08/01/08 22:24:00 vaZ/4vSi
お前らギーシュが片腕になったことはスルーか
294:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:24:34 WQxSmzVR
>>293
魔法でくっつくんじゃない?
295:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:25:28 GT12PSTQ
>>294
治療代云々の話が出てたから多分無理かと
296:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:25:51 dUQw31jy
GJ!
ギーシュの腕?そんなもんセメダインでくっつけとけ!
297:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:26:36 P7sGL3QG
>>293
脳移植ができる世界の魔法学院なんだから腕の一つや二つ問題なくくっ付けられるよ。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:31:57 q+ksSMoX
GJ良い感じに軍師な思考してるね
レコンキスタとガリアの関係にいち早く気付きそうだな
ギーシュ?
西洋剣で押し切られて切断ならともかく
日本刀で切断されたんだったら傷口も綺麗なもんだろ
魔法でくっつくと言われても不思議とは思わんよ
299:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:32:54 P7sGL3QG
モンモンが秘薬作ってくれるよ。
300:SS書き丁稚
08/01/08 22:38:49 MYmGSLFo
もしくはアナキン・ルーク父子のように本物そっくりな義手という手もありかと。
しかし1年もせずに100スレとは凄いですな。私も早いところ続き書かないと。
301:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:45:03 z1R85u5J
>>295
くっつける薬とかメイジの手配に金が要るんじゃない?
るろうにで出てきたノコギリ状の刃を持つ刀とかで無ければ大丈夫そう
神経をつなぐ技術が基本的に無い→研究したら出来るようになったんで脳を移植してみました
とか途中経過を一気にすっ飛ばしているならともかく…
302:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:48:15 7wHmi8qD
逆に考えるんだ
男の浪漫な色々仕込んだ義手を装着するチャンスだと考えればいいんだ
303:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:49:21 aGCB3iE6
ワルドの場合は腕拾って逃げられなかったからだよね。
304:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:49:54 flk1N+Fk
>>302
一気にバサラ臭漂う世界観になるのか
305:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:53:36 z1R85u5J
>>302
ギーシュ「カンスケ 腕のことは気にしなくて良いよ
この義手はすごく気に入っているんだ!
人差し指にはモンモンの香水入り
親指薬指中指は予備スペース
小指をひねるとバラの花が出てくる
そして手首から接合部までの間には
ヴェルダンでのおやつである蚯蚓がぎっしり!
凄いだろう?」
こうですか?判りません!
306:虚無と最後の希望
08/01/08 22:54:02 U8Kry86g
予約無さそうなんで投下して良いですかー?
307:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:54:26 aGCB3iE6
つーか、「決闘」で反則はダメだろう…
308:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:55:14 P7sGL3QG
>>307
そこをハッタリで丸めこんだのさ。
309:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:56:46 vaZ/4vSi
>306
どうぞ
>307
あの手の戦法は宮本武蔵の一乗寺下り松と似たり寄ったりだろう
310:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:00:39 ohtM1Quq
>>307
読んでて「うっわすっげー詭弁w 勘助ナイス!」とは思った
そして支援
311:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:01:53 DSkLFECR
噂によると初期の武士道=「勝てばよかろうなのだァァァッ!」らしい。
・・・支援する!
312:虚無と最後の希望
08/01/08 23:03:44 U8Kry86g
「後で話、聞かせてもらうからね!」
学院前でワートホグを降りて、学院へ歩いていくルイズ
チーフとタバサが何かを話していたのに気がついたのだろう
しょうがないと、すぐに諦める
「はは、嬢ちゃん気になって仕方が無いようだねぇ」
「ある程度話しておいたほうがいいんじゃねぇか? 相棒」
「ああ、そうだな」
杖で突付かれ振り向くと
「いつ」
と、聞かれた
これからやることがある、それに追従してもらえれば話しやすい
「これから行く所がある」
「付いて行く」
もう一度、ワートホグに乗り学院外に墜落しているペリカンへと向かう
ものの数分、到着して見るとタバサの目の前には鋼鉄の何かが地面にめり込んでいる
半分ほど土に埋まっているので、全体図がわからないが独特なフォルムなのはわかった
「これは?」
「『D77H-TCI ペリカン』、垂直離着陸機だ」
よくわからないと言った顔のタバサ
口を開けているかのように見えるのは人員を乗せる貨物部分
チーフはその中に入っていく、タバサはそれを見つめるだけ
十秒も経たず、手に何かを持って出てくる
そのまま、ワートホグに乗せる
313:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:05:11 4RcL9V1f
ただ当時の日本人に「中国」という概念は有ったかな?
中原の地とか明国とか…
314:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:07:03 U8Kry86g
「私の本当の名前は『シャルロット・エレーヌ・オルレアン』」
「オルレアン? つーことはおめぇは王族か」
デルフリンガーはチーフが知る世界情勢を読み取り、『オルレアン』に適合した情報を口にする
「いや、いきなり重い話になっちまったなぁ」
『オルレアン』、その名を持つものは現ガリア王国の王、ジョゼフ一世の弟であり、暗殺された天才的なメイジだと聞いていた
そうなると、タバサは、シャルロット・エレーヌ・オルレアンはオルレアン公の娘であり、王位継承権を持つ王女
そして父が暗殺された事、母がエルフの薬で精神を壊された事、そしてその母が人質に取られている事
それを利用してガリア北花壇騎士団員として呼び戻されては危険な任務を強いらされている事
その全てがジョゼフ一世の指示で行われた事を話した
「こりゃあ、重すぎたな。 嬢ちゃん、すまねぇ」
「いい」
無表情で返事を返すタバサの瞳は、先ほど以上の憎悪が渦巻いていた
「事情はわかったが、これは貸せない」
その言葉を聞いたタバサに失望の色が宿る
「こんなものを使わず、自分の手でやるんだ」
「だな、あれはかなりあっけねぇぞ。 殺したって感覚がないし」
あたかも撃ったことあるようなデルフリンガーだった
「そう」
少し俯くタバサ
「まぁそう落ち込むなよ、今すぐは無理でもいずれその機会が来ると思うぜ?」
「その時まで自分を磨いときゃいいじゃねぇか」
チーフはその話を聞きながら、弾薬ケースを開け、弾丸の数を数える
その後、スナイパーライフルのグリップを持つとステータスに4/0と表示される
