08/01/09 20:26:22 ilku+q8v
イントロ
世界は腐っている!!!この世界は須らく是正されねばならない!しかし!
唐突に世界を統べても愚民共にはまずついてこれまい!
そこで一国!
しかし息切れを回避するためあえてもう一声!
これでもう安心!無理なく世界西部区の第一歩!
即ち我われの目標とは・・・
市街征服!
-----------------
「ああなんだってまた、あたしがこんな事をしてるんだ」
平民が経営する居酒屋でフーケ(本名 マチルダさん 25歳)がぼやいていた、盗賊をしながら生活費を稼いでいたがある日
あやしげな格好をした青年に拉致されいつの間にか世界征服を企むヒミツ組織の構成員にされ、
何故か病弱で有名なエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール(略して ハッちゃん
)を同僚に活動費を稼ぐ為に今日も居酒屋でセクハラに耐えるのだった!!!
「ゲフっ」
「うわあああなんだこの女、血を吐いてるぞー、水のメイジを呼べー」
居酒屋でハッちゃんの脈を確かめたメイジ風の男が絶望に落ちた
「駄目だ、脈が無い」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
じゃらじゃらじゃら
「ごぷぅ、あらあら、また気を失ってしまいましたわ」
「な、なんだその薬は!」
「気にしない気にしない」
そしてバイトに戻ったフーケの客は見るからに恰幅の良い爺様で
やたら触ってくるので、ついに切れたフーケはジャーマンスープレックスを決めるとシュプレヒコールが鳴り止まなかった
店のオーナーが張り付いた笑顔で「きみ、首ね」そしてフーケはまたバイトを首になったのである
そして数日後
「ああ、もうはしばみ草しか食っていない・・・」
フーケがアジトでだれているとフクロウが手紙を持ってやってきたのであった
つづく
480:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:29:40 pnnvqOvK
>>479
煽り抜きにお前は色々と間違っている
481:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:33:43 GjzD23kS
>>479
ノリは良いんだが設定のつめが甘いな
482:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:35:48 ePOd+ZqH
FF7よりジェノバを召喚
FF7とまったく同じ世界になりそうだ
483:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:38:02 ilku+q8v
マチルダサーガ 第一話
えー私が今現在どの様な状況下と申しますとー
あの後 校長に拾われて秘書を続けたのですが
お宝に目が眩み監獄のような所に入れられて
鉄格子もものものしく流石に素直には外に出して貰えそーもないので
こーして食事用のスプーンでもって地道に脱出を試みているわけです
「テファどうしてるんだろうねぇ」
「困ってるだろーなー」
!
「出た!」
陽の光に感動したフーケは即座に警備員に見つかり監獄に戻されたのでした
そして政治犯たちを扇動して脱獄を図るのだが
「走れー」
「畜生!グリフォン隊を舐めやがって!各自魔法は任意!!」
何故か仮面を被った髭もじゃが居たような気がするがフーケは全力全開で馬屋に走ると馬で逃げ出した
馬で逃げ出す最中にレンコンキスタだのわめく髭もじゃが居たが
それに気づく事無く疾走した
「だから、私の話を聞けって ガクッ」
運悪く本物のワルドに当たってしまった為、グリフォン隊は長期休暇となったのは余談
つづく
484:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:38:53 th7OX0tF
>>479
世界西部区が素でわからんかった
世界征服の誤字か
あとマチ姉をさらりと2歳も年を取らさせるなってところと、病弱なのはカトレアだろうってところか
つーかスレの趣旨的にイルパラッツォをちょっとでいいから出せ
最後に、ハイテンションエクセルを期待した俺に謝罪を要求する
嫌いじゃないけどね、このノリ
485:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:39:10 HWcwFJfe
タシロータシローだっけ(ジュノバ
486:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:42:00 47KACHD+
書きながら投下してるっぽいね
まだ冬厨居たのかよ
487:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:45:57 ilku+q8v
しまったカトレアとエレオノール間違えた
これはもう駄目かもしれんね
イルパラッツォはいわゆるボスであるからして、表には出てこない
これは定説
488:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:48:09 xLExXp+L
>>487
それ以前の問題だ
489:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:57:16 BT9G64qw
>>454>>461
そうだ!怪人二十面相を召喚すれば(ry
490:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:13:27 DxC/Re7z
小ネタなら、むしろルイズが召喚する場面にホーリーブラウニーのフィオとビオラでも係わらせたらどうだ?
491:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:20:43 uD8tIGlL
確実にR指定になるけどなww
492:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:20:45 cBSH9kU9
>>490
ちゃんと優秀な使い魔を召喚させてやるつもりだったのに羊達の沈黙に出てきそうな奴を召喚
「なんであんたはそうやって話をスプラッタ方面にもっていきたがるのー!?」
「えー、だってぇー」
結局リセットしてサイトが召喚されたことに
493:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:24:48 dumTKQnA
>>492
レクター博士が召喚されたらみんな喰われちまうよ。
まあシエスタだけは殺さないような気がするけどな。
恩人の叔母を思い出して。
494:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:31:04 th7OX0tF
>>492
むしろ、優秀なやつやら美形なやつやら本気でオーバースペックなやつを召喚させてみる
→どっかで破綻を起こして失敗
→時間を戻す
を繰り返してみて、最終的にうまくいったのがサイトだった、っていう方がぽい気がする
495:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:36:12 HWcwFJfe
ルイズはGPMみたいに無意識のうちにループさせてるのか
496:使い魔を買いに
08/01/09 21:38:12 enTOi7Nz
実に実にお久しぶりです。投下させていただきます。
497:使い魔を買いに
08/01/09 21:39:15 enTOi7Nz
右腕部各関節は可動域の限界を超えるか超えないかまで捻りあげられ、左腕は押し潰さ
れる格好で体の下から動かない。動かすことができるのは左手の指が精一杯、開閉させて
土をかき出すことくらいしかやれることがない。
「うぅ、ぐっ……いたっ! 痛い! どきなさい下郎! 汚らわしい豚の分際で!」
いたいけな少女の悲痛な叫びが暴漢の鼓膜を震わせているとしても、その意味が脳まで
届いているかどうかは別問題だ。豚に似た暴漢が人語を解するという可能性が無いわけで
もなかったが、少女の命令に従うかどうかというのもまた別問題だ。
髪を掴まれ、額から顎にかけて満遍なく地面に押し付けられた。口の中に泥や砂が侵入
してきて、頬の内側からにじみ出ていた血と混ざる。苦くて酸っぱい。世に言われるとこ
ろの「敗北の味」というやつだろう。顔を擦りつけられて何もできない無力感が、わたし
の体と心から抵抗する力を奪っていく。
力が抜けたところで無理やりに立たされ、そのまま宙吊りにされた。わたしの頭ほども
ある大きな掌にがっちりと握り込まれ、指先一つ動かすことができない。全体重が肘と手
首の関節にかかる。握られた手が痛む。押しつけられた顔が、巨大な質量がのしかかって
いた腰が、体のあらゆる部位が痛む。
生涯整えられることはないであろう鋭く長い爪、その先は黒い土が入り込んでいる。分
厚くざらついた掌、節くれだった指の一本一本が赤ん坊の手首ほどもあった。見ればみる
ほど梃子でも開きそうにない。痛めつけられたわたしではなおさらのことだろう。
オーク鬼への先制攻撃を決意した時、考えるでもなくこう思った。
「わたしは貴族だ。名誉あるヴァリエール家の血を継ぐ者だ。オーク鬼から逃げ出すなん
て論外もいいところだ。不名誉な生より名誉ある死だ」
いざ目の前に死が迫ってきた時、自分の判断が霞のように揺らいで見える。
……揺らいで見える? それがなんだ。あきらめるな、ルイズ。父さまや母さまがここ
であきらめるか? 姉さまだってオーク鬼ごときに弱みは見せまい。たとえ魔法が使えな
くともわたしとてヴァリエールの人間だ。たとえ強がり九割でもいい。背中だけは見せる
まい。
口中に溜まった土と血交じりの唾液を、オーク鬼の額に向けて吐き捨てた。眼を狙った
のだが、的としては小さすぎたようだ。しかし狙いが外れたくらいで挫けない。後で悔い
ると書いて後悔。やるとしたら後でやるべきだ。今、わたしを助けることはわたしにしか
できない。後悔より先にやらなければならない。
吊るされることで、両腕以外は自由になった。先ほどよりも選択肢は多い。右足でオー
ク鬼の胸辺りを蹴りつける。鉄の感触に痺れかけたが、なんとか反動をつけて下半身を仰
け反らせた。勢いを殺さず、今度は鼻っ柱に向けて蹴りを叩き込んだ。
「いっ……たあ……」
漏らしたくも無い弱音が漏れた。鎧の胸当て部分を蹴った時と感触が変わらない。拘束
は緩まず、ひるんだ様子が微塵も見られない。こいつは普段からパンに鉄粉でもかけて食
べているのではないだろうか。
足の痛みにくわえ、予告なく腕が締め付けられた。肉が軋み骨が叫ぶ。喉の奥に悲鳴を
飲み込んだ。キングサイズの鍋つかみよりまだ大きな手で握られれば、わたしの細腕など
万力で締められた藁束でしかない。
痛みがわたしの体と神経を責めさいなむ。先ほどと同じ要領で蹴りつけてみたが、やは
りわたしの足が痛いだけに終わった。さらに蹴り、また蹴り、五度目に脚を振り上げたと
ころでオーク鬼の口元がのっそりと動いた。
「あのクソ女、何考えて待ち伏せてやがるかと思えば……オマエさんどこのチビだ?」
498:使い魔を買いに
08/01/09 21:40:46 enTOi7Nz
振り上げ、振り下ろす間際で脚を止めた。
「匂いが妙に似てやがるから見事に騙されたぜ。クソガキのイタズラだったとはよ」
そこから脚を下ろす。今度はゆっくりと。間違っても相手の顔に触れたりしないよう細
心の注意を払って。
「おいチビ。イタズラがバレたガキってぇのはもうちっとションボリするもんじゃねえの
か? ああん? それをオマエ」
今一度目の前のオーク鬼を見てみると、瞳の中に知性の光が垣間見えた……ような気が
した。けして気圧されたわけではないが、思わず目を逸らしてしまう。
「蹴るわ、喚くわ、も一つ蹴るわ」
わたしに抵抗する意志が無くなったことを察したらしい。宙吊りの状態から地面に降ろ
された。足の裏が求めていた地面という土台が、なぜだかとても心もとなく感じる。
「おまけにこいつだ」
わたしの腕を放し、空いた右掌で額に付着した唾液を拭って隣の樹にこすりつけた。自
分が何をしたのか思い出さざるをえず、わたしはますます居場所が無くなり萎縮する。彼
言うところのしょんぼりとしなければならない子供のように。
ああ、ああ、ああ。
ここが常識の埒外にある場所だということは理解していたし、その上で何をすべきか決
めていた。はずなのに。そう、はずなのに。わたしの馬鹿、わたしの馬鹿、わたしの大馬
鹿のコンコンチキの大間抜け。ダメなルイズ、本当にダメなルイズ。
オーク鬼は恐ろしい怪物で、人間を見れば襲いかかってくる獰猛さを持ち、子供の頭を
割って中身をすする害獣である。これを討つは貴族の務め、獣相手に不意を打ったところ
で誰がわたしを咎めよう。
この考えがどこから来たか。言うまでもない、わたしが身につけた、学びとった、教わ
った、常識というものから導き出した。そう、常識。無視しなければならなかったはずの
常識だ。蝙蝠が口をきき、足跡だけが道を行くようなところで、オーク鬼だけが真っ当に
人を襲うものか。少し考えれば分かることだろうに。
その態度は貴族と呼べるほど立派なものではないにしても、ならず者とこき下ろすほど
荒々しいものではない。物陰から急襲され、組み伏せた後は罵倒され、足蹴にされ、唾を
吐きかけられ、それでも手を上げず声を荒げず静かに怒っている旨を述べる様は、ケダモ
