あの作品のキャラがルイズに召喚されました part149at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part149 - 暇つぶし2ch159:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:47:06 2+mRKv7u
兄貴はギーシュを決闘で殺してのけたからな・・・まあ相手が兄貴じゃあしょうがないが

160:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:49:07 aPJ5mZL0
苛めたくなっちゃうの!
ってのがちゃんと笑いに昇華できてれば問題ないと思うけどな
タフなキャラじゃないと弄る対象にはできない
現実と一緒だね

161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:49:26 FLWEe7Y1
>>159
DIOなんか主要キャラを吸血鬼にゾンビ化に肉の芽植えつけて奴隷化ですよ
更新が止まってるのは話の収拾をつけようがなくなったからだろーな

162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:51:40 1A3EKDYQ
クロスキャラを洗脳して従わせるのもたいがいにしてほしい
クロス先とゼロ魔に愛があるなら、そんなことしないと従わせられないキャラを召喚すんなと

163:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:52:00 pyh43yRI
>>155
原作を否定しない範囲に収まってるかどうかじゃないかな
あとキャラ人気にもよるところがあるし
タバサなんかはヘイトしたらかなり叩かれそう

164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:53:56 +DBYfCv6
今更だけどこういう議論はスレチかな…避難所でしたほうがよかったかも。

165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 16:55:33 K3qByhz9
>>163
マリコルヌが画面の端っこでどれだけひどい目に遭ってようが、誰も気にしないしな(苦笑

>>162
ある意味ゼロ魔クロス第一の難関だわなぁ。
ここをきちんと書いてる作品は、それだけで後の展開が楽しみになってくる。

166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:04:10 Lc4srYFA
そうだな
俺も黒田官兵衛が酷い描写されてたら歴史もん読む気無くすもんな

167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:05:07 UzbN/Z4r
では最後に
クロスキャラを無理やり別の世界に誘拐して下着を洗わせたり粗末な食事を与えたりするのはヘイトですか?

168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:05:34 ZMgKjArM
>>136
まあ、ベジータも後半おとなしくなったし、死にかけていた所を助けられたりして
やわらかくなったとか、ある程度過程を書けば成り立たないこともないんじゃないか?

169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:05:46 t0yQaEaN
それはごほうび

170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:06:36 Lc4srYFA
>>167
・・・クロスしなきゃいいんじゃね

171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:08:44 +DBYfCv6
>>167
それは間違いなくヘイトだな。
書くと総スカン食らうぞ。

172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:09:32 UWyE2ODa
なんと言うかこう、恨み言を日記かなんかにネチネチ書いて怒りゲージをためにため、やがて爆発させる……天からトルテのマカロンみたいなキャラは居ないものか。
一歩間違うとゼロ魔ヘイトのそしりを受けかねないものの、そういう需要ってあると思うんですよ。

173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:10:53 2+mRKv7u
トラクスとかかな

まあそろそろ避難所行こうぜ

174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:15:09 lT5O1dK6
>>167
とりあえず、避難所とかで万人向けの名作聞いて、wikiで読んで勉強してみるのをお勧めする。

175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:17:12 qz/bDUZg
>>167
それを間違いなく最悪のヘイトだな書くとどちらかというと確実に非難されるのは確定的に明らか

176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:18:05 Mp8c//mq
>>172
復讐日記といえば
ブラマトのルピルピとかかな?

177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:21:20 FLWEe7Y1
魔太郎だとその日の夜に速攻で恨みを晴らすな

178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:28:40 Ry3V8iNi
自分のお気に入りキャラの扱いが悪いとすぐにヘイトヘイト騒ぐアホがいるだけだから、
書いている時点では気にしないのが一番だと思うが

シナリオとしての展開の結果扱いが悪くなるキャラが出のはどうしようもなかろう

179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:34:47 M/dj9Kx/
ヘイトってなに?憎いってこと?

180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:35:03 9g3qzgTL
>>167
それってキャラしだいだよな。
FF7のセフィロスにパンツ洗わしたらヘイトだけど
ラブやんのカズフサとかなら大丈夫だろうし。

181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:37:59 OZxkRf1U
・・・無限ループって怖くね?

>>179
>>144-149

182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:39:34 /QWQlZXd
>>167
とはいえそれをやらせて、誰もかれも大人しくしてるのはどうなのかねえ。
このキャラの性格ならルイズ殴ってるだろというやつまで、我慢してるのはルーンの影響なのかね。

183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:40:00 M/dj9Kx/
>>181
ありがとうw

184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:40:27 qZtUJjfe
>>180
セフィロスのテーマをBGMに黙々と手洗いするセフィロスを想像してツボったwww

185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:42:49 AO6ERouo
そろそろルイズのパンツをくんくんしながらしこしこする猛者は現れないものか

186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:45:43 5CPEuAtO
>>185召喚と申したか?w

187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:45:46 uD337VZd
>>184
笑う犬の「東京で一人暮らし」に通ずるものがあるな。

188:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:47:23 w5UdOSoI
>>185
被って変身するキャラこと変態仮面の帰還を待ち望んでいるぜ!

189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:49:17 FLWEe7Y1
>>178
>自分のお気に入りキャラの扱いが悪いとすぐにヘイトヘイト騒ぐ
そういえば微熱の使い魔の序盤で、才人がルイズ無視してエリーに好意抱いてたのをヘイトだとか言ってたのもいたな
続きまだかなー

190:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:49:46 UzbN/Z4r
>>185
ゼロ魔のかずふさとか

191:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 17:51:48 3s6Btr2l
>>180 >>184
ちょっと見てみたい気がしないでもない。
刀背負ったままシエスタの隣で黙々と洗濯にいそしむのはシュールだ。

192:ライドウの中の人
08/06/28 17:59:08 krXOAQmx
投下します。できたんで

193:ゼロの仲魔
08/06/28 18:02:24 krXOAQmx
「まー、あれじゃ。呼ばれた理由はわかるじゃろ。二人とも」
 そういったのはトリステイン魔法学院の長、オスマンだった。
 ここは学院長室、朝方ルイズとライドウの二人は彼の秘書であるロングビルという女性に授業を休んで、ここへ来るよう命じられたのだ。
 オスマンは膝の上に座るねずみの頭をなでながら話をする。
「そりゃあの、ライドウ君はとばっちりじゃが立て続けの決闘騒ぎに今度は怪我人が五人。教育者としてこんなことを言うのは気が退けるが、彼らの家はミス・ヴァリエールほどではなくともそこそこ身分が高い。
気は進まないんじゃが、なんらかの処罰は下さねばならん」
「重々承知しております」
 ルイズは静かに頭を下げる。ライドウもそれに倣った。
 もちろん違反をしたものすべてが罰を受けなければならない。しかし、今回は貴族と平民との決闘。
 決闘そのものは禁止されているもののあくまで貴族同士のものに限定されている。
 だからギーシュとの際にはなにもなかったのだが、今回は事が大きい。なんらかの罰を与えなければ寄付金やらなんやらで学院側にもルイズたちにとっても問題が発生するかもしれない。
 それを回避するため、彼らだけがここに呼ばれたのだ。
 だが、
「学院長、それだけではないのではありませんか」
 ルイズは頭を上げ、まっすぐとオスマンを見つめた。
「どういうことじゃ?」
 オスマンの問いにルイズははっきりと言った。
「このライドウが召喚したあの幻獣についてのことではないのですか」
「……実のところ、本題はそっちじゃよ。立ったままじゃなんじゃし、二人とも座りなさい」
「失礼します」
 本来は来客用のソファ、そこにルイズとライドウは座った。オスマンも机をはさんだ反対側に腰掛けた。
 ちょうどそのとき、堅い空気を和らげるために秘書のロングビルが紅茶を差し入れた。
「ありがとの。さて、ライドウ君や」
 オスマンがじっとライドウを見据えた。
「率直に聞くが、お主はメイジなのかの」
「いいえ。違います」
 彼はハッキリと否定をした。オスマンは顎鬚をさすり、目を細めてライドウを観る。
 心の奥底、心情、過去まで見通しそうなほど不躾な目線だ。常人ならばいい気分はしないだろうが、ライドウは表情を変えることなく、それを受け入れた。
「―はあ。参ったの、これは」

194:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:02:27 GqtfT0zF
とはいえ、世話をしてくれる人か相当なSF世界でも無ければ、
誰しも家事(炊事、洗濯、掃除)は自分でしなけりゃならんので、問題が無いといえば無い気もする。
セフィロスも人目につかないところで自分のコートとか洗ってるだろ。リアル過ぎて、ちょっと引くかもしれんが。

195:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:02:56 Ry3V8iNi
超支援

196:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:03:13 GqtfT0zF
うわ、割り込んじゃった。
すみません。支援します。

197:ゼロの仲魔
08/06/28 18:06:30 krXOAQmx
 オスマンはやがて根負けしたかのように溜息をついた。
「ライドウ君、君ってもともと、ミス・ヴァリエールの使い魔になる前は一体なにをしていたんじゃ?」
「一応学生であります。勉学に精を出しておりました」
「一応ってところが怪しいの。聞けば、君は召喚されたときに大怪我を負っておったらしいが」
 ライドウは静かにうなずいた。
 ルイズがちらりとライドウの横顔に視線を向ける。彼の顔には、左眉から斜めに切り裂かれた傷跡が痛々しく残っていた。
「ミス・ヴァリエール。そんときの状況、わしは知らんでの。詳しく教えてもらえんか?」
「は、はい。ライドウは召喚したさい、全身に傷を負ってました。一番深かったのは顔に残っている切り傷です。他には特に。コルベール先生の指示で治癒を施し、後に契約をいたしました」
「水の秘薬を使っても傷跡が消えんかったのじゃから、よほど深かったんじゃろ。して、ライドウ君」
「はい」
「君は、なにと戦ってそんな怪我をしてしまったんじゃね?」
 オスマンの再度の問い。ライドウは、質問に答えず、じっと前を向いたまま口をつぐんでいた。
 さすがにその態度は失礼である。
 ルイズはオスマンから見えないようにライドウの太ももを抓ろうとし、ぺちんと払われた。
「……」
 ルイズはムッとした。
 また手を伸ばす。また払われる。
 ぺちん。
 ぺちん。
 ぺちん。
「仲がいいのう。二人とも」
 オスマンが微笑みを浮かべてそういった。ルイズは自分たちがやっていた行為のばかばかしさに気付き顔を真っ赤にした。
「違います! これは、その、ライドウ! あんた黙ってないでちゃんと言いなさいよ! 失礼でしょ!」
「はあ。わかりました。それじゃあ、わかりやすく言います。僕は、僕の国を内側から支配しようとする敵と戦いました」
 そういうライドウの手が震えていることにルイズは気付いた。
「ふむ。では、君は騎士だったのかの」
「……そうですね。大体そんなものです。表に出ないことをのけるとあってます」
「そうか。じゃが、妙じゃな。国を支配するというからには、政治的になんじゃろ? 命を懸けて戦うというより、捜査し、なんらかの企みの証拠を掴み、逮捕するというのが対抗手段じゃと思うんじゃが」
「そこらへんは、事情があるということで」
「そうか。ま、深くは聞かんよ。で、次に、君が使役していたあの幻獣、ありゃどこからでたんじゃ?」
「この管からです」
 ライドウは懐から一本の管を取り出した。

198:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:07:27 m08W2R+q
支援

199:ゼロの仲魔
08/06/28 18:07:51 krXOAQmx
「これには、あなたたちメイジが使う魔法のようなもので、この前の幻獣が封じ込められています」
「ほお……そんなものがあるとはの。火、水、風、土、どんな系統にも当て嵌まっておらんの。どうやっとるんじゃ?」
「門外不出の秘術ですので、ご遠慮願います」
「ケチじゃの」
 オスマンはそういいながらもしつこく聞かなかった。
 ルイズは冷や汗が背中に流れていた。なんでそう貴族、それもお偉い相手に向かってそんな口が利けるのか。
「さて、あと聞くものというと、そうじゃ。おぬしはメイジじゃなかったのなら、あの幻獣をどうやって従わせたのじゃ? あれはなかなかの力がある。グリフォンやマンティコアにも並ぶ強さじゃ」
 ライドウはルイズにしたものと同じ説明をした。
 それを聞いたオスマンは声を出さず、目の前の二人を交互に見やった。
 無言でコメカミを押さえて、溜息混じりにぼやく。
「なんというか、かんというか、まあええわい。わしが聞きたかったことはとりあえずここまでじゃ。あとは、忘れるところじゃったが、罰を与えんとな」
「あるんですね。やはり」
「まあの。ミス・ヴァリエールは気の毒じゃが、使い魔の不始末は主の不始末じゃ。おぬしに、一週間の謹慎を命じる」
 ルイズはすっと息を深く吸い込んだ。そうして、心を落ち着かせる。
 謹慎。
 不満はあるが、それぐらいですんだのは行幸だ。
 たとえ悪いのがあの色ボケ男たちであっても、実家に連絡されてしまえば恥になり、姉かもしくは母親が乗り込んでくるかもしれないのだから。
「ま、形だけのものじゃからの。ミス・ヴァリエール、言い換えれば一週間の休暇ってところじゃ。図書館で予習もよいし、町に出かけてもかまわん。ライドウ君を案内させてやるのもよいじゃろ」
「ありがとうございます」
 ルイズは頭を下げ、それにならってライドウも頭を下げた。
「話はこれでしまいじゃ。ごくろうじゃった」
「はい。それでは、失礼いたします」

200:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:07:55 Ry3V8iNi
アームターミナルよりはゼロ魔世界に馴染みやすいわな支援

201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:09:11 Ry3V8iNi
グリフォンやマンティコア程度とケルベロスを同列に見てると痛い目に会うと思うが・・・支援

202:ゼロの仲魔
08/06/28 18:09:26 krXOAQmx
 ルイズとライドウが退室してからオスマンは一人、パイプをふかした。
 彼は、ただ身体に広がっていく煙の味を確かめる。たいしてうまいものではなかった。それでも、ゆっくりと鈍っていた頭が冴えてくる。
 火を消して、煙を吐き出すと自分の椅子に座り、影に向かって声をかけた。
「参ったのう。コルベロス君や」
「コルベールです」
 彼の視線の先から中年の頭が禿げ上がった男性が顔を出した。
 召喚の儀式を担当し、ライドウの怪我を治癒することを命じたものだ。彼はオスマンに命じられてこの部屋に隠れてライドウを観察していた。
「のう、君から見て、彼はなにもんじゃった? 直感でかまわんぞい」
「わかりません。戦うものとは思いますが。印象を一言で言えば山でしょうか」
「山、か。なるほどのう。確かに、そんな感じはした。どっしりとしていた。どんな甘言にも乗らぬ、そんな強い意志が見えたわい」
「ええ。ミス・ヴァリエールは本当に自身の鏡となる使い魔を召喚したものです。あの意志の強さはある意味彼女にそっくりですよ。
言ってはなんですが、心配していました。彼女は実にいい貴族なのに、魔法が使えないことで鬱屈がたまってましたから」
「そうじゃな。世の中は不平等じゃが、救いの手は与えられる。そう思わなければやってられん。願わくば、彼がミス・ヴァリエールのよき友にならんことを」
「ならんことを」
 コルベールもオスマンと同じように願った。

203:ゼロの仲魔
08/06/28 18:10:56 krXOAQmx
 翌日、謹慎一日目。
 ルイズとライドウは一頭の馬に乗って学院を出発していた。
 草原を走り、風を切り、マントとコートをたなびかせている。
 馬は学院で暴れ馬と知られていたものでルイズは別のものを選ぶ予定だったが、ライドウが彼にしようといったのだ。
 ルイズは落とされるかもしれないと言ったが、その馬はライドウに静かに頭をたれて忠誠を誓う騎士のような態度をとった。
 ルイズがなんでよと尋ねるも、ライドウは右手を見てからさあと首を振るだけだった。結局、二人はその馬に乗るのだが、暴れ馬といわれるだけあった。
 脚力は類を見ないほど強く、走りにも安定感がある。
 そのおかげで通常よりもはるかに時間を短縮して王都であるトリスタニアにたどり着いた。
 王都なだけあり、城下町には活気がみなぎっていた。人ごみにのまれてはぐれないように注意しながら二人は歩いていく。
「そういえば、ねえ」
 ルイズがライドウに尋ねた。
「今思ったんだけど、あんたの仲魔の、あのでかい白犬でくればよかったんじゃないの?」
「それは駄目です。僕の仲魔は基本、大喰らいですから走っていたら肉をよこせとわめきます。そのぶん、馬だったら文句も少ないのでこっちのほうがいいんですよ」
「なるほどね。確かに、あんな犬だと食費がかさみそうだわ」
 昨日の決闘に呼び出された犬、ライドウ曰くケルベロスを脳裏に思い描く。
 あまりにこき使ってたらそのうちオレサマ、オマエ、マルカジリ、とか言われそうだ。
「で、どこへ連れて行ってくれるんですか?」
「特に考えてないわ。とりあえず、観光案内っていうか、街がどういうものかを教えようとしただけだもの。希望があれば、そこに連れて行ってやれるけど」
「なら武器屋をお願いします」
「武器屋?」
 ルイズはライドウの懐に目を移す。そこには魔法をもかき消す、常識からは考えられない刀が差されている。
「必要ないじゃない」
「いや、とりあえず覗いてみたいんです。どういうものがあるか、気になりますから」
「まあ、かまわないけど。あなたのものよりすごいものなんかそうないわよ」
 そういってルイズはあまり頼りにならない記憶を駆使し、迷いながらも町に一つだけある武器屋にたどり着いた。
 看板があり、わかりやすく盾と剣が掘り込まれている。

204:ゼロの仲魔
08/06/28 18:12:28 krXOAQmx
 二人は中に入る。内装は薄暗い明かりに照らされて、ありとあらゆる武器が壁にかけられていた。槍、斧、剣。装飾も様々であったが、実用的かといえば疑問があった。
 主人はカウンターの前におり、ルイズたちを認めるといかにも慌てているという様子で頭を下げた。
「これはこれは貴族のご婦人様。ようこそいらっしゃいました。ご用件は何でございましょうか。やはり、そちらの従者の方に剣か槍でも買い与えるのでございましょうか」
「あら、よくわかったわね」
「いえいえ。先日も同じように、ご婦人と従者のお二人でいらっしゃいまして、とある長剣を購入なさったのでございます」
「へえ。多いのかしら」
「ええ。最近は貴族様方を狙った盗賊なんかもいまして、流行になっておるんです。それで、どのようなものをご所望なんでありましょうか」
 主人の問いに、ルイズはライドウに振り向いた。
 彼が使うのだから、彼の意見が必要なのだ。しかし、当人は店内を物色して、一束いくらのナイフを手に取った。
「これでかまいません」
「……へえ? そいつで、いいんですか?」
 主人は戸惑いの声を出した。
「あの、剣も槍もあるのですが……」
「これでいいです」
「えと、しかし、そいつだけじゃあ心もとないかと。ここはなにか、別の手持ちの武器でもご購入しておくべきかと、そうではありませんかご婦人様」
「いらないわ。値段を言って」
 助けを求めるように主人はルイズを見るが、そげなく言われて愕然とした。
 しかし、それでもなお食い下がる。
「いやいやいや、戦いを舐めてはいけませんよ。そんな投げナイフぐらいじゃあとてもとても。ここはですね、この、」
 よっこらしょと主人はカウンターの中にあった大剣を持ち出してきた。
「こちらは、ゲルマニアの高名な錬金の大家、シュペー卿の作でしてね。鉄でもなんでもずんばらりといく切れ味ですが、それもさることながら見てくださいこの豪奢な細工。美しいではありませんか。
こいつを一目見てしまえばもう盗賊だろうがなんだろうが只者じゃないと驚き逃げて……」
「いいわよ。こいつ持ってるから」
「へえ、どこに?」
 主人の言葉に、ルイズがライドウに促す。彼は白木の鞘に収まったままの刀を出した。主人はそれを見て鼻で笑った。
「お客様、そんなものじゃあ駄目ですぜ。木刀じゃありませんか」
「違います」
 ライドウが主人の言葉を遮って刀を抜いた。鍛え上げられた鉄の切っ先が突きつけられる。

205:ゼロの仲魔
08/06/28 18:14:56 krXOAQmx
 主人は汗だくになり、言葉を詰まらせていた。
 ルイズは売り込もうとしていた大剣とライドウのものとを見比べる。
 シュペー卿とやらのものは型どおりに作ったものである。
 それが悪いとはいえない。決して鈍らではなく、美しさもある。なかなかのもの、名剣の部類に入るだろう。
 それでも、ライドウの持つものとは、次元が違う。
 刀身の密度が、素人目で見ても区別できるのだ。
 夜のように吸い込まれそうな峰と太陽のように光り輝く刃。
 波打つ紋様。細身でありながらも凝縮された力強さがある。
 過剰な装飾もなく、シンプルな美しさ。機能美。
 見栄えなど余計なものを排除し、斬ることだけを目的として作られた。さらに、店の主人は知らぬことだが過去に魔法を打ち消すことを実証している。
 これに勝てるわけがない。
 主人はごくりと唾を飲み、手を上げた。
「……言いたいことはわかりやした。うちにはそちらのもの以上のものは置いてありません」
「そう、ならお代を」
「いや結構であります」
 ルイズは目をぱちくりした。
「そちらのナイフ、ただでかまいません。その剣の拝観料として安いぐらいです」
「……なんか悪いわね」
「いえ、うちも武器屋です。そんな一生に一度あいま見えるかどうかのものを拝観させていただいたのです。満足でありますよ」
「じゃ、ありがたくもらっておきましょう」
「はい。それでは、ありがとうございました」
 二人は礼を言ってから店を出た。主人は手をふるだけであった。

206:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:15:04 Ry3V8iNi
支援

207:ゼロの仲魔
08/06/28 18:17:14 krXOAQmx
 武器屋から出ると、二人は喫茶のオープンテラスで早めの昼食をとった。
 小麦を粉に轢いたものを水で練り、棒状にして肉や野菜、ソースを絡めたもの。要はパスタを食べていた。
 ルイズは先にデザートのパイを食べながら、質問をした。
「ねえ、ライドウ、本当の目的は一体なんだったの?」
「これですが」
 ライドウは椅子を後ろに引き、太もものホルダーにあるナイフを指した。
「そうなの? なんか、溜息ついてたように見えたんだけど。目当てのものじゃなかったんじゃない?」
「そうですね。欲を言えば銃弾がほしかったところです」
「銃? ああ、そういえばあなた持ってたわね。でも、あれってすっごく近くじゃないと当たらないとかいう代物じゃないの?」
「それはここの銃です。僕のものはもっと遠距離でも問題ありません。それで、淡い希望を持っていたんですが……」
「なかったのね。弾が」
「ええ」
 弾がない銃などアップルがないアップルパイ。だからその代わりにナイフを買ったのだ。
「でもそんなのいらないじゃない。銃があっても、使う機会なんかそうはないわよ」
「だといいんですけどね……」
 ライドウがそういって天を仰いだときだった。太陽の光を一羽の鳥が遮っていた。
 それはゆっくりと高度を下げていき、やがてライドウの肩に着陸した。
 それはカラス。ゴウトである。
「二日ぶりだな。二人とも。時間はあるか?」
「見ての通り暇してるわよ。けど、あとにしなさい」
「ん? なぜだ?」
「衛生面で問題があるわ」
「……なるほど。こいつはすまなかった」
 文句も言わず、ゴウトはライドウの肩から空へと飛び立っていた。そのときの羽ばたきで羽を落としていったので周囲の客からの視線が痛かった。
 ルイズとライドウは若干急いで食事を進めて会計を済ませた。
 二人は人気のない裏通りに入ってゴウトを呼んだ。
「それで、なんなのよ。ゴウト」
「いやな、ルイズではなくライドウに関係することかも知れんので小耳に入れておきたかったのだ」
 ゴウトはもったいぶらずに言った。
「私が情報収集のためあちこち飛び回っていることは知っているだろ。そこでな、ある国でルイズと同様に使い魔に人間を呼んだものがいるという話を聞いたのだ」
「それは……なかなか興味深いわね」
 ルイズは召喚当日のあの周囲の目を思い出した。
 いまでも、ライドウにとりたてての不満はなくなったけれども、身震いが起こってしまう。
 普通から外れているという疎外感。 

208:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:17:16 Ry3V8iNi
・・・あれ?デルフ・・・

209:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:19:05 Ry3V8iNi
うわさ話はメガテンの基本

210:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:19:38 kkd0KInF
まあゴウトも仲魔もいるのにデルフがいても…という感はある。
ヒノカグツチクラスの名剣でもないと新たな武器は必要そうにないな
支援

211:ゼロの仲魔
08/06/28 18:19:54 krXOAQmx
 ゴウトは続ける。
「残念だが名前やら詳しいことはわからなかった。しかし、なかなか高貴なやつらしい。場所が王宮で、話をしていたやつらが口をつぐんでいたからな。ま、陰口を叩いていたのだ」
「大変ねその人も。私みたいな学生じゃないでしょうに。で、その国ってのは、どこなの?」
「ガリアというところだ」
「またおおきなところじゃないの。機会があれば顔を会わして見たかったのだけれども。もしかしたらその人も魔法使えない、ゼロなんて肩書きかもしれないわね」
「うむ。それではな、これからも俺は情報を探ってみる。さらばだ」
 ゴウトは羽ばたき、空へと戻っていった。カラスらしくカァカァと鳴いていた。

212:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:20:50 t0yQaEaN
デルフはジョゼフか教皇のところか。支援。

