかがみに微笑んだ。
「「「「「「おおおお~~~~っ!!!」」」」」」
「こ、こんな乙女な泉先輩始めて見たッス…!」
「おねえちゃんとかがみ先輩が…」
「きゃ~!!絶好ノ萌えシチュデスね☆」
屋上の二人は、ぺったりとくっついて手を握りながら、座って話をしている。
どことなく甘い空気が漂う。
それはやがて、いつもの他愛のない話に移っていく。
こなたは最近やったゲームの話を始め、かがみはそれにうんうんとうなづきながら聞いていたが、
やがてかがみの表情に陰りが見え始める。
『でさ~、そのキャラの攻略が難しくてね~』
『…』
ギャルゲーの話ばかりをするこなたに、かがみはぷいっと顔を背けてしまった。
『あれ…かがみどしたの?』
『…なによ!こなたったら他の女の子にデレデレしちゃって…!』
かがみはスネてしまった。
『こなたには…もっと私を見てほしいのに………………ばか……』
『ごめんねかがみ。こんな話して…でもね、私はそのゲームがただ楽しいからしてるだけなんだよ。
それにね。…ツンデレキャラを攻略して…かがみのことをもっとよく知りたいと思ってるからなんだヨ。
私が、リアルでほんとに好きなのは…… …かがみだから……』
こなたが顔を赤くしながら、言った。
654:4
08/06/09 05:30:22 p92oikbi
『…ほんと?』
『うん』
『…ほんとにほんと?』
こなたを見つめ、不安そうな顔をしながら、指を加えて頭を傾けて聞くかがみ。
『うん!私が一番好きなのは…か、が、み、だ、よっ☆』
と言ってかがみの鼻につん、と指を触れた。
かがみの表情がだんだんと嬉しい顔に変わっていき…
『こなたぁ~!』
かがみに抱きしめられるこなた。
『かがみぃ♪』
お互いに愛しい人の名前を呼び合う。
『こ~な~た♪』
つん。
『か~が~み♪』
つん。
お互いの名前を呼びながら、頬をつつきあう。
『えへへ…』
『うふふっ…』
「うわあ…す、すごい仲いいよね…」
「……これは、ちょっと………良すぎじゃないかと…………」
「あ、甘いですね……」
「ねえ、ゆきちゃん。あの二人は恋人さん同士だったの?」
「私は知りませんでした…つかささんはご存じなかったのですか?」
「…うん。最近、お姉ちゃんの部屋の壁や天井のあちこちにこなちゃんの写真が貼ってあって、
毎晩こなちゃんの写真に話し掛けながらおやすみって言ってちゅーしたり、こなちゃんの名前を
叫びながらおっぱいさわってるところは見た事あるけど………………………………………気付かなかったなあ」
「…そうですか(なんでやねんなんでやねん)」
655:5
08/06/09 05:32:36 p92oikbi
『あぁ…』
かがみが、こなたの体に倒れこんできた。
『どうしたの…かがみ?』
『…こなたとの愛が甘すぎて…私、とろけちゃいそう……』
思いっきり可愛らしく言うかがみ。
『もぉう…かがみったら…』
かがみの可愛さに心打たれ、頬をますます夕日に染めるこなた。
『………ねぇ、こなたぁ』
こなたの体に寄り掛かりながら、猫なで声で言うかがみ。
『なぁに?』
『好き…って、言って…。私のこと…だ~い好き、…って言ってぇ、おねがいよぉ…こなたぁ…』
『かがみぃ…』
「お、お姉ちゃん、どんだけ~…」
「す…すごい甘えてるね…」
つかさは、普段見られるクールさが微塵もない姉を。
ゆたかも、頼れる姉として慕っているこなたの、こんな様子を見るのは始めてだった。
『かがみん!』
こなたがかがみの方にずいっと近寄る。
『なあに?』
『だぁい………………………………………………………………………………好きっっっ!!!!!!!!
だよ!かがみん☆…ちゅ』
こなたが、かがみの口にキスをした。
656:6
08/06/09 05:34:33 p92oikbi
「わーっ!わーっ!!こなちゃんどんだけ~……!」
つかさは、目の前のあまりに恥ずかしい光景に耐えきれず、顔を背けてしまった。
ゆたかも、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「パティ…………………ティッシュを……………………ガクガク」
ひよりは鼻からの出血が止まらなかった。だばry
こなたが、唇を離すと、かがみが言った。
『……うふっ、ありがとっ……こなたん♪』
『えへへ…かがみん♪』
ぷーっ、と吹き出すギャラリー一同。
「…こなたん…」
『か~がみん♪』
『こ~なたん♪』
『か~がみん♪』
『こ~なたん♪』
お互いに顔をすりすりしながら、抱き合う二人。
抱き合うと、体の小っちゃいこなたは、かがみにすっぽり包まれる形になる。
『…あ~ん、もう!こなたったらほんとに小っちゃくて可愛いんだからぁ~!!』
そんなこなたを、かがみはぎゅぅと抱きしめて、なでなでする。
こなたは、かがみの胸に顔を埋めて、子供のようにすりすりしてくる。とても嬉しそうに。
『ほんとに子供みたいでかわいいでちゅね~!☆お~よちよち♪』
「…赤ちゃん言葉!!!」
「ふぉおおおおお!!!!たまんねえっすたまんねえっすたまんねえっすたまんねえっす!!!!」
ひよりは床に頭をガンガン打ち付けている。
「ひよりちゃん!!落ち着いて!!落ち着いて!!!」
『もぉ、そんなにかわいいと、お前を食べちゃうゾ!こ・な・た♪』
『あん、こわぁい!…でも、かがみになら…食べられちゃってもいいよ♪』
『…や~ん!!可愛すぎるよぉこなたぁ~~~!!!』
『えへへっ…ねえかがみぃ………こなた、そんなに可愛い?』
こなたは上目使いでかがみを見つめながら言った。
『うん!とぉ~~っても!可愛いでちゅよ!』
かがみは指をくわえながら、ますますでぃーぷな赤ちゃん言葉でこなたに言う。
『だからね…かがみはねぇ、こにゃたのことがぁ~…だあ~いちゅきなの☆』
657:7
08/06/09 05:38:59 p92oikbi
「お姉…………ちゃん…………………………」
呆然とするつかさ。その肩に、みゆきの手がぽんと乗せられる。
『えへっ。ありがとかがみん!赤ちゃん言葉のかがみ萌え~!』
こなたは、かがみをぎゅう~っと抱きしめる。
『じゃあ~、こなたはぁ、子猫ちゃんになる!かがみがご主人様ね!』
そう言って、こなたは、どこからともなく猫耳を取り出し、頭につけた。
そして、かがみに擦りよって…
『あ~ん、かがみご主人さまぁ……大好きだ、にゃん♪』
「こなた…………お姉ちゃん…………………………」
呆然とするゆたか。その肩に、みなみの手がぽんと乗せられる。
『こにゃたん、お手♪』
かがみが手を出す。
『にゃん☆』
こなたは、かがみの手に自分の手をのせる。
『じゃあ~、“スキスキ”して?』
こなたはかがみのほっぺをぺろぺろなめた。
『…ちょっと恥ずかしいにゃぁ…』
『こ~にゃた☆』
かがみは、こなたの頭についてる猫耳をふにふにとさわる。
『にゃっ…ぅ~、くすぐったいにゃん、かがみぃ~~………』
『はむっ☆』
『ふにゃっ、…そ、そこは、ほんとの耳だよぅ…………にゃん…』
『あっ、ごめんねぇこなた♪こっちでちゅね☆』
ふにっ。
『あん♪かがみぃ~……おっぱいさわっちゃだめぇ……』
『あっ、ごめんねぇ。やわらかくて耳かと思っちゃったwえへ☆』
『もぅ…かがみのえっちぃ……///』
658:8
08/06/09 05:40:38 p92oikbi
馬 鹿 す ぎ る 。
だが、それがいい!!!!!!!
