あの作品のキャラがルイズに召喚されましたpart115at ANICHARA
あの作品のキャラがルイズに召喚されましたpart115 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:38:59 b8xI1cuU
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。

3:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:40:08 xUYJYStn
>>1


4:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:40:35 jqjdp9y8
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠~~~┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい~んつもい~んつもみ~んつめてなぁさぁ~い
┠~~~┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ~
┃         おしおきするのふぅ~らりふぅ~らりふぅ~らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ~けは
┃            たちみーつ~んかれたかぁ~ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す~き~よ~ンなんてうそ~よっ
┃               き~ら~い~ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ~~~~~っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ~~~~ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと~はだれ~よ~りそンばンにンいンたあ~いの
┃                     あ~い~の~く~さ~り~でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ



5:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:43:19 LxKMRjD1
>>1
乙ー

6:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:43:24 eAYMu9CZ
糞餓鬼

7:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:45:00 0o0xb5e9
>>1
乙であります。
>>4
国歌斉唱乙

8:デスティニーゼロ
08/02/23 21:45:11 ell2Ga3h
第2話 戦いを呼ぶもの

用意できたら投下します。

9:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:47:22 Wxn+9Ucl
>>1

>>4
前にメタルダーが流れたことがあったな

10:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:48:12 5BEVWGmC
>>1

                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -―- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    ∟/          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -―く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|ⅩⅩ∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |ⅩⅩⅩ>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -―-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|Ⅹ >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-―┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>


11:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:49:10 YQtnU9Va
それじゃあ支援

12:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:49:43 QEBxiJT+
>>8
以前の荒らしじみた駄作であればお引取りを。
そうでなければどうぞ。

13:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:50:34 KLj1iSN3
>>11
そいつは2スレ前に湧いた荒らしだ
ほっとけ
と言うより罵倒と共に不許可が正解

14:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:51:44 c2sdZPNL
>>8
毒吐きでやれ

15:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 21:55:16 vdOlujCs
支援

16:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:00:09 0o0xb5e9
2スレ前にいなかったので知らないが
>>8 が自分で読んでみて荒らし・スレチでないと思えるならどうぞ。
俺は>>8 を信じてみる。

17:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:03:21 mbdV5LMa
>>16
いや、完璧な荒らしだったよ


18:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:06:09 0o0xb5e9
>>17
じゃあ条件を変えよう。
>>8 が自分で読んでみてイザベラ様の魅力を存分に表現出来ていると思えるなら支援しよう。

19:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:06:52 B442WQ4f
何が信じてみるなんだか・・・

20:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:08:36 PaSYYRpl
8ってガチ荒らしなんじゃ

21:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:08:40 Z/yieNVv
>>18
多分君荒らし認定されてるとおもうよ、既に。

22:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:10:33 0o0xb5e9
>>21
え、マジですか
それはすまない事をした。ごめんなさい。

『きさくな王女』読んだ後でテンション上がってたんだ。

23:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:11:31 E5Vw+4+8
>>8
ゼロのルイズが種死のシン・アスカを以下略
スレリンク(anichara板)
へどうぞ。向こうならヘイトSSでもそれをネタにして盛り上がれるから。

24:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:11:38 KLj1iSN3
最低限前歴理由に荒らし扱いしてる言に反論したいなら
その前歴確認してから物を言え
それすら出来ないのならお前も荒らしだ

25:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:12:23 AQKMumzk
気さくのせいにすんなよ。空気読め。

26:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:12:41 2HaQco7t
>>18
前に宣言した時の副題が、
フーケフルボッコで肉便器
みたいなのだったんだ。

前の内容も察したな?
察したらこれ以上触るなよ?

27:ゼロの魔獣
08/02/23 22:15:10 g4o7M5RM
5分後に投下してよろしいでしょうか?

28:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:16:29 KLj1iSN3
ばっちこーい
ただそろそろ書き手は全員トリ推奨徹底した方が良いと思う

29:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:17:08 b8xI1cuU
支援

30:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:19:46 0o0xb5e9
>>24
反論するつもりはなかったんだが、そう見えてしまったならこちらの落ち度だ。
一応wikiのまとめとgoogleは探したんだが見つからなくてな、
本当にすまなかった。

31:ゼロの魔獣 第25話
08/02/23 22:20:35 g4o7M5RM
「フン・・・ あの山師め・・・ しくじったか」

誰に言うでもなく悪態をつきながら、ワルドがゆっくりと慎一の方に向き直る。
その冷めた目で、慎一のダメージ、傷の一つ一つをじっくりと分析していく。

実際、慎一の状態は最悪であった。
おびただしい量の出血、未だ開かぬ右目、薬によって極限まで酷使された肉体、
僅かに体を動かすだけで、その全身が悲鳴を上げる。

だが、だからといって歩みを止める慎一ではない。
猫の鼻先に噛み付く鼠の如く、雀を仕留める蟷螂の如く
肉体の最低なコンディションが、慎一の中にかつてない集中力を生み出していた・・・。

「シンイチ 俺を使え!」
その声を聞き、ゆらりと踏み出そうとした慎一の足が止まる。
声の主は、数少ない惨劇の目撃者・デルフリンガー。

「・・・役者不足だ すっこんでろ」

「俺にも王子と娘っ子の分 あのクソ野郎をボコらせろ」

「・・・・・・・・」

慎一は無言でデルフリンガーを掴むと、ゆっくりと鞘から引き抜いた。
すると、そのくたびれた刀身がたちまち輝きだし、
突然重力を加えられたように、慎一の右手がガクンと下がる。

輝きが消えた時、そこには業物と呼ぶにふさわしい、大振りの剣があった。

「本来なら相棒にしか見せねえ姿だが シンイチには特別だぜ
 本来の使い手じゃないお前さんにはしんどいだろうが その馬鹿力で何とかして見せな!」

「・・・上等」
言いながら左手を沿え、大剣を肩で担いで、慎一が中央へと進んでく・・・。

「随分と厳つい王子様の登場だな
 そんな無骨な代物でいじめられちゃあかなわんよ」

軽口を叩きつつ、ワルドが詠唱を始める―。
風のユビキタス(偏在)-たちどころに四人のワルドが出現し、慎一を取り囲む。

「5対2だ カゴの中だな
 どうする? 魔獣・・・」



32:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:20:50 b8xI1cuU
支援

33:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:20:59 KLj1iSN3
荒らしの戯言がまとめに載る訳ねえだろ

34:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:22:52 T8MIv6kR
支援

35:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:22:56 wFMKFuVS
何でか知らんが毎回擁護するバカが沸くな

36:ゼロの魔獣 第25話②
08/02/23 22:23:02 g4o7M5RM
慎一は応じず、本体に向け、ゆっくりと青眼に構える。
一切の気負いのない緩やかな動き。 
対手を射すくめるような隻眼の輝きが、古来の剣豪の風格を漂わせる。

この立会い、慎一にとってはヴェストリの応用問題である。
偏在の技の多様さ、キレは青銅乙女の比では無いだろうが、
気配を辿るべきは、結局のところただ一人である。
心の下に刃をあてがい、慎一が精神を研ぎ澄ます。

意外にも挑発に乗ってこない慎一に対し、ワルドが軽く舌打ちをする。
やがて、真横にいた偏在の一人が詠唱を始める。

選んだ魔法は『ウィンドブレイク』・・・その威力はラ・ロシェールで証明済みだ。
受けるか、避けるか・・・ いずれにしても、慎一は動かざるを得ない。
その全ての動きに対応できるよう、4本の杖が油断なく構える。

実戦経験に裏打ちされた必勝パターン。
その完璧さゆえに、慎一は敵の思考を看破するに至った。

慎一は受けもせず、かといって避けもせず、ただ覚悟して腹筋を固めた・・・。

直後、右方向から凄まじい、だが、期待通りの衝撃が慎一に叩きつけられる。
大きく吹き飛ばされながら体勢を変え、デルフを振りかぶる。
魔獣の隻眼が、その後方の四つの瞳と交錯する。

一瞬の斬劇―。

横薙ぎの一撃で二つの偏在が掻き消え、慎一は右肩に相打ちとなる一撃を受けた。

ワルドも又一流である。
作戦が裏目に出た事を知るや、直ちに残り二体の偏在と供に魔法を唱えた。
たちどころに三本の稲妻が飛び交い、閃光が慎一を包む。
掻き消える直前だった右肩の杖を通し、慎一が内と外からバーベキューになる。

「ガアアァァッ!! 
 ヌッ!ぬりィんだよォォォ!!!」

叫びながら、慎一が手近の偏在に突撃する。
構えも糞もない、愚直で大雑把な一撃、偏在は余裕を持って杖で受ける。

―直後、炸裂音を伴い新たな閃光が生じる。
 全身を灼かれながらも、慎一は全身の細胞を変化させ、電撃を体内に蓄えていた。
 受け止めた剣先から三本分の雷撃が生じ、熱風で偏在が消し飛ばされる。


37:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:23:22 WJx3Osnm
しえん

38:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:23:47 PaSYYRpl
支援

39:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:23:50 rOSRu/jE
支援

40:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:24:52 b8xI1cuU
支援

41:ゼロの魔獣 第25話③
08/02/23 22:25:12 g4o7M5RM
焼け焦げた慎一に止めを刺すべく、ワルドが残りの一体を動かし、更なる詠唱を始める。
魔法を阻止すべく、慎一がデルフを逆手に持ち替え、振り向きざまに一投する。
レーザー光線のような一撃が、最後の偏在を串刺しにする。

同時に二人の魔法が完成し、超局所的な竜巻が慎一を包み込む。
螺旋を描く真空の刃が、グズグズにただれた慎一の肉体を容赦なく切り刻み、
血風を巻き込み真紅の大渦となる。
頭部を守ろうとした慎一の両腕が千切れ飛び、はるか上空へと巻き上げられていく・・・。




腹を潰され、肩を抉られ、全身を妬かれ、膾の如く切り刻まれて、
遂に魔獣が膝を屈する。

強敵の心が折れたのを確認し、トドメを刺すべくワルドが勇躍する。

「遊びの時間は終わりだッ!!! 魔獣!!」

「次は食事の時間かァッ!?」

叫びながら、慎一が顔を上げる。その隻眼が捉えているのはワルドではない、その更に後方・・・

「なぁッ!! ゴールドォ!!!」

閉ざされていた右目が突如として瞠き、黄金色に怪しく輝く。
直後、上空を舞っていた右手の回転がピタリと止まり、ワルド目掛けて一直線に急降下してくる。

「な・・・ッ」

かろうじて体を捻ったワルド、その左肘に、慎一の右手が喰らい付く。
万力の如き握力が肘先を締め上げ、ベキベキと骨の砕ける音が響く。

その指先が、徐々に無骨な乳白色の牙へと変化を遂げていく・・・。

「グアアアアアアアアアッ!!」

ワルドが叫び声を上げる。
千切れ飛んだハズの右手から変貌した金色の獅子が、ワルドの左腕を食い千切った・・・。



42:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:25:25 Z/yieNVv
支援

43:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:25:33 +Xk4zXun
支援

44:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:25:54 b8xI1cuU
支援

45:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:26:19 +Xk4zXun
支援

46:ゼロの魔獣
08/02/23 22:27:05 g4o7M5RM
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。


47:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:27:37 b8xI1cuU
支援

48:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:28:24 PaSYYRpl
お疲れ様です。

49:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:28:37 0o0xb5e9
>>魔獣の人
乙です


50:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:29:00 T8MIv6kR
乙です。このまま余すところなく頂いて欲しいが……。

51:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:29:39 b8xI1cuU
乙です

52:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:31:58 mbdV5LMa
乙であります


53:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:34:04 vdOlujCs
乙です

54:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:34:08 g3Ul8gQV
毎回いいところで切りやがるなw

55:ゼロの騎士
08/02/23 22:36:18 AxTHoNIe
次投下しても大丈夫ですか?

56:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:38:26 b8xI1cuU
どうぞ

57:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:38:45 PaSYYRpl
支援

58:ゼロの騎士 第二話
08/02/23 22:38:46 AxTHoNIe
ゼロの騎士 第二話
 
 
「本当にここはイヴァリースでも、オルダリーアでも、ロマンダでも、ゼラモニアでもないんだね?」
 
「だからここはトリステインだって何回もいってるでしょうが!」
 
その後ラムザはルイズに対して一時間も質問責めを続けハルケギニアのことをなんとなくではあるが把握しはじめていた
 
 
「じゃあここはイヴァリースとは別次元…クラウドの世界なのか?」
 
「はぁ?クラウド?どこそこ?」
 
「あぁ、クラウドっていうのは場所じゃなくて僕の世界に別次元からきた異邦人のことなんだ」
 
「別の世界?またそんな嘘ついて…」
 
それに反してルイズはラムザの言うことを信じない
別世界からの来訪者というものに出会ったことがあるラムザは既に自分が別世界にいるということを受け入れ始めているが、これまでそんな経験をしたことがないルイズに所詮それは無理な話しである 
そう考えたラムザは異世界からきたという証拠を探す
 
「えっと…どうすればいいかな?」
 
「とりあえず私達も戻るわよ、この話は戻ってからね。もう誰もいないだろうけど」
 
「あ、おい、ちょっとまってくれよ」


59:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:39:51 b8xI1cuU
支援

60:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:40:50 AxTHoNIe
 
そう言うとルイズはラムザの制止を聞かず歩き始めた
しょうがなくそれについていくラムザ
 
大変な事に巻き込まれたな…クラウドはこんな気分だったんだろうか…
 
「そうだ!あなたさっき先住魔法みたいなの使ったじゃない、あなた本当に人間?」
 
「せんじゅ…?あぁテレポのことか、ここの人はレビテトを仕えてテレポは使えないのかい?」
 
「レビテーションのこと?あれはコモンマジックだからメイジなら使えるけど杖も使わずあんな移動魔法使えないわ」
 
「ここの魔法は杖がないと使えないのか…」
 
「それで…あんたいったい何者なの?」
 
「だから僕はラムザベオルブ。普通の人間さ」
 
「いまいち信用できないけど…太陽の光あびても平気そうだし耳も長くないものねぇ…変な平民」
 
そう言うとルイズは少しがっかりしたよううなだれた
 
ここがイヴァリースでない。ここではベオルブの名を知るものはいないのだから貴族である事を主張しても意味がない
そう考えたラムザはルイズの言う平民という呼び方を甘んじて受けることにした
 
まぁイヴァリースでももうベオルブ家はないんだけどな…
 
「ねぇ、あなた他にも何か使えるの?」
 


61:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:41:40 PaSYYRpl
支援

62:風林火山
08/02/23 22:41:45 rtWVdZHB
支援です

ついでに、投下終了後5分くらいで、投下予約しても大丈夫でしょうか?

63:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:42:00 b8xI1cuU
支援

64:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:42:50 AxTHoNIe
少しうつむいているラムザに気付くことはなく、ルイズは嬉しそうに話しかけてくる
 
「あ、あぁ一応基本的な技術は身につけてるけど」
 
「なにかやってみせてよ!」
 
「じゃあ…『クポーー!くるくるぴゅ~... モーグリ!』」 
「うわっ!なにこれかわいい!」
 
ラムザの呼びかけに対して現れたモーグリを抱きしめるルイズ
 
「クポッ!クポクポポクポー」
 
「あ!消えちゃった…」
 
「モーグリはきまぐれだからね」
 
「すごいすごーい!さすが私の使い魔ね!」
 
やはりこの娘は自分を使い魔として使役しようとしているんだな…
「その話だけど僕は君の使い魔になるつもりはないよ」
 
「……え?」
 
あまりにも予想外だったのかルイズは目を丸くしている
 
「ちょ…なにいってんのよ!もう契約もすませたしそんなわけにはいかないわ!」
 
「それは君の勝手だろ?それに僕は妹を守らなくちゃならない、だからいますぐ返してほしいんだ」
 
「…そんなの、無理よ」
 
「え?」
 
「呼び出す魔法はあるけど帰す魔法なんてしらないもの」
 
「…ほんとに?」
 
「ほんとよ、う、嘘なんかつかないわ」
 
予想外だった 確かにクラウドの時も呼び出すだけだったが… 


65:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:43:08 b8xI1cuU
支援

66:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:44:42 AxTHoNIe
そんなに簡単に呼び出す方法があるのなら帰す方法もあると思っていた
 
「じ、じゃあ僕の妹を召還してくれ!あの娘を一人にするわけにはいかない!」
 
「そ、そんなこと言われてもサモンサーヴァントで対象の指定なんかできないわ」
 
「そ、そんな…」
 
少し楽観視していたのかもしれない
 
このままではアルマを一人に、本当に一人にしてしまう
 
誰とも関わらず生きていく、そう決めたのは二人だったから
 
そう二人だったから今までやってこれた
 
なのに今、アルマは突然一人にされてしまった
 
「…ラムザ?」
 
「…ここは学校だったね?ということは君の先生がコルベールさん以外にもいるんだろ?そうだな学長がいい、一番博学なのは学長だろ?どこにいる?」
 
「オールドオスマンなら本棟の最上階だけど…だめよ!許可しないわ!使い魔が主人の命令もなしに行動しないで!」
 
「だから僕は君の使い魔になるつもりはない、本棟…あれだね?ありがとうルイズ、ちょっといってくるよ」
 
言った次の瞬間ラムザは光の中に消えた 
テレポでいなくなったのだ
 
「な、なんなのよ…なんなのよー!!!!」
 
そう言うとルイズは本棟に向かい走り出した
 
 


67:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:45:12 b8xI1cuU
支援

68:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:46:28 AxTHoNIe
 
 
その頃 本棟最上階では…
「オールドオスマン!」
 
「なんだね急に、えーっとコッパゲール君」
 
コルベールに対して失礼極まりない態度だがこの人がここの学長なのである
 
「コルベールです!オールドオスマン!これがミスヴァリエールの呼び出した使い魔に刻まれたルーンなんですが」
 
「それがどうかしたのかね?」
 
鼻毛を抜きながらやる気なさそうにしている老人
もう一度いうがこの人がここの学長なのである
 
「こちらをみてください」
 
「どれどれ…ふむ、ミスロングビル少し席を外してもらえるかの」
 
「わかりました」
 
 
コルベールの差し出した本を見た瞬間オールドオスマンの目つきがかわった
 
オールドオスマンの秘書ロングビルは言われた通りに外に出て行く
 
「ガンダールヴか…」
 
「はい、そのようです、そしてミスヴァリエールの使い魔、名をラムザベオルブというのですがなにやら先住魔法のようなものを使うようで」
 
「なに…?」
 
この時コルベールはオールドオスマンの驚き方に違和感を覚えていた
 
オールドオスマンは先住魔法という言葉ではなくラムザベオルブの名前を聞いた瞬間に反応したのだ
 


69:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:46:29 1flYIxBF
支援


70:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:47:46 bsAtr5Ut
バルバネスか?!
支援

71:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:47:50 1flYIxBF
もいっちょ

72:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:49:41 AxTHoNIe
「オールドオスマン…?なにかしっているのです…」
 
その瞬間扉の外からロングビルの声が聞こえてきた
 
「だれ…あな………今…入って…………あ、ちょっと!」
 

すると扉が開き男が入ってきた
 
「ここに学長がいると聞いて来たんだが」
 
「ラムザ君!」
 
「ほっほ、わしが学長のオスマンじゃ、ミスロングビルいいから外に出ていてくれ」
 
「はい。わかりました」
 
突然のラムザの登場にコルベールは驚きの声をあげるがオールドオスマンは落ち着いてラムザを呼び入れた
 
「君がラムザ君か」
 
「はい、初めましていきなりの訪問すいません」
 
ベオルブ家として、貴族として生きてきたラムザだ
自分の都合だけで物事を捉えるほど子供でもない
 
「いいんじゃよところで何の用かの?」
そして齢100とも300とも言われるこの老人も伊達に長く生きてるわけではないようだ
 
「僕はミスヴァリエールの魔法でここに呼び出されたのですが…あなた達の世界の話を聞きましたが、このままここに残る気はありません。どうにか帰る方法はないでしょうか?」
 
「この世界…というと君はどこからきたのかね?」
 


73:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:50:22 rtWVdZHB
支援

74:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:51:11 b8xI1cuU
支援

75:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:52:35 AxTHoNIe
「僕は恐らくこことは違う世界の、イヴァリースという国からきました」
 
「ほう」
「なんと…」
 
ルイズが全く信じなかったラムザの話にオスマンとコルベールは感嘆、もしくは驚愕の声を上げた
 
「僕はそこに妹を残してきました、僕がいなければ妹は…誰とも会うことなく一人で生きていかなければなりません…」
 
「というと君の世界は君と妹の二人しかいない世界なのかの?」
 
「いえ、僕と妹は僕の世界ではある事情で死んだ事にされているため人前にでるわけにはいかないんです」
 
「そうか…だから君がいなければ君の妹は本当の意味で一人きりで生きていかなければならないことになるのう」
 
さすがに年を重ねているだけあり人の話を頭から否定するような事はしない
 
しかしコルベールはオスマンに対しある疑念を持っていた
 
先ほどのラムザ君の話をした時の話といい…オールドオスマンは何か知っている?でなければこんな話しやすやすと信じられるものではない
 
そんなコルベールの様子に気付いたようだったオールドオスマンだったが顔色も変えず話しをすすめていく

 


76:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:53:23 BV1/8+5q
風林火山氏の投下10分後に特撮系で投下予約します。
そしてゼロ騎士支援。

77:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:53:34 AxTHoNIe
「だから帰る方法を教えろ…ということかの?」
 
「はい」
 
ラムザの問いに対しオスマンはつらそうに話した
 
「残念じゃが…わしはその方法を知らん…」
 
「そう…ですか…」 
  
オスマンの答えに希望をもっていたラムザの顔に影がさした
 
「ところでラムザ君、君が死んだことにされた理由というのはいえぬことなのかの?」
 
「それは…」
 
「まぁ人間様々な問題を抱えているものじゃ、まして異世界の何も知らねわしらには言えぬこともあるじゃろう」
 
「すいません…」
 
オスマンの気遣いはラムザにとってありがたいものだった
しかし帰る方法がないというのは困る
 
ラムザが黙り込み部屋に沈黙が訪れた
そのとき、またもや扉の外から誰かが呼ぶ声がした

「オールドオスマン!」
 
この声はルイズだ
 
「やれやれ突然の来訪者の多い日じゃ…ミスヴァリエール、入りなさい」
 
オスマンの許しを受けたルイズが扉をあげる
 
「オールドオスマン!すいません私の使い魔がご迷惑を!」
 
「いいんじゃ、ミスヴァリエールちょっとここに座りなさい、君もじゃミスタベオルブ」
 


78:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:53:39 b8xI1cuU
支援

79:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:56:20 AxTHoNIe
オスマンはルイズとラムザを自分の前に座らせた
 
「さて、ミスタベオルブ君の世界の話を聞こう」
 
「オールドオスマン!そんな必要はありません!」
 
「ミスヴァリエール、冷静になるんじゃ」
 
「でも…こいつ嘘ばっかりつくんですよ!聞くだけ無駄です!」
 
「落ち着くんじゃ、はなから嘘と決めてかかっているようじゃ世界は開けんぞ?」
 
「でも…」
 
興奮したルイズをたしなめるオスマン
ルイズは不満げだが学長であるオスマンの言葉を無碍にすることもできないためかおしだまった
 
「さぁミスタベオルブ話してくれ」
 
「はい、あ、僕の事はラムザでいいです、ベオルブはもう…」
 
ラムザはそれから自分の国イヴァリースの事
自分が異端とされ教会に追われていること
妹アルマを残してきたことなどを話した
 
 
「あい、わかった。こちらでも君が戻れる方法を探そう」
 
「ありがとうございます」
 
「それでじゃ、帰る方法が見つかるまではミスヴァリエールの使い魔としておってくれんかの?」
 
「僕は騎士として生きてきました。だから使い魔というのは許容できません」


80:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:56:34 b8xI1cuU
支援

81:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:57:01 AxTHoNIe
「そんな…」
「だから!騎士(ナイト)としてミスヴァリエールを守りましょう、使い魔ではなく対等な人間として…ね」
 
「うむ、それでいいかの?ミスヴァリエール、これは君も彼に協力するということじゃが」
 
「オールドオスマンは本当にこのはなしを信じるんですか!?」
 
オスマンとラムザによって話しが進められる間黙っていたルイズだったがやはり彼女にとってとても信じられる事ではなく不満を爆発させた
 
「ミスヴァリエール…彼の目を見てみさい。どうじゃ?儂には彼が嘘をついているとは思えん」
 
「でも…」
 
「考えてもみなさい、ミスタコルベールの話を聞く限りでは君は逃げる彼に無理矢理契約をしたそうではないか。同じ境遇に立たされる事を考えてみなさい」
 
オスマンの言葉にルイズはハッとした
やっと成功したサモンサーヴァントで召還した相手がいきなり逃げ出したため焦り相手の事を考えもせず自分都合に動いていたこと
力で押さえつけることは貴族の中でよくあることではあるが、ルイズの考える本来の貴族のあり方ではない
 