弾倉に4発、予備弾薬は0、弾薬ケースの中には12発
他の所を回ればまだあるかもしれない
315:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:09:28 U8Kry86g
「今度は貴方の番」
スナイパーライフルを置きながら、自分の素性を話し始める
マスターチーフ、スパルタン-117は『Spartan-II Project』により作られた兵士
最新鋭強化複合装甲服『ミョルニル(ムジョルニア)アーマー』を装備し、あらゆる武器と兵器の知識を備える
また、肉体強化を施され、常人とは比べ物にならない反応速度や筋力を手に入れている
それらにより極めて高い戦闘能力を発揮、それに伴う厚く蓄積された経験により、多彩な戦況に対応できる
そして、チーフと同様の装備と知識を持ち合わせるスパルタン達が存在していたが
『人類の存在は神への冒涜である』と戦いを仕掛けてきた異星起源種族軍事連合『コヴナント』の
圧倒的な技術力と数の前に敗北、チーフを残し全滅したと言う
「馬鹿げた話だろ? あんな奴らに攻め込まれたらあっという間に終わっちまう」
馬鹿げた話所ではない、本当の話なら人間同士が争っている場合じゃない
チーフと同様の、強力な兵士が複数居たにも拘らず人類を敗北せしめたコヴナント、その強大さが手に取るようにわかった
「信じる信じないはそちらに任せる」
ただ、淡々と話すチーフの言葉にタバサは頷く
荒唐無稽な話だが、それを嘘と判断する物は無く、チーフの戦闘能力と手に持つ武器により高い説得力があった
だから
「信じる」
「なら、具体的な訓練内容は─」
「夜に」
「……、わかった」
今すぐにでも聞きたいといった感じだが我慢しているようだ
話が終わる頃には日が落ちかけ、双月が顔をのぞかせていた
ワートホグの銃座には拾い集めてきた銃、ハンドガンやアサルトライフル、バトルライフルなどがあった
助手席にタバサを乗せ、学院の門をくぐる
「ここでいい」
女子寮から少し離れた場所でタバサは降りた
「夜に」
違えない様に再度確認、それを聞いて頷く
歩きながら口笛を吹くタバサ、数秒後にタバサの使い間が飛んできて背中に乗せ飛んでいった
「嬢ちゃんの目、やべぇな」
どんなことをしても『殺す』と言う決意
16でここまでの覚悟をするほどの出来事だったのだろう
ハンドルを切り、シエスタに聞いた使われてない倉庫へ向かいアクセルを踏み込んだ
316:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:11:41 U8Kry86g
「遅いわよ」
銃の手入れをこなし、部屋に戻ると完全に日が落ちていた
それを待っていたのは腕を組み椅子に座るルイズ
「それじゃ、何話してたか聞かせてもらうわよ」
「まあまあ落ち着けって、相棒は元から話すつもりだったしな」
「アンタは黙ってなさい! 私はチーフに聞いてるの!」
「おーこえぇこえぇ」と鞘に納まるデルフ、それを見た後にチーフは話し出す
タバサと戦った経緯、その後の話した内容
そして、戦闘技術を教えることになった事を
一々質問を挟んでくるルイズのおかげで外は紅と蒼の、双月の光が世界を照らしていた
「なんでそんなに……」
「事情はしらねぇが、強くなる必要があるんじゃねぇか?」
先ほどタバサから聞いた話をおくびにも出さず、デルフは語る
「でも、何でチーフに?」
「おいおい娘っ子、相棒がべらぼうに強いこと忘れてんだろ?」
「それでもよ、メイジがその……、魔法を使えないチーフに何を教わるのよ」
「娘っ子、タバサって嬢ちゃんは魔法の扱いはかなり上手いと思うぜ、それには納得出来るよな?」
「え、ええ」
悔しいが、タバサのその才覚は素晴らしい物であるとルイズは思っている
あの歳でトライアングルクラスは伊達じゃない
「まあ本気出してないとは言え、魔法を使えない相棒に負けたんだぜ?」
「それがどういう意味か、解らねぇわけじゃねぇだろ」
うっ、と言葉が詰まる
よほど油断している状況で奇襲を掛けるぐらいしかメイジに勝てない
そのメイジが魔法を使えない者に負ける、それも正面からだ
チーフという個人はハルゲニアの「魔法を使えない者はメイジに勝てない」と言う定義を破壊している
「第一、優れた技術を持つやつに師事を仰ぐなんざよくある事じゃねぇか」
「そ、それはそうだけど……」
一理ある、確かにデルフリンガーが言うことには一理在るけど……
あのチーフがタバサを抱きかかえていた光景が浮かび、何かが引っかかっていたルイズ
少し考える、「まさか、まさかね」と飛躍しすぎた考えに頭を振った
「う~、まあいいわ! 今回は許してあげる、でも─」
言い掛けたルイズが止まる、チーフも気づいている
317:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:12:31 flk1N+Fk
支援
318:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:13:01 U8Kry86g
「地震……?」
かすかに感じる、女子寮が揺れている事に
「地震、じゃないわね……」
揺れは一度だけではなく、定期的に揺れている
歩いていれば気が付かないほど小さな揺れ
ルイズは窓に手を掛け外を覗く
「……なにあれ?」
本塔の横には巨大な何かが聳え立っている
本塔と同等の高さを持つ─
「ゴーレム!?」
ルイズはかかとを翻し、ドアを勢いよく開ける
ガンッ、とドアは鈍い音を出しながら何かにぶつかった
「あっ」
ドアを開けた先にはタバサが蹲っていた
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫」
よろめきながら立ち上がるタバサ
「約束」
「それは後にして! 本塔の横にゴーレムが立ってるの!」
そう言ってルイズは駆け出す
だが、少女の足では遅い
「きゃ!」
軽い悲鳴を上げたルイズ
チーフはルイズを抱えて、廊下を走る
ルイズの二倍近い速度で駆けた、それを見ていたタバサは
「アン・ロック」
ルイズの隣の部屋、キュルケの部屋の鍵を解除
キュルケを叩き起こした
「ちょっと~、なんなのよぉ」
「外にゴーレム」
「え、なに? なに?」
よく理解できていないキュルケを他所に、タバサは自分の部屋に戻り、口笛を吹きながら窓から飛び降りた
319:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:15:17 U8Kry86g
時を遡る事、数時間前
「チッ、なんて頑丈な……」
本塔の外壁、非常に分厚く、さらには『固定化』の魔法まで掛けられておりフーケのゴーレムでも壊せない頑丈さがあった
塔内部の扉にも同様に強力な『固定化』が掛けられており、他の物質へ変化させる『錬金』を弾くほど強力
固定化を上回る錬金を掛ければ良いが、フーケ以上のメイジが掛けた代物であり、変質は不可能であった
「中が駄目なら外、と思ったがそう上手く行かないようだね……」
だが、ここで諦め無いのがフーケ
「とりあえず、叩いてみるかね」
地面が競りあがり、物の数秒で巨大なゴーレムが出来上がる
そして、大きく振りかぶったゴーレムの腕
「ひび位は入っておくれよ!」
壁に当たる瞬間、ゴーレムの拳を鉄へと錬金した
320:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:17:31 hMDkrH7R
唐、唐土(もろこし)、支那あたりだな。<当時の日本人にとっての中華大陸
中国だと中国地方のことになるんだったような……それは明治以降か?
321:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:17:35 U8Kry86g
「やっぱりゴーレム!」
外に出ると見えたのは巨大な、30メイルはあるゴーレム
その土の拳を本塔にたたき付けていた
「なにして……、あそこは確か……」
宝物庫、貴重なマジックアイテムなどは保管している
そこの壁を攻撃していると言うことは
「まさかフーケ!?」
チーフと武器を買いに言ったときに、店主から聞いた言葉を思い出す
『近頃、下僕に剣を持たせる貴族様が増えてきたんですよ』
『どうして?』
『何でも、「土くれのフーケ」ってな貴族様ばかり狙った盗賊が居るって話でさ』
そのフーケが宝物庫を狙ってる!?
