【ひぐらし】古手梨花13【敗者のいない世界】at ANICHARA2
【ひぐらし】古手梨花13【敗者のいない世界】 - 暇つぶし2ch147:元澪IF作者 ◆FeBOZAsgd.
07/12/28 10:35:56 6n+IXWUA

「もう一度はっきり言おう。私は未来永劫、梨花ちゃんのその気持ちには応えられない。私は君を助け、守る事は出来ても…君と人生を共にする事は出来ない。もう、とうに選んでしまったから。私が添い遂げるのは、雪絵だから」
ある意味では死刑判決も同然なその言葉に、梨花はしかし晴れ晴れとした表情で答える。
「わかっていますですよ。お祭のアレは、ほんの冗談なのです」
「こんなことを言って、梨花ちゃんを傷付けるのはわかってた。しかし、この手紙にたった一度だけ書かれた『世界の誰よりも』という言葉。これは、本気だと思った。このままでは、梨花ちゃんの人生を捻じ曲げてしまうかもしれないって思ったんだ」
「ボクの、人生…」
「梨花ちゃんの人生は、まだこれからだ。きっと将来、君のことを一番に想ってくれる素敵な人が現れるよ。いや、見つけるんだ。……次に会うときは、梨花ちゃんの結婚式の時にしたい。それまではしばらくお別れだ。梨花ちゃんの晴れ姿を、気長に楽しみにするよ」
「みー。気長とは失礼なのです。赤坂に言われなくても、きっと見つけますですよ。ボクは幸せになるのです」
「うん。…私は、幾多の世界で後悔した気がする。でもやっと、君を守る事が出来たし、不穏の種も摘み取った。私の役目は終わったよ。代償は払ったけど、悔いは無い」
直立不動だった赤坂は、漸く前へと足を踏み出す。
そして、梨花の元へと歩み寄り、彼女ををそっと抱きしめた。


「梨花ちゃん、改めて礼を言おう。雪絵を助けてくれて、ありがとう」
「ボクこそありがとうなのです」
曇天から、一筋の光が差す。
百年の誓いが、今――果たされた。


それから約十年後。
古手家頭首、梨花とその婿、傑(旧姓岡村)の婚礼の儀が営まれた。
成人時まで、特定の男性と交際する事の無かった梨花が、公由家の意向でお見合いを実施しようとした折に、それに待ったをかけて名乗りを上げたのが彼、岡村傑だった。
彼は、同級生として、友人として、ずっと梨花を支え続けてきたのだ。
土下座して見合いを申し込む彼に困惑する公由家頭首を尻目に、梨花は笑って即決したという。
傑は、「梨花ちゃんのためなら神主になります」と公由家頭首の前で約束し、努力の末神職の資格を取るのだった。
なお、披露宴にはこの時までにすっかり大家族となった赤坂一家が駆けつけ、彼の旅館で人気商品となっていた自家製温泉饅頭を振舞い、好評を博している。

祭囃しIF 岡村エンド


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