「はい…」
自責の念からかうつむいてしまうルイズ
 


82:ゼロの騎士第二話
08/02/23 22:57:42 AxTHoNIe
「そしてラムザ君に言うことがあるのではないかね?」
 
「…ごめんなさい、」
 
貴族が自らの非を認めることのどれだけ難しいことか
しかしルイズは自分のしたことに対して自らの非を認めていた
家名をふまえた貴族としてのプライドとルイズの考える貴族としてのあり方
この二つの間で揺れる幼いルイズにとってこれが精一杯の言葉だった
 
「今までのことは水に流そう、これからの君を見せてもらうよ」
 
ラムザにもルイズの気持ちは分かったのだろう
元は貴族であった身、自分のように平民貴族関係なくつき合っていた自分はその中でも異端であり、平民と貴族の垣根を取り払うことの難しいということを改めて認識したラムザだった


83:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:57:57 QEBxiJT+
ほほう、ただのセクハラジジイじゃないのね。
やるじゃない(アイン@北斗の拳)
支援。

84:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 22:59:27 b8xI1cuU
支援

85:ゼロの騎士第二話
08/02/23 23:00:02 AxTHoNIe
それからオスマンとコルベールに別れをつげたルイズとラムザ
 
ラムザはルイズの使い魔という扱いなのでルイズの部屋で寝ることとなった
 
「といってもベッドがすぐに用意できないからひとつしかないんだけど…」
 
「僕は床で寝よう、少し前まで傭兵業をしていて慣れているから大丈夫、ただ毛布を貸してもらえるとありがたいな」
 
「わかったわ、じゃあこれを使って」
 
「わかった」
 
生活上必要なことをいくつか確認したあと、二人の間に沈黙が訪れた それを破ったのはラムザの方だった
 
「…月が二つある?」
 
「月?月は二つでしょう?」
 
「僕のいた世界では月は一つしかなかったんだよ。」
 
ラムザの言葉を聞き少し間を置いてルイズが話し始めた
 
「オールドオスマンはああ言ったけど…正直私はまだその…異世界から来たってのは正直信じられないわ」
 
「うん…いきなりではしょうがないよ。でも僕は嘘は言ってない、今すぐは無理でもいずれ分かってもらえればいいよ」
 
「うん……あの……本当に………いきなり呼んで無理矢理契約したのは悪いと思っているわ」
 


86:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:00:28 lw9XDvQN
サジ役の人も自分の演じるキャラが本筋にからんでないってことをどう思ってるのか気になる

87:ゼロの騎士第二話
08/02/23 23:00:37 AxTHoNIe
「うん、もう大丈夫。僕はどうせあっちでは死んだ身、アルマの事がなければこっちで暮らしてもいいと思っているんだ」
 
「………」
 
「それにアルマは強い娘だし、今まで二人で暮らしてきたけど…チョコボもいるし頼れば仲間も世話をやいてくれるだろう、だからきっと大丈夫。必ず会いに行くけどね」
 
「仲間って?」
 
「一緒に旅をした仲間さ、隠れて生活してたから長いことあってないけど僕がいる所を伝えてあるやつもいたからそのうちアルマも彼らと会うことになるだろう、旅の話はまた今度してあげよう、さぁ寝ようかもう夜も更けてきた」
 
「えぇ、おやすみなさいラムザ」
 
「おやすみルイズ」
 
 
 
その日ラムザは夢をみた
 
その夢ではアルマはチョコボの森でボコ達と静かに暮らしていた
野生のチョコボにも懐かれ幸せそうだが時折自分の名を呟きその顔に影を落とす妹の姿をみてイヴァリースへ思いを馳せるラムザであった

第二話end

88:86
08/02/23 23:01:23 lw9XDvQN
誤爆
スマン

89:ゼロの騎士
08/02/23 23:01:34 AxTHoNIe
以上です ありがとうございました

90:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:01:43 b8xI1cuU
ラムザいじり支援
URLリンク(www.h6.dion.ne.jp)

91:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:02:04 mb+noW9d
支援。あと気になったんだけど、名前と性をわけないのは拘りがあるんだろうか?

92:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:03:08 QEBxiJT+
乙。
FFT未プレイですが、先が気になってきました。

93:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:03:17 b8xI1cuU
乙です

94:ゼロの騎士
08/02/23 23:04:08 AxTHoNIe
>>91
いや、それはミスだ
今後気をつけますorz

95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:04:43 vbxP3bo5
句読点の使い方とかきちんとしてくれ。
あと姓と名の間に「・(中黒)」入れるとか、疑問符感嘆符の後は一字開けるとか……。
見ててもにょもにょして仕方がない。

96:風林火山
08/02/23 23:07:58 rtWVdZHB
騎士さん乙でした!

それでは、久しぶりの投下をさせていただきます

97:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:08:26 PaSYYRpl
支援

98:風林火山(8)
08/02/23 23:09:15 rtWVdZHB
―――ふと、誰かが自分を呼んでいるような気がした。

「・・・助」

誰だろうか。

「勘助」

自分を呼ぶ、この声の主は。

「勘助!」

「ハッ!ひ、姫様!」

白く染まる視界の中、そこに、姫・・・諏訪の館で死んだはずの、姫様がいた。

「勘助。何をしているのですか」

「は、某は・・・」

「こんなところで、何をしているのか、と聞いているのです。勘助。貴方には、仕えるべき姫がいるではありませんか」

何を言っているのだろうか。
自分が仕える者は、この世に姫様と御屋形様のみだ。

「使えるべき、姫、ですか・・・?」

「何を呆けた顔をしているのです。ルイズは、貴方を待っていますよ」

その言葉に、勘助の顔が驚きに染まった。

「ひ、姫様!しかし、某は姫様に・・・」

「私は、もう死にました。かの者は生きているではありませんか。私は、御屋形様と共に、勘助達を見て楽しみます」

「姫、様・・・」

「ほら、何をしているのですか。戻りなさい。貴方の姫が、待っていますよ」

姫――由布姫は、そう言うと、スウと姿を消した。
瞬間に、勘助の視界は黒く染まった。

99:風林火山(8)
08/02/23 23:10:28 rtWVdZHB
―――姫様・・・

ボソリ、と勘助の唇から言葉が漏れた。
そして、同時に勘助の目がうっすらと、開いた。
ぼやけている視界の中、こくり、こくりと揺れながら、ルイズは眠っている。

(はて、何やら夢を見ていたようだが・・・)

何やら、とても重要な夢を見ていた気がした。
しかし、思いだせない。
それでも、考えてみる。
何の夢だったか。
・・・思い出せない。

(思い出せないものは、仕方あるまい)

所詮は、夢だ。
これ以上考えても、特に意味も無いだろう。
それより、何故目の前でルイズが寝ているのか。
何故、自分はここで寝ているのだろうか。

(そうだ。何故忘れていた・・・まず、考えねばならなかったこと)

ルイズは、確かにあの時潰されたはずだ。
そう、ゴーレムに潰された。
死体すら無かった事が、それを示している。

(・・・死体が、無い?)

眉に自然に皺が出来た。
そうだ、死体が無いはずがない。
いくら潰されたとはいえ、血痕、肉片の一欠けらも無かった。
それは、何よりも、ルイズは潰されてはいない、ということ示しているのではないか。
あの時潰されたのは、魔法で作られた別の何かだったのだろう。
勘助の知識で思い当たるのは・・・
ルイズそっくりな、ゴーレムだったのだろうか?

(そうか・・・間に合っていたのだな)

恐らく、コルベールを始めとする、教師達が間に合ったのだ。
彼らが、間一髪でルイズを助けてくれたのだろう。

(だが、それからの記憶が無いな)



100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:12:10 g4o7M5RM
騎士と武士の競演支援

101:風林火山(8)
08/02/23 23:12:37 rtWVdZHB
ルイズが潰されてから、自分は何をしたのか、どうなったのか、全く分からない。
もしかしたら、すぐにフーケにやられ、それから教師達に救出されたのだろうか。
あるいは、フーケを逃がしてしまったかも知れない。
とりあえず、ルイズに話を聞くのが先だろう。

「姫様。起きて下され。聞きたいことがございます」

ルイズの肩に手を置き、起こそうとする。
ゆさゆさと、体を揺らす。

「姫様。起き――」

そこまで言って、違和感を覚えた。
それも、とてつもなく大きな。
まるで、自分そのものが、それを拒絶するかのような、大きな・・・

「な・・・ば、馬鹿な!」

違和感の正体に気づき、そして、愕然とした。

(今、姫様と・・・姫様と!)

ルイズを、姫と呼んだのだ。
それも、長年口にしてきたかのように、ごく自然に。
しかし、それは決してありえない。
あってはいけないのだ。
勘助にとって、真に仕える姫とは、由布姫のみだ。
姫様というのは、ある種神聖な響きを持った言葉として、勘助の中にある。
それを、ルイズに対して使うのか。
そんな事が、あっていいはずがない。

(ならぬ。それだけは、絶対にならぬ)

一体、何故自分は、ルイズを姫様と呼んだのだろうか。
例え無意識でも、自分が姫様と呼び間違えるはずがない。
さっきの、一瞬の間の自分は、自分では無いような気すらした。
あの時、自分は、自分では無い、何かに支配されていたのだろうか。
普段ならば、そんな考えは一笑の元、切り捨てるものだ。
だが、今の勘助には、それが本当のことのように思えた。
自分の意識を、自分の存在を侵されているのだ。

「馬鹿な。そんな筈が――ッ!」

ズキン、と、唐突に激しい頭痛がした。
だんだんと、だんだんと激しくなってくる。
痛み以外の感覚が消えていく。
視界が真っ白に染まり、そして、暗転した。
ズキン、という頭痛のみを残して、再び勘助は目を閉じた。



102:風林火山(8)
08/02/23 23:14:44 rtWVdZHB
―――視界に、白い光が広がった。

「勘助?勘助、目が覚めたのね!?」

そして、その光の先には、ルイズが居た。

「姫様・・・」

「勘助・・・良かったわ、もう二日も眠っていたよの・・・もう、目が覚めないかと思ったの。それに、さっきからずっとうなされていて。でも、本当によかった・・・」

自分をずっと看病してくれていたのだろうか。
疲れているようで、目に隅ができている。

(はて、何か夢を見ていたような気がするが・・・)

とても大事で、恐ろしい事のような気がする。

「勘助、大丈夫?」

「あ、はっ、心配をおかけ致しました、姫様」

だが、所詮は夢の事。

(・・・些事に過ぎんさ)

「勘助・・・今、姫様って?」

ルイズが、少し困惑した顔で問いかけてくる。

「?何か、おかしなことでも、言いましたでしょうか?」

「えと・・・その、姫様って、もしかして、私の事?」

何を言っているのだろうか。

「それ以外にございますまい」

「そ、そうなの。なら、いいわ」

何か不味かったのだろうか。
しかし、昔からずっと姫様と呼んでいるはずだ。
おかしなことは見当たらない。
すると、

「あ、そうだ。勘助が目を覚ましたら呼んできなさいって、先生に頼まれていたんだ。ちょっと、行ってくるわね」

と言い残し、ルイズは部屋を出て行ってしまった。

(姫様の様子が変だったが・・・)

いや、自分の様子が変だったのかもしれない。
何しろ、丸二日眠っていたというのだ。
そのまま、勘助は深く考える事はしなかった。


103:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:16:51 7zNZYRUO
支援

104:風林火山(8)
08/02/23 23:17:34 rtWVdZHB
―――やがて、部屋にオスマンとコルベールが入ってきた。

「すまんが、席を外してくれるかの」

ルイズは、その言葉でこの場から離れることになった。
二人は、ルイズが部屋から離れたのを確認してから、言った。

「さて・・・まずは、礼から言わねばなるまい。ミスタ・カンスケ。そなたのお陰で、被害を出すことなく、フーケを捕らえる事が出来た。ありがとう」

オスマンとコルベールが、揃って頭を下げた。

「いえ。礼を言われるほどのことではありません。すべては、姫様を守るための事」

勘助が言うと、二人は驚いたように顔を見合わせた。

「ふむ・・・そうか。そういってくれると、助かるわい」

鬚をなでながら、オスマンは続ける。

「そして、次は詫びじゃ。今回の事件、最も貢献してくれたのはそなたじゃと思っとる。しかし、そちは貴族では無い。ほかの3人と同じように、シュバリエを申請しても通らなんだ。」