213:ゼロの仲魔番外―レッツフィッシング
08/06/28 18:22:33 krXOAQmx
 これは話の本筋に絡まないある日の出来事です。


 ルイズはそりゃあもう怒り狂っていた。
 久しぶりに学院へと帰ってきたゴウトが狩りをしていたのだ。その相手がただの虫とかだったらどうってことはないのだが、なんということか、学院長の使い魔であるモートソグニールという鼠だったのだ。
 ゴウトが自慢の爪と嘴で学院長の使い魔を攻め立てている光景を見たときのルイズの焦りは人生においてワースト5に入った。
 急ぎ救助をし、汗だくで学院長のもとへ送った。もちろん、彼女が説教されることはなかった。ただの鳥だと思われているからだ。
 それでも、いつルイズと既知の存在であると知られるかわからない。なのでいまのうちに反省させておかなければいけなかった。
 しかし、どうすればいいのか。ゴウトの居所は知れない。わかっても空を飛んでいるので捕まえることができない。
「そういうわけで、どうすればいいの?」
 ルイズは広場で休んでいるライドウに案がないか尋ねた。
 彼はすっと懐から石を取り出した。
「これを使ってください」
「綺麗な石、ね」
 太陽の光をきらきらと反射している。しかし、それだけ。貴重な宝石でもなんでもない。そこらに落ちているものを磨いただけだ。
「これに糸を括りつけて、隠れていてください」
「そんなんでくるの?」
「きます。あと、」
 今度は懐から風船を取り出した。ライドウはそれを膨らませた。そんなもの常備してるのかとかツッコンではいけない。
 空気が詰まったそれには黒い円が三重に描かれている。
「捕まえたらこいつを近づけてやってください。一番効果的です」
「ま、言われたとおりにやってみるけど」

214:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:24:17 gnictUdl
あれ、デルフ?
支援。

215:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:24:34 kkd0KInF
ライドウの性格はジョジョで例えるとジョルノに近いのだろうか。
支援

216:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:25:03 iQX+/1UZ
魔法が効かない剣と魔法を斬る剣対決ですね、わかります支援

217:ゼロの仲魔番外―レッツフィッシング
08/06/28 18:25:16 krXOAQmx
 ヴェストリの広場にてルイズは待っていた。ライドウに言われたとおりに光る石を餌にして己は身を潜める。
 こんなもので引っかかるのかと疑問に思うが、彼女にできることはこれ一つしかないのだ。仲魔の言葉を信じ、ただ待つ。
 数分、数十分が経過すると、羽音が聞こえてきた。地面に影が落ち、ゆっくりと大きくなっていく。
 大きく、大きく、大きく……大きすぎた。
 石の上に降りてきたのはカラスとは比べるまでもない巨体を誇る、竜だった。
「きゅいきゅい」
「チェンジ!」
 ルイズが叫ぶと青髪の少女が走ってきてその竜とともに飛び去ってしまった。

 仕切りなおし。
 竜が消えてからさらに数十分が経過した。
 再びルイズの耳に羽音が聞こえてきた。今度は大きすぎない。しかもカァカァという鳴き声が聞こえている。
 今度こそ当たりだった。
 ルイズの予感どおり、ゴウトが石ころのそばに降り立った。きょろきょろと首を左右に振り、辺りを警戒している。
 ルイズがいるのはその真後ろであるため、ばれてはいない。
 焦らず、心を落ち着かせる。糸を握り締め、機会を待つのだ。
 カラスは光物が大好きだという習性を利用するのだ。
 確かめるようにゴウトは爪でころころ転がす。ライドウが何度もやったのか、怪しんでいるようだ。
 それでも我慢ができないのか、ゆるゆると嘴を近づけ、ばくりと飲み込んだ。
 だが、まだだ。いまやれば石を吐き出して終わりだ、
 口から喉へ、いったところで、
「どっせええええええい!」
 ―釣りあげる!
 ゴウトは目をひん剥きながらルイズに引っ張られてしまった。すぐさま石を吐き出すのだがルイズのほうが速い。即座に飛びつき、糸で縛り上げる。
「く、放せ! 放さんか小娘!」
「誰が小娘よ! いいこと、今日はあんたにお仕置きをするの」
「なにを馬鹿な。この俺に仕置きだと? なにをしようと堪えん。これでも貴様より長い時間、生を体験しているのだ」
「それは、これを見てもいえるのかしら」
 ルイズは背中からライドウに渡された風船を出した。
「ば、馬鹿な! どうしてそれを持っている!」
「ライドウに渡されたのよ! ほれ、どうだー!」
「よ、よせ! 近づけるなー!」
 ゴウトの悲鳴が響き渡る。効果はばつぐんだ!
 ルイズは悪魔のように笑っている。
「ひ、ひい! 悪かった! 俺が悪かった! なにが悪かったのか知らんが俺が悪かった!」
「そうよ! あんたが悪いのよ!」
「わかった! わかったから!」
「これから他人の使い魔を狩ったりしないって約束できる?」
「する! 使い魔を狩らない! もう、もうやめてくれえええええ!」
 ルイズは笑いが止まらなかった。甲高く、女王のように甲高く笑った。

 ゴウト、カラスの習性をなんとかすべく思案するが、どうにもならない。
 ルイズ、結果に大満足だったが一部始終を見ていたコルベールにお説教と反省文を書かされる。他人の使い魔を虐めていたと勘違いされたらしい。
 ライドウ、大学芋を食べた。


218:ゼロの仲魔
08/06/28 18:27:07 krXOAQmx
番外はこういうこともあるだろうなというので書いただけです。あんまおもしろくなかったらごめんなさい。
投下はこれで終わりです。支援アリガトウございました。

219:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:29:05 Ry3V8iNi
この飄々とした風景・・・なんかいいなぁ

220:水の使い魔Splash☆Star 
08/06/28 18:29:29 m08W2R+q
ライドウのかた、投下乙でした。

それでは、感想タイムをはさんで45分からこちらも投下します。
…てか、なんでわたしが投下しようとスレを開くといつも他の人が投下してるの…。

221:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:33:36 eULC09iq
<<毎日新聞、海外向け自社サイトにて1999年から2008年に渡りヘンタイ記事をサイトに掲載>>
<<謝罪後ヘンタイ記事を再び掲載、2chに指摘され光の速さで記事を消す>>

<<一日20万アクセスを誇るサイト(毎日談)、映画バベルの女子高生のモデルもこの記事からか?>>
<<現在もヘンタイ記事の悪を認めず(英語ではそういうニュアンスのことを主張)>>

<<記者はダッチワイフを抱え笑顔で外国人記者クラブでアニマル浜口ばりに激しく講演>>

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222:水の使い魔Splash☆Star 第18話(1/4)
08/06/28 18:45:20 m08W2R+q
ルイズたちがトリスタニアから学院に帰った次の日…

ルイズは、寮の自分の部屋で目を覚ました。
昨日は結局1日何も言えなかった。
夜も、『どうしよう』と一人で考えているうちに眠ってしまったらしい。
もう陽はとっくに高くなっている。
とにかく…話をしなくちゃと、ミズ・シタターレの小屋まで行く。
ルイズは、扉を叩こうとして中から声が聞こえることに気づき、耳を澄ます。

「やけに早いわね…。満と薫はどうしたの?」
「満殿と薫殿は、ダークフォールを裏切りました。
 あのふたりはプリキュアと『お友達』になってしまいました。『お友達』とは戦えないそうです。
 そして、偉大なるアクダイカーン様が直々に制裁をお加えになりました。
 あのふたりは、ダークフォールの暗い水の底…。2度と目を覚ますことはないでしょうね。」
「ふーん、そうなの。」
「はい、次はあなたの番です。ミズ・シタターレ殿…。
 あなた様も、こちらの世界で随分と楽しんでいた様子。
 あのふたりの二の舞を踏むことだけは、なさらないように。」
「馬鹿言ってんじゃないわよ、わたくしを、あんな奴らと一緒にしないで!!」
「『プリキュア』は強敵です。すでに5人の戦士が倒されました…。くれぐれも、油断なさらぬように。」
「だから、わたくしを今までの奴らと一緒にしないでくれる?わたくしは、ダークフォール最強の戦士よ!!」
「存じております。あなた様はアクダイカーン様からの信も厚い。ゆめゆめ、そのご期待に背かぬように…。」
「わかってるわ。準備ができたらすぐに戻るわよ。」
「それでは、お待ちしております…。あまり、アクダイカーン様をお待たせせぬよう…。」



223:水の使い魔Splash☆Star 第18話(2/4)
08/06/28 18:46:10 m08W2R+q
ゴーヤーンの姿が消えた後、ミズ・シタターレは扉の方を向き、口を開いた。
「おチビちゃん、聞いてたわね。入ってらっしゃい。」
ルイズがうつむいたまま扉を開けて入ってくる。
「本当に…帰っちゃうの?」
「説明の手間が省けたわ…。そういうことよ。」
「『プリキュア』ってやつと、戦うために?」
「そうよ。」
「『プリキュア』って、あんたの仲間を何人も倒してるんでしょ!?」
「あんな奴らと一緒にしないで、わたくしはダークフォールでも最強の戦士よ。」

まったく表情を変えずに話すシタターレの顔を見ていられなくて、ルイズはうつむいて、小さな声で聞いた。
「わたしが『行かないで』って命令しても…帰っちゃうの…?」
「わたくしは偉大なるアクダイカーン様の忠実な下僕よ。おチビちゃんの下僕じゃないわ。」
…その答えが返ってくるのはわかっていた…。
奥歯をかみ締めながら顔を上げたルイズを見ながら、シタターレは言葉を続けた。
「最初に言ったでしょ、ここにいるのはアクダイカーン様からお呼びがかかるまでの暇つぶしだって…。
 全ての世界を滅ぼし、全ての生命を滅ぼし、永遠の静寂をもたらす…。
 それが、わたくしのダークフォールの戦士としての役目よ。」
「『全ての世界』って、『全ての生命』って…人も、虫も、草も木も?それを全部殺して回るの!?
 …そんなこと、できるわけないじゃない…。あんたがどれだけ強くたって、そんなことできっこない。」
「できるのよ…。わたくしはそのために生み出されたのだから。」
ルイズには、シタターレの言葉は全く現実感がない。
このトリステインだけでも多くの人が住んでいる。人だけじゃない、様々な生き物が住んでいる。
それを全て滅ぼすなんて、ずっと殺して回っても、それこそ永遠ともいえる時間がかかるだろう…。
ルイズにとっては目の前の彼女がいなくなることの方がずっと大問題だった。
そんな、わけのわからない事のために、二度と会えなくなる…。
ルイズは震えながら、シタターレの顔をじっと見つめた。


「遊びはおわりよ。わたくしの本来の役目に戻るだけ。」
「じゃあ!!」
(なんで、そんなに…辛そうな顔してるのよ!)
ルイズは喉まで出かかった言葉を飲み込んでうつむいた。
ミズ・シタターレの手に視線がかかる。
…その手は、ぎゅっとかたく握りしめられ、小さく震えている…。

それを見たルイズはハッと気がついた!
ワルドが死んだ日、おそらく、自分はこんな顔をしていたのだろう。
あのとき、ルイズは嘘をついた。
…大切な『何か』を守るために、嘘を突き通すことにした…。
…とても、本当に大切な、『何か』を守るために…。

目の前にいる使い魔も一緒だ。
ルイズにはわからないけど、彼女の大切な『何か』を守ろうとしている。
…言えない…
…止められない…
…止められるはずない…


「ひとつだけ…約束して…。」
ルイズはうつむいたまま、口を開いた。
「あなたが役目を果たしたら、必ず帰ってきて…。わたし、ずっと待ってるから…。」


長い沈黙の後…、ミズ・シタターレは微笑んで話しかけた。
「ルイズ、ちょっと、つきあってくんない…。」



224:水の使い魔Splash☆Star 第18話(3/4)
08/06/28 18:46:59 m08W2R+q
ミズ・シタターレがルイズを連れてきたのは、学院にある5つの塔のひとつ『火の塔』だった。
教職用の研究室のある一角で、やたらと薬品臭い部屋の扉を叩いた。
「やっほー。いる?」
「やあ、ルイズの実家に帰省すると聞いていたが、帰ってたのか?」
刺すような臭いの研究室の中から、コルベールが出てきた。
「あの油、そろそろできた?」
「やっと樽に3つ分といったところだ。なかなかに『錬金』の調整が難しくてね。
 わたしの見立てでは、まだ半分といったところかな。」
「それだけあれば充分よ。すぐに飛びたいの、いける?」
「今すぐかい?それは随分と急な話だな。」
「野暮用ができてね。しばらくここを離れるから、その前にね…。」
「そうか、そういうことなら仕方あるまい。なんとか準備しよう。」
「『竜の羽衣』のほうは、わたしが外の丘に運んでおくわ。あそこなら広いしね。」

ミズ・シタターレは、ルイズを連れて『火の塔』の隣にある天幕の中に入った。
そこには、タルブの村にあった『竜の羽衣』…緑色の飛行機がある。
彼女は、ルイズの手を握ると、『竜の羽衣』に手を当てた。
次の瞬間には、彼女達は魔法学院から少し離れた丘の上にいた。
『召喚の儀』で、ルイズとシタターレが始めて出会った場所である。
ルイズが学院のほうに目をやると、コルベールが樽と一緒に『フライ』で飛んでくる姿が見えた。