とはひよりの談。
『は~い、こなたちゃ~ん、いーこいーこ!』
かがみはこなたの頭をなでなでする。
こなたは気持ちよさそうに、ごろごろとのどを鳴らしながら、かがみの腕を抱きしめて擦り寄る。
『うれしいみゅ~、かがみん☆』
こなたは言う。
『ねえぇ、かがみぃ~ん、私いい子だからぁ…ちゅー…して♪』
こなたは、かがみに抱っこされてるような形になっている。
『じゃ~あ、お薬の時間でちゅよ~』
『え~、こなたおくすりきらぁ~~い!』
『大丈夫!あまぁいお薬でちゅからね~!』
んちゅ…
『んっ…』
『ぷは…』
『ど、どぉ…?こなた…』
『はぁ、はぁ…とっても気持ちいいよ、かがみ…でもね、私、かがみにこうされてるとなぜかドキドキしちゃうの…
私も病気になっちゃったみたい……だから…おくすりもっとちょうだい…』
『いいわよ…いっぱい…いっぱいあげるね…こなた…』
ちゅう…
『んふ、はあ、はあ、私…っ、幸せだよ…かがみ…ん、ちゅっ』
『…ぷは!かっ、かがみに…んっ!……ちゅ、くちゅ、……ん、はぁ、かが、み…に、
ちゅっ、んん…!、ん…はあ…こんな、に…愛して…んむぅ!!んちゅう、んちゅっ、
ちゅっ、………ちゅ………も、もらえて……
ん、んん!!…す、すきぃ……んちゅ!!ん、あっ!好き…好きぃ…』
『こなたあ…ちゅっ、ちゅっ、好きよ……すき……くちゅ、くちゅっ…ちゅぱぁ、んむ、
…っは…すき……すき……大好きっ……ん、ちゅうぅ……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…ぷは、
はあはあ…んっ!!んんんっ!!…は、あ、愛してる……わよ…こなたぁ…』
659:9
08/06/09 05:42:45 p92oikbi
それからも、二人の濃厚なディープキスがずっと続く。
目を瞑り、顔を夕日より赤く染め、ただひたすら二人の唇や舌の合わさる音が、夕方の屋上に響く。
つかさたちは呆然としてもはや何もできない。
この、どうしようもなく恥ずかしい光景をただ見守ることしかできなかった…
『ぷはぁ…………今日は………これくらいにしとこっか…………』
『はっ、はっ、はあ…はぁ………うん…………』
『…すっかり暗くなっちゃったわね。そろそろ帰ろっか』
『うん…もっとかがみと一緒にいたいけど…帰らなくちゃね』
『また、明日…会えるから大丈夫よ…』
『…そだね♪』
『…はい☆』
こなたがかがみの前に手を伸ばす。
『うん♪』
かがみはその手をぎゅっと握った。
二人は、このまま屋上から去ろうと、扉に手をかけ、開いた。
ぼーっとしてたつかさ達は、二人が突然目の前に現れたことに驚く。
「「「「わああっっ!!!」」」」
突然、目の前に現れた人間に双方が驚く。
「…な、な~んだ、つかさ達か…びっくりしたぁ。どうしたのよ?こんな遅くに」
「ふえっ!!…えっと…その…あのぉ………ぅにゃぁ…」
つかさは、ただもじもじしているだけで何も言えない。
「あれ?ゆーちゃん達もいるじゃん」
「あっ、あの…えーと…えと………………ふにぃ……」
ゆたかも、顔を赤くするだけで、なんと言っていいのか分からなかった。
660:10
08/06/09 05:44:18 p92oikbi
こなたとかがみの中に、ざわっ…と、どうしようもない不安が舞い降りてきそうになった時、
ある欧米人女性から必殺の一撃が放たれた。
「さき程ハ、お楽しみデシタネ♪」
「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」
顔色を失う二人。それから一瞬で顔が真っ赤になる二人。
「二人トモとっても可愛かったデス☆こなたん♪かがみん♪ちゅっ☆て。トテモ良いものを見せて頂きマシタ…」
「先輩たち…すごかったっす………!!!こんな甘い空間がこの世に存在するとはっ…ぶはっ」
「オゥ、ひよりんまた出血ネ」
「「あああああああ!!!!!!!!!!」」
頭を抱える二人。後悔先に立たず。
「でっ、でも!お姉ちゃんたち甘えんぼさんで、とっても可愛かったよ!!」
つかさ、フォローになってないぴょん。
「…ええ、お二人の仲の良さがこちらにも大変よく伝わりました。…濃厚なキスも、見ていてこちらまで熱くなってしまいそうでした…」
と、みゆき。
「ぎゃあああああああ!!!」
かがみ絶叫。頭からは湯気。
「うぅ…ゆーちゃんにも…見られてしまったんだね…………姉としての……威厳が……」
「…う…ぅん……あ、でも、かがみ先輩とは……とってもお似合いだと思うから、良かったね、お姉ちゃん!………ね、ねえ?みなみちゃん」
「……(コクリ)」とうなづくみなみ。
「わっ、私は別に……こなたとなんか…………、こなたと…なんか………………ぁぅ…」
どうみても、今の状況でかがみのツンは全くもって通用しない。
661:11
08/06/09 05:46:41 p92oikbi
こうして、頭から湯気を出しながら、どうしようもなく恥ずかしい帰路につく彼女たち。
そして、こなたとかがみは思った。
明日が来なければいいのに、と。
そして、これからもずっと愛しい彼女と一緒に居られますように、と。
ちなみに。
つかさから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』のメールの内容を聞いたかがみは、
早速、こなたを柊家にお持ち帰りになったそうな。
性的かつ卑猥かつ色情的な意味で!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完。
タイトルは、「甘過ぎる放課後・どうしようもねえバカップル」
なんだか自分のやってる事に愚かさを感じます。
ストックがなくなったので、しばらく失敬w
662:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 05:51:17 5HM9z2RT
三 三三
/;:"ゝ 三三 f;:二iュ 「GJすぎる!」
三 _ゞ::.ニ! ,..'´ ̄`ヽノン 「なんでこんなになるまで放っておいたんだ・・・」
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-=>>ID:p92oikbi
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
};;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄l
663:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 08:54:16 L/DQSWKe
>>650
GJでした。
保管庫さっき見てきたけど5-974氏の作品の注意書きの糖分摂取過多ってなに?
こういう作品をああ言う表現方法で保管していいのか?
前はもっとちゃんとした書きかたされてたように思うんだけど
664:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 09:32:34 dBEkHt37
>>650
朝から鼻血出た
>>663
最近スレごたごたしてたからしょうがないよ。
中の人もお疲れだと思う。
すぐに訂正入るだろうしそれまで待ちましょう。
中の人で思い出したがおやつ氏の
誰が書いたかを見抜く能力異常過ぎる。
絵を書かないからわからないけど結構わかるものなのかな?
665:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 10:08:01 rBYFbcs0
>>664
人によって絵の癖があるから、分るとは思うよ。
最近は俺も、らき☆すた版権限定で作画誰かが分るようになってきたw
それはさておき確定までは出来んだろうから、
メールかなんかで作者から管理人へ連絡いってるんじゃね?
666:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 10:15:59 8xcNjCXT
>>650
な ん だ こ の 甘 す ぎ る 空 間 は。
もっとやれ。
つかさ何故気付かない。
みなみいつからいた。
とかそんなツッコミは瑣末なことだ。超GJ!
667:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 10:30:29 ZCQbgfdE
URLリンク(homepage2.nifty.com)
昨日とらのあな行ったら売ってたから買ってみたけど、凄く素敵な内容だった。
668:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 13:31:58 GBBO0ahl
>>650
俺を殺す気か!
危うくどうにかなっちまうところだった・・・
669:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 14:35:33 47ZbJrJX
>>650
あー、糖尿病が心配なのに止められない!みたいなw
670:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 14:39:37 TOxq5dxk
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
671:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 15:30:38 NH8dO1Rx
>>650
どこからともなく猫耳を取り出すこなたwww
672:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 15:41:40 ZCv0cu1v
>>650
なんというバカ話www
でも面白くて萌えるわ~
673:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 15:44:55 LNnbTsUh
>>650
GJwwwちょっと人工透析行って来る。
674:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 16:10:18 aFk43UAI
>>650
こんなに馬鹿を愛しく思ったのは初めてだ…
675:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 17:00:18 m6iJ8ZA3
>>650
超バカップル乙ww
676:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 19:59:03 I2/AUF64
「―それでは本日の議題ですが―…」
議長の淡々と会を進める声と、どこかのクラス委員の意見を交わす声。
そして時折、カツカツと書記が黒板に白い文字を書く音がする。私はそれらを『音』として
聴覚で感じてはいたものの、具体的に『何が』とまでは認識していなかった。
有り体に言えば右から入って左に抜ける状態。
普段の私であれば、よっぽどの事がない限り真面目にも聞くし
決議されたことを事前に渡された資料、あるいはルーズリーフにメモしたりもする。
その、普段ならば出来ているはずのことが手につかない。
逆に言うと今の私には『よっぽどのこと』が起きている、ということになる。
あれから一週間と一日が過ぎた。
こなたに告白したという彼は、こなた程ではないもののゲームも漫画も好きらしく
あいつとも話があうみたいだった。「みたい」というのは、私が直接確認したわけじゃなく
つかさから聞いた話だから。私自身はこなたと、その彼が視界に入るたびに
目を閉じ、耳を塞いで逃げ出していたから。
一週間以上が経った今でも、私の中でも芽を出した感情に名前は付けられていない。
ただ、それは育てているつもりがなくとも、日毎に少しずつ成長しているみたいだった。
何かが決まったらしく、パチパチとひかえめな拍手が普通の教室よりも
幾分か広い視聴覚室に寂しく響く。ふと、ぼんやり資料に落としていた視線を上げ、
夕方といえる時刻になった窓の外の空を見た。
夏の終わりを告げる蜩の鳴き声がどこからか聞こえる。
薄い雲がいくつかふわふわと浮かび、鳶がゆったり上空を旋回している。
こなたが、一人教室で待っていた、あの時程ではないけど
赤く染まった太陽が空を、雲を青や白から橙色に塗り替えていって。
怖いぐらい綺麗だった風景の中、あいつは何を思っていたんだろうかと考える。所詮、私は私で
こなたはこなたなんだから答えなんて出ないのだけれど。
677:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:01:40 I2/AUF64
「―み……ん…か…みさ…かがみさんっ」
「ひあっ!!?」
突然現実へと引っ張り戻した大きめの声に、声帯と肩、そして背中の筋肉が反射的に反応し
ガタッと椅子の揺れる音と共に、私は悲鳴をあげてしまっていた。
余りにも人を引き付ける力を持った風景に、心奪われるうちに
委員会は終わってしまったらしかった。
会が終わった開放感と、それと同時に感じる疲労感で教室が一杯になっている。
私の顔を心配そうに覗き込むB組の委員長―高良みゆきに苦笑を浮かべつつ手を振る。
「ああ、ごめんみゆき。少しぼうっとしてたわ」
「そうですか?それなら良いんですが、具合が悪くなられたのかと思いまして…」
「本当ごめん!大丈夫だから。あ、頼みがあるんだけど…今日の決定事項とか、後で見せてくれない?」
「それは構いませんが……。…かがみさん、この後ご予定とかありますでしょうか」
みゆきの問い掛けに私は首を傾げた。つかさやこなたから、こういう風に言われて
どこかに寄ったりすることはあっても、みゆきから言ってくるのはめったにないことだったからだ。
「ない、けど……どうしたの?」
「それは…あ、少し待って下さいませんか?」
私の疑問に言葉を濁し、さらに返事を聞く前にみゆきは踵を返していた。
他のクラス委員は既に教室から居なくなっていて、
一人ぽつんと取り残された私はまた窓の外を仰ぎ見る。
空は、橙色からあいつの髪の色よりもちょっと濃い群青色に変わりゆく途中だった。
「お待たせしてしまい、申し訳ありません。…ミルクティーで宜しかったですか?」
しばらくしてみゆきが戻って来た。手には二本のミニペットボトルが握られていて
どうやら下の自動販売機で買ってきたらしかった。
「あ、そんな気を遣わなくてもいいのに…」
「いえ、私が呼び止めたんですから。どうかお気になさらずに」
それに、少々長くなりそうですし、と言いながらみゆきが片方のミルクティーを差し出して来て
私は躊躇いつつもそれを受けとる。
パキッと小気味よい音と共にペットボトルの蓋が開けられ、
中身を一口口に含んだみゆきが、間違っていたら申し訳ありません、と
前置きをして話し始めた。
678:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:03:49 I2/AUF64
「……泉さんと何か、あったんですか?」
「!!!」
いきなり、しかもここ数日悩んでいたことの核心に触れられ
驚いた私は、キャップも開けず手の中で弄んでいたペットボトルから目線を外しみゆきの方を凝視した。
「な、んで……」
「…気のせいじゃなかったようですね…。…泉さんの様子も気になっていまして…」
「…………」
こなたの名前が出たことで、私はより一層緊張した。ペットボトルの蓋を開ける乾いた音が
酷く場違いなものに聞こえる。体温で大分温くなった中の液体で唇と喉を湿らす。
喉を通っていった液体に初めて、私の喉がからからに渇いていたことを知らされた。
「泉さんにも…おせっかいだと思われるかもしれませんが…
お話を伺ったんですが、上手くはぐらかされてしまいまして」
ごくん、と知らず唾液を飲み込む。その音がやけに大きく響いて
慌てて、咳込むふりをしてごまかした。
私は先刻から何も話していないけれど、みゆきは意にも介さないように話を続ける。
「―実は、泉さんとかがみさんの様子が以前と違うことには
大分前から気付いていました。かがみさんは、約一ヶ月前から。
泉さんはそれよりもさらに前から」
「最初は何か…小さな諍いがあったのか、とも思いました。
ですが、それはお二人の問題。当人同士が解決しなければいけないものです。
私が口を挟むべきではない、と考えました。
しかし一ヶ月以上が経っても一向に以前のようになる気配がありません。
諍いとは違うのではないか、という思いが生まれました」
そこでみゆきは一度口を閉じ、何かを振り払うみたいに目を閉じ
二、三度首を振ってまた、言葉を紡ぐ。
「私が、介入すべき問題ではないのかもしれませんが……今のお二人を見ているのは
辛いです。また、以前のように楽しそうにお話する泉さんとかがみさんが見たいんです。
…差し出がましいようですが、お二人の間に何が、あったんですか?」
その問いは二度目だ。だけど、私自身何がどうなのかよくわかっていない。
私の中に渦巻くこの気持ちは?