「姫様が栄誉を受け取れたのであれば、某は、十分です」

またもや、驚いたように顔を合わせる二人。

「のう、ミスタ・カンスケ。その、姫様というのは・・・」

「?姫様とは、ルイズ様の事ですが」

ふむ、とオスマンは頷く。

「まぁ、いいじゃろ。我々は、そなたに大した礼をすることは出来ない。じゃが、我々学院はそなたの味方であるつもりじゃ。いきなり異国の地へと召喚され、何かと不便も多いことと思う。」

すう、と息を吸う。

「何か困ったこと、わからない事があったら、我々を訪ねてほしい。出来る限り、力になろう」

ふむ、と勘助は、自分の中の疑問をいくつか頭に思い浮かべる。

「聞きたいことがございます」

オスマンとコルベールが、促す。

「まず、この身の事。使い魔になってから、剣を握ると体が軽く、強くなります。今まで、そのような事は、ありませんでした」

二人が目を見合わせ、いくつかの間をおいて、コルベールが口を開いた。




105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:17:43 QEBxiJT+
いい関係になってきてますな。
支援。

106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:18:23 AxTHoNIe
支援支援

107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:19:42 b8xI1cuU
支援

108:風林火山(8)
08/02/23 23:19:46 rtWVdZHB
「それは、伝説の使い魔、『ガンダールヴ』のルーンです。詳しい事は、私たちにもわからりません。ですが、それはあらゆる武器を使いこなしたといいます。もし、本当に貴方が『ガンダールヴ』であるならば、それの影響なのかもしれません」

そして・・・と、オスマンが続ける。

「このことは、わしら以外の人間には、可能な限り内密にしてほしい。このことが王宮にでも知られれば、何をするかわからん。ヴァリエール家は王家の氏族。そこから、伝説にある『ガンダールヴ』が現れたとなっては、それを種に戦を行う事も、あり得ん話ではないのじゃ」

「わかりました。可能な限り、内密に取り計らいましょう。・・・それと、頼みたいことがございます」

「なんじゃね?」

「『破壊の杖』・・・いえ、鉄砲を、私に預けては頂けないでしょうか」

「ふむ?」

戸惑うように、二人は首をかしげた。

「あの、『破壊の杖』には、もともと、私が仕えていた国の、家紋が記されていました。」

勘助は、顔の角度を少し落として、言った。

「恐らく、我が国の者でありましょう。」

「なんと!」

二人は、目を見開いて、思わず声を上げた。

「勿論、出来ればで構いませぬ。」

「いや。構わんよ」

オスマンが、言った。

「あれは・・・私の、恩人が持っていたものなのじゃ。まともに話すことなく亡くなってしまったのじゃが・・・そう、わしの・・・わしの、命を救ってくれた、恩人のものじゃ」

遠い眼をして、語る。

「その当時、まだ銃というものは世に出回っておらんでの。わしは、あれが何らかのマジックアイテムだと思っておった。」

じゃが、と続ける。

「それから数年した頃・・・銃が、軍に出回り始めた。その時、わしは思った。おそらく、あれはゲルマニアや、もしかしたら、東方で開発された兵器なのだろう、とな。」




109:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:20:47 YQtnU9Va
>>13
すまん知らなかっといえ



110:風林火山(8)
08/02/23 23:21:16 rtWVdZHB
コルベールが、後を続ける。

「私は、せめて持ち主の家族にでも会いたいという、オールド・オスマンの言葉を受け、手がかりを探しました。その一環で、出回っている銃も調べたのです。・・・ですが、どの銃もその銃より威力が低く、使い勝手も又、悪いものだったのです。」

辛いものをこらえるように、声を出した。

「もし、この銃が出回れば、戦争は変わるでしょう。平民が、貴族並の攻撃力を持ちます。そうすれば、どこの国も、こぞって開発を進め・・・やがて、大きな戦争が起きるかもしれません。」

憂いた顔で、コルベールは語る。

「もしかしたら、もう何所かの国は、量産に踏み切っているかもしれません。ですが、それを国に報告すれば、それこそ、こぞって戦が巻き起こることでしょう。だからこそ、我々は、これをマジック・アイテムとし、秘宝として保管したのです。」

それに、じゃが・・・と、オスマンが続ける。

「じゃが・・・これは、元々わしらのものでは無い。戦が起こらぬよう、一時的な措置として保管しておいたものじゃ。ミスタ・カンスケ」

「はい」

「わしは、そちを信じておる。主を守り、フーケをとらえてくれた、そちを・・・。そちなら、これを王宮に触れずに、己を、己の主を守るために、これを使ってくれると信じておる。」

「・・・ありがとう、ございます」

「なに、元々そちの国のものじゃ。それを、わしらが持っておったら、フーケと同じ泥棒になってしまうわい」

「あとで、私が持っていきましょう」

コルベールが、言った。
勘助は、姿勢を低くし、礼を言った。

「そして、もう一つ、お願いがございます」

「なんじゃ、まだあるのかね」

オスマンが、愉快そうに笑った。

「図書館の使用許可を・・・それと、文字を教えていただきたい」

これは、兼ねてより考えていたことだ。
図書館は貴族でなければ使用できないらしく、それに、使用できても文字が読めない。
あれほどの本があるというのに、それでは勿体無いことだ。
いや、文字が読めなければ後々困るかもしれないし、この地をもっと理解するためにも、文字は必要なのだ。
二人は、顔を見合わせると、又、笑って言った。

「もちろんじゃよ。ミスタ・カンスケ」




111:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:21:42 b8xI1cuU
支援

112:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:21:58 YQtnU9Va
支援

113:風林火山(9)
08/02/23 23:22:22 rtWVdZHB
―――ガラッ、と教室のドアが開かれた。

「では、授業を始める。」

長い黒髪に、漆黒のマントをまとった、若い男性教師が入ってきた。
以前、ミス・ロングビルを捕らえた教師だ。

「知っての通り、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ」

教室中が静まっている。
その様子を、満足げに眺めて、言った。

「最強の系統を知っているかね?ミス・ツェルプストー」

「『火』に決まっていますわ。ミスタ・ギトー」

キュルケは、問いに不敵に答えた。
だが、ギトーはそれを一笑する。

「残念だがそうではない。試しに、この私に、君の得意な、火の魔法をぶつけてきたまえ」

キュルケの顔から、いつもの笑みが消えた。
目がスッと、細まり、そして、呪文が唱えられる。
杖の先には、巨大な火の玉が現れた。
そして、それはどんどんと大きさを増し、やがて、放たれた。

――轟

と、巨大な音がした。
見れば、キュルケは後ろ、教室の壁にぶつかり、気絶していた。
悠然として、ギトーは言い放った。

「諸君。風が最強たる由縁をおしえよう。風は、すべてをなぎ払うのだ。火・水・土、そして、恐らくは虚無さえも、風の前では立つことさえできない」

満足げに、ギトーは頷いている。
勘助は、それをどこか冷めた目で見つめていた。

(なるほど、確かに個人の戦いでは風は最強やもしれん)
だが、それが何だというのだろうか。
いくら、一人で一騎当千の力を持っていようとも、本物の戦では大して役に立たない。

(土だ。戦において、土こそ最強の魔法となろう。風のスクウェア・クラスのメイジを1人雇うより、土のトライアングル・クラスのメイジを2人雇う方が、より大きな働きをしてくれるはずだ)




114:風林火山(9)
08/02/23 23:23:31 rtWVdZHB
ゴーレムほど、便利なものは無い。
対攻城戦において、まったく手勢を傷つけずに城門を破壊することができる。
巨大なゴーレムは、矢や弾から見方を守る盾にもなる。
その巨体は、ただあるだけで敵の士気を下げることもできる。
いざ倒されようと、メイジは傷一つつかない。
他にも、特に、錬金が素晴らしい。
応用の幅がとても広いのだ。
スクウェア・クラスであれば、大抵の『固定化』を無視して錬金することができる。
ゴーレムを用いずとも、いとも容易く城が落ちる。
水も、なくてはならないものであろう。
怪我人の治療に、素晴らしい。
何と言っても、胴からから切り離されたものでさえ、修復することができるというのだから。
風は、確かに素晴らしい。
数多の矢をはじき、砂埃でも舞い上げれば、敵の視界を遮れる。
だが、戦で役立させるためには、少なくとも、トライアングル以上の力は必要だろう。
ドット・ラインでは、飛んでくる矢を少し逸らす程度が限界だ。
いや、その実力では、矢の速度に追いつくことができるかも疑問である。
戦とは、数が最も大きな要因となる。
貴族とは、平民の傭兵と比べると、雇うのに何倍、何十倍もの金がかかる。
スクウェアともなれば、前線に赴くことは、まず無いと言っても過言では無い。
それならば、せめてライン程度の者達で、十分な効果を得られなければ、意味がないのだ。
それだけでなく、風のスクウェア、土のスクウェア。
どちらをとると聞かれれば、まず間違いなく、土のスクウェアクラスが重宝されるだろう。

と、突然ガラリ、とドアが開かれた。

「えー、皆さんにお知らせします」

コルベールだ。
珍妙なかつらを被り、慌てたように、言った。

「我がトリステインに、アンリエッタ姫殿下が、本日、ゲルマニアの訪問からのお帰りに、行幸されるのです」

ざわ・・・と教室がざわめいた。

「したがって、粗相があってはなりません。急ですが、今から全力を挙げて、おもてなしの準備を致します。その為、本日の授業は停止。正装をし、門に整列するのです!」

生徒達は、一斉に緊張した面持ちとなった。
それに頷き、コルベールは大きな声で言った。

「みなさん!本日は、今まで努力し、そして、立派な貴族になったということをお見せする、絶好の機会ですぞ!杖を磨き、御覚えがよろしくなるよう、しっかりとしておきなさい!」

そして、教室の生徒達は、一斉に部屋へと戻った。




115:風林火山(9)
08/02/23 23:24:29 rtWVdZHB
身支度を整え、ルイズ達は門の前へと集まった。

「いい、勘助。わかっていると思うけど、これから姫様がここを通るのよ。貴方も、私の使い魔として、きちんと礼を尽くしなさい」

いつになく、きりっとした顔で、ルイズは勘助に告げた。
勘助は、その姿も、また、美しいと思った。

「承知しております。しかし、姫様。一つお聞きしたいことがございます。」

「何?」

「マザリーニ枢機卿も、ご一緒に?」

ルイズは、その言葉に少し眉をよせて、言う。

「ええ、そうみたいね。あの鳥の骨、姫様を道具みたいに扱って、内政を思うがままにしているって噂よ・・・姫様がお可哀そうだわ」

「なるほど」

(聞く限り、その枢機卿が内政を意のままにしているというのは事実であろう。でなければ、この国は今ほど安定した状況を保てまい。アルビオンと同じように、革命が起きていてもおかしくはないな)

文字を覚え、学院長という強力なコネを得た勘助は、すでに、ルイズよりも多彩な情報を得るようになっていた。
学院を訪ねてくる、他国の者からも話を得ることもできる。
シュバリエの位を与えられるよりも、より多くの報酬を、勘助は受け取っている。

「あ、姫様の馬車が見えたわ!」

オスマンが代表として、アンリエッタを迎えた。

(あれが・・・マザリーニ枢機卿か。しかと、覚えた)

脳裏に、しっかりと実力者の顔を刻み込む。
それだけでなく、姫、側近の者達の顔をも、確認しておく。
と、ルイズがはっとした顔をした。
ついで、うっとりと頬を赤らめる。
視線の先を確かめれば、そこには、羽帽子を被った、凛々しい貴族があった。
グリフォンに跨っていた。

(ふむ)

そして、姫は学院の中へと入って行った。




116:風林火山(9)
08/02/23 23:26:23 rtWVdZHB
―――その日の、夜。
コンコンコン、と長く二回。
コン、と短く三回。
規則正しく、ドアがノックされた。
その音を聞いて、ルイズはハッと立ち上がった。

「姫様?」

怪訝に思った勘助だが、ルイズは気にせず、あわてて身なりを整え、そしてドアを開いた。
そこには、真っ黒な頭巾をかぶり、顔を隠した少女らしき影であった。

「あなたは?」

ルイズが、問うた。
少女は、し、と指を一本、口に当て、ついでドアを閉める。
短くルーンを唱え、杖を振るった。
杖から、小さな光の粉が現れ、宙を舞った。

「ディティクト・マジック?」

ルイズが尋ねる。
少女は頷いた。

「どこに、人の耳があるやも、わかりませんからね」

そこに現れたのは、アンリエッタ王女であった。
慌てて、勘助が膝をつく。

「姫殿下!」

ルイズも、膝をついた。
アンリエッタは、感慨極まった表情で、ルイズを抱きしめた。

「ああ、ルイズ、ルイズ!懐かしいルイズ!」

「姫殿下!いけません!こんな下賤な場所へ!」

「ああ、貴方までそんなことを言わないで頂戴!あなたと私はお友達!お友達じゃないの!」

勘助は、ポカン、とした表情で二人のやり取りを見た。

「ここには、枢機卿も、母上も、宮廷貴族もいないのよ!貴方までがそんなよそよそしい態度を見せたら、死んでしまうわ!」

「姫殿下・・・」

ルイズは、顔を持ち上げた。




117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:27:08 FTSPEf90
矢や弾から見方を~→矢や弾から味方を~
じゃないのか?支援

