08/03/21 18:27:30 Dtb9r5Mt
あまりにも激しく変化し、そして実現された「日本による平和(パクス・ニッポニア)」に生きる私は、その成立を最も間近で見た人間だ。
特に、あの統一戦争と呼ばれる一連の紛争について、私は当事者だったのだから。
ならば独断と偏見に満ちたものでも、血に染まったあの戦場を経験し、生き残り、そしてその原因にして結果だった私には、見聞きし、感じたことを後世に残すのが私の務めではないだろうか。と。
傲慢にすぎるかもしれない。
私は自分がそれほどいい人間だとは思わないし、夫や友人たちが言うような優しい人間ではないとも思う。それゆえ、この手記は大変に不愉快に思われる人がいるかもしれない。
記すにあたって公平を期し、当時の関係者や友人たち、かつて敵だった人々にも意見を求め、可能な限りの修正を加えた。
読者諸君においてはこれを資料としてではなく、一人の女性と、その周囲の目から見たあの戦争とその後の風景として読んでいただくことを願いたい。