08/06/25 00:16:21 KdZG7RJ6
「ねぇパチュリー この本はなに?」
「それは…召喚魔法の本ね」
「召喚魔法?」
「そう、小悪魔のように異界から従者を呼ぶ為の呪文について記された魔道書」
「あ、懐かしいですね。魔界にいてお呼びが掛るなんてこの数百年なかった事ですから、
あの時はどんな方に呼ばれるんだろうってドキドキしましたよー」
「ふーん…私にも出来る?」
「それはどうかしら? 試してみるのも良いんじゃないかしらね」
「じゃあ、借りて行くね」
「えぇ後でちゃんと返してね」
「魔理沙じゃないんだからぁ」
そういい残して歪な羽を持つ少女は図書室から出て行った。
「えっと…よろしいんですか?パチュリー様
私が言うのも何ですけど、魔界にはろくでもない奴らも結構居ますよ」
「魔道はきちんとした法則にのっとらない限り発動しない学問よ
それにあの本はちょっと変わった術式でね、大掛かりな魔法機関が必要なの
妹様の暇潰し以上の事は起きないわよ それに万が一成功しても
妹様に敵うほどの悪魔なんてそうそう呼び出せないわ」
「それもそうですね」
「納得したら新しく入荷した本の整理を続けて頂戴」
動かない大魔法図書館の異名をもつ知性の少女もこの時は気付かなかった。
何度繰り返しても結局誰一人勝者を得る事ができず、継承すべき三家も途絶えてしまい、
誰からも忘れられた世界から大聖杯と呼ばれる魔法機関がごく自然に博麗神社の地下に幻想入りした事に