止めなければ、そう思いルイズはゴーレムへ向かって駆け出そうとしていた
「なにをする気だ」
「何って、あいつを止めるのよ!」
怒鳴るようにルイズは言った
「何か手はあるのか」
「うっ」
言葉が喉に詰まる、考えなしに突っ込もうとしてた様だ
「で、でも! 何とかしなくちゃ……」
指を唇に当て考え始めるルイズ
「ルイズ!」
そこへキュルケが走ってくる
その上空にはタバサとシルフィード
「何なのよあれ! あの大きさだとトライアングルクラスは有るわよ!」
「多分、土くれのフーケよ」
「まさか、あんな堂々と狙ってくるとは思っても見ないわよね」
「何とかして止めないと!」
「とりあえず……、タバサ!」
呼びかけ、操っている奴の顔を見れないか尋ねる
「見えない」
距離もあるが、夜な上にフードを被っている為、男か女かすら解らなかった
「ダーリン、あれ、何とか出来そう?」
「ちょっと! 何がダーリンよ!」
「あら、良いじゃない別に」
口喧嘩を始めそうな二人に割って入る
322:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:19:48 hMDkrH7R
おっと割り込みすまんかった支援
323:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:20:08 U8Kry86g
「無理だな」
アサルトライフルにハンドガン、デルフリンガーにあとは『プラズマグレネード』と『プラググレネード』が2個ずつ
あのゴーレムを破壊するには明らかに火力不足、『ロケットランチャー』や『ロッドガン』、『戦車』でもあれば簡単だろうが
「だが、やって見るしかないようだな」
アサルトライフルを構えるチーフと杖を手に持つキュルケ
上ではシルフィードに乗るタバサ
「わ、わたしも!」
いそいそと杖を取り出すルイズ
「それじゃあ、援護をお願いできるかしら? ミス・ヴァリエール」
「任せて! ミス・ツェルプストー!」
それを聞いてゴーレムへ駆け出すチーフ、
後に続くように杖を振るうキュルケとタバサ
「ファイアボール!」
「エア・カッター」
噴出した火玉と風の刃
チーフの上を通り過ぎ、ゴーレムに直撃した
「やった!」
それを見たルイズが喜ぶが
「あー、駄目っぽそうね」
表面を焦がす程度と浅い傷を作る程度、すぐさま傷が修復され元通りになった
チーフの方も発砲するが表面に小さい穴を作る程度
324:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:21:53 U8Kry86g
その攻撃に気づいたゴーレムがルイズたちの方へ歩み寄る
「下がるわよ!」
ルイズの手をとり、逃げようとするが
「駄目よ! ここであいつを捕まえなきゃ!」
そう言って杖を振るうルイズ
「ファイアボール!」
ゴーレムの表面、軽い爆発が起きる
「ルイズ!」
引っ張っていこうとするキュルケだが、振りほどいて再度杖を振るうルイズ
「ファイアボール!!」
同様の、軽い爆発
軽い傷を作るだけに至った
「もう!」
無理やり、ルイズを抱え上げて逃げ始めるキュルケ
「何馬鹿なことしてるのよ!」
「離して! 貴族は敵に後ろを見せないのよ!」
「ちょっ、キャ!」
ルイズが暴れキュルケが転倒、抱えられていたルイズも同様に転がる
ゴーレムは踏み潰そうと歩み寄る、次第に強くなる地響き
「ファイアボール!!!」
起き上がり、呪文と唱える
先ほどより大きな爆発だが、軽い傷
「ルイズ!」
「ファイアボール!!!!」
またも爆発
「どうしてよ! どうして出ないのよ!!」
325:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:22:17 /kz+mWiX
halo main themeが脳内で再生されてきたぜ
支援
326:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:25:26 U8Kry86g
唱えるのはファイアボール、起こるのは爆発
踏み潰そうと迫るゴーレムの足
キュルケはルイズに覆い被さり、タバサは間に合わないと目を瞑った
確実に踏み潰された、確かにそうなるはずだった
だが、ゴーレムから少し離れた場所にチーフと、二人の少女を抱きかかえる姿があった
そして、ゴーレムの足首は青白い閃光とともに砕け散る
バランスを崩し、倒れそうになるも足首がすぐさま再生を始める
「馬鹿! 何であんなことしたのよ!!」
「悔しく……て、いつも馬鹿に、されて……、フーケを捕ま……、えれば、もう誰にも『ゼロ』なんて……」
溜めに溜めた思いが堰を切ってあふれ出していた
こんなにも強い使い魔を呼び出したくせに、事に関して何も出来はしない
己の無力さで涙が溢れ出し、喋れなくなるほど泣きじゃくった
「メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろ」
泣くルイズの声をさえぎる様に、チーフは言った
「契約を」
目の前に立つ使い魔は、恐怖や慢心が無く、ただ起伏の無い感情で言った
彼は決めたのだ、ルイズの使い魔になることを
正式な契約を結ぶことは、元居た世界に返れなくなるかもしれないという事
それを承知で言ったのだ
その決意を固めた使い魔がたった一言を要求している、ならば主人として答えてあげなければならない
溢れていた涙は止まり、一つの信念が宿る
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズはチーフに口付けをした
その途端、チーフの左手から光があふれ出す
浮かび上がったのは『ルーン』
ここに契約に至り、チーフは正式なルイズの使い魔となった
「命令を」
「っ…、フーケを、『土くれのフーケ』を捕まえなさい!」
その言葉を聞いた使い魔は、一言返した
「了解した」
頷いた、デルフリンガーを持つ左手にはルーンが淡く輝いている
振り返ると同時に右手に持ったアサルトライフルを背中に担ぎながら駆ける
視線の先には高さ30メイルはある巨大なゴーレム
「突っ込んでいくなんて……」
チーフの行動を見てキュルケは呟く
「大丈夫よ! チーフは私の使い魔なんだから!」
涙目ながら自信たっぷりにルイズは言った、その姿を見たキュルケは嬉しそうに
「ええ、大丈夫よね」
と、僅かに微笑んだ
327:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:26:29 rGElxeds
支援
328:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:27:06 U8Kry86g
その頃、ゴーレムへの攻撃が効果無しと判断したタバサは上空へ舞い上がっていた
ゴーレムへの攻撃が効かないなら、それを操るメイジへ攻撃する
対土メイジの基本であり、最も効率がいい解決方法
幸い、ゴーレムを操るメイジの意識はチーフに向いている
好機と判断、上空へ舞い上がっていたシルフィードは一気に下降する
「──」
タバサは小さくつぶやき、ゴーレムの肩に乗るローブを着たメイジに向かって杖を振るった
威力と詠唱速度を考慮した風の魔法を放った
うねる風の刃、メイジを切り裂かんと空を走るが直前で弾け消えた
途端、ゴーレムの左拳が迫る
振り上げる拳は鋼色に変化し、魔法を防ぎつつタバサへ攻撃を行う
だが、体をひねるシルフィードには当たらない
それを見てフーケは笑った
「残念」
ゴーレムの腕になぞるように突っ込んでくるタバサとシルフィード
すれ違いざまに魔法を叩き込もうという魂胆だろうが
「見え見えなんだよ!」
ゴーレムの腕から土の壁はせり上がり
「!」
シルフィードは避けきれず激突した
放り出されたタバサと、墜落するシルフィード
「残念だったねぇ、これで仕舞いだよ!」
止めと言わんばかりにフーケの足元から撃ち出される石礫
シルフィードは咄嗟に尻尾を振るい、石礫の射線上に割り込ませタバサを石礫から守る
だが、完全とは言えなかった
たった一つ、通過を許した礫が杖を振るおうとしたタバサの額に直撃
その威力は十分、一発でタバサの意識を刈り取った
それを見たシルフィードは「きゅいっ!」と軽い悲鳴を上げ、バランスを立て直せずそのまま落ちていく
329:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:27:28 OOHI8Hrf
支援
330:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:27:53 U8Kry86g
「タバサッ!」
悲鳴に近いキュルケの声
杖を構えたキュルケの『レビテーション』は間に合わない
シルフィードは落下する前に体勢を立て直せるだろうが、タバサを救うに至らない
杖すら握っていないルイズは持っての他
ならば駆け出す者は一人
およそ3メイル、落下寸前のところでタバサを抱きかかえ大地を駆けるのはチーフ
キュルケの前まで駆け、タバサを渡し抱える
「離れろ」
キュルケは頷き、二人はタバサを抱えその場から遠ざかる
「タバサの顔に傷が残ったら、骨の一欠けらさえ燃やし尽くしてあげるわ」
気絶したタバサを抱えるキュルケの声は明らかな怒気を含んでいた
331:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:30:20 U8Kry86g
左手にデルフリンガーを持って走る
「相棒! やっちまえ!」
その速度は風、振るわれた剣は剛力
剣の面で叩かれたゴーレムの足は爆発したように弾ける
「なッ!」
驚きをあげたのはゴーレムを作り上げたメイジ、土くれのフーケ
足首の8割を吹き飛ばされ、バランスを崩すゴーレム
「その程度で!」
即座に修復を始めたゴーレム
やはりこの程度では破壊できない、一撃で大部分を破壊できる武器ではないと
破壊、その言葉で思い出した
何度かデルフをたたきつけ、土を吹き飛ばす
「無駄だって言ってるだろうがぁ!」
踏み潰そうと足を上げるが、すでにその場所には居ないチーフ
見ると、ルイズ達の元に駆け寄っていた
