あの作品のキャラがルイズに召喚されました part158at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part158 - 暇つぶし2ch10:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:50:50 jXSYbQPs
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

URLリンク(rein4t.blog123.fc2.com)

11:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:52:18 jXSYbQPs
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

12:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:52:56 jXSYbQPs
やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

完結:やる夫が小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

やる夫が同人小説家になるようです
URLリンク(urasoku.blog106.fc2.com)

13:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:54:24 jXSYbQPs
サイト…戦車(力・勇気・寛大・名誉)

ルイズ…愚者(夢想・愚行・極端熱狂)

キュルケ…恋愛(魅力・愛美)

タバサ…女教皇(秘密・神秘・英知)

ギーシュ…星(希望と明るい見通し・瞑想・霊感・放棄)

モンモン…太陽(物質的な幸福・幸運な結婚・満足)

アンリエッタ…正義(平等・正しさ・行政・正当な判決)

シェスタ…運命(幸運・転機・向上)

14:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:55:14 jXSYbQPs
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)


15:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:55:55 jXSYbQPs
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ

16:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:58:11 ZemH8I/O
テンプレまがいも飽きてきたなぁ…

17:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 00:59:14 QKz9ipfo
誰か聖剣3のブラックラビを召喚した話を書いてくれんかね


召喚のショックで普通のラビの姿になってしまうブラックラビ。
初めの頃は最強のザコキャラのプライドもあって、ルイズの言う事を聞かなかったり歯向かったりするけど、
精神は肉体の奴隷とか何とかで、思考が段々普通のラビのようになっていく。
ブラックラビは、「これはマズイ」と思いながらもだらだらと日が過ぎてゆく。

ガンダールヴのルーンは左耳に印される。
耳を手のように使うから(俺設定)、というのは無理があるかな。

ギーシュとの決闘はルイズに巻き込まれる形で。
ルイズは失敗爆発、ブラックラビは投石(ルーン効果で威力増)で辛くも勝利もしくは引き分け。

フーケに盗まれたのは破壊の杖ではなく「何かの欠片」
実はコレ、砕け散ったマナストーンで、これに触れたブラックラビは普通のラビから「ラビリオン」もしくは「キングラビ」にクラスチェンジ。
キングラビの方が良いかな。「ラビラビ雨あられ」が使えるし。そんなこんなでゴーレムを何とか撃破。できるかね?
ブラックラビがクラスチェンジをするとマナストーンの欠片は力を失う。

ブラックラビはマナストーンの欠片を見つけ出して用いれば、そのうち元の姿に戻れるのでは、と希望を抱き、ルイズもとりあえず満足。めでたしめでたし。


というのはダメかい?

18:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:01:18 b8ttGvtB
>>17
ダメだ

19:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:03:46 QKz9ipfo
あの過去話でブリミルの言い遺した「異教徒」がエルフじゃない可能性が高まった

伝説は捻じ曲げられるもの―では、ブリミルの行った様々なものを捻じ曲げたのは一体?
ありそうなのが、ブリミルを神格化して権力を握りたがった神職者とか、事実が知られると拙いと考えた賢者達。

ありそうなのは伝言ゲームの結果かな。
人から人へ、または親から子へ話が伝わっていく間に、
話の一部が抜けたり、ほかの話と混じったり、語り手が想像したことが入ったり、
そんなことを繰り返した結果、今の話になったとか。

「異教徒から聖地を取り戻せ」

偉大なる始祖が苦戦するくらいだから敵は化け物に違いない

そういやエルフって化け物のように強いよね

どうやらエルフが必死に守ってる場所があるっぽい、あれが聖地に違いない!

エルフから聖地を取り戻せ!

つか伝承歪めたのデルフが言ってたロマリアの祖であるブリミルの弟子だろうな
デルフ曰くいけすかねー野郎だったって話だし
唯一ブリミルの子供じゃないってのも気になる
(もしかしたら各王家の祖たちであるブリミルの子達はハーフエルフの可能性があるし)

考えてみたら、弟子に力を与えられるってのも不思議だよなあ。
あとは血縁なのに。

そこら辺考えると、本当に平民は魔法使えないのかって話になるよなあ

20:蛇の使い魔
08/07/31 01:11:39 SDiK70DO
15分より投下開始します

21:蛇の使い魔
08/07/31 01:15:45 SDiK70DO
  デブリーフィング
― 帰 還 報 告 ―

凱旋帰還中に敵に襲われる、ということも無く、無事に全員王都に帰還した。
シルフィードの背中は思ったより心地よく、スネークはルイズに起こされるまで目を覚まさなかった。
そのルイズの顔が赤かったのは少々気になったが、誰も何も答えてはくれなかった。。
王都に入ってまず出迎えてくれたのは緊張に顔をこわばらせた門番の兵士。
どうやらアルビオンがトリステインに攻め込んでくるという噂が立っているためらしい。
城壁をシルフィードで越えようものならマンティコア隊が取り囲むのも仕方が無いことだ。

「杖を捨てろ!」

地面に降りて開口一番。
どこの兵士も同じことを言うようだ。
黙ってそれに従う。
スネークもデルフリンガーを投げ捨てた。
デルフがぞんざいな扱いに抗議するのを無視する。
もちろん、それ以外の武器は持ったままだが。

「今王宮の上空は飛行禁止だぞ。触れを知らんのか?」
「私はラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです。
 姫殿下にお取次ぎ願いたいわ。」

ラ・ヴァリエール家と聞いて少し狼狽し、杖をおろす兵士。

「ご用件は?」
「いえません。密命なのです。」
「それでは取り次ぐわけにはいきません。私の首が飛んでしまいます。」

密命だからいえないのだが。
だが、この状況では仕方が無い。
国交が悪化してぴりぴりした状態というのは、多少のことでも過剰反応してしまうものだ。
ましてや戦争が絡むとなったらなおさらだ。

「ルイズ!」

不意に宮殿の入り口から声がした。
声のほうからアンリエッタが駆け寄ってくる。
ルイズの表情が仏頂面から煌く笑顔に変化する。
一度スーパースローカメラで見てみたいほどの変わり身の速さだ。

「姫様!」

兵士が見守る中、二人はひっしと抱き合った。
端から見ればほほえましい再会だが、押し付けられた任務のことを思い出すと
そう簡単にほほえましいとは思えなかった。

まあ、美少女の百合百合しい姿に見とれていたのは否定しないが。

22:蛇の使い魔
08/07/31 01:17:48 SDiK70DO
ルイズはアンリエッタ王女の居室にて、帰還報告を行った。
最初はいなかったキュルケとタバサとの合流
空賊に変装していたウェールズ
最後の晩餐
そして、ワルドの裏切りと、ウェールズの死。そして遺品の風のルビー。

脱出手段を話し終えるまでアンリエッタは無言で聞いた。
ルイズが話しを終えると、アンリエッタは深くため息をつく。
その目には大きな愁い。手には翠に輝くルビー。

「わかりました。任務遂行、ご苦労様です。」

アンリエッタが感謝の詞を述べる。
ルイズはそれだけで誇らしげだが、スネークの表情は暗い。
それどころか、スネークはこの部屋に入ってから一言もしゃべっていないのだ。

「どうかしましたか?」
「…アンリエッタ―姫。聞きたい事があります。」

珍しく丁寧なスネーク。
それを気味悪く思うルイズであった。

「言葉遣いなど気にせず申してください。」
「すまない。…今回の任務、なぜルイズに?」

アンリエッタの眉がピクリと動いた。
扉を開け、人を確認し、窓の外を確認。そしてディテクトマジックをかける。
人に聞かれるのを警戒しているようだ。

「…人はいないようですね。
 わかりました。お話します。」

23:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:18:08 ECgApeAy
支援

24:蛇の使い魔
08/07/31 01:18:49 SDiK70DO
「今回の任務の本来の目的はあの手紙をウェールズ様に届けてもらう事でした。
 回収のほうはどちらかといえばついで、でした。」
「そんなことは分かっている。なぜ―」
「ルイズに頼んだか。
 それはルイズ、あなたが軍属ではないからです。」

ルイズが首をかしげる。

「手紙だけならゲルマニアは手紙を信じないでしょう。
 ですが、それを回収しようと国軍が動いた、と分かってしまえば話が別です。
 少なくともゲルマニアは不信感を抱きます。
 同盟が無事結ばれたとしても、ゲルマニアと対等な関係を築き上げるのは難しくなるかもしれません。
 そのため軍の人間を動かすことが出来ない。そこで浮上したのがルイズです。
 あなたなら大使として派遣するに値する血筋、さらに婚約者が強力なメイジだったのも重要な点でした。
 あなた自身もあのフーケを捕まえたメイジの一人、任務を任せるに値する実力を持った人物です。
 …まさか、ワルド子爵が裏切るとは思いませんでしたが。」

まだ怪訝な面持ちでアンリエッタを見つめるスネーク。

「まだ、何か?」
「…その作戦、あんた一人で考えたのか?」

とても信じられない、といった声だ。
わからなくもない。齢17の少女一人の判断だけでこの国が動いているわけがあるはずないのだから。

「勿論、私ではありません。」
「じゃあ誰が?」
「マザリーニ枢機卿です。」

スネークは顎に手をやる。ぶつぶつと独り言をつぶやいている。
何かを考え込んでいるようだが、イマイチまとまらないようだ。

「あんた、さっきから何なのよ?」

スネークの脇でルイズがたずねる。

「…いや、何か引っかかってな。」

この国の政治の実権を握っているような人間が、とてもこんなくだらないことに手を貸すとも思えない。
だが事実、手を貸している。何か理由があるのか?

「ただの老いぼれの妄想でしょ?」

ルイズにこの一言で切り捨てられ、スネークの気力ゲージが低下したのは言うまでもない。

25:蛇の使い魔
08/07/31 01:20:02 SDiK70DO
「色々引っかきまわして、すまなかった。」

アンリエッタに頭を下げて謝るスネーク。

「お気になさらず。ルイズ、水のルビーは差し上げます。今回の報酬と思ってください。」

ルイズが口を開いた。
だが、その口から抗議の言葉が出る事はなかった。
うつむいたアンリエッタの顔を見たためだ。

「二人とも、ご苦労様でした。」

肩が震えている。
顔を見られないように窓の外を見るアンリエッタ。
少しばつの悪そうな顔をするスネーク。
二人とも何も言わずに部屋を後にした。


「…あなたは、やっぱり逝ってしまったのですね。」

独りになった部屋で呟く。
返ってくる言葉はない。

「…仕方ありませんね。
 あなたは、い、つも…私ではない、なに、かを見てました…。
 あなたは、王族である前に、戦士でしたもの…。
 最期も戦士でいられたのでしょう…?」

戦士の魂は戦場でしか存在できない。
そしてその魂は戦場で消え去る。
それを覚悟して彼を愛した。

いつまでも泣いてばかりはいられない。
彼の生き様を心に刻み付ける。

「…死に名誉あれ。」

彼に届くことを祈って、手向けの言葉を指輪に囁いた。

26:蛇の使い魔
08/07/31 01:22:00 SDiK70DO
「スネーク、姫は…大丈夫かな?」

学院への帰り道、シルフィードの上でルイズが聞いてきた。
その表情は親友を心配しているものそのものだ。
今回の任務で酷い目に合わされたことなどまったく気にしていない。やはりやさしい子だ。
だが、その純粋さがスネークに恐怖を与える。
何に、かはわからない。だが、何か底知れぬ恐怖を感じた。

「大丈夫だろう。」
「どうして?」

すぐに聞き返してくる。それほど心配なのだろう。

「彼女は愛されるだけじゃない。ただ愛され続けていたわけじゃない。
 彼女は自分から愛することができるということも知っている。
 人は人を愛することができるということを知っている。
 そんな彼女だ、支えてくれる人間はたくさんいるさ。
 お前みたいに心配してくれる人間は一人じゃない。」

そういってやるとルイズの表情が少し表情が緩んだ。
元気を取り戻したようだ。

「あんたが愛だ何だっていってるのは少し気持ち悪いわね。」

元気になると減らず口が増えるのはいただけないがな。

27:蛇の使い魔
08/07/31 01:23:35 SDiK70DO
かつては名城と謳われたニューカッスル。
現在は戦争の傷跡がいたるところに見受けられた。
それを何人もの兵士が修復している。
どうやら貴族派はこれを再利用するつもりらしい。

ひどい戦争だった。
王党派も貴族派も一歩も引かない死闘。
一方向からしか攻められないという地形を利用して王党派は貴族派に二千という大損害を与えた。
その代償は自軍の全滅。
流れた血はおそらくアルビオン中のワインの総量と匹敵するほどであっただろう。
地面は血で少し赤黒くなっていた。

そんな中、アルビオンには珍しいトリステインの魔法衛士隊の制服を来た青年がいた。ワルドだ。
その隣にはフードを目深にかぶった女、『土くれ』のフーケだ。
二人は城の修復を見守っている。
フーケはただ見ていることに飽きたのか、黙り込んでいるワルドをからかう。