こなたの行動の理由は?
疑問が有りすぎて何から話していいのかわからない。「…断片的でも良いんです。人に話すことで楽になることもありますから。
もし、話したくないのであれば無理に、とはいいません」
679:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:05:44 I2/AUF64
ああ、みゆきは。
この友人は、私たち二人のことをこんなにも思ってくれている。
そう思ったら、両親にも、まして妹には言えなかった言葉が
涙と共に一気に溢れ出していた。
「…っ!!わ…私っ……あいつに…っく、こなたに、告白されて…っ
友達としか思えなかった、のに、拒絶、したのに…それでももやもやしたのが残って……!
どうしたらいいのかわかんなく、て……っ!」
一度崩れてしまった堤防は水を止める術を持たない。胸にあったものを全て吐き出す
私の言葉と言う名の水―いや、しゃくり上げていたせいで単語すら怪しかったかもしれない―を
みゆきは辛抱強く最後まで受け止めてくれた。
すん、と時折鼻をすする私と、時計だけがこの部屋に存在する音源。
私はいつの間にかみゆきに抱き締められていた。こういう風にされるのは
小学生、下手したら幼稚園の時以来だな、と思う。
…訂正。こなたはぺたぺた引っ付いてきてたりしたっけ。
けれど、こなたとは違う、母親が子供をあやすような抱擁。小さい子扱いされてるみたいだけど
不思議と嫌な感じはしなかった。恋人同士のそれの胸の高鳴りの代わりに、
なにもかもを預けられる安心感がある。
「……落ち着き、ましたか?」
「ごめん、みゆき…。…はは、情けないわね」
同級生に縋り付いてわあわあ泣いていた自分の姿を脳裏に描いて
恥ずかしさに、なるべく軽く笑って体を離した。
「いえ、良いんですよ」
にっこり笑うみゆきは、同い年とは思えない程の母性や包容力を持っている。
聖人君子というよりは聖母マリア様。今の私にはそんなイメージが浮かんでいた。
もっとも、どっちも似たようなものなのかもしれないけれど。
「…かがみさんは、泉さんが嫌いですか?」
「嫌いなわけないじゃない」
これは、自信を持って言えること。
「では、好きですか?」
「好き、ではあるんだと思う。ただ…その『好き』の種類がわからないっていうか…。
…近くに居すぎたせいかしらね」
大泣きして落ち着いたおかげか、前よりもすんなり言葉が出て来る。
まだまだ曖昧だけれど、それでも心の中のもやもやの輪郭が見えた気がした。
680:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:07:45 I2/AUF64
「それをそのまま伝えれば良いんですよ。言い方は少々厳しいかもしれませんが、
今のかがみさんは……もちろん泉さんもですが……中途半端に逃げているだけです。
恋人としても、友達としても付き合えていない…」
さっきとは打って変わって、真面目な顔をしたみゆきがじっと私を見つめて来る。
目を逸らしちゃいけない気がして、私も瞬きもせず見返す。
「それでは泉さんもかがみさんも傷付くだけです。
ですからかがみさんは…泉さんともう一度、向き合うべきだと思います。
……なんて、偉そうにすみません」
「ううん…その通り、だから。考えとてみれば、私ずっと気を遣ってた。
普通に接しているつもりでも、どこか腫れ物に触る態度で…。
それは、こなたも同じだと思う。だから、明日こなたと話をしようと思う。
私の気持ちをぶつけてこようと思う」
そう宣言すると、みゆきはまたいつもの優しい笑顔を私に向ける。
「その結果の関係がどうであろうと、お二人なら大丈夫ですよ」
みゆきに何度もお礼を言ってから家路に着く。一ヶ月前とは違い
心はさっぱりしていて、なぜだかとても穏やかな気分。
玄関を開けると、ちょうど台所から出て来たらしいつかさとばったりあった。
「お姉ちゃん、お帰り。今日は遅かったね……って、目、真っ赤だよ!?
どうしたの!?」
「ただいま。あー…これは…色々あって…」
まさかみゆきの胸で大泣きしていたとは言えない。そしてその理由も。
姉としてのささやかなプライドだ。
「…こなちゃんと何か、あったの?」
靴を脱いでいる私につかさが近付いて、少しだけ声のトーンを落として話し掛けてくる。
「違うけど…もしかしてつかさ、私とこなたの様子が変だとか思ってた?」
「……うん。ちょっと前からお姉ちゃんもこなちゃんも
なんか無理して笑ってるみたいだったから…」
…まさか妹にまでバレているとは。ぼんやりしてることが多いつかさだけど
今回はそんな妹にすらはっきり解るほど変だったのか、私たちは。
「さっき、みゆきにもおんなじこと言われたわ。
で、発破かけられちゃった。
大丈夫。明日、こなたと向き合ってくるから。
……心配かけちゃったわね」
681:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:09:28 I2/AUF64
「ううん、私も今のお姉ちゃんとこなちゃんを見てるのは辛いから……頑張ってね」
私たちのことをまるで自分のことのように心配するつかさに、また感謝の涙が滲みそうになる。
それをぐっと抑えて、涙の代わりにありがとう、と呟いた。
その夜。私が寝るには早い時間に部屋のドアがノックされ、
続いて枕を抱えたつかさが入って来た。
「えへへ…お姉ちゃん、今日は久しぶりに一緒に寝てもいい?」
机に向かって明日のことを考えていた私はくす、と苦笑を漏らして立ち上がりベッドに入る。
「全く、しょうがないわね。いいわよ、一緒に寝よ?」
知らない人から見れば姉に甘える妹の図なんだと思う。でも、違う。
本当に甘えているのは私の方だ。つかさは無意識にかもしれないけど、敏感に
不安な私の気持ちを察知して、こうやって支えてくれているんだと思う。
甘えるのが下手な私の代わりに。
電気を消したつかさが私の隣に潜り込んでくる。
ぼそぼそと、そうする必要なんてないのに小声で話す姿は小さい頃に戻ったよう。
「ねぇ、つかさ。好き、ってどういうことなのかな?」
「ふぇ?す、好き?」
「っていうか…友達としての『好き』と恋愛感情としての『好き』の違い、かな」
まだ暗闇に慣れない視覚の中、隣でつかさがもぞりと動く気配がした。
きっと、一生懸命考えてくれているんだろう。
「…んー…全然違うと思うよ?
恋愛感情で好きになると、その人が居るだけでドキドキするし
…毎日が楽しく感じられる、かな」
一つ一つ確かめるように言うつかさの言葉はとても実感が篭っていたけれど、
やっぱり私には、いまひとつピンとこないものだった。
「…つかさは、恋、してるの?」
「うん、してる。大好きな人がいるんだ」
漸く暗さに慣れてきた私の目に映った微笑む妹の顔はもう、雛鳥みたいに私の後を付いてきていた
甘えん坊の表情じゃなかった。
どくん
心臓が高鳴る。自分で決めたことのはずなのに、投げ出してしまいそうになる。
私はB組の教室、こなたの右隣りに座っていた。時刻は12時半。
いつものメンバーでいつもの昼食。違うところは私の心中だけ。
今日はある意味で、私とこなたの関係に終止符を打たなければならない。
そのためには、こなたを誘う必要がある。
682:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:11:40 I2/AUF64
どくん
まただ。口を開こうとする度に心臓がきゅうっと収縮して、臆病な私が顔を覗かせる。
ちらりとみゆきとつかさの方を見ると私を勇気付けるように頷いてくれた。
それに励まされた私は、大きく息を吐いてから、普通を装ってこなたに話し掛けた。
「こなた」
「んー?なにかな?かがみんや」
「……今日の放課後時間、ある?」
「……なんで?」
途端にこなたの顔が強張る。でも、それも今日でおしまいにしないといけない。
私のために。それに、なによりこなたのために。
「大事な話がある、から…。放課後、校舎裏に来てくれない?」
「……わかった……」
瞬く間に時間が過ぎていった。きっとそれは間近に迫る秋という季節のせいだけじゃないはずだ。
みゆきとつかさは邪魔しちゃ悪いから、と一緒に帰っていった。
あの二人も上手くいけばいいな、と思う。昨日のつかさの表情を思い出して
自然にそう考えた自分に驚いた。ちょっと前までは同性同士というだけで
恋愛対象にはならない、と思っていたのに。
「ごめん、待った?」
校舎の影から通学鞄を持った青い髪の小さな少女が小走りでやって来る。
「ちょっとだけね」
「それで、話って何?」
校庭の方からどこかの運動部の掛け声が聞こえて来る。
蜩の鳴き声はもうしない。代わりに鈴虫やキリギリスが季節のメロディを奏で始めている。
夕日が、長い影を私とこなたの足元から作っていた。こなたの表情は
普通ならば逆光のせいで見えないはずなのに、距離のせいか不思議とよく解る。色々考えたけれど、言いたいことは結局上手くまとまらなかった。
だから、思ったことをそのまま伝えよう。
早いリズムを刻む心臓。汗が伝う背中。唾液の出ていない口内。
それらを全部無視して、私は漸く一歩を踏み出した。
「ごめん!私、こなたに謝らなきゃいけないことがある。
いつも通りにする、って言ってて全然出来てなかった。余計にこなたを傷付けた。ごめん…!!」
「そんな…わ、私も…私こそ、かがみに謝りたい…!!」
私が一息つけるのと同時にこなたが叫んだ。
683:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:16:25 I2/AUF64
その姿がいつかのこなたと重なって、目頭が熱くなる。
「私っ……私もかがみに言ったこと出来なかった…!拒絶、されたのに
諦められなく、て。…告白された時、よかったと思った。
付き合っちゃえばかがみのことも忘れられると思った。友達として付き合ってみたけど…だけど
全然、ダメで…。話してても、かがみと比べちゃって…っ。
かがみのこと、もう、友達とは思えないよ…ごめん…っ」
一言喋る度に大きな瞳に涙が溜まり、声には泣き声が混じる。
違う。私はそんな顔を、声をさせるためにここに来たんじゃない。
「…もう一つ、謝りたいことがあるの。私、こなたに告白された時女同士だからとか
そんなことで最初から考えないようにしてた。
あんなにも真剣なこなたにちゃんと向き合ってなかった」
そこで私は一つ息を吸い込んで。私が本当に言いたいのはここからだ。
「こなたと、あの彼が一緒に居る時もやもやした気持ちになった。
…多分、嫉妬。……私はこなたのことが好き、なんだと思う。
だけど正直どういう意味の『好き』なのか私自身よく解ってないの。
……だから、もしあんたが私のことを本気で好きなら……惚れさせてみなさいよ」
―そう。これが私の出した答え。正直な気持ち。そして、後はこなた次第だ。
羞恥も、なにもかもかなぐり捨てて一気に言ってこなたを見つめる。
こなたは涙も引っ込んだみたいで、呆けた顔をして私を見てる。
「……か、がみ。それ、って、私にもまだ可能性はある、ってこと?」
「…ま、そうね。せいぜい頑張って私をときめかせてみなさい?」