118:風林火山(9)
08/02/23 23:27:44 rtWVdZHB
「幼いころ!一緒に、宮廷で蝶を追って駆け回ったじゃないの!泥だらけになって・・・」

二人は、昔話を、一々大仰に話した。
そして、窓の外をみて、ふと、言った。

「結婚するのよ。わたくし」

「・・・おめでとう、ございます」

その言葉に、ルイズは、物悲しい表情で答えた。

(なるほど。政略結婚か。さしずめ、相手はゲルマニアか)

勘助は、二人の会話についていけずに、自分の考えにふけっている。

(ということは、アルビオン王家は既に打倒されたか・・・それに近い状態にあるのだろう。前皇の妾の子を出さないのは、より強固な同盟を結ぶため・・・なるほど、それほどまでにアルビオンの軍事力は強大か)

だが、政略結婚や下剋上なぞ、当り前の戦国の世から来た勘助である。
それらに対して、どうと思う事は無い。

「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」

と、突然アンリエッタが言った。

「お邪魔?どうして?」

ルイズが、言った。

「だって、そこの彼、貴方の恋人なのでしょう?」

「そ、そんなことありません!あれは、私の使い魔です!」

ルイズは、顔を真っ赤にして、答えた。

「使い魔?」

アンリエッタは、キョトンとして、勘助を見やった。

「ルイズ、貴方、昔からどこか変わっていたけど・・・相変わらずね」

と、アンリエッタはため息をつく。

「姫様、どうなさったんですか?」




119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:28:32 7zNZYRUO
細かい誤字程度気にする必要もあるまい。支援

120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:29:06 b8xI1cuU
支援

121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:30:19 FTSPEf90
支援

122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:31:23 YQtnU9Va
支援


123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:31:47 cozmdnB2
規制?支援

124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:32:42 7bHPFN2P
すばらしいぞ! 支援!

125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:33:04 TFxlbyag
ごめんなさいお猿さんくらいましたorz
申し訳ないですが、代理お願い出来ますでしょうか…

126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:33:29 b8xI1cuU
支援

127:代理人
08/02/23 23:40:54 g4o7M5RM
「いいえ、ごめんなさい・・・こんなこと、貴方に話せることじゃないのに・・・わたくしってば・・・」

「おっしゃってください、姫様!あんなに明るかった姫様が、そんなため息をつくなんて・・・何か、大きなお悩みがあるのでしょう?」

「・・・いえ、話せません。悩みがあると言ったのは、忘れて頂戴、ルイズ」

「そんな!わたしたち、お友達でしょう!そのお友達に、悩みを話せないのですか?」

「わたくしを、お友達と呼んでくれるのね・・・ルイズ。いいわ、お話しましょう」

そして、アンリエッタは物悲しそうに、話し始めた。
おおよそ、勘助の予想道理であった。
だが、一つだけ、思いもよらぬことがあった。

「わたしが、以前したためた、一通の手紙があります」

「手紙?」

「そうです。そして、それがゲルマニアの皇帝の手に渡ったら・・・婚姻はつぶれ、同盟は反故。トリステインは、一国であの国と戦わなければならなくなります」

「姫様!その手紙はどこにあるのですか!」

「それは・・・アルビオン王家、ウェールズ皇太子が持っているのです・・・」

「プリンス・オブ・ウェールズ?あの、凛々しき皇太子さまが?」

アンリエッタはのけぞると、大きな声で嘆いた。

「ああ!破滅です!皇太子は、遅かれ早かれ、敵勢の手にとらわれるでしょう。そして、その時にはあの手紙も明るみに出てしまいます・・・そうなったら、破滅です!破滅なのです!同盟ならずして、あの国と戦わなくてはなりません!」

「では姫様・・・わたしに頼みたいことというのは・・・」

何と言うことだろう。
この姫は、愛しき姫様に、死地に飛び込めと言っているのでは無いか!

「無理よ!無理よルイズ!そんな事、貴方に頼めるわけないわ・・・」

「いいえ、姫様!私は、姫様の為なら例え火の中、水の中、竜のアギトの中でさえも行って見せます!姫様とトリステインの危機、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、決して見逃すわけにはまいりません!」

「ありがとう、ルイズ・・・!」

二人は、高いテンションのまま、勘助を無視して話を続けてしまっている。




128:代理人 風林火山(9)
08/02/23 23:42:42 g4o7M5RM
(なんと言ったものか・・・)

止めなければならない。
それはわかっているのだが、どうもこの間に入れる気がしないのである。
そうこうしているうちに、話は決まってしまった。

「早速、明日にでも、ここを出発します」

と、アンリエッタは顔をこちらに向けた。

「頼もしい使い魔さん」

「はっ」

「わたくしの、大事なお友達を、これからも宜しくお願いしますね」

「承知致しました」

と、アンリエッタの手が目の前に出された。

「これは・・・?」

「忠義には、報いるところが無くてはなりません」

勘助は、困った。
何をすれば良いのかわからないのである。

「姫様、これは・・・」

「手の甲に、口付けするのよ」

つっけんどんとした様子で、ルイズが答えた。

「承知しました」

勘助は答えると、アンリエッタの手の甲に、口付けをした。
アンリエッタは、それを見て微笑んだ。
その時である。

――バタン

突然、ドアが開いた。

「姫様。恐れながら、この、ギーシュ・ド・グラモンにも、その任を受ける栄誉を預けては頂けないでしょうか」

そこに現れたのは、勘助に腕を切られた、ギーシュであった。
そして、ギーシュの同行が決まった。
ルイズには、王家の財宝・水のルビーと、皇太子への密書が渡された。


129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:44:00 b8xI1cuU
代理乙

130:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:44:42 g4o7M5RM
―――朝もやの中、勘助達は馬へと乗った。
秘密裏に、学院を出発しようというのだ。

――ザッ

後ろから、近づいてくる足音があった。

「誰だ?」

警戒しながら勘助が、問う。
もしかしたら、アンリエッタの話が漏れてしまったのかもしれない。
ギーシュが見つからなかったくらいなのだから、あり得ない話では無い。

「僕は敵では無い。トリステイン一国がかかっているんだ。やはり、君たちだけで行かせるわけにはいかないだろう。とは言っても、隠密行動だ。一部隊つけるわけにもいかなくてね。僕が指名されたのさ」

若い、男の声だった。
見れば、長身の、羽帽子をかぶった貴族である。

「女王陛下直属の部隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」

ワルドは、帽子を取ると一礼した。

「ワルドさま・・・」

ルイズは、頬染めていった。

「ルイズ!僕のルイズ!久しぶりだね!」

勘助は、それを茫然と見つめた。
人懐っこい笑顔で、ルイズを抱きかかえる。

「彼らを、紹介してくれたまえ」

「グラモン家のギーシュと、使い魔の勘助ですわ」

二人りは、ワルドに一礼した。

「君がルイズの使い魔かい?人とは思わなかったな」

「僕の婚約者がお世話になっているよ。」

今度こそ、勘助は驚いた。

(姫様の、婚約者!)




131:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:45:23 0Wxsbwme
支援

132:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:45:40 9sD7lDXI
支援

133:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:45:53 g4o7M5RM
だが、あり得ない話では無い。
ヴァリエール家は、トリステイン有数の貴族である。
ならば、予め婚約者が決められていてもおかしくは無い。
それに、ルイズはどうやらワルドにあこがれているらしい。
ワルドも、態度からルイズを悪くは思っていないようだ。
ならば、これは祝福すべきことなのだろうか。
(まだ、わからん)

本当に、ルイズに・・・姫様にとって、ふさわしい相手なのかどうか、見極めなければならない。
今の段階では、まだ判断はできないだろう。
旅の途中で、見極めるしかないようだ。

「おいで、ルイズ」

と、ワルドはルイズを自分のグリフォンへと招いた。
ルイズは、少しもじもじとしていたが、やがてワルドの元へと駆け寄った。
ワルドはそれを抱えると、高らかに宣言した。

「さぁ、諸君!出発だ!」


―――学院を出発して、半日近くが経っていた。
ギーシュは疲れを見せていたが、それでも何とか食らいついてきている。

「ミスタ・カンスケ」

突然、ギーシュが語りかけてきた。

「何だ」

「・・・僕は、貴方との決闘に敗れた」

真剣な表情をしていた。
ギーシュは、勘助の方を見ずに、言っている。

「僕は思うんだ。もし、僕がスクウェアクラスであっても、君には勝てなかったんじゃないだろうか、と。それは、君が強いからじゃ、決してない。単純な実力では、僕は君に勝っていると思っている」

勘助は、何も言わずに聞いている。

「あの時、僕はなぜ負けたか。ずっと考えていたんだ。貴方は、真剣だった。命のやり取りをするという、実感があったのかもしれない。けれど、僕にはそれが無かった。平民に負けるわけがない、という思いから、油断をしていた」

パカ、パカ、と馬が走る音が聞こえる。
へとへとになりながらも、必死に馬を操り、語り続ける。


134:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:46:16 YQtnU9Va
支援だ


135:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:46:55 g4o7M5RM
「だから、僕は考えている。あの時、油断しなければ勝てたのだろうか、と。否、勝てなかったと僕は思う。奇襲を予め予想しても、何故だか、貴方はそれを上まわって来るような気がしてならない」

そして、ギーシュはしっかりと、勘助を見やった。

「ミスタ・カンスケ。貴方の知恵を、僕に教えてほしい。僕を、貴方の弟子として欲しい。貴方は、以前東方の大国の、軍師をしていたという。僕に、その知識を、教えてくれないだろうか」

ほう、と勘助はうなった。

(軽薄で、まともな考えを持たない小僧だとばかり思っていたが・・・)

これはこれで、真剣に考えているらしい。

「僕は、グラモン家の息子だ。グラモン家は、多くの有能な軍人を輩出してきた。僕も、行く行くは軍人となる。決して、貴方から得た知識は無駄にしない。それ相応の礼も、します」

「それは、本気か?」

聞くまでもないだろう、と勘助は思った。

「始祖ブリミルの名、そして貴族としての誇りをかけて、本気であると誓えます」

満足な答えが返ってきた。
これを無碍に断るようでは、男がすたる。

「良かろう。だが、俺は平民だ。平民に教えを請うとは、聞こえが悪いと思うが?」

「枢機卿も平民出身だと聞きます。何より、能あるものに、貴族も平民も無いと、実感しました――先の、ご無礼をお許しください。どうか、その知を私にくださるよう」

ふ、と勘助は笑うと、唐突に馬の速度を上げた。

「小僧、遅れるな!あれに置いてかれるぞ」

そして、ギーシュは弟子と認められた。




136:風林火山(9)
08/02/23 23:47:32 rtWVdZHB
「あら、それだったらそういえば良いじゃない。言わなきゃわからないわ。それに、貴方達を襲った連中を捕まえたんだから。感謝して貰わなきゃ、割に合わないわ」

言うと、勘助の腕へと抱きついてきた。

「ダーリン。心配してたのよ?まぁ、あんなのダーリンなら何でもなかったでしょうけれどね」

勘助は、その腕を振り解く。

「礼を言う。ギーシュ、それを尋問するぞ」

それきり、キュルケには目をやらずに、山賊の尋問を開始する。
はたして、山賊達はただの物盗りだとわかった。
その表情に、どこかぎこちなさはあるものの、捕まって尋問を受けているということを考えれば、特におかしいという訳はない。
相手によっては、全員の首が、胴から離れてもおかしくないからである。
山賊達が持っていた、僅かな金貨と銀貨を懐に納め、勘助達は町の宿へと向かった。


―――ラ・ロシェールで最も高い宿に、女神の杵へと勘助達は宿泊した。
馬に乗ってくたくたになっていたギーシュは、すでに部屋へと入っていた。
キュルケとタバサも、恐らくは戻っているだろう。
勘助は、桟橋へ交渉へ行っていた二人を、一人で待っていた。

「アルビオンへの船は、明後日にならないと出ないそうだ」

交渉から帰ってきた二人は、勘助に、そう告げた。
こればかりは、どうしようも無いと、それぞれは部屋へと戻った。
ギーシュと勘助は、相部屋であった。

(小僧、すでに寝ているかな)