コルベールが燃料タンクに、樽の中身(ガソリン)を注入すると、ミズ・シタターレは風防をあけて操縦席に登るはしごに足をかけた。いつのまにか、パイロット用の飛行服に着替えている。
上まで登ったところで、ルイズに手を伸ばす。ルイズが登ると、操縦席の後ろに水でできたシートがある。
「とりあえず、作ってみたわ。狭いけど我慢してね、ルイズ。」
ルイズは奥のシートにちょこんと座った。大柄なシタターレが乗り込むと、コクピットは一杯だ。
「さて、はじめましょうかね。」



225:水の使い魔Splash☆Star 第18話(4/4)
08/06/28 18:47:31 m08W2R+q
『竜の羽衣』の緑色の機体は、トリステイン魔法学院の周りを飛行機雲をたなびかせながら旋回する。
「すごい、飛んでる!本当に飛んでる!!」
「そりゃ、飛ぶわよ…。そのために作られたんですもの。」
ルイズが風防から顔を覗かせると、下に小さく『召喚の儀』の丘が見える。

…あれから色々なことがあった…
…教室で変な格好に着替えさせられたり…
…『土くれのフーケ』を捕まえたり…
…シタターレにドレスを着せてみたり…
ルイズは、あの丘で最初に出会ったときに、変な水の固まりに弾き飛ばされたことを思い出した。
そういえば、あのときも空を飛んだんだっけ…、あんなの2度とごめんだけど…。

ルイズが思い出にふけっていると、学院の庭から、青い風竜が飛び立ってこちらの方に来るのが見えた。
背中に乗っているのは、キュルケとタバサだ。
シルフィードは、『竜の羽衣』と並んで飛んでいる。背中では、キュルケがこちらに向かって何か喚いている。
その声は、エンジンの音と風防でさえぎられてまったく聞こえないが、おそらく、自分に無断で『竜の羽衣』を飛ばしたのを非難しているのだろう。
ミズ・シタターレが操縦桿を引くと、『竜の羽衣』はさらに加速した。
幼いとはいえ、風竜であるシルフィードを引き離して、『竜の羽衣』はさらに速度を上げる。
後ろで呆気にとられているキュルケとタバサをおいて、『竜の羽衣』は上昇し、雲を突き抜けた。
二人の前には、からっと晴れた空だけが広がっている。


「ルイズ、約束する。帰ってくるわ…、なにがあっても…。」
青い空に目を奪われているルイズに、シタターレが話しかける。

ルイズはうんと首を振って、気がついた。
いつのまにか、彼女が自分の事を『ルイズ』と呼んでいることに…。
「さぁ、そろそろ降りましょう。あんまりアクダイカーン様をお待たせするわけにはいかないわ。」
『竜の羽衣』は、『召喚の儀』の丘に向かってゆっくりと降下した。



226:水の使い魔Splash☆Star
08/06/28 18:48:22 m08W2R+q
回はここまでです。

ちなみに「じゃあ、なんで、そんなつらそうな顔してるの?」は、Splash☆Star本編で舞が薫に放った言葉です。
本編とは状況も全然違うし、舞とルイズの性格もかなり違うのでこうなりました。

次は明日のYes!プリキュア5GoGo!放映後(AM9:00)に投下する予定です。



227:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 18:58:35 krXOAQmx
プリキュアが映らない地方から乙
ルイズかわいいなあー

228:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 19:02:11 kkd0KInF
二人とも乙!
ライドウの方はクーフーリンやシヴァといった仲魔以外の悪魔は出ないのか気になる

229:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 19:18:37 fBaaJ66o
乙。まぁデルフ出さないのは正解だろうな。特に専用武器持ってる場合はさ。単なる魔法盾と漫談の相手にしか、キャラのスペックによってはそれすらならない。
無理に出した挙げ句、話のテンポが悪くなりつまらなくなったSSがどんだけあるか・・・

230:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 19:44:00 Nd20HeDE
思いもよらない方法でデルフを使っている作品もなかにはあるけどね。
何はともあれ水の使い魔の人 GJ!
死なすのが惜しい悪人ってのはこういうときつらいですね。

さて、思いつきなんですが。

各人がメフィラス星人を召喚

「君を魔法を使えるようにしてあげよう」
「お母さんの病気を治してあげよう」
「死んだ母親を生き返らせてあげようじゃないか」
「ウェールズともう一度会いたくないかね?」
「この国の女性すべてが君のものになるようにしてあげようではないか」
「レコン・キスタに勝ちたくないかね?」
「聖地をエルフどもから取り戻そうではないか」
「シャルロットとやらをよりすごい力がほしくないか?」

 そして
「だから私に、「ハルケギニアをあげます」と、一言言ってくれないかな?」

 さて、フジ隊員の弟(小学生)程度の意思の強さがあるのがどれくらいいるかな?

231:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 19:53:52 d14N1kQN
>>230
いや、それ意志の強さとか関係ないから。
女性すべて以外、クリティカルすぎるわ。
あと、中世~近代の人間の世界観(文字通り)的に世界=自分の住んでいる地域、あと隣の地域
ぐらいだからハルケギニアをあげます、だと下手すると通じないんじゃね?

232:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 19:53:53 xGZ5aGJA
ハルケギニアオワタ\(^o^)/

233:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:12:01 d1ghOcxm
地球を侵略しようとする宇宙人がいるってことを認識できてないと普通にやるって言うだろうな。

234:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:12:40 Nd20HeDE
初代メフィラスはまさに「悪魔のささやき」だからね。
自分のたったひとつの願いと世界をてんびんにかけて、それぞれが出す答えは?

多少キレやすい面もあるが、「あげます」と言わなければあきらめてくれるだけ救いがある。
あくまで"言わなければ"だが。

235:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:15:16 rRW/pZD/
毎○新○からwaiwaiが召還されたら

「24時間オルガズムが止まらない病気で苦しむゲルマニア女性の数が増えている」
「トリステインのあるレストランでは、トリステイン人は食事の前にその材料となる動物と獣姦する」
「ワルドの母親は、息子が試験に合格するためにはどんなことでもする。『お母さん』、
息子のワルドは内気に、しかし、しっかりとした声で言った。
『お母さんとやりたい』。そして、毎晩、ワルドの勉強は、15分間の母親によるフェラチオから始められた。彼の集中力は向上した。そして彼の成績は急上昇した。」


「・・・」
「殺して新しい使い魔を呼ぶしかないわね」
「そんな!これはマスコミ弾圧だ!」
「うるさいわね」
「謝罪と賠償しる!!!!!!!!!!!」
「ふふふ使い魔くん、さすがにここまで侮辱されたのは初めてだよっ!!!!風の偏在!」

たこ殴りになり報道に殉じた記者はヴェルダンデが掘った穴に葬られた

その後新しい使い魔 平賀サイトが召還されたが原作より待遇が改善されたのだった これが役に立った一点であろう

おわり

236:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:16:43 /QWQlZXd
メフィラスは悪魔メフィストからネーミングされてるから、まさに悪魔の囁きだよな。

237:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:39:49 2+mRKv7u
喪黒福三もメフィストをイメージして作られたらしい

238:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:45:34 kkd0KInF
菊池作品から誰かを召喚

239:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:46:03 FLWEe7Y1
>>234
ジョゼフなんかは分かってて「あげます」と言いそうだな
んでその後メフィラスによって統治されるハルケギニアを宇宙から鑑賞して楽しんでると
つーかメフィラスって地球を手に入れたらどうするつもりだったんだろ?

240:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 20:52:42 oe0JAZsj
文字道理に綺麗にするんじゃないのか?
ウルトラ世界の異星人達は地球の美しさに惹かれて侵略してるらしいからほら。

241:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:01:52 +w3HnPyY
>>230
多分ほとんどが実際にメフィラスなら可能なのがすごい

242:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:09:54 vKpjnF//
初期のウルトラ世界の宇宙人は、地球人類と文化が違いすぎて完全な理解が不可能な存在だからな

243:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:13:40 GnvgkjcA
>>230
それをそれぞれの言葉で断固No!と言い返す展開だったら読んでみたいな。
誇り、意地、尊厳……何でもいい。

244:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:20:33 nGq/3Nh2
>>230
言質をとったはいいけど、他のメフィラス星人とバトルったりして。

245:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:24:38 VRvTKO2x
>>244
よし、ここは穏便に巨大化でいこう

246:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:26:47 GnvgkjcA
>>244
ウルトラファイト番外編、メフィラスファイト勃発!

>>245
何処が穏便なんですか(w

247:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:28:04 RXPiXwrF
>>230
どこぞのニャルさんとかもやりそうだなそれ

248:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:29:40 zC2qtiVO
言質をとったはいいが、それを叶えるために、他の悪魔と戦わねばならなくなる……。面白い話が出来そうだな。
ただしシリアスで書こうとしても、一歩間違えるとギャグになってしまうだろうが。

249:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:30:52 2+mRKv7u
宇宙人というか外なる神々だな

250:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:31:49 /QWQlZXd
旧神はウルトラマンだな。

251:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:36:14 PTg7bNIh
>>250
聖地には巨人の石像がゴロゴロしてたり宝物庫には闇のスパークレンスがあったりジョゼフの下にはカミーラがいたりするのだろうか

252:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:37:50 eKNq3X61
世紀末リーダー伝のたけしを召喚とか考えたけど
たけしは人間的に立派過ぎて逆に面白みが無さそうだ

253:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:42:31 M2tJ2jrF
ライドウの人Gj!今後の展開楽しみにしてます。
メガテン物は秀作が多いからメガテン好きにはたまりません。
ただ、短命なのが殆んどでそこが悲しい・・・。
アクマがこんにちはの人、もうチョイで二桁です。首を長くしてお待ちしております


254:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:44:59 VRvTKO2x
>>250
一瞬レイディアントシルバーガンが出てきた
そうか聖地の下には向こうの世界のループから追いだされた石のような物体が…

255:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:45:31 UzbN/Z4r
ヘルトラマン喚ぼうぜ
もしくは時雨キョウゴ
カードはデッキを持っていてもバイク型竜のテスティナルしか使わないし基本ポン刀のみだからデルフとも相性は良いはず

256:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:52:55 +DBYfCv6
ライドウの人乙です。
ところでゼロの仲魔をwikiに追加したのってライドウの人本人かな?
ちょと聞きたいのだけど、ゼロの仲魔の一覧ページの名前が「ゼロの仲魔 - 01」になってるのはなにか意味がある?
ゼロの仲魔 - 01 の中にゼロの仲魔-01、ゼロの仲魔-02と続いていって、ゼロの仲魔 - 02というのを別シリーズみたいな形で書くとか。
基本的に同シリーズなら「ゼロの仲魔」というページ内で分けた方がいいと思うのだけど…
更新しようと思ったけど気になったので聞いてみる。

wiki更新報告スレで聞くべきなのかもしれんがあっちを見てないと困るのでこっちで失礼。

257:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 21:55:57 3GRIYi6y
むむむ

258:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:00:26 rRW/pZD/
コモンマジックのフライとかレビテーションは重力操作している節があるから
応用してブラックホールを作ってですね


259:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:01:39 SYlDpO0c
タバサがペギラを召喚したら
通り名が『雪風』から『吹雪』になりそうですね・・・

260:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:02:25 1FYORbbf
サハラのとある村にノアの神の像が…

261:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:03:50 Zo9NG1j5
まさに白い悪魔か(道警的な意味で)

262:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:05:03 FffTNze+
>>230

メフィラスはメフィラスでも、昔あった「超闘士激伝」のメフィラス召喚では?

263:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:11:15 lKhcsZHt
>261
ほくとくんですねわかります

264:ライドウの人
08/06/28 22:14:19 krXOAQmx
>>256さん、白状します。ついまとめに入れたくて自分でやって失敗しました。ごめんなさい。
まったくその通りにやろうと思ったんですけど、間違って【‐】と【-】の二つを使って一話を二個作ってしまったんです。
それで片方をゼロの仲魔にしたらいいかと思ったんですけど、ページ名の編集ができなかったので、更新報告スレで、
半角じゃないほうを「ゼロの仲魔」にしてくださいと管理人さんにお願いしました。

なんかすごく恥ずかしいです。

265:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:14:30 /QWQlZXd
>>262
ピッコロさん+ベジータなメフィラスですね。

266:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:15:20 YcXSpQyW
フライはあるけど、レビテーションはあったっけ?

267:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:15:32 Zo9NG1j5
ほくとくんを思い浮かべようとしてJR北海道のモジャくんを思い浮かべた道民が通りますよ

268:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:19:27 +DBYfCv6
>>264
ああ、更新報告スレを見てみたら書き込まれてました…
すみません私も見落としてました…
どんまいです次回も期待してますー。

269:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:22:05 d0JFi/Zm
>>250
ティガなんかマジに旧支配者・ガタノトーア倒したようなもんだしな。
時空間移動するノアとあわせて旧神扱いでもおかしくない強さだな。

270:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:22:24 pwW32ytA
タバサに風殺破とか封殺裂空破を教えるメフィラス烈風斎

271:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:26:42 kkd0KInF
タバサに風の拳を教えるリュウ

272:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:29:22 UzbN/Z4r
>>271
あれは相手を活かして一撃で倒すという概念的なものでな

273:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:29:23 eNx2hWfh
>>256
>>264
>>268
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

これだけだとわかりにくいので
「ゼロの仲魔」
で新規作成して旧ページをアドレスとあわせて削除依頼出そうと思ったが
wiki鯖自体が不調で更新不能OTZ


274:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:33:52 pwW32ytA
>>271
殺意の波動に目覚めたジョゼフを倒すタバサのお話ですね、わかります

275:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:37:49 Vv6fd96y
風の拳と聞いて最初に思い浮かんだのがエアマスターの渺茫(びょうぼう)でした。

276:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:39:51 vOfMxkbO
瑞原風の剣を思い出した。

277:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:40:46 qYw/aUdE
行動原理が『復讐』の奴に「『相手を生かす』風の拳」なんか使えるわけねえだろw

278:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:43:09 +DBYfCv6
渺茫弐あたりを呼べば発勁祭りですね

279:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:48:08 PTg7bNIh
エアマスターか……
坂本ジュリエッタ召喚
ギーシュ戦で
「例えばお前が昔……貴族に売られる女の子を助けた事があるとしよう」
「でも死ね」
そういえばこいつ爆殺シューターなんて異名持ってたな

280:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:48:08 YjlXH3KP
エアマスで一番かっこいいのはリーさん
異論は認めない

281:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:50:45 FLWEe7Y1
どうでもいいがリュウ召喚で、ファミマガに短期連載されていた漫画の方が話に挙がらないのは何故だろう?

282:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:51:49 UzbN/Z4r
>>280
八極拳の八極とは一撃の意だか
リーさんもいいけど尾形が好きなんだよね
>>281
知名度かと

283:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:51:57 aLqQh0oi
乙女度という点でなら長門には負けるぜ!

284:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:53:52 FLWEe7Y1
>>282
一時期あの漫画のためにファミマガ買ってた俺としては悲しい事実だ
個人的にはあのいつも腹減らしてて大雑把で陽気なリュウの方が好きなんだが

285:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:54:17 hch4yzgP
ルイズのためならハルケギニア絶対究極破壊爆弾だって受け止める使い魔ですね

286:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:54:49 +DBYfCv6
長門は金治郎の嫁

287:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:55:19 hch4yzgP
>>282
それだと情報統合思念体になっちまうぜ。

長戸だよな。男で妊娠できるあの人

288:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:56:11 QAu7eCgg
ルイズはダッドリーか弟子でも育てようかと思ってるナイスな仙人でも呼べば良い方向に育ててもらえるんじゃないか

289:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:56:17 d1ghOcxm
>>276
葉月乙

290:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:58:19 kTu4Z/+j
カナダから人権擁護審議会員(俗に言う人権擁護委員)を
呼んだらトリステインは移民の侵食で悩まされた上に
未成年の凶悪犯罪の発生率がアメリカ以上になるな。
でも人権擁護委員の消えたカナダは売国奴と移民とカルトの処分がやりやすくなって
無茶苦茶平和になるだろうw

291:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 22:59:31 K3qByhz9
>>284
神崎将臣のやつだっけ?
俺も全部読んだなぁ。
あれはあれで中々良かった。

292:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:01:29 gmccPXPc
>>277
ちげーよ。
行動原理が復讐のヤツが、憎い仇を活人拳で倒すのがドラマチックなんだろう?
こう、殺意の波動に目覚めてグラントロワを拳一つで粉砕したジョゼフを、
リュウ直伝の風の券で倒してだな、そんであえてトドメを刺さないでだな、

「なぜこの俺を殺さないシャルロット! 己はお前の父を、シャルルを殺した男だぞ!!」
「……それは、あなたの目が悲しみを湛えているから」
「馬鹿な!? 己は……俺はッッ!!」

293:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:04:15 UzbN/Z4r
>>292
そしてもう一度ファイトすると

294:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:09:02 pwW32ytA
ジョゼフ倒した後

さあ、たいかんしきだ
なにいっ、しゃるろっとさまがいない!!

295:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:11:11 WJRITObH
>>294
その後普通の女の子になるわけですね

296:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:11:23 FZSRU1f+
>>285
それは長戸じゃなくてジュリエッタな

でも、ジュリエッタに愛された場合拒否ると殺されるからピンチだ。
好きな相手に対しては強姦もやってのける危険人物だしな。


ところで、ゼロ魔にジュリエッタに『ジェニー』の称号をもらえそうなキャラっているか?

297:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:17:16 RXPiXwrF
ヨクサルつながりで谷仮面から谷を召喚

島さんと無理に離された時点で絶対に暴れだす上に奴を止められる人間がいない・・・・

298:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:25:01 Vv6fd96y
ストゼロからソドム呼ぼう。
あれなら剣も使える!

299:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:25:59 pwW32ytA
>>298
素直にサムスピから覇王丸でも呼ぼうぜ

300:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:29:33 TdKAOkSz
>>299
強い奴と戦わせることを約束すれば使い魔だろうが何だろうがやってくれそう。

問題なのは貴族の子息・令嬢達から見るとだいぶ不潔だってことか。
宮本武蔵も不意討ちを恐れて極度の風呂嫌いだったから匂いが凄かったらしいし。

301:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:31:09 DAgn24Jy
こんばんは。
まとまった時間がとれたので、次を書きました。投下してもよろしいでしょうか?
よければ10分後からはじめます。

302:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:31:17 CKMRqamT
さてT-0を読み直すか

303:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:32:24 VRvTKO2x
>>298
ソドムを呼ぶならいっそファイナルファイトの方で

あんたは やりすぎた。アルビオンは いままでどうり
おれたちレコンキスタの すきにさせてもらうぜ。

これ以上 ぐんをかいにゅうさせるなら、
まほうがくいんのせいとのいのちは ないとおもいな。

304:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:32:33 rVECoqBH
おお、ペ-スが早いですね。支援

305:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:35:05 oXSXoM7R
どんとこい!

306:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:39:07 DAgn24Jy
 フーケは孤児院のことを思い出していた。
 自分が貴族から奪った財産で子供たちを養っていた場所。
 今はもうない場所。

 ゴーレムの上から、銃の照準を合わせる。標的はルイズ・ヴァリエール。名門の娘。
 フーケは結びつける。孤児院が襲撃された時、あの子は次々と殺されていく年下のきょうだい達を見てどんな行動に出たのだろう。
 皆殺しにされ、自分が発見するまで野ざらしにされていた子供達を置いて一人連れ去られたのはどんな気持ちだっただろう。

「……ゼロのルイズ、って呼ばれていたわね。無能力のあんたがそれを扱ったって、焼け石に水だって分からない?」

 眼下の少女が歯がゆそうに体を震わせる。ルイズもまたブレイズガンの銃口をこちらに向けている。フーケは結びつけてしまう。彼女とあの子のことを。
 あの子は、今ルイズがムスタディオをかばっているように、皆をかばったのだろうか。
 きっとそうに違いない。

 決心が鈍る。彼女を救うために自分は鬼にならなければならない。
 なのに引き金にかけた指は震えている。

「だったら、何だって言うのよ?」

 ルイズがそう切り返してくる。
 貴族然とした、堂々たる声だった。




「ブレイブストーリー/ゼロ」-21



   ◇



307:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:40:56 DAgn24Jy
「だったら、何だって言うのよ?」

 その言葉は虚勢だ、とムスタディオは思った。
 彼女は興奮すると声が震える癖があるけど、今は毅然とした声音でいる。
 なのにムスタディオは、小さな背中にそんな印象を抱いていた。
 高級な舞台の上の、達者な踊り子を連想する。人前では決して仮面を外さず、誰かに何かを伝えるために演じるのだ。
 ルイズは誰に、何を、伝えようとしているのだろう。

「ヴァリエール様、逃げろ」

 そう言おうとしたつもりが、声が掠れてろくに言葉にならなかった。ルイズが流し目でこちらを一瞥するのが、ぼやけた視界の端に映った。
 自分を見た瞬間、その表情にもう一枚仮面が重ねられたのも見えた。
 不適に笑ったのだ。

「あんた、私たちを逃がすつもりはないでしょ。だったらここで逃げ腰になったりしたら、それこそ鹿狩りが始まっちゃうわ」
「へぇ、勇敢だねぇ。でもそれで何か変わるの?」

 ルイズが無言で、ブレイズガンをぎゅっと抱き込んだ。華奢な体には無骨な銃は不釣り合いで、銃に構えさせられている格好になっている。
 勇敢じゃない。無茶だ。

「ヴァリエール様」

 今度は声が出た。
 ムスタディオは太い荒縄みたいにぐにゃぐにゃになった腕で地面を掻き、体を起こそうとする。

「何よ」
「逃げ、てくだ」
「嫌よ」

 にべもない反応。ムスタディオは上半身をなんとか起こしながら、そんなこと言わずに逃げてくれと思う。
 単純な計算だ。
 今彼女が飛びのいたなら、自分は弾丸の餌食になるかもしれない。それでも、彼女一人はタバサ達の助けを見込めるのだ。まだ生き延びられるかもしれない。
 どの道、どう考えても自分は死を避けられそうにない。
 ……そうか、オレ、死ぬのかと思う。
 死にたくなんてない。最後の戦いの地で一度は覚悟した。それでも生き延びてみればやはり死ぬのは嫌だ。
 それでも。

(アグリアスさん)

 近しい女が死ぬのは、もう耐えられない。

「逃げろッ、ヴァリエール様!!」

 血を吐くように叫んだ。
 その懇願に返って来た返答は。

「―うるさい! 何よあんた、さっきから私がかばってあげてるってのに!」

   ◇



308:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:42:15 DAgn24Jy
 ルイズは声を荒げた後にしまったと思ったがもう遅かった。ぐっと八つ当たり気味にフーケを睨む眼光に力を込める。
 ルイズがここに立ちはだかっている理由。身も蓋もなく言ってしまえば、それは見栄だった。
 本心は逃げたくてたまらない。

 しかしそれは馬鹿なことではないと思う。
 見栄のために動く。それの何が悪い。元々貴族の見栄と信念は表裏一体なんだ、と開き直って考える。そして信念とは信ずるに足る貴族像。自分の理想像だ。

 信念は幾度も折れ続けてきた。ムスタディオがやってきて、一際大きく折れた。
 ルイズは未だに、皆から認められたくてたまらない。同級生達から。教師から。家族から。そして一番認められたいのは。

 そしてその努力を諦めた時。
「ルイズ・ヴァリエール」は根底から折れてしまうのではないか。

「あのね! 言っておくわ!」

 ルイズは叫ぶ。
 彼には知っておいて欲しい。
 今はそんな状況ではないかもしれないが、やけだ。知ったことか。

「私はこいつを倒すし、あんたも見捨てないわ!
 いい? 私は魔法だって、ろ、ろくに使えないけど! それでも貴族なのよ!
 貴族って言うのはね、魔法を使える者のことを言ってるんじゃないわ! 敵に後ろを見せない者のことを言うのよ!」

 それが、私が信じる貴族の理想像だ。
 貴方は誤解してる。
 貴族は貴方が思うような存在じゃない。

 ルイズは引き金を引く。
 フーケもまた引き金を引こうとするのを、そのまなじりで受け止めながら。

   ◇



309:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:42:15 +DBYfCv6
しえん

310:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:43:17 DAgn24Jy
 その瞬間。
 ムスタディオは意識の上を駆け巡るあらゆる感覚を忘れた。
 動かない体の苦痛も、張り詰めた危機の空気も、フーケの嘲るような声も。
 ルイズの背中には、先ほどまでは戦死した沢山の仲間達、好きだった女性の背中が重なっていたが―それも吹き飛んだ。

 残ったのは、英雄達の既視感。

 ―異端者の烙印を押されようとも戦い続けたラムザ。
 ―その彼に「私はお前を信じる!」と言い放ったアグリアス。
 ―信念を以って共に闘い抜いた貴族達。

 絶望にまみれながらも誉れ高い、多くの背中。

「―うあああああああっ!」

 ムスタディオは恥も外聞もない声を上げる。体が動く。抱きつけ。引きずり倒せ。盾になれ。引き金に力を込める彼女をかばえ。たとえ無駄な努力だとしても。
 死なせるものか。
 死なせてたまるものか。

 ムスタディオの傷ついた体は、本人が思っているほど俊敏に動かない。
 彼の手がルイズの体を掴む前に大きな衝撃が走る。
 ムスタディオはもみくちゃにされて吹き飛んだ。

   ◇



311:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:43:47 /QWQlZXd
これが支援の臨界!!

312:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:43:59 2svJpLKI
支援

313:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:44:20 2svJpLKI
支援

314:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:44:36 DAgn24Jy
 ……ぱり、ぱりと何かが砕ける澄んだ音があちこちで鳴っている。
 まるで茂みの中で鈴虫が合唱しているみたいだ、とフーケは思った。しかしその季節にしては凍て付くような寒さだった。

「……、ぅ」

 これはどういう状況なんだろう。
 フーケは起き上がろうとし―全身がばらばらになるような痛みに息が詰まり、激しく咳き込んだ。しかしその痛みは我を取り戻させてくれる。
 辺りは惨憺たる状況だった。
 スクウェアクラス、いやそれ以上の使い手の氷魔法が炸裂したかのようだ。
 森は凍て付き、木々はなぎ倒され、自分のゴーレムはというと―ガラスの人形を床に落としたように、凍てついたまま砕け散っていた。
 氷が溶け始めているのか、あちこちで氷割の音が虫が鳴くように爆ぜている。

 何が起こったのか、フーケは一瞬思い出せない。
 自分が後手に回ったのは覚えている。
 ルイズのあの言葉を聞いて、さらに逡巡が大きくなってしまった。
 彼女は自分の信念に基づいて行動している。
 自分は、自分の信念をどうしてしまっただろうか。
 そんな迷いのために、引き金を引くのが遅れた。

「ぅ、く、」

 思考がざらついて、頭が痛む。その後は。

(……まさか、この氷はあの銃の仕業だっていうのかい)

 色々と思うことはあったが、フーケはとりあえずその一点に思考を絞った。
 そうして心中に生じたのは驚きと。
 歓喜。

 あれがあれば、自分はきっと。

 フーケはよろめきながら立ち上がる。
 ナイフを鞘から抜き、

   ◇



315:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:44:45 e+xcJyzR
ここが支援の分かれ道。

316:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:45:30 K3qByhz9
さあ、支援をしようじゃないか。

317:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:46:00 6xy1lnbH
【競馬】声優の新谷良子さん、ダビスタDSの宝塚記念を「ニューヤワラチャン」という『セン馬』で制覇! [080628]
スレリンク(liveplus板)

318:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:46:02 pwW32ytA
シ・エーン

319:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:46:18 DAgn24Jy
 空中で竜が旋回しているのを、ルイズは放心状態で見上げていた。

「……キュルケ、タバサ」

 その竜の上に見知った人影を見止めた。キュルケが手を振っている。その表情が少しだけ必死だ。普段嫌っているキュルケの余裕のない顔を見て、ルイズはちょっとだけざまあみろと思う。
 だけど何であんな顔をしているの、と思ったところでルイズは自分が寝ころんでいることに気づいた。
 自分は立っていたはずだけど。立ってブレイズガンを抱えて引き金を―

「!!」

 がばりと上半身を起こす。体が痛む。やけに寒い。周囲の様子を見て絶句する。

「ムスタディオ!」

 そして一番の心配を叫びながら立ち上がろうとして、後に誰かが立ったことに気づく。

「ムスタ!?」

 振り返った先にあったのは―、フーケの顔だった。

「おとなしくしな!」

 緊張の糸がぶちりと切れた。
 悲鳴を上げようとした口を掴まれ、その腕が蛇のように首に巻きつきあっという間に抱き寄せられる。喉元に冷たい物が突き付けられた。
 反射的に手に噛み付いたが、途端に首に鋭い痛みが走り、ルイズはひきつけを起こしたように固まってしまった。
 心が、萎縮する。

「あんたらも降りてくるんだよ! ―そう、聞きわけがいいね」

 瞬く間に事態が進行する。シルフィードが着地する。タバサとキュルケが手を挙げて背中から降りる。キュルケが何か悪態をついているが、内容を理解できるような心境ではなく、もう声も出なかった。

 ただ、助けて、とルイズは思った。
 今しがたまで自分が助けようとしていた使い魔の顔が、頭を占めていた。

   ◇



320:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:46:26 2svJpLKI
ティファどうなっちゃたの支援

321:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:48:12 DAgn24Jy
「あんたたち、動くんじゃない! 動いたらこの小娘の命はないよ!」

 フーケは乱れ切った自分の呼吸を正せない。それは焦りと興奮によるものだ。
 迅速かつ的確に、状況の天秤は自分の方へ傾いた。
 両手を挙げたままの二人のメイジ、そしてその使い魔を睨み付けたままフーケはじりじりと移動し、転がっていたブレイズガンを空いた手で拾い上げた。
 銃口を少女達に向ける。

「あんたたちに恨みはないけど、死んでもらうわ」

 どちらを先に始末しようと考えて、どちらでも良いと思った。自分がブレイズガンを用いれば、とんでもない威力を発揮するだろう。竜は死なないかもしれないが、隣り合った二人の人間などひとたまりもあるまい。
 そう考えてたまたま標的にした小さな少女が、何故か驚くほど平静でいることにフーケは眉をひそめた。

 そして弾かれたように思いだす。
 ムスタディオはどこだ。

「ムスタディオ! どこにいるんだい!? 姿を見せな!!」

 フーケは叫びながら前しか見てなかった視界を急いで広げる。
 その瞬間、自分と少女達以外に動く何かが掠めた。

 それは砕けたゴーレムの残骸の中。
 砕けた肩口に未だ固定された銃。
 その無骨な兵器に、体を引きずるようにしてムスタディオが取り付いていた。
 その手の甲に異様な輝きが灯っているのを見て取った瞬間、フーケの背筋が総毛立つ。

 反射的にルイズを弾き飛ばした。
 反対方向に跳んで逃げようとした彼女はしかし、ムスタディオの片手に刻印されたルーンの力を知らなかった。

 光の筋が一直線に大気を貫く。
 魔シンガンから発射された弾丸は、標的以外への衝撃波を最小限に抑え、フーケの脇腹に直撃した。

   ◇



322:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:48:56 XCmbjcmH
シエン

323:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:49:10 2svJpLKI
支援

324:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:49:35 7B6JWT/8
ムスタディオと聞いてとんできました
支援

325:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:50:23 DAgn24Jy
 魔シンガンを発射した瞬間に跳ね返って来た衝撃に、ムスタディオは耐えられなかった。
 全身の骨が軋み、地面を転がった。
 しかしのたうっていたのはほんの短い間で、すぐに細い腕に抱き起こされる。

「大丈夫、折れてるのは末端の骨だけ」

 タバサ様。ありがとう、と言おうとしたが声にならなかった。
 少し離れた場所では、ルイズもまたキュルケに助け起こされている。

「よかった、無事なのか……」

 安堵するムスタディオの耳元で、タバサが囁く。

「フーケはあそこ」
「――、」

 見慣れた光景とはいえ、一瞬思考が止まる。
 ルイズ達からさらに離れた位置に、フーケは転がっていた。
 二つになって。

 フーケの体は、胴体から真っ二つになっていた。



326:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:51:20 DAgn24Jy
 酸鼻極まる光景だ。思わずルイズとキュルケの様子を窺う。二人もまた息を呑んでフーケだった物を見つめている。

「―――、―ぃ」

 いや。
 それはフーケだった物ではなく、フーケだ。

「んで、ぃ、ぃき、」

 まだ上半身が動いている。手が空を掻き、獣のような息遣いが地面を舐める。
 ムスタディオはタバサの手を借りて立ち上がると、よろめきながら落ちていたブレイズガンを拾い上げた。使い魔までもが固唾を飲んで見守る中、フーケのすぐ傍に立つ。
 何か言おうかと思ったが、何を言えばいいか分からなかった。無言でブレイズガンを構えるとフーケと目が合った。

 その眼は、殺されてたまるものか、とムスタディオを射抜いていた。
 
 厭な汗が噴き出した。
 これは呪いだ。生きたいと呪う。殺したいと呪う。渇望。
 空気が冷たい。ブレイズガンのせいで冷えている、それだけではない。そんなはずはないのに酷い悪寒がする。
 不意に目の前に霞がかかった気がして、ムスタディオは慌てて周りを見回した。煙幕が残っていたのかと思うが、違う。

 暗がりを凝縮したような何かが、フーケの体から湧き出ている。

 ムスタディオは引き金を引こうとしてたが、その前に。
 ぴん、と何かが張り詰める音を聞き、
 緑色の光が空間を貫くのを見た。

   ◇

 ―聖石の適合者よ、我と契約を結べ。

327:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:51:44 d0JFi/Zm
マチさぁぁぁぁぁぁん!!!!
支援

328:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:51:50 XCmbjcmH
(´;ω;`)

329:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:52:10 K3qByhz9
なんかヤバげだな支援

330:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:52:33 /QWQlZXd
聖石がぁああ!!支援


331:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:52:34 e+xcJyzR
オレハニンゲンヲヤメルゾォォォォォォ

332:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/28 23:53:05 DAgn24Jy
以上で投下終了です。
支援ありがとうございます。
なかなか続きを書く時間がとれなくってごめんなさい。次はなるべく早く書こうと思います。

333:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:53:28 2svJpLKI
聖石キター

334:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:54:36 K3qByhz9
乙したー。
シュラムッフェンとどっちがヤバいんだろうなー(遠い目)

335:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:55:01 oXSXoM7R
ああああああああ
黒ありさんに続いてこちらでもおマチさんが…><

どうなる? 支援だ!

336:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:58:24 2+mRKv7u
てけてけおマチさんが襲ってくるのか!?乙

337:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:58:51 Zo9NG1j5
「やめて!おマチさんのライフはもうゼロよ!」
ル「(ビキビキッ)誰がゼロだぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょっ…違っ…」

338:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/28 23:59:56 e+xcJyzR
>>336
なにげにぬ~べ~グロかったよなぁ

339:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:00:27 bg3e+n+f
>>337
そんな頭がサザエさんみたいな人の怒り方ry

340:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:04:11 JXb78TAH
最近のおマチさんの悲惨さは異常w
これはアレか、フレデリカ嬢の呪いかww

341:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:04:43 OluNqanU

黒蟻といい、おマチさんの訃報が相次ぐなぁ

342:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:05:37 hUQQJ0sv
>>338
ぬ~べ~の作者のオートマティックレディから7号召喚、竜の羽衣はでっけぇミニ四駆でw
まずはコルベールに単三乾電池を作ってもらわねば…

343:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:08:21 MRQt5pqL
>>342
なにその、俺的にジャンプ黄金期の作品は。

344:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:12:14 hUQQJ0sv
>>343
あの頃は他にも、タイムウォーカー零とか変幻戦忍アスカとか好きでしたw

345:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:17:33 ISJFtw9o
>>344
刹那零召喚は考えたんだぜ。
原作コミックスがどっかいっちゃってたんで諦めたが。

346:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:17:56 nF7V8E01
リョナラーとしてはおマチさんのはみ出た内臓の描写が欲しかったぜ!

347:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:19:05 aSss54yy
>>344
時間移動能力者はハルケギニアでも過去にいけるのかな?
いけるんならタバサやジョゼフにはやり直したい過去が……。

348:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:27:13 xqVagnWo
>>344
タイムウォーカー零と変幻戦忍アスカって、軽く十年くらい時間あいてたような気がする…。


黄金期のジャンプからの召喚。
奇面組の誰かとか。

349:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:28:28 XSiBrFdd
>>347
「ルイズのエクスプロージョンで時間を破壊すれば時間移動できるかも」
というのを召喚されたキャラが考えてた作品があった気がする。

350:345
08/06/29 00:29:31 ISJFtw9o
>>347
召喚した零に「やっと逢えた!」と抱きつくルイズ。
青い上着(零がいつも着てるGジャン)を見ながら、
留学前のシャルロットに昔を懐かしむように転機となった事件を話すジョセフ。
もちろんその理由は……。
みたいな展開での短編ネタでした、ええ。
……どーこにいったのかー。やっぱり捨てちまったかなorz


351:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:32:24 SSTUZEy9
>>348
ブラックエンジェルスから水鳳を

352:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:36:11 NEKH5Wv1
ワルドの雷を食らって時間を逆行する美神令子ですね

353:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:40:14 hUQQJ0sv
>>348
そんなに離れてない、多分3~4年くらい。

354:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:41:18 ait2HX9r
時間旅行者か…
時をかける少女より、ケン・ソゴル召喚…召喚儀式の時、ルイズが感じたのは一片のラベンダーの香りだけだった…
当然、錬金失敗の掃除で三人で掃除するシーンからすね

355:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:42:03 OluNqanU
>>349
「バイツァダストッ!!」だの「時を吹っ飛ばすッ!!」だの叫ぶルイズが見えた

356:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/29 00:46:30 cK0kWB2+
こんばんは。
たびたび失礼します。
相変わらず回線か何かに問題があるようで、まとめwikiの編集が出来ません。
よければ、どなたか昨日と今日の二話分をwikiに掲載して頂けませんか?

357:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 00:52:18 GaeTA1TL
いや、最近@wiki自体の調子が悪いんだ。
まぁ今日俺遅くまで起きてるから軽くなったら適当にやっておくよ。

358:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:01:09 pYzKgBip
>346
同好の者として忠告するが自重しろwww

359:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:02:00 zSYPLBn7
>>348
そのまま一堂零召喚でいいかもしれない
零つながりで

360:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:12:57 PvxXs7xy
何の訓練も受けてない小娘に懐に入られ易々とキスされる。
魔法で召喚した、帰す手段は無いと、拉致した本人に言われて素直に信じる。
帰る手段を探してやるとの口約束を信じ、以後は催促することもしない。自分で調べることもしない。
衣食住の保障と引き換えに使い魔(主を守る仕事)を引き受けると、後から洗濯などの雑事まで押し付けられても反論しない。


ここら辺に引っ掛からないのって何があるかな?


