07/12/29 00:17:15 ZaetE5dE
やがて耳の中のカスがほぼなくなり、中をサリサリと大雑把にかく。
「よし、大体終わったな」
「……(フゥ)」
俺のその言葉に随分安心したように長門は息をついた。
もしかしたらこいつは他人に耳をいじられるのが好きじゃないのかも知れんな。
悪いことをしたとも思ったがもう既に後の祭りである。
さて、最後の仕上げだ。
俺は後ろの綿毛の部分でサササッと長門の耳の中の細かいかすを取っていく。
その間、長門はくすぐったそうに少しだけ肩をすくませていた。
これで本当に最後、っと
「フ~ッ!」
「~~~ッ!?!?!?!??(クテリ)」
「ん?どうした?長門」
何故か長門はぐったりしている。なんか顔も赤いし。どことなく色っぽくて目の保養にはなるんだが体調でも悪いんだろうか。
「大丈夫か?長門」
「…だ、い丈夫。問題ない」
そんな風に息を切らせて言われても説得力に欠けるんだがな。まぁ、いいか長門にはもう少し『ゆっくり』してもらえることだしな。
「そうか。じゃあ長門」
「…何」
「後ろ向け。今度は反対だ」
その時の長門の顔が、何故か絶望感いっぱいだったように見えたのはたぶん俺の見間違えだろう。
耳かきが終わった後、またも何故かぐったりして動かない長門を背負ってマンションまで送り届けたのは別の話だ。
今度耳かきをする時は長門の体調のいい時にするとしよう。