「ど、どうしたの!?」
「ルイズがゴーレムを破壊するんだ」
「え?」
突飛に言った言葉にルイズが固まる
「本気なの?」
信じられないといったキュルケ
その問いに答えるチーフ
「ああ」
「で、でも!」
口ごもるルイズ、前方には迫り来るゴーレム
「ルイズは『ゼロ』ではない」
と、隣で呟くように言ったチーフ
332:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:30:53 OOHI8Hrf
支援
333:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:31:24 rGElxeds
支援
334:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:31:27 WuAW3SBI
もうねる
335:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:32:55 U8Kry86g
驚きながらもその言葉に同意したのはキュルケ
「そうね、ダーリンを召還したんだから、ルイズはもう『ゼロ』じゃないわ」
「キュルケ……」
「ほら、杖を構える!」
「え、あ」
キュルケがルイズの腕を取り、杖をゴーレムへ向けさせる
「狙いはゴーレムの胸だ」
杖先はゴーレムの胸部へ
「さあ、集中」
「うん」
瞼を瞑るルイズ
「全力で唱えなさい、貴方の魔法を」
瞼を開くと同時に唱えた
「すぅーーー」
息を吸い込み、魔法を唱えた
「ファイアァァァァボォォォーール!!!」
一瞬、ゴーレムの胸が凹んだが何も起こらない
「失敗……?」
迫るゴーレム、距離は5メイルもない
「いや、成功だ」
言うと同時にゴーレムの上半身が凄まじい爆発を起こして吹き飛んだ
地面がゆれ、響き渡った轟音が鳴る、爆発は激しい閃光を生み、暗く染まった学院を染め上げる
「す、凄いわね……」
あまりの威力に驚くキュルケ
そんな中、落下する土の中にフーケを見つけたキュルケがレビテーションを掛ける
「ね、ねえ、しししし死んで無いわよね……?」
ゆっくりと降りてきたフーケを見てルイズが言った
「死んでない方がおかしいわよ」
ど、どうしよう! と困惑するルイズ
火系統のキュルケが見たことが無いほどの大爆発
その爆心地近くに居たフーケが生きていればそれこそ奇跡
「と思ったけど、生きてるっぽいわね」
微かな呼吸、恐らく衝撃で気絶しただけのようだ
336:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:35:05 rGElxeds
支援
337:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:35:56 U8Kry86g
(見た目ほど威力は無かったのかしら?)
失敗したのにこの威力、正しく成功させて居たらどれぐらいの威力になっていたか
創造をこえるルイズの今だ開かぬ才能に冷や汗を流した
「ん」
目が覚めたタバサ、空ろな瞳には落ちる土破片が映っていた
「タバサ、大丈夫?」
タバサの額から流れていた血をぬぐうキュルケ
「大丈夫、ゴーレムは?」
「ルイズの魔法で吹き飛んだわよ」
失敗魔法しか出来ないルイズがゴーレムを吹き飛ばした?
30メイルはあるゴーレムを?
「本当?」
「うううそじゃないわよ! 私が吹き飛ばしてやったんだから!」
「本当?」
「ええ、かなり凄かったわよ」
その言葉を聴いて納得した
ルイズがあのゴーレムを吹き飛ばしたのは真実だと
「すごい」
「え、あ、ありがと」
「まぁ、ともかくさっすがはダーリン!」
「ちょぉ! なに人の使い魔に抱きついてるのよっ! それにゴーレム壊したのは私なんだからねっ!」
「感謝」
キュルケはチーフに抱きつき、ルイズはそれを見て激怒、タバサは軽く頭を下げていた
「なあ、相棒。 俺は『剣』なんだぜ?」
と返事も返されず、本来の用途で使用されなくて落ち込むデルフリンガーだった
338:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:37:05 U8Kry86g
以上で投下終了です
長くてだらだらでした、今度からはもうちょっと短く纏めてみようと思います
サブタイでもつければよかったかも
339:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:39:14 OOHI8Hrf
GJした
フーケよく生きてたなww
340:ゼロの夢幻竜
08/01/08 23:50:07 tdN0C0Xu
ジャーンジャーンジャーン。皆さん今晩は。
予約無さそうなので0時30分からの投下宜しいでしょうか?
341:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:51:53 flk1N+Fk
げぇっ 支援
342:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:54:52 yaVxOgVB
むむむ。なにが(ry
その0時半までに他の人が待たされる可能性もあるから、もうちょい早くならんかね?
343:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:58:52 GT12PSTQ
>>340
空き時間があるなら少しだけ投下よろしいですかね?
344:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:00:12 ccLHIwbn
チーフのひとGJでした。
しかしペリカン墜落してるってことはどんな召還されたのか気になるところ。
345:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:01:19 Vkh2nZR+
>>343
支援
346:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:01:40 RH5LM0ke
初書きですが、プロローグだけ投下してもよろしいですか?
人がやりそうでやっていない作品を使うのは随分緊張するので、
とりあえず試し読み程度に。あまりにもつまらないならば止めますので。
『ゼロのミステス』 - 坂井悠二 / 灼眼のシャナ
14巻のサブラク戦終了後、待ち合わせ場所へ向けてのシーンから。
向こうの世界でも自在法は使える。ただし、何故か封絶の効果はない。
347:ゼロのミステス
08/01/09 00:02:26 GT12PSTQ
下げ忘れ本当にすいません
発明家とはすべからく多大なる時間の果てに我学を大成させるものである。
かつて一人の発明家が生み出した自在法「封絶」も、
複雑で無駄が多いとされた原型に至るまでに既に多大な失敗を繰り返していた。
後にある天才によって簡略化され広く普及することになるその自在法であるが、
様々な角度から見れば、完成形やそこまでへの道のりである過程は当然、
最初に生み出された「原型」すらも「重大な意味をもつもの」と言えた。
探耽求究の生み出した「原型」には、不要なものが紛れていた。
当時まだ不安定だった封絶は、副作用による紅世との因果関係力の低下を
抑制させる力を持つ複式を主軸式に織り交ぜて展開させていたという。
この因果力維持用の自在式をとあるミステスが求め、
「ミステスがその自在式を使うこと」を
仮装舞踏会が求めるようになるとは、誰も夢にも思わなかったであろう。
緻密に計画を練ってきたベルペオルも、まさかの
"零時迷子及びそのミステスの消失"によって盟主の再誕を絶たれるとは
思いもしなかった。しかも、存在の力が消滅したわけでもないらしく、
そのミステスの身近な人間達は彼のことを覚えている。
となればもう、答えは一つしかない。
(あの干渉で…ミステスは別の世界へ飛んだ)
『この世の本当の事』が一つ増えたらしい。
(まったく…相変わらずこの世は思うようにいかないねえ…)
また彼女は笑う。因果力をどうにかして零時迷子に与えなければ。
向こうが式を使ってくれればいいが、あのミステスが自分で式を
組み上げる、などありえないだろう。
"永遠の恋人"が顕現でもしない限り、あちらは何も起こらない。
ともかく何とかこちら側がフレイムヘイズ達より先に動くしかない。
「まあ…そこが面白いんだけどねえ」
鋭い眼差しの笑顔を半月に差し出し、参謀は窓に佇む。
------------------
「―そうか、だからアナタは居るんだ」
坂井悠二が"彼方"へ向かおうとしたその前に現れる、不思議な何か。
(これが"道"への扉なのか…)
次第に体はその中に吸い込まれて、いなくなってしまった。
それは、本来導くべきところにいざなう門ではなく、
紅世とは別の何かによる干渉。
悠二はその"妨害"を完全に取り違えていた。
幸か、不幸か。
348:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:07:45 9ooz5TQW
先生、なんか読みにくいです……
意味の区切りで「、」を打つほうがよいかと…
349:ゼロのミステス
08/01/09 00:09:47 RH5LM0ke
一応投下はこれだけですが終了ということで
sage忘れ本当にごめんなさいorz
>>340氏の作品を見た後つってきます
>>348
意味で区切ると今度はやたらと句読点が増えて困って…
改行して別段落にしてみましょうかね
350:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:09:54 cqocaprn
>>348
無理だろ。そういうことも意識できてないんだから。
、だらけになるのがオチ
351:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:11:27 cqocaprn
おまえこれ、プロローグにしても冗談が過ぎるだろ。
ちゃんと書いてから投下しろ。
本人は本気かもしれんが、傍から見れば、冬厨と見分けつかんぞ?
352:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:19:09 9ooz5TQW
音読してみるのがいいかもねぇ。
絶対息切れすると思う。
353:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:21:19 y9oYTIsw
>>350-351
まあまあ
毒吐きでもないし批判はもうちょっと穏やかにどうかひとつ
354:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:23:13 k8Ymt24A
>>350-351
カプランあんた、リッカーに食われたんじゃなかったか?
引き続き夢幻竜の人を支援
355:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:28:13 xLExXp+L
そろそろかな?
夢幻竜支援
356:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:28:15 TvM9c8v0
>347
文章力は
①只管良い作品をたくさん読む
②それを意識しながら自分で書く
③誰かに見てもらい、欠点を指摘してもらいながら推敲する(推敲前Verをちゃんと残しておくこと
で確実に上がる。
あとはゼロ魔クロスの場合、読み手は召喚シーンは読み飽きてる人多いからある程度独自色が出せる一気に書いてから投下しちゃったほうがいい。
少なくとも、それで「お前何がしたいの?」って批判は免れることが出来るはず。
文章作法とか何から始めればいいか分からない場合は「やる夫が小説家になるようです」か「ライトノベル研究所」「美少女ゲームシナリオ教室」あたりを参考にスベシ!
357:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:30:14 azzW3q0G
>>349
熱意はわかるんだが、10kbくらい書いて、三日間寝かせたあとに推敲してみ
そんだけでかなり違うぜ
358:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:30:29 1QarBKXm
では投下します。
ゼロの夢幻竜 第十七話「深海の宝珠(前編)」
一本道を進み続ける屋根無しの馬車。
御者と案内役を買って出たミス・ロングビルを始めとするフーケ捜索隊の姿がそこにあった。
使い魔のラティアスは馬車の速度に合わせつつ5メイルほど上の空を飛んでいる。
その一行の中でキュルケは、ルイズに対して一抹の違和感を持っていた。
こうも静かな状況で自分の次に何かを言おうとするのは彼女ぐらいなものだ。
ところが今は側にいて本を読みふけっているタバサと同じくらい何も喋らなかった。
時々、使い魔の事やナシになった授業の事について話題をふるのだが、返って来るのは愛想の無い言葉ばかりで会話が全くと言っていいほど続かない。
たまに視線をラティアスの方に向けて、何かを聞き取っているように頷いたり目配せをしているがそれが何を意味しているのかが分からない。
何をやっているのか教えてくれと言っても、噛み付かれるような勢いで「黙ってて!」といわれるばかりだ。
朝食の後、学院長室に行った事が原因だとは思っていたが一体学院長に何を吹き込まれたのだろうか?
そうこうしている内に馬車は深い森の中へと進んでいく。
周りの木々がやたら高く鬱蒼としているせいか、道の見通しはいいくせに薄気味悪い感じがしてならない。
「ここから先は徒歩で行きましょう。」
ミス・ロングビルがそう言ったので、全員が馬車から降り森の中を進む事にした。
それから周囲に警戒しつつ暫く進んでいると急に視界が開けた。
丁度学院の中庭と同じくらいの広さを持った空き地といったところだろうか。
その真ん中に確かに廃屋は存在していた。
昔は木こりが使っていた炭焼小屋であったのだろうか、近くには大小様々な薪が散在し、そして小屋の脇には古ぼけた窯がある。
一行は先ずフーケが中にいるかもしれない、悟られては不味いという事で近くの茂みに隠れて小屋の様子を見ることにした。
「私の聞いた情報だと、フーケはあの中にいるという話だそうです。」
ミス・ロングビルは廃屋を指差して言う。
しかし、小屋からはそれらしき感じは全くしない。
ルイズに至ってはあまり聞いていないようでラティアスとの話に熱心になっている。
耐え切れなくなったキュルケはルイズを引っ掴み、少し離れた場所で話しかけた。
「ヴァリエール!あなたねぇ、この泥棒退治自分から名乗り出たのに大事な事そっちのけで使い魔とお喋りしてんじゃないわよ!」
「私は!学院長先生からラティアスと一緒に言いつかった事を確認していただけよ!」
「それにしても限度があるんじゃないの?馬車に乗ってる時からずっとそうだったの?」
「そうよ。でも人に教えちゃいけない、常に連絡を取っていることって言われたからそうしていただけよ!」
「それって一体何なのよ!」
そこまで言って二人の周りが急激に静かになった。
ついでに言うとお互いの声も聞こえず、相手の声はただ口パクを繰り返しているだけになった。
ふと近くを見るとタバサがこちらに向かって杖を向けている。
お得意の『サイレント』を使ったのだろう。
いつの間にか大声で話していたという事だ。
二人は元いた所まで戻り、タバサが作ったという作戦に耳を傾ける事にした。
もし中にフーケがいるのであるとすれば、奇襲を使って不意をつくしかない。
その為には相手に気配を悟られてはお終いなので、不可視化が出来、『技』を繰り出す事の出来るラティアスが偵察兼斥候として赴く。
もしそれが上手くいかなかったなら、フーケを外に誘き出す。
と言うのも、外にはフーケお得意の土ゴーレムを作り出すのに必要な土がそれほど無いからだ。
そしてフーケがゴーレムを作り出そうとまごまごしている隙に、全員で集中砲火を浴びせる、という事になった。
早速ラティアスは自らの姿を消し、小屋の側面にある小窓まで近づいてみる。
そこから中を覗くと大体の様子が見て取れた。
間取りは恐らく一部屋。
部屋の中央には長い事誰も使った事が無さそうなテーブルと、乱雑に置かれた椅子があった。
ちらと見えた暖炉は完全に崩れており、使う事は殆ど不可能と見える。
また部屋の隅に積み上げられた薪の横には大きめの棚があった。
埃の積もり具合と内部の様子からして長く人が使ってはいなかったものの、極最近誰かが使っていた事だけははっきりする。
何度見回しても中に誰もいないことを確認したラティアスは、皆の所まで戻って結果を報告した。
359:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:31:23 azzW3q0G
支援
360:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:31:37 1QarBKXm
「中に誰もいませんよ。入っても大丈夫ではないかと思います。」
それを聞いた全員は恐る恐るドアの近くまで近寄る。
一応タバサはドアに向かって杖を振り、罠の類が仕掛けられていないかどうか調べてみたが、どうやら無いらしい。
そこでドアを開けて中に入ろうとすると、一番後ろに控えていたミス・ロングビルが外に向かおうとしだした。
「私はフーケが近くにいないか、ちょっと辺りを偵察してきます。」
その彼女を前にいたルイズが引き止めた。
「駄目ですよ、ミス・ロングビル。生徒だけを残して偵察なんかに行ったら危ないじゃないですか。ここがフーケの隠れ家なら、もしかしたらここに『深海の宝珠』があるかもしれないんですよ!
