【らき☆すた】みゆき×つかさに萌えるスレat ANICHARA2
【らき☆すた】みゆき×つかさに萌えるスレ - 暇つぶし2ch450:3/7
08/06/04 08:55:02 O7poma1Y
「はーい、どうぞ」
淹れたばかりの紅茶を差し出し、私も向かい側の席へと着く。

「ありがと」
一言いって、ずずっと紅茶を啜る彼女。
「おかわり!」
「はやっ!」
「いやー、歩き続けてたら喉乾いちゃってさー」

えへへ、馴染みのある無邪気な顔で笑う。
また立ち上がるのも面倒なので、自分の紅茶を差し出しておく事にした。

さて、それはさて置き……

「つかささん、元気でしょうか?」
「あれ、電話とかメールとかしなかったの?」
「いえ、その、お身体に障るかと思いまして……」
言えない、一晩中考えても文面が思い浮かばなかったなんて言えないっ!
だって私、優等生だからっ、優等生キャラだから!

私がそんな事を考えていると、
はぁ、と溜息を吐いてから彼女は続けた。

「元気だよ、昨日あたしが学校から帰って来た時には笛の練習してたしね」
「それは良かった……」
「で、夜には一緒にエンタ見てたよ。ほら、ちょっとケインなあの人、アレがお気に入りみたいでさ」

バラエティ番組の事は分からないが、柊家の回復力は侮れないようだ。
密かに今から見学に、いや、お見舞いに行こうかと練っていた計画も組み直し、か。
残念です。
いえ、でも元気なのであれば良かった。

「こなたは重症だったけどね」
「あらあら……」
「でもアイツの寝顔、可愛くってさー!」

それから小一時間ほど、かがみさんによる泉さんお見舞いレポートを聞かされたのであった。
喋らなければ可愛いやら、風邪をひいたくらいの調子が丁度いいやら……
それはもう活き活き、と……

451:4/7
08/06/04 08:55:56 O7poma1Y
「それじゃ、あたし帰るねー」
「ちょっと待ってください」

席を立とうとした彼女の肩、それを押さえ付けて座らせる。

「痛っ、ちょ、痛いって」
「あ、すみません……」
「そんなゴリィってやんなくてもいいじゃない」
「風邪の影響か手元が狂ってしまいました……」
「なんで風邪をひいてパワーアップしてんのよ」
「病み上がりの高揚感というものだと思います、たぶん」

愛の力よ、なんて言えないわっ。
今すぐつかささんに会わなければ、思いに身が焦がれてしまいそう!
なんて言えないわっ!

「みゆき、息荒いわよ? まだ熱があるんじゃないの?」
「大丈夫です」
「そ、そう? ……それで、何なの?」

「泉さんのお見舞いに行きましょう」

コホン、と咳払いを一つしてから私は付け足す。

「三人で」

452:5/7
08/06/04 08:56:52 O7poma1Y
「うーん、そうねぇ……」
唸る彼女。
「ね、きっと泉さんも暇を持て余してマインスイーパーとかを暗い部屋の片隅でやり込んじゃってますよ、それも体育座りで」
畳み掛ける私。

「よし!」
「それじゃ、つかささんに―」

「だが断る」

「な、なんでやねん!」
「こなたってば、割と本気で辛そうだったしさ」
「だからこそ私達が……」
「それにさ」

私の言葉を遮るように彼女は続けた。

「あんたも調子悪そうじゃない? 顔赤いし、ハァハァ言ってるしさ」
「いえ、これは別に」
「病み上がりはぶり返しちゃう恐れもあるしね」
「まぁそうですが……」
「また三人揃って休み、なんてのは勘弁してよ? その……」

「寂しいんだから、さ」

言ってから恥ずかしかったのか、
「ほら、今新型のウィルスだっけ? エボラだっけ? 流行ってるしその……ね?」
と付け足していた。

「あなたは本当に―」

―素直じゃないですね。

そう言おうとしてやめた。
そんなの今さら過ぎるから。

あなたは私の一番大切な友人だから。
綾桜学園で一番最初に打ち解ける事の出来た人、ですから。

あ、でもつかささんが一番なので二番目ですね。
あぁでもやっぱり、みなみちゃんが二番目かもしれないので三番目?
まぁ大体そんな感じです。


「それでは、お気をつけてお帰りくださいね」
「うん、お大事に!」

玄関で彼女を見送ったあと、言いつけ通り私は再び床につくことにした。

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08/06/04 08:57:24 O7poma1Y
「あらあら、これはこれは?」

