07/12/05 19:11:10 pYjjRgZv
>>252に、インスパイヤされますた
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「長門か、何もかも懐かしい」
どこかで聞いた言葉だ……それは、どうでもいい。
俺はバカだったせいか、妙に長生きしちまった。
今や、SOS団の連中が見たら馬鹿笑いしそうな、ただのジジイだ。見ての通り、古泉の関係者が用意した病院で、管だらけになってる。
そして……。
あの頃と変わらない長門が見える、ということは、もうヤバイってことさ。
変わらぬ無表情で、俺のことをじっと見てやがる。なんて地味な、でも嬉しい走馬灯だ。
「会えて良かった」
あはは……声まで聞こえた。こんどこそヤバイな。
「あなたは、まだ生きている」
「一応、な。長門には、随分と世話になったよ。思念体とやらに、よろしくな」
コクリ。と、うなずく長門。
「変わらないなあ」
コクリ。と、もう一度。
「外見は、かわっていない」
「外見だけ?」
「今のわたしは、自由」
「そうか……あの頃に、その自由があれば良かったのにな。おまえには、随分と失礼なことをしちまったよ」
「わかっている」
こうもストレートに「わかってる」なんて言われちまうと、なんつーか、照れる。
「……だから、あの頃に戻る」
「え? そんなことをしてしまっていいのか?」
「いい。一度くらいなら」
「そうか、頼むよ」
「わかった。自由になったことは、黙っていてほしい」
長門は、静かにそう言って、俺の手を握って来た。
そして、沈黙。ほのかな体温が伝わってくる……俺が冷えてるのかも。
「……凉宮ハルヒが居ないのは、確認した。もう、閉鎖空間は出来ない」
「あ、ああ……」
先に逝っちまったからな。
「黙って、わたしの願望を受け入れてほしい」
「いいとも」
「目を瞑って」
……ちゅ。
そんな……長門……今の、今まで待って……
……あれ?
ここは病院のベッド。俺、相変わらず管付き。
体を起こそうとしたら、以外にもあっさり起き上がれた。
そして目の前に、長門。いつものセーラー服にカーディガン姿だ。
「明日来る。もう少し寝ていて……。あなたは、階段から落ちて、頭を打ったことになっている」
「……ありがとう。今度は……」
「いい。そばに居られれば」
オシマヒ