08/01/10 01:21:15 ETi5fRbs
2時間半後―城下町
「なかなか速い脚だ、お主は。」
「ブヒヒン!」
嬉しそうにする馬、どうやら気は荒いが脚は相当なものであるようだ
「おもったより早くこれたけど、もうにぎわっているようね。」
宮城へ続く大通りはすでに人でにぎわっていた。
馬を町の入り口にある預け場に留め置くと目的の店へ向かう
それを影からのぞく二人の影
「あら、ダーリンたちはどこへ行くのかしら?」
「・・・・」
気づかれないように後に続く二人だが五ェ門は気配で分かっていたようだ
「(なぜあとを・・?)」
さして危険ではないので捨て置く五ェ門。
「ここよ、ゴエモン。」
古臭い店だが汚くは無く、生地の種類も豊富で品揃えもよかった。
「これはようこそ、ヴァリエール様。」
気のよさそうな老女主人がルイズに声をかける
「お久しぶりマダム、今日は使い魔に服を仕立ててもらいにきたの。」
「おやまあ、そうでございましたか・・・立派な殿方ですこと。」
しげしげと眺めるマダム
「拙者、出来ればこれと同じものを仕立ててもらいたいのだが。」
ほうほう、とうなずくマダム。
「これは珍しいつくりの服ですわね。」
「出来るか?」
にっこりと笑うマダムは一言
「服を扱いかれこれ50年、まかせなさい。」
そういうとさっさと寸法を測り始めるマダム
「マダムは元・貴族、でも腕は確かよ。あたしが小さい頃からお世話になってるわ。」
ホホホと笑うマダム
「そうですよ、私はヴァリエール様のオムツも仕立てたのですから」
「ちょ、マダム!変なこと言わないで!」
「使い魔さん、服を詳しく見たいから脱いでもらえるかしら?代わりは用意するわ」
あっと思い出すルイズ
671:ゼロの斬鉄剣 6話 (4)
08/01/10 01:24:02 ETi5fRbs
「そうよマダム、ゴエモンのサイズに合う服は無いかしら?近いうち品評会があるのよ。」
やいのやいの女性はファッションにうるさいもので最終的に決まったのは入店してから実に3時間後のことであった。
「マダム、宜しくお願いするわ。」
「またお越しくださいませ、ヴァリエール様。」
五ェ門の服が仕上がるのは10日後ということで仕上がり次第学院に送ってもらうことにして店を去る
二人
「じゃ、服も買ったけど時間があるわね。もうすこし街を見ていき・・・・」
ルイズはそこで言葉を詰まらせる
五ェ門の後ろには―
「あら、ごきげんようルイズ。奇遇ね?」
「・・・・こんにちは。」
「ちょっと、なんであんたらがいるのよ!」
あわてるルイズ
「あら、今日はただのお買い物よ?ね、タバサ」
コクリとうなずくタバサ
「ふうん、何を買いに行くのかしら?」
「あら、よろしかったら一緒に行きませんこと?」
「・・・・ゴエモンも。」
「ちょっと、かってにゴエモン連れてかないでよ!」
むくれるルイズ
「まあよいではないかルイズ、せっかくだから拙者はもう少し街を見て回りたいのだ。」
うー、とうなるルイズ
「しかたがないわね、はやくすませましょ!」
二人きりで街を見て回れると思っていたルイズはしぶしぶ了解する
キュルケ達が合流してしばらくすると、町の路地の奥からわずかながら悲鳴が聞こえてきた
「ルイズ、すまないが先に行っててくれ。」
と駆け足で声の方角へ向かう
「ちょっと、ゴエモン・・・もう!」
672:ゼロの斬鉄剣 6話 (6)
08/01/10 01:25:59 ETi5fRbs
路地の奥には家に囲まれ、人目につかない広場があった
「オラオラ!たてよ!」
「や、やめてくれ・・・」
「うるせぇ!親分の女に手を出しやがって!」
とらわれた男女一組とそれを嬲るガラの悪い男たち
一番屈強そうな男― 親分と呼ばれている男はおもむろに
「もう、やめろ」
ピタリと子分たちが動きを止める
やっと終わったかと思った矢先
「この錆た剣でゆっくりいたぶってやんな」
下非た表情で子分に剣を渡す。
「へい、わかりやした」
「ひぃ!」
振りかぶった時
「待たれよ!」
間一髪、現れた五ェ門。
「なんだテメェは!」
ふん、と五ェ門
「弱い者を大人数でいたぶるとは、大人気ない奴らだ。」
「うるせぇ!とっとと失せろ!」
いきり立つ男たち
「それ以上やるのならば、拙者があいてをいたそう」
「生意気な、やっちまえ!」
五ェ門を間合いに捕らえたとき、男たちは勝利を確信したが
バシ!バシ!バシ!
3人がかりで飛び掛るが目にも留まらない手刀で叩き伏せる
「お主ら如き、斬鉄剣の露にすることすら憚る。」
一番デカイ男に目を向ける五ェ門
「さて、あとはお主だけだが。」
男は五ェ門の異様さに怯む
「この二人に手をださないと誓うなら見逃してやろう。」
「しゃらくせえ!」
男は五ェ門に飛び掛ったが、すばやく回り込まれ腕をキメられる
「お主のような乱暴者にこの腕はもったいないな」
ボキン!ボキン!
673:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:01 iFD1pyp/
支援
674:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:14 Z1cZk+/3
ルイズって乗馬スキル高かった記憶が支援
675:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:45 BvHal0mA
支援
676:ゼロの斬鉄剣 6話 (7)
08/01/10 01:27:48 ETi5fRbs
容赦なく五ェ門は男両腕を折る
「これで二度と悪さわできまい、今度からはまじめに働くことだな。」
「ひ、ヒイイイイイ!」
子分たちも打たれた箇所を折られているのか抑えながら逃げおおせる
それを見送る五ェ門は声をかけられる
「あ、ありがとうございます」
痛めつけられてた男は女とともに五ェ門に礼をする
「礼はいい。それよりもこの町からはやく出て行くことだ。」
そういわれるとそそくさと男女は去っていく
それも見送ると五ェ門はルイズたちのところへ戻ろうとするが
「まってくれ!」
五ェ門は振り返ったが誰もいない、気のせいかとおもったが
「ここだ!ここだよ兄さん!」
なんと、捨てられた剣から声が聞こえてくる
「面妖な・・・」
鞘に手をかける五ェ門
「ちがうって!兄さん、俺っちをつかってくれよ!」
しかし五ェ門は返す
「残念だが拙者にはもう斬鉄剣がある、あきらめろ。」
そういうと五ェ門は踵をかえす。
「ま、まってくれ!絶対役に立つって!そうだ!おれっち魔法を打ち消すことができるんだぜ!」
振り返る五ェ門
「ほう、それは面白い力だな。」
「だろ!俺を拾い上げてくれよ、お願いだよ!」
必死になる剣、それもそうだ。こんな人目のつきにくいところで捨てられたらガキの玩具にされるか
くず鉄拾いに拾われるかどっちかなのだから。
「その言葉信じよう、だが偽りがあれば・・・・・。」
刃を覗かせる五ェ門。
「と、とにかく手にとってみてくれよ、な?」
五ェ門が剣を手に取る
すると、左手のルーンが輝きだす
「お、おでれーた!、兄さんは使い手か!」
なんのことだと五ェ門
「いいから!俺っちは兄さんに拾われるべくして拾われたんだよ。」
ひとまず剣のいうところの「魔法を打ち消す力」について興味があったので拾うことにした。
「あ、俺の名前はデルフリンガーっていうんだ、兄さんの名前は?」
677:ゼロの斬鉄剣 6話 (8)
08/01/10 01:29:29 ETi5fRbs
「うむ、拙者は石川五ェ門という」
「とりあえず俺の名前はデルフって呼んでくよ!」
口の軽そうな剣だとおもう五ェ門
「わかったからデルフ、少し落ち着かんか。」
しょぼくれるデルフ
「わ、わかったよ。鞘に収めてくれたら黙るから、その剣チラつかせるのは勘弁してくれ。」
「あとでお主の力、試させてもらうぞ。」
「おう、まかせてとき」
カチャン
さっさと鞘に収められるデルフであった。
「さて、もうじき日が暮れる、急がねば」
ルイズたちに合流した五ェ門
「ちょっとゴエモン、どこへいってたのよ。それになに?その剣は?」
五ェ門は喋る剣についてルイズに聞いた
「それはインテリジェンス・ソードね。」
なんだそれはという顔をする五ェ門
「魔法の力で意思を持つようになった剣のことよ、わりと沢山あるのよ。」
剣を見つめる五ェ門
「それより、ダーリン。もう夕方だけどはやく帰らないと。」
しまったという顔をするルイズ
「・・・・のってく?」
横からタバサ
「人・・・4人に馬一頭。楽勝」
「そうね、タバサの風竜がいれば学園まですぐですもの。」
馬をどうやって運ぶのだと思ったが
「(きゅい!あばれないでね!)」
馬がおびえないよう目隠しをしておいて背中にのせる
「ブヒヒン?」
ずいぶん肝の据わった馬であるが、単に間抜けであるのかもしれない
その日、五ェ門は久々に空からながめる夕日を目にするのであった。
つづく
678:ゼロの斬鉄剣 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:31:50 ETi5fRbs
投下完了ッ!も
直したはずの文が直ってなくてすまんでした、誤字がorz
>>668
助言サンクスです
さっそくやります。
679:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:32:22 f+0gkTe9
乙
680:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:45:42 BvHal0mA
はたしてデルフは斬鉄剣より活躍することができるのか
GJ
681:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:51:55 gqmcB72P
普通に魔法も残鉄剣で切りそうだからなぁ……
「所詮魔法も発動すれば物理現象よ、ならば残鉄剣で切れぬ道理は無い!」とか言って
弱点は残鉄剣そのものに直接作用する錬金とやはり直接作用するっぽい虚無系統かな
682:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:54:21 HtKkplis
デルフ → デザートエルフ
リンガー → ちんこ
デルフリンガー → 砂エルフのちんこ
683:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:54:32 JO8UPyYX
斬鉄剣が折れてしまってからがスーパーデル公タイム
684:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 02:23:36 VqRN3ZxA
>>681
「天地自然の物理を捻じ曲げる魔法ごとき小細工が、達人に通用すると思うたかッ!!」
こうですか?
685:sage
08/01/10 02:56:03 Htf2pCBx
でも、西洋剣と日本の刀じゃ扱い方は違うからなぁ。
まぁ、ルーンがあるから平気だろうが。
686:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 06:55:14 zQrzYwgV
そーいや雷すら叩っ切ってた、ファーストコンタクトで
「森羅万象、斬鉄剣に切れぬ物無し」
とかいってたな
687:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 07:44:48 8cZjvvbK
>雷すら叩っ切ってた
なんというワルド戦
クロスファイアネタで書いてみてるんだが、
例えダミーの杖があっても詠唱無しで炎出したら疑われるかなぁ……。
688:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 08:20:12 yhLb3iVr
>>686
エンパイアステートビルの避雷針の上に立って、落ちてきた雷を真っ二つにした、アレね。
「斬鉄剣に~」でなく「この一刀のもと~」じゃなかったっけ?
689:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 08:26:34 1NSzqv1F
ここでウルトラマグナスを召還
そして宇宙ペストにかかる
ウルトラマグナス「出て来い!!ゼロのルイズ!!」
690:ゼロの大魔道士
08/01/10 08:44:04 U07pqYP/
九時から投下します。
ペースあげていきたい今日この頃。
691:ゼロの大魔道士(1/5)
08/01/10 09:02:13 U07pqYP/
「ありがとうございました!」
「よう、見てたぜポップ! 上手いことやったじゃねえか!」
すたこらさっさと厨房に戻ったポップを迎えたのは頭を下げるシエスタと上機嫌のマルトーだった。
既に食堂のほうは白けた空気が蔓延し、生徒たちは散りはじめている。
ギーシュだけは感情の向け先がないのをどうすればいいのか迷っている様子だったが
本来の最優先の目的―モンモランシーとの和解を思い出し、脱兎のごとく駆け出していた。
「見たかよあいつらのポカンとした顔! いやあ面白いもん見せてもらったぜ」
余程愉快だったのか、朗らかに笑うマルトー。
見れば周囲の料理人たちも皆一様に笑みを浮かべている。
シエスタですら身体を震わせて笑みをこらえていたりする。
(…こりゃ、よっぽど鬱憤がたまってるんだなぁ)
それを見たポップは心の中で溜息をついた。
平民と貴族。
それはポップの世界でも存在している差別だが、いかんせん根源的な事情が異なっている。
魔法を使えるか使えないか。
それだけがこの世界の人間の心を縛りつけているのだ。
確かに魔法は脅威だが、ヒュンケルやラーハルトといった化物を目にしているポップとしては彼らの心情が理解できない。
同時に、この人たちの前では魔法は使えないとも強く思う。
今こうして笑いあって話ができるのも自分が魔法の使えないただの旅人だと思われているからだ。
もしも魔法使いだと知れたら一体どういった反応が返ってくるのか…
ダイがベンガーナの市民の前で竜の騎士の力を解放したときのことを思い出す。
シエスタがギーシュに向ける視線はあの時の市民たちに近いものがあった。
自分にもあんな視線が向けられるのだろうか。
(ったく、なんとも面倒な世界に来ちまったもんだ)
それでも、ダイを見つけ出すまでは帰るわけには行かないのだ。
今の自分にできることはとにかく情報を集めること。
気を取り直したポップは仕事の続きをするべく皿へと手を伸ばした。
692:ゼロの大魔道士(2/5)
08/01/10 09:04:01 U07pqYP/
「やれやれだ…」
一方、騒ぎには我関せずとばかりにルイズとキュルケに挟まれていたコルベール。
彼は食事の時間を終え、ようやく二人の少女から解放されていた。
今は授業の準備をするべく廊下を歩いている最中。
と、前方から一人の女性が歩いてくる。
長い髪に眼鏡をかけた知的そうな女性―コルベールの同僚であり、学園長の秘書的存在であるロングビルだった。
「あら、ミスタ・コルベール。随分お疲れのようですわね?」
「こ、これはミス・ロングビル。いやいや、お恥ずかしい…」
たはは、とつるつるの頭部を撫でさするコルベール。
実はコルベール、ロングビルのことが好きだった。
好き、といっても好意レベルの話なのでデートできたら嬉しいなーとかその程度の話である。
が、お気に入りの女性であることは変わりはない。
そんな女性から話しかけてもらったのだ、これほど嬉しいことはない。
「そういえば、聞きましたわよ? なんでもあのミス・ヴァリエールの使い魔になられたとか?」
「は、はあ…」
ぴたり、と手が止まる。
正直、あまり触れてほしくない話題だった。
いくら考え方が柔軟な部類にはいるといえども、コルベールにもメイジの誇りというものがある。
誓いを立てた以上、ルイズの使い魔になったことを悔やむ気もないし、不満をもつ気もない。
しかし他人、しかも好意を持っている女性からそのことを言及されるのは少しつらいものがある。
何せこの世界の一般常識では使い魔とはあくまでもメイジの奴隷なのだから。
「ふふ、大変でしょう?」
「まあ、確かにその通りなのですが……なんとかやっていきますよ」
「頑張ってくださいね」
照れたように笑うコルベール。
ロングビルはそんな同僚の姿に同情したのか、あるいは話題そのものに興味があまりなかったのかそれ以上言及をしなかった。
693:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:04:27 ZyMb0g21
期待支援
694:ゼロの大魔道士(3/5)
08/01/10 09:05:45 U07pqYP/
「そういえば…話は変わりますが」
「?」
「最近またあの盗賊が世間を賑わせているようですわね」
「盗賊というと、『土くれのフーケ』のことですかな?」
「ええ、つい先日も貴族の方が被害にあったそうですわ」
土くれのフーケ。
トリステインの中でももっとも有名な盗賊の名前である。
通り名の通り、土属性のメイジであるその盗賊は単独犯であるにもかかわらず国中の貴族の宝を盗む手だれだ。
トライアングルクラスといわれるその腕前を駆使し、神出鬼没に現れるその正体は謎に包まれている。
男か女か、歳は幾つくらいなのか、目的はなんなのか。
その全てが一切の謎とされている存在だ。
「まあ、かの盗賊が目をつけるような宝は持っていませんので私は安心ですけど」
「それは私も同じことですな。この歳で研究一筋のせいか、財産という文字とはとんと縁がない」
「しかし個人はともかくとしても、この学園は別…そうではありませんか?」
「と、いうと?」
「このトリステイン魔法学院には貴重なマジックアイテム等が収められている…違いまして?」
「まさかフーケがこの学園を標的にすると!?」
「可能性の問題ですわ。事が起きてからでは遅いですもの」
難攻不落の宝物倉ですから、そんなことはないでしょうけど。
そうクスクスと笑うロングビルだが、コルベールからすれば笑い事ではない。
宝物庫に入ったこともある彼はその中身をある程度把握している。
当然、その中にはお金に換算できないほどの貴重品やレアアイテムが存在している。
中でもとりわけ貴重といわれているのが…
「確かに…あの『杖』などが奪われた日には目も当てられませんな」
「杖、と仰いますと……『鎧の杖』でしょうか?」
「おや、既にミス・ロングビルはお知りになっていましたか」
「人の耳に戸は立てられませんもの。けれど不思議ですわね、杖なのに鎧というのはどういう意味なのでしょうか?」
「さて…私も詳しいことを知らないのでなんとも。いや、待てよ…」
ふと、コルベールは視線を左手に移す。
そこに描かれているルーンのことは既に調査済みだった。
695:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:06:20 ZyMb0g21
大魔道支援
696:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:06:29 +5aKoQiA
元ヘッポコ支援
697:ゼロの大魔道士(4/5)
08/01/10 09:07:15 U07pqYP/
神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
始祖ブリミルを守ったとされる使い魔の一体。
その存在が持っていたとされるルーンが自分に刻まれている。
あらゆる武器を自在に操ったという伝説通り、剣や槍など武器と分類される物を手に持った瞬間そのルーンは力を発揮した。
武器の性能を即座に解析し、最適な扱い方を使用者に与え、身体能力をアップさせる。
他の使い魔のルーンにはない、特別な能力だ。
このことはまだオスマンや主のルイズにすら教えていない。
無論、これは知ったばかりだからという理由なのでこの二人にはこの後説明をしに行くことになるのだろうが。
(この私が伝説のルーンを身につけることになるとはな…)
血に濡れた手に刻み込まれた守護者の証。
守る、という命題を抱えながらも敵を倒すための力という矛盾を持つ奇跡。
研究者としては興味がそそられるルーンだが、人を魔法で傷つけないと誓っている今の自分には過ぎたものだと自嘲する。
(だが、この力ならあるいは…)
所持者であるオスマンですら使い方がわからないと言われている鎧の杖。
しかしガンダールヴの力ならばその本当を解析できるかもしれない。
むくむくと研究者としての好奇心が脳を満たしていく。
だが、その考えはすぐに振り払われた。
そもそもあの杖は自分の所有物というわけではない。
何よりも、あれは武器だ。
人を傷つける忌まわしき物の一つなのだ。
(……だが、もう、そうも言っていられない…か)
過去がどうであれ、今の自分は一人の少女の使い魔なのだ。
彼女の命令には従わないといけないし、彼女に仇をなす敵は自らの手で打ち払わなければならない。
誓いはあくまでも魔法による人の殺傷の禁止だが、だからといって素手や武器で人を傷つけても良いという問題でもない。
だが、それでも今は武器を手に取らなければならない。
それが今のコルベールの役目なのだから。
「……ル? ミスタ・コルベール?」
「あ、はい!?」
「どうなさったのですか? 突然俯かれて…」
698:ゼロの大魔道士(5/5)
08/01/10 09:08:56 U07pqYP/
ロングビルの心配そうな声にコルベールはハッと我に返った。
気がついて見れば彼女は心配そうに自分の顔を覗き込んでいるではないか。
顔と顔の距離が近い。
歳に似合わず純情なコルベールは思わず身体ごと仰け反ってしまう。
「こ、これは失礼!」
「いえ、ですが本当に大丈夫なのですか? 気分が優れないようなら…」
「いやいや、そんなことなど! この通り私は元気一杯で!」
ほっほっと飛び跳ねてコルベールは健康をアピールした。
頭部の汗がキラリと煌く。
刹那、ロングビルは二重の意味でコルベールの頭を心配した。
「そ、そうですか。ならばよろしいのですが…」
「ご心配感謝します。おっと、そろそろ授業の時間ですな」
「これは申し訳ありません。引き止めてしまって…」
「いえいえ、全く気にしていませんので…では!」
シュタッと手を上げるとコルベールはやや駆け足で教室へと向かう。
それを笑顔で見送ったロングビルはその姿が廊下を曲がったことを確認し、口元を吊り上げた。
「詳しい情報はやはり得られず、か…だが必ず手に入れて見せるよ、『鎧の杖』!」
先程までの楚々とした様子を一変させてロングビルは高笑いをあげる。
「み、ミス・ロングビルがあんな下品な高笑いを…あはは、これは夢なんだ、あはは…」
なお、たまたま通りかかったぽっちゃり型男子生徒がその光景を見て深く心に傷を負ったのだが、それはまた別の話である。
699:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:09:43 ZyMb0g21
アムド
鎧化支援
700:ゼロの大魔道士
08/01/10 09:10:14 U07pqYP/
投下終了。
原作にほとんどなかった二人の会話は難しい…
701:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:14:21 BOrQe9I3
おつー。
続き楽しみにしてます
702:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:17:42 qhHVv8KI
大魔道乙。
この調子だと、鎧の杖はポップがアムドしちゃうのかな?
なんて短絡的な考えをしてしまう。
wktk。続き期待。
703:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:39:08 +icGyz/+
いや、コッパゲ先生を守る最強の鎧さ、特にその頭頂部を!
……兜部分ってまず最初に外れるイメージがあるな
>>687
「会話の中にルーンを紛れ込ませた」とか言えばちょっとはごまかせるんじゃね?
704:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:52:12 kr5dq3cd
アムドの予感!
それはそうと、このポップはブラックロッドを持ってきているんだろうか?
705:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:25:02 1N/oSzty
最後にバーンに殴りかかって折れただろ
706:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:33:14 HuAzX3zj
某所ではいきなり空から降ってきたから
原作知らないやつがつい聞いてしまったんだろ
707:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:35:02 wRBz/V9c
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__) 召還多過ぎだろ
| ` ⌒´ノ 常識的に考えて
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
708:Mr.0の使い魔
08/01/10 11:35:33 ghccOaP0
大魔道士の人乙でした。
さてさて、久しぶりのトゥーカ宣言。
何事もなければ五分後にトゥーカします。
709:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:39:00 pMBlprmX
支援しつつマジレス
>>707
「召還」だと帰してるぞ
710:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:42:40 uwLowpcb
>709
召喚と書くところを召還と誤記してるやつが多いって言ってるだけだろ常考…
召還のレス抽出数2
あれ?