思い、部屋のドアを開いた。
だが、ギーシュは起きていた。
正座をし、師たる勘助を待っていた。

「ほう、起きていたか」

「弟子に入ったその日に、師の事を忘れて眠る程、肝は据わってません」

「ふむ」

殊勝である。
だが、勘助もこんな日に起きていろというほど、酷では無い。


137:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:47:46 g4o7M5RM
―――何度か馬を替え、ひたすらに走ってきた勘助達は、その人うちにラ・ロシェールの港町の入り口に到着した。
なんとか喰らいついてきたギーシュだが、すでに体力は限界で、息も絶え絶えだった。
なんとか一息つけるという安心からか、安堵の笑みを浮かべている。
その時である。

――ヒュン

と、一本の矢が飛んできた。
と思うと、2本、3本とどんどんと矢は飛んでくる。
見れば、崖上には松明を持った影があった。

「奇襲だ!」

ギーシュが叫んだ。
松明が投げ落とされ、馬が悲鳴を上げた。
矢の一つが馬の尻にささり、暴れまわった。
無数の矢は、勘助とギーシュだけをめがけて飛んでくる。
デルヒリンガーを手に、勘助は矢を切り落とす。

「ワルキューレを出せ!盾にしろ!」

ギーシュへ怒鳴る。
慌ててギーシュがワルキューレを出し、とりあえず矢を防ぐ。

「大丈夫か!」

ワルドが、勘助達の元へと走ってきた。

「山賊の類か?」

ワルドが呟く。

「万が一とは思うが、アルビオンの者である可能性もある。捉えねばならぬ」

そのとき・・・
ばっさばっさという音が聞こえた。
聞き覚えのある、羽音である。
それは、タバサのシルフィードであった。
崖の上の人間は、残らず蹴散らされていた。

「おまたせ」

ピョン、とキュルケがその背から飛び降りた。
ルイズは、グリフォンから飛び降り、キュルケに怒鳴った。

「おまたせじゃないわよ!なにしに来たの!」

「助けに来てあげたんじゃないの。朝方、見かけたから後をつけてきたの。」

「キュルケ。あのねぇ、これはお忍びなのよ。」




138:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:49:02 g4o7M5RM
「今日はご苦労だった。何、アルビオンに行くまで日もある。今日は、疲れをとっておけ」

しかし、ギーシュは首を縦には振らない。

「私は、学ぶために弟子入りしました。時間があるのであれば、少しでも多くの事を吸収したいのです。どうか、戦について教えて頂きたいのです」

(ほう・・・以外と、器かもしれん)

まだ何も教えたという訳ではないが、姿勢は素晴らしいものがある。
あるいは、大した器なのかもしれない。
だが――

「師と仰ぐなら、その言葉に従わなくてはいかんな・・・今日は、おとなしく休んでおけ」

言葉を受け、ようやく首を縦に振った。

「・・・それでは、御先に失礼します」

言うと、バタリ、と倒れてしまった。
よほど、疲れていたのかもしれない。
ランプの炎を消し、勘助も目を閉じた。


―――翌日。
勘助は、ノックの音で目を覚ました。
ギーシュは、死んだように眠っている。
体を起こし、ノックの主を向かいいれる。

「おはよう。使い魔君」

羽帽子をかぶった、ワルドであった。
勘助より、背が頭一つ分は高い。

「おはようございます。しかし、出発は明日のはずでは?」

ワルドは、にっこりと笑って言った。

「君は、伝説の使い魔『ガンダールヴ』なんだろう?」

「む」

ワルドは、ごまかすように言った。

「土くれのフーケの話を聞いてね。少し、興味を持って君を調べてみたんだ。・・・率直に言おう。あの『土くれ』を捕まえた、君の腕を知りたい。ちょっと、手合わせして貰えないか?」

その言葉に、勘助は目を光らせる。

「フーケを捕まえた、腕を見たいと?」

「あぁ。そこの中庭は、昔の砦の、修練場があったはずだ。そこまで、お願いできるかな?」

「ふむ・・・少し、用意をしてからで構わないのであれば」




139:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:50:06 g4o7M5RM
ルイズにふさわしい相手か、これだけで決めるのには無理がある。
だが、腕前や知恵の一端を見る事は出来るだろう。
そう思い、勘助は戦いの『準備』を始めた。


―――勘助とワルドは、中庭の修練場へとやってきた。

「立会には、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」

と、ルイズが姿を現した。
二人の姿を見たルイズは、はっとした顔になった。

「ワルド、来いって言ったから来てみれば、一体何をする気なの?」

「貴族というのは、厄介でね・・・強いか弱いか、それが気になるとどうにもならなくなるのさ・・・ルイズ、ここで見届けてくれ」

ルイズは、勘助を見た。

「やめなさい!これは命令よ!」

「・・・姫様、申し訳ありませぬ」

それに、ワルドは笑い、言った。

「さぁ、介添人も来たことだし、はじめようか」

ワルドが、さ、と構える。
しかし。

「待った」

勘助は、それを止めた。
ワルドは、面を食らったように勘助を見た。

「こちらにも、介添人という訳ではないが、これを見せたい者がいる」

と、ギーシュがやってきた。

「あれは、先日某の弟子となった。師の戦いを、その眼で見せなくては勿体無いだろう」

「ふ、いいだろう。それについては、こちらが止める事は無いよ。・・・それにしても、貴族が平民の弟子となるか。いや、悪く言ってるんじゃないよ」

ワルドは、ギーシュを見て言った。

「さぁ、今度こそ大丈夫かな?はじめよう」

「御意」




140:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:50:13 AxTHoNIe
支援

141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:51:01 7zNZYRUO
なぜか脳内で勘助の声が波平の声で再生されてしまう´Д`
支援

142:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:51:15 g4o7M5RM
今度こそ、二人は構えた。
勘助は、背中に背負ったデルフリンガーに手をやり、ワルドは杖を構えた。

――ザッ

ワルドが、一足に勘助の目の前へと迫った。
杖を、レイピアのように構え、目にも止まらぬ突きを繰り出してくる。
それを、何とか剣で受け流しながら、勘助は後退する。

「どうした、使い魔君!守っているだけでは、何もできないぞ!」

言いながらも、決して手は緩めない
勘助は、デルフリンガーで杖を押し返した。

「―ハァッ!」

ワルドは、わずかにたたらを踏み、後退した。
その隙を突き、勘助はデルフリンガーを大振りに振る。
しかし、ワルドはそれを、難なくかわした。

「さすがに、強いな!元軍人だというのも、本当だろう!」

大振りをかわされた隙を突かれ、勘助は腰を地面に打ち付けた。

「並のメイジが相手なら、そうそう負ける事は無いだろう!」

その途端にバネのように飛び起き、距離をとった。
しかし、ワルドはすぐに距離を詰める。

「だが、相手が悪かった・・・僕は、魔法衛士隊の隊長だ・・・並のメイジとは違う!」

突きの速度が上がっていく。

――デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ・・・

突きながら、呟くように呪文を唱えている。

「クッ」

「相棒!いけねぇ、魔法が来るぜ!」

バッと後ろへと飛んだ。
しかし、ワルドの操る、巨大な空気のハンマーは、横殴りに勘助を吹き飛ばした。
勘助は、樽に体を打ちつけた。
その拍子に、剣を落とした。

「勝負ありだ!」

ワルドは、デルフリンガーに足を乗せ、宣言した。




143:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:51:35 QEBxiJT+
ギーシュがんばる!
支援。

144:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:52:21 FTSPEf90
>>141
よう兄弟支援

145:代理人 風林火山(10)
08/02/23 23:52:38 g4o7M5RM
「わかったろう、ルイズ。彼では君を守れない」

そう言い、顔をルイズへと向けた。

「小僧!」

勘助が叫ぶ。

「なっ!」

デルフリンガーを中心にして、地面が泥と化した。
意識をルイズに向けていたワルドの脚は、すでに膝まで埋まっている。

「くっ・・・これは!」

そして、勘助は腰から下げていた、日本刀を抜いた。

「油断したな、ワルド子爵」

刀はワルドの首に、ピタ、とついた。

「こ、降参だ・・・」

額に汗を浮かべながら、ワルドは言った。


―――ルイズは、困惑したように勘助を見つめていた。

「どうか、致しましたか?姫様」

聞かれて、意を決したようにルイズは言った。

「その・・・今の、卑怯じゃないの?結局、勘助とギーシュ二人がかりでワルドと戦ったんだから」

その言葉に答えたのは、勘助では無かった。

「いいや。これは、まぎれもなく僕の負けだよ。なんたって、僕は『フーケを捕まえた腕前を見せてくれ』といったのだからね」

え?とルイズが首をかしげた。

「某は、自らの腕っ節でフーケを捕まえられるとは、思ってはおりません。そもそも、教師達を呼ばなければ、フーケを捕まえる事は成らなかったでしょう。全ては、策によるもの。ならば、その腕前を見せろ、と言われたのであれば――」

「当然、何らかの策を持って挑む。そう、僕が迂闊だったのさ。勝ったと思って、気を抜いてしまった、僕のミスだ」

ワルドは、潔く自らの負けを認めた。

「まぁ、敗者はおとなしく部屋に戻るとするよ。それでは、また後で」

そのまま、部屋へと戻ってしまった。
勘助達も、つられる形で、部屋へと帰還した。




146:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:55:04 b8xI1cuU
支援

147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:57:01 0dTXDU9o
ギーシュがイケメンというか、素敵過ぎるw 支援。

148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/23 23:59:31 FTSPEf90
俺の中のギーシュ像が音を立てながら崩れ落ちていく支援

149:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:01:25 giQFz/oj
ワルドもなかなか。支援。

150:代理 風林火山(10)
08/02/24 00:02:29 qljUs5HG
―――夜。
勘助達は、最後の晩餐とばかりに酒場にいた。
いよいよ、明日は生死をかけた、敵地での任務である。
この酒場で出せる、最高の料理と酒がふるまわれていた。
ルイズは、ワルドと二人で何事か話していた。
だが、キュルケが勘助に近づくと、キッ、っと睨むことは忘れなかった。
その度に、勘助は背中に汗をかきながら、キュルケを振り払っていた。
と、勘助は、外の様子に何か違和感を覚えた

(・・・なんだ?)

ふと、席を立ち、外をみやる。

「な・・・!」

一瞬、言葉を失った。
以前、倒した筈の、巨大なゴーレムが、そこにいた。
それだけではない。
数は、決して多くはないが、傭兵達が並んでいる。
そして、後ろでキュルケも、ゴーレムの姿に気づいた。

「フーケ!」

その言葉に、全員が反応した。
慌てて席を立ち、それを見る。

「感激だわ。覚えててくれたのね」

マントで全身で隠してはいるが、まぎれもなくフーケの声である。

「牢屋に入っていたんじゃ・・・」

キュルケが、苦い顔でつぶやく。

「親切な人がいてね。私みたいな人間は、世の為に働かなくては、と出してくれたのよ」

フーケのゴーレムのすぐそばに、黒マントに仮面を羽織った人間らしき影があった。
あれが、フーケを脱獄させたのだろうか。

「何しにきたの?」

キュルケが、言った。

「素敵なバカンスをありがとう、ってお礼を言いに来たんじゃないの!」

ゴーレムの拳が、酒場の壁を破壊した。
そこから、ワッと傭兵達が入ってくる。
ワルドが、魔法で応戦した。
何人かは、風で飛ばされるが、不利を悟るとすぐに引き返す。
そして、魔法の射程外から矢を射ってきた。

151:風林火山(10)
08/02/24 00:02:54 tqY1V8F6
テス・・・

152:風林火山(10)
08/02/24 00:03:50 tqY1V8F6
代理人さんが規制されてしまったようです・・・
自分復活したので、投下再開させていただきます。

代理人さん、ありがとうございました><

153:代理 風林火山(10)
08/02/24 00:04:12 qljUs5HG
「く」

さすがに、ワルドもお手上げらしい。
とりあえず、テーブルを壁として、持ち応える。

「十中八九、アルビオンに、ばれたんだろうね」

ワルドが言った。

「奴ら、私たちの精神力が尽きるまで待つつもりね・・・どうする?」

そこで、勘助が提言する。

「ここで、全員で戦えば、何人かが犠牲になろう。全員で逃げても、同じだ。だが、腕の立つ半数が囮となり足止めし、残る半分が、先に退く」

妥当なところだろう。

「まぁ、それしかないでしょうね。ってことで、ルイズ。あんた、先に行きなさい」

「ちょ、それって私が腕のない方だって言ってるの!?」

「それもあるけど、どっちみち私とタバサじゃ一緒に行っても何するか分からないわよ。あんたとワルド、勘助が行くしかないじゃ無い」

「うむ。後は、任せた」

その言葉に、キュルケは目を細めて頷く。

「勿論、安心していいわ」

勘助は、ギーシュに目をやった。

「小僧。さっきワルドにしたことを、忘れるなよ。あれは、相手が巨大であればあるほど効果が増す。お前にとって、フーケは決して相性が悪くはない」

ギーシュが、頷く。

「お任せください。安心して、お行きください。師よ」

そのまま、勘助達は酒場を脱出した。
裏口から出ると、中で派手な爆発音がした。

「始まったみたいね・・・」

ワルドは、壁にぴたりと張り付き、ドアの向こうの様子を探った。

「誰もいないようだ」

ドアを開け、街の中へと躍り出る。
ワルドが先頭をゆき、殿は勘助である。
月夜の中、三つの人影は、『桟橋』へと、走って行った。


154:風林火山
08/02/24 00:04:22 L5Sdj53C
―――夜。
勘助達は、最後の晩餐とばかりに酒場にいた。
いよいよ、明日は生死をかけた、敵地での任務である。
この酒場で出せる、最高の料理と酒がふるまわれていた。
ルイズは、ワルドと二人で何事か話していた。
だが、キュルケが勘助に近づくと、キッ、っと睨むことは忘れなかった。
その度に、勘助は背中に汗をかきながら、キュルケを振り払っていた。
と、勘助は、外の様子に何か違和感を覚えた

(・・・なんだ?)