ノ風の乱杭歯や突き出た鼻からは想像することもできない大人のそれだ。
まずいことになった。先ほどまでとは違う意味でまずいことになった。
状況がわたしの立ち位置を向こう見ずないたずらっ子へと仕向けている。悲壮な決意と
貴族としての誇りを胸にして怪物に立ち向かう勇敢な少女だったはずが、悪戯が露見して
大人からガミガミと叱られるみっともない悪たれになっている。
悪童としては、黙って説諭を受けるのが本道というものだろう。言いたいことを言い尽
くせば怒りも多少は収まるはずだし、そうなれば今度はわたしが質問する番だ。ここはど
こなのか、今はいつなのか、この先にあると言われる夜市とはどんな場所なのか。他にも
聞きたいことは山積している。
というように、わたしが黙って怒られればいいのだが、
「だからガキはイヤなんだ。おい聞いてんのかチビ。クソチビ、おめえのことだよ。ガキ
ってのは知らないふりしてルール知ってやがんだ。知ってて、それで破りやがんだ。オマ
エよぉ、オレじゃなかったらコレもんだぞ。夜市のルールってなあ絶対だ。それを……」
中身はともかく、オーク鬼の顔を見ると、言ってはならないことを言ってしまいそうな
衝動に駆られるというか、我慢しなければならないことは分かっているのに、どうしても、
無礼な、とか、偉そうに、とか、相手を刺激するようなことを言いたくなってしまう。思
えばわたしの学生生活はいつもそうだった。
499:使い魔を買いに
08/01/09 21:41:30 enTOi7Nz
折れなければならなくてもけして折れず、ほぼ全局面に渡って我を押し通す。この性情
を調節、統制することができれば、もう少し甘みのある、今よりは大分塩辛くない学生生
活になったはずだ。耳元で恋の詩を囁き合う素敵な恋人は贅沢にしても、同性の友達の一
人くらいはいたに違いない。バーガンディ伯爵にしてもそうだ。結婚するまでは猫を被り
通しておくべきだった。母さまの助言を無視した挙句がこれだ。
「いいか、オレだからよかったものの、下手こけば締め殺されても文句は言えねえんだ。
そのへんきちぃっとご立派なオツムで理解できてんのか」
「……うるさい」
「ああん?」
「うるさいって言ってんのよ! 何よわたしばっかりが悪いみたいに!」
あーあ、やっぱりこうなった。
「オーク鬼の豚面なんて、見れば蹴りつけてやるのが礼儀ってものよ。文句言われる筋合
いなんてこれっぽっちもありゃしないわ」
理性で押さえつければ押さえつけようとするほどに、わたしの感情は暴れたがる。マン
ティコア隊のトップエースをもってしても乗りこなせないじゃじゃ馬だ。
「だいたいさっきからチビチビチビチビって馬鹿の一つ覚えみたいに。わたしが小さいん
じゃなくて、あんたが無駄に大きいだけのことでしょオデブさん」
我ながら酷い物言いだが、脳を介さず脊髄の反射で口を動かしているため、止める術は
無い。オーク鬼のコメカミに走る血管のうち、最も太い一本が小刻みに震えている。
「どうせ悪いことしてお金稼いでいっぱい食べて大きくなったくせに。貴族であるわたし
が罰したとして、何が悪いって言うのかしら」
ツェルプストーから空気が読めない王国の女王的扱いを受けることが多々あるわたしだ
が、別に読めないわけではない。その証拠に、面罵しながらも腰がひけている。
「……なるほどなぁ」
右手の槍を深々と地面に突き刺し、右掌に左拳を打ちつけた。オーク鬼の顔全体に赤み
差しているように見えるのは、けして気のせいではないだろう。
「オマエさんの言いたいことはよぉく分かった」
「ふん!」
「だがな、安心しとけ。オレぁ他所の子は叱らないなんて不人情な連中とは違うからよ。
どこのガキだろうがきっちりとしつけてやる」
右拳から骨の鳴る音。次いで、左拳からも同じ音。ゴキ、ゴキ、ゴキ。
「言って分からねぇガキにはそれなりの対応ってやつをしてやらにゃな」
「な、なによ。暴力に訴えようっていうの!? 人間みたいな格好してたからって、そう
いうところはどこまでも動物なんだから!」
一連の攻防を脳内で再生してみた。あの素早く熟達した動きにわたしがついていけると
は思えない。鈍重そうに見える野生の猪が、人間ではついていけない敏捷な反応を見せる
のと同じだ。まず逃げられない。
お尻を叩かれる程度ですめばしめたものだが、第三者が存在しない以上、どんな無法な
裁きで断罪されるかはオーク鬼にしか分からない。そうした場合、わたしの勝気が死因に
なるということで、ある意味では予想通りだがやっぱり嫌だ。荒っぽいながらも良識ある
口調に期待したいが、頭に血が上ってやり過ぎる人間は数限りなくいる。例えば母さまと
か。その血を半分受け継いだルイなんとかさんとか。
「近寄らないで!」
二歩、後ろにさがったが、相手の一歩でそれ以上に詰め寄られた。
「近寄らないでったら!」
背中に樹が触れた。もうさがる場所が残されていないことと、わたしの背中が汗でじっ
とりと湿っていたことを知った。
相変わらずオーク鬼の表情は読み取りづらかったが、なんとなくサディスティックな笑
みを浮かべているような気がする。そのままにじり寄ってわたしの方へ手を伸ばし……。
「待ちなさい!」
わたしの声に似ていた。だがわたしの声ではない。声調がもう少し大人びているし、な
によりわたしは声を出していない。オーク鬼が声のした方を振り返り、わたしもそちらへ
目を向けた。
500:使い魔を買いに
08/01/09 21:43:13 enTOi7Nz
とりあえず以上です。
もう少しペース上げて続けていこうと思います。だってオラは人間だから。
501:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:52:26 th7OX0tF
GJ
もしかしてこの先は避難所!? とか全く思いませんでしたすいません嘘です
にしてもこういうルイズの後ろに引けない性格は損をするけどかわいらしいものがあるね
502:宵闇の使い魔
08/01/09 21:58:19 Xhb0G6ie
寒中見舞い申し上げつつ、22時から投下させて頂きます。
503:宵闇の使い魔
08/01/09 22:00:02 Xhb0G6ie
お姫様のご命令で、メイド―もとい女騎士様のお供をする事になった俺とマチルダ。
気の強そうな顔立ちをしてると思ったが、中身もまんまガチガチでやんの。
マチルダがなんとか上手く取り持ってはくれてるが―
ま、引き受けた以上はやるだけのことはやるがね。
宵闇の使い魔
第弐拾参話:Dusky Link
異世界であっても夜は暗い。
いかに魔法によって気軽に火や明かりを生み出せる世界であっても、夜の世界を侵食できるほどの力は持っていないのだ。
故に、人は夜を恐れるのが常である。
しかしその一方で、常に当てはまらない者達が居ることも事実である。
異世界から呼ばれし異形の術を使う剣士、長谷川虎蔵。
《土くれ》のフーケの名を持つ快盗、マチルダ・オブ・サウスゴータ。
トリステイン女王アンリエッタの懐刀、アニエス。
アンリエッタの密命を受けた三人は、夜の闇に紛れてとある貴族の屋敷へと忍び込んでいた。
この屋敷は今夜、主が出かけている事もあり警備人員が少ない。
更に、マチルダの手元には屋敷の間取りが書かれた羊皮紙も準備されている。
全てアンリエッタとマザリーニの手による物だ。
今は足を洗ったとはいえ、マチルダはハルケギニアでも屈指の快盗である。
此処までお膳立てされていれば鼻歌を歌いながらでも忍び込めるというものだ。
目的は屋敷の主である貴族の裏帳簿である。
此処暫く、妙に金遣いが荒いという情報を得たアニエスが調査を主張したのだ。
虎蔵やマチルダは、いかに裏帳簿とはいえ敵側からの賄賂の情報が乗っているとは思えないと意見したのだが、
彼女は今は少しでも情報が欲しいと意見を押し切った。
確かに、此処暫くの調査では思うように情報が手に入っていないのは事実なのだ。
アニエスが未だにシュヴァリエとして認可されていない以上、派手な調査活動は出来ない。
せいぜい城下町の盛り場や裏路地で探りを入れる位のものだ。
前者はマチルダやアニエスが遊んでいる風の格好で盛り場に出入りし、男を引っ掛けて。
後者は裏路地で屯すならず者達を虎蔵が締め上げて。
はっきり言って、どちらも致命的に効率が悪い。
更に言えば、アニエスは男に免疫が無い訳ではないが慣れているとも言いがたく、成功率はかなり低い。
その中で、虎蔵が暇つぶしがてらに口説き落とした酒場女から偶然得られた情報がそれなのだった。
504:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:02:27 GjzD23kS
支援を
505:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:04:20 sYo/UKfZ
支援
506:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:05:19 oaBXLq2d
支援
507:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:10:18 GIK4Z0jb
宵闇さん規制されたそうなので、代理投下行きます。
508:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:10:55 uD8tIGlL
了解支援
509:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:12:52 GIK4Z0jb
237 名前: 宵闇の使い魔 [sage] 投稿日: 2008/01/09(水) 22:06:59 FEDgAOPg
「どうよ」
「五月蝿い。少し待て―」
書斎で意外なほどにあっさり見つかった帳簿を眺めるアニエスに、暇そうにした虎蔵が声をかけるのだが、
アニエスは真剣な様子で帳簿を眺めながらしっしっと手で追い払う。
虎蔵は肩を竦めて本棚を物色するマチルダへと視線を移した。
この潜入の決め手となった情報を持ってきた当初は妙に機嫌が悪かったのだが、この本棚を見てだいぶ回復したようだった。
快盗時代の本能を刺激されているのだろうか。
もっとも、潜入がばれて今後のこういった行動がしにくくなるのは面倒である。
金目の物があってももって行くことは出来ないのだが―
「ふぅん、意外と良い物が揃ってるじゃないか―この辺りの貴族の蔵書にしちゃ、モット伯に次ぐかもしれないね」
「こんな量でか?」
「価値のある本が何冊あるか、さ。だいたい有象無象の本なら、書斎とは別の所に溜まってる可能性もあるだろう?」
そりゃそうだ、と虎蔵も本棚の前に立って背表紙を眺める。
もっとも、文字は読めないので特に意味のある行動ではないのだが―
「って、こいつぁ―」
「ん? なにか珍しい物でもあったのかい?」
驚く虎蔵にマチルダが近づいてきて、彼の視線の先を覗き込む。
身長差から彼女の髪の香りが虎蔵の鼻に届くのだが、"女性経験の少ない高校生"などではない彼は特に気にすることもなかった。
一方マチルダは虎蔵が眺めていた本を発見するのだが、その背表紙に形の良い眉を顰めてしまう。
決して如何わしい言葉が書かれていたわけではない。
単純に、読めないのだ。
「これは―文字、かい?」
「同心円と極地の空洞帯―って書いてあんな」
首を傾げるマチルダに対して、虎蔵があっさりとそれを読んでしまう。
読み書きが出来ない筈の虎蔵が、だ。
マチルダは一瞬きょとんと虎蔵を見つめるが、すぐに得心が行った様子で指を鳴らし―かけて止める。
一瞬潜入調査中であると言うことを忘れていた節があるが、すぐに思い出したようだ。
「召喚されし書物」
「呼び方は知らんがな。俺の世界か、それに近い世界の本だな―
同じ物を美津里の倉で見た気がするんだが、中身は思い出せん」
「美津里?」
「なんで其処に食いつくんだよ―元の世界で色々と面倒を持ち込んでくれた奴だよ。古物商でね」
ふぅーん、とまた機嫌が悪くなりかけるマチルダだが、それ以上にその本が気になったようだ。
虎蔵の脇腹を突付いて説明を求める。
510:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:14:19 GIK4Z0jb
同心円と極地の空洞帯―
虎蔵の世界では一般的に世界は球状をしていると認識されており、その球の中身は詰まっていると考えられている。
だがこの本では、球は中空であり内側の凹面は人間などの居住が可能だと語られているという。
地球空洞説というらしい。
「内側の世界が此処だって?」
「可能性は、な。奴の受け売りってのは腹立たしいが―
穴が地殻に存在するもんだから、便宜上空洞って言ってるだけでな。
実際はなんらかの回廊で別の宇宙にある惑星―ま、ざっくりと言ってしまえば異世界と繋がってるって訳だ」
「アンタは兎も角、こいつやゼロ戦だっけか? あれの持ち主は、その穴を通って来た―かもしれない、と」
理解の早いマチルダに、虎蔵は頷いてみせる。
とはいえ―
「仮説の域を出んがな。とはいえ、これの著者とは別だが、穴の先の世界には二つの太陽がって言ってた奴もいてな。
ま、此処は太陽じゃなくて月だが」
「そりゃ―偶然にしちゃ、ちょっと出来すぎてるね」
「だろ? ま、なんにしても俺にはさっぱりだが」
ギブアップと言わんばかりに両手を挙げる虎蔵。
マチルダは此処まで煽っといてそれかい、と飽きれてしまう。
「仕方あるめぇよ。こちとら人を殴ってなんぼの仕事しかしたことが無いんだ」
「あんたらしい。っと、そういえば―
確かに他にも幾つか聞いたことがあったよ。召還されし書物、だっけかな?