「あの『閃光』のワルド子爵ともあろうものが獲物を取り逃がすなんてねぇ?」
「…言い訳はしない。」

反応するワルド。それだけでからかい甲斐があるというものだ。

「あの小娘と男、生きてるのかしら?」
「使い魔はアルビオンの大陸から身投げしたと報告が来ている。…ルイズのほうは知らんな。」

口ではそういっているが、ワルドはあの二人が簡単に死んだとは思っていない。
死体は上がっていないし、そもそもアルビオンの周囲は雲で覆われている。
雲の中に仲間がいなかったとは考えがたい。
報告を信用しているふりはしているが、本心は別だった。

「あんた、信じてないわね。」
「当然だ。この私を出し抜いた男に、そう簡単に死なれては困る。」

左手で杖を撫でる。
次にあの皮肉屋に出会ったときも自分が生きているという確信は無い。
だが、もう一度戦いたいのも事実だった。

ワルドは既に、あの戦いの、あの不思議な緊張感に魅了されていた。
あの目は間違いなく歴戦の勇士―思い出すだけで鳥肌が立ってくる。
自然と笑みがこぼれた。

28:蛇の使い魔
08/07/31 01:25:31 SDiK70DO
「子爵、このようなところで何をしておるのかね?」

重厚な凄みのある男の声が背後から投げかけられた。
声の主はこの『レコン・キスタ』の総司令官、
そしてアルビオンの新たなる皇帝―オリヴァー・クロムウェル。
年の程は三十台半ば、丸い球帽をかぶり、緑色の身に着けた聖職者の姿をしていた。
だが、その眼光は鋭く、威圧するような碧眼。そしてその鉤鼻から獰猛な猛禽類のような印象を受ける。
それに付き従うは彼の秘書―シェフィールドだ。
冷たい妙な雰囲気のする二十代半ばの女性で、漆黒のコートを身にまとっている。

「ただの愚痴です、閣下。」
「ふむ、君は今回の戦いでは目覚しい活躍をした。気にすることなど無いはずだが?」
「己の未熟さに愚痴っていたのです。」

こういったただの世間話なのだが、ワルドは緊張を覚える。
話しているだけで心を射抜かれる、そういう感覚を初めて体験した。
話しながら城内へ入る三人。
だいぶ修復が進んでいる。だが、まだ壁や天井にはひびが入っていた。

「ふむ、真面目だな。期待しておるよ。」
「ありがとうございます。」

ウェールズの亡骸の眠る部屋の前に到着する。
そこでクロムウェルとシェフィールドがぴたと足を止めた。

「閣下…。」

シェフィールドがクロムウェルに小さくつぶやいた。

「わかっている。子爵…動くな。」
「…?」

何のことかと疑問に思ったその直後、すぐ脇に天井の一部が落下してきたのだ!
あのまま歩いていたのなら、確実にワルドに当たっていたことだろう。

「か、閣下!」「子爵!」

天井の修復に当たっていた兵士が駆け寄ってくる。

「ご無事で!?」
「問題ない。」
「申し訳ありません閣下。お怪我は?」
「心配は要らない。余を傷つけることなど、運命が許さない。
 それより、君は動かないほうがいい。負傷者の手当てを頼む。」

兵士をそうなだめた後、壁の大穴から外に顔を出し、声を張り上げた。

29:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:26:05 9AWR1+j1
支援

30:蛇の使い魔
08/07/31 01:27:23 SDiK70DO
「作業を急がせてすまない。
 だがこのクロムウェル、諸君らの働きに対する敬意を一時たりとも忘れたことは無い。
 諸君らが手がけているこの城は、われわれの新たな国家建設には絶対に必要なものだ。
 だが、諸君ら自身も、われわれの国家にとって同じく貴重な資源であることを忘れてはならない。
 われわれが求める国家は、もっとも純粋で、強靭な力を持った民主国家だ。
 平民を王の道具として切り捨てる時代を終わらせるため―
 そして、戦争という選択肢を国際政治から抹消するために―
 最高の戦力から生まれる民主国家だ。
 軍事技術者であり、そして兵士である諸君ら一人一人が
 その新たな国家の国民であり、財産であり、そして軍事力そのものである。
 無為にその貴重な資源をを損なうことの無いように―私は切に願う。」


下の兵士たちが敬礼し、涙ぐむ。
既に感動で泣き出しているものもいた。

驚くべきことに今まで彼は演説だけで兵士の心を奪い、彼らの士気を高めてきたのだ。
おかげで、彼の実力を知るものは数少ない。
ワルドですら、彼の魔法は見たことがなかった。

そして隣で初めて彼の聞いたワルドは彼の声に奇妙なものを感じとった。

本当に心の奥深くまで染み込んでいく演説だった。
染み込むなんてものじゃない、これは―

「洗脳だな…。」

そのつぶやきは幸い誰の耳にもとまることは無かった。






今回はこれで終了です。
支援ありがとうございました

31:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:38:27 5bysnkzw
蛇さん乙です。
クロムウェルのカリスマ値が上がっているだと!?
GJ

32:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 01:44:38 ZVIo56kD
乙。
演説終了後にオセロットが出てきそうな気がします。

> 「あんたが愛だ何だっていってるのは少し気持ち悪いわね。」
 MGS1をやっていてそう思いました。
 前半の厭世的なスネークとエンディングの前向きなスネーク、別人みたい。
 いい事を言ってはいるんだけど。

> 「運命が許さない」
これってMGS2のフォーチュン?
あれはひどかったなぁ。戦闘になっても絶対に倒せないからただ逃げ回ることしかできず、その後オセロットに種を明かされてあっさりと致命傷を受ける。
にもかかわらず死ぬ間際にミサイルを全弾逸らす……開いた口がふさがらない吟遊詩人シナリオに絶句。

33:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 02:23:20 SVoEyYsG
>>32
演説含めて、MGSポータブルオプスの若本ヴォ~~イスなボスキャラの台詞

34:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 02:34:28 SVoEyYsG
あと結構関係ないこと言ってんけど、ここは私見のお披露目場じゃないぞ

35:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 05:38:48 l9KJkljM
蛇GJ!

36:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 09:45:50 uDVS3XjL
>まあ、美少女の百合百合しい姿に見とれていたのは否定しないが。
おいオッサン自重汁wwww

37:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 09:56:54 bEaNX0Fc
そうだぜ、オッサン。反省汁!

URLリンク(www.geocities.co.jp)

38:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 10:05:46 O1HfKRi7
>>37
期待した俺への謝罪として、その男たちを百合百合しく変換することを要求する!

39:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 11:34:39 sCyUkCyZ
ふと思ったんだが手の付けられない狂戦士キャラって呼ばれたことあるか?
普段は「どうせ俺なんか…」とか内向的でルイズを苛立たせるけど
誰かの笑い声が耳に入ったとたん「今、誰か俺のコトを笑ったか…?」って外攻的になる奴とかどうだろう

40:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 11:36:48 O8nH4vKB
>>39
それなんてやさぐるまさん?

やさぐるまさんなら、神代召喚の奴で出てきてたな。

41:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 11:37:40 b8ttGvtB
>>39
矢車の兄貴が呼ばれた所で止まってる話ならあるぞ

42:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 11:57:19 aLPFoXUM
>>39
まとめにヒストリエのトラクスさんがいてだな(ry

43:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 12:34:49 9uYI/wKh
>>39
狂戦士はともかく手のつけられないのってならけっこういると思うのですよ
ぷにえさまとかズシオとか

44:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 13:27:54 rY0sawFu
戦闘力が高くて、自尊心が強いキャラは基本的に手がつけられないと思う

45:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 13:34:15 YlgsfO4U
狂戦士ならダマ呼ぼうぜダマ。

46:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 13:37:19 5wV94h4/
睨んだだけで相手が死んだり気に当てられただけで相手が死ぬようなキャラの召喚はこれまでにある?

47:ゼロの視線
08/07/31 13:38:49 9uYI/wKh
予約ありますかぁ

無ければ二話目投下しちゃいますよぉん

48:ゼロの視線
08/07/31 13:40:58 9uYI/wKh
いちお50分頃からのつもり

>>46
一応わたしが投下してる「甲賀忍法帖」の主人公甲賀幻之助は睨んだだけで死にます
正確には「殺意をこめて睨んだのを睨み返されたら死にます」

49:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 13:49:51 5wV94h4/
>>48
弦之助の瞳術は自殺に近いよね

50:ゼロの視線
08/07/31 13:51:59 9uYI/wKh
第二話

ふむ、と弦之介は困っていた。
「召喚」と「契約」とやらで呼ばれた次の朝。
洗濯を終え(次期党首とはいえ自分の事は自分でやるべし、と教育された)主である少女を起こし
食事を終えた後屋根の上でまどろんでいると、妙に騒がしい。
見ると、るいず殿ではないか。
なにやら変わった色の髪の毛をした少年と向かい合っている。
喧嘩でもしているようだ。
やれやれ 放っておくわけにも行くまい。

「で、『ゼロのルイズ』 どうあってもボクと戦おうというのかい?
 キミは愚かと知ってはいたがここまで天井知らずの愚か値ストップ高とは思わなかったよ」
「あたしが愚かならあなたは阿呆よ。
 大体フタマタ掛けしといて失敗の責任をメイドに押し付けるってどれだけ阿呆?」
「彼女が機転を利かせれば二人のレディの名誉は守れたんだよ。
 それに貴族に全面的に従い時に生命すら投げ出すのは平民の義務、常識じゃないのかい。
 それは偉大なる始祖ブリミルより授かった正当なる権利さ」
「じゃああたしは全ての貴族を敵に回して、その上で全ての女性の権利のためにアンタをドツくわ
 このあたしじゃない、ヴァリエール家でもない、『女性』を敵に回したこと後悔なさい」

なぜか片方の目に眼帯をしたマリコルヌが審判役を買って出た。
こういった「力ある者」同士の喧嘩はえてして「やりすぎて」しまう事が多いため審判役が立てられる。
両者とも「審判役」の言葉に逆らってはいけないとされているのだ。
「両者ともこの決闘の結果を始祖ブリミルの啓示とし、決して異議を差し挟んではならない。
 お互いOK?それではみなさん!メイジファイト! レディ   ゴゥ!」
その言葉に両者とも杖を構える。
先制攻撃は・・・・・・・・・・・ルイズ。
「ブツブツブツブツ・・・・・・ファイヤーボール!」
その言葉とともに壁の一部が爆発する。
「おいおい、かわったファイヤーボールだな」
「うわっ 危ねっ」

「残念ながら狙いが甘いとか色々問題があるようだね。いけっワルキューレ!」
その言葉とともに一体の銅製のゴーレムが立ち上がる。
装飾過剰な無手の『彼女』、しかし2メイルの巨体は十分危険であった。
「ボクはキミと違って大人だからね、手加減はしてあげるよ」
更なる呪文を唱え、見当違いの方向を爆破しながらルイズは叫ぶ。
「大人ってのはメイジだろーが平民だろーが自分の仕出かした事の責任きっちり取るモンよ。
 自分より弱いモンに押し付けてる時点で大人ホザくな。
 生えてもいないくせに」
「しっ失礼だなキミは!これから生えるんだ!」
「あらやだ、本当だったの?」
その言葉にその場は爆笑に包まれる。

「あくぁwせdrftgyふじこ!
 心底無礼にして失礼だなルイズ!手足の一本くらいは覚悟したまえ!」
「出来るといいわね、つるつるギーシュ!」
その瞬間、男のデリケートな部分を侮辱した罰があたったのか、石に足を取られてルイズがバランスを崩す。
「くらうがいい!」
ワルキューレの豪腕が、地に突き刺さる。

51:ゼロの視線
08/07/31 13:56:46 9uYI/wKh
しかし、土煙の収まった後には少女の姿は無かった。
「ふむ、使い魔の義務と権利としてここはわたしが引き受けようか」

ルイズを抱き抱えた弦之介の、いっそ幻想的とすら言えるオリエンタルな美しさに
その場の一同は凍り付いていた。

そしてそれまで関心など欠片も無いかのごとく本に没頭していた眼鏡の少女が、本を閉じた。
「あら、タバサも彼狙い?」
「興味がある」
「あら珍しい、やっぱ異邦の美形だから?」
「違う。彼の風体はガリアに伝わる伝説の勇者に似ている」
「伝説の勇者?」
「これは秘密」
そう前置きしてタバサは友人に語る。
ガリアの一部に伝えられし英雄の物語。
七百年程前のガリア。
王と王妃が事故死し、残されたのは17才の王女のみ。
これを好機と時の大公が王家乗っ取りを画策する。
その時ふらりと現れたのは三人組の盗賊を自称する男たち。
ガリア王家に伝わる秘宝を盗み出さんとやってきた彼らは、もう一人の女性と組んで王女を守る。
秘宝を隠す謎を解き明かした彼らは、平民でありながら強大なメイジである大公と渡り合って
これを倒したという。
この国に留まって自分を助けて欲しい、さもなくば自分を連れて行ってくれ
涙ながらにすがる王女を振り切ったリーダーは、後からやってきた茶色い服の男と合流し、何処とも無く去ったのだとか。
「で、秘宝って何だったの?」
「わからない。リーダーが『自分の懐には大き過ぎる』と今一度封印した」
その三人組の一人の服装が、あのゲンノスケの服に似ているのだとか。
「武器も、『1メイルに及ぶ剃刀』と称される細身の剣」
「なるほど、どの程度伝説に似てるのか。こりゃ目が離せないわね」

52:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 13:57:08 duaGhC4V
支援

53:ゼロの視線
08/07/31 13:57:31 9uYI/wKh
はいここまでです
お目汚し失礼したのですよ

54:ゼロHiME
08/07/31 14:22:07 /WUxOB6Z
ゼロの視線さん投下おつでした。
1日遅れですが18話の投下良いでしょうか?