ふと、席を立ち、外をみやる。

「な・・・!」

一瞬、言葉を失った。
以前、倒した筈の、巨大なゴーレムが、そこにいた。
それだけではない。
数は、決して多くはないが、傭兵達が並んでいる。
そして、後ろでキュルケも、ゴーレムの姿に気づいた。

「フーケ!」

その言葉に、全員が反応した。
慌てて席を立ち、それを見る。

「感激だわ。覚えててくれたのね」

マントで全身で隠してはいるが、まぎれもなくフーケの声である。

「牢屋に入っていたんじゃ・・・」

キュルケが、苦い顔でつぶやく。

「親切な人がいてね。私みたいな人間は、世の為に働かなくては、と出してくれたのよ」

フーケのゴーレムのすぐそばに、黒マントに仮面を羽織った人間らしき影があった。
あれが、フーケを脱獄させたのだろうか。

「何しにきたの?」

キュルケが、言った。

「素敵なバカンスをありがとう、ってお礼を言いに来たんじゃないの!」

ゴーレムの拳が、酒場の壁を破壊した。
そこから、ワッと傭兵達が入ってくる。
ワルドが、魔法で応戦した。
何人かは、風で飛ばされるが、不利を悟るとすぐに引き返す。
そして、魔法の射程外から矢を射ってきた。




155:風林火山(10)
08/02/24 00:04:59 tqY1V8F6
そしてすいません・・・
すでに代理人さん来てくれてましたorz

ええと・・・お願いします><

156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:05:29 qljUs5HG
を ご本人復活の模様なので代理の代理は中止いたす。

157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:06:35 GYuaDaF2
さるさんは正時(00分)に解除される
覚えとけ
支援

158:風林火山(10)
08/02/24 00:07:27 tqY1V8F6
ややこしくてすいません;
ご迷惑をおかけしてすいませんでしたm(_ _)m
これから、ちゃんと復活します

「く」

さすがに、ワルドもお手上げらしい。
とりあえず、テーブルを壁として、持ち応える。

「十中八九、アルビオンに、ばれたんだろうね」

ワルドが言った。

「奴ら、私たちの精神力が尽きるまで待つつもりね・・・どうする?」

そこで、勘助が提言する。

「ここで、全員で戦えば、何人かが犠牲になろう。全員で逃げても、同じだ。だが、腕の立つ半数が囮となり足止めし、残る半分が、先に退く」

妥当なところだろう。

「まぁ、それしかないでしょうね。ってことで、ルイズ。あんた、先に行きなさい」

「ちょ、それって私が腕のない方だって言ってるの!?」

「それもあるけど、どっちみち私とタバサじゃ一緒に行っても何するか分からないわよ。あんたとワルド、勘助が行くしかないじゃ無い」

「うむ。後は、任せた」

その言葉に、キュルケは目を細めて頷く。

「勿論、安心していいわ」

勘助は、ギーシュに目をやった。

「小僧。さっきワルドにしたことを、忘れるなよ。あれは、相手が巨大であればあるほど効果が増す。お前にとって、フーケは決して相性が悪くはない」

ギーシュが、頷く。

「お任せください。安心して、お行きください。師よ」

そのまま、勘助達は酒場を脱出した。
裏口から出ると、中で派手な爆発音がした。

「始まったみたいね・・・」

ワルドは、壁にぴたりと張り付き、ドアの向こうの様子を探った。

「誰もいないようだ」

ドアを開け、街の中へと躍り出る。
ワルドが先頭をゆき、殿は勘助である。
月夜の中、三つの人影は、『桟橋』へと、走って行った。



159:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:07:59 qljUs5HG
支援~

160:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:08:05 L5Sdj53C
却って足手まといになってしまったようで・・・本人さんにお任せ支援。

161:風林火山(10)
08/02/24 00:09:17 tqY1V8F6
―――裏口から、勘助達が出たことを確認してから、キュルケはギーシュに命令した。

「奥に、油の入った鍋があるでしょ」

「揚げ物の鍋かい?なるほど、わかった」

ワルキューレは、矢でその身を打たれながらも、何とか油を手に戻ってきた。

「それを、入口に向かって投げて」

ギーシュは、ゴーレムを操り、油を入口へと、投げた。
それに向かい、キュルケが杖を振る。
炎が現れ、そして鍋の油に引火した。

――ドン、

と爆発を起こす。
入口付近の炎は、突入をしようとしていた傭兵達も巻き込み、激しく燃え盛る。
さらに、キュルケは色気を含む、優雅なしぐさで杖を振るう。
そのたびに、炎は操られ、名も知らぬ傭兵達を優しく包んだ。
キュルケめがけて、矢が何本も飛んでくるが、タバサはそれをすべて風で逸らした。

「名も知らぬ傭兵の皆様方。貴方がたがどうして、私たちを襲うのか、全く存じませんけども」

降りしきる矢の中。
キュルケは、優雅に一礼した。

「この『微熱』のキュルケ。謹んで、お相手致しますわ」

炎に焼かれ、傭兵達は踊るようにして逃げ去る。

「おっほっほ!おほ!おっほっほ!」

キュルケは、勝ち誇り笑い声をあげる。

「見た?私の炎の威力を!やけどしたくなかったら、おうちへ帰りなさいよね!あっはっは!」

と、轟音とともに入口がなくなった。

「え?」

もうもうと立ち込める土埃の中、巨大なゴーレムが姿を現した。
炎に包まれる傭兵達を、指で弾いて飛ばす。

「忘れてたわ。あの、業突く張りのお姉さんがいたんだった」

「調子に乗るんじゃないよ!小娘どもが!」

162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:10:01 qljUs5HG
支援

163:風林火山(10)
08/02/24 00:10:37 tqY1V8F6
フーケは、声を怒らせ、キュルケ達に叫んだ。
キュルケは、杖を上げ、呪文を唱えようとしてた。
だが。

――ザッ

その前に、ギーシュが立ちはだかっていた。

「キュルケ、タバサ。君たちは、傭兵達を頼む」

背中で、ギーシュが語った。

「いやまぁ、それはいいけど・・・あんた、『ドット』でしょう?相手は、曲がりなりにも『トライアングル』よ?勝ち目、無いんじゃなくて?」

背中が震えた。
どうやら、笑ったようだ。

「そのくらいの実力差、大したものでは無いよ。戦い方次第では、『ドット』が『スクウェア』にだって勝てる。最も、これは僕の言葉では無いけれど・・・」

ギーシュは、薔薇の杖を掲げた。

「でも、今から見せてあげるよ。『ドット』が『トライアングル』を倒すところをね」

呪文を唱える。

「ふぅん。『ドット』ねぇ・・・随分と、舐められたもんじゃないか!」

フーケが怒鳴る。
語気も荒くなり、すでに地が出ているようだ。

「一つだけ、予言しよう。君が、そこを動いたら、その瞬間に・・・勝利は、僕のものだ」

それで、切れた。

「ふ――ふざけるなぁッ!」

ゴーレムの手が鉄に変化した。
そして、恐るべき速度で襲いかかってきた。


――ドロ

ゴーレムの足が、泥に埋まった。

「どうだい。そんなに大きければ、それだけでもう、身動きがとれないだろう」

ギーシュは、フーケに向かって、言った。

164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:11:23 qljUs5HG
支援

165:風林火山(10)
08/02/24 00:11:32 tqY1V8F6
「確かに、大きいということはそれだけで強い。だが、大きいが故の弱点も又、あるんだよ。・・・ワルキューレ!」

ギーシュが、ワルキューレを一体作り出す。
身動きがとれない、フーケのゴーレムの腕に、軽いステップで飛び乗り、走る。
だが・・・
フーケの口が、歪んだ。

「ふ・・・あはははは!とんだ浅知恵だね!そんなんで、このあたしを倒したつもりかい!」

一瞬のうちに、ゴーレムが崩れた。

「あんたも土のメイジなら分るだろう・・・ゴーレムはねぇ!土と精神力さえあれば、何度でも作れるのさ!」

ゴーレムの崩落に、ワルキューレが巻き込まれる。
そして、泥沼のわずか前に、巨大なゴーレムが作り上げられ始めた。

「わかっているさ」

ポツリ、とギーシュはつぶやいた。

「そんなこと、言われるまでもない。いや・・・むしろ、それを忘れているのは君の方じゃないのかな?」

ギーシュが、杖を振るった。

「な・・・に!?」

フーケの顔が、驚愕に染まった。
フーケの目前、一体のワルキューレが現れたのである。

「ゴーレムは土と精神力さえあれば、何度でも作れる!そう・・・例えそれが、他人が作った、『ゴーレムだったもの』だとしても!」

高らかに、宣言する。

「君がゴーレムを壊したその瞬間に、ゴーレムの体はただの土となる!20メイル以上の、巨大なゴーレムだ・・・ワルキューレを作るには、十分すぎる材料さ!」

ワルキューレは、その剣でフーケの杖を両断した。

「ぐ・・・がはっ!」

レビテーションも唱えられず、20メートル近くからフーケは落下した。
そして、『土くれ』の名の通り、土にまみれたフーケの目前には、ワルキューレがあった。

「フーケ。僕は、出来る事なら女性を手に掛けたくはない。そのまま引くというのなら、追いはしない」


166:風林火山(10)
08/02/24 00:12:42 tqY1V8F6
「ぐ・・・くぐ・・・く・・・」

フーケは、ただ呻いている。

(勝った・・・ドットであるこの僕が、フーケに・・・トライアングルに!)