文字だけの、精巧な絵だけのと色々あるらしいけど―興味が?」
「俺がそうそう本なんぞ読むように見えるか?まぁ、"厄介な本"じゃあないことを祈るばかりだね」
マチルダはアンタらしい、と笑って肩を叩いて物色へと戻っていった。
一方でアニエスは帳簿から書斎机の引き出しの物色を始めている。
一つ一つ引き出しを開けては、中に入っている羊皮紙や手紙を慎重に調べているようだ。
時折何かをメモしているのは、次の調査対象といったところだろうか。
「これは―」
511:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:15:40 GIK4Z0jb
だが突然、アニエスが先程の本を発見した虎蔵のように声を上げた。
よほど驚く何かが見つかったのか、声のボリュームが少し大きい。
ぬ、と慌てて口を押さえるが、幸いにも何者か書斎に近寄って来るような気配は無い。
虎蔵は手でOKを示してアニエス元へと向かった。
マチルダもまた、やれやれとため息をつきながらやってくる。
「そんなに驚くほどの物が見つかったって?」
「あぁ―これだ」
アニエスが二人の視線の先に晒したのは一通の封筒。
その声色、目付きからしてそれなりの発見と言うことなのだろうか。
もっとも、決定的な証拠などが手紙などという形で残っているとも考えにくいが。
「リッシュモン―高等法院長だったね」
アニエスはその通りだ、と頷きながら封筒から手紙を取り出した。
だが、その中身に書かれていたのは観劇がどうのこうのといった当たり障りの無い文面のみである。
アニエスは僅かに眉根を寄せて考え込む。
「同じ国の貴族同士なら、手紙のやり取り位しても不思議は無いんじゃないか?」
「この二人の間に、私信をやり取りするような繋がりは無かった筈だが―」
虎蔵の指摘も、腑に落ちないようで何度もその文面を確認する。
だが、何かの暗号が潜んでいる様子も無い。
本当にただの私信だというのだろうか。
いや、そうは思えなかった。
理由は無く、ただなんとなくでしかない。
だが、この手紙の裏に薄っすらと何かが透けて見える気がするのだ。
そして何度目かの読み返しで、彼女はある事に気づいた。
当たり障りの無い文面の中にある数少ない明確な固有名詞に。
「タニアリージュ・ロワイヤル座、トリスタニアの休日―か」
「流行の演劇だろう? それがどうかしたのかい」
「いや、少し気になってな―さて、少し長居し過ぎた。そろそろ引き上げよう」
二人にはさっぱりだが、彼女には薄っすらと敵への繋がりが見えたのかもしれない。
それまでの調子が嘘のように口元に笑みを浮かべると、手紙を封筒へと戻した。
マチルダは虎蔵に向かって肩を竦めて見せると、調査の痕跡を消す作業に入る。
その後三人は無事屋敷を抜け出し、帰宅した貴族が侵入者に気づくことも無かったという。
512:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:16:42 GIK4Z0jb
一方、時と場所が変わって魔法学園。
虎蔵をアンリエッタに貸し出したルイズは、やや退屈ながら平和な学園生活を送っている。
《虚無》に目覚めた影響なのか、初歩のコモンスペルならば使えるようになった。
更に虎蔵やキュルケ、タバサらの影響で性格も少しずつ丸くなり、
散々《ゼロ》と馬鹿にしてきたクラスメイト達とも少しずつ打ち解けてもきた。
今までのことを思えば、怖くなるくらいに幸福な日々であるとすら言える。
とはいえ、そんな日々も何日かたてば飽きがくる。
キュルケとタバサがふらりと何処かに出かけてしまったこともあり、これといった話相手がいないのだ。
シエスタとも比較的話すようにはなっていたが、彼女には仕事がある。
そうそう邪魔をする訳にもいかない。
「と、言うわけなんです」
「まぁ、構いはしないがね。しかし、此処に居ても同じくらい暇ではないかね?」
そこでやってきたのがコルベールの研究室であった。
彼はここ数日、タルブ村から運ばれてきた《ゼロ戦》の整備に掛かりきりになっていたが、
それを眺めるのは一人でボーっとしているよりはよっぽど良い暇つぶしにはなっていた。
彼は作業をしながらも話相手にはなってくれるし、時には手伝わせてもくれる。
なにより、虎蔵の世界の物に興味があった。
彼の話では、この金属の塊がシルフィードよりも早く飛べるというのだ。
興味が湧かない方がおかしい。
513:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:17:47 GIK4Z0jb
「そんなこと無いですよ。少なくとも、此処意外では見れるものでもないですし―でも、本当に飛ぶんですか、これ」
「飛ぶ、だろうね。少なくとも、彼の―虎蔵君の話を聞いた限りでは、納得できる理屈ではあったよ」
「理解できたんですか?」
「あぁ。もっとも、詳細な部分で疑問は尽きないがね。
少なくとも、私の発明の延長、その派生にこれが存在することは間違いない。
ならば、信じる以外の道は、私には存在しないよ」
機体の下から這い出してきたコルベールが、ぽんぽんとエンジンが納まっている部分を叩いて語る。
ルイズとしては、コルベールが言うならそうなのかも知れない位にしか考えられないが、
彼の目にはこのゼロ戦が空を舞う姿が映っているのだろう。
「おっと、そうだ。ミス・ヴァリエール、一つ頼まれてくれるかな?」
「はい? えぇ、構いませんけど」
「ミスタ・グラモン―ギーシュ君を呼んで来てくれないかい」
「ギーシュを?」
背の高い椅子からひょいと飛び降りながらも、コルベールの口から出てきた意外な名前に首を傾げる。
ギーシュは決して無能という訳ではないし、ゴーレム創造にいたっては優秀とすら言って良い。
多少性格に―主に女性がらみの―難はあるが、教師に呼び出されるような事は滅多に無いはずだ。
「あぁ、彼にはこれの整備を手伝ってもらっていてね」
「ぇッ、本当に?」
「彼は練金が得意で手先も器用だからね。飲み込みも悪くない」
はぁ、と納得したようなしていないような微妙な表情で研究室を出て行くルイズ。
どうしてもコルベールのように顔を汚しながらゼロ戦の整備をするギーシュが想像出来ずに、何度も首を捻りながら歩き始めた。
「とりあえず部屋かしらね―」
514:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:17:53 GjzD23kS
支援
515:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:18:02 0QxeO4kb
sien
516:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:18:54 GIK4Z0jb
ギーシュの部屋の前までたどり着くと、中からは談笑が聞こえてきた。
この声はギーシュとモンモランシーだろう。
無駄足にはならなかったようだ。
「ギーシュ、ミスタ・コルベールがお呼びよ」
逢引中に間が悪かったわね、などと思いながらドアをノックするルイズ。
《アン・ロック》も既に使うことは出来るのだが、流石にキュルケのように問答無用で押し入ったりはしない。当然だが。
するとすぐにドアが開き、ギーシュが顔を出した。
なぜか手にはワイングラスを持っている。
「おや、ルイズ。何故君が?」
「暇潰しに《竜の羽衣》を見に行っててね。それで頼まれたのよ。研究室に来てくれって」
「あぁ、なるほど―うーん―」
ルイズによる伝言に、ギーシュは手元のワインと部屋の中でテーブルに座り、
妙に不機嫌そうにしているモンモランシーを見比べた。
行くべきか行かぬべきか迷っているといった所だろう。
「相手は一応先生なんだから、さっさとそれ飲んで行った方が良いんじゃないかしら?」
基本的にルイズはクラスで一番真面目な性格をしている。
授業とは関係ないとはいえ、教師に呼び出されているなら行くべきだろうとギーシュを促しただけだ。
他意はない。
そしてギーシュも、それもそうだね―と言ってグラスを口元へと近づけようとするのだが―
「ちょッ、駄目ぇぇッ!!」
517:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:20:07 GIK4Z0jb
それを見たモンモランシーは、二人が驚くほどの声を上げてそれを止めた。
二人はぎょっとしてモンモランシーへと視線を向ける。
「あ、いや、その―ほら、先生の所に行くのにワインの匂いをさせているのも、ね?」
するとモンモランシーはなぜかしどろもどろになりながら席を立ち、ギーシュの手からグラスを取り上げる。
あまりの挙動不審っぷりに二人は声も出ない。
「ほ、ほら、ギーシュ。ミスタ・コルベールがお呼びなんでしょう? 早く行った方が良いんじゃなくて?」
「あー―あぁ、そうだね。うん。じゃぁ、モンモランシー。また後で」
「えぇ。片付けは私がしておくわ」
だが其処は流石のギーシュである。
しっかりとモンモランシーの手の甲に軽くキスをしてから部屋を出て行った。
しかしルイズはその場に残り、ふぅーん―と妙な声を漏らしながらモンモランシーを見つめている。
「ま、まだ何か用があるのかしら?」
「あやしい、わ、ねぇ――」
「な、何のことかしらぁ?」
ギーシュから取り上げたグラスを背中に隠すように持って、ルイズの視線から逃れるように明後日の方向を見る。
だがその視線の先には壁しかないのだから、怪しい事この上ない。
誤魔化すにしても、もう少し上手く出来ないものかとすら思う。
決して器用ではない―というより、明らかに不器用なルイズをしても、だ。
「それよりも、ほら。もう用は無いでしょう? さっさと出て行って頂戴!」
「あら、良いじゃないの。少しお話しましょうよ」
「あ、貴女、ちょっとキュルケに似てきたわよ―」
少し前まで勉強の虫の様だったルイズがチェシャ猫宜しく笑みを浮かべながら近づいて来る。
それを見たモンモランシーは思わずキュルケの名前を出してしまったのだが、それが彼女の運の尽きだった。
「なッ、なぁーんですッてぇー!!」
最近は仲良くなってきている。
ご先祖様には申し訳ないが、十分に友人と言っても良いだろう。
しかし、そうは言っても素直でない事にかけてはハルケギニアでも指折りのルイズである。
他人の口から指摘されるのは我慢がならない。
自分がほんの少しでもそれを認めてしまいそうな所がある分、尚更だ。
故に、何時もの様にあっという間に頭に血が上ってしまう。
「い、言うに事欠いて誰に似てるですッて!!」
「え、いや、そのー」
ずんずんと詰め寄ってくるルイズに、モンモランシーはおたおたと後ろに―部屋の奥へと追いやられていく。
非常に拙い状況だ。
彼女の頭の中では今、最悪の状況がシミュレートされている。
このまま情けなく後ろに下がって行くとする。
壁までは結構な距離があるから、下手をすると転んでしまいかねない。
何せ後ろ向きだ。
当然、そうなればこの手の中のグラスは割れ、ワインは零れてしまうだろう。
まずい。まずいのだ。それは。
ただのワインならどうということも無い。
あの浮気者の部屋が汚れるだけだ。知ったことか。
しかし、このワインはそうではない。
高価な秘薬使ってまで作った惚れ薬が入っているのだ。
零してしまっては後が無い―これは何とかしてあの浮気者に飲ませなければならないのだ。
518:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:20:45 uD8tIGlL
支援
519:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:21:08 GIK4Z0jb
「ちょっと、落ち着きなさいよ、ルイズ。顔が怖いわよ―」
じりじりと後ろに押されていくモンモランシー。
頬に冷や汗が流れる。
だがその時、後ろに回した手にテーブルがぶつかった。
―あぁ、始祖ブリミル! 感謝します!
心中でそう喝采をあげると、グラスをテーブルの上に乗せて、そっと滑らせてテーブルの中央へと向けて滑らせる。
簡単には落ちないであろう位置まで持っていき、自分はそのままルイズに押されるように壁際へ。
完璧だ。
ルイズの意識はもはやワインには無いだろう。
これでどうにかして少し怒りを収めれば、ぷんすかしながらも部屋を出て行くだろう。
繰り返そう。完璧だ。
ルイズはいまだにきゃんきゃん怒鳴っている。
あの黒衣の使い魔を呼んで以来、割と大人しくなっていた気がしたが、本性はそう変わらないらしい。
もっとも、今のモンモランシーにはそれも可愛く見える。
達成感でいっぱいだった。
「ふぅ。ッぅ―まったく、もう!」
「ごめん、悪かったわ。ルイズ。そうよね、貴女があんなゲルマニア女に似てきたなんて、私もどうかしてたわ」
一頻り怒鳴り疲れたのか、ルイズは未だに肩を怒らせながらも、追及の手を緩める。
それを好機と見たモンモランシーは、普段のギーシュもかくやという口の滑らかさでルイズを宥めに掛かった。
だが――
「ほんとにもう。急に怒鳴らせないでよね!」
と、苦心してテーブルに置いたワイングラスを手に取り、ぐいっと呷ってしまったのだ!
「あぁぁッ!?」
「っ、ん―ふぅ。何よ、変な声上げちゃって―」
絶望的な声を上げてがくっと崩れ落ちるモンモランシーを見下ろして、ルイズは首を捻る。
たったグラス一杯のワインに何を―と。
そんなに高かったのだろうか。
その割には大した味では無かった気もするが。
とはいえ、ここまで大げさに落ち込まれると後味が悪い。
謝らない訳にもいかないだろう。
ルイズはもう、と呟いてモンモランシーの傍らにしゃがみ込む。
「えーと、その、モンモランシー。ワイン一杯でそんなに落ち込まなくて、も―」
そして慰めの言葉を掛けながら――
--------------------------------
以上、第弐拾参話でした。
口説き落とした酒場女は黒髪だったりするかもしれません(何)
というか新年初投下の1レスで規制て……orz
13巻を読みながら、右手の宗州草薙、左手のデルフで見事な"攻め"と"守り"とか考えつつ、
次回はもう少し早めに仕上げたいと思っています。
520:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:22:12 GIK4Z0jb
以上、代理投下完了しました。
あ、一部改行多すぎになったので、勝手ながら分割しましたー。
521:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:22:19 Gloo1Iom
>>493
博士が食うのは無能な人間だけだったはずだぜ?
