らき☆すたのこなたとシンが知り合いましたPart19at ANICHARA
らき☆すたのこなたとシンが知り合いましたPart19 - 暇つぶし2ch70:みなシン
08/06/18 16:42:11 GGtQZG/W
近くにある喫茶店に入ったみなみとシン。
シンは自らが頼んだブラックコーヒーを一口飲む。
それに習い、みなみもシンに奢ってもらったオレンジジュースに口をつけた。
「さて……と」
「………」
「とりあえず、さっきのみなみの質問だけど…はっきり言ってしまえば、俺はコンプレックスだらけだ」
「えっ?」
シンの口から出た答えに、みなみは驚きの声を上げた。
彼女から見たシンは、かっこよくて運動神経もよく、いつも優しげに話してくれる理想的な存在だったので、彼が劣等感など感じているとは思えなかったからだ。
「いや…だらけだった、と言うべきかな」
「だった…?」
「例えば、そうだな……俺の目を見てどう思う?みなみ」
右手で自分の瞳を指差しながら問うシン。
『目を見てどう思う』その言葉にみなみは首を傾げながらシンの瞳を見つめる。
そこにあるのは綺麗な赤。彼だけが持つ鮮やかな深紅の瞳がこちらを見つめ返していた。
「どう…と言われても…」
返答に困っているみなみの姿を見て、シンは苦笑しながら口を開く。
「変、じゃないか?紅い目だなんて」
シンの言葉に驚き、みなみは一瞬息を止めた。
「そんなこと…」
「いや、いいんだ。自分が一番よく知ってるから」
「先輩……」
「実際、『俺が元々いた世界』にいた頃も、紅い目の奴なんて俺しかいなかった。人ってのは自分と違う異形のものを嫌う習慣があるからな。この目が元で、トラブルに巻き込まれるのも少なくなかった。だから、小さい頃から俺は、この目が嫌いで仕方がなかった」
シンは何処か遠い目をしながら話しを続ける。
「でも、ある時…1人の親友がこう言ってくれたんだ。『俺はお前の瞳が好きだ』って…『お前にしかない、お前だけの色だろう、それは……俺にはそういうものがないから、お前がうらやましく思う』って」
「…………」
みなみはいつの間にかシンの話に引き込まれていた。
オレンジジュースの中にある氷がカランッと音を立てる。
「それを言われたときに気付いたんだ。コンプレックスなんてものは、自分の考え方1つで全然違うものになるんだって……」
「……それは」
「みなみはちゃんと笑えてるよ」
「えっ?」
シンの言葉にみなみは首を傾げる。
「ただ、他の人より表情の変化が少ないだけさ。みなみの大切な人は、みなみが笑ってるってちゃんと分かっているから大丈夫さ」
俺の親友もそうだったしな……と微笑むシン。
その言葉にみなみは、胸にあったわだかまりが消え、代わりに何か暖かいものが流れ込んでくるのを感じた。
「ありがとう……ございます」
「いや、そんな大したことじゃないって…それより大分時間食っちまったな、そろそろ帰るか。送ってくよ」
「あっ…シン先輩!」
先に店を出て行こうとするシンを呼び止めるみなみ。
「んっ?」
無理はしなくていい。少しずつ変わっていこう。
そうすればいつか…先輩のように自分を好きになれるかもしれない。
「私も……私も先輩の瞳、好きです!」
そう言ったみなみの顔は、今までで一番綺麗に笑っていた。




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