711:Mr.0の使い魔 第三十三話(1/5)
08/01/10 11:42:51 ghccOaP0
ぐらりと傾くルイズの体。倒れ込む彼女を前に、クロコダイルは何も
できなかった。助ける気がなかったから、ではない。
全く同じタイミングで、クロコダイルの視界も黒一色に染まったのだ。
咄嗟に右手をつかなければ、今しも甲板に投げ出された死体のように、
グリフォンから転がり落ちていた。このように自分の事で手一杯であり、
他の行動ができなかったのである。
後ろの【遍在】が弾けて消える音で、不規則に揺れるクロコダイルの
意識はようやく安定した。血相を変えたワルドがルイズを抱き起こす様
を視界に捉えつつ、疑問を漏らす。
「何が、起きた……?」
戦いで傷を負った訳ではないし、特に体調が悪いなどという事もない。
だと言うのに、何の前触れもなく意識が飛んだのだ。不審に思わない方
がどうかしている。
「気を失っただけ、みたいですね」
クロコダイルの疑問が聞こえたのだろう、ワルドが幾分安堵した声で
答えた。どうやらルイズの身を気にかけての言葉だと受け取ったらしく、
クロコダイルの変調にはまるで気づいていない。
望んでいた返事ではなかったが、不調を悟られるよりマシか、と考え
直した。既に雨で力が使えない場面を見られているのに、これ以上弱点
を晒すなど論外である。
今のワルドの勘違いを利用できるように、クロコダイルは次の言葉を
選んだ。
「魔法の使い過ぎ、か?」
「それもありますが、一番の原因は皇太子の死でしょうね。
今まで精神的に無理を重ねていたところに、強いショックを受けて気絶した」
「ふむ……港に着くまで、休ませた方が良さそうだな」
「ええ。船長!」
足早に船内へ向かうワルドの背を眺めながら、クロコダイルは小さく
唸った。ルイズが気絶したのは心労が積み重なった故にで説明がつくと
しても、自分については心当たりすら浮かばない。まさか本当に『呪い』
という事もないだろうが、理由がわかわからないままでは困るのだ。事
は自分の命に関わるかもしれないのだから。
思考を巡らせるクロコダイル。
その下では、彼を乗せたままのグリフォンが、居心地悪そうに甲板を
引っ掻いていた。
Mr.0の使い魔
―エピソード・オブ・ハルケギニア―
第三十三話
小綺麗なベッドにルイズを寝かせ、ワルドは傍らの丸椅子に腰掛けた。
ルイズは規則正しい呼吸を繰り返しており、平穏そのもの。うなされる
様子もない。
しかしながら、ワルドは未だ不安を拭いきれなかった。息をするたび
上下する胸の動きはごく僅かで、顔も多少青ざめている。少し離れれば、
死体と見間違えそうだ。
712:Mr.0の使い魔 第三十三話(2/5)
08/01/10 11:44:26 ghccOaP0
死んだように眠る、という表現はワルドも聞いた事がある。しかし、
実際にワルドが思い浮かべたのは、眠るように人が死ぬ場面であった。
あの時、握った手が温度を失い、冷たく重くなる感覚は、思い出すだけ
でも震えがくる。
急に怖くなって、ワルドはルイズの手をとった。温かい。冷たくない。
そこにある命を確かめるように、ワルドはじっと目を閉じる。
(……む)
瞼の裏に、甲板の光景がぼんやりと浮かび上がった。いつもの癖で、
使い魔と感覚を共有してしまったようだ。あるいは、見たくない現実、
不吉な可能性から逃げるために無自覚なまま行ったか。どちらにしても、
感傷を振り払う手助けになった事に苦笑する。空を映し出すグリフォン
の視界では、見覚えのあるフネがゆっくりと近づいていた。
「おい、ありゃあ『レキシントン』号じゃねぇのか?」
水夫の一人が発した声に、クロコダイルはふとそちらを向いた。雄大
なアルビオン大陸を背にして、大きな軍艦がこちらにゆるゆると近づき
つつある。向きの関係で片舷しか見えないが、側面に突き出した何十門
もの大砲は壮観だ。一斉射でどんな相手でも撃破できるだろう。
その『レキシントン』号から、四頭の竜が飛び立った。タバサの引き
連れているシルフィードとは違い、くすんだ紅色の鱗で体を覆っている。
青い鱗のシルフィードは風竜、では、赤は火竜か。
「船長はいるか!」
一頭が甲板に降り立ち、鎧兜を着た竜騎士が船長を呼びつける。残る
三頭のうち二頭は空賊船の検分に向かった。最後の一頭が上空を旋回し、
いざ事あればすぐさま対応できるよう警戒している。
竜騎士はへつらう船長と二言三言交わすと、今度はクロコダイルへと
歩み寄った。フルフェイスの兜の中に、鋭い瞳の光が垣間見える。
「空賊共と戦ったのは、お前か」
「行きがかり上だ。アルビオンに着く前に空賊に殺されるなんて冗談じゃねェ」
グリフォンの背から降りると、クロコダイルはそう嘯いて不敵な笑み
を浮かべた。相手に侮られず、かといって強く警戒もされないように、
匙加減を調節した態度。思い通りに事を運ぶには、こうして使いやすい
駒を選び、それに適した対応をしてみせなければならない。
竜騎士はクロコダイルの内心に気づいた様子もなく、兜の奥で小さく
笑った。味方だとわかってすっかり安心している。
「違いない。まぁ、理由はどうあれ、このフネを守ったのだ。
ここ最近は空賊騒ぎが続いて、少なくない物資が奪われていてな。
それを討ち取ったとなれば、港で何かしらの報償が出るだろう」
「そいつは結構。働いた甲斐があるってもんだ」
思惑を隠して笑い合う二人。と、そこでグリフォンが身じろぎする。
次に気づいたのは竜騎士だ。グリフォンの嘴が向いた先を目で追ったか
と思いきや、途端に不機嫌になった。クロコダイルもまたそちらに目を
向け、甲板に出てくるワルドを見つける。
713:Mr.0の使い魔 第三十三話(3/5)
08/01/10 11:45:37 ghccOaP0
一瞬の沈黙。
最初に開いた竜騎士の口から、多分に嫌味を含んだ言葉が飛び出した。
「これはこれは、ワルド子爵ではないか。
クロムウェル閣下直々の御命令を受けたと聞いたが、こんなところで油を売っているとはね」
「その御命令故に、だ。彼と協力して任務を遂行した」
切り返すワルドは淡々としたものだ。やはり元々が部外者であるから、
組織内での風当たりも強く、すっかり慣れてしまったのだろう。
「まさか空賊退治などと言うまいな」
「説明するより、見た方が早い」
ワルドはグリフォンに向かって右手を挙げる。意図を理解した使い魔
が数歩後ろに下がり、体躯の影から覗くウェールズの亡骸。
それまで余裕綽々だった竜騎士が、あからさまに狼狽えた。
「なッ!?」
「これが僕の受けていた命令だ。ついては、至急閣下に連絡して頂きたい」
「……承った」
動揺をひた隠しに短く答え、竜騎士は愛竜の背に跨がる。二度、翼を
波打たせた竜は、逃げるように『レキシントン』号へと飛び去った。
「何も、仰らないのですね」
遠ざかる竜の見送りもそこそこに、ワルドはクロコダイルに向き直る。
抑揚のない声を聞いたクロコダイルの口が、三日月を描いた。
「少なくとも、今どうこうする気はない。利害はぶつからん筈だからな」
「利害、ですか」
「そうさ。クロムウェル閣下とやらの覚えめでたい子爵なら、口利きぐらいは簡単だろう?」
さも当然と言わんばかりのクロコダイルに、気を張っていたワルドの
方が面食らった。忠誠を誓うとまでは言わずとも、クロコダイルは一応
トリステイン側の人間である。加えて、裏切るに足るような理由もない。
そんな男が敵への紹介を要求するなど、ワルドの想像の枠の外だ。
「確かに面会ぐらいなら……まさか、首でも狙うのですか?」
「それこそまさか、だ。落ち目ならともかく、隆盛の貴族派を潰すのはもったいない」
「もったい、ない?」
妙な口ぶりに、ワルドは思わず聞き返した。クロコダイルの言い草は、
とても人間や組織に向けたものではない。金の浪費、食材の無駄遣いを
戒めるような。あるいは道具、それも消耗品の類いを効率的に使え、と
言っているようだ。
クロコダイルはそれ以上この話を続けようとはせず、別の問いかけを
ワルドに向けた。
714:Mr.0の使い魔 第三十三話(4/5)
08/01/10 11:47:45 ghccOaP0
「それより、子爵。ルイズはいいのか?」
「【遍在】を一人残して来ましたから、何かあればすぐわかります。
今は容態も落ち着いていますし、安静にしていれば大丈夫とは思いますが」
「そうか。なら、いいさ」
満足げに頷くクロコダイルを、ワルドは冷たい目で見つめる。現状は
可もなく不可もなく。少なくとも、トリステインへ、ルイズへと裏切り
行為が発覚する可能性は減った。不本意だが、ルイズが眠っている事が
ワルドにとって幸いしている。
今のうちに、クロコダイルの真意を見定めなければならない。相手の
計画や行動原理を知らなければ、戦場では容易く足下を掬われるのだ。
ワルドから見て、クロコダイルは頼もしい味方ではなく、狡賢く難解な
敵であった。
王都トリスタニア。
間もなく正午を回ろうかというこの時間、表通りであるブルドンネ街
は活気に満ち溢れている。しかしながら、一つ路地を入った別の通り、
チクトンネ街に人気は皆無だ。このチクトンネ街はいわゆる“夜の顔”で
あり、昼間に人がいないのは当然と言えば当然なのだが。
その数少ない人の中に一人、眠たげにあくびをする美女がいた。長い
髪をそよ風に揺らすのは、ロングビルその人。
「くぁ……久しぶりの徹夜は、少しツラいねぇ。考えたくないけど」
ロングビルはクロコダイルの指示通り情報を集めるため、前の職場に
顔を出したのである。改めて着た下着じみた給仕衣装は非常に羞恥心を
煽ったものの、仕事のためだと割り切った。色仕掛けに便利だとは言え、
以前はよく平然と着ていたと思う。あの格好でオスマンに尻を揉まれた
時、爆発しなかった過去の自分を褒めてやりたい。
その後秘書に転職した結果が日々のセクハラ三昧、さらには大悪党に
従えられる現在に繋がっていると考えると、全力ではり倒して御破算と
していた方がマシだったかもしれないが。
これ以上思い出を穿り返すとネガティブな方向へ突っ走りそうなので、
ロングビルは軽く頭を振る。気持ちを切り替え、集めた情報を整理する
事にした。身分の貴賤を問わず、酔っ払い客数十人から聞き出した情報
を、順序立てて並べ替え組み立てる。
715:Mr.0の使い魔 第三十三話(5/5)
08/01/10 11:48:54 ghccOaP0
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。二十六年前、地方領主
の一人息子として生まれ、両親の愛を受けて育つ。快活な少年時代。
約十五年前、元々持病を患っていた母親が他界。その後半年ほどは、
ひどく塞ぎ込んで別人のように陰鬱だったと言う。
母の死から半年後、隣であるラ・ヴァリエール領内で開かれた園遊会
にて、公爵の娘達と交友関係を持つ。これをきっかけに、以前の活力を
取り戻した。特に仲が良かったのが、ルイズの一つ上の姉、カトレアだ。
その後は積極的に魔法を学ぶようになり、加えて魔法以外の分野にも
広く興味を持ち、貪欲に知識を吸収した。この時期に屋敷で働いていた
というある衛士は、真夜中になっても灯の消えない部屋を見て感心した
そうだ。
十二年前、十四の時にトリステイン魔法学院に入学。この頃には、既
に優秀な風のトライアングルメイジとして噂が広まっていた。なおかつ
勉学一筋という訳ではなく、他の生徒と良好な交友関係を築いている。
ちなみに、当時からモテたそうだが、全ての求愛を即座に断ったとの事。
それで『閃光』のあだ名がついたと、同級生らしい貴族の青年が苦笑を
交えて語ってくれた。
十年前、父である子爵がランスの戦で戦死し、爵位と領地を相続する。
魔法学院三年生だったワルドは学院を中退して仕官、魔法衛士隊に配属
された。魔法学院で契約した使い魔であるグリフォンを伴っていたため、
グリフォン隊の見習いとして職務に励む。それと前後して、懇意だった
ヴァリエール家との交流が疎遠になり始めた。
その後は訓練と任務を繰り返す中で功績を重ね順調に昇進、三年前に
副隊長のポストを得る。また魔法の実力も成長し、トライアングルから
スクウェアへと昇格した。
一年前、前任のグリフォン隊隊長が加齢を理由に軍を退職、引き継ぐ
形でワルドが同隊隊長に任命されている。以後、それほど目立つ活躍は
ないが、政情不安定なアルビオンを探っているらしい。
「―酒飲み話じゃあこれが限界かね。
それにしても……よりにもよって、アルビオンか」
眩しい陽光に手をかざしつつ、空を見上げるロングビル。少しの間、
彼女は雲の彼方を見つめていた。
...TO BE CONTINUED
716:Mr.0の使い魔
08/01/10 11:49:41 ghccOaP0
以上、第三十三話トゥーカ終了です。
717:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:51:37 pMBlprmX
読み耽ってて支援し忘れてたすまん
GJ!
しかしまったく展開が読めない
718:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:12:14 +icGyz/+
仮に、テファに危険が及ぶようになったときにマチルダがどう動くのか
しかしゾクゾクするなGJ
719:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:45:31 HtKkplis
ミデアで突撃
720:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:47:59 awUtM+P+
ダンバインのSS書こうかと思ったけど、死ぬほどガイシュツっぽいな
721:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:49:20 HtKkplis
既出でも良いから書けよ。
722:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:07:20 fdsyTe9R
みな待っているぞ
723:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:43:44 5q/irt34
アムドって言う言葉聞いてアムドライバー思い出した
724:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:56:10 uwLowpcb
>アムドライバー
これが若さか……(27歳)
725:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:11:40 6XTvaIEx
若いって…イイよな…<同じく27歳
726:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:16:09 VX4OBP5M
どっちもわからない22歳
ドラクエ漫画はロト紋だろ常考
727:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:20:50 txEVEsf0
どっちもわかる21
DQはダイ大以外ないだろJK
728:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:24:46 t3+5rsSk
え?ドラクエ漫画といえば4コママンガ劇場でしょ?
としかいえない33歳足骨折療養中男
729:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:25:22 6XTvaIEx
ブラックシーザー格好良いよねブラックシーザー。
ダイ大もロト紋もどっちも肯定する蝙蝠っす。
730:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:31:49 BmSB6zLr
モンスターズ+を忘れたらだめだろ
731:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:38:47 +icGyz/+
>>730
だって打ち切られたジャン……
今からでも続きかいてくれねーかなー
732:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:58:23 mYl128sP
>>730
しかしモンスターズに出てきた2の王子ロランだったかな?ゼロ魔世界の価値観の全く逆
を行く人物だよな~ 全く魔法が使えないがその身体能力のみで破壊神を破壊した男って
呼ばれてたからなあ、召喚されたら面白いかもしれない。
733:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:11:42 DNTirXIR
突如、真・女神転生IIIの主人公にして、DDSアバタールチューナーの隠しボスたる
人修羅を召喚しようとして、既にされてて愕然。
内容が恐ろしく被ってそうですが、投下しても構いませんねッ!
734:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:14:51 uwLowpcb
支援しつつカモン~
735:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:14:52 Gzv0JL6S
>>733
召喚したくて小説版を買ってあの言い回し再現出来なくて頭痛めてる俺が支援する
736:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:19:24 +icGyz/+
>>732
価値観は同じだろ
要はメイジ殺しのものすごいバージョンだと思えばいい
魔法も破壊の杖も使わずに30メイルのゴーレムを破壊して7万人をボコれば化け物だと思われるさ
支援
737:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:20:07 a4lxJXWd
ユベル召喚・・・・。
とりあえずタバサとルイズとガリア王(の心の闇)はぺろりと食べられそうです
738:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:24:13 Gzv0JL6S
サビてたら鋼の剣相当だろうデルフ一本でゴーレム文字通り八つ裂きにしそうだもんなロランは……
ともかく支援。
まだかな?
739:ゼロの魔人――0話
08/01/10 15:30:13 DNTirXIR
>>735俺も再現出来てないのです。勘弁ください。
元ネタは、真・女神転生IIIと、マニアクス。
小説版に、アバタールチューナー隠しボスのステータス。
それらの都合の良いとこどりで宜敷く。
ゼロの魔人―0話
ひとつの世界が死に、彼は産まれた。
数多の敵を鏖殺し。
全てのコトワリを否定し。
天上に耀くカグツチさえも打倒して
世界は、新たに生まれ変わる力を失った。
創世は成されなかったのだ。
辺りは、際限ない闇と混沌に満ち、
純然たる悪魔へと変貌をとげた少年は、
時間の概念さえ失われた其処に、独り佇んでいる。
彼は待っていた。
曖昧な悠久を享受し、それを待っていた。
そして、静かにその時は訪れる。
彼は、それが何であるかを知っている。
それが、主従の契りである事を知っている。
それが、次なる創世の始まりである事を知っている。
躊躇う事なく、咫尺に揺蕩う銀の水面へ体を沈め、
久しく発する事の無かった言葉を紡ぐ。
僕の名は―
740:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:34:19 DNTirXIR
ゼロの魔人―1話
少女は、爆風に乱れ、焦げてしまった、
桃色の艶やかなブロンドを気に留めるでもなく。
振り下ろした杖が消し炭と化し、
爆裂四散した事に気を病むでもなく。
爆発の衝撃で煤に塗れ、割れてしまった綺麗な爪の痛み、
ボロボロの衣服に気が立つでもなく。
まして、幾人かの親しくも無い学友が、
先の爆発に巻き込まれ昏倒している事に気が差すでもなく。
唯、目前に広がる結果に嬉嬉と、不安をない交ぜした様な、
何とも形容しがたい感情に囚われ、戦慄いていた。
今日は、トリステイン魔法学院に於ける春の使い魔召喚の儀式その日であり、
今後の魔法使いとしての属性を固定。専門課程への移行。
更には、二年への進級試験も兼ねる重要な役割を担うものである。
例年通り執り行われたそれは、稀に見る優秀な成果を呈し。
一抹の心配事を内包するも、つつがなく儀式は進行していった。
そして、此度の担当教員、額の後退も著しい中年の男コルベールは、
召喚儀式最後となる生徒の名を呼び上げる。
「ではミス・ヴァリエール、前へ」
「はいッ!」
呼ばれて少女は、桃色のブロンドを揺らし、その鳶色の瞳を決意の炎に燃やして、
意気揚々と広場の中央に踊り出た。
そして、同時に蔑みと嘲笑が巻き起こる。
しかし少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、
外野の物言いを燃料に殊更燃え上がり、朗々と召喚の呪文を詠唱した。
“ゼロのルイズ”
つまりは、魔法成功率ゼロの蔑称。
コルベールは喧騒を諌めながら、それを見守っている。
(見てなさいッ! アンタ達なんかとは次元の違うッ!
神聖でッ! 気高くッ! 美しいッ!
ハルケギニア史上最強にしてッ!
至高の使い魔を喚んでやるんだからッ!)
唱え上げる呪文に、あらんかぎりの願望と欲望を練り込め、
掛け声と共に力の限り杖を振り下ろす。
741:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:36:21 Gzv0JL6S
支援
つい書きながらかと疑った
スマン
742:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:36:48 DNTirXIR
―ルイズは正気を取り戻した。
失敗かと思われた禍禍しく、青黒い放電を纏った大爆発は漸く静まり、
突き出していた、脈打ち疼く指先を意識せず庇いながら、面前に佇むそれを値踏みする。
(成功……した? なにこいつ? 平民?
あの身体中の斑紋様はなに? なんで上半身裸なわけ?
何処の辺境から来た部族よ?
えっ? 首の後ろ……ツノ?
えっ? オーク? 亞人なの?
こんな幻獣や魔獣、見た事も聞いた事も……あぁーもぉーッ!!)
「アンタなんなのッ?!」
言葉尻もぶっきらぼうに、沸き立つ怒りを、己が目睫の先に立ち尽くすそれへぶつけた。
一見すれば青年の様であるそれは、その肢体を覆い尽くす呪咀的なラインの刺青。
首の後ろから飛び出る黒く不気味な、鋭い突起物。
そして全体から滲み出る妖婉な雰囲気が、正体の判別を更に難航させる。
ルイズは、何も応えないそれにやきもきしながら、次いで言葉を投げつけようとして阻まれた。
「僕の名は人修羅……魔人、人修羅」
「ッア……なんだ、ちゃんと喋れるんじゃない。“ヒトシュラ?”って、変な名前。
アンタ魔人なの? 通りで見た事も聞いた事も無いはずだ……わ?」
油断していたのだろう。
地を丸出しに、自然と受け答えながらルイズ。
月まで吹き飛びそうな意識の手綱を引き絞り、
今し方聞いた言葉の意味を、自慢の頭脳総動員で以て咀嚼する。
(良かったぁ、平民じゃ無いのね。
ヒトシュラって、なんかダサいけど、この際まぁ良いわ。平民じゃ無いんだし。
ところで平民じゃ無かったらなんなの?
……そう魔人よ。コイツが自分で、そう云ったじゃないッ!
じゃあ魔人ってなに?
そのくらい知ってるわ。神話や伝承に登場する神にも近しき存在よッ!
じゃあ、この目の前に居るコイツはなに?
そんなの決まってるわッ! 私が呼び出した神にも近しき使い魔よッ!
嘘……でしょ?……)
「ミスタ・コルベ―」
ルイズは、己の許容量を容易く崩壊させる事態に助力を求めるべく、
教員の名を呼びかけて、周囲の異変に気付いた。
突如として現れた伝説的存在に、羨望と疑惑入り乱れる喧騒の最中、
魔人を中心として、一触即発の空気が立ちこめているのだ。
実力上位の生徒は然る事ながら、コルベールに至っては、日頃の温厚な表情を忘れる程に、
険しい表情で顔をしかめ、今にも飛び掛からんばかりである。
ルイズは唐突に理解した。
己の喚びだした魔人を御せなかった後、訪れるであろう惨劇を。
魔人と云う強大で未知な存在に、気後れてる場合では無い事を。
743:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:38:24 DNTirXIR
(チョチョチョ……チョット皆、私の使い魔をどうする気よッ!
だッ……大丈夫よルイズ。自分で喚びだしたんじゃないッ!
きっと上手くいく。神にも近しき存在がなによッ!
カカカ軽く、傅かせてみせるんだからッ!)
「ちょっとアンタッ!」
一際大きな声を上げ、魔人との距離を一気に詰め寄ると、
視界の隅で狼狽する、頭髪寒々しい教員の事は歯牙にもかけず、言葉を続ける。
「アンタは私が喚びだした使い魔なんだからッ! 早く私の前に跪きなさいッ!」
一部の生徒とコルベールは凍り付いていた。
触れてはならぬ逆鱗に、剰えド級の破壊魔法を打ち込んだのだ。
天に御座す神も許してはくれまい。魔人ならば尚更の事だろう。
しかし、皆々の不安は良い意味で裏切られ、一同は愕然とした。
魔人が跪いたのだ。
その赤く揺らめく漆黒の瞳からは、憤り、憂い、共に無い事が窺い知れる。
ルイズは気を落ち着かせると、徐に予備の杖を抜き出し、召喚時と同様の調子で、契約の呪文を詠じた。
(マッ……魔人に初めてのキスを捧げるなんて、
なんだか凄い悪い事してるみたい)
胸中の検討違いな考えとは裏腹に、主従を契る口付けも滞り無く終り、
魔人の左手には、契約の証し足るルーンが刻まれる。
「終りました」
水を打った様に静まり返った広場に、儀式終了の言葉が響く。
唖然としつつも顛末を認め、いち早く我に返ったコルベールは、
しどろもどろにルーンを確認した。
「ふむ……こッ……これは珍しいルーンですね。その刺青も……あぁーいゃ失礼ッ!
さッ……さぁ皆さん、儀式は終了です。速やかに教室へ―」
責任者である職務を全うするコルベールの声を受け流し、
ルイズは再び、使い魔に目を向けようとする。
しかし、己が全身から、赤い光の粒を噴き出している事に気付き、
手足を見やり、それを観察した。
「なに……これ?……」
徐々に収束されたそれは、魔人の佇む其処へ光の川となり流れ、
少女の視界は突如、暗転する。
朦朧とする意識の中で凛とした声を聞きながら。
「僕の名は魔人、人修羅……今後とも宜敷く……ルイズ」
744:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:39:36 DNTirXIR
短くて済みませぬが、取り敢えず此処までです。
745:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:42:22 x48Wbbed
乙!
マガツヒ?ルイズのマガツヒを食った?