アンアン危うし
522:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:24:04 uD8tIGlL
GJ
ああ・・・・修羅場がみえる・・・
523:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:24:28 GjzD23kS
宵闇の人 GJ!
代理の人も投下乙!
524:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:26:13 B4JdhYJE
フーケの30mゴーレムがロケラン一発で沈んだ件は、
ロケランの使い方が解ったからそれ以上続ける意味がなくてフーケが止めたんじゃね?
本気出されたら負けてただろ。
525:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:26:26 GIK4Z0jb
>>521
真っ先にアンアンですかい。いやそりゃビッチな無能ですけどw
他にもいるぢゃないですか、ミスタギトーとかミセスシュヴルーズとかモット伯とかワ○ドとか○ルドとかワル○とか・・・
526:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:30:51 6jNh6axn
主人が一番無能という事を忘れちゃいけない
527:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:31:05 aeislnrB
>>524
つーかHEAT弾があんな大爆発を起こすのはおかしいんじゃね?
528:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:34:55 uMIdx/JJ
ガンダールヴの力でパワーアップしてたんだろ、きっと
529:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:37:09 S2V3AT27
100スレ目記念カキコ
530:メイドガイの人
08/01/09 22:41:27 mIDz+qhD
100スレ目に間に合ったかな。ひさしぶりですが投下ok?
予約が無ければ10分後くらいに投下したい。
531:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:44:42 th7OX0tF
アニメ化楽しみだ支援
532:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:48:37 ilku+q8v
あの作品のキャラがルイズに召還されました
「あんたどこの国の生まれよ」
ギーシュに絡まれ
「な、魔法を使うだと!!!」
フーケに驚かれ
「いったいどうしたらいいんだ!!」
ワルドを圧倒し
「スクウェアレベルか!!!」
七万の大軍を一人で超える伝説の再来
ウォーリーをさがせ!よりwally
ウォーリー「ウォーリーは偏在する」
533:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:50:22 Yh0MclOQ
いや、ウォーリーを探せは私も好きだけどさ。
小ネタって投下予約いらないんだっけ?
534:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:51:32 CKKEKSBh
見える…時代すら遡って先代の王様時代にもブリミルの時代にもサハラにも存在するウォーリーが見える
535:仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 1/5
08/01/09 22:53:38 mIDz+qhD
それでは投下します。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ご奉仕その2
『錬金』の授業を担当する教師、『赤土』のシュヴールズは言った。
「では、ミス・ヴァリエール! 貴方には前に出て『錬金』をしてもらいます」
シュヴールズの前には彼女の二つ名と同じ赤土の山が置かれている。
それを『錬金』の魔法で別の物質に変えろというのだ。
(ど、どうしよう……!)
だがルイズは『錬金』はおろか、コモンマジックすら上手く使えない。
ここは正直にできませんというべきか? だが―
「ほら、『ゼロ』のルイズ! 早くやりなさいよ!」
意地悪い級友の野次が飛ぶ。ここで逃げるわけにはいかない。
ルイズ、絶体絶命のピンチであった。
☆
ルイズがメイドガイ・コガラシなる怪しい男を召喚し、己の使い魔と定めてから数日が経過した。
このメイドガイ、とにかく怪しい。怪しすぎてもうどこからツッコミを入れればいいのかわからないほど怪しい。
何せ筋骨隆々とした野性味あふれる大男がメイド服を着ているのだ。これを怪しいと言わずなんというだろうか?
このような使い魔を召喚したルイズの生活はそれまでのものとは一変した。
メイド服を着た大男と四六時中同居生活。そんな生活を送る人間が、このハルキゲニアに何人いるだろうか?
そしてそのメイドガイ・コガラシの仕事ぶりたるや筆舌に尽くしがたいものがあった。
いい意味で、そして悪い意味で。
まずはルイズの服装を見てみよう。基本的に自分の面倒は自分で見るのが規則である貴族生徒たち。
高貴な彼らのこと、同じ服を毎日着るようなずぼらなことはしないが、それでも毎日の服装はだらしないものになりがちである。
だがメイドガイを呼び出して以降のルイズは違う。パリっと糊のきいた、皺一つ無いシャツ。
スカートの折り目は0.1サンチ単位で揃えられ、マントはまるで新品のような輝きを放っている。
いずれもこれはコガラシの仕事ぶりによるものであることは言うまでもない。
だが、
「メイドガイ・スチーム・アイロンって何よ! なんで手から蒸気がでるわけ!?」
「ククク……メイドガイ超振動クローの応用よ。これでご主人の衣服に皺は残さん」
「だからなんでそんなことができるのよー!」
次はルイズの部屋だ。必要以上の華美を嫌い、元々調度品の類は少ないルイズの部屋は常にそれなりに整理整頓されていた。
しかしコガラシが掃除をしだしてから、ルイズの掃除など掃除になっていないことに気づかされた。
如何な技術の賜物であるか。果たしてどうすればでこぼこの板間が顔の映るほど磨かれたものになるだろう?
だが、
「ご主人よ。下着にシミができているぞ」
「えっ!? ええええええ、ななな、なんでそんなことを!」
「メイドガイアイは透視力! いかなる汚れも見逃さない、この目を持ってすれば造作も無いこと。この部屋の掃除もその賜物よ!」
「ま、まさかアンタずっとそのメイドガイアイってやつを……」
「クククク……いかにも。おはようからおやすみまで貴様の暮らしを見つめるメイドガイ。ご主人のことは何一つ見逃さん。
そしてメイドガイアイによれば、そのシミの原因は―」
「ばばばばばばかああああああああああああ!」
そして食事。これはもともとコック長のマルトーが腕を振るっていたもので。
ルイズもそれは普通に美味しい食事だと思っていた。
だがコガラシに言わせればそれはあくまでも凡人の到達しうるレベルの『美味』らしく、
メイドガイたる彼がその仕事を任せうるに足るものではないらしい。そしてコガラシは不敵な笑みを浮かべて厨房に消えた。
数十分後、料理人としての常識を粉々に打ち砕かれたマルトー氏の姿が厨房にあった。
愕然としている彼には申し訳ないが、コガラシの作った料理は彼のものよりも数段上の『美味』であった。
だが、
「美味しい料理を作るのはいいけれど。その前に―その引きずっているモノは何かを説明しなさい!」
「これか? その辺をふらふらと飛んでいたから生け捕りにしたまでよ。喜べご主人、今夜は生け造だ!」
「きゅいー! きゅいー! た、助けて欲しいの!」
「それはタバサの使い魔よ! 早く返してきなさい!」
536:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:54:34 qaUgkyhO
コガラシィ!支援
537:仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 2/5
08/01/09 22:54:52 mIDz+qhD
こうしてルイズの生活水準は衣・食・住全ての面において、他の生徒により非常に高い水準のものとなっていった。
だが、それに比例するかのごとく……。ルイズのストレスは増大の一途を辿っていったのだ。
今日もまた、ルイズの悲鳴とコガラシの不敵な笑いが木霊する。
「コガラシぃー! あんた何やってんのよー!」
「ククク……知れたことよ。今日も貴様に最高のご奉仕をお届けだ!」
これは、そんな主従のある一日の記録である。
―――――――――――――――――――――――――
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、16歳。
ハルケギニアの始祖ブリミルの血筋にして貴族の娘―
当人はまだ知る由もないが、彼女は四系統のいずれにも属さない始祖の魔法「虚無」を操ることができるのだ。
故に、彼女の存在を利用せんとするもの、疎ましく思うものから彼女は狙われる運命にある!
メイドガイ・コガラシは始祖ブリミルが彼女を謎の敵から守るために異界より遣わした伝説の使い魔なのである!
―――――――――――――――――――――――――
「うう……」
席を立ったはいいが、教壇に進むこともできず。かといって戻ることもできない中途半端な位置で立ち尽くす。
自分が魔法を使ったところで、いつものように爆発するのが関の山。
(ならいっそ、このまま教室中を爆発させて有耶無耶にする!?)
進退窮まって、そんな不穏当な考えを抱いたその時。ルイズの耳にあの男の声が聞こえた。
『クククク……困っているようだな、ご主人よ』
「!」
突然聞こえた声、それは聞き間違うはずもない。そう、誰あろうそれは。
「コ、コガラシ!?」
「? ミス・ヴァリエール。何か言いましたか?」
不思議そうな顔をするシュヴールズ。彼女にはこの声が聞こえていないのか。
だがルイズが辺りを見回しても、どこにもコガラシの姿は無い。
『クックック、何をキョロキョロ間抜け面を晒しているのだご主人よ。俺はそこには居ないぞ』
(あ、あんた、どこから喋ってるのよ!)
『サンライトイエローのメイドガイヴォイス! 独自の特殊な発声法により、ピンポイントで声を届かせる貴様専用秘話音声だ!
それを使い、俺は今教室の外から貴様に向けて声を発している!』
このメイドガイのこと、透明化くらいやってのけたのではないかと思ったが、
どうやら何らかの手段を使って、こちらに声を届かせているらしい。
(私にだけ聞こえてるってこと? でも、私の声はどうやって聞いてるのよ?)
その手段がどうであれ(このメイドガイが何かを行う時、そこに理屈を見出すのは無意味だとルイズは既に学習している)、
こちらはそんな離れ業は使っていない。
『メイドガイイヤーは地獄耳。メイドガイたるもの、例え100キロ離れていてもご主人の声を聞き逃しはしない』
(……まぁ、あんたのことだからそれくらいじゃ驚かないけど。それより何の用? 私は授業中よ!)
意外と言えば意外なことに、コガラシはこちらのやることを邪魔するということは滅多にない。
むしろ勉強をしていれば茶を淹れたり、お腹が空けば夜食を持ってくるなど親切極まりないほどだ。
もっとも、そうした『コガラシの性格』と『メイドガイとしての仕事ぶり』のアンバラスさにルイズはほとほと困り果てているのだが。
『状況は見ていればわかる。『錬金』とかいう魔法が使えなくて困っているのだろう?』
(……そうよ。悪い!? どうせ私は『ゼロのルイズ』よ!)
この男を相手に隠しとおせるとは思わず、ルイズは自分の二つ名を明かす。
魔法が下手で下手でどうしようもない、何もできない、できることのない『ゼロ』のルイズというわけである。
屈辱に耐えるルイズを嘲笑うかのようにコガラシは笑う。
『クックック……恥ずかしい二つ名もあったものだな』
(う、うるさいわね!)
538:仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 3/5
08/01/09 22:56:18 mIDz+qhD
『―だがそんなご主人とはいえ、恥をかくのをみすみす見逃すメイドガイではない。俺が力を貸してやろう』
力を貸す、とはどういうことだ。まさか代わりにコガラシが『錬金』をするというのか?
(あんた平民でしょ! 魔法なんて使え…ない……使えないはずよね?)
いかにこのメイドガイといえど、さすがに魔法は使えないはず。
……やれと言えばなんなくこなしてしまいそうではあるが、それだけはきっと無いはず。無いと思いたい。
ルイズの心配
『当たり前だ。メイドガイは貴様らの言う『魔法』などという奇態な能力は持っていない』
(そ、そうよね。それだけは無いわよね―って、あんたが奇態とか言うな!)
かなり聞き捨てならないことを言われ、そのことに文句を言うがメイドガイは取り合わない。
『奇態を奇態と言って何が悪い? この俺にかかれば魔法など使わずとも、あの程度の芸当朝飯前よ!』
(い、一体どうやるっていうのよ)
あの程度の芸当。シュヴールズが土塊を真鍮に変えてみせたことだろう。
トライアングルクラスのメイジですら真鍮が精一杯なのだ。それをどうやって再現するというのだ?
『簡単なことよ。貴様が錬金の魔法とやらを唱えて見せる。そして一瞬の隙をついて俺があの土の塊を別の物質に摩り替えるのだ。
クククク……、これで錬金の一丁あがりというわけだ』
なるほど。それならこの人知を超えた男、メイドガイならば可能だ。
しかし、問題が一つある。
(で、でもそれってズルじゃないの……)
そう。これは明らかに反則行為だ。
たしかな恥はかきたくないが、生真面目なルイズにしてみれば抵抗のあるプランだ。
『努力を怠り失敗するは愚か者の為す事よ。しかしご主人の隠れた努力を知らぬメイドガイではない。
己の労を惜しまぬ努力は報われねばならぬ。報わねば報いてみせようメイドガイ。ご主人の努力の結果を見せ付けてやるのだ!』
ルイズは毎日のように魔法の練習や勉強をしている。だがその努力の結果は一向に現れない。
それを、野次を飛ばしている級友たちに見せつけててやりたいと思う気持ちが強いのもたしかだ。
(ううっ……。こ、今回だけだからね!)
