08/06/05 23:31:30 8INKpCRV
待って。
行かないで。
ねぇ、こなた。
だって、私の好きな人は―。
「誰、なの?」
「その人?」
「…うん」
結局、『大丈夫、応援してあげるから』の一言が言えずに話題をそらしてしまった。
相変わらず、心は軋み、じくじくと痛んでいるけれど。
「かがみになら教えてもいいかな。その人は―」
その信頼さえ、今の私には辛い。ぎゅっと手を握り締めこなたの口の動きを目で追った。
「福沢さんちの諭吉さんだよ」
「ゆき…ち…さん…?って金かぁぁぁああああーーーっ!!!」
「嘘は言ってないヨ?」
そうだけど!!それはそうだけど!!!あー!もう!!バカじゃないのか私は!
というか誤解されるような言い方したこなたもこなたでしょ!?
でも、そんなことをいったらまたからかわれるのは目に見えているから
何も言うことができない。
「………っ!!!」
「いやぁー最近の限定版は凄いよネ。DVD付いたりフィギュア付いたり…。
その分お値段も張るわけだけど。…あるぇー?かがみん顔赤いよ?やきもち?」
「妬くかっ!!」
にやにや笑いながらいうこなたにそれだけ叫ぶと、また床に寝転がった。私の顔は今すごく
赤くなっているだろうから。
寝ながら食べると太るよー?とか言う声が聞こえるけれどそんなの知るか。
「まぁ、安心してよかがみ。本当に手に入れたい人は
目の前にいる人だから」
「ん?なんか言った?」
「んーん。なんでもないっ!」