55:ゼロHiME
08/07/31 14:26:49 /WUxOB6Z
特に問題ないようなので、投下はじめます

56:ゼロHiME~嬌嫣の使い魔~ 第十八話 1/3
08/07/31 14:28:38 /WUxOB6Z
 ニューカッスル城は浮遊大陸から突き出た岬の突端にある高い城だった。
 ルイズたちを乗せた軍艦『イーグル』号は捕獲した商船と共に、城の上空に待機する貴族派の巨大戦艦の監視の目を避け、大陸の下の方から巧妙に隠された王城の秘密の港に入った。

 ウェールズと一緒に艦を降りると、港で働いていた兵士たちが出迎え、その中の年老いたメイジに皇太子は叫ぶ。

 「喜べ、バリー。硫黄だ、硫黄!」
 「おお! 硫黄ですと! 火の秘薬ではござらぬか! これで我々の名誉も、守られるというものですな!」
 「王国の誇りと名誉を、叛徒どもに示しつつ、敗北することができるだろう」
 「これぞ、栄光ある敗北ですな! この老骨、武者震いがいたしますぞ! 彼奴らの前で見事、最後の徒花を咲かせてみせましょうぞ!」

 ウェールズ達は心底楽しそうに笑いあっている。ルイズは敗北という言葉に顔色を変えて、ウェールズを見ていた。

 「して、その方たちは?」

 老メイジの問いに、ウェールズはトリステインからの大使だと告げ、そのまま私たちを天守の一角にある居室に案内した。
 皇太子の居室は王子の部屋とは思えない質素な部屋であった。ウェールズは窓辺にある古びた机の引き出しに入った小箱の中から一通の手紙を取り出した。
 そして、何度も読み返したらしくボロボロになった手紙に一度目を通した後、丁寧に折りたたんで封筒に入れ、ルイズに手渡す。

 「ありがとうございます」

 ルイズは深々と頭を下げ、その手紙を受け取る。

 「明日の朝、非戦闘員を乗せ『イーグル』号が出航する。それに乗って帰りなさい」

 ウェールズの言葉にルイズは手紙じっと見つめた後、決心したように口を開いた。

 「あの殿下……さきほど、栄光ある敗北とおっしゃっていましたが、王軍に勝ち目はないのですか?」
 「ないよ。我が軍は三百、敵軍は五万。万に一つの可能性もありえない。我々にできる事は、せいぜい華々しく散って、勇敢な死に様を連中に見せつけることだけだ」

 ルイズは俯いた。

 「殿下の討ち死になさるさまも、その中に含まれるのですか?」
 「当然だ。私は真っ先に死ぬつもりだよ」

 明日にも死ぬというのにウェールズは落ち着き払った態度で、その瞳には一遍の迷いも浮かんでいなかった。
 そんなウェールズにルイズは一礼すると、躊躇いがちに口を開く。

 「殿下、失礼をお許しください。恐れながら、申し上げたいことがございます」
 「なんなりと申してみよ」
 「この、ただいまお預かりいたしました手紙の内容、もしやこれは……」
 「ルイズ様」

 静留がルイズをたしなめるが、皇太子はほんの少し悩んだ後、はっきりと言い放つ。

 「君が察しの通りの代物―それも始祖ブリミルの名において、愛を誓いあった恋文だよ。ゲルマニアの皇帝と婚約するとなれば、邪魔になる類のものさ」
 「では、姫様は、殿下と恋仲であらせられたのですね?」
 「今となっては、もう昔の話だ」


57:ゼロHiME~嬌嫣の使い魔~ 第十八話 2/3
08/07/31 14:32:04 /WUxOB6Z
 それを聞いたルイズは熱っぽい口調で、ウェールズに言った。

 「殿下、亡命なされませ! トリステインに亡命なされませ!」
 「それはできんよ」

 ウェールズはその誘いを言下に否定した。

 「そんなことは受け取った手紙には一言も書かれてはいない。なにより、王女であるアンリエッタが、そんな私情と国益を天秤にかける様な愚かなことをするはずがない」
 「ですが、殿下!」
 
 激昂してウェールズに詰め寄るルイズを、静留が背後から羽交い絞めにして押しとどめる。

 「ルイズ様、いい加減にしなはれ! これ以上はこのお方だけやのうて姫さんも侮辱することになりますえ!」
 「―! すいません、とんだご無礼を……」 

 静留に叱りつけられ、我に返ったルイズは、顔を青ざめさせてウェールズに謝罪する。

 「いや、別に構わんよ。むしろ君のように心から案じてくれる臣下がアンリエッタにいると分かってうれしく思う。さて、今宵は戦いを前にしてささやかなパーティーが行われる。我が王国最後の客として、君達には是非出席して欲しい」

 それだけ言うと、ウェールズはルイズたちに促し、ルイズ達は部屋の外に出た。だが、ワルドだけが、居残ってウェールズに一礼する。

 「まだ、何か御用がおありかな?子爵どの」
 「恐れながら、殿下にお願いしたい議がございます」
 「なんなりとうかがおう」

 ワルドはウェールズに、自分の願いを言って聞かせた。

 「なんともめでたい話ではないか。喜んでそのお役目を引き受けよう」


 パーティーは、城のホールで行われた。簡易の玉座が置かれ、玉座にはアルビオンの王、年老いたジェームズ一世が腰掛け、集まった臣下たちを目を細めて見守っていた。
 明日で自分達は滅びるというのに、ずいぶんと華やかなパーティーであった。王党派の貴族たちはまるで園遊会のように着飾り、テーブルの上には様々なご馳走が並んでいる。
 静留はホールの外にあるテラスで、デルフと共に夜風に吹かれながらぼんやりと死を前にして明るく振舞う人々を眺めていた。
 確かに敗北が決まっている戦いに赴く彼らの行為は、端から見れば愚直で滑稽なものだろう。だが、静留はそれを否定しようとは思わなかった。
 静留自身が愛するなつきの未来を守ろうと、その手を血に染め、最後は自ら死を選んだように、彼らにも死を賭して守りたいものがあるのだろう。ならば、それを否定する権利は何人にもありはしない。
 
 「シズル……」

 呼びかける声に静留が振り向く。そこには今にも泣き出しそうな顔をしたルイズが立っていた。

 「どないしました、ルイズ様?」

 優く問いかける静留にルイズは無言で抱きつくと、その胸に顔を埋めた。



58:ゼロHiME~嬌嫣の使い魔~ 第十八話 3/3
08/07/31 14:35:07 /WUxOB6Z
 「いやだわ……あの人たち……どうして、どうして死を選ぶの? わけわかんない。姫様の手紙には絶対生きていて欲しいって書いてあったはずよ……なのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」
 「……やっぱり、ルイズ様には理解できまへんか?」
 「当然よ! 大事なものを守るためとか言ってたけど……何よそれ、愛する人より、大事なものだっていうの? 残される人たちの気持ちはどうなるの!」

 そのルイズの言葉に静留は寂しげな表情を浮かべて答える。

 「あはは、なつき残して自殺したうちには、きっつい言葉ですなあ」
 「あ……ごめん、そういうつもりじゃ……」

 静留は慌てて謝るルイズを手で制し、言葉を続ける。

 「確かに死ぬために戦うのは残される人たちの気持ちを考えない身勝手な事かもしれませんな。でも、ウェールズはんは残される姫さんを愛してるからこそ、負け戦と分かってても戦うんやと思いますえ」
 「そんなのただの自己満足じゃない……悪いけど、私、ウェールズ皇太子や貴女のこと理解できない……」
 
 同意と慰めの言葉を静留に期待していたのか、ルイズは酷く失望した顔でテラスから立ち去った。

 「……やれやれ、こういう役目は婚約者の僕の領分のはずなんだが」
 「ずっと見てはったんどすか、悪趣味なことで」

 ルイズとのやり取りを見ていたのか、軽口を言いながらテラスにやってきたワルドに、静留は鼻白んだ表情で答える。
 
 「別にそんなつもりはない。宴の最中に見失ったルイズを探していて、たまたま出くわしただけさ……それより君に言っておくことがある」
 「なんどすか?」
 「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」

 そのワルドの言葉に静留はわずかに眉をピクリと動かすと、無言のままワルドに話の続きをうながす。

 「ルイズにはもう話したんだが、是非とも、僕たちの婚姻の媒酌を、あの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。皇太子も、快く引き受けてくれた。決戦の前に、僕たちは式を挙げる」
 「そうどすか。別にうちに言わんでも、ルイズ様が結婚に異存がないならそれでええんと違いますん?」
 「いやいや、僕がルイズと結婚したら君とは共に彼女を支えていくことになる訳だし、お互い妙なわだかまりはない方がいいだろう? それに君にはルイズの使い魔として、式に立ち合って欲しいからね。まあ、どうしても嫌というなら明日の朝、『イーグル』号に乗るといい」
 「そんな、ご主人様の結婚式に欠席やなんて滅相もありまへん。ぜひ立ち合わせてもらいますわ」

 静留がにっこりと笑って答えると、ワルドは満足そうにテラスから立ち去った。それを見計らったように今まで沈黙していたデルフが口を開く。

 「姐さん、あの色男、何か企んでやがると見たぜ……どうするよ?」
 「どうするもなにも、明日は決着つけんといかんやろね」

 静留はそう言って表情を引き締めると、月を見上げた。白い月の後ろから顔を覗かせた紅い月が、何故か自分が手にかけた人たちの血の色のように見えた。

59:ゼロHiME~嬌嫣の使い魔~ 第十八話 3/3
08/07/31 14:37:00 /WUxOB6Z
以上で投下終了です

60:ゼロの視線
08/07/31 14:48:01 9uYI/wKh
直後に極上のモン投下されると影薄くなるなぁ

お疲れです

61:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 15:02:18 DoJ0rbEZ
GJ!

弦之介の瞳術が発揮されるときは血の海になるから……誰が最初の生贄になるのやら。
敵役の不死身の人とかも洒落にならないし……。

62:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 15:37:56 fnsuYq8G
視線の人もHIMEの人も乙

清姫とかにも出番あるのかな?

63:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:11:15 kmQXrOWc
>>45
ダマは既に来てる。
小ネタ見るよろし。

64:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:15:30 g4c2VCMV
とりあえず来て欲しいキャラを思いついたら
まとめwikiで検索してからこちらに書き込むようにしよう。

65:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:19:03 M2001hjE
来て欲しいキャラを思いついたら自分で書くんだろ?

66:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:19:04 RiSXmhRo
俺のところにルイズが来て欲しい。

67:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:19:10 NK+edxEm
狂戦士といやぁベルセルクのガッツ、のはずなんだが・・・

68:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:22:07 9uYI/wKh
アメコミの「携帯電話の普及で電話BOXが無くなって困ってる新聞記者」は
ハルケギニアと相性良くないな。
ギーシュや土メイジにはほぼ無敵だけどそれ以外のメイジにはてんで弱い。
タバサはおろかモンモランシーにも負けるな、多分

69:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:25:25 iaz8/ySw
>>46
邪眼は月輪に飛ぶのミネルヴァがある

70:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:31:39 rY0sawFu
>>68
40メガトンの核爆発に耐えられるらしいから、スクエアクラスでもダメージを与えることは不可能だと思うぜ?
それと、カメラ映像をコマ送りしても人だとはっきり認識できない速度で走れるみたいだから、スペルを唱えてる間にフルボッコだろう

71:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:33:35 Bra1j1hU
>>68
同じページからの引用
「40メガトンの核爆発に耐える耐久力」
ルイズのエクスプローション直撃でも生き残ると思うがその辺どうよ?