ノクターンの頃はあんなにもヒヨワンカーだったのにアバタールの人修羅様は
強くなられましたなぁ……あ~、久々にマニアクスを引っ張り出してプレイしたくなった。
746:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:44:08 Gzv0JL6S
乙
……激情家のルイズからなら少々多めに吸っても問題無さそうだな
747:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:00:41 iFD1pyp/
メガテン系列は大好物だよ GJ
748:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:14:10 PRq6lPCc
投下します
フーケのパートに入ります
749:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:14:38 PRq6lPCc
朝霧に包まれる学院
ダンテは眠るシエスタを医務室のベッドに運び、厨房へと向かった。
「うおおおぅっ!!!・・・アンタは恩人だ!俺たち平民の救世主だっ!!」
「ハッ 大げさだな。それより腹減ってんだ。ピザと例のアレ、頼むわ。」
しがみ付いて号泣するマルトーを振り払い、
朝食と昨日頼んでおいたモノを要求するダンテ。
「おう!バッチリできてるぜ!!これがマルトー特製のストロベリーサンデーだっ!!!」
それはイチゴの食材がふんだんに使われた、食べ物にも見えなくも無い"何か"だった。
「(・・・食えんのかコレ?)」
「ガァッハッハ!さあ遠慮すんな! さあ!」
「・・・マルトーさんよ。」
「まだまだ大量に作ってあるからな!好きなだけ取って食え!!」
「レシピを渡すから、今度は俺の知ってるストロベリーサンデーを出してくれ・・・。」
マルトーの厚意を無碍に断る事もできず、空腹という事もあって、
鍋一杯のストロベリーサンデーと呼ばれるモノを全部平らげてから、主人の待つ部屋へと戻った。
「気持ち悪い・・・やっぱ全部は止めときゃよかった・・・。」
「(オトコだね相棒は・・・)」
部屋に入るとルイズが凄い格好で寝ていた。
昨日の制服のままで、今にもベッドからズリ落ちそうだ。
よく見ると擦り傷が所々できている。
「何かあったのか・・・」
まあどうせキュルケ達と喧嘩でもしたのだろう。
そう納得すると、ルイズの着ている制服と下着を全部引っ剥がして、簡単な手当てを施す。
幼児体型には大して欲情しない。
それから汚れた衣類を集めて洗濯へと向かった。
自らの出生の事情もあって、子供の頃は人里から離れた山小屋で暮らす事も少なくなかったダンテ。
手洗いの洗濯も慣れたものであった。
「釜の薪割りは、いっつもアイツと取り合いの喧嘩だったな・・・。」
そんな幼い頃の思い出に耽っていると、誰かが近づいてきた。
見覚えのある幸薄い頭髪。ここに来た初日で会った奴か。
「やあ、君はヴァリエールに召喚された使い魔・・・だったよね? 確か名前は・・」
「ダンテだ。トニーでも構わないぜ。」
「ああ、ダンテ。私はコルベールだ。ここの教師を務めている。」
「見りゃわかるさ。んで、コルベール先生は俺に何の用だい?」
「うん、朝食が済み次第、ヴァリエールと一緒に学院長の部屋に来て欲しいんだ。
君の主人から色々聞きたい事があってね。」
「アレと何か関係があるのか?」
750:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:15:43 PRq6lPCc
ダンテの指差した方角にある大きな塔には大きな穴が開いており、
周辺の壁も含めた瓦礫が散乱した穴だらけの地面が、惨劇を物語っていた。
「今朝ここに帰ってから、一番に目についてね。ウチの御主人様は一体何をやらかしたんだい?」
「昨日の晩に賊が入ったらしくてね。ヴァリエールがそれを目撃した・・・というか、
それと戦っていた者の一人だった、という事なんだ。」
はじめは、ギーシュが巨大なゴーレムを対峙していたのを、
シルフィードでモット伯の屋敷から戻った、ルイズ、キュルケ、タバサの3人がそれに加わったという話だ。
「私は昨夜の当直では無かったからね。詳しい話を彼女達から聞き出さないと。」
「やれやれ・・・次から次へと面倒事が続くな。」
涼しげな風が学院に吹き渡る
使い魔が洗濯を終え、部屋に戻ると、そこには顔を真っ赤にさせた主人が、仁王立ちで佇んでいた。
ルイズが目を覚ますと、部屋の壁には見慣れた赤いコートが、ボロボロの姿で掛けられていた。
気づけば、自分の体は丁寧に拭かれており、昨夜に出来た擦り傷や切り傷に血止めが施されている。
手当てしたのは、きっとコートの持ち主であろう。
そう思うと、心の内には己の使い魔に対する敬意と信頼が廻っていた。・・・までは良かったのだが
「し、しゅ、しゅ主人をあられも無い姿に晒した上に、ドアを開けっ放しにするとは、どういう了見かしらっ!!!」
服を着せてなかった
「ああ、悪い悪い。両手が塞がってたんで、閉めるの忘れてた」
「忘れてたじゃないわよ!!!どどどどう責任とってくれんのよ!!」
頭に血が昇り過ぎて、自分でも何を言ってるのがよくわかってないルイズを、
自分なりの解釈と見解を持ってなだめようとするダンテ。
「責任ね・・。じゃあ後10年経ってどこまで発育するか様子を見てから・・・」
「このっ・・!!バカァーーー!!!!」
寮内に少女の怒号と爆発音が響き渡った。
751:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:16:39 PRq6lPCc
ルイズは黒焦げになったダンテを見下ろすと、それを足蹴にしながら朝食会場へと足を運んだ。
ダンテはそれを見届けると、颯爽と立ち上がり焦げ付いた身体を両手で払う。
防御も回避も十分間に合った筈だが、ルイズの機嫌をこれ以上損ねる訳にもいかず、甘んじて直撃を受けたのだった。
「それにしても相当タフだねアンタも」
あの爆発を受けながら、平然と立ち上がるダンテに、思わず言葉を漏らすデルフ。
屋敷で受けたダメージも、致命傷が幾つかあった筈なのに、その傷もいつの間にか無くなっていた。
「タフじゃなきゃ人生楽しめないさ」
学生達で賑わう朝食会場
そこでのルイズは、いつにも増して不機嫌な表情で、食事についていた。
「空いてるかしら?」
キュルケが右隣のイスへ腰掛ける。その向かいの席では、タバサが既に目の前の料理にかぶりついていた。
「今朝は粗末なモノを晒してたわよね」
「うううううるさいわねっ!!アッチで食べなさいよ!!」
今朝、ルイズの部屋の前を最初に通り掛かったのがキュルケでなければ、今日の朝食会場ではルイズの話題で持ちきりだったであろう。
キュルケはルイズと目を合わせると、「フッ」と嘲笑の笑顔で、開きっ放しだったドアを、そっと静かに閉めたのであった。
そんな彼女のさり気無い気遣いが、ルイズのイライラを更に助長させる原因となっていた。
鬼の形相で睨み付けるルイズに、キュルケは言葉を続ける。
「ダーリンも可哀想よねえ・・・こんな華も色気も無い主人の身体を弄らないといけないなんて」
「死にたいんなら早くそう言いなさいよ。・・・今楽にしてあげるから」
2人は右手の得物をスプーンから杖に持ち帰る。
一種即発の状況だったその時、向かいのタバサが呟く様に言葉を発する。
「ギーシュは重体。今日は来れない」
それから一転して、話題は昨夜の出来事で持ちきりになる。
「それにしても、・・・とんでもない相手だったわよね」
「あんなゴーレム、今まで見たことも聞いたことも無いわよ!」
魔法学院本塔の宝物庫を荒らしていたであろう盗賊、"土くれのフーケ"が作り出したゴーレムは、ルイズ達の想像を絶するモノであった。
噂に違わぬ巨体を誇るゴーレムの頭上には、おびただしい数の蝙蝠が飛び回り、その腕から繰り出される拳は雷を帯びていた。
その電撃を受けた青銅のワルキューレにうっかり触ってしまったギーシュは、見事に感電してしまい、医務室へと運ばれたのだった。
雷が荒れ狂う空模様の中で、タバサはシルフィードを飛ばす訳にもいかず、
ルイズ達はフーケが学院から遠のくその姿を、後ろでただ見る事しかできなかった。
「やっぱりアレって・・・」
「破壊の杖の力」
フーケの二つ名は"土くれ"
土系統の錬金を得意とするフーケが、風系統の、それもスクウェアクラスをも上回る程の雷を操っていたのである。
それは盗み出した破壊の杖を使用していたからに違いない。意見の一致した3人はそう結論付けた。
「とにかく、学院長には早く説明しておかないとね」
「でも・・・説明したところで、ウチの教師達や王宮の衛士が、あのゴーレムの相手を務められるのかしら?」
「「「・・・。」」(ムシャムシャ)」
「ま、まあ ダーリンがいるじゃない。何とかしてくれるわよっ」
「そ、そうよねっ 凄いんだから私の使い魔は!」
乾いた笑いがこだまする
752:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:17:15 PRq6lPCc
一方、シエスタの様子を見に医務室へと足を運んだダンテ。
そこに彼女の姿は無く、金髪の縦巻きロールを後ろに束ねた女子生徒が、一人ベッドの前で座っていた。
「あなたは・・・」
「よう、どこかで会ったか?」
女子生徒に面識は無かったが、その隣のベッドに横たわっていた男は見覚えがあった。
ああ、シエスタをここに運んだ時、こんなのが隣に居たような。
全身を包帯でぐるぐる巻きにされて、誰だか判別できない状態だったが、
その隙間から伺える、安らか、というか間抜けな表情。
「ギーシュ。・・・だったか?確か俺と遊んでくれた奴だよな?」
「え? 遊・・? えっ、ええ、そうでしたわねっ」
今朝方、コルベールが話した通り、ギーシュは盗賊のゴーレムと戦って、この有り様になったらしい。
何でも、傍らにいた自分を守るために必死で立ち向かったそうだ。
「私が安全な所に避難するまで、・・・本当に勇敢でしたの。」
「へえ、中々ガッツあるじゃねえか。気に入ったぜ」
顔を赤らめながらモンモランシーが説明すると、ダンテはそう言って、ギーシュに敬意を表した。
「ところでよ、コイツの隣でメイドが寝てたと思うんだが、見なかったか?」
「ああ、彼女なら私とすれ違いで、ここを出てきましたけども」
「そうか」
モンモランシーがギーシュの治療へここに来たのが朝食を終えてすぐ。医務室を出たのは、ついさっきだ。
怪我も負ってはいなかったし、マルトーから今日は休みを言い渡されているはずだから、もう大丈夫だろう。
「そろそろか・・・」
ダンテはコルベールの言っていた事を思い出し、学院長の待つ部屋へと目指す。
「んじゃ、邪魔したぜ。コイツが起きたら伝えといてくれ、仇は取っておいてやるよ。
それから、また遊ぼうぜってな。」
ダンテはモンモランシーに早口でそう捲くし立てると、医務室を後にした
753:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:18:11 PRq6lPCc
遡ること先日の夜
「チッ、 やっぱ正面からは無理か。」
"破壊の杖"奪取を目的とする土くれのフーケは、魔法学院本塔の宝物庫前で立ち往生していた。
扉に掛けられた固定化の魔法、この部屋の壁を打ち破るには、物理衝撃による破壊の他無いと、調べはついている。
しかし、その対策として塗り込められた分厚い壁は、フーケのゴーレムを持ってしても、簡単に打ち破れるものではなかった。
「イチかバチか、・・・やってみるしかないようね。」
多少、騒ぎになるだろうが、オスマンは先日から外泊中、あの得体の知れない使い魔も居ない。
今このときがチャンスであった。
フーケがそう判断してから、塔の外へ回り込もうとした瞬間、宝物庫の扉が突然開きはじめた。
「バカな・・!一体誰が!?」
暗闇の広がる宝物庫の奥から人影が見える。
全身が土気色の裸婦が赤毛の長髪をなびかせながら、こちらに近づいてきた。
「フフフフフ・・・」
妖しい雰囲気を漂わせながら獣の様な鋭い眼差しで、こちらを見つめる裸婦に対して、フーケは指1本動かす事ができなくなっていた。
心臓を鷲掴みにされている様な、今まで感じたことの無い恐怖と緊張感に包まれる。
そんなフーケに、裸婦の唇が耳元に近づき、この世の者では無い様な声で囁いた。
「アナタ・・・、面白そうな力を持ってるじゃない。ホラ、私も起きたばかりだし、・・・目覚めの運動に付き合ってみない?」
その言葉を聞いたのを最後に、フーケの意識は深い闇へと沈んでいった。
その翌日、
オスマンを含む多数の教師が、コルベールの調査を踏まえて、フーケの目撃者である3人の生徒達の話を聞いていた。
「それでは、あの塔に開いた大きな穴は内側から開けられた、と?」
「はい、それも雷の力を使って。恐らく破壊の杖かと・・・」
「ふむ、破壊の杖か・・・」
「それと・・・宝物庫の中でこんな物が・・・」
コルベールが差し出したのは、ロングビルの眼鏡。
754:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:18:56 PRq6lPCc
「ミス・ロングビルの身に一体何が!?」
「ひょっとしてフーケの姿を見てしまった為に・・・」
「いや、ひょっとしたら、ロングビルそのものが・・・」
今日一度も姿を見せてない彼女という事もあって、この場は騒然となっていた。
「事の真偽がハッキリしない今、いらぬ詮索は禁ずる」
目を大きく見開いたオスマンが、珍しく険しい顔つきでそう答えた。
「現場に彼女の身に付けていた装備品、少なくともミス・ロングビルは、
土くれのフーケの近くに居る、あるいは捕らえられている可能性がある。という事じゃ。」
"捕らえられている"という言葉に、コルベールをはじめ、教師と生徒達は凍りつく。
その日の当直だったシュヴルーズは今にも失神する寸前だった。
「それを踏まえてじゃ、これよりミス・ロングビルの救助を優先とした捜索隊を編成する。
じゃが、その先にはフーケとの衝突が待ち構えておると考えても良い。さあ、我こそはと思う者は杖を掲げよ。」
杖を掲げようと迷う者、目を背ける者と様々であったが、一貫して杖を上げる者は出てこなかった。
「何じゃ?誰もおらんのか・・・情けない。ミス・ロングビルの窮地を救う者はおらんというのか!」
「・・・私が」
その杖を掲げたのは目の前にいたコルベール
ロングビルに抱く淡い恋心、盗賊によって搾取されたという怒り、
そんな思いを廻らせている無意識の内に、杖を掲げてしまったようだ。
コルベールの真の実力や生い立ちを知らない教師達は、皆騒然となっている。
「院長が先に述べた通りに、先ずはミス・ロングビルの救助を最優先とします。
それで異論はありませんね?」
「うむ、まあ、それもいいかのう」
「私も志願します!」
次に杖を掲げたのはフーケ目撃者の一人で生徒のルイズ。
「ルイズ!一体何を考えているのです!あなたは生徒なのですよ!?」
「だって!誰も上げてないじゃないですかっ!!」
本当は一番に上げる筈だったのに、コルベールに出鼻を挫かれて、多少イラ立っている。
次にキュルケ
「しょうがないわねぇ・・・。ヴァリエールの尻拭いはお任せ下さい」
「なななな何ですって!!!!」
最後にタバサが
「上空での偵察、援護等でお役に立てます」
「いいのタバサ?あんな雷じゃ、シルフィードもそう長く飛ばせないわよ」
「心配」
心配するキュルケにそう答えるタバサ。まだ他に何か考えがあるようだ。
「私がこの眼鏡を頼りに、探知の魔法でミス・ロングビルを辿ります。」
「では、馬車を手配しよう。それで向かい、残りの3人は魔力を温存するのじゃ。」
755:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:19:46 PRq6lPCc
投下以上です
756:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:26:44 sYeCRoBL
インキンタマタマって感じだな
757:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:28:39 sYeCRoBL
うほ。誤爆スマソ
758:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:44:25 f+0gkTe9
GJ!!
コルベールがここで一緒に行くのって初めてかな
759:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:51:32 58xHGkXx
>>758
一応避難所の作品で一つあった。
他は……ちょっと覚えてないや。
760:やわらかいやつ
08/01/10 17:59:49 gpOC59aM
ぼー とみのさん見てたら2話が出来ていたので6時20分ほどに投下しても宜しいですか?
761:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:15:33 Dg2m0ALB
支援全員後退
762:やわらかるいず
08/01/10 18:21:03 gpOC59aM
こっそりと投下させて頂きます
763:やわらかるいず
08/01/10 18:21:35 gpOC59aM
やわらかるいず2話
ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン
ーーーーー途中経過略ーーーー
ギーシュが決闘を申し込んできた
「ちょっと!!なんであなたがギーシュと決闘なんかする事になったのよ!?」
「すみません、すみません 全部私のせいです」
「だいじょうぶですよ ルイズさん必ず勝ちます」
「あんた、武器すら持ってないのに何言ってんの?」
「だいじょうぶです!!新兵器があるんです!!」
「「新兵器~?」」
ーーーヴェストリ広場ーーーー
「逃げずに良く来たな」
「ふっふっふ・・・いつまで強がってられるかな?」
「何?」
「見よ!!この新兵器を!!」
新兵器 『香水キャノン』
モンモランシー特製香水のいっぱい詰まった瓶を装備したやわらか戦車の新武装
「な、ひ、卑怯だぞ!?割ったらこんどこそ殺される!!」
「兄者が言っていた 不倫は文化だって」
「く、来るなーーー!!」
「とりゃああーーーー」
「・・・・・・・・・・・」
「てりゃああ」
「・・・・・・・・・おい」
「とりゃあああ」
「だから・・・・・おい」
「とりゃあああ・・・・何でしょう?」
「お前、動いてないぞ」
「あれ?本当だ」
「香水瓶が重いんだな・・・・・よし、はずしたからこれで動けるぞ」
「ありがとうございます」
「いや、いいって事だよ」
「あはははは」
「あはははは」
「「あははははははは」」
「あほかぁーーーーーー!!」
ドカーーーーーン
「「たいきゃーーく」」
ズンズカズンズンチャン ~終われ~
「君の主人は本当に怖いな」
「でもいいところもあるんですよ」
「たとえば?」
「えーと、うーーん と えーと・・・・」
「この馬鹿せんしゃーーーー」
ドカーーーーーーン
ズンズカズンズンチャン ~今度こそ終われ~
764:やわらかるいず
08/01/10 18:22:25 gpOC59aM
投下終了 全速後退でたいきゃーーーく
765:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:23:26 +icGyz/+
なんか猫を盾にくくりつけてるイラストを思い出したw
766:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:23:26 hGfINoPt
ネヴァンか…
ベオウルフはどこに?
といいつつやわらか支援
767:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:37:53 Z2mBitqD
すごい和むなww
768:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:38:49 mMY6rjwX
知ってる人がほとんどいなさそうだけどThe Witcherからジェラルト・オブ・リヴィアを召喚
769:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 19:28:14 EJTS+xVa
DMC3>>もしや、ギターの素敵な色っぽい姉ちゃん?(何か違う)
ギターが杖って・・・・
ギター位あるでしょ
もしくは、ヴァイオリンかシタールか、それに類するもの
766さんと被りますけど、
確かに、孤狼は何処に・・・・?
あれだけの巨体と膂力なら、実体化した時点で街程度なら瞬滅出来るんじゃ
国は・・・・無理か
後、スタイルに無かったって事は、馬とも再戦の可能性?
770:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 19:44:23 bKjetJ+A
>>411
バルザなら、似た境遇をもつタバサの面倒も見そうだな。
守り人世界の呪術は、精神や霊的なものの扱いに長け、ゼロ魔の魔法は
物質的なものに影響を与えるって感じだから、タバサママを救う事もできるかも。
給仕を手伝うときにメイド服を着せられるバルザさん(30歳)を想像してしまった。
771:ゼロの魔人――設定
08/01/10 20:01:34 DNTirXIR
>>739-740 >>742-743
投下した後で元ネタの時間軸とか設定書くの忘れてた事に気が付いた。
申し訳ないです。
真・女神転生IIIノクターン、悪魔千年王国エンドその後の人修羅を召喚。
スペックはアバタールチューナー隠しボスの固定ステータスを使用です。
因みにスペック。
種族:魔人
名前:人修羅(ヒトシュラ)
HP18,000
相性:呪殺、破魔、物理、氷結、火炎
衝撃、電撃、封魔、神経、猛毒
混乱、魅了無効
スキル:地母の晩餐(敵全体万能属性攻撃)
召喚(仲魔を召喚)
ジャベリンレイン(敵全体物理攻撃+封魔)
ゼロスビート(敵全体物理攻撃+麻痺)
ヒートウェーブ(敵全体物理攻撃)
メディアラハン(味方全体HP完全回復)
攻撃する(敵単体物理攻撃)
772:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:06:27 HtKkplis
うわ…
そういうシェイラルドシルヴァランスは書かなくても良いと思うよ…
773:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:13:38 HtKkplis
ゲームの通りにやろうとすると
あちこちでおかしなことになるから、
あまり厳密にしないほうがいいかもね。
どれとは言わないけど。
774:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:17:01 pThhg1N/
>>764
こういう気軽に読めてしかも和むSSは読んでて落ち着くな
フーケ戦やワルド戦を読みてぇw
775:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:21:39 rMFpGrUu
あれ?この相性だと風系魔法は通用する?ザンは衝撃で風じゃないから、メガテン世界の相性だと
カバーできないのか。
776:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:24:50 8cZjvvbK
>>770
バルザじゃない!バルサだ!!
確かにバルサとタバサは境遇が似てるよな。
そして、仏教校の筈のうちの学校の図書館にクトゥルフがあった件について。
いくら仏様でも防ぎきれねーぞ!!
777:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:27:57 pMBlprmX
cv狂犬若本召喚
778:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:28:03 6XTvaIEx
>>775
あと地変系も通用する。
けどまあアバタール・チューナー通りだから別に問題ないけど。
779:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:36:56 rMFpGrUu
>>776
大日如来は宇宙そのもの。
つまり。大日如来=アザトースなんだよ!
780:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:38:53 +icGyz/+
仏像見たらSANチェックが必要だったような……(うろ覚え)
781:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:39:00 xY+G27Wx
>>779
な、なんだってー(AA略
782:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:40:29 P3P3L0dB
>>691
遅レスだが縛るものはなにも無いのだからさっさっと旅に出ればいいのにと思った
783:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:41:40 fm9EFXHQ
>776
バルサン?
784:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:41:55 eOhUGVsI
>>782
旅支度無しで旅に出ろ、とな?
785:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:43:13 h4AQSmMe
新参だが……この流れならば言える!
ペルソナ3の望月君を召喚させたいんだけど
786:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:44:02 8cZjvvbK
>>780
待て!今日は始業式で生徒職員全員が仏像を拝んだぞ!なんてこったい
787:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:45:29 nH/BXIol
するとニャルさまが観音菩薩あたりで、仏像に顔がなかったり?
788:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:46:51 3uaJMfXk
確か人修羅とダンテってマニアクスで共演したよな?
この二人って魔界経由で東京に帰れるんじゃない?
ってダンテはそこからまた自分の国に帰らなきゃいけないからきついなw
789:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:54:19 P3P3L0dB
>>784
原作でもわりと支度なしで移動していたし飛べるし、思っただけ。
>>788
サモンナイトのキャラや悪魔くんも召喚送還できるんだから自分自身も移動できるはずなんだよな。
790:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 20:57:38 eOhUGVsI
>>789
昔の送還術はともかく、現在の召喚術は召喚した本人だけだった気がする。
他人の召喚獣を送還できるのは、サモナ本編だとギアンと誓約者だけだぞ
791:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:01:39 rMFpGrUu
>>787
拡張されたクトゥルフ世界観だと、地球の神は全部クトゥルー神話的存在が不完全に伝承された姿だよ。
792:790
08/01/10 21:01:41 eOhUGVsI
×昔の送還術はともかく、現在の召喚術は召喚した本人だけだった気がする。
○昔の送還術はともかく、現在の送還術は召喚した本人だけだった気がする。
↑
こうやね…。
条件反射でレスしてもた
793:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:20:07 MmJPqVn9
>>789
サモンナイトに関しては>>790の言う通り、各世界間の移動は召喚師本人が召喚・送還を行っていて、
送還しようとしても召喚した人以外できないから、召喚師本人が死んだら召喚されたものが送還できなくなるんだ。
だから例えルイズに召喚されたのが召喚師でも、はぐれ召喚獣みたいな元の世界に帰りたいけど帰れない状況に陥るはず。
まぁゼロ魔の世界は「世界の名前」がハッキリしてるから、リィンバウム側の召喚師に「ハルケギニア」の名前と存在を伝えれば、
設定的に無色のサモナイト石あたりで逆にハルケギニアの物や生物をリィンバウムに召喚する事も一応可能かと。
あ、メルギトス級の別世界に侵攻かますような大悪魔とかは力さえ十分に保っていれば可能だろうけどね?
さて、ハサハたんが召喚された場合のSSを考える作業を再開するお!
794:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:24:52 eOhUGVsI
>>793
ルイズよりキュルケに召喚させてやってくださいお願いします。
2護衛獣は呼び出しても、ほか3体のどれかがリィンバウムにいけるから安心。
というか、使い魔やってる間は、コントラクト・サーヴァントが「誓約」と同じ扱いになるのかね?
だとしたら、他の召喚師に召喚されかけるとレジストか二重誓約にならんか?
795:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:26:01 lfHNeb12
>さて、ハサハたんが召喚された場合のSSを考える作業を再開するお!
むしろSSとして書いてよw
796:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:32:06 ovVtusTY
ハサハたんがハサウェイたんに見えた俺
797:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:34:02 pMBlprmX
なぜかバサラたんに見えた\(^o^)/
798:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:35:31 ovVtusTY
俺の歌を聞け~といいつつルイズ無視
そのまま放浪の旅にでるバサラという幻視を見た
799:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:35:50 h4AQSmMe
華麗にスルーされた俺カナシス
めげずに且つ空気を読まずに新作投下申請
ゼロの仮面~ナイト・アフター~
ペルソナ3の望月綾時を召喚
45分から投下開始おk?
800:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:36:52 xswvYNYH
ごゆるりと…
801:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:40:17 8cZjvvbK
>>798
ルイズはピンク髪
802:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:41:15 MmJPqVn9
>>794
一応俺の中ではリィンバウムのサモナイト石を媒介として要した送還可能な召喚式とハルケギニアの一方的な魔術式による召喚でまったく別扱いと言う認識。
個人的に主従の強制力としてはハルケギニア側のが強めな感じだな。リィンバウム側のだと見返りの能力アップとかは信頼関係による気力的なもんぐらいだし。
ついでに言うと今考えてるのは「メルギトス撃破後のマグ×ハサハッピーエンドから1年半後ぐらいのハサハ」。理由は天啓が降りたとしか・・・
>>795
もちろんある程度設定が固まったら文章化して投下していくさっ!。
今色々「このシーンはこうするべきか」とか「世界観の設定との噛み合わせが破綻しない程度でなるべくハサハたんを活躍させるには」とか色々考えてるんだ。
さて、ハサハたん特有の絶対領域をどう強調するかをまた考える仕事が始まるお!
803:ゼロの仮面~ナイト・アフター~
08/01/10 21:45:06 h4AQSmMe
それじゃあ一応、投下開始
ゼロの仮面~ナイト・アフター~ 一話
「君たちの命の暦は、まだ続いていく。
おめでとう。奇跡は……果たされた」
暗闇の下。けれど固い絆で結ばれた仲間達と一緒に。
そんな輝かしい場所で―『彼』が微笑んだ気がした。
パタン。と、扉の閉まる音で、少年は目を覚ました。
真っ先に浮かんだ疑問。ここは何処だろう。しかしその疑問は直ぐに消えた。
終わり無き上昇。交互に差し込む光と闇。小さなテーブルを挟んで向かい側に座る小さな老人と、その付き人。夢と現実、精神と物質の狭間に存在する場所。
―ベルベットルーム。
自分が居る場所を理解した所で、次なる疑問が浮かんだ。
何故、自分は此処に居る? 全ては終わった筈だった。『彼』の大いなる決意によって。
何故、自分はまだ存在している―?
