08/01/09 23:41:58 GAGZ5QLz
話ぶったぎって悪いがこのスレ見てるとメタビー召還物とか書きたくなってきた
586:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:42:32 /f+KmjTw
>>582
たぶん原作どころかアニメさえ見ていないとか
しかしこれは酷い
587:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:42:35 uMIdx/JJ
マジレスするだけ無駄だろ
ネタとして楽しむくらいの気持ちで眺めておけ
588:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:44:37 uD8tIGlL
これ見てると、なんか小学生のとき書いた小説を思い出すんだよ
589:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:44:57 xLExXp+L
>>585
メタルビーストに見えてインベーダー召喚か?と思ってしまった
590:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:45:31 8gTeq6hj
流れを無視して、ブレイクエイジを誰か召喚してくれ。
wktkするから。
591:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:47:10 xLExXp+L
>>590
言い出しっぺの法そk(ry
592:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:47:40 UY3y8baf
>>590
YOUが書いちゃいなよ!
593:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:48:24 th7OX0tF
>>590
ディーター召喚の人は今も執筆を続けてくれていると信じている
594:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:20 uD8tIGlL
>>589
その後にゲッター登場と?
どう考えても人類滅亡フラグしか立たないんですがww
595:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:24 aXxKzFqr
>>586
ここまで来るとわざとだろ
596:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:53 9n0S6KUJ
今投下してもよろしいでしょうか?
597:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:52:41 8gTeq6hj
>>596
支援
>>591 >>592
頑張って書いてるんだよ!
でも書くの初めてだから終わんなくて誰かが書いてくれることを信じたいんだぜ!!
だから、一緒に書いてくれw
オマエとなら、戦える!
>>593
ディーターがクロマクになって本編に中々でなくてサイトが主人公になりそうな件で大丈夫か悩んでる俺。
あと何に乗せるかが二転三転しまくり。うぼあー
598:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:53:26 uD8tIGlL
支援恐怖症になりつつも支援
599:“微熱”の使い魔9-1
08/01/09 23:53:42 9n0S6KUJ
「わー……! 高いよー、速いよーー!!」
風竜シルフィードの背中で、エリーは子供のようにきゃいきゃいと騒いでいた。
みっともないと責めるなかれ。何しろ、エリーにとって空を飛ぶなどという経験は初めてのものだし、かつドラゴンの背中に乗るなどおとぎ話の中のものでしかなかった。
それが、今現実として、空を駆けるドラゴンの上に乗っているのだ。興奮するなというほうが無理な注文だった。
シルフィードはエリーの歓喜がわかるのか、歓声が上がるたびに、その動きは優雅に、機敏になっていた。
「相変わらず、あなたの風竜は惚れ惚れするわね」
エリーの隣。キュルケは赤い髪をかきあげながらドラゴンの背中を撫でた。
「シルフィード」
一番前に乗るタバサは無表情のまま言った。
「そうそう、あなたのシルフィードは」
キュルケはその意をくんで、すばやく訂正した。
「ハルケギニアの、魔法使いってすごいんだね……」
はるか向こうの空や山を見ながら、エリーはつぶやいた。
「こんなすごいドラゴンを、使い魔にしちゃうなんて……」
「でしょう?」
キュルケは自慢げに微笑む。
「でも、みんながみんなこんな幻獣を呼べるわけじゃあないわ。メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろって言うように、それだけタバサがすごいってこと」
「……」
タバサは何を言わない。が、一見無表情のその顔には、わずかに感情の揺らぎがある。キュルケには、それが“照れ”であることがわかった。
「うふ」
クールな親友の反応に、キュルケは嬉しげに目を細める。
「私、最初シルフィードを見た時、ちょっと怖かったんです……。ドラゴンだし」
「ふーん。あなたの国……シグザールのドラゴンはそんなに凶暴なの?」
「私も、話で聞いたことしかないですけど。でも、ほんの数年前までヴィラント山……ザールブルグからそんなに遠くない山に棲んでたそうです。ものっすごく強暴で強くて、大勢の人間が犠牲になったとか……」
「へえ……」
キュルケはかすかに感嘆の声をあげる。場所は変わっても、竜族の強さは凄まじいものらしい。どこへいっても、最強の種族ということか。
「それ、どんなドラゴンだったの?」
「何でも……赤い体をした大きな火竜だったそうです」
「火竜」
火を吐くドラゴン。火のメイジとしては色々と感じるところのある存在だった。
しかし。
「ねえ……エリー? 棲んでたって…過去形で言ったわよ? じゃあ、今その火竜は?」
600:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:53:56 QHRwlMo3
おびえながら支援
601:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:54:11 GAGZ5QLz
流石にID変えてまで投下は無いのでは?
支援しますよ
602:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:54:45 QHRwlMo3
開幕から「サラマンダーよりはやーい」を思い出してしまった支援
603:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:55:06 th7OX0tF
>>602と同じ感想持った支援
604:“微熱”の使い魔9-2
08/01/09 23:55:20 9n0S6KUJ
「いません。退治されましたから」
あっさりと、エリーは言った。それは、キュルケにしても予想できた答えではあった。しかし、ドラゴンは敵に回せば、並のメイジなんぞ相手にさえならない恐ろしい存在である。
―それを、退治した?
話を聞いた限りでは、エリーの住んでいた国に、魔法使い、少なくともハルケギニアのようなメイジはいないはず。ならば、誰がどうやって、炎のドラゴンを退治した?
キュルケの中でむくむくと好奇の炎が燃え出した。
エリーの言う火竜が、ハルケギニアと同じものとは限らない。しかしシルフィードを見たエリーの言動から考えるに、基本的な差異はないであろう。あるとすれば、韻竜のことくらいかもしれない。
「どんな人が?」
「王室騎士隊長の、エンデルクって人です」
「騎士ね……。うん?」
騎士という言葉に納得しかけたキュルケ。だが、
―仮にも一国の王室直属の騎士隊長なら、スクウェア……いや、ちょっと待った。エリーの国にメイジはいないはず……。それなら、そのエンデルクという人間は……普通の、つまり平民?
「あの、エリー、ちょっとだけ確認しておきたいんだけど……そのエンデルクって人はメイジじゃないのよね」
「そうですよ。あ、ものすごい剣の達人だそうです」
「それで、火竜を倒した?」
ハルケギニアの常識では、剣は魔法と同列ではない。ことに貴族にとっては、魔法という武器を持たない者が、身を守るために磨いた牙という程度。
シグザールの火竜が、こちらに比べて弱いのか。それとも、そのエンデルクという騎士がとんでもない化け物なのか。
キュルケの頭に、貧弱貧弱ウリリリィィイイイィィィ!なドラゴンと、凶悪な火竜を剣のみで倒す“化け物”のイメージが浮かんだ。
「あの、どうかしたんですか?」
「いえ、何でもないのよー。おほほほ……」
不思議そうなエリーに、キュルケはあわてて笑顔を作った。
―考えてみたって、始まらないか……。
実際に、その火竜やエンデルクを見れば話は早いのだろうが、それは無理な相談である。
「見つけた」
タバサが言った。同時に、シルフィードがきゅいと鳴く。
「え、ルイズ? どこに?」
キュルケが下を見ると、人を乗せた二頭の馬が道を走っている姿が。そのうち一頭はどうにも動きが良くない。よく訓練されている馬のおかげでどうにかなっているようだが、明らかに下手くそだ。
ルイズと、才人。
「馬にも、バカにされてるわね、あれは……」
才人の“お見事”な乗馬を見ながら、キュルケは苦笑する。
「どうやら、城下町にいくみたいね」
馬の走る方向、その先に見える街を見ながら、キュルケはつぶやく。
「あの使い魔くんに、プレゼントでもしようっていうのかしら……」
605:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:55:50 C92XIusi
支援
>>597
プロットちゃんと書いて、最低三回は推敲しとけばどんなに悪くともみれる代物にはなる
才能や経験より手間と熱意だよ
わかんないところや専門外のところはちゃんと調べるか思い切って省略しちゃうこと
606:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:56:09 uD8tIGlL
よかった!恐怖に耐えてよかった支援
607:“微熱”の使い魔9-3
08/01/09 23:57:10 9n0S6KUJ
「人が多いですねえ……」
街を見回しながら、エリーはつぶやく。
「そりゃあ仮にも、城下町だからね」
「うーん。それだけじゃなくて……」
キュルケの言葉にうなずきながらも、エリーは何かを考えている。
「その、何かせかせかしてるっていうか……」
それは、ここがせわしないというより、ザールブルグがのんびりしているということなのだが、エリーにはそれはわからない。あるいはここにきて、初めてわかったことかもしれない。
「最近物騒だからねえ……みんなピリピリしてるのかもしれないわ。土くれのフーケの噂もあるし」
「“つちくれ”? 何ですか、それ?」
「最近あちこちで暴れてる泥棒よ。正体は不明。ま、メイジらしいってことは確かみたいだけど」
と、キュルケはどこかわくわくしたように言っている。
「メイジって、貴族の人が泥棒するんですか?」
「メイジの全部が貴族ってわけじゃあないわ。中には家が没落したり、勘当されたりで身を落とすやつもけっこーいるの」
「厳しいんですね、ここも……」
「まーね。っと、それよりも、ルイズは……」
「あそこ」
タバサが小さく顎をしゃくった。その先には、ピンクの頭と、それについていく黒い髪。
才人はあちこち見回しながら、アレは何だ、コレは何だといっている。エリー以上に“田舎者”丸出しである。
「何をやっているんだか」
「買い物でもするんですかね? どこ行くんだろう?」
エリーがつぶやいた途端、
「ちゅうか剣屋はどこだよ」
才人が大声で言った。
「へえ、ルイズったら、使い魔くんに剣をプレゼントするつもりらしいわ」
キュルケは面白そうに言った。
エリーも何となく二人の後姿を見ていたが、
「あ」
路地裏のほうをちょこちょこと動く影を見て、そちらを振り向いた。
「今のは―」
一瞬見えたその影は、エリーのよく見知っているものと、酷似していた。
気がついた時には、エリーは影を追って走り出していた。初めてきたばかりの街を一心不乱に。
608:“微熱”の使い魔9-4
08/01/09 23:58:37 9n0S6KUJ
「ちょっと、エリー!? どこへいくの!? ダメよ、一人で!!」
キュルケもあわてて、それを追う。タバサも本を閉じて続いた。
路地裏を駆け、ゴミ箱を飛び越えて、全力疾走。その果てに、エリーはついに影に追いついた。
「見つけた……!」
エリーの叫びに、影はびくりとして立ち止まり、振り返った。
「やっぱり……そうだ」
“影”を見つめながら、エリーはふるふると震えだす。
「はぁはぁ……エリー、どうしたの、急、に……!?」
「……!」
追いついてきたキュルケとタバサも、“影”を見て立ち止まった。
「こども?」
キュルケのつぶやき。それは“影”の姿を実に的確に表現している。
不思議な形をした緑の帽子と服。それを着込んだ子供。それが“影”の容姿。が、何か、どこかおかしい。
「サイズが変」
タバサの言うとおり、それは人間の子供のようではあるが、その見かけ上の年齢に対して、背丈があまりにも小さすぎる。子供というよりも、小人だ。
「やっぱり、妖精さんだあ」
エリーはしゃがみこんでその小さな相手を見つめ、笑顔を浮かべた。
「妖精?」
キュルケも改めて小人を見る。そういえば、何か不思議な魔力?のようなものを感じなくもないが。
「そんなものが、ここらにいたの? 精霊じゃなくて? いや、それでもおかしいけど」
「精霊に近い。でも、ランクは多分もっと下」
キュルケの疑問に答えるように、タバサがつぶやいた。
「“隠れて”走ってたのに……。人間に僕らが見つかって、こんなに簡単に追いつかれるなんて……」
緑服の妖精は、驚いた顔でエリーたちを見上げている。
「あ、はじめまして。私はエリー。あなたは、妖精さんだよね?」
「そう、僕は妖精のポポル。お姉さんたちは、どうして……ああ、そっか」
緑妖精は不思議そうな顔をしていたが、エリーの腕を見て、納得したようにうなずいた。
キュルケは何事かとエリーの腕を見る。そこには、古い腕輪が光っていた。それは、エリーが“召喚”された時からすでに身につけていたものだ。
―あれが、何か特別なものだっていうの?