緑の石があれば平民以下なのは間違いないが。

72:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:36:20 /QRGv6HR
>>68
彼は素手でビルを持ち上げ、走る速さは亜音速、空を飛べば光速にすら達する。
液体窒素のの極低温を笑って受け止め、太陽のフレアを潜り抜け、深海の水圧にも真空曝露にも平気の平左。

どうやって倒すんだ。

73:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:37:51 9uYI/wKh
>新聞記者
「魔法、魔術」及び「幻術、精神操作」の類に対する耐性が常人にはるか劣るのです
七歳児の魔力を込めた拳で殴り殺されかけましたから

74:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:41:11 9uYI/wKh
他にもテレパシーによる幻覚でバットマンを殺しかけてます。
ワンダーウーマンがテレパスを殺す事で助かったけど

ちなみに「自分を救う為とはいえ人を殺した事は絶対許せない」と彼女と絶縁してます

75:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:41:11 /QRGv6HR
>>73
ほほう。
それは知りませんでした。


なら、ワルキューレに殴られたら即死しかねんな。

76:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:47:26 Bra1j1hU
>>73
て事は精霊利用して自然現象内で魔法を起こすエルフ相手にはありえない強さ
になるのか。いや議論はスレチだわな。あのスーパーマンの弱点をまた1つ知ったよ。
どうもありがとう。

77:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:49:20 rY0sawFu
>>73
そこまで魔法に弱いのか・・・
それなら、ギーシュ戦を待つまでもなくシュヴルーズの授業で死んじまうな・・・・・・

78:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 17:50:47 l2pHayAD
相性的には最悪だけど逆に話的には面白くなる…かも?
ギーシュやフーケはともかく、アルビオン行あたりからの展開が面白くなりそうだ。

79:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:10:03 b8ttGvtB
当たらなければどうということはない

80:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:23:04 AFvn/ND5
まあクラーク・ケントは銃弾を見てから余裕で避けるからな

81:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:24:47 RlOZzf1q
取り合えず

銃弾が飛んできたらレビテーションを使えば
慣性は殺せなくても反らせそうな気がする

82:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:31:52 sCyUkCyZ
>>81
銃弾が放たれたことを認識してから杖を構え呪文を唱え反らすべき物体に対して魔法を発動……無理だろ
何らかの要因で感覚を化け物並みに強化してなきゃ撃たれたことすら理解できまいて

83:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:34:52 g41teBrJ
>82
機械で反応力を強化したバーンアウトメイジですね、分かります。

84:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:37:54 iv99liZ4
クラークケントが超能力や魔法に弱いって、確か公式設定じゃなかったと思うが

85:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 18:47:12 xVeMsjkh
さて、落ち着いたところで小ネタを投下しようかな。

ちなみに北野くんネタです。

※ゼロのエンジェルさんとは何の関係もありません。

86:最「恐」の使い魔2
08/07/31 18:52:05 xVeMsjkh
  あらすじ
 なんかこう、色々あってアンリエッタがトリステイン王国の女王に即位した。そしてル
イズは、その女王に謁見するために、王都トリスタニアへ使い魔の北野誠一郎と共に
赴くことになったのであるが…。

 登場人物

ルイズ:貧乳、ツンデレの設定だが、なんか世話好きお姉さんっぽくなった。

北野誠一郎:ルイズの使い魔(サーヴァント)。天使のような心の優しさと悪魔のような
顔を持つ男。それゆえに、数々の誤解を受ける。

 キュルケ:いつの間にかルイズの相談相手に。

 エレオノール:ルイズの姉。性格は…。

    プロローグ
 ある晴れた日、トリステイン魔法学院の中庭。外に用意されたテーブルと椅子があり、
その椅子に座っていたルイズは悩んでいた。
「どうしたのルイズ。あんた、トリスタニアに行くんでしょう?ちゃんと準備しなくていいの?」
彼女に声をかけてきたのは同じ学年のキュルケである。
「あ、荷物の準備とかはできたんだけど…、彼が」
「ああ、北野くんのことね。それがどうしたの?」
「誠一郎をあのまま都に連れて行ったら、間違いなく大騒ぎになるわ」
「そうねえ…」
 北野誠一郎。天使のように澄んだ心の持主である一方、その外見は悪魔の化身と思える
ほど怖かった。未だに彼のことを悪魔だと誤解している者は多い(ルイズの父親も含む)。
「あれ?どうしたのルイズちゃん」
 噂をすれば影。件の北野誠一郎が現れた。
 キュルケはじっと誠一郎の顔を見つめた後、急に立ち上がった。
「どうしたの?」とルイズ。
「ちょっと待ってて」そう言うとキュルケはどこかに走って行った。
 しばらくすると、彼女は変な布のようなものを持ってくる。
「何それ」ルイズは聞く。
「ローブよローブ。修道士とかが着てるでしょう?あれでこうやって顔まで隠せば、目立たなく
て済むわ」
「なるほど!キュルケ頭いい」
「じゃあ早速来てみて、北野くん」
「え、はあ…」
 誠一郎は、言われるままローブを身にまとい、フードをかぶった。
「…!」
 こげ茶色のローブを着た北野誠一郎の姿は、まるで地獄からの使者のようでもあった。



筆者注:SIREN(サイレン)2の「闇人」を想像していただきたい。
※イメージ画像(グロ注意)
URLリンク(www.famitsu.com)



   最「恐」の使い魔2
  ~戦慄のトリスタニア~

87:最「恐」の使い魔2
08/07/31 18:54:25 xVeMsjkh
 トリステイン王国王都、トリスタニア。ルイズと誠一郎は、ある建物の前に立っていた。
「ルイズちゃん、ここはどこ?」
「こ…、ここは王立魔法研究所よ誠一郎」
「どうしたの?」
「ここに私の一番上の姉、エレオノール姉さまが働いているわ」
「へえ、ルイズちゃんのお姉さんってここにいるんだ」
「今日は、カトレア姉さまから手紙を預かっているから、それを届けに来たの」
「へえ、そうなんだ。でもなんでルイズちゃん元気ないの?お姉さんに会えるのに」
「それは…」


「きゃあああああああああ!!!!」
「きえええええええええええ!!!!」
研究所の建物中にエレオノールの甲高い声(と誠一郎の怪鳥のような声)が鳴り響いた。
「落ち着いてエレオノール姉さま!」
「安心なさいルイズ!こんな悪魔、私の魔法で木端微塵よ」
「やめてお姉さま!」
「大丈夫よルイズ!お姉ちゃんは半魚人と戦って勝ったこともあるんだから!」
「いや、だから違うから」
「離しなさいルイズ!危ないわよ」
 ルイズは、姉エレオノールの体に抱きついて離さない。もしここで離したら、間違いなく
誠一郎に対して攻撃魔法を放つからだ。
「彼は私の使い魔なの!」
「なんですって!?アンタ悪魔を召喚してしまったの!?」
「違うから、彼はこんな見た目だけど、ちゃんとした人間なの」
「ウソおっしゃい!人間の使い魔なんて聞いたことないわ」
「確かにそうなんだけど落ち着いてお姉さま!」
 周りの研究員や職員に取り押さえられたエレオノールは、ようやく落ち着きを取り戻した。


「なんでアタシが取り押さえられなきゃならないのよ!捕まるのはそっちでしょう」エレオノー
ルが誠一郎を指さす。ちなみに彼女の杖は没シュート。
 とりあえず、研究所の応接室でエレオノールと向かい合う形でルイズと誠一郎は座った。
「まったく、ちびルイズは昔からとんでもないことばかりやらかして」
「お父様とけんかして庭に大穴をあけたお姉さまに言われたくありません」
「まあ、姉に向かってなんて口のきき方をするの」
「まあまあ、二人とも」
「あなたは黙ってて」
「はい…」
 エレオノールの一喝に誠一郎も黙りこむ。
「何度もいいますけど、誠一郎は普通の人間なんです」
「だからなんで普通の人間が使い魔になるわけ?」
「そういう例はないかもしれませんが、使い魔召喚(サモン・ザ・サーヴァント)で召喚してし
まったのだから仕方ないでしょう?召喚にやり直しがきかないことくらいお姉さまだってわかっ
ているはずよ」
「随分とえらくなったようね、ルイズ。まともに魔法を成功させたこともないくせに」
「こ、これから練習していきます!」
「どうかしら…」
「まあまあ二人とも」
「あなた(誠一郎)は黙ってて!!」
 今度は二人一斉に言われて、再び誠一郎は黙り込んだ。
「おやおや、また喧嘩ですの?」
 不意にルイズにとって聞き覚えのある声が。

88:最「恐」の使い魔2
08/07/31 18:56:44 xVeMsjkh
「お母様?」
「元気そうで何よりね、ルイズ。それにエレン(エレオノールのこと。家族や親しい友人
などはそう呼ぶ)」
「は…、はい」
先ほどまでの強気な態度が一転して緊張した面持ちとなったエレオノールの表情を見て、
ルイズは少し可笑しくなった。普段なら実の父親相手でも堂々と喧嘩をふっかけるエレ
オノールも、母親にだけは勝てなかった。
それもそのはず、母カリーヌ・デジレは落ち着いた外見とは裏腹に風系統のスクウェア
メイジであり、かつて「烈風のカリン」と呼ばれ恐れられていた。武闘派が多いラ・ヴァリ
エール家の中でもおそらく最強と思われる。
「エレン、あなたが今回で二十九回目の婚約に失敗したと聞いた時は心配しましたの」
「二十八回目ですわお母様」
 そんなのどうでもいいじゃない、どうせ二十九回目も三十回目も同じ結果よ、とルイズは
思ったが間違っても声には出せない。
「この人がルイズちゃんのお母さん?」
「あらやだ、あなたがルイズの使い魔ね」
ルイズ母が珍しそうに誠一郎の顔を覗き込んだ。
「まあ、噂に違わぬ悪魔ね」
「お母様、彼はこんな顔をしておりますが悪魔では」
「冗談ですよルイズ。あなたは私の娘ですもの」
「お母様」
「並みの悪魔なんか召喚しないわよね。彼は大悪魔になる素質を持っているわ」
「全然わかってない…」
 いや、むしろすべてわかった上でそんな事を言っているのかもしれない。母は父と違い色々
と裏がある人だ。エレオノールの性格が父親似でカトレアが母親似と言えば分ってもらえるだ
ろうか(筆者注:原作のカトレアやヴァリエール公爵ではない)。
「ところでお母様、お父様とカトレアはどうされました?」動揺から幾分立ち直ったエレオノール
が母に聞いた。
「ああ、主人は確か、年甲斐もなく庭で魔法を乱発したり剣を振り回したり崖から落ちそうになっ
たりしたせいで、持病の腰痛が悪化したために都に来ることができませんでしたの」
「…ルイズちゃん」
「大丈夫、誠一郎のせいじゃないわ」
 ちょっと涙目になる誠一郎をルイズは慰めた。うん、確かに彼のせいではない。
「カトレアはどうなの」とエネオノール。
「あの子も持病の仮病が悪化してこられないようよ」
「仮病が、持病?」
「気にしないで誠一郎、いつものことよ」
 頭の上に?マークを浮かべている誠一郎に、ルイズはそう声をかけた。
「それにしてもルイズ、しばらく見ないうちに大人っぽくなったわね」
「そんな、お母様」
「胸の方は全然だけど」
「大きなお世話ですわお母様」
「でも胸が大きい方が殿方は好きなんじゃなくて?」
「べ、別にそんなことはありません」
 しかしその時、
「ルイズちゃんは今のままでも十分可愛いと思うよ」
「え…!」
 唐突な誠一郎の言葉にルイズは赤面する。
「な、何よ誠一郎。こんなところで」
「ご、ごめん」
「別にいいのよ。ちょっと、嬉しかったし…」
「そう…、それはよかった」
「はいはい、昼間からラブコメは禁止ですのよ」
 二人の雰囲気をぶち壊すようにカリーヌは手を叩いた。

89:最「恐」の使い魔2
08/07/31 18:58:58 xVeMsjkh
「エレンは変わらないわね」
「悪かったですわね、お母様」
「あら、また身長伸びましたの?」
「伸びてませんから、もう」
 ちなみにエレオノールの身長は北野誠一郎よりも高い。
「エレンはね、ちょうど十二、三歳の頃私に聞いてきたのよ。どうやったら私みたいに胸
が大きくなれるかって」
「ちょっと、お母様!」突然出てきた恥ずかしい過去話にエレオノールは身を乗り出した。
「だから私言ったの。牛乳を飲めばいいんじゃないかって。この子、根は素直だから私
の言うことに従って牛乳をたくさん飲んだのね。そしたら身長だけが伸びちゃって」
「お母様!」
 顔を真赤にして起こるエレオノールを見て、母のカリーヌはケタケタと子供のように笑っ
た。
「そういえばルイズちゃんのお母さんって、お若いですね」不意に誠一郎はそんなことを
言った。
「え…?」
 一瞬の沈黙。
「あらやだ!この使い魔くんったら、そんな本当のこと言って!やーだあ!」
「痛い痛い」
 カリーヌは、先ほどよりも更に声を高めて、嬉しそうに誠一郎の肩を平手でバンバン叩く。
「いいこと、ルイズ。女はいつまでも女としての努力を怠らないことよ。そのためには気持
ちが大事なの」調子に乗ったカリーヌは、さらに語り始める。
「は、はい…」
「だからといって『永遠の十七歳』とか言うのは、ただの現実逃避よエレン」
「なんで私に言うんですかそれを!」
「エレンももう、三十二歳ですし…」
「二十七歳です!」


 そんなこんなで、何をしに来たのかよくわからない母カリーヌは、どこかへ行ってしまい、
応接間には再びエレオノールとルイズ、そして誠一郎の三人が残った。
「使い魔のあなた。ちょっとお母様に気に入られたくらいで調子に乗らないで。わたくしは
あなたをまだ認めたわけではありませんからね」
「そんな、お姉さま」ルイズは反論するも、エレオノールは頑な態度を崩さなかった。
「我がヴァリエール家にふさわしい使い魔というものがあるはずです。このような悪魔みた
いな使い魔が召喚されたとあっては、一族の名誉にかかわります」
「見た目だけでなく、ちゃんと中身も見てあげてください」
「見るまでもないわ」
「お姉さま!」
「なによ」
「そうやって外見ばかり気にしているから、今までも殿方に嫌われてきたのではないですか」
「ルイズ、あなた…!」
 ルイズの言葉にカッとなったエレオノールは、右手を振り上げた。

