07/11/03 04:37:00 P/dZ+29Q
藤吉晴美は憂鬱だった。原稿に追われて今年のハロウィンパーティに間に合わなかったのである。
当日の夕方もてれてれと参考資料を読みながら帰路に付くだけであった。
どかっ 住宅街の角で出会い頭にぶつかってしまう。
見上げた先にどこかで観た事があるような青年が立ち尽くしていた。
紫味を帯びたストレートの髪が美しい。切れ長な瞳に知性的な眼鏡が光っている。
その美しさに不釣合いなファンシーなピンクのカーディガン。
えっ?ティ‥‥ ・・・・・先生?
それまで憂鬱だった彼女は、絶望砲の衝撃に吹き飛ばされた!
「ティエリア先生っ!」
『私はティエリアではありませーん!!』
「先生、嬉しいです。あんなに嫌がる素振りをしていたのに
私のプレゼントしたウィッグ愛用してくれているんですね!
しかもピンクのカーディガンまで着て。」
『私はズラじゃありませんから!』
いつものように突っ込み返してくるものの、少し様子がおかしい、
ぼーっとして何か考え込んでいるようである。少し心配になって話し掛けようとしたその刹那セイe
『あなたはどなたですか?私はティエリアという名でしたね。あなたとは初対面ですよね。』