気がつくと、タバサも興味深げに、妖精、そしてエリーの腕輪を見ていた。
「その腕輪をつけてるってことは、その“資格”のある人ってことだね」
609:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:58:51 th7OX0tF
迷子フラグ? 支援
610:“微熱”の使い魔9-5
08/01/10 00:00:06 9n0S6KUJ
資格? と、キュルケは首をひねる。
それは一体何なのだろう。妖精を見る、あるいは見つけることのできる、という意味だろうか。
「それじゃあ、今度からお姉さんのところにもいくね」
「いくって、妖精の森にいけるんじゃないの?」
エリーが言う。妖精の森。またファンタジーな言葉が出てきた。
「森に来る? これないこともないけど……まわりは人間にはものすごく危険なところもあるから、ちょっと無理だと思うけど」
「……そっか、ザールブルグとは違うんだ」
エリーはつぶやいた。少しだけ寂しそうな顔で。
「―で、いいの?」
タバサが言う。
「え、なにが……って、そうそうゼロのルイズのこと忘れてたわね…………うーーん」
キュルケは考えながら頭をかく。
「まあルイズのことはとりあえずいいわ。子供じゃないんだし」
「……そいじゃお姉さん、またねー」
そうこうするうちに、ポポルは手を振って駆けて行ってしまった。
「……良かったの?」
キュルケはエリーに言った。
「ええ。こっちにも妖精がいるんだって知って、ちょっと安心しちゃった……」
「私としては、面白いものに会えたし、いいんだけどね」
キュルケは苦笑いを浮かべる。
「せっかく街にきたんだし、お茶でもしていきましょうか?」
「……気まぐれ」
そう言いながら、タバサは妖精の駆けていったほうを見ている。よほど興味を引かれたのか。
「お茶のついでに、色々見ていきましょう。あなたに必要な道具や薬も見つかるかもしれないし」
キュルケはエリーの腕を引っ張って、表通りに向かって歩き出す。
「あ……はい」
少しぼうっとしていたエリーは、うなずきながらそれに従う。
タバサはそんな二人にため息をついてから、もう一度妖精の去ったほうを振り向いた。
―妖精……。何かわかるかもしれない。
青い髪の少女の頭に、ある女性の姿が思い浮かぶ。
人には難しいことも、精霊に連なるものであるなら、解決する術を持っているかもしれない。
タバサはキュルケに呼ばれるまで、じっとその場に立ち尽くしていた。
611:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:10 iFD1pyp/
支援
612:“微熱”の使い魔9-6
08/01/10 00:01:19 9n0S6KUJ
で、結局。
「うーん、これなんかいいんじゃない?」
「あの……ちょっとハデなんじゃあ……」
三人は服屋であれこれ物色をすることになった。もっというなら、エリーがキュルケの着せ替え人形みたくなっていた。タバサは我関せずでこんな場所でさえ本を読んでいる。
「あら、これくらい。平民の女の子だって着てるわよ」
「でも、ちょっと露出が多いような……」
「そう? じゃあ、こっちは? このシックな感じなら、エリーにも」
「へえ……素敵かも……。え、エキュー? 金貨で……枚? ひいい!」
高すぎる、とエリーは悲鳴を上げた。
「大丈夫よ、これくらい。私のポケットマネーでどうとでもなるから」
「いや、でも…こんなに……」
キュルケの選ぶ服はいずれも、派手ではあるが趣味のいいものばかり。しかし値段のほうも、エリーの感覚からすれば、洒落にならないものばかりだった。
エリーとて、年頃の少女である。おしゃれにまるで興味がないわけではない。だが、“優先順位”では常に錬金術が上位にある。錬金術の中では、貴金属や装飾品を作るものもあるが、それらはあくまで研究の過程、研究成果として価値があるのだ。
別の場合でも、あくまで“商品”としての価値であり、自分が着飾るという発想はなかった。
「あの、やっぱり、こういう高いのは……それよりも、もうちょっとこう汚れても困らないようなやつとかが欲しいんですけど」
「そーお?」
キュルケはちょっと不満そうだったが、すぐに納得したらしく、
「じゃあ、それはそれで買うとして……普段着や余所行きの服ってことで」
もう少し庶民向けの服から何着か選び出してきた。
エリーはキュルケの押しの強さに、少し引き気味になってしまう。
そこに。
「もう、冗談じゃないわよ、あの親父ッ!!」
店の前を、文句を言いながら一人の少女が通り過ぎた。その横には、疲れたような顔の少年。
「あれ、サイト?」
エリーはつぶやく。
「サイト? 使い魔くん?」
エリーの言葉に反応し、キュルケも店の外を見る。
ぷりぷりと機嫌の悪いルイズと、面倒くせえなあ、という顔の才人が歩いていた。
「っと……いけない、いけない。通り過ぎるところだったわ。サイト、こっちよ」
ルイズはちょっとあわてたように引き返し、エリーたちのいる服屋に入ってきた。
「男ものの服がほしいんだけど。これにあうのを見繕ってちょうだい」
ルイズは親指で才人を指しながら、店員に言った。
613:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:42 ulm10gM/
いや、お手伝いさんの妖精ゲットフラグだろ支援
614:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:43 GAGZ5QLz
支援中
615:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:57 m+sbFa+W
支援とともに投下予約
616:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:02:33 Lux1u4AI
魔法学院を妖精さん養成学校にするつもりか支援w
617:“微熱”の使い魔9-7
08/01/10 00:02:38 9n0S6KUJ
「あら、ルイズ? 素敵なハニーに服のプレゼントかしら?」
キュルケはにんまり笑いながら、エリーに呼びかけた。
「え? えええ?!? ちょっと、何であんたらはここに!?」
「あら、私はエリーと一緒に服を買いに着ただけよ? それとも、私たちがここにいちゃまずい理由でも?」
「ジョーダンじゃないわよ! ただでさえ気分悪いのに、何でツェルプストーと……!」
「……よう、エリーも買い物?」
フンガーフンガーとやかましい“主人”にかまうことなく、エリーを見た才人はちょっと照れくさそうにたずねる。
「ま、まあ、そうかな? サイトも?」
こっそり尾行してきたというのがあるだけに、エリーはちょっとたどたどしい態度。しかし、サイトはそれに気づいた様子もない。
「ああ、まあな? うちの“ご主人様”が剣を買ってくれるつうから……。でも、買えなかったけどな」
「なんで? いいのなかったの?」
「まあ、なんつうかなあ…。剣ってけっこう高いもんらしくってさ。まともな大剣なら、最低でも二百とか、そんなんだと」
「大剣?」
エリーは一瞬きょとんとする。どう見ても筋骨隆々とはいえない才人の体格からは、そんな重量のある武器を選ぶとは予想できなかったのだ。
「で、結局適当なのがなくて、親父に悪態ついて店出ることになったんだよ。で、代わりに、服でも買ってやるって……」
「ふーん。でも、そのほうが良かったかも。サイトの服、ここじゃちょっと目立ちすぎるもの。私も人のことは言えないけど」
「そうかもな」
才人は自分の服を見下ろしながら苦笑する。
「ちょっと、いつまでもツェルプストーの使い魔としゃべってるんじゃないわよ!! 他の店に行くわよ、他の店に!」
ルイズが才人の首根っこをつかんだ。
「うあっと…! じゃ、じゃあなエリー……おい、引っ張るなよ!?」
「うっさいうっさい! いいことサイト!? あんた、ツェルプストーの使い魔と口きくの禁止!! 絶対!!」
「な、何だよ、それ。横暴だぞ!!?」
「そうよ、エリー? そういう野暮はよろしくないんじゃなくて」
にやにやとしたキュルケが口をはさむ。
「うるさい、うるさーーい!!」
ルイズが大声で叫びながら、飛び出すように店を出て行った。才人を引きずって。
「……相変わらず、すごいなあ……」
「というか、まわりに迷惑」
半ば呆然とするエリーに後ろで、タバサがつぶやいた。
618:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:02:40 cc0SQeSt
>>565
ビッチルイズうぜー
619:“微熱”の使い魔
08/01/10 00:03:50 9n0S6KUJ
今回分はコレにて終了です
支援のかたがたに感謝いたします
ありがとうございました
620:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:04:25 eNwg3MQK
支援
621:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:06:41 e11GZHoy
>>619
投下乙です
622:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:06:46 xl1ZGQMb
GJ!!
しかし、色々とフラグが立ってきましたな
そしてデルフは何処にww
623:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:07:01 Z+sEsxJc
エリーとサイトをどうしても比較してしまう。
なんと言うか、余裕が感じられないのがこのルイズの持ち味なんだと納得できた。
624:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:08:41 Z1cZk+/3
ちょっ デルフどこいったのーーーー
625:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:08:51 +icGyz/+
……で、デルフがもしかして?
いや、これは出待ちに違いない
一番いいところで颯爽と現れるはずだ
とりあえず期待しておく!
>>597
本人かよw
まあ、ディーターはもともと本編に直接絡むキャラじゃなかったしな
サイトが主人公でもいいんじゃないかな
問題は、それによってディーターの魅力がちゃんと描けるかどうか、だろ
626:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:10:32 0gHt1VVa
シア様がハタキでシバき殺したんじゃないんだなw>火竜
627:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:10:38 uBEI7/5A
妖精さんがどうなるかわくわくだぜ
>>605
サンクス。
もっと頑張ってみるぜ
>>625
目から鱗落ちた。
じゃあサイトナムにサイト乗せる計画進めるわ
628:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:13:54 Lux1u4AI
デルフはガルダナイトになりました。
>>626
マリー+の伝説の二人エンドは激しくワロタw
629:つかいま
08/01/10 00:16:38 nH/BXIol
乙あるよー。作品によってデルフの出し方もいろいろあるな。
それではお客さん、第七話できたある。10分待ってから投下する、よろしか?
630:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:18 uBEI7/5A
>>629
よろしね!
631:つかいま
08/01/10 00:18:23 nH/BXIol
ああ、ID変わってたね。わたし>>615あるよ。
632:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:25 pZ13QDB0
支援
633:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:52 KUtx3ItM
ゼロのぽややん書いてた人ってまだ続きかいてるのかなぁ・・・
634:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:23:41 x48Wbbed
>>628
まぁ、最高級インゴットとして評価されるなら本望じゃね?w
従属効果:魔法無効とか
635:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:24:12 BvHal0mA
支援
636:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:26:27 6o+T8nwB
微熱のデルフは、学院の宝物庫にあるのかもしれないね。
あと、エリー自作の武器でサイトが頑張るのも良いかも。
(その場合、どうみてもエリーフラグだが)
637:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 1/5
08/01/10 00:27:08 nH/BXIol
あいやー、1週間ぶりに投下開始!
魔法学院の秘宝、『魔剣デルフリンガー』を盗んだ怪盗・フーケ捜索のため、聞き込みに出たらんま一行。
学院周辺からトリスタニアまで足を伸ばし、シルフィードを飛ばして情報を収集する。
そして、2日目の夜。宿のテーブルで付近の地図を広げ、集めた情報を整理する。
「……どうやら、犯行のあった箇所を調べていくと、この山地を中心にしているようですね。
この近くで怪しい人影を見たという噂もあるようですし」
「神出鬼没とは言っても、アジトはないと活動できねぇしな」
「ええ。この山地は、岩山と洞窟ばかりの荒地。土メイジのアジトには相応しいかと」
「そこを調べて、盗品が見つかれば……!」
意気込むルイズに対し、キュルケは冷静だ。二つ名が『微熱』のくせに。
「けどさあ、フーケは土のトライアングルメイジよ?
ミス・ロングビルは土のラインだけど、トライアングルともなれば、30メイルもの巨大ゴーレムを操るレベル。
生半な戦力じゃあ、返り討ちに遭うだけじゃ……」
30メイル(メートル)ぅ? ゴジラやウルトラマンよりゃ小さいが、ビルが襲って来るよーなもんだな。
ギーシュの悪キュウリとは大違いだぜ。
「でもよー、操ってるフーケ自身を倒せばいいんだろ?
格闘なら俺がいるし、火のトライアングルも風のトライアングルもいるし、何とかなるって」
「そーよね、この『微熱』のキュルケが土くれなんかに負けるもんですか!
正体は泥臭い野蛮人か、嫁き遅れのおばんに違いないわ、そんな奴!
おーーーーっほっほっほっ、見てらっしゃい!!」
キュルケの高笑いに、ロングビルさんが『ぴき』と額に血管を浮かばせた。
この世界での23歳とは、充分年増の域らしい。
「……つっても、流石に広すぎるよなぁ。何か手がかりがもう少しねーかな。
魔法での盗品の探索ってのは、できたらやってるだろーし」
「ええ、噂では、フーケは盗品に『魔封じの札』を貼り、魔法による探知を免れているそうです。
最初の頃フーケの被害にあった貴族の屋敷から、それが盗まれていたとか」
「じゃあ、フーケも自分にそれを貼っているのかも知れないわね……」
ん、待てよ。こういうのにうってつけの人材、いや獣材がいるじゃねえかよ。
「なあルイズ、財宝捜しに、ギーシュのヴェルダンデを連れてくるか? 主人はともかく、使い魔は優秀なんだろ」
「それも考えたけど、あの変態を連れてくるのは勘弁して欲しいわ」
「まぁ、そうか……あいつに手柄を譲るのも、シャクだもんな」
638:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 2/5
08/01/10 00:29:38 nH/BXIol
かくして、捜索3日目。一行はシルフィードに乗り、件の山地へ向かう。
ごつごつした岩肌と自然の洞窟。なるほど、『土くれ』のアジトらしい雰囲気だ。
「とにかく、手分けしてその辺の洞窟を捜しましょう。一時間ぐらいしたら、一旦ここに集合ということで」
「そうね。あまり離れない方がいいかも知れないわ。……ランマは、私を守りなさい」
「怖がりなご主人様だぜ。いいよ、使い魔の俺が守ってやらー」
主従二人の様子に、キュルケが微笑んだ。
「じゃあ私、タバサ、ミス・ロングビルは別々になりましょうか。
タイマツを出して、火を点けてあげるから」
ルイズとらんまは、手を繋いで近くの洞窟に入り込む。
「……暗いし、寒いわ……フーケの罠があるかも……」
「手を離すなよ、ルイズ。何か出たら、この鉄の棍棒で叩きのめしてやっから。
……おし、足跡があるぜ! これをたどって行けばいいだろ」
二人が足跡をたどって行くと、やがて洞窟の行き止まりに着いた。
「あれ? おっかしーな…… のわっ!?」
ぽーん、とらんまの頭上でクス玉が開き、紙吹雪と砂が降り注いで垂れ幕が下りた。
「……『ハズレ』だって、ランマ。これでフーケがいるらしい事は分かったけど、
よく考えたら土メイジなんだから、足跡ぐらい自由自在よね」
「っっちくしょお~~、バカにしやがってえ~~っ」
この程度の罠ですんで、幸運だったと思えってのか?
