08/04/10 20:05:55 zI7goZhp
「…ゆーちゃん、ゆーちゃんだけでも逃げて。」
「…でも!」
「ゆーちゃんには叔母さんや叔父さんがいる。
良い?夜中までに荷物纏めて自分の家に誰にもばれない様、逃げて!!」
「分かった、お姉ちゃん、ごめんね…ひっく、ごめんね…!」
「泣かないでほら、ね?」
あたしの言葉も虚しく、ゆーちゃんは泣き続けた。
…あれから30分位は経っただろうか。
ゆーちゃんは何とか落ち着き、部屋から出て行こうとした。
その時、ドアが大きな音を立て開いた。
その先には、あの女が立っていた。
「ねぇ、ご飯作ってよ。作れない訳じゃないでしょ?」
「…はい。」
従いたくは無かった。でも従わなかったら…考えるだけで恐ろしい。
取り合えず誰にでも好まれる物、カレーをゆーちゃんと作って出した。
「…どうぞ。」
すると、あの女はカレーをあたしに向かって投げつけてきた。
「熱ッ!やだ、気持ち悪い…!」
「何よこれ!ご飯に直接カレーをかけるなんて信じられない!
作り直して来なさい!」
「はっ、はい!」
ゆーちゃんが急いで作り直した。
今度は皿の半分にご飯、もう半分にカレーを入れた。
…これには文句は言わなかった。
あたしはほっとしつつカレーをかけられた部分を洗いに行った。
うぅ…少し火傷しちゃった…
食卓に戻ると、丁度あの女がカレーを食べ終わる頃だった。
「ご馳走様でした。」
「いいえ、お粗末さまでした。」
普通なら社交辞令としか見ないだろう。でも…あいつは違った。
「私に粗末な物を食べさせたって言うの?!」
そういうと、あの女はゆーちゃんに掴みかかった。
「きゃあ!痛い!止めて…!!」
「謝るまで止めないわ!少し躾が必要みたいだもの!」
「止めて!!」
あたしはあの女に立ち向かっていった。でも…力の差は歴然だった。
あたしは顔面を殴られ、すぐに気を失ってしまった…
「お姉ちゃん!お姉ちゃーんっ!!」
ゆーちゃんの悲鳴も、あたしの耳には届かなかった。