フーケに会わずに宝を持ち帰れたらそれだけでも良いじゃないですか!」
「え?え、……ええ。そうね……分かったわ。」
言われて彼女は小屋の中へ歩を戻す。
皆はフーケが何か手懸かりを残していないかあちこちを漁りだす。
そしてルイズが何か無いだろうかと棚の中をごそごそと探っていると、中から質素な作りの木箱が現れた。
そしてその中を開けると……
「あったわ!『深海の宝珠』よ!」
ルイズは木箱の中から青い直径10サント程の宝石を取り出す。
光量が少ない室内にも拘らず、それは非常に鮮やかに輝いていた。
「あっけないわねぇ!」
キュルケはつい拍子抜けした声を上げて反応してしまう。
が、ただ一人、神妙な面持ちで『深海の宝珠』を見つめる者がいた。
入り口の辺りを警戒していたラティアスはルイズが掲げた『深海の宝珠』にふらふらと寄せられていく。
そして夢中になったような表情でそれを見つめた。
「ご主人様、これは本当に『深海の宝珠』なんでしょうか?」
「ええ、そうよ。前に宝物庫を見学した時に見たの。って、どうかしたの?ラティアス。」
ルイズの声はラティアスには聞こえてこなかった。
ラティアスは知っている。
これが一体何でどういった代物なのかを。
その時、一瞬ではあるが頭の中に鋭い痛みを感じた。
それから彼女の視界は一気に暗くなる。
そして幾つもの言葉が断片的に、しかし大量の悪寒のようになって彼女の心を襲いだした。
これは……よく出来た幻想?……それとも、記憶?
―これは『こころのしずく』と呼ばれていて……は守っている……君には……事は無理だ……一族の掟は……お前に出来るわけ無いだろ……人間共に何故……下衆が……だからあれ程……なと言ったろうが!
…………助けて……助けて、兄様(あにさま)!……―
「ラティアス……?!どうしたの?!ラティアス!!」
ルイズの叫び声が聞こえてラティアスははっとする。
気がつくと、自分の身は何故か床に落ちていた。
頭を上げるとタバサやキュルケが自分をぐるっと取り囲んで見下ろしている。
状況が分からないラティアスは取り敢えずルイズに質問した。
「あのぅ……私どうかしましたか?」
「どうかしましたか~?じゃないわよ。急に気を失って床に落ちるんだもの。びっくりしたわ!」
「そ……そうだったんですか。」
361:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:32:10 TvM9c8v0
中に誰もいませんよ支援
362:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:33:15 1QarBKXm
そう言いつつラティアスは空中に戻る。
と、その時、ミス・ロングビルが『深海の宝珠』の入った箱をすっとルイズから取り上げた。
「皆さん素晴らしいですわ。さあ、学院に戻りましょう。あー、これは私が学院に着くまで持っておきます。
ここに置いておいたのに無くなっている事に気づいたフーケが、何時私達を襲うか分かりませんから。」
しかし最後の辺りの言葉は、ラティアスが発した精神感応の声によって掻き消された。
「それは駄目です。私達が持っておきます。」
その言葉と共にラティアスは木箱を上からひょいと取り返す。
そしてそれを部屋の奥にいるルイズに渡した。
事情が飲み込めないのか、ミス・ロングビルは間が抜けた様に訊いた。
「あら、どうして?」
「……あなたが持っていれば何処かに隠してしまうからですよ。違いますか?『土くれ』のフーケさん?」
その言葉でキュルケとタバサがミス・ロングビルの方向を見た。
だが、言われた当の本人は涼しい顔をして冗談混じりに反論する。
「あらあら。私がフーケですって?冗談でしょ?」
「冗談ではありません。あなたがフーケであるというキーワードは幾つかあります。」
その言葉に場の空気がずしりと重くなった。
ミス・ロングビルも表情を固くする。
「先ず一つ。『徒歩で半日、馬で4時間』。あの事件が起きたのは日付が変わろうかとしていたぐらいの夜中です。ご主人様達が現場に呼ばれた時、朝御飯も始まっていないほどの時間でした。
なのにあなたは調査に出たといったにも拘らずあの場にいましたよね?かなりの距離があったのにどうしてですか?
ついでに言うと、学院長の調べでは先日の夕方以降、厩舎の馬を借りた者は誰一人としていないそうです。
二つ。『近在する農民への訊きこみ』。確かにこの近くに農家はありました。でも先程言った事を踏まえれば、訊きこみをするなら普通人が起きている時にやりませんか?
皆が寝静まっているような夜中に無理矢理やる物ではないと思うんです。おまけにそういった時間帯なら目撃情報も物凄く少なくなるか、或いは全く無いと言っても無理はありません。
ましてさっきの事と合わせて考えれば、帰って来る筈の時間が余計遅くなると思いますけど?
三つ。『埃の具合』。あなたはここをフーケの隠れ家だって言いましたけど、見ても触っても分かる通りこの小屋って凄く長いこと使われてない筈なんですよ。
隠れ家にしているんだったらそれなりに生活の痕跡があってもおかしくはないはずです。何でかって言うと、床に転がった酒壜にまで埃が溜まった状態なのは変だと思いましたから。
それとドアの辺りと棚の辺りだけ変に埃の積もり具合が薄いんです。つまり、誰も使っていないこの小屋にはごく最近誰かがやって来て何かをしたって事です。
そして最後の四つ。『偵察』。恐らくあなたは私達に『深海の宝珠』を発見させた後、ゴーレムを使って蹴散らそうという算段を立てていたんでしょう。
ここからそれなりに離れればゴーレムを作る為の土はたくさんありますからね。って言っても、半分学院長先生、半分私とご主人様の推理なんですけどね
……どこか違う所はありますか?『土くれ』のフーケさん?」
ラティアスは取り澄ました表情で言い切る。
ミス・ロングビルは最初こそ笑い混じりに聞いていたが、後になるにつれて段々表情が引き攣っていった。
暫しの沈黙が場を支配する。
それを打ち破ったのはミス・ロングビルの笑い声だった。
「っはははははっ!!こいつは驚いたねえ。あのエロジジイがまさかそこまで考えていたとは思わなかったよ。そしてあんたも。なかなか鋭い観察力じゃないか。そうさ。私が『土くれ』のフーケだよっ!」
言うが速いかミス・ロングビルことフーケは外に飛び出し、地面に杖を向けて詠唱をしだす。
そして数秒の後に、そこには学院を襲ったあの時のゴーレムとほぼ同じ大きさのゴーレムがあった。
フーケはゴーレムの腕伝いでその身に乗り、肩の所に立つと再び杖を振ってゴーレムを操る。
するとゴーレムはその巨大な腕を振り回して、小屋の屋根を吹き飛ばした。
363:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:33:39 1QarBKXm
「きゃあああああっ!!」
ルイズが大きな悲鳴をあげてその場に蹲った。
ばらばらと屋根の木材や暖炉に使われていた煉瓦の破片が降り注ぐ中、タバサはいち早く立ち上がり呪文を詠唱して杖を振る。
あっという間に大きな竜巻が出来、ゴーレムに向かって一直線に進む。
しかし、ゴーレムはまるで微風を受けたかのように平然としていた。
ならば、とばかりに今度はキュルケが胸に差した杖を引き抜いて、タバサと同じく呪文を詠唱して杖を振る。
直径にして1メイルはありそうな火炎の玉がゴーレムを襲ったが、やはりゴーレムは意に介してないかの如く三人に向かって進み続ける。
「無理よ、こんなの!!」
「退却。」
キュルケが叫び、タバサがぼそりと呟くなか、ラティアスは近くにいたルイズに声をかける。
「ご主人様!私に『深海の宝珠』を渡して下さい!」
「どうするの?!」
「説明している時間はありません!早く!」
「わ、分かったわよ!……はいっ!」
そう叫んでルイズは『深海の宝珠』を空中に投げる。
ラティアスはそれを横取りしようと腕を動かしたゴーレムを、辛くも避けながら『深海の宝珠』をキャッチした。
その時である。
体の中に何かが流れ込んできた。
端的に言ってしまえば力その物だが、それだけではない何かも入り込んでくる。
一体これは何なのか。彼女は知っている。
これは彼女が元いた世界では『こころのしずく』と呼ばれる物であり、彼女と同じ姿をした者達の力を高める力を有している事を。
フーケの操るゴーレムは、尚も主人であるルイズとその仲間を踏み潰そうとしていた。
傷つけさせてなるものか!