「――っ!!かがみぃっ!!」
「な………んっ……」
体を震わせたこなたが飛び付いてきて頬に、不意打ちのキスをされた。
一瞬、触れ合うだけのそれが離れてこなたがくふ、と笑う。
前みたいな、日だまりの中に咲く一輪の花のような本当の笑顔で。
「絶対落としてみせるからっ!覚悟しててよね?」
キスまでしたくせに、恥ずかしいのか
頬を夕焼けよりも赤く染めてあいつは走り去っていった。
「そう簡単に落とされてたまるもんですか」
口調とは裏腹に、笑っている私は端から見れば怪しいことこの上ないに違いない。
この前よりもいきなりのキスなのに
不思議と嫌じゃなかったのは―まだもう少し言わないでおいておこう。
684:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:19:26 I2/AUF64
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
685:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:31:13 I2/AUF64
今日もいつもと変わらない日。
こなたと、かがみと、つかさと、みゆきの4人はお昼ご飯を食べながら、いつもの談笑をする。
取り留めもなく続く、些細な出来事の会話。
しかし、彼女たちはそれに終始することが日常であり、また彼女たちにとってはその会話をすることこそ有意義な時間なのであった。
「あはは、愚妻よね~」
「そうですね、愚妻ですね」
「ほんとに愚妻だもんね~」
「愚妻ね~」
一体、どこの嫁の悪口を言ってるのか、ということはさておき。
柊つかさは、その中である異変に気が付き始めていた。
(お姉ちゃんとこなちゃんはすごく仲がいい。…最近は、ますます仲良しになってるように見えるなあ)
でもでも。
「お姉ちゃんとこなちゃんてすごく仲がいいよね!」って言うと、
「な、何言ってんのよ…別にそんなことないわよ…!」
て言う。
「…ふ~ん」
頭ごなしに否定するが、かがみの性格のことだからそれが本意ではないと知っているのはつかさだけではない。
…ここまではいつもの日常だった。ある人達にとっては。
686:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:32:40 I2/AUF64
放課後。
つかさの携帯電話に、母・みきから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』との内容のメールが届き、つかさは早速、かがみに会うため、C組のクラスに向かった。
だが、かがみはそこにはいなかった。そういえば、こなたもいつの間にかいない。
そこで、みゆきと一緒に二人を探していると、こなたの従姉妹のゆたかの姿を見つける。同級生のみなみも一緒にいる。
すると、ゆたかが近くに来て聞いてきた。
「あのう…こなたおねえちゃん見ませんでした?」
「ううん。見てない。私もお姉ちゃんとこなちゃん探してるんだけど、見なかったかなあ…?」
「いいえ、見てないです…」
「そっか…」
どこに行ったんだろう。
「ハーイ☆どうシマシタ?」
「こんにちはッス先輩方」
ひよりとパティが来た。
「ねえ、ひよりちゃん、パティちゃん。お姉ちゃん見てない?」
「かがみ先輩っすか…?そういえばさっき見たような…」
「コノ上の階に行くのを見マシタ。コナタも一緒でしたヨ」
そして、6人は上の階に向かう。しかしその階にもこなたとかがみはいなかった。
…となると、あとは屋上しかない。一応、確認してみようかと彼女達は屋上に向かった。
687:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:34:28 I2/AUF64
屋上への扉を開けると、赤い日の光がまぶしく照らされてくる。
夕日は、沈みかける陽の光の最後の抵抗なのだろうか。
屋上のある一角に、青い髪の背の小さな女の子と、紫色の髪を後ろ二方向にさげている女の子が座っていた。
つかさとゆたかが口を揃えて言った。
「「あ、お姉ちゃんだ~」」
そう言って扉を開いて行こうとする二人を、ひよりが静止した。
「ちょっと待つッス!なんだか、いつもと様子が…」
ひよりは“何か”を察知したようだ。
少し開いた扉から、声を潜めて見ていると、二人の声が聞こえてくる。
『かがみ…』
『こなた…』
夕日の中、二人はお互いに向き合って座っている。
かがみは、こなたの頬にそっと手をあてた。こなたは一瞬目を大きく開いたような表情をして、
顔を赤くしながら恥ずかしそうに微笑んだ。
それに合わせてかがみも優しく微笑む。
「…何してんだろ。お姉ちゃんたち?」
「ちょ、ちょっと…!!!これは、これは、まさかまさかっ…!」
興奮を抑えきれないひより。
688:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:36:34 I2/AUF64
その時、かがみが口を開いた。
『こなた……好きよ………』
「「「「「「!!!」」」」」」
「お、お姉ちゃん…!?」
つかさが口を押さえてびっくりしている。
「おおおお……!」
「Humm…これはヨイ“こな×かが”デスネ☆」
「ふぉおお…マジっすか…やっぱりそうだったんすかあの二人…なんだかすごくいい感じっすよ…まさか、この場に居合わせることができようとは……」
ドキドキしながら見守る一同。
689:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:38:56 I2/AUF64
こなたは、かがみの手を両手でぎゅっと握って、言った。
『…私も………かがみのこと、大好きだよっ!』
これ以上ない可愛らしい笑顔でかがみに微笑んだ。
「「「「「「おおおお~~~~っ!!!」」」」」」
「こ、こんな乙女な泉先輩始めて見たッス…!」
「おねえちゃんとかがみ先輩が…」
「きゃ~!!絶好ノ萌えシチュデスね☆」
屋上の二人は、ぺったりとくっついて手を握りながら、座って話をしている。
どことなく甘い空気が漂う。
それはやがて、いつもの他愛のない話に移っていく。
こなたは最近やったゲームの話を始め、かがみはそれにうんうんとうなづきながら聞いていたが、
やがてかがみの表情に陰りが見え始める。
『でさ~、そのキャラの攻略が難しくてね~』
『…』
690:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:40:52 I2/AUF64
ギャルゲーの話ばかりをするこなたに、かがみはぷいっと顔を背けてしまった。
『あれ…かがみどしたの?』
『…なによ!こなたったら他の女の子にデレデレしちゃって…!』
かがみはスネてしまった。
『こなたには…もっと私を見てほしいのに………………ばか……』
『ごめんねかがみ。こんな話して…でもね、私はそのゲームがただ楽しいからしてるだけなんだよ。
それにね。…ツンデレキャラを攻略して…かがみのことをもっとよく知りたいと思ってるからなんだヨ。
私が、リアルでほんとに好きなのは…… …かがみだから……』
こなたが顔を赤くしながら、言った。
691:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:44:29 I2/AUF64
『あぁ…』
かがみが、こなたの体に倒れこんできた。
『どうしたの…かがみ?』
『…こなたとの愛が甘すぎて…私、とろけちゃいそう……』
思いっきり可愛らしく言うかがみ。
『もぉう…かがみったら…』
かがみの可愛さに心打たれ、頬をますます夕日に染めるこなた。
『………ねぇ、こなたぁ』
こなたの体に寄り掛かりながら、猫なで声で言うかがみ。
『なぁに?』
『好き…って、言って…。私のこと…だ~い好き、…って言ってぇ、おねがいよぉ…こなたぁ…』
『かがみぃ…』
692:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:45:41 I2/AUF64
「お、お姉ちゃん、どんだけ~…」
「す…すごい甘えてるね…」
つかさは、普段見られるクールさが微塵もない姉を。
ゆたかも、頼れる姉として慕っているこなたの、こんな様子を見るのは始めてだった。
『かがみん!』
こなたがかがみの方にずいっと近寄る。
『なあに?』
『だぁい………………………………………………………………………………好きっっっ!!!!!!!!
だよ!かがみん☆…ちゅ』
こなたが、かがみの口にキスをした。
693:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:46:48 I2/AUF64
「わーっ!わーっ!!こなちゃんどんだけ~……!」
つかさは、目の前のあまりに恥ずかしい光景に耐えきれず、顔を背けてしまった。
ゆたかも、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「パティ…………………ティッシュを……………………ガクガク」
ひよりは鼻からの出血が止まらなかった。だばry
こなたが、唇を離すと、かがみが言った。
『……うふっ、ありがとっ……こなたん♪』
『えへへ…かがみん♪』
ぷーっ、と吹き出すギャラリー一同。
「…こなたん…」
『か~がみん♪』
『こ~なたん♪』
『か~がみん♪』
『こ~なたん♪』
お互いに顔をすりすりしながら、抱き合う二人。
694:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:48:46 I2/AUF64
抱き合うと、体の小っちゃいこなたは、かがみにすっぽり包まれる形になる。
『…あ~ん、もう!こなたったらほんとに小っちゃくて可愛いんだからぁ~!!』
そんなこなたを、かがみはぎゅぅと抱きしめて、なでなでする。
こなたは、かがみの胸に顔を埋めて、子供のようにすりすりしてくる。とても嬉しそうに。
『ほんとに子供みたいでかわいいでちゅね~!☆お~よちよち♪』
「…赤ちゃん言葉!!!」
「ふぉおおおおお!!!!たまんねえっすたまんねえっすたまんねえっすたまんねえっす!!!!」
ひよりは床に頭をガンガン打ち付けている。
「ひよりちゃん!!落ち着いて!!落ち着いて!!!」
『もぉ、そんなにかわいいと、お前を食べちゃうゾ!こ・な・た♪』
『あん、こわぁい!…でも、かがみになら…食べられちゃってもいいよ♪』
『…や~ん!!可愛すぎるよぉこなたぁ~~~!!!』
『えへへっ…ねえかがみぃ………こなた、そんなに可愛い?』
こなたは上目使いでかがみを見つめながら言った。
『うん!とぉ~~っても!可愛いでちゅよ!』
かがみは指をくわえながら、ますますでぃーぷな赤ちゃん言葉でこなたに言う。
『だからね…かがみはねぇ、こにゃたのことがぁ~…だあ~いちゅきなの☆』
695:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:49:17 KnfX1g9o
いい加減にしろ!