部屋に戻ろうしていた最中、通り掛かったダイニングルームからの声に気を取られる。
中の様子を窺うと、お母さんが透明の袋に詰まった黒い物体群を眺めていた。

「こんな所にチェリーちゃんのアレが……いけないわねぇ」

あ!
アレはかがみさんから頂いた、えー、んーっと……

「お母さん、それアレやない、ソレや!」

ぴたりと手を止める母。
意味が通じたらしい。
間一髪、ゴミ箱に棄てられる直前のことだった。

「ソ、レ?」

頬に手を当て、ウィンクするように小首を傾げる母に、事情を説明する。

「あんだーすたんっ」
そう言うと同時にバリッと豪快に袋を破く母。
途端、辺りにあの甘ったるい異臭が漂い始める。

「ほんと何なのでしょうか、これ?」
回答は期待していなかったものの、予想に反して母は意外な博識ぶりを発揮してくれた。

454:7/7
08/06/04 08:59:01 O7poma1Y
「たぶん、ドクダミの匂いかしら?」
「知っているのか、母さん!?」
「そんな意外そうな顔をしないの、もうっ……」
私の頬を軽く突っつきながら母は続ける。
「私はおばあちゃんっ子だから、直伝の知恵袋を授かっているのよ」

その指をピンと立て、くるりと回す。
えっへん、とでも聞こえてきそうだ。

それは置いておき、気になった点を聞き返してみる。
「ドクダミ……というと、野草のでしょうか?」
「そうねぇ、漢方やらお茶やらに使われる物らしいけど……乾燥させて使うから普通はこんなに匂わなかったはずよ……」

まさか、その辺に生えているものを適当に混ぜ合わせたのだろうか?
いや、そうだとしても良かれと思ってやってくれたのだろう。
それに火が通れば大抵の物は食べられるはずだし、それを すてるなんて とんでもない。

私は袋から塊を1個つまみあげ、まじまじと眺めてみる。

「あ、この苦み、ヨモギも入っているみたいね」
一足先に口へ放り込んでいた母が呟いた。
「それも確か、薬草の一種ですよね?」
「そうだねぇ」

―ゴリッ

な、なんだこれは。
硬い。ただ只管に硬い。それと臭い。
お煎餅?
あ、そういえばあのメール……

私が回想に浸ろうとしたとき、お母さんがぽつりと呟いた。
「そういえば昔、おじいさんがこれと似たものを食べて病院に運ばれたわね、トリなんとかっていう……」

私はぴたりと動作を止める。
そして一つの答えへと至った。

泉さんからの暗号……
あれはもしかすると、ダイイングメッセージだったのかもしれない。
割と本気でそう思った。

455:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/04 09:01:15 O7poma1Y
以上です

少しくらい読み易くなってればいいなと思うます
それとは関係ないけれど、この時期で雨の日の森はドクダミが凄い臭いのでオススメです

>>442
それなりに読み直したつもりが不覚でした、ありがとうございます

出来れば悪い部分や間違っている部分を遠慮なく指摘して欲しいです
少しでもいいので上達したいので


456:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/04 17:38:26 Wj4LmGv4
壊れみゆきさんが笑えて困るw
かがみへの友情も垣間見れて温かい気分になれますた、エボラってかがみんww
アレはかがみんお手製ってコトか、こなたが重症なのももしかして…とおもた
つかさ全然出てないのにみゆきさんのつかさラブっぷりが健在でGJです
ゆかりママとの会話がのほほんとしててイイなぁ

陵桜学園の字が間違ってたのと、あとみゆきさんはみなみを呼ぶ時も“さん”付け
であるコトも一応ご報告、みなみちゃんと呼んでてもいい気はするけど

457:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/04 19:27:57 vWt0QmFQ
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