ラティアスは鋭く嘶くとゴーレムに向かっていった。
364:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:34:46 oaBXLq2d
支援
365:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:35:19 1QarBKXm
以上で投下終了します。
後編もなるべく早く仕上げますので今後とも宜しく。
ではまた近い内にお会いしましょう。
366:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:40:20 OIseCo98
GJ!!
おっとラティアス本気モードか!?
367:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:54:24 xLExXp+L
しずく持ち兄妹の強さは異常
GJ!
368:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:58:13 EIuZFaL9
TCGのページもう消えてる?
369:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 01:02:40 xLExXp+L
>>368
本当だ
どうしたんだろ?
370:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 02:10:38 mCA/aojU
>>288
わろた&GJ
まさかNHK大河ドラマから召喚するとはルイズの魔法も節操なしだなww
371:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 06:17:11 LM7hsMCR
デモベネタを考えてると言った>>130なのですが、やはりアナザーブラッドと九朔を両方とも「九朔」と呼称すると、
地の文がかなり訳ワカメな状態になりそうな予感。
「紅朔」でグーグル先生に聞いてみると、一応それなりの市民権を得ているようなので、やはり紅朔と呼ぶ方向で行こうと思います。
372:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 06:31:59 6EuH0/aj
まあ2次創作オリジナルキャラとかじゃなく分類用に使われてるからなあ。
同名でややこしくなるよりは紅でやったほうがいいと思うぜ?
373:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 06:37:20 hHDLiiz2
このスレ見てるとサイトじゃ物足りなくなってくるね
374:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 07:06:54 t5KpQ5kj
スパシンと最強アキトも二次創作じゃ市民権得てるので呼んでいいでしょうか
375:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 07:19:35 6fjxHGgK
オォウ・・・ジャァズ
376:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 07:34:42 azzW3q0G
>>374
ここでは市民権が無いな。 >>1を読んでくれ
> ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
377:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 07:54:27 ic+tpYmf
ネット上で認められている~に対する皮肉じゃね?
378:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:06:24 mHE1zHhx
オリキャラを呼ぼうって話じゃなくて、原作上呼び名が無い奴に、不便だから名前を付けても良いですか?って話だろう。
379:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:25:24 8m/1LZ3+
ちょっと表記が変わってるだけで、別に祐一がU-1になるわけじゃないしな。
380:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:29:13 LwhAwZ5g
慎一
381:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:30:32 B4JdhYJE
名前が無いなら「彼」とか「その男」でいいじゃん。
382:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:59:56 c8P6Duq+
名前がないんじゃなくて乱馬とらんまが分裂したようなキャラだったような
互いの性格はまったく違うが
383:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:04:10 gzDEFplp
けいやくきん100おくまんえん
384:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:10:49 B4JdhYJE
修羅と羅刹みたいなものか。
385:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:18:35 9ooz5TQW
一人称を「私」「わたし」「ワタシ」で書き分けるようなもん?
386:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:24:54 jvgyKJY2
LOSTのソーヤーやロックを召喚というのはどうだろう。
387:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:33:23 U6iBFvwo
なんとなく書いてたら出来てしまった小ネタを投下してもよろしいでしょうか?
388:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:47:03 OMbXFcIE
どうぞ。
389:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:47:33 +1eFPhcV
おk&支援
390:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 11:48:20 SWGQpFQo
支援
391:やわらかるいず1話?
08/01/09 12:04:50 U6iBFvwo
やわらかるいずOP
ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン
やわらかるいずの心は一つ、魔法使いたい、魔法使いたい
胸に刻むは貴族たましい 生まれてこの方ぺったんこ
錬金すれば 教室 吹き飛ぶ
(ちょっと失敗したみたいね、たいきゃーく)
ファイヤーボールで壁に穴が開く
(逃げろー)
やわらかるいず やわらかるいず
他のついずいを 許さぬツンデレ
虚無の 曜日には 武器屋でぼったくられる
「あんた・・・・何?」
「僕、やわらか戦車です」
ルイズが やわらか戦車 を召喚しました。
途中経過略
「使い魔の仕事は三つよ」
「はいルイズさん」
「一つ目は意識の共有・・・・でも出来ないわね」
「そうですか」
「二つ目は秘薬の材料の収集だけど」
「お使いなら出来ます!!」
「これも無理と・・・・」
「最後に魔法使いの護衛なんだけど・・・」
「まかせてください!!これでも僕、怖い戦争兵器なんですよ!!」
「そう!!たのもしいじゃないの・・・・で、武器はどこ?」
「ありません!!」
「はぁ?」
「武器はありません」
「じゃ、じゃあ何が出来るの?」
「退却です!!」
「たいきゃく?」
「はい!!退却が出来ます!!」
「駄目じゃん!!」
「ルイズさんが怒った!!たいきゃーーーく」
ドカーーーーーーン
ズンズカズンズンチャン ~終われ~
392:やわらかるいず
08/01/09 12:06:52 U6iBFvwo
ごめんなさい これだけです 思いついたらまた書くかもしれません
393:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:18:33 /VpnI3Pt
ちょ・・・今までで最弱かw
394:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:20:03 +avDTd6S
>>391-392
乙w
あれ呼んだらそうなっちゃうよな。w
395:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:20:48 B4JdhYJE
どこで流行ってるのか未だに分からん。
セカンドライフも。
396:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:25:28 TPdYC87n
そんなことより問題は、
ルイズとキスしたら不倫じゃないか、やわらか戦車よ!
GJ
397:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:29:42 B4RbV402
>>371
一応ニトロワではアルとの会話でアナブラ本人が自分を「紅朔」って呼んでた。
アレは終了前の設定だろうけど、一応オフィシャルなモノでもそう呼んでるから「紅朔」でいいのでは?
398:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:36:37 IvV6w+oc
いや、ここはデモンベインのクトゥルーそのものを召喚してハルゲニアを阿鼻叫喚の地獄絵図に……
そして、地球皇帝の登場!!
地球皇帝ばんざーーーい!!!
399:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:38:53 cKQ4U8Dl
地球皇帝の声(若本ヴォイス)は……何故か問答無用で支配者の威厳に満ち溢れていような気がする。
400:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:40:54 VcEZ8mP+
デモベは斬魔大聖と機神咆哮しか知らない俺には、ここ最近のデモベ関連のレス内容がさっぱりだw
>>398-399
地球皇帝の衣装には笑ったw
401:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 12:45:24 oaBXLq2d
地球皇帝?