『ククク……了解だ。どうせだ、『珍しいモノ』と摩り替えてやろう』
意を決し、ゆっくりとルイズは教壇の前に歩いていく。
それを見守る生徒たちはすでに防御体制をとっている。ルイズがいつ『爆発』を起こすかわかったものではないからだ。
だがそれは逆に好都合。コガラシの摩り替えがやりやすくなるだけだ。
事情を知らないシュヴールズは、人の良さそうな顔をしてルイズを待っている。
「――」
教壇の前に立ったルイズは杖を振り、『錬金』の魔法を唱えだす。
しかしそれは完全にフェイク。あるのかないのかわからないルイズの魔力は込められていない、ただの見せ掛けにすぎない。
「『錬金』!」
そして呪文を完成させたルイズが杖を振り下ろしたその瞬間。
『メイドガイ・フラッシュ!』
ルイズにだけ聞こえるコガラシの叫びと共に、教室が激しい閃光に照らされる。
すわルイズの爆発か? と思う生徒たち。しかし一向に、光以外の現象。熱や爆風は起こらない。
不思議に思い、恐る恐る眼を開ける生徒達は信じられない事態を眼にする。
教壇に赤土ではなく、それと同じくらいの量の『謎の鉱物』が鎮座していたからだ。
「成功した!?」「ゼロのルイズがか!?」
「やるじゃありませんか、ミス・ヴァリエール! こうも上手く金属を錬金するとは、土のメイジでもなかなかできないことですよ」
驚きの声を挙げる生徒、そして感嘆の台詞でルイズを誉めるシュヴルーズ。
たしかに自分でも見事と思えるほどの『錬金』ぶりであった。
しかしあまりにも手放しで誉めるシュヴルーズに、少し罪悪感が沸いてくるルイズ。
誤魔化すように謙遜しながら言う。
「あ、あはは。いえ、たまたまです。普段はこんなにあっさりとは」
あっさりも何も、錬金を成功させたことのないルイズには本物の『錬金』がどんなものかはわからなかった。
そんなルイズを他所に、シュヴルーズは疑問を述べる。
539:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:57:52 Ho1RU+EC
支援
540:仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 4/5
08/01/09 22:57:56 mIDz+qhD
「で、これは何ですの? なんというか、不思議な感じのする石ですが」
「え? えーっと……」
たしかに。目の前の錬金物は何なのかわからない。一見して黄金のような貴金属の類ではないことは確かだ。
黒っぽいような白っぽいような不思議な色をしていて、鉄などとは少し違う感触だ。そしてひどく重い。
何より『土』のトライアングルメイジのシュヴールズが言う『不思議な感じ』とは一体なんであろうか。
トライアングルともなれば、普通の人間が感じ取れるものではないことを感じていても不思議は無い。
考えてもわからない。しかし、わかりませんとも言えない。仕方なくルイズは小声でコガラシに尋ねることにした。
(コガラシ! これ何なのよ?)
どこか遠くよりコガラシの声が響く。
『ウラン鉱石だ』
(う、うらん? 何それ?)
聞いたこともない物質の名前だ。ひょっとすれば、コガラシの居たところから持ち込まれたのかもしれない。
『主に―などで産出され、―として加工される。その利用法は―で、莫大なエネルギーが―であり、
―であるが故―よって鉱物資源としての価値は非常に高い。言うなればレアアイテムよ』
コガラシは意外なほど丁寧に解説をしてくれるが、その内容はルイズにはさっぱりわからない。
ルイズの頭の回転が足りないのではなく、単純に知らない単語が多く使われているからであったのだ。
ただ一つ気になることがあった。
(貴重品なのはわかったけど、『ほうしゃせいぶっしつ』って何よ?)
『―が―であり、―が―な物質のことだ』
やはりなんのことだかさっぱりわからない。だが一つだけわかること、それは―
(よくわかんないけど……ひょっとして危険物?)
『ほうしゃせん』とか『はつがんせい』がどうのこうのと言うその単語からは何か洒落にならない危険な感じがする。
ルイズの問いにコガラシはしばし考え込むような沈黙を送り。
『ムウ……………………なに、かえって免疫力がつく』
「つくかバカああああああああ!」
怒りとともに杖を振るい、『錬金』の魔法を発動させ―ることはできず、『ウラン鉱石』は爆発し、消滅した。
そしてルイズはやはり爆発を起こす羽目になってしまった。
爆風の中でルイズは『結局こうして何もかも吹き飛ばしてしまえば楽になるんだ』となんとなく悟ってしまうのであった。
541:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:58:00 1QKmJYx+
HEAT弾は
「『漏斗型の金属板』の後ろに漏斗型の爆薬を置き
爆薬の爆発力で 『漏斗型の金属板』を押しつぶして
『超高速の金属の流れ』を作って
『金属の流れ』の『速度』で装甲をぶち抜く」
代物だから 爆発自体は全方向に向かう
風呂場で両手の中の水をピュッと撃つアレの
「水」の変わりに「金属板」を「両手の圧力」の代わりに「爆発の圧力」を使うようなもん
決して
「爆風が一方向にしか向かない」弾でもなければ
「爆風が一点に集中する」弾でもない
542:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:58:26 qaUgkyhO
バッww放射能wwww支援
543:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:00:16 9ooz5TQW
ウランの粉塵が教室に飛び散った支援
544:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:03:17 K8RjwH1N
コルベール先生の髪がwwwwwwwwwwww
545:仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 5/5
08/01/09 23:04:33 mIDz+qhD
☆
「うー……」
自室のベッドの上に突っ伏してルイズは唸る。今日もいつものように疲れがどっと肩にのしかかってくる。
一般的な貴族生徒の負うであろう苦労レベルをはるかに超えた疲れに、もはや一歩も動くもできない。
その理由は、言わずと知れた今日の『錬金』の授業のせいである。
あの爆発の後始末では、『ひばく』というやつはコガラシがメイドガイ的な何かを駆使して抑えたらしい。
聞く限りではメイドガイがどうとかいう次元の話ではなさそうだが、コガラシ的にはたいしたことのない仕事だったらしい。
それというのも不思議なことに飛び散ったはずのウラン鉱石は完全に『消滅』してしまったからだ。
コガラシもそれには不思議そうにしていた。ルイズの起こす爆発にはそうした力があるのかもしれない。
しかし、そんなことはどうでもいい。
「結局今回も失敗……」
ルイズの爆発でなんだか有耶無耶になってしまった錬金の授業。結局ルイズの錬金は失敗ということになったらしい。
それでいい。やはり人間正直が一番なのだ。ズルしてはいけない。今回のことは言わばズルへの罰なのだ。
これからは真っ直ぐに、誰に恥じることのないようにしていこう。そう心に誓うルイズであった。
ルイズが天と自分とブリミルに誓いを立てた次の瞬間。
「今帰ったぞご主人」
どこかへ出かけていたコガラシが帰ってくる。
「フム……」
コガラシはベッドの上に突っ伏すルイズを一瞥し、何事を考え込む。
「どうやらご主人はウランをお気に召さない様子。ならばこれでどうだ『プルトニウム』に『トリウム』……」
そう言って懐から取り出すのは大小さまざまな怪しい雰囲気の石ころたち。
「…………」
それを見たルイズは疲れを見せたまま幽鬼のように立ち上がり、無言で杖を振り上げ
「『錬金』『錬金』『れんきいいいいいいいん!!!』」
「ヌオオオオ!? ご主人何をするーーー!」
そして今日もルイズの爆発が炸裂した。
(続く!)
546:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:05:55 mIDz+qhD
投下終了。そういうわけでだいぶ間が空きましたが、『仮面のツカイマガイ』第二話です。途中なんか上手く書き込めなくて焦ったw
そんでまぁギャグ作品から召喚っていうのはすごく難しいと実感。独特の空気が出せなくて苦労します。
他のギャグ作品書いてる人とかすごいなぁと思います。しっかりせな、しっかりせな……。
それではいずれまた。
[追記]
3レス目6行目
>ルイズの心配
を↓
ルイズの心配を他所に、コガラシは不敵に笑う。
547:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:08:08 eNwg3MQK
コガラシさん程自重の似合わない人?はいないぜ
GJ
548:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:08:37 th7OX0tF
どうやって放射性を抑えたとか突っ込むのが礼儀なのかなーでもルイズが突っ込んでないからいいかー的GJ
というか十分コガラシっぷりを発揮できてるので気にせず続けてくださいな
>>533
1レスだけのネタなら一々予告しないことが多いな
ただ、投下予告に割り込むのは美しくないので猛省したまえ>532
549:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:12:03 QHRwlMo3
クソワロタwwwwwGJwwwww
550:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:12:27 UY3y8baf
ククククク・・・・GJだったぞ作者の人!
551:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:15:18 QHRwlMo3
亀だが・・・
>>464
使い魔バカになって、お母さんモードになってるキュルケを想像してもた。
サイトのピンチで大人モードになって、(主に胸で)ルイズ涙目
駆け引きなしのストレートアタックでシエスタ涙目
ルイズがちびっこの涙に勝てそうな気がしないのは仕様ですかそうですか
552:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:15:29 B4JdhYJE
精製しなきゃ大したことないだろ。
純度も低いだろうし。
553:371
08/01/09 23:16:37 LM7hsMCR
うおおお、メイドガイのノリが余すところなく再現されている。
まさにこれは良いものだGJ!
あと、ルイズの下着の染みについてkwsk。
>>397
なんと、一応公式化されていたのか、あの呼び名。
格ゲー苦手だからスルーしてたんだが、買ってみようかなニトロワ。
アナブラと並ぶ萌え貧乳キャラの沙耶たんも出てるし。
554:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:17:18 qaUgkyhO
コガラシGJ!
ルパンの映画にウランの結晶とか、
ガイガーカウンターが振り切るような高純度のものがあったなぁw
555:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:19:02 rkuZsfCL
ゼロの世界にも癌とかあるのか?
556:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:20:54 C92XIusi
ガンなんてどこにだってあるだろ、生物として
昔はガンで死ぬよりはやく死んでる奴が多かっただけで、少数はやはりガンを発症するだろ
557:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:21:10 VcEZ8mP+
GJ一話読んでないけどテラワロタw
早速一話読んできます
>>554
ヘミングウェイ・ペーパーの謎かw
あの頃のTVスペシャル版は面白かったな。
558:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:21:13 IOs1ddja
>>555
あるんじゃね?
肉体的には地球人と殆ど同じなら。
559:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:21:17 ZML5X4e1
投下してもいい?
560:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:22:38 rkuZsfCL
>>559
かもん
561:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:23:55 eNwg3MQK
支援
562:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:24:39 QHRwlMo3
しえn
563:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:24:52 B4JdhYJE
カウンターが振り切れたらレンジ変えろよwww
564:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:26:34 /f+KmjTw
>>559
よし受け止めてやろう
565:使途を越えた使い魔
08/01/09 23:27:13 ZML5X4e1
使途を越えた使い魔
>>62 >>63
第1話使い魔召還ー2
自然の摂理より幸せを知らない肛門挙筋に息吹を感じる。
残滓が排除される冷たい感覚は、鈍った意識に夢心地。
世界がおだやかだ、お空が楽しく見えてきた。
米倉が出来て私にできないはずがない。大丈夫。続行。
人攫いに呼びかけを試みる。
「タカシ!待ちなさい」
ーーーー何っ
俺はその言葉に驚愕の色を隠せなかった。
なぜなら俺の真名を知る唯一の男はリュージは既に、この世にいないからだ。
背徳者が永遠に氷漬けとなっている。繰り返される、千編一律な応対。
クロッペンの事を笑えないな。ククク。
「なぜ俺の真名を知っている? 小娘……」
「はぁ?あんたさっき自分で名乗ったじゃない」
チッ汚ない策略によって俺の真名は暴かれてしまったのか。
卑怯で計算高く、利己的なガキだな。赤毛猿を思い出すぜ。ムカムカしてきた。
マルコンヌは潰れたままか。使えない奴め。
使途を従えし解脱者、闇を溢し血塗られた救世主である俺のベクトルは既に定められているわけか。
決意の轍。引き返せない思想を科学する。
BGM 轢かれもんの小唄を口ずさむ俺。
そんなわけでハルゲニア高原へやって来たのだ
「我の名はルイズ・フランソワ・ラ・ショコラ・リ・ヴァリウエール。五つの力を司るペンタドラゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となす」
シンジの唇に、そっと押しつけた。舐めるようなキスだ。
チュゥ
「んんんん・・・・////////?」
――舌・・・私の舌がシンジの舌が触れ合った刹那、唇はぬめぬめと蠢いた。唾液が溢れる。
使い魔の股間が私の体に密着している。隆々と張りつめたまま。口内は沸騰しそう。
唇を噛み、歯並びをなぞる。二枚のぬめりに覆われた舌。
草原の中で口を睦みあっている。使い魔の唾液が私の喉を潤す。もみもみ。
to be continued
566:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:29:21 GrF2800q
これはひどい
567:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:29:51 mEBu2o9e
おもしろーい
568:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:30:21 xLExXp+L
誰だ投下許可だした馬鹿は
569:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:30:24 MUZXVhF5
つか何でタイトルが誤字ってるんだ。
570:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:31:07 ptpJMgKh
なんつうか・・・頭が痛くなってくるな
571:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:31:12 k8Ymt24A
色んな意味でまったくこの愚か者めが!
572:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:32:03 mkyhEwhh
もう完全にネタでやってるだろと(ry
573:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:32:13 /f+KmjTw
>>568
すまん
574:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:33:18 47KACHD+
>>565
死んでちょうだい
575:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:33:26 QHRwlMo3
>>568
ごめん
576:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:34:44 uD8tIGlL
よかった支援しなくてww
577:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:35:07 za2S0Jrl
>>573
そう気にするな。誰もこんなのが来るとは思ってなかった。
578:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:35:55 xLExXp+L
>>573
こっちも言葉が悪かったすまん
579:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:36:23 N9F0dAeh
支援しなくて良かったと言われるものが投下されるとは……
580:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:37:24 jy2+VGQ/
>>541
全方向に効果をもたらすみたいなこと書かれてもなぁ~
581:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:38:36 eNwg3MQK
>>575
ごめん、俺も支援しちまったんだ
582:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:38:42 xLExXp+L
マルコンヌにハルゲニアにルイズの名前……
原作くらい見ろよ
583:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:39:42 MUZXVhF5
そもそも元ネタにすら愛がないだろこれ…。
584:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:41:47 UY3y8baf
そもそも元ネタはなんぞ?
585:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:41:58 GAGZ5QLz
話ぶったぎって悪いがこのスレ見てるとメタビー召還物とか書きたくなってきた
586:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:42:32 /f+KmjTw
>>582
たぶん原作どころかアニメさえ見ていないとか
しかしこれは酷い
587:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:42:35 uMIdx/JJ
マジレスするだけ無駄だろ
ネタとして楽しむくらいの気持ちで眺めておけ
588:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:44:37 uD8tIGlL
これ見てると、なんか小学生のとき書いた小説を思い出すんだよ
589:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:44:57 xLExXp+L
>>585
メタルビーストに見えてインベーダー召喚か?と思ってしまった
590:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:45:31 8gTeq6hj
流れを無視して、ブレイクエイジを誰か召喚してくれ。
wktkするから。
591:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:47:10 xLExXp+L
>>590
言い出しっぺの法そk(ry
592:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:47:40 UY3y8baf
>>590
YOUが書いちゃいなよ!
593:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:48:24 th7OX0tF
>>590
ディーター召喚の人は今も執筆を続けてくれていると信じている
594:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:20 uD8tIGlL
>>589
その後にゲッター登場と?
どう考えても人類滅亡フラグしか立たないんですがww
595:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:24 aXxKzFqr
>>586
ここまで来るとわざとだろ
596:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:50:53 9n0S6KUJ
今投下してもよろしいでしょうか?
597:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:52:41 8gTeq6hj
>>596
支援
>>591 >>592
頑張って書いてるんだよ!
でも書くの初めてだから終わんなくて誰かが書いてくれることを信じたいんだぜ!!
だから、一緒に書いてくれw
オマエとなら、戦える!
>>593
ディーターがクロマクになって本編に中々でなくてサイトが主人公になりそうな件で大丈夫か悩んでる俺。
あと何に乗せるかが二転三転しまくり。うぼあー
598:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:53:26 uD8tIGlL
支援恐怖症になりつつも支援
599:“微熱”の使い魔9-1
08/01/09 23:53:42 9n0S6KUJ
「わー……! 高いよー、速いよーー!!」
風竜シルフィードの背中で、エリーは子供のようにきゃいきゃいと騒いでいた。
みっともないと責めるなかれ。何しろ、エリーにとって空を飛ぶなどという経験は初めてのものだし、かつドラゴンの背中に乗るなどおとぎ話の中のものでしかなかった。
それが、今現実として、空を駆けるドラゴンの上に乗っているのだ。興奮するなというほうが無理な注文だった。
シルフィードはエリーの歓喜がわかるのか、歓声が上がるたびに、その動きは優雅に、機敏になっていた。
「相変わらず、あなたの風竜は惚れ惚れするわね」
エリーの隣。キュルケは赤い髪をかきあげながらドラゴンの背中を撫でた。
「シルフィード」
一番前に乗るタバサは無表情のまま言った。
「そうそう、あなたのシルフィードは」
キュルケはその意をくんで、すばやく訂正した。
「ハルケギニアの、魔法使いってすごいんだね……」
はるか向こうの空や山を見ながら、エリーはつぶやいた。
「こんなすごいドラゴンを、使い魔にしちゃうなんて……」
「でしょう?」
キュルケは自慢げに微笑む。
「でも、みんながみんなこんな幻獣を呼べるわけじゃあないわ。メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろって言うように、それだけタバサがすごいってこと」
「……」
タバサは何を言わない。が、一見無表情のその顔には、わずかに感情の揺らぎがある。キュルケには、それが“照れ”であることがわかった。
「うふ」
クールな親友の反応に、キュルケは嬉しげに目を細める。
「私、最初シルフィードを見た時、ちょっと怖かったんです……。ドラゴンだし」
「ふーん。あなたの国……シグザールのドラゴンはそんなに凶暴なの?」
「私も、話で聞いたことしかないですけど。でも、ほんの数年前までヴィラント山……ザールブルグからそんなに遠くない山に棲んでたそうです。ものっすごく強暴で強くて、大勢の人間が犠牲になったとか……」
「へえ……」
キュルケはかすかに感嘆の声をあげる。場所は変わっても、竜族の強さは凄まじいものらしい。どこへいっても、最強の種族ということか。
「それ、どんなドラゴンだったの?」
「何でも……赤い体をした大きな火竜だったそうです」
「火竜」
火を吐くドラゴン。火のメイジとしては色々と感じるところのある存在だった。
しかし。
「ねえ……エリー? 棲んでたって…過去形で言ったわよ? じゃあ、今その火竜は?」
600:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:53:56 QHRwlMo3
おびえながら支援
601:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:54:11 GAGZ5QLz
流石にID変えてまで投下は無いのでは?
支援しますよ
602:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:54:45 QHRwlMo3
開幕から「サラマンダーよりはやーい」を思い出してしまった支援
603:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:55:06 th7OX0tF
>>602と同じ感想持った支援
604:“微熱”の使い魔9-2
08/01/09 23:55:20 9n0S6KUJ
「いません。退治されましたから」
あっさりと、エリーは言った。それは、キュルケにしても予想できた答えではあった。しかし、ドラゴンは敵に回せば、並のメイジなんぞ相手にさえならない恐ろしい存在である。
―それを、退治した?
話を聞いた限りでは、エリーの住んでいた国に、魔法使い、少なくともハルケギニアのようなメイジはいないはず。ならば、誰がどうやって、炎のドラゴンを退治した?
キュルケの中でむくむくと好奇の炎が燃え出した。
エリーの言う火竜が、ハルケギニアと同じものとは限らない。しかしシルフィードを見たエリーの言動から考えるに、基本的な差異はないであろう。あるとすれば、韻竜のことくらいかもしれない。
「どんな人が?」
「王室騎士隊長の、エンデルクって人です」
「騎士ね……。うん?」
騎士という言葉に納得しかけたキュルケ。だが、
―仮にも一国の王室直属の騎士隊長なら、スクウェア……いや、ちょっと待った。エリーの国にメイジはいないはず……。それなら、そのエンデルクという人間は……普通の、つまり平民?
「あの、エリー、ちょっとだけ確認しておきたいんだけど……そのエンデルクって人はメイジじゃないのよね」
「そうですよ。あ、ものすごい剣の達人だそうです」
「それで、火竜を倒した?」
ハルケギニアの常識では、剣は魔法と同列ではない。ことに貴族にとっては、魔法という武器を持たない者が、身を守るために磨いた牙という程度。
シグザールの火竜が、こちらに比べて弱いのか。それとも、そのエンデルクという騎士がとんでもない化け物なのか。
キュルケの頭に、貧弱貧弱ウリリリィィイイイィィィ!なドラゴンと、凶悪な火竜を剣のみで倒す“化け物”のイメージが浮かんだ。
「あの、どうかしたんですか?」
「いえ、何でもないのよー。おほほほ……」
不思議そうなエリーに、キュルケはあわてて笑顔を作った。
―考えてみたって、始まらないか……。
実際に、その火竜やエンデルクを見れば話は早いのだろうが、それは無理な相談である。
「見つけた」
タバサが言った。同時に、シルフィードがきゅいと鳴く。
「え、ルイズ? どこに?」
キュルケが下を見ると、人を乗せた二頭の馬が道を走っている姿が。そのうち一頭はどうにも動きが良くない。よく訓練されている馬のおかげでどうにかなっているようだが、明らかに下手くそだ。
ルイズと、才人。
「馬にも、バカにされてるわね、あれは……」
才人の“お見事”な乗馬を見ながら、キュルケは苦笑する。
「どうやら、城下町にいくみたいね」
馬の走る方向、その先に見える街を見ながら、キュルケはつぶやく。
「あの使い魔くんに、プレゼントでもしようっていうのかしら……」
605:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:55:50 C92XIusi
支援
>>597
プロットちゃんと書いて、最低三回は推敲しとけばどんなに悪くともみれる代物にはなる
才能や経験より手間と熱意だよ
わかんないところや専門外のところはちゃんと調べるか思い切って省略しちゃうこと
606:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:56:09 uD8tIGlL
よかった!恐怖に耐えてよかった支援
607:“微熱”の使い魔9-3
08/01/09 23:57:10 9n0S6KUJ
「人が多いですねえ……」
街を見回しながら、エリーはつぶやく。
「そりゃあ仮にも、城下町だからね」
「うーん。それだけじゃなくて……」
キュルケの言葉にうなずきながらも、エリーは何かを考えている。
「その、何かせかせかしてるっていうか……」
それは、ここがせわしないというより、ザールブルグがのんびりしているということなのだが、エリーにはそれはわからない。あるいはここにきて、初めてわかったことかもしれない。
「最近物騒だからねえ……みんなピリピリしてるのかもしれないわ。土くれのフーケの噂もあるし」
「“つちくれ”? 何ですか、それ?」
「最近あちこちで暴れてる泥棒よ。正体は不明。ま、メイジらしいってことは確かみたいだけど」
と、キュルケはどこかわくわくしたように言っている。
「メイジって、貴族の人が泥棒するんですか?」
「メイジの全部が貴族ってわけじゃあないわ。中には家が没落したり、勘当されたりで身を落とすやつもけっこーいるの」
「厳しいんですね、ここも……」
「まーね。っと、それよりも、ルイズは……」
「あそこ」
タバサが小さく顎をしゃくった。その先には、ピンクの頭と、それについていく黒い髪。
才人はあちこち見回しながら、アレは何だ、コレは何だといっている。エリー以上に“田舎者”丸出しである。
「何をやっているんだか」
「買い物でもするんですかね? どこ行くんだろう?」
エリーがつぶやいた途端、
「ちゅうか剣屋はどこだよ」
才人が大声で言った。
「へえ、ルイズったら、使い魔くんに剣をプレゼントするつもりらしいわ」
キュルケは面白そうに言った。
エリーも何となく二人の後姿を見ていたが、
「あ」
路地裏のほうをちょこちょこと動く影を見て、そちらを振り向いた。
「今のは―」
一瞬見えたその影は、エリーのよく見知っているものと、酷似していた。
気がついた時には、エリーは影を追って走り出していた。初めてきたばかりの街を一心不乱に。
608:“微熱”の使い魔9-4
08/01/09 23:58:37 9n0S6KUJ
「ちょっと、エリー!? どこへいくの!? ダメよ、一人で!!」
キュルケもあわてて、それを追う。タバサも本を閉じて続いた。
路地裏を駆け、ゴミ箱を飛び越えて、全力疾走。その果てに、エリーはついに影に追いついた。
「見つけた……!」
エリーの叫びに、影はびくりとして立ち止まり、振り返った。
「やっぱり……そうだ」
“影”を見つめながら、エリーはふるふると震えだす。
「はぁはぁ……エリー、どうしたの、急、に……!?」
「……!」
追いついてきたキュルケとタバサも、“影”を見て立ち止まった。
「こども?」
キュルケのつぶやき。それは“影”の姿を実に的確に表現している。
不思議な形をした緑の帽子と服。それを着込んだ子供。それが“影”の容姿。が、何か、どこかおかしい。
「サイズが変」
タバサの言うとおり、それは人間の子供のようではあるが、その見かけ上の年齢に対して、背丈があまりにも小さすぎる。子供というよりも、小人だ。
「やっぱり、妖精さんだあ」
エリーはしゃがみこんでその小さな相手を見つめ、笑顔を浮かべた。
「妖精?」
キュルケも改めて小人を見る。そういえば、何か不思議な魔力?のようなものを感じなくもないが。
「そんなものが、ここらにいたの? 精霊じゃなくて? いや、それでもおかしいけど」
「精霊に近い。でも、ランクは多分もっと下」
キュルケの疑問に答えるように、タバサがつぶやいた。
「“隠れて”走ってたのに……。人間に僕らが見つかって、こんなに簡単に追いつかれるなんて……」
緑服の妖精は、驚いた顔でエリーたちを見上げている。
「あ、はじめまして。私はエリー。あなたは、妖精さんだよね?」
「そう、僕は妖精のポポル。お姉さんたちは、どうして……ああ、そっか」
緑妖精は不思議そうな顔をしていたが、エリーの腕を見て、納得したようにうなずいた。
キュルケは何事かとエリーの腕を見る。そこには、古い腕輪が光っていた。それは、エリーが“召喚”された時からすでに身につけていたものだ。
―あれが、何か特別なものだっていうの?