殺そうと思えば殺せた、とか思ってるんだろ?
フーケの野郎、早乙女乱馬をなめんじゃねえぞっ。ぜってー捕まえてやるっ。
ふふふふふ、と笑いながら、復讐に燃えるらんまであった。子供か。
639:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:30:57 Lux1u4AI
悪胡瓜支援
640:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 3/5
08/01/10 00:31:47 nH/BXIol
確かにフーケのアジトはあるようなのだが、なかなか本物が見つからない。
四人は合流して、同じ洞窟を捜すことにする。
落とし穴が多数ある洞窟、開けた宝箱が爆発して砂を撒き散らす洞窟、
温泉が急流のように通っている洞窟、井戸の底から幽霊が出る洞窟。
もういくつの洞窟を探索したのだろう、そろそろ日が暮れてきた。やっぱりヴェルダンデを連れてくるべきだったか。
「ぜいぜいぜい、どこまでも人をおちょくりやがって、フーケのやろお~~っ」
「タバサが幽霊を見て気絶しちゃったわ。ひとまず外へ出て、合流しましょうよ」
「おー、キュルケ。ルイズもだぜ。……ん、ロングビルさんは?」
「こっちの分岐点で、彼女は向こうへ行ったんだけど……」
天井が高く細長い、やや下り坂になった狭い道だ。突如、背後でゴトンという音がする。
振り向けば、道をゴロンゴロンゴロンと巨大な石の円盤が転がってくる!
咄嗟にロングビルの入った道へ飛び込むが、円盤は更に追いかけてきた。
「どっひゃーーーっ!? キュルケ、はっ、早くロングビルさんを追うんだっ!
道幅いっぱいの上に勢いがつき過ぎてて、俺でも止められねーぞ!!」
「ままま待ってランマちゃん! 置いていかないで!!」
二人はルイズとタバサを各々背負い、全力でロングビルの進んだ道を駆け抜けた。
「で、出口だ! 文字通り光が差してるぜ、助かったっ!」
らんまとキュルケが外に飛び出し、素早く横に逃げて石の円盤をやり過ごす。
円盤はドシンと向こうの壁に激突し、めりこんで止まった。
「はあああ、危なかった~~。死ぬかと思ったぜ、こんちきしょう。
……って、ここは岩山の谷間か? 確かに上から光は差し込んでいるけど、出口って雰囲気じゃねえなぁ」
「そうね。この崖の高さ、50メイルはありそうよ。上からも狭くて出入りできそうにないし」
幅は10メイルほどか。かなり細長いが、ならせば面積は校庭ぐらいありそうな、回廊状の空間だ。
上からの光と雨で、地面には案外草花が繁茂している。
そして、崖を刳り貫いて、結構立派な人工の建造物がある。その前に若い女がいた。
「あら、皆さんお揃いで」
「ああっ、ミス・ロングビル! やっと会えたわ、探したのよ!」
641:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 4/5
08/01/10 00:34:14 nH/BXIol
「無事でよかったぜロングビルさん。この崖を刳り貫いたよーな建物はなんだ?
……はっ、そうか、ここがフーケのアジトか!!」
「やったわ、お手柄ねミス・ロングビル!」
ロングビルに駆け寄る二人の足元が、ずぼっと崩れて落ちる。
「でえっ!?」「きゃあ?!」
泥だ。地面が泥のようになって、二人、いや四人を腰まで飲み込んでしまった!
くくくくくくっ、とロングビルが嘲笑った。手にはメイジの杖と、水晶球を持っている。
「馬鹿な小娘どもだねぇ、私が『土くれ』のフーケさ。
ようこそ私の秘密基地へ。なかなか面白い見世物だったよ、あんた達の慌てぶりはね」
ロングビル改めフーケの掌の中の水晶球に、らんま一行のこれまでの苦労が映し出される。
らんまの怒りは、心頭に達した。素早く棍棒を旋回させ、跳躍してルイズごと泥から抜け出す。
「っってえめええ、人をさんざんおちょくりやがって!
とうとう追い詰めたぞ、ここでぶっ飛ばしてやらあ!!」
「やってごらん!!!」
後ろの崖からゴゴゴッと身長30メイルもの『岩のゴーレム』が現れ、らんまたちを踏み潰しにかかる!
「こっ、こんなデカブツ、こんな狭いところで動かすなよなっ!」
「私は土メイジだからねぇ、ゴーレムの中に潜らせてもらうよ。あんた達は潰れっちまいなああ!!」
「ら、ランマちゃん、私とタバサも助けて!!」
巨大ゴーレムの中に隠れたフーケ、気絶したルイズとタバサ、泥の中のキュルケ。
立ち向かうらんまは鉄の棍棒1本。その頭上から降り注ぐ岩石と土砂。絶体絶命のピンチだ!
642:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 5/5
08/01/10 00:36:38 nH/BXIol
しかし、迫り来るゴーレムの右足が突然、爆発した。ルイズの放った爆発魔法ではない、『内側』からだ。
ガラガラと岩が崩れ落ち、ゴーレムはバランスを崩して崖に寄りかかった。
その足の中から現れたのは、一人の男であった。
「………ここは、どこだ?」
黒髪に八重歯、黒いプリント入りの黄色いバンダナ、背中のリュックサックと赤い番傘。
らんまは思わず固まる。今のは土木技『爆砕点穴』!
そしてこいつは、見忘れようもねえ、この男はっ!!
「りょ、りょ、りょ、良牙!!!?」
………おい、冗談だろ。助かったのはいいが、マジかよ?
あの野郎、『響良牙』の方向音痴は、異世界に迷い込むほど酷えのか?
「ら、乱馬!? きさま、天道家から失踪したんじゃなかったのか?
こんなところで何を「そりゃこっちのセリフだっっ!! なんでおめーまでこっちに来てんだよっっ!!」
良牙は眼をぱちくりさせる。
「こっち? 何だか知らねえが、取り込み中のようだな。この動く石像をぶっ壊しゃあいいのか?」
「そ、そうだ! さっきの要領で、粉々にしちまってくれっ!」
「よおし、喰らえ妖怪変化、『爆砕点穴』!!」
良牙が人差し指をゴーレムに突き立てると、ゴーレムを構成する岩石が次々に爆発していく。
無生物の『破孔(ツボ)』を突いて爆砕する、中国の土木作業者によって生み出された奥義だ。
「よおおーーし、って、どわああああああああ!? しまったあああ!!」
ゴーレムはガラガラガラガラと崩れ落ち、谷間は土砂で埋まってしまう。
間一髪、らんまはルイズとキュルケとタバサを背負い、頑丈な建物の中へ避難した。
良牙は無傷で、ぼこっと土砂の上に顔を出す。
「おーーーーーい、乱馬、どこに埋まったーーーっ!」
「……お・め・え・なあ~~~~……」
らんまは建物の中で、精神的・肉体的疲労によりぐったりしていた。
(続く)
643:つかいま
08/01/10 00:38:28 nH/BXIol
投下終了ある。
愉快な仲間が増えてしまて、一体どうなることあるか?
次回をお楽しみに、再見!
644:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:39:56 uBEI7/5A
方向音痴って凄いんだなぁ……w
乙!!
645:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:41:03 Lux1u4AI
さすが極度の方向音痴w
GJでした。
646:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:41:17 8hP7lZmm
そうかあ、良牙ってナチュラルに異世界に出たり入ったりしてるから
どんな短い距離でも迷うんだw
647:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:42:10 +icGyz/+
まあ方向音痴じゃ仕方ないよなw
648:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:43:30 Z1cZk+/3
まぁ、方向音痴だしなぁ
649:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:45:42 3B1r/nmA
良牙だと何でも方向音痴で済ませられるw
650:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:46:16 QiuiFLkn
欄間の正体がバレる日も近い
651:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:50:29 f+0gkTe9
>>647-649
なんでおまいら納得してるんだよw
多分、天道道場に良牙が戻れたとしても来た道辿れないんだろうなぁ
652:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:50:36 FAo7Fwdg
爆砕点穴って人にきかないだけで実はすごいんじゃないか、と改めて思い知ったと言うか
653:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:51:25 8hP7lZmm
>>652
実はアルビオンも一発で落ちるんだぜ(大嘘
654:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:53:45 pMBlprmX
>>653
ひょっとして本当に落ちないか?
655:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:04:40 KEKBUvo9
>>653
嘘からでた実になりそうだから困るwww
656:98-626 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:07:08 ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話投下しますがOKでしょうか?
657:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:10:07 iFD1pyp/
>652
少なくとも、ウマなみモグラに穴をあけられるんだからだから出来ても俺は驚かない。
(ただ、やるなら三日ぐらいかかって疲労困憊して欲しいが)
658:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:10:23 /xDwJ9+m
それは一向にかまわんが98-626って一体何?
659:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:11:15 iFD1pyp/
>斬鉄剣
大丈夫なはず、いったれ!
660:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:11:53 074JUTEz
>>656
ペース速えええ
むりしないでくれよ
661:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:12:29 7l7jZP6N
初回投稿時のスレ番号とレス番号だろう
パート98の626から続いてますという
662:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:12:48 f+0gkTe9
支援
663:98-626 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:12:54 ETi5fRbs
>>658
part98の626番目のカキコって意味です
とりあえずとってつけただけなんで気にしないでww
投下します
664:ゼロの斬鉄剣 6話 (1)
08/01/10 01:14:15 ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話 ―魔剣デルフリンガー―
五ェ門がルイズに召還されてからはや3週間たった夜の事
「ねぇ、ゴエモン。」
部屋の隅で瞑想をしていた五ェ門に声をかけるルイズ。
「あんた、いっつもその服だけど替えの服はないの?」
すこし顔を顰める五ェ門
「あいにくだがこれが拙者の一張羅。」
「あ!そうか。」
自分が召還したときに五ェ門が持っていたのは斬鉄剣ぐらいであったので
愚問といえよう
「そうね、明日は休日だしゴエモンの服を買いに行きましょうか!」
「拙者の着物を?」
ふふん、とルイズは鼻をならす
「あたしはこう見えても公爵家の出よ?使い魔の服を買うくらい楽勝よ!」
それに、とルイズ
「ゴエモンもこの国に来てから遠出はしてないでしょ?だから一緒にいきましょ。」
ふむ、とうなずく五ェ門
「かたじけない、一つ宜しく頼む。」
五ェ門がそう礼を述べるとルイズはニンマリと笑いながらベッドにもぐりこんだ
こうして次の日は城下町に行くことになったのだ。
チュン・チュン・・・・
五ェ門はいつもの時間に目をさましたが・・・
「あら、おはようゴエモン。遅かったわね。」
不覚にも寝過ごしたかと太陽をみるもまだ顔をだしたばかりといったところだ。
「む、ずいぶん早い目覚めだな、ルイズ。」
まあね、と笑うルイズ
「ここから城下町まで馬でも3時間はかかるのよ、早めにでないとね。」
なるほど、納得するゴエモン
「それに今日は久しぶりに人とでかけるから・・・(ボソ)」
665:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:14:54 nH/BXIol
支援あるね
666:ゼロの斬鉄剣 6話 (2)
08/01/10 01:17:01 ETi5fRbs
「どうかしたのか?」
「う、うるさいわね!いいからさっさと行くわよ!」
やれやれ、元気のいいことだと思う五ェ門であった。
「これが今日乗っていく馬よ!」
そう紹介されたのは見事な風貌の馬だった。
「ほう、見事な馬だな。毛艶もいい。」
えへん、となぜか自慢げな態度で五ェ門に説明する。
「きょうはこの学院でも指折りの馬を借りることができたのよ!」
自分の馬ではないはずなのだが、思ったより立派な馬を借りることが出来てずいぶんご満悦なルイズ
しかし―
「ブルルルヒィーーーーーン!」
とたんに暴れだすルイズの馬
「な!なんなのよ、落ち着きなさいよ!」
なるほど、と五ェ門。
どうやら学園でも指折りの気性の荒い馬を借りてきたらしいー
五ェ門はルイズから手綱を取り上げる
「どうどうどう・・・」
暴れていた馬も五ェ門が手綱を取るとみるみる大人しくなる。
「ちょっとどう言う事よ!なんであたしの言うことよりゴエモンの言うことを聞くのかしら!?」
かなり不機嫌になるルイズ
「馬はなかなか賢い生き物だ、自分に合った乗り手でなければたいていこうなる物だ。」
ぶー、と膨れるルイズ
「馬の癖にあたしを馬鹿にして!」
ハハハ、と笑う五ェ門
「馬鹿にしてるというより、ルイズの場合は殺気がでているから馬が怯えたのだろう。」
あたしのどこが殺気でてるのかしらと不満げだが
「わ、わかったわよぅ。」
大人しくなったルイズを見て馬が頬ずりする。
「ちょ、きゃ!」
馬がルイズぺろぺろ舐めだす
「だいぶ気に入られたようだな、これを機にもっとお淑やかにすることだ。」
「ブルルヒヒン!」
五ェ門が笑い出すと馬も笑い出した。
「んもう!余計なお世話よ!さ、はやくいきましょ!」
667:ゼロの斬鉄剣 6話 (3)
08/01/10 01:18:49 ETi5fRbs
「では拙者が手綱を、ルイズは道案内をしてくれ。」
むすっとしたがしぶしぶ了解するルイズ
「うう、わかったわよ。ところでゴエモンは馬にのったことがあるんだ?」
「無論、では行くぞ!」
ルイズが五ェ門の腰にしがみつくと馬は走り出した
「・・・あの生意気な貴族には特に気の荒い奴を当てたつもりだが、やるじゃねぇか。」
影から見ていた学院付きの厩務員がおもわず漏らすのであった。
その日キュルケが起きたのは外で馬の足音が聞こえてきた時だった
「ん~、朝から騒がしいわね・・・あら?ルイズとダーリンじゃないの!」
門をくぐる姿をキュルケは見ていた。
「方角は城下町かしら、こうしちゃいられないわ!」
ドンドンドン!