361:ブレイブストーリー/ゼロ
08/06/29 01:13:14 cK0kWB2+
>>357さん
ご丁寧にありがとうございます。
お願いしますね。

362:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:16:00 khXOI7rs
一つ目以外はルーンの力でどうとでもなりそうだが
支配を跳ね除けるような人物だと1つ目の条件は満たせないだろうし難しいんじゃね

363:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:17:36 xUCpHTie
>>360
まとめwikiを一通り全部見渡してみると
幸せになれるんじゃないかな?

1話だけでもいいとおもうけど?


364:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:21:04 523S2OhQ
>>360
登場時に死にかけで、もとの世界に未練が無い上に、流されやすく甲斐甲斐しい奴

いないね、そんなやつ

365:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:22:15 /XuFcc1r
行進止まってるけど東方不敗マスターアジア
既に死人で元の世界に未練もないし
ルイズの従順な下僕にはならないけど

366:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:22:16 NEKH5Wv1
>>364
ハヤテだなw


あれは続きに期待してたんだがなあ。

367:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:24:36 W9RvmHP8
>>360
キスされる
 回避できない状況(気絶中、瀕死な状態等)

帰る手段のないことを信じる
 学院内や今いる人間でそのような知識がないから
 しばらくの間だ、で短期間なら納得して貰えるかも。

ぱっと思いつく屁理屈はこんなトコかな。
細かいところはキャラ次第というか
そこら辺をどうするかが長編を書く人間の腕の見せ所なんじゃないかな。  

368:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:28:06 VuY1cd+K
何の訓練も受けてない小娘に懐に入られて易々とキスされたりせず
魔法で召喚した、帰す手段は無いと、拉致した本人に言われて素直に信じたりもせず
帰る手段を探してやるとの口約束など信じず、以後も執拗に催促し自分でも調べる
衣食住の保障と引き換えなんかでは使い魔(主を守る仕事)を引き受けず、洗濯などの雑事まで押し付けられば反論する

さういふ使い魔に私はなりたい?

369:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:32:57 EhzyKJgR
勇次郎だな
間違いない

370:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:34:32 RBc2POce
石原さんちの次男坊?

371:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:36:45 NEKH5Wv1
嵐を呼ぶ使い魔ですね


372:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:39:48 /XuFcc1r
ピクル召喚
キスをしようとしたらレイプされるルイズ

373:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:40:41 wMiQwCrH
ランスは召喚されたかな?

374:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:43:37 lN1cwEG9
>>360

そんなことを気にしていたら、そもそもゼロ魔のSSは書けない。
そこら辺は各作者方なりの展開に任せれば良いじゃないんですか?

わざわざそんな事を書くのは揚げ足を取って楽しんでいるようにしか思えません。
っつーか、アンタ本当にゼロの使い魔が好きなの?

375:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:46:59 3bpoMUPb
ふむ、使い魔は従順にゼロ魔世界に服従し、テンプレ展開という運命に身を任せよということだな。

376:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:48:38 VuY1cd+K
逆に考えるんだ
使い魔が主人を屈服させてしまえばいいんだと

377:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:52:37 AU4XaTLS
>>376
キスすることで何らかの能力を発揮するタイプでかつそれが洗脳系または魅了系の能力持ちなら自然に可能だな

378:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:54:35 1bG8Fk1T
30分の恋奴隷(インスタントラヴァー)!!

379:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:55:25 VuY1cd+K
現人鬼 散(はらら)降臨(済み)である


…姉妹スレだがジャイロは召喚時にけっこう暴れてたな

380:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 01:59:44 EhzyKJgR
ギーシュが甲賀忍法帖の陽炎を召喚
口では不本意だと言いながらにやけ顔で契約のキスをしたら・・・

381:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:19:17 /CE6PScg
シャドウハーツ三作目の敵、レディを召喚。
レディとキスするとマリスに汚染され化け物になる。
レディのキスには死者を蘇らすような力があった。
つまり、負の感情が高まると異形へ変身するルイズが誕生です。
ウェールズも生き返ります。
レディの強さ?
一応ラスボスです。

382:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:30:26 MR3e7fYF
キスした相手が毒を帯びていたんでひどい目にあったというのもあったような。
あとはキスした相手(大気圏突入直後のモビルスーツ)がとんでもない高熱だとか。

死人相手なら帰れないと言われてもあんまり問題ないよね。
後はミカヤみたいに死んだわけじゃないけど帰る未練が希薄な人とか。

383:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:30:38 lN1cwEG9
「クレイモア」でイースレイ召喚。
それで他の虚無の担い手もそれぞれが深淵の者を召喚。
結果ルイズの意思に関わらず、各々の使い魔によってバトルロワイヤル状態ってのはどうですか?

384:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:31:03 xwz7JE1O
>>380
あれ性的興奮が前提だから無理じゃね

385:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:31:58 w0l5xoTu
それよりイレーネ召喚の続きが見たい

386:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:34:52 /XuFcc1r
まだ完結して無い話だけにイースレイ自身がどれ位プリシラに執着してるかもわからないしなぁ

居なかったら勢力拡大とかせずに普通に食っちゃ寝食っちゃ寝のニート生活を満喫するタイプなのか
どうしてもプリシラが居なきゃヤダーって駄々こねるタイプなのか

387:鏡のなかのルイズ
08/06/29 02:50:33 KXMUXDkr
お約束どおり小ネタ持って参上いたしました
3時から投下よろしいですか?

388:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:52:04 EhzyKJgR
今投下してもいいよ

389:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:54:01 wMiQwCrH
それよりもう寝ようぜ?

390:鏡のなかのルイズ
08/06/29 02:54:15 KXMUXDkr
それでは投下致します。

 その男は訝しがることもせず使い魔の契約を受け入れた。
 どこの田舎者だとルイズが尋ねると、男は辺境の村で農夫をしていたと応えた。
 眼に見えて落胆するルイズに何も言うこともせず、その日から男の使い魔としての生活が始まった。
 男は有能であった、炊事に洗濯、その他の雑用など男は何も言わず淡々とこなしたし、寝床が床であろうと食事が使い魔のエサであろうと文句一つ言うことすらなかった。
 そんな男に馬鹿にされているとルイズが癇癪を起こしたことがあったが、しかしいくら鞭で叩いてもいつもと変わらない陰鬱な表情を崩さない男にルイズの感情は長続きしなかった。
 次第にルイズは男のことを気味が悪いと思うようになった。
 ギーシュと決闘でそれは頂点に達した。
 ワルキューレ達に滅多打ちにされる男、体中から血を流し、常人なら昏倒するほどの傷を受けながら男はいつもの陰鬱な表情をまったく揺らさなかったのだ。
 そしてむせ返る血の匂いにギーシュが嫌になり始めたころ。
「気は済んだか?」
 ただ一言そういい置いて、折れた足を引きずりながらヴェストリの広場を男は後にした。
 誰も一言も口を利けなかった、それは男の雰囲気に呑まれたと言うだけではない。
 服が破れ、流れ出た血で赤黒く染まった男の背中には、夥しい数の傷跡が刻まれていた。
 その傷の数と、醜く引き攣れた火傷の跡が残る背中が空想のなかでしか戦を知らない若き獅子の子供達を思いとどまらせたのだった。
 だがその背中を見ていたのは平和を謳歌する魔法学院の生徒たちだけではなく……

 ルイズと男の仲が進展したのは“土くれ”が学院を襲った時である。
 これまでルイズは主人でありながら使い魔として男をどう扱っていいか分からなかった。
 だが身を挺してフーケの攻撃から庇ってくれたと言うのになんの感謝の言葉も言わないのでは貴族として誇りが許さない。
 それからはルイズの別の形で苦悩に満ちた日々が始まった。
 どうやって主人と使い魔の形を崩さずにお礼をすればいいのか? そう言うことばかり考える毎日だった。
 男の方にもそんなルイズの気持ちは伝わったらしい、いつもの陰鬱な顔を僅かに緩めながら男は今日も雑用と畑仕事に精を出す。
 だがもっとルイズは気に掛かるべきだったのだ、どうやって男が破壊の杖―M72ロケットランチャーの直撃を真正面から受けながら僅か全治2ヶ月程度の怪我で済んだのかと言うことを。



 そしてついにその時は来た。
「はっはー、燃えろ、燃えろぉぉぉぉ!」
 燃え盛る炎、真っ赤に真っ赤に人と家屋と空気を焼き焦がす炎。
 その光景を見たとき、男の血は凍りついた。
「―相棒? おい、どうした、相棒!?」
 男の異常にデルフリンガーが叫ぶが、しかし今の男にはその言葉は届かない。
「貴様……」
 男の声に、先ほどまで炎を撒き散らしながら高笑いを上げていた白髪の男はゆらりと振り向いた。
「ほう、これは見誤っていたようだ。匂いからしててっきり燃えカスかと思っていれば……」
 そうして鉄で出来た棍棒のような杖を振り上げる。
「燃え残りの種火の中にこんな極上品が残っていたとはな!」
 そしてメンヌヴィルは白く輝くほどの炎を放った、だが今の男にとってそれはなんら障害とは成りえない。
 系統魔法を無効化する魔剣デルフリンガーがある上、男にはハルケギニアにはないある技術がある故だ。
 男はゆっくりとデルフを構えその切っ先をメンヌヴィルに合わせる、ここ数年ただの一度も抱いたことのない殺意を込める。
 不意に視界の端に鏡が映った、おそらく今の自分はおぞましい怪物の顔をしていることだろうと考えて……
「だめぇぇぇえええええええええええ!」
 “頸”を込めた一刀で叩き切ろうとした炎の前に、男の主が飛び出して来たのは次の瞬間のことだった。
 まさに刹那の出来事だった。
 男を焼き尽くすはずだった炎は一人の少女が身を持って壁となったことで進路を変え、男の隣を通り過ぎていく。
 その視界の端には鏡があった、生徒の素行を監視するためその場所で起こったほんの少し前の出来事を記録し映し出す魔法の鏡。
 焼け焦げ、爛れたその鏡には男を庇おうとする主の必死の姿と―そして戦魔が映っていた。

「きぃぃさぁぁぁまぁぁぁああああ!!!!!」

 男の全ての感情が塗りつぶされる。

391:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:54:28 piWy1Rqj
この流れを読んでて、
某世にも珍しい和姦触手エロマンガから主人公の淫獣召喚して、
キスした拍子に大変なことに……とか妄想してみたが、
どう考えても18禁です本当にありがとうございました没。

つかアレにガンダールヴ付いたら嫌すぎるなぁ。

392:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 02:55:56 piWy1Rqj
おっと割り込み失礼支援

393:鏡のなかのルイズ
08/06/29 02:59:30 KXMUXDkr
 主が消えたことでゆっくりと薄れていく左手のルーンがまばゆいばかりの漆黒の輝きを放つ。
 それは憎悪。
 人一人が紡ぎだしたとは信じられないほどの極大にして純粋な憎悪の輝きだった。
 その輝きにその場にいる者全てが心臓の鼓動を打つのさえ忘れ、ただ恐怖した。
 炎の蛇もメイジ殺しもそして歓喜に震える白き炎さえ。
 自分が死んだと錯覚した。
 もっとも血と焔に餓えた盲目の傭兵だけは、二度とその心臓を動かすことはなかったが。
 全てが終わった後、男は炎によってルイズの姿が焼きついた鏡を持って姿を消した。
 男の名はヴァレル、ヴァレル=アワード。
 かつてその陰惨を極める戦い方から戦魔と謳われた一人の傭兵である。



 以上、作品は榊一郎氏の「ストラグル・フィールド~鏡のなかの戦魔~」より「戦魔ヴァレル=アワ-ド」を召喚でした。
 キャラ的にはコルベール先生とメンヌヴィルを足して2で割った感じの人です。

394:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:14:14 fcB2/DRj
ふっと思ったんだが吸血鬼召喚ってまずいよな。
青空の元で儀式やってるから普通なら一瞬で灰に(ry

395:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:17:44 VuY1cd+K
ダイ=アモンのことかー

さておき、投下乙……と言っていいものか

396:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:19:25 EhzyKJgR
>>394
美神のピートなら大丈夫
ドラキュラシリーズの月下夜想曲の主人公は日の光はどうだったっけ?

397:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:25:14 sg5ElNQX
昼間歩ける吸血鬼で俺がパッと思いつくのは黒人で反り込みのブレイドと、怪物王女の令裡さん。
ブレイドは相手にしないでとっとと出て行くだろうけど、令裡さんはバイセクシャルなのでキスや
美少女との共同生活とかはむしろ望むところか。
ただ、いざというときに真っ先に逃げるから、護衛としては期待できない。

398:サイヤの使い魔(通りすがり)
08/06/29 03:28:44 MLhxCc5c
>>129
そのせいで構想がタルブ村手前で止まってます
十中八九シエスタに尻尾が生えてました的な展開が予想されますので

ついでに言うと、夏コミ合わせの修羅場中でして、まだ投下できません
ごめんなさい

399:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:29:58 LXdcAt11
>ドラキュラシリーズの月下夜想曲の主人公は日の光はどうだったっけ?
ハーフだし人間世界で生活してたり大丈夫なはず

でも装備無しから始めないと敵をアルカードシールドでぶん殴ってデルフいらない状態になるな

400:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:42:32 HSg8NQqt
>>398
予想されましたって……
自分で書いているんだからその構想気に入らないなら捨てればいいのに。

夏コミ合わせって…入稿に間に合うの?

401:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:43:27 lN1cwEG9
>>320

ヴァレル来た~~~(・∀・)
作者さん激しくGJ!!できるなら是非シリーズ化を希望!!

もしもヴァレルではなくムーグ召喚ならばヴィンダールブでしょうか?
彼の能力との相性も絶妙でしょうねw


402:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:45:03 EhzyKJgR
アルカードはダンピールになってるね
あるゆる武器、防具の扱いに長け、狼、霧、蝙蝠に変身でき、七種類の使い魔を呼び出し、魔法まで使い、そのうえデイウォーカーで美形
誰か書きませんかね?

403:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 03:46:57 vcEAmmvE
>>382
毒怪鳥ゲリョスはあったな。こんな時間まで起きてるのもカプコンのせいだ

404:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 06:16:18 FpNRTkas
アルカードは暁や蒼月で日本人のフリして、公務員?やってたな。
たしか有角幻夜って名前だった、出てきたときは「ちょっ!アルカードさん何やってんすか!」と思ったもんだが。

405:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 06:28:15 L1vbNsjr
新参でこんな朝から予告というのもなんですが、近日中に投下できそうです。
クロス先はGUILTY GEAR Xからギアの姫君ことディズィーで。
XXではなくXなので、まだ快賊団には入ってません。不幸のどん底です。

それでは今度は投下の際にでも…失礼しました。

406:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 07:51:06 5KxSipKY
怪鳥ロプロス~空を飛べ~


ポセイドンも空を飛べ~


ロデム~変身 空を飛べ~

407:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:03:17 AY8oewDp
>>406
フライを使えないルイズへのあてつけかw

408:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:05:25 nhDKCJpo
ちょっと気になっているんだが最近まとめwiki重たくないか?
編集や書き込みエラーが頻発しているんだが…

409:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:12:31 X2UrkleS
アルカードの親父、ドラキュラ若本召喚
死亡して復活するまでの百年の間に召喚されたため、力は十分の一以下。肉体も若い頃の(マティアスの姿)。
だがその持ち前の魔力でルイズやアンリを掌握し、ハルキゲニアの支配、そして元の世界への侵攻を企む。
キュルケだけは、「ハンサムだし頭もいいんだけど何だか近づきにくい」と正体に薄々感づいている。

410:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:21:39 5KxSipKY
ついでに神父若本も召喚

411:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:22:20 bc7DNJUs
>>409
ルイズとアンアンは基本的にアフォの子だから簡単に落ちそうだねw

412:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:36:00 a1wcN1ni
つまりシエスタ・ベルモンドですね。

413:ヴェストリの広場の頭脳戦
08/06/29 08:39:05 sg5ElNQX
事の起こりは午後のお茶の時間、私も多くの学生と一緒にお茶を楽しんでいた時の事だった。
あの気障なギーシュが落とした小瓶。
それに気付いた給仕の一人が、善意からそれを落とし主に渡そうとした。
しかし、それが不味かったらしい。
この小瓶(中には香水が入っていた)のせいで二股がばれてしまったとの事で、
ギーシュは少女二人の時間差攻撃で名誉と顔に痛みを受けていた。
すぐさま痛みは怒りに変わり、その怒りは給仕に向いた。
その給仕が誰か分かったとき、私は頭の中が真っ青になった。あれ、私の使い魔じゃない!


ギーシュ「君が!君が少し気を利かせていればこんなことにはならなかったんだよ!」
私の使い魔はなにやら反論している。何してんのあの犬!?
ギーシュ「決闘だ!決闘だよ、君!!」
私の使い魔も望むところだといった雰囲気で、それに応じていた。
ギーシュはヴェストリの広場を決闘場所として指定すると、一足先にその場を去る。
ちょ、ちょっと、止めてよ馬鹿!?シャレになんないわよ!?
私はすぐに使い魔の元に行き、アイツにメイジと平民の力の差を教える。
場合によっては殺されてしまうという事、すぐに謝れば許してもらえるかも知れないという事。
しかし、結論から言うとあいつは私をまったく相手にせず、さっさとヴェストリの広場へ向かった。
なんなのよ、アイツ!死ぬかもしれないのよ?
私は使い魔の命をあきらめようかとも思った。しかし、平民とはいえ人が死ぬなんて嫌だ。
あいつは私の使い魔でもあるわけだし……。


414:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:39:30 ZqOrfMgb
>409
ルイズも最初の頃は使い魔が召喚できた事に興奮して、色々と拙い事を見過ごしそうだな。
ただ、感情的になりやすい事を除けばルイズも気付いてくれると思う。
姫は……わからないが。

415:ヴェストリの広場の頭脳戦
08/06/29 08:40:25 sg5ElNQX
私がヴェストリの広場に着いたとき、幸か不幸かまだ戦いは始まっては居なかった。
ギーシュ「ここに来た勇気は認めるがね」
彼は小馬鹿にした笑みを浮かべながら、薔薇の花を一振りした。
ギーシュ「僕はメイジだからね、魔法を使って戦わせてもらうよ」
するとその薔薇から落ちた花びらが地面に触れた瞬間、そこから青銅の女騎士が現れる。
ギーシュ「僕の二つ名は"青銅"のギーシュ。紹介しよう僕のゴーレム"ワルキューレ"だ。
 君の相手をするのは彼女だよ」
私の使い魔は少し驚いてはいるようだが、一歩も引かない。
ギーシュ「そういえば君、元の世界では学生だったそうじゃないか?」
どこから聞いたのだろう?ギーシュは余裕の表れなのか、私の使い魔に話しかける。
ギーシュ「僕は知っての通り、この由緒正しいトリステイン魔法学院の生徒だ」
ワルキューレは動かない、いったい何を考えているのだろう。
ギーシュ「君はなんていう学校に通っていたんだい?もっとも平民の通う学校なんて
 程度が知れているけどね」
使い魔「東大です」
ギーシュ「・・・え・・・!?」
使い魔「東京帝国大学です」
ギーシュ「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(ワルキューレが崩れ落ちる)」
使い魔「どうかしましたか?」
ギーシュ「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
使い魔「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと頭がいいだけですから^^」
ギーシュ「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
使い魔「ちなみに理3です。」
ギーシュ「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」

もはや、何がなんだか分からないが、ギーシュは死んだ。社会的な意味で。
学歴を誇ろうとした彼は、その学歴ゆえに滅んだのだ。
って、あれ?私も同じトリステイン魔法学院の生徒だから……。
「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから崩れ落ちる)」



たまに見かけるコピペシリーズ「東大生」

お目汚し、失礼しました。マジで。

416:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:40:45 EhzyKJgR
普通にアルカード召喚でええやん

417:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:42:05 ZqOrfMgb
投下中に雑談失礼しました。
支援します。

418:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:42:24 tM1a6/oJ
>>412
つまりゲームとするなら、シエスタとキュルケを操作して、
何処かに囚われたorモンスター化したルイズ達を救助または撃破しつつ進んでいくわけですね? わかります。

419:水の使い魔Splash☆Star
08/06/29 08:46:08 TAmGJYeI
Yes!プリキュア5GoGo!終了後(9:00頃)から、第19話を投下します。

しかし、アナコンディさん。怒るだけでなんのアイデアも出さないなんて…
失敗を生かせないのなら報告書の意味はあるの…?

420:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:46:59 DDAXqYWl
モンモンの香水でハイドロストームを使うわけだな?

421:名無しさん@お腹いっぱい。
08/06/29 08:59:06 8lejaNrn
>>415
予想guyのオチに吹き出したガイドライナーが通りますよ

422:水の使い魔Splash☆Star 第19話(1/5)
08/06/29 09:00:04 TAmGJYeI
あれから2ヵ月の時が流れた…。

トリステインはアルビオンと戦端を開いた。
トリステイン・ゲルマニア間の『反共和制同盟』にガリアが加わり、アルビオンに侵攻したのだ。
傍観を決め込んでいたガリア王ジョセフが、なぜ今になって協力を申し出たのか様々な憶測が流れた。
強力な援軍を得た『反共和制同盟』は、アルビオン空中艦隊の再建が整わぬうちに一気に攻勢をかけた。
夏期休暇中の魔法学院の生徒も、何人か学生士官として参戦したという。
ルイズはその戦いには参戦していない。
アンリエッタ女王から求められた時も「使い魔のいないわたしでは、お役に立てませぬ」とはっきり断った。

戦争は意外なほど早く終わった。
空中艦隊の再建が進んでいないアルビオンに対し、その名も高き、ガリアの『両用艦隊』。
アルビオン側の士気も低く、上陸作戦はあっさりと成功した。
その後も、同盟軍は大した抵抗を受けることもなくロンディニウムまで侵攻した。
アルビオン軍は、戦力として使役していたはずのオークやトロル鬼が次々と統制を離れて暴れだし、同盟軍の迎撃どころではなかったのだ。
戦いは1ヶ月ほどで終了し、新皇帝クロムウェルも自決した。
学生士官達は、ほとんど怪我人すら出ずにトリステインに帰還し、いつもどおりの学校生活が始まった。



423:水の使い魔Splash☆Star 第19話(2/5)
08/06/29 09:00:49 TAmGJYeI
ルイズは、毎朝ミズ・シタターレの小屋を覗いている。
部屋に入って、香水の瓶を取り出す。
毎日、朝一番にシエスタが掃除している部屋は、ほこり一つ落ちてない。
帰ってきたときに、好きだった香りで迎えよう…。ルイズが香水を吹くのは、すでに日課になっている。

ルイズが香水を吹き終えたとき、部屋の隅が白く光った。
そちらの方を向いた瞬間、床から、ミズ・シタターレが出現し、その場に倒れこんだ。

「な、に…これっ?!」
ルイズは、嬉しさより、懐かしさより先に目の前にいるシタターレの姿に驚いた。
体中が傷だらけでボロボロ、服も半分破けている。
何よりも、ミズ・シタターレの体自体が、色を失ったように半透明で、下の床が透けている。
「ちょっと、どうしたのよ!?」
「ううっ…。」
ルイズが呼びかけても、苦しそうにうめくだけ。
「待ってて、すぐに誰か呼んでくる!!」


「どう、何とかなりそう!?」
モンモランシーの部屋まで飛んでいったルイズは、ありったけの秘薬を抱えてシタターレの小屋に戻った。
ルイズの騒ぎを聞きつけたキュルケやタバサたちが見守る中、モンモランシーは治癒の水魔法をかけた。
「ねえ、何とかなる?」
不安そうにシタターレを見つめ、何度も聞いてくるルイズに、モンモランシーは答えた。
「傷だけならね…。でも、これは…。」
一同は、シタターレの姿を見つめた。色を失い、透明になるなど聞いたことがない。
「こいつがここまでボロボロにされるなんて…、『プリキュア』ってどんな相手なのよ。」
「『プリキュア』じゃないわ…、『ゴーちゃん』よ…」
ミズ・シタターレがゆっくりと体を起こした。
「ありがと…、大分楽になったわ。」
「あんた、その体は…?」
「『奇跡の雫』を全部失っちゃったからね。長くは持たないわ…」
「7つもあった、あれを全部!?」
ルイズは驚いて声を上げた。『アンドバリ』の指輪の力は自分も知っている。
…それに匹敵するような秘宝7つ分の力を全部使い切るって…。

唖然としてみているみんなを尻目に、ミズ・シタターレは立ち上がった。
「ちょっと、まだ無理しちゃダメよ!」
「『ゴーちゃん』が追ってくるはず、ここは危険よ。…急いで、ラグドリアン湖にいかないと…」
ルイズも立ち上がり、ミズ・シタターレの目をじっとみつめた。
「ラグドリアン湖までいけば、何とかなるのね。」
シタターレがうなづいた。
「わかった、あとでちゃんと説明してよ…。みんな、お願い、手伝って!」
まわりにいる全員がうなづいた。

「ちょっと、無理いわないで、あんたたちじゃゴーちゃんにかなうわけないわ…。」
ルイズは、前に『魅惑の妖精』亭であったゴーヤーンの姿を思い出し、みんなに説明する。
キュルケはうなづくと、シタターレに向かって話しかけた。
「心配しないでよ。だれが、あんたをこんな風にできる奴と戦うものですか。
 とりあえず、そいつをラグドリアン湖に行かせなければ良いんでしょう。」
「あとは、そいつに見つからないように、こっそりラグドリアン湖までいく手段だな。」
「急がないと、追っ手が来る…」
一同は小屋を出て、それぞれの準備を始めた。

「ありがと…。」
「その言葉は、あんたが助かったときに、みんなで改めて聞くわ。」
ルイズはシタターレの手を引き、裏庭へと駆け出した。




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