問いを口にしようとした所で、少年の向かいに座る老人―ベルベットルームの主、イゴール―が、少年を制する様に口を開いた。
「お久しぶりですな。と言っても、貴方と直接お会いするのは、初めてにございますが」
「……あの」
「残念ながら、今は貴方の問いには答えられません。時間が無いのです。私は早急に、私の役目を果たさねば。私の役目とは即ち、貴方に助言を授ける事です」
「……」
「貴方がこれより向かう地に、暗い災厄の影が迫りつつあります。そしてその影を払う者として、貴方が選ばれた。
……私が申し上げられるのはこれだけでございます。では、これをお持ちなさい。またいずれ、お会いする事になりましょう」
イゴールが手を振ると、少年の手の中に小さな感触が生まれた。鍵、だ。
それを実感した瞬間に、急激に少年を睡魔が襲う。抵抗を許さない、絶対的な睡魔が。
少年は数多ある疑問を抱えながら、暗闇へと意識を手放した。
804:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:46:00 eOhUGVsI
>>802
俺は、「質は違うが互いに干渉」くらいで書いてる。
>メルギトス撃破後のマグ×ハサハッピーエンドから1年半後ぐらいのハサハ
それだと、「おねえちゃんのおよめさんになる」が出来ないっすよブラザー
そろそろ支援に入るべきか
805:ゼロの仮面~ナイト・アフター~
08/01/10 21:47:35 h4AQSmMe
その感覚に、真っ先に反応出来たのは唯の二人。
圧倒的な魔力。怖気が走る程の禍々しさ。
それに頬を撫でられる様な感覚に、青髪の少女―タバサは咄嗟に杖を構えていた。
しかしそれよりも早く杖を取り、しかし構える事の無かったのは、タバサを含めた子供達の教師である、ミスタ・コルベール。
彼の二人は―差はあれども―歴戦の猛者と呼んで相違無い。
つまり、春の召喚の儀式に、猛者足る彼等が恐怖する様なモノが呼び出される。そんな『異常』な事態に、『戦闘行動』として反応出来たのは、その二人以外には有り得なかった。
だが、その二人も直ぐに杖を持つ手を緩める。彼等が恐怖した魔力は、顕現した瞬間……否、刹那と呼ばれる時間の間に立ち消えていた。
気のせい? そんな筈は無い。彼等の研ぎ澄まされた感覚が捕らえた、強大な力。それ程の物を、捕らえ間違える筈があろうか。
二人の頭の中を、ほぼ同様の考えが駆け巡るが、事実として先程の気配は欠片程も無い。
ならばその『刹那』の間に、何があったのか?
杖を握る手に力を入れ直し、彼等は未だ渦巻く煙を注意深く見詰め続けた。
806:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:48:58 DD8OAJLW
紫煙
807:ゼロの仮面~ナイト・アフター~
08/01/10 21:49:15 h4AQSmMe
数秒後。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは歓喜の感情を落胆へと変貌させていた。
やった。ゼロの自分でも、出来た。成功した。そう確信していた。
だがその確信は、脆くも『異常』事態を前に崩れ去ってしまった。
ルイズの眼前。爆発の煙が消えた場所に立っているのは、一人の人間の少年。妙な格好をしているが、貴族には見えない。
貴族ではないイコール、平民。それ以外に考えられる要素は皆無であった。
確かに召喚には成功した。だがその結果はどうだ? 人間? それも平民。傍から見れば最高のネタだろうが、当人にしてみれば笑い話にもならない。
そんな事を考えている内に、辺りからは野次が飛び始めている。ほら見ろ。皆が笑っている。私を馬鹿にして。
これからも続くのだろう、同級生達からの嫌がらせの日々を思い、ルイズは拳を強く握り締めた。
「ミスタ・コルベール! やり直しを―」
「ミス・ヴァリエール、早く契約の儀式を。―早く」
頭の寂しい教師に異議を唱えるつもりだったルイズだが、今までに見た事もない迫力を出すコルベールに、思わず口を噤む。
厳しい目で自分と平民を見比べているコルベールは、どうやらやり直し等させてくれる気は毛頭無いらしい。
ルイズもそれを察し、 ぶつぶつと文句を垂れながらも、きょとんとした顔で辺りを見回している平民に向かって足を向けた。
「感謝しなさいよ。平民が貴族にこんな事されるなんて、ホントは一生ないんだからね。
―我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
少年の大きな瞳に、自分の姿が映る。妙に恥ずかしくなり、ルイズは目を瞑って少年と唇を重ねた。
「ッ!」
突然のキスに、少年が大きく身体を離す。
「何を――、痛ッ!?」
次に、左手に走った激痛に顔を顰める。
「少し、良いかな。―ふむ、珍しいルーンだ」
コルベールが少年の左手を取り、左手に刻まれた文字をスケッチする。
その間にも、彼の雰囲気がピリピリと張り詰めていたのに気付いたのは、手をされるがままに差し出している少年のみ。
「それでは皆さん、教室に戻りますよ。さあ、早く」
少年に一瞥を残し、コルベールは生徒達を空へと送り出す。
その光景に、少年は目を丸くした。これに気付いたのは、今度はルイズのみである。
だが直ぐに「平民だから魔法を見た事があんまり無いのだ」と、結論付けた。
「……あんた、名前は?」
「え?」
ルイズが低く呟き、少年が聞き返す。
「名前」
「……あ、ああ、うん。…………、……望月だよ。望月綾時」
「モチヅキリョージ? 変な名前。……まあ良いわ。あんた、今から私の使い魔だから。とりあえず付いて来なさい」
「……?」
思案は数秒。使い魔の少年―望月綾時は、うん。と、小さく自分に頷き、自分よりも幾分か小さな少女の背に付いて行った。
運命は静かに廻り始めた。……或いは、狂い始めた。
終わりを齎した少年が、終わりを防がんと、この地に降りた事によって。静かに、静かに。
時は待たない。すべてを等しく終わりへと運んでゆく。
限りある未来の輝きを、守らんとする者よ。
ゼロの仮面~ナイト・アフター~ 一話・了
一応これで。近い内に二話以降も
イゴールさんの台詞難しい
808:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:49:44 eOhUGVsI
割り込みになってもたごめん
809:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:52:37 0KAGi3NI
望月と聞いてフルネーム出るまで誰か分からんかった支援
810:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:53:42 h4AQSmMe
ぶっちゃけこのスレには「死人は召喚し易い」って暗黙の物が漂ってるよね
811:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:54:15 24nPIzWf
この描写だと、コルベールは危険性を承知しながらも、自分の生徒を
一人だけ得体の知れない存在の元に置き去りにしたみたいに見えるかも。
生徒は先に帰らせて、自分はルイズとともに使い魔に相対するほうが
より“らしい”かもしれませんね。
812:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:54:22 rMFpGrUu
GJ!
メガテン系が充実してるねぇ。実にいいことだ。
読み比べるのが楽しいなんて、こんな幸せなことは無い。
813:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:58:22 h4AQSmMe
>>811
確かに。ちょっとだけ修正しますわ
>>812
人修羅とかwktkせざるを得ないよね
814:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:59:35 eOhUGVsI
メガテン知らないのが厳しくなってきた今日この頃
815:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:01:25 HtKkplis
望月と言えば漫画版。
816:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:04:16 h4AQSmMe
>>814
アレは良い物だ……。けど人を選ぶ事は言っておく
>>815
単行本しか読んでない
817:ゼロの仮面~ナイト・アフター~
08/01/10 22:07:18 h4AQSmMe
「それでは皆さん、教室に戻りなさい。さあ、早く」
少年に一瞥を残し、コルベールは生徒達を空へと送り出す。
その光景に、少年は目を丸くした。これに気付いたのは、今度はルイズのみである。
だが直ぐに「平民だから魔法を見た事があんまり無いのだ」と、結論付けた。
「……あんた、名前は?」
「え?」
ルイズが低く呟き、少年が聞き返す。
「名前」
「……あ、ああ、うん。…………、……望月だよ。望月綾時」
「モチヅキリョージ? 変な名前。……まあ良いわ。あんた、今から私の使い魔だから。とりあえず付いて来なさい」
「……?」
思案は数秒。使い魔の少年―望月綾時は、うん。と、小さく自分に頷き、自分よりも幾分か小さな少女の背に続こうとし―、
「……、……」
空を飛んでゆく生徒達を見ながら―そう振る舞いながら―自分を警戒している、コルベールを振り返り、小さく微笑んだ。
その屈託の無い微笑に、コルベールの顔が驚嘆に染まるのを見、綾時はまたも笑う。
コルベールが如何にも半信半疑と言った風に、ぎこちない笑顔を返す。
「ちょっと、何してんのよ! 早く来なさい!」
「ああ、ごめんよ」
「あんた、口のきき方が―」
傍から見れば微笑ましげな少年少女のやり取りに、コルベールは顔を顰めた。
安心して。自分に微笑みかけた時の綾時の口が、そう言っていた。
意図は図りかねる。自分だけでは荷が勝ち過ぎるやもしれない。
そう考えながら、コルベールはルイズ達と同じ様に―距離を離し過ぎず―歩いて教室へ向かった。
修正。やっつけ感はあるが、致し方無い
818:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:07:32 MmJPqVn9
とりあえず二重契約は「元からハルケギニア側には召喚の系統が違う上に送還術が無いから」って理由で作中の当人達には多少困惑するけど、
結局は別物として特別大きな作用は無かった的な展開にしたいんだぜ……
あとメルギトス戦後の理由は「平和だから色々お勉強とか頑張って覚えたりした」方が何かと都合が良い&マグナのお嫁さんになる為に頑張るハサハは可愛いから。
マーラ様のお話ぐらいの長さでハッピーエンドでハサハを可愛く書いていきたいな。自己満足の塊ができそうな予感!
819:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:07:58 ovVtusTY
メガテンは真メガテン1~2とかの雰囲気がなくなって
オサレ系になってるのが悲しい
820:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:10:07 h4AQSmMe
>>818
小説なんて所詮誰もが自己満足さ!
誰かDDSアバタールチューナーのサーフ辺り召喚してくれないだろうかと、他力本願
821:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:13:31 62k2WIaC
追い付いた。
職人方GJ!
悪魔も泣き出す氏に突っ込みが入ったようだが・・・・・忘れてはいけない。
ベオは唯一、
死 亡 し て い る 事に
822:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:14:18 I9NnzZKz
「あんたバカァ?」
「な、何よ使い魔の癖に」
「この!」
互いに掴み合うアスカとルイズ
その横ではタバサがレイと見詰め合っている
「たぶん、三人目」
「いいね、召還したのはあなたが最初」
「そう」
「あなた誰」
「私はタバサ」
「タバサ・・・そうあなたタバサなのね」
そしてとんでもないものを呼び出してしまったワルド
「ワルド、槍を使え」
「な、レコンキスタの老人たちは黙って居ないぞ」
「所詮、祈祷書の予言通りにしか行動できない連中だ問題無い」
823:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:15:20 ouNjAEhk
>>819
時代が違うんだ
悲しいがあきらめろ
824:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:19:08 eOhUGVsI
キツネの子の召喚にはwktkがとまらない。
鬼願法師、鬼神将ガイエン、金剛鬼で暴れまくる子か
遠異・近異、ヒナ&シロトト、オニマルあたりの可愛い系で固めるか。
3以降の術も持たせてえらいことにするのか、とか
825:ゼロの夢幻竜
08/01/10 22:20:02 KYLcOh9c
皆さん今晩は。
早速ですが現在スレは830近くにまで達していますよね?
明日未明の投下になりそうなんですけど、新スレ待った方が良いですかね?
826:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:21:11 24nPIzWf
>>811 です。
ナイトアフターの方。自分の意見への素早い対応、眼を瞠りました。
確かに、修正された>>817の方が“らしい”し、お話に余韻があると思います。
くちはばった言い方だったかもしれませんが……GJです。
827:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:21:43 MmJPqVn9
>>824
( ´・ω・)
(´・ω・`)フーケ襲撃シーンにオオアカ切断虫でゴーレム真っ二つを考えていてサーセン……
828:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:27:51 KcYAG+OW
>>819
分かるよ。
鈴木大司教がいなくなってかららしさが無くなった。
829:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:30:12 7ToAwn2l
…あー、メガテンというと
デジタルデビルストーリーしか知らないや俺
830:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:31:23 eOhUGVsI
切断虫とかなんとマニアックなチョイス……
ぶっちゃけ日本刀落としと召雷とイズナ眼だけで、並の使い魔としては十分戦えるんだよね。
あれ……、日本刀装備サイトとかできるのか、この子
831:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:31:54 wIun8OM4
今から小ネタ投下してよかですか?
832:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:33:16 Z2mBitqD
>>825
夜にだいぶ投下されるから次スレのほうがいいと思う
実際に投下時のスレ具合によるけど
それとメガテンと言われて所さんの目がテン!しか出てこなかったw
あと支援
833:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:33:40 eOhUGVsI
支援~w~
834:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:34:12 n83ovpaG
パニゲルミニスを除けば最強ユニットだからな
ハサハは
もちろんボーナスは魔法攻撃力全振り一択だ
835:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:49:25 ACu1s30O
投下してもいい?
836:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:50:20 ouNjAEhk
どーぞ?
837:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:51:39 +icGyz/+
>>831が予約してるんじゃないか?
838:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:52:46 ACu1s30O
あれ?授業中にケータイに書いてたのが消えている。
すみません明日にします。
839:831
08/01/10 22:53:23 wIun8OM4
一回投下したら弾かれた
もっかい投下してみる
840:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:54:33 3kdN32Q6
>>838
授業は聞いとけよwww
841:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:54:47 +icGyz/+
831が投下して、835は取りやめでいいんだな支援
842:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:56:56 GTsmH7o6
>>838
Civ4廃人になって危うく大学を留年しかけた俺みたいな奴だけにはなるなよ厨房。
843:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:58:10 y4Yo9nWW
携帯で学生が書いたってだけでいっぱいフラグが
844:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:00:06 rfS2X5VP
メガテンというか、デジデビしか分からない。
中島君とか北君しか。
845:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:00:27 GTsmH7o6
>>843
スイーツ(笑)と言う訳だな
846:人付き合いのできる使い魔1
08/01/10 23:00:38 wIun8OM4
─教室吹っ飛ばして掃除中
「─だから『ゼロ』のルイズなのか…」
「フンッ! あんたまで『ゼロ』『ゼロ』ってわたしのことバカにするのね」
「聞いてたのか。怒るなよ、ルイズ。
君はオレの命の恩人で、頼りになる主人だと思っている。友人ともな。
それじゃ、いけないか?」
「…生まれてこの方、わたしの人生狂いっぱなしよ。
『フライ』はおろか、『レビテーション』ですら失敗ばかりだし、
それが、『あの』由緒あるヴァリエール公爵家の三女ってことで、他の連中にはバカにされるし…、
べ、べべ別にわたしはやっかみなんて気にしてないわよ!?