キュルケが叩いたのはタバサの部屋
朝起きてすぐドアを叩かれたためびっくりするタバサ。
「・・・なに?」
ボソリといったつもりだが聞こえたのかキュルケは
「タバサ~、ちょっとあけて~」
しぶしぶとドアにアンロックの呪文をかける
「タバサ、一緒に城下町まで行かない?」
なぜ、と首をかしげるタバサ
「ダーリンとルイズが城下町へ行ったのよ!追いかけなくちゃ!」
ダーリンときいて誰?とおもうタバサ
「んもう、ゴエモンよ、ゴ・エ・モ・ン」
ピクリと反応するタバサ、しばらく考えて。
「行く。」
「そうこなくっちゃ、早速行きましょ!」
と、せかすキュルケにタバサは
「大丈夫、シルフィードなら城下町まで30分・・・」
ああ、とキュルケはうなずく
「そうだったわね、貴方の使い魔・・・風竜ですもの、すぐ追いつくわね!」
「・・・準備。」
タバサはそそくさと準備を始める
キュルケも寝巻き姿だったことを思い出し自分の部屋へ戻る
「じゃ、一時間後に出発しましょうか。」
668:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:19:24 /xDwJ9+m
斬鉄剣+トリップの方が平常時の名乗りとして適切と思うが
で、話投下時もトリップは付ける方が名乗りの書式としては望ましいと思うぞ
支援
669:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:19:48 ceeGsLhF
また、つまらぬものを斬ってしまった支援
670:ゼロの斬鉄剣 6話 (4)
08/01/10 01:21:15 ETi5fRbs
2時間半後―城下町
「なかなか速い脚だ、お主は。」
「ブヒヒン!」
嬉しそうにする馬、どうやら気は荒いが脚は相当なものであるようだ
「おもったより早くこれたけど、もうにぎわっているようね。」
宮城へ続く大通りはすでに人でにぎわっていた。
馬を町の入り口にある預け場に留め置くと目的の店へ向かう
それを影からのぞく二人の影
「あら、ダーリンたちはどこへ行くのかしら?」
「・・・・」
気づかれないように後に続く二人だが五ェ門は気配で分かっていたようだ
「(なぜあとを・・?)」
さして危険ではないので捨て置く五ェ門。
「ここよ、ゴエモン。」
古臭い店だが汚くは無く、生地の種類も豊富で品揃えもよかった。
「これはようこそ、ヴァリエール様。」
気のよさそうな老女主人がルイズに声をかける
「お久しぶりマダム、今日は使い魔に服を仕立ててもらいにきたの。」
「おやまあ、そうでございましたか・・・立派な殿方ですこと。」
しげしげと眺めるマダム
「拙者、出来ればこれと同じものを仕立ててもらいたいのだが。」
ほうほう、とうなずくマダム。
「これは珍しいつくりの服ですわね。」
「出来るか?」
にっこりと笑うマダムは一言
「服を扱いかれこれ50年、まかせなさい。」
そういうとさっさと寸法を測り始めるマダム
「マダムは元・貴族、でも腕は確かよ。あたしが小さい頃からお世話になってるわ。」
ホホホと笑うマダム
「そうですよ、私はヴァリエール様のオムツも仕立てたのですから」
「ちょ、マダム!変なこと言わないで!」
「使い魔さん、服を詳しく見たいから脱いでもらえるかしら?代わりは用意するわ」
あっと思い出すルイズ
671:ゼロの斬鉄剣 6話 (4)
08/01/10 01:24:02 ETi5fRbs
「そうよマダム、ゴエモンのサイズに合う服は無いかしら?近いうち品評会があるのよ。」
やいのやいの女性はファッションにうるさいもので最終的に決まったのは入店してから実に3時間後のことであった。
「マダム、宜しくお願いするわ。」
「またお越しくださいませ、ヴァリエール様。」
五ェ門の服が仕上がるのは10日後ということで仕上がり次第学院に送ってもらうことにして店を去る
二人
「じゃ、服も買ったけど時間があるわね。もうすこし街を見ていき・・・・」
ルイズはそこで言葉を詰まらせる
五ェ門の後ろには―
「あら、ごきげんようルイズ。奇遇ね?」
「・・・・こんにちは。」
「ちょっと、なんであんたらがいるのよ!」
あわてるルイズ
「あら、今日はただのお買い物よ?ね、タバサ」
コクリとうなずくタバサ
「ふうん、何を買いに行くのかしら?」
「あら、よろしかったら一緒に行きませんこと?」
「・・・・ゴエモンも。」
「ちょっと、かってにゴエモン連れてかないでよ!」
むくれるルイズ
「まあよいではないかルイズ、せっかくだから拙者はもう少し街を見て回りたいのだ。」
うー、とうなるルイズ
「しかたがないわね、はやくすませましょ!」
二人きりで街を見て回れると思っていたルイズはしぶしぶ了解する
キュルケ達が合流してしばらくすると、町の路地の奥からわずかながら悲鳴が聞こえてきた
「ルイズ、すまないが先に行っててくれ。」
と駆け足で声の方角へ向かう
「ちょっと、ゴエモン・・・もう!」
672:ゼロの斬鉄剣 6話 (6)
08/01/10 01:25:59 ETi5fRbs
路地の奥には家に囲まれ、人目につかない広場があった
「オラオラ!たてよ!」
「や、やめてくれ・・・」
「うるせぇ!親分の女に手を出しやがって!」
とらわれた男女一組とそれを嬲るガラの悪い男たち
一番屈強そうな男― 親分と呼ばれている男はおもむろに
「もう、やめろ」
ピタリと子分たちが動きを止める
やっと終わったかと思った矢先
「この錆た剣でゆっくりいたぶってやんな」
下非た表情で子分に剣を渡す。
「へい、わかりやした」
「ひぃ!」
振りかぶった時
「待たれよ!」
間一髪、現れた五ェ門。
「なんだテメェは!」
ふん、と五ェ門
「弱い者を大人数でいたぶるとは、大人気ない奴らだ。」
「うるせぇ!とっとと失せろ!」
いきり立つ男たち
「それ以上やるのならば、拙者があいてをいたそう」
「生意気な、やっちまえ!」
五ェ門を間合いに捕らえたとき、男たちは勝利を確信したが
バシ!バシ!バシ!
3人がかりで飛び掛るが目にも留まらない手刀で叩き伏せる
「お主ら如き、斬鉄剣の露にすることすら憚る。」
一番デカイ男に目を向ける五ェ門
「さて、あとはお主だけだが。」
男は五ェ門の異様さに怯む
「この二人に手をださないと誓うなら見逃してやろう。」
「しゃらくせえ!」
男は五ェ門に飛び掛ったが、すばやく回り込まれ腕をキメられる
「お主のような乱暴者にこの腕はもったいないな」
ボキン!ボキン!
673:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:01 iFD1pyp/
支援
674:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:14 Z1cZk+/3
ルイズって乗馬スキル高かった記憶が支援
675:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:26:45 BvHal0mA
支援
676:ゼロの斬鉄剣 6話 (7)
08/01/10 01:27:48 ETi5fRbs
容赦なく五ェ門は男両腕を折る
「これで二度と悪さわできまい、今度からはまじめに働くことだな。」
「ひ、ヒイイイイイ!」
子分たちも打たれた箇所を折られているのか抑えながら逃げおおせる
それを見送る五ェ門は声をかけられる
「あ、ありがとうございます」
痛めつけられてた男は女とともに五ェ門に礼をする
「礼はいい。それよりもこの町からはやく出て行くことだ。」
そういわれるとそそくさと男女は去っていく
それも見送ると五ェ門はルイズたちのところへ戻ろうとするが
「まってくれ!」
五ェ門は振り返ったが誰もいない、気のせいかとおもったが
「ここだ!ここだよ兄さん!」
なんと、捨てられた剣から声が聞こえてくる
「面妖な・・・」
鞘に手をかける五ェ門
「ちがうって!兄さん、俺っちをつかってくれよ!」
しかし五ェ門は返す
「残念だが拙者にはもう斬鉄剣がある、あきらめろ。」
そういうと五ェ門は踵をかえす。
「ま、まってくれ!絶対役に立つって!そうだ!おれっち魔法を打ち消すことができるんだぜ!」
振り返る五ェ門
「ほう、それは面白い力だな。」
「だろ!俺を拾い上げてくれよ、お願いだよ!」
必死になる剣、それもそうだ。こんな人目のつきにくいところで捨てられたらガキの玩具にされるか
くず鉄拾いに拾われるかどっちかなのだから。
「その言葉信じよう、だが偽りがあれば・・・・・。」
刃を覗かせる五ェ門。
「と、とにかく手にとってみてくれよ、な?」
五ェ門が剣を手に取る
すると、左手のルーンが輝きだす
「お、おでれーた!、兄さんは使い手か!」
なんのことだと五ェ門
「いいから!俺っちは兄さんに拾われるべくして拾われたんだよ。」
ひとまず剣のいうところの「魔法を打ち消す力」について興味があったので拾うことにした。
「あ、俺の名前はデルフリンガーっていうんだ、兄さんの名前は?」
677:ゼロの斬鉄剣 6話 (8)
08/01/10 01:29:29 ETi5fRbs
「うむ、拙者は石川五ェ門という」
「とりあえず俺の名前はデルフって呼んでくよ!」
口の軽そうな剣だとおもう五ェ門
「わかったからデルフ、少し落ち着かんか。」
しょぼくれるデルフ
「わ、わかったよ。鞘に収めてくれたら黙るから、その剣チラつかせるのは勘弁してくれ。」
「あとでお主の力、試させてもらうぞ。」
「おう、まかせてとき」
カチャン
さっさと鞘に収められるデルフであった。
「さて、もうじき日が暮れる、急がねば」
ルイズたちに合流した五ェ門
「ちょっとゴエモン、どこへいってたのよ。それになに?その剣は?」
五ェ門は喋る剣についてルイズに聞いた
「それはインテリジェンス・ソードね。」
なんだそれはという顔をする五ェ門
「魔法の力で意思を持つようになった剣のことよ、わりと沢山あるのよ。」
剣を見つめる五ェ門
「それより、ダーリン。もう夕方だけどはやく帰らないと。」
しまったという顔をするルイズ
「・・・・のってく?」
横からタバサ
「人・・・4人に馬一頭。楽勝」
「そうね、タバサの風竜がいれば学園まですぐですもの。」
馬をどうやって運ぶのだと思ったが
「(きゅい!あばれないでね!)」
馬がおびえないよう目隠しをしておいて背中にのせる
「ブヒヒン?」
ずいぶん肝の据わった馬であるが、単に間抜けであるのかもしれない
その日、五ェ門は久々に空からながめる夕日を目にするのであった。
つづく
678:ゼロの斬鉄剣 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:31:50 ETi5fRbs
投下完了ッ!も
直したはずの文が直ってなくてすまんでした、誤字がorz
>>668
助言サンクスです
さっそくやります。
679:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:32:22 f+0gkTe9
乙
680:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:45:42 BvHal0mA
はたしてデルフは斬鉄剣より活躍することができるのか
GJ
681:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:51:55 gqmcB72P
普通に魔法も残鉄剣で切りそうだからなぁ……
「所詮魔法も発動すれば物理現象よ、ならば残鉄剣で切れぬ道理は無い!」とか言って
弱点は残鉄剣そのものに直接作用する錬金とやはり直接作用するっぽい虚無系統かな
682:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:54:21 HtKkplis
デルフ → デザートエルフ
リンガー → ちんこ
デルフリンガー → 砂エルフのちんこ
683:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:54:32 JO8UPyYX
斬鉄剣が折れてしまってからがスーパーデル公タイム
684:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 02:23:36 VqRN3ZxA
>>681
「天地自然の物理を捻じ曲げる魔法ごとき小細工が、達人に通用すると思うたかッ!!」
こうですか?
685:sage
08/01/10 02:56:03 Htf2pCBx
でも、西洋剣と日本の刀じゃ扱い方は違うからなぁ。
まぁ、ルーンがあるから平気だろうが。
686:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 06:55:14 zQrzYwgV
そーいや雷すら叩っ切ってた、ファーストコンタクトで
「森羅万象、斬鉄剣に切れぬ物無し」
とかいってたな
687:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 07:44:48 8cZjvvbK
>雷すら叩っ切ってた
なんというワルド戦
クロスファイアネタで書いてみてるんだが、
例えダミーの杖があっても詠唱無しで炎出したら疑われるかなぁ……。
688:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 08:20:12 yhLb3iVr
>>686
エンパイアステートビルの避雷針の上に立って、落ちてきた雷を真っ二つにした、アレね。
「斬鉄剣に~」でなく「この一刀のもと~」じゃなかったっけ?
689:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 08:26:34 1NSzqv1F
ここでウルトラマグナスを召還
そして宇宙ペストにかかる
ウルトラマグナス「出て来い!!ゼロのルイズ!!」
690:ゼロの大魔道士
08/01/10 08:44:04 U07pqYP/
九時から投下します。
ペースあげていきたい今日この頃。
691:ゼロの大魔道士(1/5)
08/01/10 09:02:13 U07pqYP/
「ありがとうございました!」
「よう、見てたぜポップ! 上手いことやったじゃねえか!」
すたこらさっさと厨房に戻ったポップを迎えたのは頭を下げるシエスタと上機嫌のマルトーだった。
既に食堂のほうは白けた空気が蔓延し、生徒たちは散りはじめている。
ギーシュだけは感情の向け先がないのをどうすればいいのか迷っている様子だったが
本来の最優先の目的―モンモランシーとの和解を思い出し、脱兎のごとく駆け出していた。
「見たかよあいつらのポカンとした顔! いやあ面白いもん見せてもらったぜ」
余程愉快だったのか、朗らかに笑うマルトー。
見れば周囲の料理人たちも皆一様に笑みを浮かべている。
シエスタですら身体を震わせて笑みをこらえていたりする。
(…こりゃ、よっぽど鬱憤がたまってるんだなぁ)
それを見たポップは心の中で溜息をついた。
平民と貴族。
それはポップの世界でも存在している差別だが、いかんせん根源的な事情が異なっている。
魔法を使えるか使えないか。
それだけがこの世界の人間の心を縛りつけているのだ。
確かに魔法は脅威だが、ヒュンケルやラーハルトといった化物を目にしているポップとしては彼らの心情が理解できない。
同時に、この人たちの前では魔法は使えないとも強く思う。
今こうして笑いあって話ができるのも自分が魔法の使えないただの旅人だと思われているからだ。
もしも魔法使いだと知れたら一体どういった反応が返ってくるのか…
ダイがベンガーナの市民の前で竜の騎士の力を解放したときのことを思い出す。
シエスタがギーシュに向ける視線はあの時の市民たちに近いものがあった。
自分にもあんな視線が向けられるのだろうか。
(ったく、なんとも面倒な世界に来ちまったもんだ)
それでも、ダイを見つけ出すまでは帰るわけには行かないのだ。
今の自分にできることはとにかく情報を集めること。
気を取り直したポップは仕事の続きをするべく皿へと手を伸ばした。
692:ゼロの大魔道士(2/5)
08/01/10 09:04:01 U07pqYP/
「やれやれだ…」
一方、騒ぎには我関せずとばかりにルイズとキュルケに挟まれていたコルベール。
彼は食事の時間を終え、ようやく二人の少女から解放されていた。
今は授業の準備をするべく廊下を歩いている最中。
と、前方から一人の女性が歩いてくる。
長い髪に眼鏡をかけた知的そうな女性―コルベールの同僚であり、学園長の秘書的存在であるロングビルだった。
「あら、ミスタ・コルベール。随分お疲れのようですわね?」
「こ、これはミス・ロングビル。いやいや、お恥ずかしい…」
たはは、とつるつるの頭部を撫でさするコルベール。
実はコルベール、ロングビルのことが好きだった。
好き、といっても好意レベルの話なのでデートできたら嬉しいなーとかその程度の話である。
が、お気に入りの女性であることは変わりはない。
そんな女性から話しかけてもらったのだ、これほど嬉しいことはない。
「そういえば、聞きましたわよ? なんでもあのミス・ヴァリエールの使い魔になられたとか?」
「は、はあ…」
ぴたり、と手が止まる。
正直、あまり触れてほしくない話題だった。
いくら考え方が柔軟な部類にはいるといえども、コルベールにもメイジの誇りというものがある。
誓いを立てた以上、ルイズの使い魔になったことを悔やむ気もないし、不満をもつ気もない。
しかし他人、しかも好意を持っている女性からそのことを言及されるのは少しつらいものがある。
何せこの世界の一般常識では使い魔とはあくまでもメイジの奴隷なのだから。
「ふふ、大変でしょう?」
「まあ、確かにその通りなのですが……なんとかやっていきますよ」
「頑張ってくださいね」
照れたように笑うコルベール。
ロングビルはそんな同僚の姿に同情したのか、あるいは話題そのものに興味があまりなかったのかそれ以上言及をしなかった。
693:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:04:27 ZyMb0g21
期待支援
694:ゼロの大魔道士(3/5)
08/01/10 09:05:45 U07pqYP/
「そういえば…話は変わりますが」
「?」
「最近またあの盗賊が世間を賑わせているようですわね」
「盗賊というと、『土くれのフーケ』のことですかな?」
「ええ、つい先日も貴族の方が被害にあったそうですわ」
土くれのフーケ。
トリステインの中でももっとも有名な盗賊の名前である。
通り名の通り、土属性のメイジであるその盗賊は単独犯であるにもかかわらず国中の貴族の宝を盗む手だれだ。
トライアングルクラスといわれるその腕前を駆使し、神出鬼没に現れるその正体は謎に包まれている。
男か女か、歳は幾つくらいなのか、目的はなんなのか。
その全てが一切の謎とされている存在だ。
「まあ、かの盗賊が目をつけるような宝は持っていませんので私は安心ですけど」
「それは私も同じことですな。この歳で研究一筋のせいか、財産という文字とはとんと縁がない」
「しかし個人はともかくとしても、この学園は別…そうではありませんか?」
「と、いうと?」
「このトリステイン魔法学院には貴重なマジックアイテム等が収められている…違いまして?」
「まさかフーケがこの学園を標的にすると!?」
「可能性の問題ですわ。事が起きてからでは遅いですもの」
難攻不落の宝物倉ですから、そんなことはないでしょうけど。
そうクスクスと笑うロングビルだが、コルベールからすれば笑い事ではない。
宝物庫に入ったこともある彼はその中身をある程度把握している。
当然、その中にはお金に換算できないほどの貴重品やレアアイテムが存在している。
中でもとりわけ貴重といわれているのが…
「確かに…あの『杖』などが奪われた日には目も当てられませんな」
「杖、と仰いますと……『鎧の杖』でしょうか?」
「おや、既にミス・ロングビルはお知りになっていましたか」
「人の耳に戸は立てられませんもの。けれど不思議ですわね、杖なのに鎧というのはどういう意味なのでしょうか?」
「さて…私も詳しいことを知らないのでなんとも。いや、待てよ…」
ふと、コルベールは視線を左手に移す。
そこに描かれているルーンのことは既に調査済みだった。
695:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:06:20 ZyMb0g21
大魔道支援
696:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:06:29 +5aKoQiA
元ヘッポコ支援
697:ゼロの大魔道士(4/5)
08/01/10 09:07:15 U07pqYP/
神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
始祖ブリミルを守ったとされる使い魔の一体。
その存在が持っていたとされるルーンが自分に刻まれている。
あらゆる武器を自在に操ったという伝説通り、剣や槍など武器と分類される物を手に持った瞬間そのルーンは力を発揮した。
武器の性能を即座に解析し、最適な扱い方を使用者に与え、身体能力をアップさせる。
他の使い魔のルーンにはない、特別な能力だ。
このことはまだオスマンや主のルイズにすら教えていない。
無論、これは知ったばかりだからという理由なのでこの二人にはこの後説明をしに行くことになるのだろうが。
(この私が伝説のルーンを身につけることになるとはな…)
血に濡れた手に刻み込まれた守護者の証。
守る、という命題を抱えながらも敵を倒すための力という矛盾を持つ奇跡。
研究者としては興味がそそられるルーンだが、人を魔法で傷つけないと誓っている今の自分には過ぎたものだと自嘲する。
(だが、この力ならあるいは…)
所持者であるオスマンですら使い方がわからないと言われている鎧の杖。
しかしガンダールヴの力ならばその本当を解析できるかもしれない。
むくむくと研究者としての好奇心が脳を満たしていく。
だが、その考えはすぐに振り払われた。
そもそもあの杖は自分の所有物というわけではない。
何よりも、あれは武器だ。
人を傷つける忌まわしき物の一つなのだ。
(……だが、もう、そうも言っていられない…か)
過去がどうであれ、今の自分は一人の少女の使い魔なのだ。
彼女の命令には従わないといけないし、彼女に仇をなす敵は自らの手で打ち払わなければならない。
誓いはあくまでも魔法による人の殺傷の禁止だが、だからといって素手や武器で人を傷つけても良いという問題でもない。
だが、それでも今は武器を手に取らなければならない。
それが今のコルベールの役目なのだから。
「……ル? ミスタ・コルベール?」
「あ、はい!?」
「どうなさったのですか? 突然俯かれて…」
698:ゼロの大魔道士(5/5)
08/01/10 09:08:56 U07pqYP/
ロングビルの心配そうな声にコルベールはハッと我に返った。
気がついて見れば彼女は心配そうに自分の顔を覗き込んでいるではないか。
顔と顔の距離が近い。
歳に似合わず純情なコルベールは思わず身体ごと仰け反ってしまう。
「こ、これは失礼!」
「いえ、ですが本当に大丈夫なのですか? 気分が優れないようなら…」
「いやいや、そんなことなど! この通り私は元気一杯で!」
ほっほっと飛び跳ねてコルベールは健康をアピールした。
頭部の汗がキラリと煌く。
刹那、ロングビルは二重の意味でコルベールの頭を心配した。
「そ、そうですか。ならばよろしいのですが…」
「ご心配感謝します。おっと、そろそろ授業の時間ですな」
「これは申し訳ありません。引き止めてしまって…」
「いえいえ、全く気にしていませんので…では!」
シュタッと手を上げるとコルベールはやや駆け足で教室へと向かう。
それを笑顔で見送ったロングビルはその姿が廊下を曲がったことを確認し、口元を吊り上げた。
「詳しい情報はやはり得られず、か…だが必ず手に入れて見せるよ、『鎧の杖』!」
先程までの楚々とした様子を一変させてロングビルは高笑いをあげる。
「み、ミス・ロングビルがあんな下品な高笑いを…あはは、これは夢なんだ、あはは…」
なお、たまたま通りかかったぽっちゃり型男子生徒がその光景を見て深く心に傷を負ったのだが、それはまた別の話である。
699:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:09:43 ZyMb0g21
アムド
鎧化支援
700:ゼロの大魔道士
08/01/10 09:10:14 U07pqYP/
投下終了。
原作にほとんどなかった二人の会話は難しい…
701:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 09:14:21 BOrQe9I3
おつー。
続き楽しみにしてます
702:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:17:42 qhHVv8KI
大魔道乙。
この調子だと、鎧の杖はポップがアムドしちゃうのかな?
なんて短絡的な考えをしてしまう。
wktk。続き期待。
703:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:39:08 +icGyz/+
いや、コッパゲ先生を守る最強の鎧さ、特にその頭頂部を!
……兜部分ってまず最初に外れるイメージがあるな
>>687
「会話の中にルーンを紛れ込ませた」とか言えばちょっとはごまかせるんじゃね?
704:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 10:52:12 kr5dq3cd
アムドの予感!
それはそうと、このポップはブラックロッドを持ってきているんだろうか?
705:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:25:02 1N/oSzty
最後にバーンに殴りかかって折れただろ
706:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:33:14 HuAzX3zj
某所ではいきなり空から降ってきたから
原作知らないやつがつい聞いてしまったんだろ
707:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:35:02 wRBz/V9c
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__) 召還多過ぎだろ
| ` ⌒´ノ 常識的に考えて
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
708:Mr.0の使い魔
08/01/10 11:35:33 ghccOaP0
大魔道士の人乙でした。
さてさて、久しぶりのトゥーカ宣言。
何事もなければ五分後にトゥーカします。
709:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:39:00 pMBlprmX
支援しつつマジレス
>>707
「召還」だと帰してるぞ
710:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:42:40 uwLowpcb
>709
召喚と書くところを召還と誤記してるやつが多いって言ってるだけだろ常考…
召還のレス抽出数2
あれ?