90:最「恐」の使い魔2
08/07/31 19:00:28 xVeMsjkh
 平手の乾いた音が部屋に鳴り響く。しかし、ルイズの頬には痛みはなかった。
「あ…」
「誠一郎!」
 誠一郎がルイズの前に立って、彼女の代わりにエレオノールに平手打ちをされたのだ。
 誠一郎は、キッとエレオノールを睨むと、懐から何かを取り出した。
「待って誠一郎」ルイズはとっさに誠一郎の服をつかんだ。
「ひっ!」思わず目を閉じるエネオノール。
 しかし誠一郎の出した物は、ひとつのハンカチであった。
「な、なに…?」
「涙、拭いてください」
「え…」
 ルイズがよく見ると、エレオノールの目に大粒の涙がこぼれているのがはっきりと見えた。
あの気丈な姉が泣いている。それはルイズにとってはじめての光景でもあった。
エレオノールのは誠一郎からハンカチを受け取り、それで涙をぬぐった。
「あなた、名前は」涙をふき終わると、彼女は誠一郎をまっすぐ見つめてそう聞いてきた。
「北野、誠一郎です…」
「そう、わかったわ。誠一郎、このハンカチーフは洗って返しますから」
「いや、いいですよそんなの」
「いいえ、そうはいきません。あなた達はこれから用があるのでしょう?それが終わったら、
また私のところへ来なさい。その時にお返しします。そして…」
「へ…?」
「その時は食事くらいは…、御馳走しますわ…」
「お姉さま?」ルイズは、不思議そうな顔をしてエレオノールの表情を覗き込む。
「か、勘違いしないでくれます?わたくしはただ、叩いてしまったお詫びをしたいだけですの。
まだ認めたわけではありませんからね!」
「わかりました」
 そんなエレオノールを見て、誠一郎は笑顔で答えた。


   エピローグ

 その日の午後、都ではアンリエッタの女王即位を記念したパレードが行われていた。
「見て、誠一郎。もうすぐ女王陛下がまいられるわ」
「楽しみだね、ルイズちゃん」
 たくさんの人混みの中でパレードの様子を見つめる二人。しかし誠一郎は、迷子になった子供
を発見したようだ。
「あ、ダメよ誠一郎!」ルイズがそう言って止めようとしたが、親切な彼の動きは止められなかった。
「うえええええん」
「大丈夫かい?どうしたの」
「パパとママが…」
 誠一郎の顔を間近で見た子供は一瞬息をのんだ。
「どうしたの?」
「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
 子供の叫び声に、近くで警備にあたっていた兵士たちが集まってきた。
「怪しいやつだ!怪しいやつがいるぞ!」
「え?え?」
「こっちへ来い!悪魔か」
「いや、魔物じゃないか!」
「ちょっと待ってください!彼は違います!普通の人間なんですううう!!」
 誠一郎が捕まり、誤解が解けるまでには夜までかかってしまい、その日のうちに女王に謁見する
ことはできなかったようである。

91:最「恐」の使い魔2
08/07/31 19:01:25 xVeMsjkh
   おまけ

 深夜、エレオノールは自宅の鏡の前にいた。
「…」
 無言で鏡を見つめる彼女。そして次の瞬間、表情を変えて言い放った。
「私エレオノール、十七歳です(はぁと)」
 …沈黙。
「ふっ、私もまだまだいけるわね」そう言うと、部屋の中には怪しい笑い声が静かに響く
のであった。


   おしまい

92:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 19:12:52 IEYvfc+r
中の人自重しろwww

93:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 19:46:34 hJhFKJok
>>91
あえて言おう

オイオイ(ウサ耳仮面並の棒読みで)

94:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 19:56:31 RnAOBRdx
>>こげ茶色のローブを着た北野誠一郎の姿は、まるで地獄からの使者のようでもあった。
この姿の北野は間違いなく闇人に仲間扱いされる

95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 19:58:32 8MzYwU6d
1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/07/31(木) 19:53:16 ID:8aWHobLo
1000ならお前らの創作能力が数十倍になる

だがゼロはいくら掛けても(ry

96:虚無と狼の牙
08/07/31 19:58:56 n7jFVdnL
ウルフウッド、8時10分くらいから投下します。

97:虚無と狼の牙
08/07/31 20:10:18 n7jFVdnL
虚無と狼の牙 第十二話

 ラ・ロシェールからアルビオンへと続く空、そこに浮かぶ船の上で一人のおっさんが頭を抱えていた。
「ちくしょー、破産だ。あぁ、もう破産だ。こんちくしょう……」
 どんよりとした空気の漂う甲板で一人両手を付いてうなだれる。
 なんでこんなことになったのだろうか。やっぱり人の不幸を当てにして一儲けしようとしたのが間違っていたのだろうか。神様、これは私への天罰でしょうか? 
あぁ、ならば懺悔いたします。というか、懺悔させてください。それでなんとかなるならいくらでも懺悔させてください。
 おっさんが一通り身勝手な反省をしたとき、何か鈍い音が目の前でして、おっさんは顔を上げた。
 そこには彼の願いを聞き入れたのか、牧師が一人立っていた。
 なんという天からの使い! あぁ、俺の願いは天に聞き入れられたのか! あぁ、今ここで懺悔すれば、オレの罪は赦されるのか!
「ぼ、牧師様! 私は、私はあぁ―ゲフッ!」
 な、なぜ牧師様は私の顔に十六問キックを……?
「……なぜ蹴る?」
 冷ややかな目で男たち二人のやり取りを見ながら、竜から降りるタバサ。首をかしげながらウルフウッドに尋ねる。
「なんかおっさんがいきなり抱きついて来ようとしたから、つい」
 そして、急に抱きついてきたおっさんの顔に見事な十文字キックを食らわせたまま、どうしたらいいのかわからずそのまま固まっているウルフウッド。
「あぁ神よ、そんなに私が憎いのか……」
 おっさんの悲しい声だけが空っぽの空間にゴウゴウとこだましていた。

「おい、おっさん。手短にワイの質問に答えてくれ」
 おっさんはまだどこかに行ってしまった様な目をしていたが、とりあえずウルフウッドの言葉には頷いた。
「あんたら、ラ・ロシェールで人を乗せたか? 一人は長身の大男で髭面で帽子かぶっていてなんかキザで嫌味で『僕仕事できる子だから』ってオーラがいけすかんヤツ。
もう一人が髪の毛がピンクがかった小娘で、身体も小さけりゃ胸も小さいくせに態度だけは一人前にでかいヤツ」
 おっさんは見事に特徴を捕らえているのはいいが、その表現はどうかと思った。
「乗せたよ。あぁ、そうさ。欲をかいてそいつらを乗せて飛んじまったせいでオレたちはこんな目に遭ったんだ」
「こんな目?」
「空賊だよ、くーぞく。オレたちはそいつらに襲われて積荷の硫黄を根こそぎ持っていかれちまったのさ」
「……んで、その二人は?」
「連れいていかれたよ。なんでもあいつらはトリステイン貴族様らしいからな」
 ウルフウッドは舌打ちをすると、くるりとタバサのほうを振り向いた。
「すまんな、ちっこいじょうちゃん。またトラブルや。あいつらどうやら賊に拉致られたらしい。苦労してあいつらの乗った船を見つけたと思たら、ほんまに次から次へと……」
「追う?」
 タバサがシルフィードの首を撫でながら尋ねた。
「あぁ。ここまで来たし、もうしゃあないわ。竜はまだいけるか?」
「問題ない。まだ大丈夫」
 タバサにあわせてシルフィードが「きゅいきゅい!」と鳴いた。
「頼もしいかぎりやな」
 そして、ウルフウッドはまたおっさんのほうを振り向いた。
「ちゅうわけや。その賊がおじょうちゃんたちをさらったのはいつぐらいや? んで、そいつらはどっちの方角へ行った?」
 ここでおっさん思いついた。
 こいつらも例の貴族の知り合いらしい。ということはそれなりに金を持っているはずだ。ならば、せめてもの損失補填をさせていただこうか。
「別に構わないけどよ。こっちだってそれなりの痛手を払っているんだ。きっちりと貰うもんは貰わないと教えられないな」
 おっさん、してやったりと思った。
「……そうか、まぁしゃあないな」
 ウルフウッドはにやりと笑うと、
「これがお礼や。存分に取っとき」
「え……?」
 おっさん、とりあえず今日はとんでもない厄日だと思った。そして、二度と欲をかかないことを固く固く誓った。



98:虚無と狼の牙
08/07/31 20:11:37 n7jFVdnL
 雲の中を飛ぶシルフィードからウルフウッドたちはその下の様子を窺っていた。
「あれは……」
「戦艦」
「なるほどな。通りでごつい得物をぶら下げているわけやで。じょうちゃんたちが連れて行かれたんはあの船で間違いないか?」
「多分。聞いた特徴とも一致している」
 ウルフウッドたちの眼下にある船の上では見張りらしき男が辺りの様子を注意深く窺っているのが分かる。
幸い彼らの注意は戦艦のような大きな船に集中しているようで、雲の影に隠れた竜には気付く素振りはなかった。
「ワイがあそこに乗り込むから、ちっこいじょうちゃんは一旦戻って、残っている連中に経過を伝えておいてくれ」
「わかった」
「お前もこんなクソ重い銃を運んでくれて、ご苦労やったな」
 ウルフウッドはシルフィードにも声を掛ける。シルフィードは得意そうに「きゅいきゅい」と鳴いて、首を振った。
「ちゅうわけや、行くで」
 ウルフウッドは左手に持ったデルフリンガーにも声を掛ける。
「……なんだよ、敗戦処理に使っておいてさ。何が今更行くよ、だ」
「まぁ、そう拗ねるなて。むやみに弾薬を使うわけにはいかへんから、必然的にお前に頼る頻度も上がるわ」
 ウルフウッドは繊細な心を持つ剣の扱いの難しさに苦笑いをする。
「じゃあ、ちっこいじょうちゃん。近づけてくれ」

 見張りに立っている男はつまらなそうに辺りを見回していた。
「こうやって空賊のふりをするのも今日で終わりか。なんだか、妙な気分だな、本当に」
 そう呟きながら、退屈そうに甲板の柵に上半身をゆだねる。
「明日総攻撃をするっていうのに、貴族派の連中もこんな日には戦艦なんか動かさないだろうによ。
にしても、こんな日にあんなわけの分からないメイジを二人も拾って、一体どうするつもりなんだろ……ん?」
 男の耳に何かがドスンと落ちる音が聞こえた。
「なんだ?」
 男が音のしたほうを振り向いた瞬間に目に入ったのは、大きな手。それで口をふさがれると、「すまんな」という声が聞こえて、男はそれから意識を失った。
「……杖? メイジか、こいつは?」
 倒れた見張りの服の裾から転がり落ちた杖を手にとるウルフウッド。まるでメイジであることを隠すように、杖を持っていたことが気にかかる。
 ウルフウッドは当身で気絶させた見張りの男を物陰に隠すと、ゆっくりと辺りを見回した。幸いにして辺りに人はいない様だ。
「相棒……」
「なんや?」
「お前さん、なんかこういった悪事にすごく慣れている感じだね」
「じゃかあしい」

 空賊たちに捕らえられ、この部屋の閉じ込められてから数時間ばかりが経ったのだろうか。その間、ルイズは何もやることがないまま、じっと座っていた。
すぐ傍にワルドがいたが、とても話しかけるような気分にならない。
 なんでこんなことになってしまったんだろうか、と思う。このまま、もう二度と故郷に帰ることは出来ないんじゃないか―
こうして何もせずにじっとしていると想像は悪い方向へばかり傾いていく。
 ありふれたおとぎ話みたいに、かっこよく誰かヒーローが助けに来てくれないかなと考えた。しかし、そんな都合のいい話なんてあるはずがない。
この年になってそんな都合のいい話を信じていられるほど、子供じゃない。
「じょうちゃん」
 え―
 疲れと不安のあまりの幻聴だろうか。聞きなれた声が聞こえた気がした。
「ちょっとでかい音するで。耳塞いどきや」
 再びドアの向こうからは聞きなれた声。これは幻聴なんかじゃない? そして、ガコォンという激しい音と共にドアの蝶つがいごとねじまげて、ひしゃげたドアが開かれた。
 ルイズの目の前にパニッシャーの白い姿が映る。どうやら、このパニッシャーがドアを叩き破ったらしい。
「無事か?」
 何事もなかったかのように、こじ開けたドアから顔を出したのはウルフウッド。自分の、使い魔。
 思わずルイズはウルフウッドに駆け寄った。しかし、言葉がうまく出てこない。
 ウルフウッドはほんの少しだけ頬を緩めると、ゆっくりとルイズの頭を撫でた。