人の苦労を何だと思ってるんだ!
お前みたいなのが秋葉原で被害者の代わりになればよかったんだよ!
696:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:50:19 I2/AUF64
『こにゃたん、お手♪』
かがみが手を出す。
『にゃん☆』
こなたは、かがみの手に自分の手をのせる。
『じゃあ~、“スキスキ”して?』
こなたはかがみのほっぺをぺろぺろなめた。
『…ちょっと恥ずかしいにゃぁ…』
『こ~にゃた☆』
かがみは、こなたの頭についてる猫耳をふにふにとさわる。
『にゃっ…ぅ~、くすぐったいにゃん、かがみぃ~~………』
『はむっ☆』
『ふにゃっ、…そ、そこは、ほんとの耳だよぅ…………にゃん…』
『あっ、ごめんねぇこなた♪こっちでちゅね☆』
ふにっ。
『あん♪かがみぃ~……おっぱいさわっちゃだめぇ……』
『あっ、ごめんねぇ。やわらかくて耳かと思っちゃったwえへ☆』
『もぅ…かがみのえっちぃ……///』
697:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 20:59:59 eGXiN3fa
>>695
どうして反応しちゃうの?
不謹慎だし
698:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:06:21 aq3S4Zhh
いやいや、相手すんなってば、スルースルー
699:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:12:23 KnfX1g9o
>>697
すいません・・・
確かに不謹慎でしたね。
申し訳有りません。
700:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:15:56 Nmg+FvEU
発作がでて、突発的に描いてしまった。
今では反省している。
ちなみに携帯からなので、絵が汚くてごめんなさい。
URLリンク(konakaga.me.land.to)
※保管不要です。
雨の日のトラブル。
さあどうする、かがみん!
701:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:26:14 yv10RvQa
もう不謹慎とかそんな考えなくなってしまったなあああかがみは可愛いなでも駄目だな
702:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:40:34 /5F1m+Or
あえて言うならば
周りが騒いで一旦休筆すると言ってらした方に、
再度登場させてしまう闘志と勇気を奮い立たせてしまった時点で、
あらし君は挽回不可能な失敗をしでかしたわけだし、
あらしなりに誇りを持っているというか普通の知的レベルならそこで退いたと思う
あらしとしては恥ずかしいだろうから
それでもまだやってる頭の悪い恥知らずに何を言っても無駄
こんな奴を世に送り出した彼の親もまたやっぱり人として何か欠けてるんだろうか
703:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:44:39 eGXiN3fa
>>700
いいねえええええGJ!
704:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 21:45:38 yj6LfXjW
あえて言うならば、じゃねーよ。何を言っても無駄と知りつつ反応してしまうその心は?もう黙っとけ
>>700
滑ったりしたのか?w
705:700
08/06/09 21:57:16 f9uc1dQh
おお、シチュエーション書き忘れました。
湿気の多い日、滑りやすい廊下で転けた
ドジっ子かがみの下敷きになったこなたの運命いかには!?
って感じです。
同僚にこなかが絵(全年齢)を頼んだら、
R-18な絵がリターンしてきたので、ついカッとなって描いちゃいました。
706:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 22:26:07 +4xByN2A
>>700
この後にその同僚さんの絵に繋がるんですね、わかります。
707:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 22:31:20 ZCv0cu1v
>>700
汚くなんてないですよー
いっぱいいっぱいなかがみの表情と余裕のこなたの表情の対比がカワイイw
708:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 23:19:57 p53IfcV/
>>705
そのリターンしてきたR-18な絵を、しかるべき場所にてぜひ。
709:13-351
08/06/09 23:21:00 9zwT2A20
お久しぶりです。
「私を守る人 貴方を守る人」の続きが出来ました。
・シリアス展開です(かがみが精神的に辛い状況です)
・二人とも社会人という設定です。
・最後には必ずハッピーエンドで終わらせます。
URLリンク(blog.livedoor.jp)
710:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 23:46:15 bsVKQMZC
>>709
GJ!
今は辛い展開ですが、きっと幸せへの道は見えるはず!
ところで、前々から思ってたんだけど……
かがみって将来の夢は弁護士!というほどなりたがってるのでしょうか?
アニメだと進路志望の第一希望が法学部だったくらいですよね。
あれも全部法学部だったわけじゃないし、設定集とかで弁護士を熱望してるのがあるのかな、と。
個人的にはかがみって弁護士に向いてない気がしてならず。
生真面目で優しい性格で、意外に脆い面があるから、加害者弁護の仕事とかかなり厳しいと思われ。
みゆきさんやこなただと、結構上手くやれちゃいそうなんだけどね。
いあ、何が言いたかったかというと、この話みたいになっちゃうと思ってたから、先がとても気になるわけでして。
711:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/09 23:59:27 X+zpxrML
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かがみんはお姉さんだし、いつもしっかり自制してるせいで
内に溜め込む感じだな
こなた「お姉さんも大変だからね…
そんなかがみが溜まっちゃった時には、私がいじって
癒してあげる訳だよ」
かがみ「エロい言い方すんな!」
こなた「そうやって抵抗しちゃダメダメ!もっとデレなきゃ」
712:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 00:08:12 g3ZeMcvk
かがみってストレス多そうだしな
こなた+山積みのラノベ+大量のお菓子がある部屋が
かがみにとっての桃源郷だろうな
713:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 01:01:14 gE6vDmhD
>>709
あっちゅう間に読み終わりました。二人には辛いことがあっても、
いつかは本当の幸せな生活をつかんでほしい…
あんまりシリアス…というかシビアなのが苦手な人はその下の柊かがみの悪戯も読むといいwちょっとエロイw
714:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 03:40:12 TmQqGAod
>>709
GJ
プレッシャーとかストレスって降り積もると大変なことになるからね…。
特にかがみみたいな性格の子はきっと、自分の中に溜め込んじゃう。
だからあるとき一気に溢れ出てしまう。
きっと、どこかにかがみが本当の笑顔を取り戻すための何かが…。
それを見つけられるのも、一緒にいるこなただけなんだろうな
715:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 15:56:05 5dnOJXB6
/ \
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/ </´ `ヾ> .:;i,
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| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
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716:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 16:26:08 J9jzHtsZ
>>710
確かにかがみの性格は弁護士向きじゃない気はする
アニメしか知らないから、かがみ=弁護士志望が公式なのかは知らないけど
公式でそういうの明記してるのあれば知りたい
正義感が強いかがみが弁護士志すのは自然のような、色々調べてから決める性格だから避けそうな
717:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 16:53:14 CWMhRywL
規制議論報告アドバイス
スレリンク(anichara2板:454番)
718:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 18:17:48 Est0k7/j
>>709
GJ!
すごく読みやすい文章で、あっという間に読み終えました。
しかし、テーマが重いなあ。
みんながあこがれる弁護士だけど、精神的にタフじゃないと
やっていけない職業だろうね。
特に高い理想を掲げる人間ほど、現実とのギャップに悩み
精神を病みそうだ。
かがみが心の底から笑える日が戻ることを信じてます。
719:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 18:23:21 JXgMl59z
>>717
激しくGJ!!
さすが俺の誕生日レス番号!(関係ないけどw)
一応ここで議論になるのもあれなので、避難所の方にも転載しておくよ。
いい情報サンクスでした!
720:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 18:25:48 v5jy/SUp
>>716
原作四巻58Pで進路の話題が出て、こなたとかがみが
「はぁ~~~……かがみ弁護士希望かぁー」
「ま、まぁ一応ね」
という会話をしてますね。
あれ、この部分アニメではやってないんだっけ?
なんかごっちゃになってるなぁ(汗
721:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 18:38:57 V5W9rkPR
かがみは「弁護士になりたい」というよりも、
文系の学部の中で比較的難しい「法学部」がなんとなく良いかなーっていう感じなんじゃないかと予想。
「法学部=弁護士」っていう風に安直に考えてる気がする。
722:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 18:50:47 ZQkGlvsM
というか法学部を出る頃にはその辺の資格にはアドバンテージがあるし
それらは潰しが効くからな
将来的に考えて、学力が射程に入っているなら法律に特化すべきではある
723:716
08/06/10 19:25:58 1LTyt0N3
>>720
なるほど、ありがとう御座いますw
原作は雑誌とかで読める時しか読まなかったから知らなかった
とすると、一応弁護士志望ってことで
でも、アニメ観る限りだと、721と722みたいに自分も思える
第二、第三志望は経済とか経営とか書いてたし
性格考えると法律関係なら検察官や裁判官の方が向いてるっぽいけど、「まあ、一応」っていうところからして、本当にまだそこまで考えてないのかな?
熱く夢や理想を語るより、その方がかがみっぽいか
724:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 19:46:25 l8sTXK3d
法学部出てなれる職業って
弁護士、検察官、裁判官とかの裁判関係の他にどんなのがあるのかな?
725:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 19:56:23 D0h0yw85
>>724
司法書士、行政書士、その他もろもろ。
726:716
08/06/10 19:57:53 1LTyt0N3
知識や資格はあって困るものじゃないから、裁判関係の仕事じゃなくても有利
政治の記事書くのだって違ってくるし、会社の経営に関わるとしても法律に通じてると何かと便利だよ
雇う方も資格あるならその辺を期待するもの
727:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 20:16:26 o1vo6dv7
持ち前のオタク性とこなたの影響で、将来的にラノベ作家とかになってそうだな>>かがみん。
そんで、ペンネームで誤魔化そうとするけど、こなたにはあっさり見破られてしまうという・・・。
728:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 20:31:55 Est0k7/j
そうか、ラノベ作家は盲点だった
こなたはこなたでゲーム制作の仕事か?
なんというクリエイター一家
729:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 20:38:35 TuOZYVYc
>>727
こなたはそういう方面向きじゃない……とはわかってるんだが、
「ネタ談義とか編集担当の噂で盛り上がる、駆け出しラノベ作家ふたり」
というのが見たくて仕方がない、そんな俺。
730:フタ☆某
08/06/10 21:29:36 w8XsOzfA
そんなこなたは、今日もかがみを追いかけるのでした。
つURLリンク(konakaga.me.land.to)
731:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 21:47:06 KkGUaWzn
BIN☆BINじゃないすか
732:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 23:30:28 DFa3XVo+
かがみんは家族思いだし、堅実なので逆風の弁護士業界は回避。
手堅く企業の法務部とか入って、契約書を作る仕事をすることに方針を変更する。
女の子らしく化粧品か服飾関係のメーカーに入社するかがみ。
同僚や先輩も女性ばかりで、おまけにガチだが気にしないことにする。パートナーがいるので。
語学に堪能なかがみんは、すぐに海外の工場とか飛び回ることになる。
一方、出張がちな旦那を見送るのに飽きたこなたは、かがみんを追って渡欧。
かがみ「こなた、元気にしてるかなぁ…」
ピンポーン(ガチャッ)
かがみ「(絶句)…」
こなた「来ちゃった…
Comment allez-vous?(ご機嫌いかかですか?)」
ヨーロッパ編スタート
733:グレゴリー
08/06/10 23:42:48 OB31D8TV
そういえば、ヨーロッパで思い出したんだが、かの地を舞台にした作品を
構想していたことがあって、漫画化は険しいんで挿絵付きのSSとして送りだそう
と思うんだがいかが?
734:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 23:46:48 Y0AuOUIL
じゃあ私は南米編でも
こなた「Como vai?Kagamin?Meu amar Kagami」(ご機嫌いかが?かがみん。私はかがみを愛してるヨ)
こなた「知ってた?ブラジルではパートナーシップ法があるんだよ」
かがみ「なぁ…!?」
文法間違ってる気がしないでもないけど気にしないでくださいw
735:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 23:52:26 Eos73d/i
かがみって文法的にすっごく綺麗な外国語使いそうだな
逆にこなたはめちゃくちゃだがなぜかコミュニーケションが取れてるタイプ
736:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 23:54:42 2at/Cnxq
>>730
ちょwwかがみ探知アンテナwwwGJww
737:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/10 23:59:39 RjwqlXCo
(=ω=.)いぅろっぷ!
(=ω=.)すうぃっつぁらん!
(=ω=.)あすとれぃりあ!
738:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 00:02:57 Est0k7/j
「こなかが in ○○」のネタは書いてみたいが、
旅行なんてここ10年以上行ってないからな
ましてや海外になんて行ったこと無い
せいぜい「こなかが湯けむり紀行 ○○編」ぐらいか
739:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 00:58:59 Nyvli5yc
>>733
グレさん、グレさん。
もし『この場(スレ)』で受け入れてもらいたいなら、悪いことは言わないから、とりあえず『グレゴリー』コテと作風を一時封印して、
『読み手(スレ住人)が惹かれる作品』ってのを目指して名無しで書いてみたらいかがかな?
個人的に君の作品から滲み出るルサンチマン的な部分は創作家を志す一人としてはすごく好感を持っているし、
その創作衝動を上手に商業主義のオブラートに包めば作家として大成する気もするとも思ってる。
でも『こなかが好き』(もとい、らき☆すた好き)な読み手としては作風が正直かなりしんどいよ…
スルーされるのは辛いだろうし、こちらとしても偲びないからさ。
挿絵などでコテばれしても『これはキレイなグレゴリーですねw』とか『驚きの白さw』みたいにGJもらえるようにトライしてはいかがかなぁ?
本スレに迷惑かけるのも悪いから、返事くれるなら避難所の該当スレにお願いします。
>>ALL
スルーしてる皆さん、「相手すな馬鹿」とお怒りの方がいらっしゃったとしたらすみませんでした。
万人ウケしないという点では俺と似てる部分があるので他人事とは思えずつい…
以降は自重します。
740:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 01:18:06 qLzPmUB6
親切心のつもりかも知れないけどさ
折角スルーして流してた人達の気持ちを踏みにじる行為だと思うぜそれ
741:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 01:32:54 Q+Mkwpmy
>>739は本人の自演だろ。まとめてNG指定推奨
742:甘くないけど小ネタ
08/06/11 03:19:41 vjoanp7q
かがみ「…昨日の夜はなにしてたの?」
こなた「ネトゲーと深夜アニメー♪」
かがみ「…これからどうするの?」
こなた「もちろん!かがみんと熱い夜を―ってあれ?かがみ?」
かがみ「…宿題どーすんのよ?」
こなた「うひゃぁ!忘れてた!」
かがみ「まったく…」
全然、ハードボイルドにならねぇ…
743:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 06:35:47 LTRAKaiz
でも、その後、しょうがないわね、って言って、宿題を見せるかがみと、それにかがみ様と泣き付くこなた。
それはあまりに日常で、だが、そこがいい。
744:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 13:17:40 Fp4CjDIC
こなたの「宿題見せて~」はかがみとの時間を少しでも増やすための、涙ぐましい努力だと思うわけですよ。
みゆきさんに見せて貰うのが悪いったって、いつもかがみに頼るのは、ねぇ?
745:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 14:51:10 i+69RBk1
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
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| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
746:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 16:29:01 CTvVlNtn
良作品のよかん
747:グレゴリー
08/06/11 19:26:02 kGW0wAjk
「羽化した男」
「ねえ、もしもさー、自分を変えたいってのがかなうんなら、どうなりたい?」
帰路につく4人は並んで歩いていた。
泉こなたの問いに3人はしばらく考え込むと、柊かがみはあごに人差し指を当てて
答えた。
「まあ、私は、もっとこう、ウエストとかバストとか...」
「お姉ちゃん、ダイエット失敗したんだよねー」
妹の柊つかさが横槍を入れてくる。
「わたくしは、あなたがたのような面白い人になりたいですねえ」
小競り合いを始める姉妹を横目に、微笑みを絶やさない高良みゆき。
「で、あんたは、どうなのよ?」
妹を制したかがみはこなたのほうを向いた。
「・・・・・」
なぜこのようなモノが存在するのだろう?
これが、自分たちと同じ時間と空間を共有し、そして、何よりも
自分たちと同じ人間であることが信じられないと思う。
こういう負け組みはどこから来るのか?
こなたの視線を感じだ3人は、同時に彼女が見ているモノに顔を向ける。
4人が歩く道路の横に小川が流れていて、そして対岸の土手、傾斜したコンクリート
の真ん中に、全裸の男が張り付いていた。
上ではガードレール越しに人だかりが出来ており、中年のおじさんが両手を膝について
中腰になり、下の全裸男に向けてなにやら説得みたいなことをしている。
「どうしよっか?」
柊かがみは3人に助けを求める。
「関わり合いにならないほうがよろしいのでは?どの道、わたくしたちでは何もできませんし」
「そうだよ、他の人がなんとかしてくれるよ。早く行こう」
みゆきとつかさの意見は一致している。そしてかがみもその意見に同意したかった。
しかし、こなたは全裸男をじっと眺め、そしてハッと何かを思い出すと、手前の橋のほうに駆けていった。
「ちょ、こなたー」
急いで追いかけていく3人。こなたは対岸の道路にたどり着くと、人ごみを掻き分けていき、そして
ガードレールから身を乗り出した。
「ねえーーー!!おじさーーーーん、グレゴリーさんでしょ?」
真下の全裸男は上を見上げた。
748:グレゴリー
08/06/11 19:29:00 kGW0wAjk
いままで説得を続けていた中年おやじはこなたの隣でつぶやいた。「む、やっと反応したぞ!」
コンクリートに張り付く全裸男は上のこなたを見上げて、しゃがれた声を出す。
「お前はなぜ俺の名前を知っているのだ」
やっとこなたに追いついたかがみは、こなたと同じく、下の全裸男を眺める。
ひどい顔だ。適当に作った粘土細工を思わせる顔。
鼻からはなぜか鼻血が流れ、そして目からは涙、口からはよだれ。
頭髪は短く切り詰めているのか、それとも自然に脱毛しているのか
区別がつかないほど、まるで、モグラが掘り起こしたゴルフ場のように
所々、ハゲが出来ている。
こういう負け組みは一体どこからやってくるのか?日々、何を感じて生きているのか?
しばらくの会話のやりとりで、かがみは両者の関係を理解した。
こなたが時々、暇つぶしに訪れるインターネット掲示板。ある日、グレゴリーと名乗る人物
が所々に不気味な書き込みを残し、皆の話題となった。
そして今、目の前でその書き込みを実行しているというわけだ。
「こなた、後は警察に任せて、早く帰ろうよ」
かがみはいい加減、その場を離れたくなった。
しかし、真剣なまなざしのこなたを見て、ハアーっとため息をつく。
後ろをちらりと振り返ると、つかさとみゆきもなぜか真剣な表情で下を見つめている。
(私は苦手だな、こういうの。私にとって世界は整然とした秩序の上に、平和に運営されなければ
ならないのよ。こういう突発事項はなるべく避けたい。ま、分かってるわ。ちょっと冷めてるって
みんな思ってるんでしょうけどね)
749:グレゴリー
08/06/11 19:30:05 kGW0wAjk
「ねえ、グレゴリーさん。こういうことをしても、何も現実は変わらないと思うよ。はやく、上にあがってきて
服を着て。掲示板のみんなも言ってたでしょう?あなたに必要なのは病院だって」
かがみはこなたの説得に噴出しそうになった。なんという説得だ。
しかし、今度はみゆきの凛とした声が隣から聞こえてきてびっくりした。
「グレゴリーさん。だれもが、与えられた現実を納得して生きているんです。あなたがこうやって土手に張り付いていても
変化は何も起きない。昆虫には変態というシステムが備わっていますが、あなたは人間です。体構造が絶対的に違う以上、
何も起こりません。ここにいるみなさんが保障します」
みゆきらしいわね。しかし、この場合、相手にとってこういう説得は火に油を注ぐだけだと思うけど。
つかさもみゆきに見習ってがんばった。
「グレゴリーさんでしたっけ?ふるさとのお母さんとかお父さん、ご兄弟が心配すると思うよ。
帰ろうよ。そして、さっぱりとお湯を浴びて一眠りしたらすっきりするよー」
かがみはずっこけそうになった。おまえはどこまでマイペースなんだ妹よ。
ん?次は私の番なの?3人の視線がこちらを向いている。周りのギャラリーたちも当然、次は私が発言するものという期待を
こめて私を見つめている。
なんでいつもいつもいつも、こういうことに巻き込まれるんだろう。
泉こなたと友人になってからいつもこうだ。私はこなたを見つめた。熱い視線と冷めた視線がぶつかり合う。
そしていつも負けてしまうのよね。なんでだろ?分かったわ。
750:グレゴリー
08/06/11 19:32:05 kGW0wAjk
「ええっと。グレゴリーさん。私があなたに慰めの言葉をかけてくれると思ったら大間違いよ。
好きにすればいいと思ってる。私は私、あなたはあなた。ともに住む世界が違うし、私の計画では
この先、一生、あなたのような人と私は同じ土俵に立つことはないもの。うんとね、つきたい仕事があって
もしかするとあなたのような人を相手にするかもしれない。でも、それはあくまで仕事。
私はね、自分の守りたい部分だけ守っていればそれでいいと思ってる。じゃあ、さよなら」
「かがみんって、クール」
こなたがボソリと小声でつぶやく。私はさっさと終わらせて帰りたかった。しかし、突然変化が起こった。
「お前は俺だ。俺は、お前のような人間を救いたいと思う。人間の可能性を見せてあげたい。そして、お前の
言葉によって、俺の最後の変化のきっかけが作られた。」
コンクリートに張り付いた全裸男グレゴリーは、身体を小刻みに震わせると、その表情はどんどん苦悶を帯びていく。
後ろでサイレンの音が聞こえ、やっとこさ、警察官がやってきた。
後ろのギャラリーが道を空け、警察官たちを通す。しかし、彼らが出来ることは何もなかった。
美しい光景だった。グレゴリーの背中がパックリと割れると、中から目が覚めるほど繊細で美しい蝶が出てきた。
ゆっくりと羽を広げる。その羽は薄い光を反射しながら七色に光り、複雑で神秘的な模様を浮き出す。
皆、息をするのも忘れ見とれていた。蝶は、羽を思いっきり伸ばすと、はばたき一つで
成層圏を飛び越え、やがて地球の重力から放たれ、太陽系の束縛からも逃れ、星々のゆりかごへと飛び去っていった。
ギャラリーが面白半分に撮っていたビデオカメラの映像、そして天文台が確認した変化。
グレゴリーの羽化は世界中を震撼させ、やがて人間性というものに対して改めて定義をしなおす作業が開始された。
だが、それは後の話。
今は、かがみの中に起こった変化を記そう。
かがみは自分が恥ずかしかった。自分の中に作っていた壁。それが取り払われ、今まで信じていたこと、思い込んでいたこと
がいかに限られていたかを悟った。
わだかまりが氷解し、かがみはそっとこなたの手を取った。
いつか、グレゴリーが宇宙のかなたから再び地球に舞い降りて、私たちを想像を絶する世界へ向けて解放してくれるときが
来るだろう。それはきっとやってくる。だけど、今はまだ地球に残って、そして私の隣に立っているこいつと
めいいっぱい楽しもう。私とこいつとの間にもう壁はない。
「さて、帰ろっか、こなた。それとも、どこかに寄って行く?」
完
751:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 19:32:46 GlGzCXxI
>>747
>「ねえーーー!!おじさーーーーん、グレゴリーさんでしょ?」
唐突すぎてわろたw
752:グレゴリー
08/06/11 19:44:12 kGW0wAjk
>>739
分かっている。そろそろ限界なのを自分でも感じていたのだから。
NGワードに指定されてるみたいだからあえて未だにコテをつけて投稿
したが、名無しで作風を変えることも考えている。
753:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 20:08:28 j0kcSlQQ
>>744
いつ頃からかがみ目当てになったのかがポイントじゃね?
754:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 21:12:50 1nZ0mAwg
映画館で女優こなた。
つかさ「うう、ホラー映画は苦手だなー…」
こなた「気分転換だよー、つかさ。かがみん、いくらー?」
かがみ「大人が1500円で、子供は半額みたいね」
こな「よっし、では先程の計画通りに行きますか」
かが「先程の計画ってあんた…」
こな「子供一枚お願いしまーす!」
受付「かしこまりました。お子様は保護者の方の同伴が必要ですが?」
こな「ええーっとぉ、あの、お姉ちゃんたちと一緒に来ましたー」
かが「だあぁ、プライドってもんがないのかー!」
こな「いいじゃーん。生活の知恵って奴だよ、今月ピンチだし」
かが「普段は背の低いこと気にしてる癖に…」
つか「あ、こなちゃん見て」
こな「な、なにー、これは…『カップルの方は二割引き』!?」
かが「あはは、デートでホラー映画なんて、ちょっと古過ぎじゃない?」
こな「スイマセン、あのー、そこのツインテの人とカップル割引できますかね?」
かが「(ぶっ!)ちょっ…」
受付「申し訳ありませんが、さすがに、その…」
こな「やっぱ女同士じゃ駄目ですか」
受付「女性同士は構いませんが、先程ご兄弟と伺ったもので…」
こな「私達真剣なんです!」
かが「(ぎゃー、超注目されてる…)」
受付「第三者が差し出がましいようですが、さすがに近親、女性同士と重なりますと…」
こな「確かに、お姉ちゃんには迷惑かも知れないです…でも、今だけだからっ…いずれ捨てられたって良いんです、
今の私にはかがみお姉ちゃんの優しさだけが、全てなんですよぉ(グス…ヒック…)」
かが「ちょっと!変なこと言わないでよ、私がこなたのこと捨てるわけないじゃない!」
こな「だって、だって、私なんか…オタでルーズだし…」
かが「アンタが嫌だって言ったって、ずっと離さないから!」
『あーなたにーあーなたにーつーたーえーたーいー気持ちーを…』(館内放送のBGM)
受付「うぅ…(目頭を押さえながら)、素晴らしい百合をアリガトウ…
これ以上は野暮ってものですね。わかりました、カップル様お二人で」
こな「ヤター!愛の勝利だよ、かがみ!」
かが「どういう趣旨だよ、この企画は…」
つか「こなちゃん!ずるいよ、こなちゃん、ずるいずるいずるいー!私だって、お姉ちゃんのこと大好きなのにぃー!」
かが「つかさ…(しゅ、周囲の視線が瞬間的に冷たくなった…)」
『あーなーたがーいーなーいー…』(館内放送)
受付「…そ、それはさすがにどうかと…お客様も罪なお姉さんですね…
いや、でも、別腹はオンナのサガですものね!三股までならOKですよ!GJ!」
かが「誤解したまま、理解された!?」
こな「うわ、お得じゃーん!みさきちも呼ぼっか?」
つか「じゃあ、ゆきちゃんも呼ぶー」
かが「これ以上、私の世間体を換金するなー!」
755:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 21:24:01 Fr4yYjw8
>>754
寧ろ受付の方が、みゆきさんに見えたw
756:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 22:10:58 0jc2XOmd
…半額の方が、いや何もないです。
757:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 23:04:35 WijovCCD
こなたの考えた順位づけが↓こんな感じってことじゃね?
カップル認定の二割引 >>>(越えられない壁)>>> ウソ姉妹の半額
758:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 23:06:58 ASiMskqW
ウソ姉妹の半額+カップル認定の二割引ってことじゃね?
759:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 23:09:17 BpXfSFaV
>>744
いつもこなたのために用意しているんだから
見に行かないとかがみが拗ねてしまうぞ
760:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/11 23:58:57 oc562GFL
初めて書き込みます。
SSを作りましたので、投下させて頂いてもよろしいでしょうか?
10分ほど経って、何も反応が無い場合は投下させていただこうと
思います。
761:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/12 00:01:40 lL+BG5s+
どんとこいこなかが団
762:760
08/06/12 00:08:39 C1zs6FBo
761さん、ありがとうございます。
それでは投下させて頂きます。15レス使用します。
ジャンルはシリアスです。鬱では無いと思いますが、少し重い展開が続きま
すので、苦手な方はご注意ください。(ハッピーエンドで終わらせるつもり
です)
また、随分長い話になってしまいましたので、今回は前編のみです。
タイトルは、『「守る」という事』です
では、投下します。
763:「守る」という事・前編
08/06/12 00:10:33 C1zs6FBo
こんな話を知っていますか? と不意にゆきちゃんがお話を始めた。
「あるところに、クマとキツネとウサギがいました。彼らはある時、行き倒れていた旅人を見つけて、その旅人を助けることを決めたんです。
クマはその力を活かして魚を取ってきました。キツネはその知恵を活かして果物を取ってきました。けれど、無力なウサギは何も取ってくることが出来ず、何も旅人に与えることができなかったんです……」
「そっ、それで、ウサギはどうしたの?」
何故ゆきちゃんがこんな話を始めたのかは分らない。けれど、私はウサギがどうしたのか気になった。
「つかささんは、どうしたと思います?」
けれど、ゆきちゃんは私の質問を質問で返してきた。
「えっ、えっ、その、あの……」
わからない。だから私は口ごもるしかなかった。
「……ウサギは、火に飛び込んで、自分を食料として旅人に与えたんです」
ゆきちゃんは、普段とは比べ物にならない低い声で、端的にそう言った。
「……ゆきちゃん……どうして、そんな話をするの?」
私の声は涙声になっていた。
私は最近様子がおかしいお姉ちゃんのことで悩んでいた。一生懸命考えたけれど、どうしていいのか分らなかった。だから、ゆきちゃんの家にやって来て相談した。
まだ大学入試が終わっていないから、こなちゃんには心配をかけられないし、なによりゆきちゃんならきっと助けてくれると思ったから。
なのに、悩みを打ち明けるにつれて、ゆきちゃんからはいつものあたたかな笑顔が消えていって、そして、突然こんな話を始めた。
涙が溢れてくる。どうしてこんな話をするのだろう。前に、こなちゃんがみんなを動物に例えた話をゆきちゃんにも教えてあげた。だから、ゆきちゃんは分っている。ウサギが誰のことを指しているのか。
「どうして、ゆきちゃん? どうして困っている私に…そんな意地悪な事を…言うの?」
私は我慢ができなくなり、声を上げて泣きだしそうになったその時だった。不意にあたたかなぬくもりに包まれたのは。
それは、私がゆきちゃんに抱きしめられたからだった。
「……ごめんなさい、つかささん」
「……ゆきちゃん?」
頭が混乱して、私は何がなんだか分らなかった。だから、ゆきちゃんの次の言葉を待った。
764:「守る」という事・前編
08/06/12 00:13:46 C1zs6FBo
「……私は、かがみさんが何を悩んでいるのか知っています。そして、その原因の一端は……間違いなく私にあるんです……」
「えっ? ゆきちゃん、どういうこと?」
ますます混乱してそう尋ねると、ゆきちゃんの抱きしめる力が少しだけ強くなった。
「……つかささん、話を聞いてください。理解できないかもしれませんし、嫌悪するかもしれません。けれど、力を貸してください。かがみさんを救うために……」
「…お姉ちゃんを、救う?」
ゆきちゃんが何を言いたいのかはわからない。けれど私は、ゆきちゃんも私と同じ様にお姉ちゃんのことで悩んでいたことがわかった。
「はい。その話を聞いて、私の事を嫌ってもかまいません。けれど、かがみさんを先ほどの話のウサギに…しないために、どうか……力を…貸して…ください……」
顔を見上げた私の頬に、ゆきちゃんの瞳からあたたかなしずくが落ちてきた。
そして、ゆきちゃんは私を抱きしめたまま、声を上げて泣き出してしまった。
困った私は、泣き止まないゆきちゃんを落ち着かせようと、背中を優しく撫でた。
『「守る」という事』
「何が守るよ! そんなに軽々しく言える事じゃないでしょう!」
食後の一家の団欒は、私の怒声と共に終わりを告げてしまった。
「……なっ、なにむきになっているのよ、あんたは!」
まつり姉さんの言葉に、頭にのぼった血がすぅーっと引いていくのが分った。
そう、まつり姉さんの言うとおりだ。なんということはないテレビドラマの一つのシーン。何事もまじめに取り組もうとはしない主人公が、恋人に涙ながらに引っ叩かれて改心し、君の事を一生守りつづけると告げるシーンが流れただけ。
そして、まつり姉さんが、こんなこと言われてみたいと言っただけ。
765:「守る」という事・前編
08/06/12 00:19:53 C1zs6FBo
ただ、私は一度引っ叩かれたぐらいで改心して、守り続けるなどと軽々しく言うその主人公が好きになれなかった。
だから、「そんなにぺらぺら「守る」なんて事をいう男なんてろくなもんじゃないわよ」とつっかかってしまった。そして言い争いをしているうちに、
怒声を上げてしまった。ただそれだけ……。
「お姉ちゃん……」
「どうしたんだい、かがみ?」
つかさやお父さん、いのり姉さん達みんなが、私を心配そうに見ていた。
「……ごめん。まだ、入試のテンションが抜けないみたい…。今日はもう休むわ……」
いたたまれなくなり、私は皆にそう告げて立ち上がった。
「ごめん、つまらない事でむきになってた」
とまつり姉さんに謝りはしたけど、
「まちなさい、かがみ!」という言葉を背中に受けても、私は振り返ることなく自分の部屋に戻った。
部屋に戻るなり、私はそのままベッドに転がった。
「……だめだ。こんなことじゃ……」
そう声に出して自分を叱咤しても、何もする気になれない。
ふと何とはなしに視線を横にやると、枕元においてあった携帯電話が着信を知らせていた。
携帯を開くと、メールが1件来ていた。送信者はこなただ。
メールを開くと、
『いよいよ明後日が本番だよ! 大丈夫。かがみんへの愛のために、今度こそ絶対合格するから!