気がつくと、タバサも興味深げに、妖精、そしてエリーの腕輪を見ていた。
「その腕輪をつけてるってことは、その“資格”のある人ってことだね」
609:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:58:51 th7OX0tF
迷子フラグ? 支援
610:“微熱”の使い魔9-5
08/01/10 00:00:06 9n0S6KUJ
資格? と、キュルケは首をひねる。
それは一体何なのだろう。妖精を見る、あるいは見つけることのできる、という意味だろうか。
「それじゃあ、今度からお姉さんのところにもいくね」
「いくって、妖精の森にいけるんじゃないの?」
エリーが言う。妖精の森。またファンタジーな言葉が出てきた。
「森に来る? これないこともないけど……まわりは人間にはものすごく危険なところもあるから、ちょっと無理だと思うけど」
「……そっか、ザールブルグとは違うんだ」
エリーはつぶやいた。少しだけ寂しそうな顔で。
「―で、いいの?」
タバサが言う。
「え、なにが……って、そうそうゼロのルイズのこと忘れてたわね…………うーーん」
キュルケは考えながら頭をかく。
「まあルイズのことはとりあえずいいわ。子供じゃないんだし」
「……そいじゃお姉さん、またねー」
そうこうするうちに、ポポルは手を振って駆けて行ってしまった。
「……良かったの?」
キュルケはエリーに言った。
「ええ。こっちにも妖精がいるんだって知って、ちょっと安心しちゃった……」
「私としては、面白いものに会えたし、いいんだけどね」
キュルケは苦笑いを浮かべる。
「せっかく街にきたんだし、お茶でもしていきましょうか?」
「……気まぐれ」
そう言いながら、タバサは妖精の駆けていったほうを見ている。よほど興味を引かれたのか。
「お茶のついでに、色々見ていきましょう。あなたに必要な道具や薬も見つかるかもしれないし」
キュルケはエリーの腕を引っ張って、表通りに向かって歩き出す。
「あ……はい」
少しぼうっとしていたエリーは、うなずきながらそれに従う。
タバサはそんな二人にため息をついてから、もう一度妖精の去ったほうを振り向いた。
―妖精……。何かわかるかもしれない。
青い髪の少女の頭に、ある女性の姿が思い浮かぶ。
人には難しいことも、精霊に連なるものであるなら、解決する術を持っているかもしれない。
タバサはキュルケに呼ばれるまで、じっとその場に立ち尽くしていた。
611:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:10 iFD1pyp/
支援
612:“微熱”の使い魔9-6
08/01/10 00:01:19 9n0S6KUJ
で、結局。
「うーん、これなんかいいんじゃない?」
「あの……ちょっとハデなんじゃあ……」
三人は服屋であれこれ物色をすることになった。もっというなら、エリーがキュルケの着せ替え人形みたくなっていた。タバサは我関せずでこんな場所でさえ本を読んでいる。
「あら、これくらい。平民の女の子だって着てるわよ」
「でも、ちょっと露出が多いような……」
「そう? じゃあ、こっちは? このシックな感じなら、エリーにも」
「へえ……素敵かも……。え、エキュー? 金貨で……枚? ひいい!」
高すぎる、とエリーは悲鳴を上げた。
「大丈夫よ、これくらい。私のポケットマネーでどうとでもなるから」
「いや、でも…こんなに……」
キュルケの選ぶ服はいずれも、派手ではあるが趣味のいいものばかり。しかし値段のほうも、エリーの感覚からすれば、洒落にならないものばかりだった。
エリーとて、年頃の少女である。おしゃれにまるで興味がないわけではない。だが、“優先順位”では常に錬金術が上位にある。錬金術の中では、貴金属や装飾品を作るものもあるが、それらはあくまで研究の過程、研究成果として価値があるのだ。
別の場合でも、あくまで“商品”としての価値であり、自分が着飾るという発想はなかった。
「あの、やっぱり、こういう高いのは……それよりも、もうちょっとこう汚れても困らないようなやつとかが欲しいんですけど」
「そーお?」
キュルケはちょっと不満そうだったが、すぐに納得したらしく、
「じゃあ、それはそれで買うとして……普段着や余所行きの服ってことで」
もう少し庶民向けの服から何着か選び出してきた。
エリーはキュルケの押しの強さに、少し引き気味になってしまう。
そこに。
「もう、冗談じゃないわよ、あの親父ッ!!」
店の前を、文句を言いながら一人の少女が通り過ぎた。その横には、疲れたような顔の少年。
「あれ、サイト?」
エリーはつぶやく。
「サイト? 使い魔くん?」
エリーの言葉に反応し、キュルケも店の外を見る。
ぷりぷりと機嫌の悪いルイズと、面倒くせえなあ、という顔の才人が歩いていた。
「っと……いけない、いけない。通り過ぎるところだったわ。サイト、こっちよ」
ルイズはちょっとあわてたように引き返し、エリーたちのいる服屋に入ってきた。
「男ものの服がほしいんだけど。これにあうのを見繕ってちょうだい」
ルイズは親指で才人を指しながら、店員に言った。
613:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:42 ulm10gM/
いや、お手伝いさんの妖精ゲットフラグだろ支援
614:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:43 GAGZ5QLz
支援中
615:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:01:57 m+sbFa+W
支援とともに投下予約
616:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:02:33 Lux1u4AI
魔法学院を妖精さん養成学校にするつもりか支援w
617:“微熱”の使い魔9-7
08/01/10 00:02:38 9n0S6KUJ
「あら、ルイズ? 素敵なハニーに服のプレゼントかしら?」
キュルケはにんまり笑いながら、エリーに呼びかけた。
「え? えええ?!? ちょっと、何であんたらはここに!?」
「あら、私はエリーと一緒に服を買いに着ただけよ? それとも、私たちがここにいちゃまずい理由でも?」
「ジョーダンじゃないわよ! ただでさえ気分悪いのに、何でツェルプストーと……!」
「……よう、エリーも買い物?」
フンガーフンガーとやかましい“主人”にかまうことなく、エリーを見た才人はちょっと照れくさそうにたずねる。
「ま、まあ、そうかな? サイトも?」
こっそり尾行してきたというのがあるだけに、エリーはちょっとたどたどしい態度。しかし、サイトはそれに気づいた様子もない。
「ああ、まあな? うちの“ご主人様”が剣を買ってくれるつうから……。でも、買えなかったけどな」
「なんで? いいのなかったの?」
「まあ、なんつうかなあ…。剣ってけっこう高いもんらしくってさ。まともな大剣なら、最低でも二百とか、そんなんだと」
「大剣?」
エリーは一瞬きょとんとする。どう見ても筋骨隆々とはいえない才人の体格からは、そんな重量のある武器を選ぶとは予想できなかったのだ。
「で、結局適当なのがなくて、親父に悪態ついて店出ることになったんだよ。で、代わりに、服でも買ってやるって……」
「ふーん。でも、そのほうが良かったかも。サイトの服、ここじゃちょっと目立ちすぎるもの。私も人のことは言えないけど」
「そうかもな」
才人は自分の服を見下ろしながら苦笑する。
「ちょっと、いつまでもツェルプストーの使い魔としゃべってるんじゃないわよ!! 他の店に行くわよ、他の店に!」
ルイズが才人の首根っこをつかんだ。
「うあっと…! じゃ、じゃあなエリー……おい、引っ張るなよ!?」
「うっさいうっさい! いいことサイト!? あんた、ツェルプストーの使い魔と口きくの禁止!! 絶対!!」
「な、何だよ、それ。横暴だぞ!!?」
「そうよ、エリー? そういう野暮はよろしくないんじゃなくて」
にやにやとしたキュルケが口をはさむ。
「うるさい、うるさーーい!!」
ルイズが大声で叫びながら、飛び出すように店を出て行った。才人を引きずって。
「……相変わらず、すごいなあ……」
「というか、まわりに迷惑」
半ば呆然とするエリーに後ろで、タバサがつぶやいた。
618:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:02:40 cc0SQeSt
>>565
ビッチルイズうぜー
619:“微熱”の使い魔
08/01/10 00:03:50 9n0S6KUJ
今回分はコレにて終了です
支援のかたがたに感謝いたします
ありがとうございました
620:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:04:25 eNwg3MQK
支援
621:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:06:41 e11GZHoy
>>619
投下乙です
622:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:06:46 xl1ZGQMb
GJ!!
しかし、色々とフラグが立ってきましたな
そしてデルフは何処にww
623:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:07:01 Z+sEsxJc
エリーとサイトをどうしても比較してしまう。
なんと言うか、余裕が感じられないのがこのルイズの持ち味なんだと納得できた。
624:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:08:41 Z1cZk+/3
ちょっ デルフどこいったのーーーー
625:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:08:51 +icGyz/+
……で、デルフがもしかして?
いや、これは出待ちに違いない
一番いいところで颯爽と現れるはずだ
とりあえず期待しておく!
>>597
本人かよw
まあ、ディーターはもともと本編に直接絡むキャラじゃなかったしな
サイトが主人公でもいいんじゃないかな
問題は、それによってディーターの魅力がちゃんと描けるかどうか、だろ
626:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:10:32 0gHt1VVa
シア様がハタキでシバき殺したんじゃないんだなw>火竜
627:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:10:38 uBEI7/5A
妖精さんがどうなるかわくわくだぜ
>>605
サンクス。
もっと頑張ってみるぜ
>>625
目から鱗落ちた。
じゃあサイトナムにサイト乗せる計画進めるわ
628:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:13:54 Lux1u4AI
デルフはガルダナイトになりました。
>>626
マリー+の伝説の二人エンドは激しくワロタw
629:つかいま
08/01/10 00:16:38 nH/BXIol
乙あるよー。作品によってデルフの出し方もいろいろあるな。
それではお客さん、第七話できたある。10分待ってから投下する、よろしか?
630:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:18 uBEI7/5A
>>629
よろしね!
631:つかいま
08/01/10 00:18:23 nH/BXIol
ああ、ID変わってたね。わたし>>615あるよ。
632:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:25 pZ13QDB0
支援
633:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:18:52 KUtx3ItM
ゼロのぽややん書いてた人ってまだ続きかいてるのかなぁ・・・
634:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:23:41 x48Wbbed
>>628
まぁ、最高級インゴットとして評価されるなら本望じゃね?w
従属効果:魔法無効とか
635:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:24:12 BvHal0mA
支援
636:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:26:27 6o+T8nwB
微熱のデルフは、学院の宝物庫にあるのかもしれないね。
あと、エリー自作の武器でサイトが頑張るのも良いかも。
(その場合、どうみてもエリーフラグだが)
637:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 1/5
08/01/10 00:27:08 nH/BXIol
あいやー、1週間ぶりに投下開始!
魔法学院の秘宝、『魔剣デルフリンガー』を盗んだ怪盗・フーケ捜索のため、聞き込みに出たらんま一行。
学院周辺からトリスタニアまで足を伸ばし、シルフィードを飛ばして情報を収集する。
そして、2日目の夜。宿のテーブルで付近の地図を広げ、集めた情報を整理する。
「……どうやら、犯行のあった箇所を調べていくと、この山地を中心にしているようですね。
この近くで怪しい人影を見たという噂もあるようですし」
「神出鬼没とは言っても、アジトはないと活動できねぇしな」
「ええ。この山地は、岩山と洞窟ばかりの荒地。土メイジのアジトには相応しいかと」
「そこを調べて、盗品が見つかれば……!」
意気込むルイズに対し、キュルケは冷静だ。二つ名が『微熱』のくせに。
「けどさあ、フーケは土のトライアングルメイジよ?
ミス・ロングビルは土のラインだけど、トライアングルともなれば、30メイルもの巨大ゴーレムを操るレベル。
生半な戦力じゃあ、返り討ちに遭うだけじゃ……」
30メイル(メートル)ぅ? ゴジラやウルトラマンよりゃ小さいが、ビルが襲って来るよーなもんだな。
ギーシュの悪キュウリとは大違いだぜ。
「でもよー、操ってるフーケ自身を倒せばいいんだろ?
格闘なら俺がいるし、火のトライアングルも風のトライアングルもいるし、何とかなるって」
「そーよね、この『微熱』のキュルケが土くれなんかに負けるもんですか!
正体は泥臭い野蛮人か、嫁き遅れのおばんに違いないわ、そんな奴!