99:虚無と狼の牙
08/07/31 20:13:14 n7jFVdnL
「でかい口を叩いた割には、随分なご様子やな」
「あいにく僕は君ほど前後の見境なく行動しているわけではないのでね。むやみやたらと暴れるわけにはいかないのさ」
 大して動じることなくワルドは立ち上がった。そして、ドアの前で気絶している見張りを一瞥する。
「一体どうするつもりだい、使い魔君? 助けてくれたのはいいが、派手にやったせいでこれでは相手に筒抜けだ」
「じょうちゃんを助けるだけの時間だけ稼げたらええ。それさえ出来たら、あとは気付かれようがかまわへん。ここは空の上。逃げ場がないのは相手も一緒や。
よっぽどのことがない限り、ワイらを道連れに仲良く墜落する道は選らばへんやろ」
「一理はあるね。しかし、空賊相手にこの人数で対抗できると思うのかい?」
「こんな船の中で、連中も派手な魔法や火薬を使った攻撃とかはできひん。なら、小回りが効く分、オレに利がある」
 ワルドはふっと鼻で笑った。
「なるほど。確かに、そういう意味ではこの場での戦闘には君が適任かもしれないね」
「それにや、もともとここの連中にはいろいろと訊きたいことがあったんやろ?」
「どういう意味だね?」
「お前らを助けるのに、何人かこの船の人間をぶっ飛ばしたったけど、全員杖を持っとった。ただの賊にしてはあまりにメイジの数が多すぎる。っちゅうことは、おそらくこいつらの正体は貴族。
大方、クーデターにあって逃げ出した体制派の残党がドサクサに乗じて火事場泥棒みたいな真似をしとるいうところちゃうか。
戦況的に有利な反体制側がそういう真似をする必要があるとは考えにくいしな」
「……常識には疎いくせに、洞察力はなかなかのものだね、使い魔君」
「まぁ、そういうことや。なんにせよ、目的地がある以上、この船はハイジャックさせてもうことになるで。……で、ところでじょうちゃん、いつまでしがみついているんや? 動きにくいんやけど」
 ルイズは顔を赤くすると、あわててウルフウッドから離れた。

 船内を歩き回る三人。しかし、意外なほどに人影が少ない。
 おそらく、相手はどこか一箇所に固まって待ち伏せをする作戦だろう。とすれば、その場所はおそらく―
「操舵室っちゅうのはこっちでええんか?」
「あぁ。大体こういった船のつくりというのは同じだからね。おそらくは扉を開けたら集中砲火といったところかな」
 ワルドが嫌味っぽく笑う。ウルフウッドはそれを軽く流すと、
「ところでじょうちゃん、あんたら船の乗るために桟橋に向かったときに仮面の男が現れへんかったか?」
「え? ええ。確かに仮面の男が襲ってきて、わたしはさらわれそうになったけどワルドが助けてくれたわ。
ライトニングクラウドとか高位の魔法を使っていたから、低く見積もってもトライアングルクラスの力はあるメイジだと思うけど……でも、どうしてそんなことを知っているの?」
「こっちもあの後で例のフーケに襲われてな。そんときに仮面の男がおったから、もしかしたらそいつがそっちを襲ってへんかと思ってな。……無事やったらそれでええわ」
 ウルフウッドはそれ以上仮面の男について話すことはしなかった。
一応、あの後タバサに瞬間移動の魔法があることを訊いてみたが、そんな魔法は聞いたことがないとの返事だったし、なによりこの状況で余計な心配事は増やしたくない。
 ウルフウッドはワルドをちらりと見る。
「おそらくは、貴族派のメイジだろうね。どういう経緯で情報が漏れたのかは分からないが、どうやらこちらの動きをある程度把握しているようだ」
 ワルドが無表情に答えた。


100:虚無と狼の牙
08/07/31 20:15:50 n7jFVdnL
 ウルフウッドたちは操舵室の扉の前にたどり着いていた。船内は不思議なほどに静まり返っている。静かに息を潜めるルイズをウルフウッドは振り返った。
「それじゃあ、開けるで」
 そう言って、ゆっくりと扉を開けると、十数人のメイジたちがウルフウッドたちに杖を向けていた。
 ウルフウッドは軽くひゅうと口笛を吹くと、両手を挙げる。彼らの真正面には白髪の長髪で眼帯をした以下にも空賊というような男が立っていた。おそらくはこの男が船長だろう。
「てめえら、空賊の船を襲うなんざどういう了見だ? ただの馬鹿か、え? そっちのお二人さんは後で尋問してやるつもりだったから、ちょうどいいや。お前ら、何が目的だ? 包み隠さず答えな。さもないと」
 船長は彼の周りに控えるメイジたちに目配せをする。
「お前らの体が穴だらけになるぜ」
 ウルフウッドは「どうする?」という視線をルイズに送った。ルイズはこの部屋に足を踏み入れてからずっと、まっすぐに船長を見据えている。
「まずは大使としての扱いを要求するわ」
「随分と、大きく出るじゃねえか」
「あんたたちの正体はわからないけれども、これだけ多くのメイジを抱えていることを考えると、ただの空賊じゃないわよね? 大方、王党派の貴族が使えるべき主を見限ったのはいいけれども、今更貴族派にもなれずこうして身を落としているのじゃないかしら」
「ふん。なかなかの洞察力だねえ、お嬢さん」
 ウルフウッドはその話はもともと自分が言い出したことだと思ったが、突っ込みは無粋だと思ったのでやめておいた。それよりも、問題は相手がどう出るか、だ。
相手に魔法を打ち込まれたとしても、パニッシャーがある以上おそらくは防げるだろうが、その後をどうするか。如何せん相手の数が多い。今までのように簡単にはいかないだろう。
「本当はそんな恥知らずどもとは一言も口を聞きたくないんだけれどもね。それでもこちらはトリステインからの大使としてこの国へやってきたの。アルビオンのウェールズ王子に用があるから、あんたたちから情報を頂こうって話よ」
 船長はフンと鼻で笑う。
「ってことはあんたら王党派なんだな?」
「ええ、そう言ったわ」
「あんたらも馬鹿だねえ。あいつら明日にでも消えちまうよ。そんな連中に何の用だ?」
「あんたたちみたいな人間に言う気はないわ。ウェールズ王子たちの情報を渡して、そしてわたしたちをアルビオンまで案内しなさい。そうすれば許してあげるわ」
「おいおい、立場ってもんをわきまえてくれ。あんた、自分が命令できるような立場にあると思うのかい?」
 ウルフウッドたちに杖を向けたメイジたちがわざとらしく杖を動してみせる。
「あんたらに下げる頭なんかないわ」
「くくっ。貴族派の連中はなんでも人手不足でメイジを探しているって話だ。オレたちも元王党派だが、さっきかっぱらった硫黄を手土産に連中のお仲間に入れてもらおうかと考えていてね。
どうだい、おじょうさんたちもこっち側に付く気はないか? そっちのほうが賢明だと思うがね」
 ルイズは両手を震わせて、それでも相手を見据えて立っていた。たいしたもんだ、とウルフウッドは思う。こうして銃口を突きつけられてもなお自らの矜持を失わないとは。

101:虚無と狼の牙
08/07/31 20:17:01 n7jFVdnL
「最後通告だ。貴族派につく気はないか?」
「くどいわね。絶対に嫌と言ったら、嫌よ」
 ウルフウッドは小さく頭を振ると、ルイズの前に立った。交渉決裂に奴らが魔法を放つなら、自分がルイズの盾になる。そう思っての行動だった。
「何のつもりだ? 貴様」
「一応ワイはこのじょうちゃんの使い魔やからな」
「使い魔? お前が?」
「あぁ」
 船長は愉快そうに身体を揺らして笑い始めた。
「たった一人で主人を取り戻しに空賊船に乗り込んでくる使い魔と、杖で脅されても一歩も引かないご主人様か。まったく、トリステインの貴族は気ばかり強くでどうしようもないな。まぁ、どこぞの恥知らずどもよりかは何百倍もマシだけどね」
 突然今までのドスの効いた低い声から、快活な口調を変えて、愉快そうな声を上げた。
「失礼したね。貴族に名乗らせるなら、こちらから名乗らなくては」
 周りに控えた空賊たちが、杖を収めていっせいに直立した。
 船長はゆっくりと頭に手を伸ばすと、自らの白髪をむしりとるように外した。その下から金色の髪が露になった。そして、眼帯を取ると、澄んだそれでいてどこか人懐っこさを感じさせる碧眼でウルフウッドたちを見た。
「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……本国艦隊といっても、すでに本艦『イーグル』号しか存在しない、無力な艦隊だがね。まあ、その肩書きよりこちらのほうが通りがいいだろう」
 金髪の男はクスリと笑うと、
「アルビオン国王子、ウェールズ・テューダーだ」



「まさかこんな形で目的の人物に会うとは思わへんかったで」
 ウルフウッドの言葉にウェールズはニコリと笑うと、
「こちらにも色々と事情があるのだよ」
 そして、硫黄の入った袋を持ち上げてた。
 王子自らがそんな事を、と周りの側近に止められていたみたいだったが、ウェールズはただ一言「ここまで来て王子も何もないだろう。私は自分に出来ることはしっかりやっておきたいんだ」と笑って聞き入れなかったのだった。
「君は君のご主人と僕がどんな会話をしたかについては訊かないのかい?」
「その件に関してはワイはノータッチや」
 ウルフウッドは硫黄の入った袋をふた袋担ぐと無愛想に歩きはじめた。
 彼らは首都ニューカッスルの真下にある彼らしか知らない秘密の港に船を着け、例の船から奪った硫黄を運び込む作業をしていた。
「どうするつもりや? こっから戦況をひっくり返せる自信はあるんか?」
 ウェールズは微笑むと
「我が軍は三百。敵軍は五万。万に一つの可能性もありえない。我々にできることは、はてさて、勇敢な死に様を連中に見せることだけだ」
「死に戦か」
「そうだね」
 ウルフウッドは微笑んだままのウェールズを短く一瞥すると、「アホが」と呟き、そのまま先を歩いた。

102:虚無と狼の牙
08/07/31 20:18:03 n7jFVdnL
 ウルフウッドがウェールズからあてがわれた部屋に戻ると、そこにはルイズがいた。ウルフウッドは右手を挙げて軽く挨拶をする。
「よう、じょうちゃん」
「よう、じゃないわよ! あんたウェールズ殿下に失礼な態度は取らなかったでしょうね?」
「別に。ワイは普段どおりや」
「それが失礼だっていうのよ!」
 ルイズはピンク色の髪を大きく振るわせてウルフウッドを怒鳴りつけた。しかし、ウルフウッドはそれには構わず、淡々と服に付いた埃を払った。
「……じょうちゃん。随分カリカリ来てるな。なんかあったんか?」
 穏やかなウルフウッドの声。そのウルフウッドの言葉にルイズはうつむいた。
「明日、この城に貴族派の総攻撃がかけられるらしいわ」
 そして苦しく息を吐くように言った。
「どうなると思う?」
 不安そうに尋ねるルイズ。おびえた子供のような目がウルフウッドを捉える。
「あかん、やろな。なによりも肝心のこっち側のほうが勝つことをあきらめてる時点でどうしようもないわ。……じょうちゃんはじょうちゃんの目的は果たせたんか?」
「ええ。殿下から手紙は受け取ったわ。けれども―ねぇウルフウッド。どうしたらいい? どうすればいいと思う? 死ぬなんてダメよ、絶対。姫様もきっと」
「わからん。ワイにはわからん」
「でも」
「わからんもんは、わからん」
 ウルフウッドは自分に言い聞かせるように呟くと、ゆっくりと床に腰を下ろした。ルイズはそんなウルフウッドの態度に、顔をうつむけると、
「……ウルフウッド」
「なんや」
「わたし、さっき、ワルドに求婚されたわ。殿下に式を見届けてもらって、ここで式をあげるって」
 ウルフウッドは何も言わないままに目をつぶっている。
「ねぇ、どうするべきだと思う? この結婚、お受けするべきだと思う? ねぇ、ウルフウッド? わたしはどうしたら―」
「……知らん。それはおじょうちゃんが決めるべきことや」
「何よ、さっきからわからない、知らないって」
「しゃあないやろ」
「何が仕方ないのよ!」
 ルイズは大声を上げて、立ち上がった。
「何よ! 人が真剣に悩んでいるのに、あんたはどうでもよさそうに! あたしのことなんかどうでもいいんでしょ! そうよね、どうせあんたは強引にわたしの使い魔にされたようなもんだし、だから別にわたしのことなんか」
 ルイズは息を荒くして、肩を大きく上下させる。燃えるように力強い光を放つ瞳には、大粒の涙が宿っていた。
「あのときだって、あんたはわたしじゃなくてキュルケたちを守るために残ったし、それで、わたしが仮面の男に襲われたときも、空賊に襲われたときも、助けて欲しかったときにいなくて……わかったわよ。
あんたにとってわたしなんてどうでもいいのよね。だったら、あんたなんかどうでもいい! 好きにさせてもらうわよ!」
 ルイズは走って、乱暴にドアを開けると飛び出していってしまった。彼女の残した空白の中にぼんやりとウルフウッドは佇む。
「なぁ、相棒。あんまし貴族の娘っ子を怒ってやるなよ」
 デルフリンガーの鍔が鳴る音がカチャカチャと響いた。
「わかっとる」
「いろいろあって、きっといろいろありすぎて、ちょっと混乱しているだけなんだ。本心じゃねえよ」
「わかっとる。……ちゃんとわかっとるわ、ワイにはどうしようもないこともな」
 ウルフウッドはぼんやりと天井を眺める。きっとこの天井も明日には跡形もなくなってしまうのだろう。