ギーシュの中は、喜びで満ちていた。
だが。

「ぐ・・く、くふ。くふ、くふ、くふふ・・・くははははははは!」

突然笑い始めたフーケ。
そして・・・その姿が、みるみる変質していく。

「そんな・・・」

そこには、30メイルは越えようかという、巨大なゴーレムの姿があった。

「おかしいったらありゃしないね!『ドット』が『トライアングル』を倒せるなんて、本当に思ってたのかい!」

ゴーレムより、100メイルは離れていよう、草の陰から、フーケは姿を現わした。

「ゴーレムを扱っているメイジは、無防備になる・・・姿を隠すのは、当り前のことさ!」

そう、それは当たり前だった。
『ドット』であるギーシュは、ゴーレムを遠距離から操るということは、難しい。
だが、フーケ程の使い手であれば、自分そっくりのゴーレムを作ることだって、あの巨大なゴーレムを、遠くから操ることだって、出来るに違いない。

「そう・・・だから、この前の時よりも小さかったのね」

キュルケが、呟いた。
さすがに、二体のゴーレムを操れば、ゴーレムの大きさにも限界ができるのだろう。

「さて。このゴーレムは、さっきのより随分大きいね。すると、さっきの『錬金』はより効果的になるわけだ・・・もう一度、やってみるかい?」

「う・・・」

ギーシュがたじろいだ。
当然だ。
不意を突かねば、簡単に『錬金』など防がれてしまう。
単純に、ギーシュの『錬金』の力よりも、フーケの『錬金』の力の方が上なのだ。

「ふふ。さて、それじゃあ・・・舐めて貰ったお礼でもしてやろうかねぇ!」

ゴーレムの拳が、振るわれる。


167:風林火山(10)
08/02/24 00:14:08 tqY1V8F6
「ひ・・・」

逃げよう、と思った。
でも、足が動かなかった。

「この・・・馬鹿!」

キュルケが、力任せにギーシュを吹っ飛ばした。

「うわぁっ!」

あられもない声を上げ、ギーシュが吹っ飛ばされる。
キュルケの『ファイアーボール』と、ゴーレムの拳が真正面からぶつかった。
しかし、ゴーレムの拳は、炎を物ともせずに向かってくる。
それに、タバサの『エア・ハンマー』が横からぶつかった。
軌道が僅かに逸れ、キュルケはそこから逃げだした。

「無理」

ぼそりと、タバサが呟く。
同時に、モクモク、と煙が上がった。

「ち・・・目くらましか!」

フーケが叫んだ。
ゴーレムが、拳をぶんぶんと振りまわす。
それだけで、分厚い煙幕は薄まっていく。

「あのゴーレム相手じゃ、ちょっと戦力不足だわ・・・退くわよ!時間も稼いだし、多分、大丈夫よ!」

バサリ、とシルフィードがやってくる。
2人は、それに乗った。

「ちょ、ギーシュ!なにしてるの!早く来なさい!」

(わ、わかってる、んだけど、ね・・・)

だが、動けない。
体が、言うことを聞かないのだ。

「ご、ごめ・・・足、が」

「あぁもう!あんだけ大口叩いておいて、結局それじゃない!」

がくがく、と体が震えていた。
これが、初めての実戦だからだろうか。


168:風林火山(10)
08/02/24 00:15:28 tqY1V8F6
(これが・・・命をかけた、戦い・・・)

自分の力が、通用しなかった。
危うく、殺されるところだった。
それを実感して、初めて体が竦んだ。
股間が、濡れた。

「全く・・・初めは、格好良かったのに」

「無様」

「あはは・・・このことは、師匠・・・勘助には言わないでくれよ。格好悪いからね・・・」

散々に言われてしまった。
でも、仕方無い。

(次こそは・・・)

師によれば、最強の系統である『土』、その使い手なのだ。
同じ無様は、もう許されない。


169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:16:30 uXbXeGCv
支援

170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:17:00 4jctB1vA
はじめは誰もがヒーローじゃない(ヒーローじゃない)
支援。

171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:17:12 U3MJEBOo
支援

172:風林火山
08/02/24 00:18:43 tqY1V8F6
以上で、本日の投下終了です。
代理さん、代理の代理さん、いっぱいの支援、ありがとうございました。

今日のを教訓に、次回からは一話一話分けて投下することにします・・・。

>>141
・・・なんだかそんな気がしてきたorz
自分の言葉のセンスの無さにちょっと泣けてきます・・・

それから、誤字脱字、投稿する前と、直前に確認しているんですが、やっぱり見逃してしまうことがあります。
そこら辺は・・・温かい目で、見逃してくれると嬉しいです。

173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:19:05 KeQyGyhs
ギーシュ覚醒フラグか!? 支援

174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:22:21 TzuOSb+f
>>172
誤字ぐらいいいじゃないか、人間だもの。
勘助自身が大人なので、周辺の若人達がどう成長していくかも楽しみ。

175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:23:06 qljUs5HG
乙ですた~

176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:23:24 Dygd4ra6
風林火山の人投下乙です。
ID変わりましたが>>76です、15分後に投下します。

177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:24:15 giQFz/oj
智恵と工夫と努力で戦うのがおもしろいね。GJ

178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:25:32 TzuOSb+f
>>176
特撮系ですか。
現在連載中なのはマジレンジャーと(微妙ですが)ナイトライダーとSPIRITSと誕生1971と、えーとえーとそれから……何がありましたっけ?
何はともあれ楽しみに待たせていただきます。

179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:27:12 blJU2sqZ
>>176
長編なら名前欄に作品名よろ
トリップも推奨

>>178
RXが来てるぞ

180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:27:13 pSUZho6b
投下乙、ホントに乙です
代理まで規制は始めてみましたw

にしてもギーシュが成長しそうだ

181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:27:33 9MVRAKOh
愛國戰隊大日本支援

182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:28:20 tqY1V8F6
>>176
一時間以上も独占してしまって申し訳ないです;
期待して待ってます。
支援準備完璧です。

>>174
ありがとうございます。
本当は、ギーシュを原作以上のヘタレにして、勘助や回りの状況から徐々に強くなっていく・・・
って感じのをやろうと思ってたんですが、自分の力じゃ強くなるまでに脱線しそうだったんで・・・
ちょっと、中途半端な形になってしまいました;

183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:30:17 L5Sdj53C
山の如く乙

184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:31:47 JthttVN0
乙。
ロマサガシリーズ+αで投下しようかと思ったけど、
眠くて色々間違えそうだからこんどにするわノシ

185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:38:17 Dygd4ra6
では投下します。

186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:38:53 KeQyGyhs
よろしい、ならば支援だ

187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:38:56 Dygd4ra6
過ちを繰り返したくはない、と白髪交じりの髪を生やす若い男は言った。

男の言葉に対し、王座に踏ん反り返るガリア王は鼻で笑った。
そんな見てくれだけ御大層な信念なぞ主張した処で、
傍から聞けば所詮戯言としか受け取れないんだがね、と。

ガリア王の言葉に対し、男は落ち着いた表情で、それでいて感情を込めて言った。
戯言だろうが愚考だろうが、どう捉えてくれても構わない。
ただ俺は、何度でも言うが過ちを繰り返したくない。
だから俺は、過ちを阻止するべく行動を起こすその日まで、此処に身を置きたいんだ。
そして来るべき瞬間に、俺の邪魔をしない事を約束して欲しい、と。

男の庶幾に対し、ガリア王は、幾分考え込み、そして口を開いた。
よかろう。貴様も俺の阻害をしでかさない限り、堅い事は言わん。
せいぜい為すべき事を成し遂げるまで、今まで通りゆっくり此処で寛ぐがいい、と。

ガリア王の認許に対し、男は礼を言った。
感謝する、ジョゼフ、と。

ガリア王は、どこか含みのある微笑を浮べ、男に指を差して言った。
なぁに、俺と貴様の仲だからこそ成立するのさ、と。



 眠りの地龍  第1話  「龍の居所」





188:眠りの地龍
08/02/24 00:39:47 Dygd4ra6
「ゴムア?」

「違う。ゴモラ」

「ゴモラ?」

「そう。ゴモラ」

トリステイン魔法学院敷地内の図書室。

時刻は日もやや傾いた夕暮れ時、窓から差し込む橙色の日射が多くの書籍を照らす中、
図書館内に備え付けられた読書用の机に佇む2人の少女の姿がある。

1人は、蒼い短い髪を垂らし、椅子に座りながら、机の上に置かれた少々大き目のサイズの書物を広げるタバサ。
そしてもう1人は、そのタバサの横で、椅子は使わず、床に立ったまま体を屈折させ机に肘付くルイズ。
タバサは、広げたページに書かれたある項目を指差し、ルイズにそれを示している。

思えば、このルイズとタバサ、という組み合わせはわりに珍しい。
ほんの数日前まで、彼女達はクラスメイトでありながら、お互い面識すら殆ど無かった。
その原因として、ルイズの宿敵でありタバサの無二の親友、キュルケが関与していたのはまず間違いなかろう。
そんなキュルケと言う壁を乗り越え、こうして2人きりで図書室でやり取りをする仲になった経由は、
5日前の召喚の儀式にまで遡れば解る事であるが、今ここで語るほどでもあるまい。

「なんて書いてあるの?」
「読んで」
「えーっと」


 ゴモラ。
 幻獣界脊椎動物亜門地龍上目双弓類綱ゴモラサウルス科眷属。
 身長約40メイル。
 主に地底を住処とする。
 頭部に3本の角が生えている。
 体色は土色。



189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/02/24 00:40:06 tqY1V8F6
支援

190:眠りの地龍
08/02/24 00:41:04 Dygd4ra6
「あれ、これだけ?」

ルイズは、今しがた自分が読み上げた解説項目の短さに、軽く面食らった。
異常に分厚く、値段も庶民が3ヶ月は衣食住に苦労しない金額に相当する、何とも尊大な書物でありながら、
知りたい事について書かれていたのは、ほんの申し訳程度でしか無かったのだから、無理も無い。
そもそも、この『地龍から見取る現代的幻獣学論』という本は、
地龍についての解説も少なく、やたら回りくどい文章で学会への批判を書き綴っているのが目立つ。
資料用の挿絵も一切無く、正直、悪書だと言える。
何故そんな書物を、わざわざ図書室の奥から引っ張り出して、調べものをしているのか。
それは、2人の会話から推察できる。

「地龍に関しての生物学的記録は少ない。あっても大概信用は出来ない」
「でもこれじゃ、あの子の正体が何時まで経っても判らないじゃない」

40メイルの巨体、頭部に3本の角、そして土色の体。
確かにそれらの点は、ルイズが召喚した幻獣との特徴と合致する。
しかし、未知の生物を詳しく知りたくば、やはり絵図はどうしても必要不可欠である。
絶滅種と呼ばれる地龍となれば尚更だ。

ルイズは、地龍に関しての資料の圧倒的少なさに、溜息をついて椅子に座った。
少しばかり沈黙の時が流れた後、ずっと例の悪書に目を通していたタバサが、ふと口を開いた。

「確かに、これでは知るべき智識は手に入らない。でも」
「でも?」
「あれが地龍なのは、恐らく間違いない」



191:眠りの地龍
08/02/24 00:41:33 Dygd4ra6
『地龍(ちりゅう)』とは、主に地底や火山地帯を住処とする、翼を持たない桁違いに巨大な龍の事を指す。
生態特徴として、知能は低く、縄張り争いや餌の奪い合いで、
本能に従い同種族同士が随時死闘を交わす、野蛮な獣であると後世に語り継がれており、
先住魔法を操る知能を持ち、且つ空を自在に翔ける翼を具える『韻竜』とは極めて対照的な存在にある
(『火竜』との接点なら幾つかあるのだが、体の大きさに明瞭な違いがある)。

故に、この地龍と言う種族は、ハルケギニアの多くの英雄譚等で、悪役として描かれる事が多く、
ポピュラーな所では、『イーヴァルディの勇者』の冒頭、
主人公イーヴァルディの住む村を、群れを成して襲撃するモグネズンなどが挙げられる。

だが、平均身長が40メイル越えという異常な体たらくが、生態系の秩序を乱す存在として神に嫌われたのか、
或いは種族同士の戦いの末に自滅への道を辿ったのか、現在ではその殆どが死滅したとされている。
ある意味、同じく絶滅したとされる韻竜との唯一の共通点だとも言える。

現代、地龍の生き様を語る事が出来るのは、
まだ地龍がハルケギニアの地上を闊歩していた時代の人々が残した、幾つかの記録文献のみなのだ
(因みに、先に述べた『イーヴァルディの勇者』に登場するモグネズン等は、その殆どが架空描写で描かれている)。
しかし地龍の存在そのものは根滅してはいない、という説を唱える学者も多く、
さらに、翼を持たない小山ほどの超巨大な龍の目撃例が、今も尚各地で確認されているのが現状だ。

とは言え、漠然とした生態記録や、英雄譚の中での過剰とも言える悪役ぶりが原因となってか、
地龍の存在を架空の産物だと勘違いしている者も多い。
ルイズが例の使い魔を召喚した当初、騒がれこそはしたが「地龍を召喚した」と認識した者は、
召喚の儀式に教員として立ち合ったコルベールを含め、誰1人としていなかった。
絶滅した古代の龍、もしくは空想の龍、を召喚する、というのはあまりにも非現実的すぎるからだ。

だが、40メイルを越える龍が召喚されたのは紛れも無い事実。
あの日から数日が経過し、徐々に龍の正体に疑問を抱く者が現れ始めた。

召喚した当本人であるルイズに、地龍とはまた別の、絶滅したとされる韻竜を召喚したタバサ。
トリステイン魔法学院長オールド・オスマンとコルベールも、それに当て嵌る。
勉強熱心な他の何人かの学院生徒も、何れ図書室に足を運び、古代生物に関しての資料を探し始めるであろう。


―だが結局、ルイズ達の調査はそこで難航及び終了を余儀なくされた。
知識を主食とする本の虫、と呼ばれるタバサでさえ、半ばお手上げ状態なのだから。

「今日も手伝わせちゃってごめんね、タバサ」
「……胡散臭い地龍の本は、もう見たくない」

本を元の場所に戻し、長い詮索から開放された2人は、お互い空腹感を覚え、揃って食堂へと向かった。





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