711:Mr.0の使い魔 第三十三話(1/5)
08/01/10 11:42:51 ghccOaP0
ぐらりと傾くルイズの体。倒れ込む彼女を前に、クロコダイルは何も
できなかった。助ける気がなかったから、ではない。
全く同じタイミングで、クロコダイルの視界も黒一色に染まったのだ。
咄嗟に右手をつかなければ、今しも甲板に投げ出された死体のように、
グリフォンから転がり落ちていた。このように自分の事で手一杯であり、
他の行動ができなかったのである。
後ろの【遍在】が弾けて消える音で、不規則に揺れるクロコダイルの
意識はようやく安定した。血相を変えたワルドがルイズを抱き起こす様
を視界に捉えつつ、疑問を漏らす。
「何が、起きた……?」
戦いで傷を負った訳ではないし、特に体調が悪いなどという事もない。
だと言うのに、何の前触れもなく意識が飛んだのだ。不審に思わない方
がどうかしている。
「気を失っただけ、みたいですね」
クロコダイルの疑問が聞こえたのだろう、ワルドが幾分安堵した声で
答えた。どうやらルイズの身を気にかけての言葉だと受け取ったらしく、
クロコダイルの変調にはまるで気づいていない。
望んでいた返事ではなかったが、不調を悟られるよりマシか、と考え
直した。既に雨で力が使えない場面を見られているのに、これ以上弱点
を晒すなど論外である。
今のワルドの勘違いを利用できるように、クロコダイルは次の言葉を
選んだ。
「魔法の使い過ぎ、か?」
「それもありますが、一番の原因は皇太子の死でしょうね。
今まで精神的に無理を重ねていたところに、強いショックを受けて気絶した」
「ふむ……港に着くまで、休ませた方が良さそうだな」
「ええ。船長!」
足早に船内へ向かうワルドの背を眺めながら、クロコダイルは小さく
唸った。ルイズが気絶したのは心労が積み重なった故にで説明がつくと
しても、自分については心当たりすら浮かばない。まさか本当に『呪い』
という事もないだろうが、理由がわかわからないままでは困るのだ。事
は自分の命に関わるかもしれないのだから。
思考を巡らせるクロコダイル。
その下では、彼を乗せたままのグリフォンが、居心地悪そうに甲板を
引っ掻いていた。
Mr.0の使い魔
―エピソード・オブ・ハルケギニア―
第三十三話
小綺麗なベッドにルイズを寝かせ、ワルドは傍らの丸椅子に腰掛けた。
ルイズは規則正しい呼吸を繰り返しており、平穏そのもの。うなされる
様子もない。
しかしながら、ワルドは未だ不安を拭いきれなかった。息をするたび
上下する胸の動きはごく僅かで、顔も多少青ざめている。少し離れれば、
死体と見間違えそうだ。
712:Mr.0の使い魔 第三十三話(2/5)
08/01/10 11:44:26 ghccOaP0
死んだように眠る、という表現はワルドも聞いた事がある。しかし、
実際にワルドが思い浮かべたのは、眠るように人が死ぬ場面であった。
あの時、握った手が温度を失い、冷たく重くなる感覚は、思い出すだけ
でも震えがくる。
急に怖くなって、ワルドはルイズの手をとった。温かい。冷たくない。
そこにある命を確かめるように、ワルドはじっと目を閉じる。
(……む)
瞼の裏に、甲板の光景がぼんやりと浮かび上がった。いつもの癖で、
使い魔と感覚を共有してしまったようだ。あるいは、見たくない現実、
不吉な可能性から逃げるために無自覚なまま行ったか。どちらにしても、
感傷を振り払う手助けになった事に苦笑する。空を映し出すグリフォン
の視界では、見覚えのあるフネがゆっくりと近づいていた。
「おい、ありゃあ『レキシントン』号じゃねぇのか?」
水夫の一人が発した声に、クロコダイルはふとそちらを向いた。雄大
なアルビオン大陸を背にして、大きな軍艦がこちらにゆるゆると近づき
つつある。向きの関係で片舷しか見えないが、側面に突き出した何十門
もの大砲は壮観だ。一斉射でどんな相手でも撃破できるだろう。
その『レキシントン』号から、四頭の竜が飛び立った。タバサの引き
連れているシルフィードとは違い、くすんだ紅色の鱗で体を覆っている。
青い鱗のシルフィードは風竜、では、赤は火竜か。
「船長はいるか!」
一頭が甲板に降り立ち、鎧兜を着た竜騎士が船長を呼びつける。残る
三頭のうち二頭は空賊船の検分に向かった。最後の一頭が上空を旋回し、
いざ事あればすぐさま対応できるよう警戒している。
竜騎士はへつらう船長と二言三言交わすと、今度はクロコダイルへと
歩み寄った。フルフェイスの兜の中に、鋭い瞳の光が垣間見える。
「空賊共と戦ったのは、お前か」
「行きがかり上だ。アルビオンに着く前に空賊に殺されるなんて冗談じゃねェ」
グリフォンの背から降りると、クロコダイルはそう嘯いて不敵な笑み
を浮かべた。相手に侮られず、かといって強く警戒もされないように、
匙加減を調節した態度。思い通りに事を運ぶには、こうして使いやすい
駒を選び、それに適した対応をしてみせなければならない。
竜騎士はクロコダイルの内心に気づいた様子もなく、兜の奥で小さく
笑った。味方だとわかってすっかり安心している。
「違いない。まぁ、理由はどうあれ、このフネを守ったのだ。
ここ最近は空賊騒ぎが続いて、少なくない物資が奪われていてな。
それを討ち取ったとなれば、港で何かしらの報償が出るだろう」
「そいつは結構。働いた甲斐があるってもんだ」
思惑を隠して笑い合う二人。と、そこでグリフォンが身じろぎする。
次に気づいたのは竜騎士だ。グリフォンの嘴が向いた先を目で追ったか
と思いきや、途端に不機嫌になった。クロコダイルもまたそちらに目を
向け、甲板に出てくるワルドを見つける。
713:Mr.0の使い魔 第三十三話(3/5)
08/01/10 11:45:37 ghccOaP0
一瞬の沈黙。
最初に開いた竜騎士の口から、多分に嫌味を含んだ言葉が飛び出した。
「これはこれは、ワルド子爵ではないか。
クロムウェル閣下直々の御命令を受けたと聞いたが、こんなところで油を売っているとはね」
「その御命令故に、だ。彼と協力して任務を遂行した」
切り返すワルドは淡々としたものだ。やはり元々が部外者であるから、
組織内での風当たりも強く、すっかり慣れてしまったのだろう。
「まさか空賊退治などと言うまいな」
「説明するより、見た方が早い」
ワルドはグリフォンに向かって右手を挙げる。意図を理解した使い魔
が数歩後ろに下がり、体躯の影から覗くウェールズの亡骸。
それまで余裕綽々だった竜騎士が、あからさまに狼狽えた。
「なッ!?」
「これが僕の受けていた命令だ。ついては、至急閣下に連絡して頂きたい」
「……承った」
動揺をひた隠しに短く答え、竜騎士は愛竜の背に跨がる。二度、翼を
波打たせた竜は、逃げるように『レキシントン』号へと飛び去った。
「何も、仰らないのですね」
遠ざかる竜の見送りもそこそこに、ワルドはクロコダイルに向き直る。
抑揚のない声を聞いたクロコダイルの口が、三日月を描いた。
「少なくとも、今どうこうする気はない。利害はぶつからん筈だからな」
「利害、ですか」
「そうさ。クロムウェル閣下とやらの覚えめでたい子爵なら、口利きぐらいは簡単だろう?」
さも当然と言わんばかりのクロコダイルに、気を張っていたワルドの
方が面食らった。忠誠を誓うとまでは言わずとも、クロコダイルは一応
トリステイン側の人間である。加えて、裏切るに足るような理由もない。
そんな男が敵への紹介を要求するなど、ワルドの想像の枠の外だ。
「確かに面会ぐらいなら……まさか、首でも狙うのですか?」
「それこそまさか、だ。落ち目ならともかく、隆盛の貴族派を潰すのはもったいない」
「もったい、ない?」
妙な口ぶりに、ワルドは思わず聞き返した。クロコダイルの言い草は、
とても人間や組織に向けたものではない。金の浪費、食材の無駄遣いを
戒めるような。あるいは道具、それも消耗品の類いを効率的に使え、と
言っているようだ。
クロコダイルはそれ以上この話を続けようとはせず、別の問いかけを
ワルドに向けた。
714:Mr.0の使い魔 第三十三話(4/5)
08/01/10 11:47:45 ghccOaP0
「それより、子爵。ルイズはいいのか?」
「【遍在】を一人残して来ましたから、何かあればすぐわかります。
今は容態も落ち着いていますし、安静にしていれば大丈夫とは思いますが」
「そうか。なら、いいさ」
満足げに頷くクロコダイルを、ワルドは冷たい目で見つめる。現状は
可もなく不可もなく。少なくとも、トリステインへ、ルイズへと裏切り
行為が発覚する可能性は減った。不本意だが、ルイズが眠っている事が
ワルドにとって幸いしている。
今のうちに、クロコダイルの真意を見定めなければならない。相手の
計画や行動原理を知らなければ、戦場では容易く足下を掬われるのだ。
ワルドから見て、クロコダイルは頼もしい味方ではなく、狡賢く難解な
敵であった。
王都トリスタニア。
間もなく正午を回ろうかというこの時間、表通りであるブルドンネ街
は活気に満ち溢れている。しかしながら、一つ路地を入った別の通り、
チクトンネ街に人気は皆無だ。このチクトンネ街はいわゆる“夜の顔”で
あり、昼間に人がいないのは当然と言えば当然なのだが。
その数少ない人の中に一人、眠たげにあくびをする美女がいた。長い
髪をそよ風に揺らすのは、ロングビルその人。
「くぁ……久しぶりの徹夜は、少しツラいねぇ。考えたくないけど」
ロングビルはクロコダイルの指示通り情報を集めるため、前の職場に
顔を出したのである。改めて着た下着じみた給仕衣装は非常に羞恥心を
煽ったものの、仕事のためだと割り切った。色仕掛けに便利だとは言え、
以前はよく平然と着ていたと思う。あの格好でオスマンに尻を揉まれた
時、爆発しなかった過去の自分を褒めてやりたい。
その後秘書に転職した結果が日々のセクハラ三昧、さらには大悪党に
従えられる現在に繋がっていると考えると、全力ではり倒して御破算と
していた方がマシだったかもしれないが。
これ以上思い出を穿り返すとネガティブな方向へ突っ走りそうなので、
ロングビルは軽く頭を振る。気持ちを切り替え、集めた情報を整理する
事にした。身分の貴賤を問わず、酔っ払い客数十人から聞き出した情報
を、順序立てて並べ替え組み立てる。
715:Mr.0の使い魔 第三十三話(5/5)
08/01/10 11:48:54 ghccOaP0
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。二十六年前、地方領主
の一人息子として生まれ、両親の愛を受けて育つ。快活な少年時代。
約十五年前、元々持病を患っていた母親が他界。その後半年ほどは、
ひどく塞ぎ込んで別人のように陰鬱だったと言う。
母の死から半年後、隣であるラ・ヴァリエール領内で開かれた園遊会
にて、公爵の娘達と交友関係を持つ。これをきっかけに、以前の活力を
取り戻した。特に仲が良かったのが、ルイズの一つ上の姉、カトレアだ。
その後は積極的に魔法を学ぶようになり、加えて魔法以外の分野にも
広く興味を持ち、貪欲に知識を吸収した。この時期に屋敷で働いていた
というある衛士は、真夜中になっても灯の消えない部屋を見て感心した
そうだ。
十二年前、十四の時にトリステイン魔法学院に入学。この頃には、既
に優秀な風のトライアングルメイジとして噂が広まっていた。なおかつ
勉学一筋という訳ではなく、他の生徒と良好な交友関係を築いている。
ちなみに、当時からモテたそうだが、全ての求愛を即座に断ったとの事。
それで『閃光』のあだ名がついたと、同級生らしい貴族の青年が苦笑を
交えて語ってくれた。
十年前、父である子爵がランスの戦で戦死し、爵位と領地を相続する。
魔法学院三年生だったワルドは学院を中退して仕官、魔法衛士隊に配属
された。魔法学院で契約した使い魔であるグリフォンを伴っていたため、
グリフォン隊の見習いとして職務に励む。それと前後して、懇意だった
ヴァリエール家との交流が疎遠になり始めた。
その後は訓練と任務を繰り返す中で功績を重ね順調に昇進、三年前に
副隊長のポストを得る。また魔法の実力も成長し、トライアングルから
スクウェアへと昇格した。
一年前、前任のグリフォン隊隊長が加齢を理由に軍を退職、引き継ぐ
形でワルドが同隊隊長に任命されている。以後、それほど目立つ活躍は
ないが、政情不安定なアルビオンを探っているらしい。
「―酒飲み話じゃあこれが限界かね。
それにしても……よりにもよって、アルビオンか」
眩しい陽光に手をかざしつつ、空を見上げるロングビル。少しの間、
彼女は雲の彼方を見つめていた。
...TO BE CONTINUED
716:Mr.0の使い魔
08/01/10 11:49:41 ghccOaP0
以上、第三十三話トゥーカ終了です。
717:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 11:51:37 pMBlprmX
読み耽ってて支援し忘れてたすまん
GJ!
しかしまったく展開が読めない
718:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:12:14 +icGyz/+
仮に、テファに危険が及ぶようになったときにマチルダがどう動くのか
しかしゾクゾクするなGJ
719:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:45:31 HtKkplis
ミデアで突撃
720:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:47:59 awUtM+P+
ダンバインのSS書こうかと思ったけど、死ぬほどガイシュツっぽいな
721:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 12:49:20 HtKkplis
既出でも良いから書けよ。
722:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:07:20 fdsyTe9R
みな待っているぞ
723:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:43:44 5q/irt34
アムドって言う言葉聞いてアムドライバー思い出した
724:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 13:56:10 uwLowpcb
>アムドライバー
これが若さか……(27歳)
725:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:11:40 6XTvaIEx
若いって…イイよな…<同じく27歳
726:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:16:09 VX4OBP5M
どっちもわからない22歳
ドラクエ漫画はロト紋だろ常考
727:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:20:50 txEVEsf0
どっちもわかる21
DQはダイ大以外ないだろJK
728:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:24:46 t3+5rsSk
え?ドラクエ漫画といえば4コママンガ劇場でしょ?
