07/12/10 01:41:53 0q1yF8/Z
何かが解決したわけでもないんだが、佐々木の生活に害がないというのなら、
このへんてこりんな状況とも、まあ気長につきあっていきますか。
「さて、じゃ飲み物でも取ってくるわ」
「ああ、僕は暖めたミルクに蜂蜜を溶いたものがあれば嬉しいな。できればぬるめで」
ええい、注文のうるさいヤツめ。
炬燵から立ち上がったとき、姿勢の関係でポケットから何か滑り落ちた。
「おや、キョン、この袋は何かね?」
いかん! 今更になんってあんなもん見られては。
焦ったのがよくなかった。
とっさに足で踏みつけたビニールのパックはものの見事にずるりと滑り、
結果としてねじれちぎれて中身をシャシャキの方に盛大にぶちまけ、俺は盛大にすっころんだ。
「痛っ!」
「うにゃあっ!!」
軽くぶつけた頭をさすりつつ起き上がりシャシャキの方を見ると、なんだかうつむいて震えている。
すまんシャシャキ、大丈夫か?
「き、キョン……」
いや本当すまん……って、シャシャキさん、あの、もしもし……
「ぼ、ぼ、僕は、僕はもう我慢できないニャーーー!!!」
いやあああああああ!!
翌日、SOS団の活動を休んで、俺は佐々木を呼び出した。
活動を休むにあたってハルヒは色々言いたそうだったが、俺の顔を見て余計なことは何も言わずに許可をくれた。
「やあキョン、どうしたんだね君から会いたいなどと……」
佐々木、お前に今すぐ伝えておかねばならんことがある。
いいか佐々木、親友として忠告する。飲酒だけはやめろ。
二十歳になろうと何があろうと、決して酒を飲んではいかん。マタタビ酒などもってのほかだ。
「ち、ちょっとキョン、どうしたんだい突然。それに、その顔は」
お前自身と、なにより周囲の人間の身の安全のために、酒は控えてくれ。頼む。
「……まるでライオンに襲い掛かられたような有様だよキョン。集団暴行でも受けたのかい?」
お前にやられたんだよ。この暴れ上戸め。普段のストレスを暴力で解消せんでくれ。
あ痛たたた。まったく、やれやれ。
おしまい