わたしは、少し他と違うだけで、原因を突き止めたら、
きっと、魔法が使えるようになるんだから!
…でも、その足がかりになるはずだった使い魔召喚でも、
あんたみたいな平民が召喚されちゃうし、もう、めちゃくちゃよ」
「焦ってんだ」
847:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:00:49 KMY3QzX/
エースコンバットのゴルドorウィザードorソーサラーorガルムorラーズグリーズ隊のクロスでも書くか?
アーマード・コア(AC)のクロスって出来ないものかな
848:人付き合いのできる使い魔2
08/01/10 23:02:51 wIun8OM4
「…なんですって?」
「オレと同じさ。
どうしたらいいか、何をしたらいいか、わからなくて、焦ってる。
状況の変化に対応できてない」
「なっ、なによ!
わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、
由緒あるヴァリエール公爵家の三女よ!!」
「名門貴族の子も人ってことだろ?」
「……ふ、ふんだ、なによ!
わかったような口きいちゃって!
…あぁもう!
さっさと片付けてご飯食べに行くわよ!! わたしも手伝うから!
か、勘違いしないでよね!
さっきからお腹ペコペコで、一刻も早く食べに行きたいだけなんだから!!」
「わかったよ。
早く一緒に食べに行こう、ご主人様」
「…フン」
スーパーロボット大戦Dの男主人公
ジョシュア=ラドクリフを召喚
849:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:05:16 Z2mBitqD
ギュネイと親友になった男かww
850:831
08/01/10 23:06:47 wIun8OM4
投下終了です、遅れてすみません
いっぺんに投下しようとしたら、弾かれたから二つにわけました
ジョシュアなら…ギュネイと親友になったジョシュアならルイズとも!
851:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:08:28 f+0gkTe9
乙
助手がいなくなったらラキが可哀想じゃないか
852:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:08:55 KMY3QzX/
>>850
行けそうだな・・・前から思ったが、使い魔の儀式って数関係ないの?
853:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:15:53 TW+T8HZU
使い魔が嫌がったり逃げたりというのはありますが、ルイズが個人的感情で契約をしなかった、という作品はあるんでしょうか?
進級がかかっているから諦めて契約するのが当たり前かもしれませんが……
854:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:18:26 iZf5hj49
白粉つけたダークエルフを召喚
とか書いても元ネタわからんのが多いか
855:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:18:46 eOhUGVsI
水野良がどうしたって?
856:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:21:38 sf23U4cE
>>853
小ネタだが、モテ王サーガの太蔵
マリコルヌに押し付けた
ちなみにその後召喚やり直してまともな使い魔呼びなおした
857:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:22:09 duOT43HI
>>854
まさにルイズと「口づけ」だな。
……スイフリーのことじゃないよな?w
858:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:23:54 g+hXo4C6
>>854
付け耳つけたルキアル並の頭脳をもった人間がどうしたって?
859:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:25:10 sf23U4cE
>>853
今ちょっと調べなおしてきたが、タイトルは使い魔ゼーロでWikiの小ネタ た行にある
860:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:31:10 aTEld1QN
メガテン系が増えて喜ばしいね。タカジョーくん来ないかな?
861:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:34:40 KcYAG+OW
メガテンというと偽典が真っ先に頭に思い浮かぶ。
・・・あの世界観はハードすぎてゼロ魔に合わないな。
862:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:41:01 7ToAwn2l
>>854
あぁ邪神の最高神官で竜を解体したマジックウエポンで
一つのエルフの集落を
完全に滅ぼし怨霊の巣窟にかえたアイツだろ
ルイズに呼ばれるよりジョゼフに呼ばれた方が話が膨らむと思うぞ
863:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:41:34 pidxHRQj
>>854
最後に愛は勝つが作者のスタンスなのに愛が惨敗しちゃったアレですか?
あれは主人公の神への愛が勝ったと考えればなんの問題も無いと思うんだ
…あと、書いてくれたら感涙ものだが避難所向きではなかろうか?
864:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:41:47 AVr/qXMh
真女神転生ifの宮本明が召還された話ってありそうだけど中々無いね。
865:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:45:23 wIun8OM4
>>852
助手はギーシュとの決闘すら回避しかねない
>>861
ヒロインのバラバラ死体のパーツを集めろだもんな
個人的にリメイクする価値あるほど面白いと思うが
866:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:45:34 n83ovpaG
>>864
夜話かどっかで見かけたキガス
867:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:47:21 JLXmoaMT
メガテンって言ったら主人公がパソコンで悪魔を呼び出して実は神様の生まれ変わりで
世界が滅茶苦茶になってヒロインが群集から石投げつけられて世界滅亡する奴だよな。
それ以外は紛い物なんだから今更真メガテンとかペルソナとか最近のペルソナは世界観
違うとか同でもいいような気がするぜ。
868:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:56:50 n83ovpaG
>>867
世界より愛する人が大事だ、みたいなセリフを言うやつは多いが
マジで実行して、本当に世界滅亡させたのはこいつくらいしか知らん
869:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:57:52 1qhEfa1A
デビルチルドレンしかやったことないわ
870:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:58:41 AVr/qXMh
あと、真女神転生ifのハザマも無いなぁ。
871:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 23:59:17 8hP7lZmm
AM文庫のやつを学校で読んでて、それを先生に見られたのはいい思い出だ。
カラーイラストで弓子のおっぱいだからなあw
872:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:03:20 r9KQLzOB
相変わらずIE使って書き込んでるネカフェ厨居るな。
873:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:03:39 ya+J53wy
>>822
タバサがレイと見詰め合っている というのが凄くシュールだw
874:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:17:38 DWHmdjjl
>>854
虚淵作品に皆笑顔のハッピーEDなんてありませんよね
875:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:18:36 DseGTjWN
>>850
乙
流石はツンデレキラーと呼ばれる男。
876:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:18:45 8WfRj8bx
時に、もうTCGのページは復帰しないんだろうか。
877:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:20:47 LqDXloux
>>869
漫画版は少年誌のベルセルクとまで言われたシロモノだ。
878:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:21:37 r9KQLzOB
>>870=>>873 お前、わざとやってんのか?スレ上げんな。
879:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:23:21 ya+J53wy
>>878
スイマセン
880:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:26:58 LqDXloux
強キャラ召喚ネタで、ルイズがマグダル、キュルケがデプレ召喚を考えたことはあるが、
ルイズは確実に双子の弟と言えどツェルプストーの使い魔になったら仲良くさせないウルトラビッチになりそうだw
両親が殺されたとか聞けば変わるかもしれんが。
881:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:27:36 rFcC+LWp
>>877
残酷描写が多かったが間違いなくアレはボンボンの漫画の中でも5本の指に入る名作
882:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:28:35 AQ9wAQ3w
ボンボンって少年誌か微妙な位置だよな
とりあえず王ドロボウと同じで空気読んでない漫画だった気がする
883:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:34:08 izAOx3Hm
ボンボンはやけにエグイのとエロイのがあったな
884:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:39:04 dN4YS0US
デビチルはジャリ向け雑誌とは思えない超展開でアニメとぜんぜん別物だったぜ
885:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:44:11 AZXf78Pq
いぬじに、片手吹っ飛ぶの当たり前だったからな
886:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:44:27 1QXcW6Wn
俺は愛読してたぜ、ボンボン
887:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:44:30 MmujKXTd
さっき有ったサモンナイトの話題ですまんけど
初代のパートナーはパートナーエンドでは送還術の応用で現代まで追っかけて来るぞ
>>850
ジョッシュだとイザベラやジョセフすら落としそうで……
やはりギュネイと戦闘のプロが親友なのは伊達じゃないな
888:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:55:09 ORKkAyEF
>>876
作った本人にしかわからない
889:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:55:30 wrTzzlKH
>>887
サモンナイト正史は、誓約者フラット残留ですかr
890:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:56:14 f0w7KEBs
メガテン増えて・・・
続き書かなくてもいいかな(´・ω・`)
891:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:57:03 1QXcW6Wn
>>890
俺としては、書いてほしい
892:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 00:57:28 OZC928bg
ボンボン・・・サイファー・・・
誰も知らんか
893:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 01:02:37 h+FTO+cF
>>890
言いたくは無いが、まだ増えているとは言えないかもしれんぞ
1話か2話だけで続きがこない話もよくあるし
894:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 01:06:52 2M46dXdg
書きたくないなら無理に書かなくてもいいんでないかい。
895:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 01:11:54 MmujKXTd
>>889
解ってはいるけどあのエンディングが結構好きだったのさ
因みに組み合わせは勇人とカシス
ところでナイト繋がりでみつめてナイトの主人公、東洋人召還とか……メタな三択が脳な(ry
ボンボンと言えばボンボン坂高校とかもですね
896:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 01:18:13 mhnw7qnz
>>895
>ボンボン坂高校
部長召喚か
ギーシュ貞操の危機か
897:オッツ・キイムの使い魔
08/01/11 01:22:25 QiJucP2r
あけましておめでとうございました。
100スレ目おめでとうございます。
投下してもよろしいでしょうか?
898:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 01:24:21 IyArfXtZ
支援
899:オッツ・キイムの使い魔 1/6
08/01/11 01:25:23 QiJucP2r
吟遊詩人は歌い伝える。
この大陸の伝説を――
時間と空間をさまよう世界。
うつろう時間を紡ぐ言葉。
言葉はやがて証となり、全ての時間と世界を繋ぐ。
××××××××××××××××××××××××××××××
がしゃんがしゃんと、窓に激しく何かがぶつかる音。
タバサは目を覚ました。
心地よく暖かい寝床の中で、まだ覚醒しきらない脳が、あといくらかの眠りを求める。
しかし音はますます大きくなるばかりだ。"サイレント"でもかけようかと思ったが、このまま窓を壊されたらシャレにならない。
仕方なく体を起こすと、窓の外いっぱいに青い姿が見えた。
昨日召喚したばかりの使い魔、風韻竜のシルフィードである。早く早くとせがむように、首の側面で窓を叩き続けている。
最高に嫌な予感がした。
窓を開けたら、ろくでもないものが入ってきそうな気がした。
しかしこのままというわけにもいかない。タバサはしぶしぶベッド脇にあった杖を手に取ると、"アンロック"のコモンを唱えた。
途端、シルフィードの首が窓から勢い良く侵入する。
口の先に、何かを咥えたままで。
「う…わぁっ!?」
床に投げ出された何か、黒髪の人間が叫ぶ。どうやら頭を打ったようだ。
頭をさすりながら、ええと、えーと、と戸惑っている様子だった。
「…お、おはよう」
その衣類はシルフィードに捕まっていたためか、引き上がり、捩れ、一部が大きく破け、とんでもないことになっている。
具体的に言うと、上半身の正面についている瑞々しい一対の膨らみの右側が、ばっちり丸見えになっていた。
「胸」
タバサに言われたその人物は、意味がわからずきょとんとする。
タバサの胸元を見て、違うと首を振られ、やっと自分の体に視線を落とす。それから、たっぷり5秒ほど硬直してから、「うわあああああん!?」と慌てて胸を隠した。俯いた耳は真っ赤である。
そんな乙女の騒ぎをよそに、シルフィードが今にも泣きそうな声をあげる。
「おねえさまおねえさまおねえさまぁ~! どうしよう、バレちゃったのね! きゅいきゅい!」
タバサは思った。ああやっぱりろくでもないトラブルが入ってきた、と。
シルフィードの言い訳はこうである。
朝、空の散歩を楽しんでいたら、ヴェストリの広場に模様のようなものを見つけた。
広場近くの屋根に降り立ち眺めたところ、それは広場いっぱいに土で描かれた人物画だった。
その大きさと上手さに驚く。
なにこれすごいの! だれが描いたのかしら! きゅいきゅい!
そう人間の言葉で大はしゃぎする。自分一匹しかいないはずの屋根の上で。
しかし背後で、あ、という驚いたような声が聞こえ、仰天して振り向くと――この少女がいたのだった。
「だってだって、屋根の上に人がいるなんて思わないのね!」
それがシルフィードの最後の言葉だった。
目立つことを嫌ったタバサに、説明後、さっさと部屋を追い出されたのだ。
以上が、今回の真実であり真相である。