としかいえない33歳足骨折療養中男
729:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:25:22 6XTvaIEx
ブラックシーザー格好良いよねブラックシーザー。
ダイ大もロト紋もどっちも肯定する蝙蝠っす。
730:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:31:49 BmSB6zLr
モンスターズ+を忘れたらだめだろ
731:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:38:47 +icGyz/+
>>730
だって打ち切られたジャン……
今からでも続きかいてくれねーかなー
732:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 14:58:23 mYl128sP
>>730
しかしモンスターズに出てきた2の王子ロランだったかな?ゼロ魔世界の価値観の全く逆
を行く人物だよな~ 全く魔法が使えないがその身体能力のみで破壊神を破壊した男って
呼ばれてたからなあ、召喚されたら面白いかもしれない。
733:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:11:42 DNTirXIR
突如、真・女神転生IIIの主人公にして、DDSアバタールチューナーの隠しボスたる
人修羅を召喚しようとして、既にされてて愕然。
内容が恐ろしく被ってそうですが、投下しても構いませんねッ!
734:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:14:51 uwLowpcb
支援しつつカモン~
735:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:14:52 Gzv0JL6S
>>733
召喚したくて小説版を買ってあの言い回し再現出来なくて頭痛めてる俺が支援する
736:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:19:24 +icGyz/+
>>732
価値観は同じだろ
要はメイジ殺しのものすごいバージョンだと思えばいい
魔法も破壊の杖も使わずに30メイルのゴーレムを破壊して7万人をボコれば化け物だと思われるさ
支援
737:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:20:07 a4lxJXWd
ユベル召喚・・・・。
とりあえずタバサとルイズとガリア王(の心の闇)はぺろりと食べられそうです
738:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:24:13 Gzv0JL6S
サビてたら鋼の剣相当だろうデルフ一本でゴーレム文字通り八つ裂きにしそうだもんなロランは……
ともかく支援。
まだかな?
739:ゼロの魔人――0話
08/01/10 15:30:13 DNTirXIR
>>735俺も再現出来てないのです。勘弁ください。
元ネタは、真・女神転生IIIと、マニアクス。
小説版に、アバタールチューナー隠しボスのステータス。
それらの都合の良いとこどりで宜敷く。
ゼロの魔人―0話
ひとつの世界が死に、彼は産まれた。
数多の敵を鏖殺し。
全てのコトワリを否定し。
天上に耀くカグツチさえも打倒して
世界は、新たに生まれ変わる力を失った。
創世は成されなかったのだ。
辺りは、際限ない闇と混沌に満ち、
純然たる悪魔へと変貌をとげた少年は、
時間の概念さえ失われた其処に、独り佇んでいる。
彼は待っていた。
曖昧な悠久を享受し、それを待っていた。
そして、静かにその時は訪れる。
彼は、それが何であるかを知っている。
それが、主従の契りである事を知っている。
それが、次なる創世の始まりである事を知っている。
躊躇う事なく、咫尺に揺蕩う銀の水面へ体を沈め、
久しく発する事の無かった言葉を紡ぐ。
僕の名は―
740:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:34:19 DNTirXIR
ゼロの魔人―1話
少女は、爆風に乱れ、焦げてしまった、
桃色の艶やかなブロンドを気に留めるでもなく。
振り下ろした杖が消し炭と化し、
爆裂四散した事に気を病むでもなく。
爆発の衝撃で煤に塗れ、割れてしまった綺麗な爪の痛み、
ボロボロの衣服に気が立つでもなく。
まして、幾人かの親しくも無い学友が、
先の爆発に巻き込まれ昏倒している事に気が差すでもなく。
唯、目前に広がる結果に嬉嬉と、不安をない交ぜした様な、
何とも形容しがたい感情に囚われ、戦慄いていた。
今日は、トリステイン魔法学院に於ける春の使い魔召喚の儀式その日であり、
今後の魔法使いとしての属性を固定。専門課程への移行。
更には、二年への進級試験も兼ねる重要な役割を担うものである。
例年通り執り行われたそれは、稀に見る優秀な成果を呈し。
一抹の心配事を内包するも、つつがなく儀式は進行していった。
そして、此度の担当教員、額の後退も著しい中年の男コルベールは、
召喚儀式最後となる生徒の名を呼び上げる。
「ではミス・ヴァリエール、前へ」
「はいッ!」
呼ばれて少女は、桃色のブロンドを揺らし、その鳶色の瞳を決意の炎に燃やして、
意気揚々と広場の中央に踊り出た。
そして、同時に蔑みと嘲笑が巻き起こる。
しかし少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、
外野の物言いを燃料に殊更燃え上がり、朗々と召喚の呪文を詠唱した。
“ゼロのルイズ”
つまりは、魔法成功率ゼロの蔑称。
コルベールは喧騒を諌めながら、それを見守っている。
(見てなさいッ! アンタ達なんかとは次元の違うッ!
神聖でッ! 気高くッ! 美しいッ!
ハルケギニア史上最強にしてッ!
至高の使い魔を喚んでやるんだからッ!)
唱え上げる呪文に、あらんかぎりの願望と欲望を練り込め、
掛け声と共に力の限り杖を振り下ろす。
741:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:36:21 Gzv0JL6S
支援
つい書きながらかと疑った
スマン
742:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:36:48 DNTirXIR
―ルイズは正気を取り戻した。
失敗かと思われた禍禍しく、青黒い放電を纏った大爆発は漸く静まり、
突き出していた、脈打ち疼く指先を意識せず庇いながら、面前に佇むそれを値踏みする。
(成功……した? なにこいつ? 平民?
あの身体中の斑紋様はなに? なんで上半身裸なわけ?
何処の辺境から来た部族よ?
えっ? 首の後ろ……ツノ?
えっ? オーク? 亞人なの?
こんな幻獣や魔獣、見た事も聞いた事も……あぁーもぉーッ!!)
「アンタなんなのッ?!」
言葉尻もぶっきらぼうに、沸き立つ怒りを、己が目睫の先に立ち尽くすそれへぶつけた。
一見すれば青年の様であるそれは、その肢体を覆い尽くす呪咀的なラインの刺青。
首の後ろから飛び出る黒く不気味な、鋭い突起物。
そして全体から滲み出る妖婉な雰囲気が、正体の判別を更に難航させる。
ルイズは、何も応えないそれにやきもきしながら、次いで言葉を投げつけようとして阻まれた。
「僕の名は人修羅……魔人、人修羅」
「ッア……なんだ、ちゃんと喋れるんじゃない。“ヒトシュラ?”って、変な名前。
アンタ魔人なの? 通りで見た事も聞いた事も無いはずだ……わ?」
油断していたのだろう。
地を丸出しに、自然と受け答えながらルイズ。
月まで吹き飛びそうな意識の手綱を引き絞り、
今し方聞いた言葉の意味を、自慢の頭脳総動員で以て咀嚼する。
(良かったぁ、平民じゃ無いのね。
ヒトシュラって、なんかダサいけど、この際まぁ良いわ。平民じゃ無いんだし。
ところで平民じゃ無かったらなんなの?
……そう魔人よ。コイツが自分で、そう云ったじゃないッ!
じゃあ魔人ってなに?
そのくらい知ってるわ。神話や伝承に登場する神にも近しき存在よッ!
じゃあ、この目の前に居るコイツはなに?
そんなの決まってるわッ! 私が呼び出した神にも近しき使い魔よッ!
嘘……でしょ?……)
「ミスタ・コルベ―」
ルイズは、己の許容量を容易く崩壊させる事態に助力を求めるべく、
教員の名を呼びかけて、周囲の異変に気付いた。
突如として現れた伝説的存在に、羨望と疑惑入り乱れる喧騒の最中、
魔人を中心として、一触即発の空気が立ちこめているのだ。
実力上位の生徒は然る事ながら、コルベールに至っては、日頃の温厚な表情を忘れる程に、
険しい表情で顔をしかめ、今にも飛び掛からんばかりである。
ルイズは唐突に理解した。
己の喚びだした魔人を御せなかった後、訪れるであろう惨劇を。
魔人と云う強大で未知な存在に、気後れてる場合では無い事を。
743:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:38:24 DNTirXIR
(チョチョチョ……チョット皆、私の使い魔をどうする気よッ!
だッ……大丈夫よルイズ。自分で喚びだしたんじゃないッ!
きっと上手くいく。神にも近しき存在がなによッ!
カカカ軽く、傅かせてみせるんだからッ!)
「ちょっとアンタッ!」
一際大きな声を上げ、魔人との距離を一気に詰め寄ると、
視界の隅で狼狽する、頭髪寒々しい教員の事は歯牙にもかけず、言葉を続ける。
「アンタは私が喚びだした使い魔なんだからッ! 早く私の前に跪きなさいッ!」
一部の生徒とコルベールは凍り付いていた。
触れてはならぬ逆鱗に、剰えド級の破壊魔法を打ち込んだのだ。
天に御座す神も許してはくれまい。魔人ならば尚更の事だろう。
しかし、皆々の不安は良い意味で裏切られ、一同は愕然とした。
魔人が跪いたのだ。
その赤く揺らめく漆黒の瞳からは、憤り、憂い、共に無い事が窺い知れる。
ルイズは気を落ち着かせると、徐に予備の杖を抜き出し、召喚時と同様の調子で、契約の呪文を詠じた。
(マッ……魔人に初めてのキスを捧げるなんて、
なんだか凄い悪い事してるみたい)
胸中の検討違いな考えとは裏腹に、主従を契る口付けも滞り無く終り、
魔人の左手には、契約の証し足るルーンが刻まれる。
「終りました」
水を打った様に静まり返った広場に、儀式終了の言葉が響く。
唖然としつつも顛末を認め、いち早く我に返ったコルベールは、
しどろもどろにルーンを確認した。
「ふむ……こッ……これは珍しいルーンですね。その刺青も……あぁーいゃ失礼ッ!
さッ……さぁ皆さん、儀式は終了です。速やかに教室へ―」
責任者である職務を全うするコルベールの声を受け流し、
ルイズは再び、使い魔に目を向けようとする。
しかし、己が全身から、赤い光の粒を噴き出している事に気付き、
手足を見やり、それを観察した。
「なに……これ?……」
徐々に収束されたそれは、魔人の佇む其処へ光の川となり流れ、
少女の視界は突如、暗転する。
朦朧とする意識の中で凛とした声を聞きながら。
「僕の名は魔人、人修羅……今後とも宜敷く……ルイズ」
744:ゼロの魔人――1話
08/01/10 15:39:36 DNTirXIR
短くて済みませぬが、取り敢えず此処までです。
745:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:42:22 x48Wbbed
乙!
マガツヒ?ルイズのマガツヒを食った?