103:虚無と狼の牙
08/07/31 20:19:04 n7jFVdnL
 人々の喧騒が聞こえる。時折巻き起こる歓声。彼らは踊るのだろうか。そして、踊りきれるのだろうか、悲しいラストダンスを。
「やぁ、こんなところにいたのか。そんなところで人から外れて一人で飲む酒など、大しておいしくもなかろうに」
「こういうのは苦手でな」
 最後の晩餐。そこに参加したウルフウッドは一人外れた場所で酒を飲んでいた。その姿を見つけたウェールズは酒を片手にニコニコと笑いながらウルフウッドの隣に腰掛ける。
「しかし、実に君は失礼な男だな」
 ウルフウッドはため息をついた。また貴族特有のへんなプライドで難癖をつけられるのか。
「悪いか?」
「あぁ、悪いね。実に悪い!」
 ウェールズは愉快そうに笑う。
「私が自分の名を名乗ったのに、君は私に名を名乗っていないではないか!」
 ウェールズはウルフウッドの目を悪戯っぽく覗き込む。
 ウルフウッドは面食らった。今まで出会った貴族の中で、自分を対等に扱おうとした人間はいなかったからだ。
「ウルフウッド。ニコラス・D・ウルフウッドや」
「そうか。では改めてよろしく。ニコラス君!」
 屈託のない笑顔で握手を求めてくるウェールズ。ウルフウッドは頭をかきながらその手を取る。
「変わっとるな、あんたは」
 ウェールズは「ん?」と首を傾げると、
「何を言う。ここまで来て貴族も平民も使い魔もあるか。私は勇気のある人間、誠意のある人間を尊重する。
たった一人で女性を守るために空賊の船に乗り込んできた君の勇気、その勇気の前には形だけの貴族など価値もない土クズも同然だ。今回の一件で実にこの身に染みた教訓だよ」
「ほめすぎや。ワイはそんな出来た人間やない」
 ぶすっとするウルフウッドの背中をウェールズは愉快そうに叩く。
「少し、酔ってしまっているのかな? 私の行動が粗暴でも多めに見てくれたまえ。無礼講というヤツさ」
 カラカラと笑うウェールズ。明日死ぬ男の最後の晩餐。
「空元気はええで。誰かて死ぬのは怖いんや」
 ウルフウッドがぼそりと呟くように言う。
「……そうだな。全く持ってしてその通りだ」
 ウルフウッドの言葉にウェールズが笑うのをやめて、空の一点を見つめた。その目は驚くほどに澄み切っていた。
「けど、死ぬのが恐ろしいのは事実だが、しかしそこまで恐れてもいないのも事実なのだよ。私には果たさなければならない義務がある。守らなければならない名誉がある。それが私の恐怖をやわらげてくれている」
「お前ら貴族いうのはわけわからんわ。そんなに名誉が大事か?」
「……そうだな。少し違うかな。きっと私を突き動かしているのは名誉、などではなく罪の意識だろう」
「罪?」
「私たちの至らなさのせいで今回の戦は起こってしまった。そのために多くの部下、そして民草の血が流される。そんな中で、この国の王子である私がわが身かわいさに逃げ出せると思うかね? 
出来やしないさ、そんなことは。君が今日会った人々のほとんどがきっと明日死ぬ。それも愚かな私たちのために」
 ウェールズは澄み切った瞳をウルフウッドに向けた。
「だから死を恐れるわけにはいかない。私には最後までアルビオン王家の矜持を貫き通す義務があるのだ。私は最後の最後まで奴らに立ち向かう」
 ウルフウッドは静かに目を閉じた。
「アホタレが。何もかも悟ったような口叩きやがって」
「まったくもってしてその通りだな」
 ウェールズとウルフウッドは同じ月を見上げる。月は変わらずに空に上っていた。彼らアルビオン王家が栄華を誇った夜も、そして滅亡へと向かうこの夜も。

104:虚無と狼の牙
08/07/31 20:20:06 n7jFVdnL
「ニコラス君。君に頼みたいことがある」
「なんや」
 ウェールズは左手にはめた指輪を取り外した。
「アルビオン王家に伝わる風のルビーだ。トリステインに伝わる水のルビーと対をなす始祖の秘宝だよ。これを君に預かってもらいたい」
「ワイに?」
「明日、私たちはみな名誉の戦死を遂げるだろう。それは構わないのだが、例の野蛮な貴族派の連中にこのアルビオン王家の秘宝を渡すわけにはいかない。君なら信用できる。預かってくれ」
「……預かって、オレはこれをどうしたらええんや?」
「この国にサウスゴータという都市がある。そこのウェストウッドという場所にそれを埋めて欲しい」
「ウェストウッド?」
「私たちアルビオン王家の愚行の象徴のような場所さ。獣ですら、兄弟で殺しあうことはないのに、私たちは―。思えば、そこでの我々の愚行が王家崩壊の序曲であったのだろうな。
とにかくその場所こそが、我々アルビオン王家の墓碑銘を刻むにふさわしい」
「なんで今日会うただけの貴族でもなんでもないワイなんや」
「言っただろ、君は敬意に値する人間さ。なんならもう少し褒め言葉を並べさせてもらおうか?」
 悪戯っぽく笑うウェールズにウルフウッドは「もうええ」と苦笑いすると、受け取った風のルビーをポケットにしまった。
「わかった」
「ありがとう。それと、明日早朝にワルド子爵とヴァリエール嬢の結婚式を執り行うつもりだが―君はどうする?」
「どうもこうも、じょうちゃんの決めたことや。なら、オレには関係ない」
 ウェールズは困ったように笑った。
「確かに君の気持ちも大事だが、彼女の気持ちも少しは思いやってあげたほうがいいのではないかな」
 ウルフウッドは静かにウェールズの澄み切った目を見つめる。
「いや、こんな亡国の王子の言うことさ。そんなに真に受けないでくれたまえ」
 そしてウェールズは「さて」と呟くと立ち上がった。
「そろそろ僕はパーティーの席に戻るとするよ」
 ウェールズはにこりと笑うとゆっくり右手を差し出した。ウルフウッドも立ち上がると、その手を取る。明日死に行く人間の手は、暖かかった。
「明日、ヴァリエール嬢の結婚式が終わった後、イーグル号で非戦闘員を脱出させる。君も彼女とそれでここから脱出してくれたまえ。そして―」
 そこでウェールズは小さく息を呑んだ。
「最後の最後に君と出会えてよかったよ、ニコラス。始祖ブリミルのお導きに感謝しよう。―あと、アンリエッタには私は勇敢に戦ったと、そう伝えてくれ」
 そして、ウェールズの手の暖かさがウルフウッドから切り離された。

105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 20:20:09 e5NDzsQR
しえん

106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 20:20:17 Bf5dmki0
しぇん

107:虚無と狼の牙
08/07/31 20:21:11 n7jFVdnL
以上で投下終了です。

108:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 20:49:44 8MzYwU6d
狼乙
パニッシャーの存在がワルドに知られちゃってるけど、ランチャーで逆に虚を突けるな
喰らったらワルド死ぬけどw

109:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 20:53:36 3Eaz/fBf
もしも、召喚されたのが初代ゲッターチームだったら…
武蔵「コイツは、たまげたなぁ…」
隼人「俺たちは、ハルゲニアという異次元に召喚されてしまったようだ」
龍馬「オレに、ワカるように説明しろオオォォー!」

110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 20:53:51 sj/kmqpy
狼GJ!
ここでサウスゴータの話が出てくるのは新鮮だった

ワルドの能力はかませとしても高水準
強力な使い間の攻撃も少ない回数なら分身で身代わりに出来るんだぜw

111:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:10:40 Q33Tjrt7
ぼくらのからジアースを召喚してルイズを初め学園の生徒が契約してパイロットになり順に死んでいくというウツ展開を…。

112:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:11:34 Ud6aaRAD
それだったらむしろコエムシ召喚では?
最後はジアースと戦って滅亡する展開しか思い浮かばなかったが

113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:12:51 8SnGi22e
>>95
あえて言おう。
誰がうまいことを言えとwww

114:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:23:22 LLDb+19I
>>109
おいおい、その竜馬の世界だと初代ゲッターチームは
早乙女博士・コーウェン博士・スティンガー博士だぜ?

115:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:26:05 b8ttGvtB
>>109
は原作版じゃないのか?

116:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:30:48 LLDb+19I
>>115
あのセリフは真!だろ? 原作の竜馬にあんなセリフ無いぞ。

117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:34:09 5wV94h4/
今週のLCを読んでちょっとぐらいなら聖闘士も武器を使ってもいいんじゃないかと思ったり
まあデルフを出さなければいいだけなんだけど

118:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:41:05 GgGYBwms
新ゲッターロボの狂気に溢れた三人を召喚してはどうだろうか。

119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:43:06 SisUeoB4
チェンゲは唯一隼人が置いてけぼりにされなかった作品だな

120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:46:48 3j0l2baO
>>118
そもそも狂気に溢れていないゲッターチームがいるのかという疑問が

121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:48:22 WaXOqsKR
>>120
スパロボゲッター

122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:49:23 C2XCr7oX
新ゲ出すならあの脱獄が成功して大喜びの凶悪犯にしか見えない出撃シーンを
うまく組み込んでくれたらそれだけで全部許せる

123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:49:53 Mdp+tyBd
>>120
アニメの無印とG

とりあえず新ゲは2話のスイッチ入った隼人が最高

124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:49:59 R6bagQjX
>>121
スパロボアンソロジーでのゲッターGからゴウまでの空白期間のゲッターチーム

125:蒼い使い魔
08/07/31 21:51:29 +HsqeLaN
とりあえず、第九話完成いたしました、
あいかわらず貧相な文でがんばっとります…
問題ないなら22時くらいに投下します

126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:55:18 sd1hxbyz
俺は鏡の山は面倒だから一回しかやっていないな。
もちろん村人に教えて俺涙目wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

そろそろ10周年でなにかやるぜ! といっても1週間しかないんだよな。
なんかカードワースを記念できることは無いかなぁ?

127:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:55:48 EevxSe5Y
バージル事前支援

128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:56:11 sd1hxbyz
すまん。誤爆だ

129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:57:24 Tef5/aPs
支援準備

>>126
俺と同じスレに入り浸ってるな貴様っww

130:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 21:58:48 sd1hxbyz
紫煙


>>129
スレで発見したな貴様っ!

131:蒼い使い魔
08/07/31 22:00:04 +HsqeLaN
ギーシュとの決闘が終わり、ルイズはさっさと歩いて行くバージルへ駆け寄り質問する
「ねぇ、さっきの剣、あれってなに?先住魔法なの?」
「…?そんなものは知らん、あれは魔法ではない、俺の魔力を剣の形にして打ち出しているだけだ」
「そ、そう、そういうのを魔法っていうんじゃないかしら…、
あと、さっきの決闘、殺しちゃだめっていう命令を無視しかけていたとはいえよくやったわ、褒めてあげる」
そうルイズは言うと少し顔を赤くして俯く。
「フン…」
背中を向けたまま短く鼻を鳴らすとバージルは先ほど取り損ねた昼食をとるために食堂へと向かった。

バージルとルイズが食堂へ辿り着くとそこにはギーシュとの決闘騒ぎの発端となったメイド―シエスタが立っていた。
シエスタはバージルの姿をみるとすぐに駆け寄ってきた。
「あぁっ!バージルさんご無事でしたか!申し訳ございません!私のせいで危険な目にっ…!
お怪我はありませんか?私ずっと心配でっ…!」
「少し黙れ、俺は何ともない、それより食事を用意しろ。」
泣きそうな顔で心配してくるシエスタにうんざりしたようにバージルは言った。
「はっ、はい!本当に申し訳ございません!すぐにご用意いたします!」
そうバージルに命じられ、深く頭を下げてからシエスタは厨房へ走って行った。
そんなバージルを見て後ろにいたルイズが低い声で話しかける
「あんた…あのメイドと随分仲がいいみたいね…、ご主人様を差し置いて、い、いい度胸じゃない…!」
そういえば、食堂でこいつとあのメイドが親しげに(?)話していたのを見た気がする、
「貴様の服を洗わせただけだ、貴様が知る所ではない」
「だっ!だからっ!ご主人様に向かって貴様って言うな!もうっ!なによ!もうアンタなんか知らないんだから!」
蚊帳の外に置かれたあげくに、バージルの冷たい態度に堪忍袋の緒が切れたのかルイズはどすどすと歩いてどこかへ行ってしまった。
「…?」
怒りの歩調で歩き去るルイズを呆れるような目で見送ったバージルは後を追うわけでもなく厨房の中へ入って行った。