おーーーーっほっほっほっ、見てらっしゃい!!」
キュルケの高笑いに、ロングビルさんが『ぴき』と額に血管を浮かばせた。
この世界での23歳とは、充分年増の域らしい。
「……つっても、流石に広すぎるよなぁ。何か手がかりがもう少しねーかな。
魔法での盗品の探索ってのは、できたらやってるだろーし」
「ええ、噂では、フーケは盗品に『魔封じの札』を貼り、魔法による探知を免れているそうです。
最初の頃フーケの被害にあった貴族の屋敷から、それが盗まれていたとか」
「じゃあ、フーケも自分にそれを貼っているのかも知れないわね……」
ん、待てよ。こういうのにうってつけの人材、いや獣材がいるじゃねえかよ。
「なあルイズ、財宝捜しに、ギーシュのヴェルダンデを連れてくるか? 主人はともかく、使い魔は優秀なんだろ」
「それも考えたけど、あの変態を連れてくるのは勘弁して欲しいわ」
「まぁ、そうか……あいつに手柄を譲るのも、シャクだもんな」
638:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 2/5
08/01/10 00:29:38 nH/BXIol
かくして、捜索3日目。一行はシルフィードに乗り、件の山地へ向かう。
ごつごつした岩肌と自然の洞窟。なるほど、『土くれ』のアジトらしい雰囲気だ。
「とにかく、手分けしてその辺の洞窟を捜しましょう。一時間ぐらいしたら、一旦ここに集合ということで」
「そうね。あまり離れない方がいいかも知れないわ。……ランマは、私を守りなさい」
「怖がりなご主人様だぜ。いいよ、使い魔の俺が守ってやらー」
主従二人の様子に、キュルケが微笑んだ。
「じゃあ私、タバサ、ミス・ロングビルは別々になりましょうか。
タイマツを出して、火を点けてあげるから」
ルイズとらんまは、手を繋いで近くの洞窟に入り込む。
「……暗いし、寒いわ……フーケの罠があるかも……」
「手を離すなよ、ルイズ。何か出たら、この鉄の棍棒で叩きのめしてやっから。
……おし、足跡があるぜ! これをたどって行けばいいだろ」
二人が足跡をたどって行くと、やがて洞窟の行き止まりに着いた。
「あれ? おっかしーな…… のわっ!?」
ぽーん、とらんまの頭上でクス玉が開き、紙吹雪と砂が降り注いで垂れ幕が下りた。
「……『ハズレ』だって、ランマ。これでフーケがいるらしい事は分かったけど、
よく考えたら土メイジなんだから、足跡ぐらい自由自在よね」
「っっちくしょお~~、バカにしやがってえ~~っ」
この程度の罠ですんで、幸運だったと思えってのか?
殺そうと思えば殺せた、とか思ってるんだろ?
フーケの野郎、早乙女乱馬をなめんじゃねえぞっ。ぜってー捕まえてやるっ。
ふふふふふ、と笑いながら、復讐に燃えるらんまであった。子供か。
639:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:30:57 Lux1u4AI
悪胡瓜支援
640:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 3/5
08/01/10 00:31:47 nH/BXIol
確かにフーケのアジトはあるようなのだが、なかなか本物が見つからない。
四人は合流して、同じ洞窟を捜すことにする。
落とし穴が多数ある洞窟、開けた宝箱が爆発して砂を撒き散らす洞窟、
温泉が急流のように通っている洞窟、井戸の底から幽霊が出る洞窟。
もういくつの洞窟を探索したのだろう、そろそろ日が暮れてきた。やっぱりヴェルダンデを連れてくるべきだったか。
「ぜいぜいぜい、どこまでも人をおちょくりやがって、フーケのやろお~~っ」
「タバサが幽霊を見て気絶しちゃったわ。ひとまず外へ出て、合流しましょうよ」
「おー、キュルケ。ルイズもだぜ。……ん、ロングビルさんは?」
「こっちの分岐点で、彼女は向こうへ行ったんだけど……」
天井が高く細長い、やや下り坂になった狭い道だ。突如、背後でゴトンという音がする。
振り向けば、道をゴロンゴロンゴロンと巨大な石の円盤が転がってくる!
咄嗟にロングビルの入った道へ飛び込むが、円盤は更に追いかけてきた。
「どっひゃーーーっ!? キュルケ、はっ、早くロングビルさんを追うんだっ!
道幅いっぱいの上に勢いがつき過ぎてて、俺でも止められねーぞ!!」
「ままま待ってランマちゃん! 置いていかないで!!」
二人はルイズとタバサを各々背負い、全力でロングビルの進んだ道を駆け抜けた。
「で、出口だ! 文字通り光が差してるぜ、助かったっ!」
らんまとキュルケが外に飛び出し、素早く横に逃げて石の円盤をやり過ごす。
円盤はドシンと向こうの壁に激突し、めりこんで止まった。
「はあああ、危なかった~~。死ぬかと思ったぜ、こんちきしょう。
……って、ここは岩山の谷間か? 確かに上から光は差し込んでいるけど、出口って雰囲気じゃねえなぁ」
「そうね。この崖の高さ、50メイルはありそうよ。上からも狭くて出入りできそうにないし」
幅は10メイルほどか。かなり細長いが、ならせば面積は校庭ぐらいありそうな、回廊状の空間だ。
上からの光と雨で、地面には案外草花が繁茂している。
そして、崖を刳り貫いて、結構立派な人工の建造物がある。その前に若い女がいた。
「あら、皆さんお揃いで」
「ああっ、ミス・ロングビル! やっと会えたわ、探したのよ!」
641:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 4/5
08/01/10 00:34:14 nH/BXIol
「無事でよかったぜロングビルさん。この崖を刳り貫いたよーな建物はなんだ?
……はっ、そうか、ここがフーケのアジトか!!」
「やったわ、お手柄ねミス・ロングビル!」
ロングビルに駆け寄る二人の足元が、ずぼっと崩れて落ちる。
「でえっ!?」「きゃあ?!」
泥だ。地面が泥のようになって、二人、いや四人を腰まで飲み込んでしまった!
くくくくくくっ、とロングビルが嘲笑った。手にはメイジの杖と、水晶球を持っている。
「馬鹿な小娘どもだねぇ、私が『土くれ』のフーケさ。
ようこそ私の秘密基地へ。なかなか面白い見世物だったよ、あんた達の慌てぶりはね」
ロングビル改めフーケの掌の中の水晶球に、らんま一行のこれまでの苦労が映し出される。
らんまの怒りは、心頭に達した。素早く棍棒を旋回させ、跳躍してルイズごと泥から抜け出す。
「っってえめええ、人をさんざんおちょくりやがって!
とうとう追い詰めたぞ、ここでぶっ飛ばしてやらあ!!」
「やってごらん!!!」
後ろの崖からゴゴゴッと身長30メイルもの『岩のゴーレム』が現れ、らんまたちを踏み潰しにかかる!
「こっ、こんなデカブツ、こんな狭いところで動かすなよなっ!」
「私は土メイジだからねぇ、ゴーレムの中に潜らせてもらうよ。あんた達は潰れっちまいなああ!!」
「ら、ランマちゃん、私とタバサも助けて!!」
巨大ゴーレムの中に隠れたフーケ、気絶したルイズとタバサ、泥の中のキュルケ。
立ち向かうらんまは鉄の棍棒1本。その頭上から降り注ぐ岩石と土砂。絶体絶命のピンチだ!
642:つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 5/5
08/01/10 00:36:38 nH/BXIol
しかし、迫り来るゴーレムの右足が突然、爆発した。ルイズの放った爆発魔法ではない、『内側』からだ。
ガラガラと岩が崩れ落ち、ゴーレムはバランスを崩して崖に寄りかかった。
その足の中から現れたのは、一人の男であった。
「………ここは、どこだ?」
黒髪に八重歯、黒いプリント入りの黄色いバンダナ、背中のリュックサックと赤い番傘。
らんまは思わず固まる。今のは土木技『爆砕点穴』!
そしてこいつは、見忘れようもねえ、この男はっ!!
「りょ、りょ、りょ、良牙!!!?」
………おい、冗談だろ。助かったのはいいが、マジかよ?
あの野郎、『響良牙』の方向音痴は、異世界に迷い込むほど酷えのか?
「ら、乱馬!? きさま、天道家から失踪したんじゃなかったのか?
こんなところで何を「そりゃこっちのセリフだっっ!! なんでおめーまでこっちに来てんだよっっ!!」
良牙は眼をぱちくりさせる。
「こっち? 何だか知らねえが、取り込み中のようだな。この動く石像をぶっ壊しゃあいいのか?」
「そ、そうだ! さっきの要領で、粉々にしちまってくれっ!」
「よおし、喰らえ妖怪変化、『爆砕点穴』!!」
良牙が人差し指をゴーレムに突き立てると、ゴーレムを構成する岩石が次々に爆発していく。
無生物の『破孔(ツボ)』を突いて爆砕する、中国の土木作業者によって生み出された奥義だ。
「よおおーーし、って、どわああああああああ!? しまったあああ!!」
ゴーレムはガラガラガラガラと崩れ落ち、谷間は土砂で埋まってしまう。
間一髪、らんまはルイズとキュルケとタバサを背負い、頑丈な建物の中へ避難した。
良牙は無傷で、ぼこっと土砂の上に顔を出す。
「おーーーーーい、乱馬、どこに埋まったーーーっ!」
「……お・め・え・なあ~~~~……」
らんまは建物の中で、精神的・肉体的疲労によりぐったりしていた。
(続く)
643:つかいま
08/01/10 00:38:28 nH/BXIol
投下終了ある。
愉快な仲間が増えてしまて、一体どうなることあるか?
次回をお楽しみに、再見!
644:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:39:56 uBEI7/5A
方向音痴って凄いんだなぁ……w
乙!!
645:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:41:03 Lux1u4AI
さすが極度の方向音痴w
GJでした。
646:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:41:17 8hP7lZmm
そうかあ、良牙ってナチュラルに異世界に出たり入ったりしてるから
どんな短い距離でも迷うんだw
647:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:42:10 +icGyz/+
まあ方向音痴じゃ仕方ないよなw
648:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:43:30 Z1cZk+/3
まぁ、方向音痴だしなぁ
649:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:45:42 3B1r/nmA
良牙だと何でも方向音痴で済ませられるw
650:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:46:16 QiuiFLkn
欄間の正体がバレる日も近い
651:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:50:29 f+0gkTe9
>>647-649
なんでおまいら納得してるんだよw
多分、天道道場に良牙が戻れたとしても来た道辿れないんだろうなぁ
652:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:50:36 FAo7Fwdg
爆砕点穴って人にきかないだけで実はすごいんじゃないか、と改めて思い知ったと言うか
653:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:51:25 8hP7lZmm
>>652
実はアルビオンも一発で落ちるんだぜ(大嘘
654:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 00:53:45 pMBlprmX
>>653
ひょっとして本当に落ちないか?
655:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:04:40 KEKBUvo9
>>653
嘘からでた実になりそうだから困るwww
656:98-626 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:07:08 ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話投下しますがOKでしょうか?
657:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:10:07 iFD1pyp/
>652
少なくとも、ウマなみモグラに穴をあけられるんだからだから出来ても俺は驚かない。
(ただ、やるなら三日ぐらいかかって疲労困憊して欲しいが)
658:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:10:23 /xDwJ9+m
それは一向にかまわんが98-626って一体何?
659:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:11:15 iFD1pyp/
>斬鉄剣
大丈夫なはず、いったれ!
660:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:11:53 074JUTEz
>>656
ペース速えええ
むりしないでくれよ
661:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:12:29 7l7jZP6N
初回投稿時のスレ番号とレス番号だろう
パート98の626から続いてますという
662:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:12:48 f+0gkTe9
支援
663:98-626 ◆99aL9b0qn.
08/01/10 01:12:54 ETi5fRbs
>>658
part98の626番目のカキコって意味です
とりあえずとってつけただけなんで気にしないでww
投下します
664:ゼロの斬鉄剣 6話 (1)
08/01/10 01:14:15 ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話 ―魔剣デルフリンガー―
五ェ門がルイズに召還されてからはや3週間たった夜の事
「ねぇ、ゴエモン。」
部屋の隅で瞑想をしていた五ェ門に声をかけるルイズ。
「あんた、いっつもその服だけど替えの服はないの?」
すこし顔を顰める五ェ門
「あいにくだがこれが拙者の一張羅。」
「あ!そうか。」
自分が召還したときに五ェ門が持っていたのは斬鉄剣ぐらいであったので
愚問といえよう
「そうね、明日は休日だしゴエモンの服を買いに行きましょうか!」
「拙者の着物を?」
ふふん、とルイズは鼻をならす
「あたしはこう見えても公爵家の出よ?使い魔の服を買うくらい楽勝よ!」
それに、とルイズ
「ゴエモンもこの国に来てから遠出はしてないでしょ?だから一緒にいきましょ。」
ふむ、とうなずく五ェ門
「かたじけない、一つ宜しく頼む。」
五ェ門がそう礼を述べるとルイズはニンマリと笑いながらベッドにもぐりこんだ
こうして次の日は城下町に行くことになったのだ。
チュン・チュン・・・・
五ェ門はいつもの時間に目をさましたが・・・
「あら、おはようゴエモン。遅かったわね。」
不覚にも寝過ごしたかと太陽をみるもまだ顔をだしたばかりといったところだ。
「む、ずいぶん早い目覚めだな、ルイズ。」
まあね、と笑うルイズ
「ここから城下町まで馬でも3時間はかかるのよ、早めにでないとね。」
なるほど、納得するゴエモン
「それに今日は久しぶりに人とでかけるから・・・(ボソ)」