ノクターンの頃はあんなにもヒヨワンカーだったのにアバタールの人修羅様は
強くなられましたなぁ……あ~、久々にマニアクスを引っ張り出してプレイしたくなった。
746:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 15:44:08 Gzv0JL6S
乙
……激情家のルイズからなら少々多めに吸っても問題無さそうだな
747:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:00:41 iFD1pyp/
メガテン系列は大好物だよ GJ
748:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:14:10 PRq6lPCc
投下します
フーケのパートに入ります
749:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:14:38 PRq6lPCc
朝霧に包まれる学院
ダンテは眠るシエスタを医務室のベッドに運び、厨房へと向かった。
「うおおおぅっ!!!・・・アンタは恩人だ!俺たち平民の救世主だっ!!」
「ハッ 大げさだな。それより腹減ってんだ。ピザと例のアレ、頼むわ。」
しがみ付いて号泣するマルトーを振り払い、
朝食と昨日頼んでおいたモノを要求するダンテ。
「おう!バッチリできてるぜ!!これがマルトー特製のストロベリーサンデーだっ!!!」
それはイチゴの食材がふんだんに使われた、食べ物にも見えなくも無い"何か"だった。
「(・・・食えんのかコレ?)」
「ガァッハッハ!さあ遠慮すんな! さあ!」
「・・・マルトーさんよ。」
「まだまだ大量に作ってあるからな!好きなだけ取って食え!!」
「レシピを渡すから、今度は俺の知ってるストロベリーサンデーを出してくれ・・・。」
マルトーの厚意を無碍に断る事もできず、空腹という事もあって、
鍋一杯のストロベリーサンデーと呼ばれるモノを全部平らげてから、主人の待つ部屋へと戻った。
「気持ち悪い・・・やっぱ全部は止めときゃよかった・・・。」
「(オトコだね相棒は・・・)」
部屋に入るとルイズが凄い格好で寝ていた。
昨日の制服のままで、今にもベッドからズリ落ちそうだ。
よく見ると擦り傷が所々できている。
「何かあったのか・・・」
まあどうせキュルケ達と喧嘩でもしたのだろう。
そう納得すると、ルイズの着ている制服と下着を全部引っ剥がして、簡単な手当てを施す。
幼児体型には大して欲情しない。
それから汚れた衣類を集めて洗濯へと向かった。
自らの出生の事情もあって、子供の頃は人里から離れた山小屋で暮らす事も少なくなかったダンテ。
手洗いの洗濯も慣れたものであった。
「釜の薪割りは、いっつもアイツと取り合いの喧嘩だったな・・・。」
そんな幼い頃の思い出に耽っていると、誰かが近づいてきた。
見覚えのある幸薄い頭髪。ここに来た初日で会った奴か。
「やあ、君はヴァリエールに召喚された使い魔・・・だったよね? 確か名前は・・」
「ダンテだ。トニーでも構わないぜ。」
「ああ、ダンテ。私はコルベールだ。ここの教師を務めている。」
「見りゃわかるさ。んで、コルベール先生は俺に何の用だい?」
「うん、朝食が済み次第、ヴァリエールと一緒に学院長の部屋に来て欲しいんだ。
君の主人から色々聞きたい事があってね。」
「アレと何か関係があるのか?」
750:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:15:43 PRq6lPCc
ダンテの指差した方角にある大きな塔には大きな穴が開いており、
周辺の壁も含めた瓦礫が散乱した穴だらけの地面が、惨劇を物語っていた。
「今朝ここに帰ってから、一番に目についてね。ウチの御主人様は一体何をやらかしたんだい?」
「昨日の晩に賊が入ったらしくてね。ヴァリエールがそれを目撃した・・・というか、
それと戦っていた者の一人だった、という事なんだ。」
はじめは、ギーシュが巨大なゴーレムを対峙していたのを、
シルフィードでモット伯の屋敷から戻った、ルイズ、キュルケ、タバサの3人がそれに加わったという話だ。
「私は昨夜の当直では無かったからね。詳しい話を彼女達から聞き出さないと。」
「やれやれ・・・次から次へと面倒事が続くな。」
涼しげな風が学院に吹き渡る
使い魔が洗濯を終え、部屋に戻ると、そこには顔を真っ赤にさせた主人が、仁王立ちで佇んでいた。
ルイズが目を覚ますと、部屋の壁には見慣れた赤いコートが、ボロボロの姿で掛けられていた。
気づけば、自分の体は丁寧に拭かれており、昨夜に出来た擦り傷や切り傷に血止めが施されている。
手当てしたのは、きっとコートの持ち主であろう。
そう思うと、心の内には己の使い魔に対する敬意と信頼が廻っていた。・・・までは良かったのだが
「し、しゅ、しゅ主人をあられも無い姿に晒した上に、ドアを開けっ放しにするとは、どういう了見かしらっ!!!」
服を着せてなかった
「ああ、悪い悪い。両手が塞がってたんで、閉めるの忘れてた」
「忘れてたじゃないわよ!!!どどどどう責任とってくれんのよ!!」
頭に血が昇り過ぎて、自分でも何を言ってるのがよくわかってないルイズを、
自分なりの解釈と見解を持ってなだめようとするダンテ。
「責任ね・・。じゃあ後10年経ってどこまで発育するか様子を見てから・・・」
「このっ・・!!バカァーーー!!!!」
寮内に少女の怒号と爆発音が響き渡った。
751:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:16:39 PRq6lPCc
ルイズは黒焦げになったダンテを見下ろすと、それを足蹴にしながら朝食会場へと足を運んだ。
ダンテはそれを見届けると、颯爽と立ち上がり焦げ付いた身体を両手で払う。
防御も回避も十分間に合った筈だが、ルイズの機嫌をこれ以上損ねる訳にもいかず、甘んじて直撃を受けたのだった。
「それにしても相当タフだねアンタも」
あの爆発を受けながら、平然と立ち上がるダンテに、思わず言葉を漏らすデルフ。
屋敷で受けたダメージも、致命傷が幾つかあった筈なのに、その傷もいつの間にか無くなっていた。
「タフじゃなきゃ人生楽しめないさ」
学生達で賑わう朝食会場
そこでのルイズは、いつにも増して不機嫌な表情で、食事についていた。
「空いてるかしら?」
キュルケが右隣のイスへ腰掛ける。その向かいの席では、タバサが既に目の前の料理にかぶりついていた。
「今朝は粗末なモノを晒してたわよね」
「うううううるさいわねっ!!アッチで食べなさいよ!!」
今朝、ルイズの部屋の前を最初に通り掛かったのがキュルケでなければ、今日の朝食会場ではルイズの話題で持ちきりだったであろう。
キュルケはルイズと目を合わせると、「フッ」と嘲笑の笑顔で、開きっ放しだったドアを、そっと静かに閉めたのであった。
そんな彼女のさり気無い気遣いが、ルイズのイライラを更に助長させる原因となっていた。
鬼の形相で睨み付けるルイズに、キュルケは言葉を続ける。
「ダーリンも可哀想よねえ・・・こんな華も色気も無い主人の身体を弄らないといけないなんて」
「死にたいんなら早くそう言いなさいよ。・・・今楽にしてあげるから」
2人は右手の得物をスプーンから杖に持ち帰る。
一種即発の状況だったその時、向かいのタバサが呟く様に言葉を発する。
「ギーシュは重体。今日は来れない」
それから一転して、話題は昨夜の出来事で持ちきりになる。
「それにしても、・・・とんでもない相手だったわよね」
「あんなゴーレム、今まで見たことも聞いたことも無いわよ!」
魔法学院本塔の宝物庫を荒らしていたであろう盗賊、"土くれのフーケ"が作り出したゴーレムは、ルイズ達の想像を絶するモノであった。
噂に違わぬ巨体を誇るゴーレムの頭上には、おびただしい数の蝙蝠が飛び回り、その腕から繰り出される拳は雷を帯びていた。
その電撃を受けた青銅のワルキューレにうっかり触ってしまったギーシュは、見事に感電してしまい、医務室へと運ばれたのだった。
雷が荒れ狂う空模様の中で、タバサはシルフィードを飛ばす訳にもいかず、
ルイズ達はフーケが学院から遠のくその姿を、後ろでただ見る事しかできなかった。
「やっぱりアレって・・・」
「破壊の杖の力」
フーケの二つ名は"土くれ"
土系統の錬金を得意とするフーケが、風系統の、それもスクウェアクラスをも上回る程の雷を操っていたのである。
それは盗み出した破壊の杖を使用していたからに違いない。意見の一致した3人はそう結論付けた。
「とにかく、学院長には早く説明しておかないとね」
「でも・・・説明したところで、ウチの教師達や王宮の衛士が、あのゴーレムの相手を務められるのかしら?」
「「「・・・。」」(ムシャムシャ)」
「ま、まあ ダーリンがいるじゃない。何とかしてくれるわよっ」
「そ、そうよねっ 凄いんだから私の使い魔は!」
乾いた笑いがこだまする
752:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:17:15 PRq6lPCc
一方、シエスタの様子を見に医務室へと足を運んだダンテ。
そこに彼女の姿は無く、金髪の縦巻きロールを後ろに束ねた女子生徒が、一人ベッドの前で座っていた。
「あなたは・・・」
「よう、どこかで会ったか?」
女子生徒に面識は無かったが、その隣のベッドに横たわっていた男は見覚えがあった。
ああ、シエスタをここに運んだ時、こんなのが隣に居たような。
全身を包帯でぐるぐる巻きにされて、誰だか判別できない状態だったが、
その隙間から伺える、安らか、というか間抜けな表情。
「ギーシュ。・・・だったか?確か俺と遊んでくれた奴だよな?」
「え? 遊・・? えっ、ええ、そうでしたわねっ」
今朝方、コルベールが話した通り、ギーシュは盗賊のゴーレムと戦って、この有り様になったらしい。
何でも、傍らにいた自分を守るために必死で立ち向かったそうだ。
「私が安全な所に避難するまで、・・・本当に勇敢でしたの。」
「へえ、中々ガッツあるじゃねえか。気に入ったぜ」
顔を赤らめながらモンモランシーが説明すると、ダンテはそう言って、ギーシュに敬意を表した。
「ところでよ、コイツの隣でメイドが寝てたと思うんだが、見なかったか?」
「ああ、彼女なら私とすれ違いで、ここを出てきましたけども」
「そうか」
モンモランシーがギーシュの治療へここに来たのが朝食を終えてすぐ。医務室を出たのは、ついさっきだ。
怪我も負ってはいなかったし、マルトーから今日は休みを言い渡されているはずだから、もう大丈夫だろう。
「そろそろか・・・」
ダンテはコルベールの言っていた事を思い出し、学院長の待つ部屋へと目指す。
「んじゃ、邪魔したぜ。コイツが起きたら伝えといてくれ、仇は取っておいてやるよ。
それから、また遊ぼうぜってな。」
ダンテはモンモランシーに早口でそう捲くし立てると、医務室を後にした
753:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:18:11 PRq6lPCc
遡ること先日の夜
「チッ、 やっぱ正面からは無理か。」
"破壊の杖"奪取を目的とする土くれのフーケは、魔法学院本塔の宝物庫前で立ち往生していた。
扉に掛けられた固定化の魔法、この部屋の壁を打ち破るには、物理衝撃による破壊の他無いと、調べはついている。
しかし、その対策として塗り込められた分厚い壁は、フーケのゴーレムを持ってしても、簡単に打ち破れるものではなかった。
「イチかバチか、・・・やってみるしかないようね。」
多少、騒ぎになるだろうが、オスマンは先日から外泊中、あの得体の知れない使い魔も居ない。
今このときがチャンスであった。
フーケがそう判断してから、塔の外へ回り込もうとした瞬間、宝物庫の扉が突然開きはじめた。
「バカな・・!一体誰が!?」
暗闇の広がる宝物庫の奥から人影が見える。
全身が土気色の裸婦が赤毛の長髪をなびかせながら、こちらに近づいてきた。
「フフフフフ・・・」
妖しい雰囲気を漂わせながら獣の様な鋭い眼差しで、こちらを見つめる裸婦に対して、フーケは指1本動かす事ができなくなっていた。
心臓を鷲掴みにされている様な、今まで感じたことの無い恐怖と緊張感に包まれる。
そんなフーケに、裸婦の唇が耳元に近づき、この世の者では無い様な声で囁いた。
「アナタ・・・、面白そうな力を持ってるじゃない。ホラ、私も起きたばかりだし、・・・目覚めの運動に付き合ってみない?」
その言葉を聞いたのを最後に、フーケの意識は深い闇へと沈んでいった。
その翌日、
オスマンを含む多数の教師が、コルベールの調査を踏まえて、フーケの目撃者である3人の生徒達の話を聞いていた。
「それでは、あの塔に開いた大きな穴は内側から開けられた、と?」
「はい、それも雷の力を使って。恐らく破壊の杖かと・・・」
「ふむ、破壊の杖か・・・」
「それと・・・宝物庫の中でこんな物が・・・」
コルベールが差し出したのは、ロングビルの眼鏡。
754:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:18:56 PRq6lPCc
「ミス・ロングビルの身に一体何が!?」
「ひょっとしてフーケの姿を見てしまった為に・・・」
「いや、ひょっとしたら、ロングビルそのものが・・・」
今日一度も姿を見せてない彼女という事もあって、この場は騒然となっていた。
「事の真偽がハッキリしない今、いらぬ詮索は禁ずる」
目を大きく見開いたオスマンが、珍しく険しい顔つきでそう答えた。
「現場に彼女の身に付けていた装備品、少なくともミス・ロングビルは、
土くれのフーケの近くに居る、あるいは捕らえられている可能性がある。という事じゃ。」
"捕らえられている"という言葉に、コルベールをはじめ、教師と生徒達は凍りつく。
その日の当直だったシュヴルーズは今にも失神する寸前だった。
「それを踏まえてじゃ、これよりミス・ロングビルの救助を優先とした捜索隊を編成する。
じゃが、その先にはフーケとの衝突が待ち構えておると考えても良い。さあ、我こそはと思う者は杖を掲げよ。」
杖を掲げようと迷う者、目を背ける者と様々であったが、一貫して杖を上げる者は出てこなかった。
「何じゃ?誰もおらんのか・・・情けない。ミス・ロングビルの窮地を救う者はおらんというのか!」
「・・・私が」
その杖を掲げたのは目の前にいたコルベール
ロングビルに抱く淡い恋心、盗賊によって搾取されたという怒り、
そんな思いを廻らせている無意識の内に、杖を掲げてしまったようだ。
コルベールの真の実力や生い立ちを知らない教師達は、皆騒然となっている。
「院長が先に述べた通りに、先ずはミス・ロングビルの救助を最優先とします。
それで異論はありませんね?」
「うむ、まあ、それもいいかのう」
「私も志願します!」
次に杖を掲げたのはフーケ目撃者の一人で生徒のルイズ。
「ルイズ!一体何を考えているのです!あなたは生徒なのですよ!?」
「だって!誰も上げてないじゃないですかっ!!」
本当は一番に上げる筈だったのに、コルベールに出鼻を挫かれて、多少イラ立っている。
次にキュルケ
「しょうがないわねぇ・・・。ヴァリエールの尻拭いはお任せ下さい」
「なななな何ですって!!!!」
最後にタバサが
「上空での偵察、援護等でお役に立てます」
「いいのタバサ?あんな雷じゃ、シルフィードもそう長く飛ばせないわよ」
「心配」
心配するキュルケにそう答えるタバサ。まだ他に何か考えがあるようだ。
「私がこの眼鏡を頼りに、探知の魔法でミス・ロングビルを辿ります。」
「では、馬車を手配しよう。それで向かい、残りの3人は魔力を温存するのじゃ。」
755:悪魔も泣き出す使い魔
08/01/10 17:19:46 PRq6lPCc
投下以上です
756:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:26:44 sYeCRoBL
インキンタマタマって感じだな
757:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:28:39 sYeCRoBL
うほ。誤爆スマソ
758:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:44:25 f+0gkTe9
GJ!!
コルベールがここで一緒に行くのって初めてかな
759:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 17:51:32 58xHGkXx
>>758
一応避難所の作品で一つあった。
他は……ちょっと覚えてないや。
760:やわらかいやつ
08/01/10 17:59:49 gpOC59aM
ぼー とみのさん見てたら2話が出来ていたので6時20分ほどに投下しても宜しいですか?
761:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:15:33 Dg2m0ALB
支援全員後退