だからさ、とりあえず試験が終わったら私とデートしてね! 自分で決めた事とは言え、かがみ分が不足しているからさ』
いかにもあいつらしいメールだった。
「まったく、あいつは……」
私は苦笑するしかなかった。
私は何とか第一志望の大学に合格する事ができた。
けれどこなたは第一志望の大学に、私と同じ大学に合格する事はできなかった。
でも、こなたは本当に頑張ったと思う。3年生になってからだったとは言え、
今までアニメやゲームに費やしていた時間の全てを勉強につぎ込んで頑張った。
ただ私と同じ大学に行くために。……それだけを目標に。
私は返信メールに、気を抜かないで頑張る事と体調管理をしっかりする事を
自分でも細かすぎるだろうと思うくらい書き込んだ。そして最後に、
『O,Kよ』と書き込み、送信した。
すぐにメールが返ってきた。
766:「守る」という事・前編
08/06/12 00:21:25 C1zs6FBo
『大丈夫だよ、心配性だな~、かがみんは。でもありがと。かがみんと楽しい
デートする妄想を糧にして頑張るよ』
そんなメールに、猫口で微笑むこなたの写真が添付されていた。
久しぶりに見るこなたの姿に、少しだけ気持ちが和らいだ。
第一志望がダメだったこなたは、第二志望校の試験勉強に集中するために、試験が終わるまで私たちには会わないと決めてしまった。だから、もう2週間
近くこなたに会っていない。
「……気を抜かないで頑張れって、メールしたばかりじゃない」
寂しさに耐え切れず、電話をかけようとした自分に苦笑する。
携帯を閉じ、それをポンと枕元に放り投げて、私は天井を見上げた。
「……「守る」か……」
無意識に、私の口からそんな言葉が漏れた。
そして、沈黙。この部屋には私しかいないのだから、それは当然のこと。け
れど私は、その沈黙に耐えられなかった。
「私に、できるのかな?……ねぇ、こなた。私はあんたを守っていけるのかな?」
小声で、私はここにはいないこなたに尋ねた。
返事はない。
「ねぇ、答えてよ、こなた。かがみなら大丈夫だよって言ってよ」
返事はない。ただ残酷なまでの静寂があるだけだ。
「……当たり前じゃない。何を考えているのよ、私は……」
力なく苦笑する私の頬を、涙が伝って行く。だめだ、と思っても止める事が
できない。
「……強くならないといけないのに。私が強くなって、こなたを守らないとい
けないのに……」
そう、『愛しい』こなたを守るために、私は強くならなくちゃいけないんだ。
……誰も助けてはくれないのだから……。
★ ☆ ★ ☆ ★
あの時の私は自分の事ばかりで、ただ知っている知識を口にしただけだった
んです。
あの人の事を思っての言葉ではありません。ただ拒絶をしただけなんです。
……どれだけあの人は悩んだのでしょうか? 誰にも相談できない難題を抱
えて、たった一人で悩んだのでしょうか?
そして、どれだけ悩んだ末に、私に……私なんかに相談を持ちかけたのでし
ょうか?
767:「守る」という事・前編
08/06/12 00:22:59 C1zs6FBo
相手の事をまるで考えない自己中心的な私の言葉を聞いて、あの人はどれだ
け絶望したのでしょうか?
私はつかささんに全てを話しました。話しているうちに、あの人の、かがみ
さんの心をどれだけ傷つける事を、そして追い詰める事を言ってしまったのか、
今更ながらに思い知らされて……自分の愚かさを再認識させられて……。
私は何度もつかささんに謝りました。「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度
も。直接かがみさんには謝れないから。あわせる顔がないから。
……いいえ、違いますね。私はかがみさんに会うのが怖いから、つかささん
に謝って、許してもらいたかったのだと思います。少しでも自分が楽になりた
いから……。
「……大丈夫だよ、ゆきちゃん。私はゆきちゃんを嫌ったりしないよ」
優しい声。そして、私に向けられるつかささんの顔は、笑顔でした。
つかささんは私の懺悔を聞いても、私に笑顔を向けてくれました。
私の思っていたとおりに……。
その笑顔で私は気持ちが楽になりました。
ズルイですよね? 私は、つかささんが許してくれる確信がありました。
つかささんは優しいから。こんな私のことも許してくれると思っていました。
期待をしていました。
きっと、あの時のかがみさんも、今の私と同じだったのだと思います。かけ
てほしかったのは励ましの言葉。向けてほしかったのはあたたかな笑顔。
思い起こしてみると、『みゆき、あんたを親友だと思うから話すんだけど……』
と、あの時かがみさんはそう前置きをしてから、私に話してくれたんでした。
私を親友だと言ってくれたんです。私なら苦しみを和らげてくれると信じてく
れていたはずです。なのに、それなのに私は……。
★ ☆ ★ ☆ ★
大学入試を終えるまでは良かった。合格に向けて一心不乱に勉強をしていた
時は、余計な事を考えている暇はなかったから。
考えていた事といえば、合格後のこなたとの楽しいキャンパスライフ。広い
部屋を借りての共同生活。きっと楽しい日々だろうと私は胸を膨らませていた。
けれど、現実は上手くはいかず、こなたは試験に落ちてしまった。
私もショックを受けたけれど、落ちた当人であるこなたの落胆は酷かった。
合格発表のあの日、ネットを利用して自分の不合格を知ったこなたは、私の
家にわざわざやってきて、私に謝った。
「……ごめん、かがみ。私、落ちちゃった……。でも、でもね、まだ第二志望
768:「守る」という事・前編
08/06/12 00:24:42 C1zs6FBo
に合格すれば、かがみといっしょに居られるから。一緒の大学には行けなくて
も……ほら、もともと学部が違ったら講義も別なのがほとんどだし……。
次こそ頑張るから。絶対に、絶対に合格するから」
涙を見せまいと無理に笑おうとするこなたを、私は抱きしめた。
必死に涙を堪えているこなたがあまりにも痛々しくて、かける言葉が見つか
らなくて……私は抱きしめる事しかできなかった。
その時、私の腕の中で嗚咽が漏れるのを我慢しながら泣いているこなたを見
て思った。これから先に何があろうと、私がこなたを「守る」のだと。私が守
っていかなければならないのだと。
こなたのこんな顔を見たくない。泣き顔や悲しい顔は見たくない。笑ってい
てほしい。そう思ったから……。
こなたを落ち着かせてから、私は手始めに、こなたの第二志望の入試対策を
行おうと考えた。幸いな事に試験までは2週間以上余裕があったし、この1年
でこなたはしっかりと全ての科目の基礎を身に着けているのだから、あとはど
うしても苦手な部分を潰していけば良いだけのはずだ、と。
しかし、その事を話すと、こなたは首を横に振った。
「気持ちはすごく嬉しいけど、大丈夫だよ、かがみ。それくらいの事なら私一
人でも大丈夫だから……」
「でも……」と私は食い下がったけれど、
「お願い、かがみ。私を信じて……」
そんなこなたの懇願に、同意せざるを得なかった。
「ありがとう、かがみ。かがみのおかげで元気が出てきたよ。愛の力は偉大だ
よね~」
私の同意に、先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら、こなたは軽口を言
って笑った。いつものこなたの笑顔。私の大好きな笑顔だった。
「ばっ、バカ、そういう発言は自重しろ!」
「真っ赤になったかがみん萌え~」
いつもと同じ緊張感のないやり取りがとても嬉しかった。
だからその日は笑顔でいられた。笑顔でこなたと別れられた。幸せな気持ち
でいられた。……だけど、それは長くは続かなかった。
合格発表から3日後。たった3日なのに、私はこなたに直接会う事ができな
いことが寂しくて仕方がなかった。
予定をたくさん入れていた。まずは合格祝いに、こなたと二人で少し値のは
るレストランで昼食を食べて、帰りはゲマズに行って買い物をする。随分とア
ニメやマンガを絶っていたこなたは、目を輝かせて嬉しそうに商品の物色を始
める。私はそれを「やれやれ…」とか言いながら……。
769:「守る」という事・前編
08/06/12 00:26:05 C1zs6FBo
「……しかたないわよね。こなただって我慢しているんだから」
こなたの事を「守る」と決めたのに、私の方が先にまいってしまった。こな
たに会えないことが辛くて仕様がない。
「2週間とちょっとじゃない。すぐよ、すぐ」
そう自分を言い聞かせる。
試験が終わればいくらでも遊ぶ事ができる。そして春になれば、こなたとの
共同生活を始めるんだ。
2週間くらいあっという間に過ぎていく。寂しいけれど、私はこなたを信じ
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
「……お父さんやお母さんたちがあんなに喜んでくれたのに、そんな事できる
わけないじゃない」
それに、4人も子供がいる我が家の財政状況を考えると、そんな余計なお金
をかけられるはずがない。
その後も色々と浅知恵を出しては自分で否定する事を繰り返した。
……八方塞だった。もしもこなたが試験に落ちてしまったら、何も手立ては
ない事が分った。そして同時に、自分がどれだけ無力なのかが分った。
「守れない。私はこなたを守れない…」
悔しくて涙がこみ上げてきた。私はこなたを守りたいのに。