132:蒼い使い魔
08/07/31 22:01:12 +HsqeLaN
バージルが厨房へ入ると、ガタイのいい偉丈夫が大手をふって出迎える
「おう兄ちゃん!シエスタから聞いたぞ!貴族のガキを決闘で打ち負かしたんだってな!」
「…?誰だ貴様」
熱く歓迎している男に対しぶっきらぼうにバージルは返す
「あぁ、名乗るのが遅れちまったな!俺はマルトー!ここのコック長だ!お前さんはシエスタの恩人だ!
今からとびっきりの料理をふるまってやらぁ!そこで待ってろ!」
そういうと、マルトーは調理場へと意気揚々と入っていく。
そんなマルトーを一瞥し、バージルは適当なテーブルへ着くと、シエスタが話しかけて来る。
「今朝お出ししたシチュー、あれもマルトーさんがつくったんですよ、とってもおいしいって貴族の方からも評判なんです。」
そう説明を受けバージルは今朝のことを思いかえす、確かにあのシチューは美味かった。
しばらくすると、賄い料理とは思えないような豪華な食事がバージルに振舞われる。
その量はとても一人では食べ切れないほどのものだったがバージルは上品な手つきで完食した。
久しぶりに美味い食事にありつけたのか、―表情は相変わらずの仏頂面だが、満足そうなバージル。
そんな彼を見て気を良くしたのかマルトーは話しかける。
「いやぁ!兄ちゃん、見てたぜ!あんたがシエスタを貴族のガキから助ける所をよ!」
「フン…別に何もしていない」
そう言うと、マルトーはその態度を謙遜と受け取ったのか、
「はっはっは!そう謙遜するなって!決闘のこと聞いたぜ?なんでも貴族の小僧の呼んだ青銅の人形を
目にもとまらぬ速さで叩っ斬ったらしいじゃねぇか!さすがは『我らの剣』だぜ!」
バージルの背中をバンバンと叩きながらマルトーは言った。
普段のバージルなら叩かれた時点でマルトーを真っ二つにする所だが、純粋な善意でうまい食事を振舞ってもらった事に
負い目を感じているのかそんな凶行に及ぶことはなかった。
これからうまい食事が提供されるなら生かしておいて損はない、一時の感情に身を任せるのは愚か者のすることだ。
そう考えマルトーを適当な生返事で全てスルーした。


133:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:01:31 7ViKAu/H
ルイズ、大方の平行世界と同じように空回り支援

134:蒼い使い魔
08/07/31 22:02:08 +HsqeLaN
「うまかった、礼を言う」
「おう!また来いよ!賄い料理でよけりゃいつでも作ってやるぞ!」
というマルトーの言葉を聞きながら、さっさと食堂を後にするバージル。
そんなバージルの後をシエスタが追ってくる、
「あのっ、バージルさん!」
「…今度は何だ?」
多少うんざりしながら立ち止まりはするものの振り返らずに聞く。
「あの…バージルさんは本当に平民なのですか?メイジではないのですか?」
そうおずおずと尋ねるシエスタ
「何が言いたい…」
「私、決闘見てたんです、バージルさんが何もない所から剣を出して、
そのまま手を触れずに飛ばすのを…、あれは魔法ではないのですか?」
「どいつもこいつも魔法…か、あれは俺の能力だ、魔法でもなんでもない、
俺はここではただの平民、そういうことになっている」
「でもっ…」
          ―ヒュガッ!
シエスタの足元に幻影剣が突き刺さる
これ以上詮索すれば殺す、その意思表示だろう。
「あっ…あぁ…」
そう呟きながら腰を抜かすシエスタを尻目に、バージルは静かに立ち去った。

夜、すべての授業が終わり夕食を済ませた生徒達が学生寮へと戻っていく、
二つの月を本塔の一番上から眺めていたバージルは
蒼いコートを翻すように飛び下り、寮塔にあるルイズの部屋へと向かう、
その様子を物陰から伺っていた影が一つ、のそりと動いた。


135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:02:24 EevxSe5Y
支援

136:蒼い使い魔
08/07/31 22:03:03 +HsqeLaN
学生寮に入りルイズの部屋へと向かう、ふと見ると廊下に一匹の火トカゲ―キュルケの使い魔であるフレイムが疼くまっていた
フレイムはバージルを見るとビクッ!と一瞬強張ったが、きゅるきゅると鳴きながらバージルに近づいて来た。
それを無視しつつ、バージルはルイズの部屋のドアに手をかける、
すると、どうやらカギがかかっているのかドアが動かない、
中から「誰よ?」と如何にも不機嫌そうなルイズの声が聞こえて来た。
「俺だ、開けろ」
バージルは中にいるルイズに声をかけると
「なによ!あんたなんかもう知らないって言ったでしょ!?」
中からドアにバスンッ!と枕かなにかがぶつかる音と共にルイズの癇癪が飛んできた。
どうやらさっきのをまだ根にもっているらしい、
軽くチッ、と舌うちをし、閻魔刀でドアを切ろうと柄に右手をかける。
すると何かがコートの裾を引っ張った。
「…?」バージルが視線を下に向けるとフレイムがバージルのコートの裾を引っ張っている
「なんだ…?」
そう問いかけると、フレイムはきゅるきゅると鳴きながら隣のキュルケの部屋に入って行った、
ドアは開け放たれている、どうやら入って来い、ということだろう
「フン…」
そう鼻を鳴らすとバージルはキュルケの部屋へ足を踏み入れる。
部屋の中は暗くなっており、フレイムの尻尾だけがゆらゆらと揺れていた。
香を焚いているのか、鼻に入る匂いにバージルの険しい表情がさらに険しくなった。
「扉を閉めて下さるかしら?」
暗闇の奥、ベットの方からキュルケの声が聞こえた。
特に開けておく必要もないのでバージルはドアを閉める
「何の用だ…」
「用件の前に、もっとこちらへいらして…?」
そうキュルケが言い指をパチンッ!とはじく、
すると部屋の中に立てられたロウソクが、一定の感覚で灯っていった
まるでバージルの近くからスタートし、ゴールはキュルケまでと言った感じに、ロウソクが燃えている。
ベットに腰掛けたキュルケの姿は、年頃の男ならば目のやり場に困る姿をしていた、
ベビードールのような、そういう下着だけしかつけていない。
だがそこはバージル、そんなキュルケをみて
「(テメンニグルにこんな奴がいたな・・・)」とあまり関係ないことを考えていた、
赤い髪という点で似ている、向こうは雷を操り肌が死人のように青い、という違いはあるが。


137:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:04:00 Tef5/aPs
支援いたします

138:蒼い使い魔
08/07/31 22:04:23 +HsqeLaN
そんなバージルを見て、動揺していると勘違いしたキュルケは
「そんな所にいないで、もっとこっちへいらっしゃいな…」と色っぽく声をかける
「そんなことはどうでもいい、俺は何の用だ、と聞いたんだ」
と氷のように冷たく言い放つ
するとキュルケは大きくため息をついた。そして悩ましげに首を振った。
「あなたは、あたしをはしたない女だと思うでしょうね」
「その通りだな」
バッサリと言い捨てるバージル、それをおかまいなしにキュルケは続ける
「思われても、しかたないの。わかる? あたしの二つ名は『微熱』」
「……」
そういうとおもむろに立ち上がりバージルへ近づいていく
「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの!だから、いきなりこんな風にお呼びだてしたりしてしまう…。わかってる、いけないことよ…。」
「くだらん…」
「でもね、あなたはきっとお許し下さると思うわ」
「―帰る」
そう言い残しドアへと向きかえる、
「恋してるのよ。あたし、あなたに。恋はホント突然ね…」
「一人でやってろ」
ドアノブに手をかけながら冷徹にバージルは言う、
「あなたが、ギーシュを倒したときの姿……。かっこよかったわ。彼のゴーレムの群れを一瞬で斬り倒したした時の!
痺れたのよ。信じられる?これは情熱だわ!」
そう言い終わるや否や、キュルケはバージルの背中に抱きつこうとした、
その瞬間キュルケの目の前からバージルが消えた、勢い余ったキュルケはドアに思いっきりつっこんだ
「いっ、痛ったぁ~い・・・!あ、あらっ!?どこっ!?ダーリン!」
そう言ってキュルケは後を振り向く、そこには鼻先1サント先で止まる閻魔刀の刃が。
「なっ…」
瞬間的に後ろに回り込んでいたバージルは閻魔刀を抜刀しキュルケに突きつけていた、
しかも周りをみると数本の幻影剣が浮きキュルケを狙っている
「貴様には付き合いきれん、俺は帰る、邪魔をするな。」
魂まで凍らされるような低い声、キュルケは全身がゾクッ!と粟立つような感覚に襲われる。

バージルが流れる様に閻魔刀を納刀し、幻影剣を消滅させようとした時に
コンコンッと窓の外が叩かれた。そこには、一人の青年が部屋の中を覗きこんでいた。
「キュルケ……。待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば……」
「ベリッソン! ええと、二時間後に」
「話が違っ…」
我に返ったキュルケは、胸の谷間に差した魔法の杖を振り上げると、即座に振った。
男の話を聞かず火球を放ち男を追い出す
「キュルケ! その男は誰だ! 今夜は僕とすごすんじゃなかったのか!」
「スティックス! ええと、四時間後に」
「そいつは誰だ! キュルケ…うわぁあああ!」
また違う男がまた火球で吹き飛ばされる
「…」
さすがにこの展開に毒気を抜かれたのか唖然とするバージル
「キュルケ!そいつは誰だ!恋人はいないって言ってたじゃないか!」
「マニカン!エイジャックス!ギムリ!ええと、六時間後に」
「朝だよ!」
「フレイム~!」
キュルケの命令とともに今度は三人の男がフレイムによって吹き飛ばされた


139:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:04:57 EevxSe5Y
支援

140:蒼い使い魔
08/07/31 22:05:13 +HsqeLaN
「…愚かな女だ」
バージルはそう言い残し立ち去ろうとする、バージルがドアノブに手をかようとした時
反対側から勢いよくドアが開かれる、そこから現れたのは主のルイズだった。
「ちょっとキュルケ!うるさいわ…ってバージル!あんたなんでこんなとこにいるのっ!?」
「フン、とんだ災難だ」
そう吐き捨てるように言うとさっさと出て行ってしまった。
「あ、ちょ、ちょっとまちなさいよ!ちゃんと説明してもらうからね!」
立ち去るバージルを追ってルイズも行ってしまった。

その場に一人と一匹取り残されたキュルケは
「生死を賭けた恋…燃えて来たわ…!」
と殺されかけていたにも関わらず一人燃え上がっていた。

さて、部屋にもどったルイズは右手に乗馬用の鞭をもち鬼の形相でバージルを睨みつけている
それを振ることができないのはバージルの持つ閻魔刀の恐怖故か、
「で、なんであんたはあんなとこにいたの!?キュルケになにもしてないでしょうね!?」
と勢いよくまくしたてる
「フン、文句をいうなら向こうの女にいえ。それに、俺がそんなことをすると思っているのか?」
とバージルに言われ、冷静になるルイズ、
たしかにこの無表情で無愛想で冷たいこの男が愛を囁くなど想像ができない。
「た、たしかにそうね。まぁ、なにもしてないようだし今回は特別に許してあげるわ!」
その後、バージルはさらにヴァリエール家がツェルプストー家に恋人を寝取られまくった過去など、
憎らしげに語るルイズの演説に延々とつき合わされるハメになった。

「(こういうのはダンテの役目だ…)」
と演説を聞きながらバージルは双子の弟のことを思いかえしていた。



141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:05:54 EevxSe5Y
終わりかな?

142:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:06:34 SUJvaU9A
ダンテ苦労人だったっけ支援

143:蒼い使い魔
08/07/31 22:06:43 +HsqeLaN
これで投下おわりです、
あ、名前欄九話っていれわすれてたごめん、

できるだけ早くかけるように努力します

144:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:08:49 EevxSe5Y
乙でしたー!

ネヴァンは雷のモードだけどNE

145:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:09:28 Tef5/aPs
乙でした~
大丈夫、充分執筆速度お早いですよ

146:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:18:46 kAJeEJb7
乙でした
このバージルはいい感じにルーンに調教されてきてるなw

147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:35:21 FfFG/bpi
バージルが・・・・丸くなっているT T
確かに、色恋はダンテの役割かも
良くも悪くも、バージルはそれとは無縁の世界だったからなぁ

148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:41:02 3hEGLnON
もしよかったら今日の23時20分頃に滝島慧召喚ss投下してよろしいでしょうか?

149:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:47:32 GgGYBwms
契約のルーンを開発したメイジは、心底ドSだったんだろうな。
きっと名前はネウr……

150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:48:50 d6Zg+w4W
ふとニューカッスル城での戦闘の途中に、王党派のメイジにインタビューする咲坂守とか思い浮かんだ

151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:49:21 NK+edxEm
滝島慧…とは、いかなるキャラにござるか?

152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:50:57 GgGYBwms
>148
S・A~スペシャル・エー~の登場人物だったかな?

153:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 22:55:52 O8nH4vKB
え~

154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:08:15 Af28kIU6
調教ていうか駄妄想、、、いやなんでもない

155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:11:51 KvFGlqht
コードギアスからC.C.召喚。

「所詮は口先だけで頭でっかちの童貞坊や」とギーシュが嘲われる姿しか思い浮かばなかったorz

156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:17:23 Clc0zKaE
キュルケ会話が成立してねえw

157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:24:34 BxGm7F7t
原作(漫画版)性能のjojoと北斗が見てみたいな

158:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:25:20 BxGm7F7t
誤爆です

159:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/31 23:26:41 3hEGLnON
よし。では投下します

160:S・A in ハルケギニア
08/07/31 23:28:10 3hEGLnON
1話 主は使い魔の実力を見抜けずに苦悩する


「ここはどこだ?」

滝島慧は気付くと、見知らぬ場所に座っていた。
辺りを見渡して見たら、いるのはピンクや赤や青と色とりどりの髪を持つ少年少女。
建物の様子と、周囲の人間の様子からここが外国である可能性が強いとは判断できるが、そもそもなぜ自分が
外国に居るのか理解出来ない。

(どういうことだ?確か俺は………)

滝島はつい先ほどの出来事を思い返す。


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