半裸に王冠と腰パンで強力わかもとな恥丘皇帝?
402:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:04:58 zaat1xNA
取り敢えずデモベ信者は一回原作一通り読むことをお勧めする
イクタァいいよイクタァ
403:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:14:27 E1pGgOm2
>>400
地球皇帝が好きなら機神飛翔を買って損はないよ
……地球皇帝のあのインパクトで何度も吹いて七回死んだのも今では良い思いで
404:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:38:23 B4JdhYJE
ところで、ワルドってフーケのゴーレムに勝てるの?
どうにも無理っぽい気がして仕方がないんだが。
つーか、トライアングルであれほどってことは
オスマンってどんだけ凄いんだよ?
405:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:42:31 WZNf/vl4
>>393
ぬいぐるみの柔らかさ
豆腐のもろさ
桃の腐りやすさ
を併せ持つ逸材だからね…
>>404
本体狙えば良くない?
赤…マスクザレッドみたいにゴーレムの中に入ったら外が見えないし。
406:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:44:08 9ooz5TQW
風の場合は偏在と遠見で術者殺すしかないぽ
407:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:49:33 zEf45kP6
>>244
萌えたw
408:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 13:57:35 RWImsrvQ
RED EYESのミルズをMK-54付で・・・・
素で相手がフルボッコにされる様しか思い浮かばん
409:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 14:31:04 th7OX0tF
>>408
SAAは割とチューニングが必要なイメージがあるのが問題だな
バッテリーは自家発電で何とかなるみたいだし、固定かかければ損傷は抑えられるだろうが、
ブーストの火薬と銃器の弾薬の補給が問題だな
……レールガンの弾頭ってどんなんなのかね?
つーか正直ミルズってSAA使わないほうが強くね?
デルフだけでも相手がフルボッコにされる様しか思い浮かばん……
410:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 14:50:13 ac+AimeE
生身でSAA含む小隊壊滅させてましたからねぇあの人
素でどんな身体能力してるんだかw
411:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 15:26:36 9sXuoxML
精霊の守り人からバルザ姐さんを召喚。
デルフと槍を装備すればまさにガンダールヴだし
ルイズをいい感じに成長させてくれそう。
ただ、守り人世界にも月が二つあるから異世界召喚ではなく
異大陸召喚ってことになるのかな。
412:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:19:23 zAaWIOrS
勇者のくせになまいきな。から最強の勇者“ああああ”を召喚
ギーシュ、フーケ、ワルドその他もろもろが簀巻きにされて連れさらわれるな
413:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:39:55 DxC/Re7z
>>409
ならばゼップを呼ぶんだ。
林の中を補給無しで戦い続けていた彼なら、いくらでも戦え……
やっぱり生身でも強すぎる……
414:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:48:57 B4JdhYJE
強いキャラより弱いキャラの方が読んでても面白いよな。
だからもし強いキャラ呼ぶならギニア側も底上げしたらどうだろうか。
415:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:55:26 2xsLT7zz
>>411
ありうるな。つかすげー読みたい。
416:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:55:52 i2BrStdk
問題はその底上げ手段をどうするか、だな
よく考えないとあっという間に原作蹂躙とかそう言うレベルの問題に発展する恐れがあるし
417:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:57:17 th7OX0tF
原作蹂躙も「あしたのルイズ」くらい徹底してやれば文句も言われない、といいなー
418:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 16:59:18 C92XIusi
じゃあフーケが人造人間、ワルドあたりはスーパーサイヤ人でちょうどいいな
419:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:13:08 B4JdhYJE
いや、底上げって、設定を変えるんじゃなくて、
強いものとして扱うって意味。
つーか、設定的にも本当に強いはずなんだが…
30メートルのゴーレムとかさ、常識的に考えたらありえないくらい強いはずだろ?
420:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:15:18 C92XIusi
でかいものは使いにくいというのが人類の歴史というかドイツ人の歴史ですよ
421:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:17:22 qaUgkyhO
ロボットものは難しいんだよな。
ジェフティなんかきたらショット1発で空船焼け落ちるだろうし
ゴーレムはバーストショットでも撃てば灰も残らないw
422:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:22:30 i2BrStdk
>>419
確かに普通に考えたら相当脅威だ
少なくとも戦車とか引っ張り出すくらいしないと倒せなさそう
しかも物が物だけに戦車砲の一発だけで沈んでくれるかどうか
でも、原作であろう事か手持ちのロケットランチャーの一発で撃沈されてしまってるからな……
底上げを行うにしてもその辺がかなり足を引っ張るのは確実
423:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:23:01 9ooz5TQW
っレイバー
っアームスレイブ
っパワードシンクロプロテクター
424:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:32:25 plLyVRPg
>>420
ドイツ人の友達も言ってたよ、大きすぎると相手もビビっちまってすることもできない、ってNA!
425:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:34:36 2pUA8dBH
弱いキャラより強いキャラのほうが読んでて楽しい俺は異端ですか?
426:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:39:11 lkUZnkUL
>>425
同志発見
427:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:40:37 J8iEtk2H
ぶっちゃけ俺が呼び出されても変わらないしNE!
428:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:41:36 AbpRpVU0
>425
シーンを観るか、物語を読むか、の違いだし。まあ好み。
ただ、オレツエーで最後まで行くより、強キャラが出張るまで間を空けてカタストロフが欲しいかな、強キャラものなら。
429:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:48:11 +01XG9NZ
最初無敵で後々苦労し始めるパターンは読んでてダルい
無敵のまま行ってくれと思う
430:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:50:41 WkBVsluB
>>428
ちょw カタルシスだろw
カタストロフ引き起こしてどうするw
・・・でも言ってることには同意。
431:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:50:53 epqwgbDM
>>428
俺もカタストロフ欲しいわ
サイヤの使い魔とか、悟空の凄さはわかるけど
性格がアレだからちょっとほのぼのしてたんで
もうそろそろ爆発させてほしい。
引くぐらいワルドフルボッコにしてくれないかな
432:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:53:17 47KACHD+
勇者カタストロフから誰か呼ぼうぜ誰でもいいから
433:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:53:23 epqwgbDM
>>\(^o^)/そうでした
434:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 17:57:45 o/FZhvDv
>>419
自己再生のキャパシティを超えると、自身の大きさが崩壊を早めるんじゃね?
435:425
08/01/09 18:00:52 AbpRpVU0
>カタストロフ
おっといけねえ、闇の人格の願望が漏れちまったか……忘れたほうが身のためだぜ。
忘れて…
436:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:10:18 KV/0WCin
>>カタストロフ欲しい
つまりブロリーを呼べと。
いやまあ怪獣呼んでも同じかもしれんが。
437:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:15:34 2pUA8dBH
>>435
425は俺なんです…。
438:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:15:51 jvgyKJY2
ボーグ召喚でいいよ。
439:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:33:10 we0IvggO
ルイズムカつくんで、
ぼこぼこにへこましてくれるSS期待してるんだがまだかね。
440:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:44:46 xLExXp+L
わかりやすい釣り針に引っかからないように
441:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:46:13 9MgdwsGT
ところで小ネタの短編投下してもいいっすか?
442:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:47:38 C92XIusi
ダメといわれたらそのテキストどうするつもりなんだね
443:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:48:49 QHRwlMo3
とっとと投下しる
444:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:49:50 9MgdwsGT
んじゃ逝きます。
頭をかきむしる癖のある使い魔
学院長室では教師達が責任の所在を押し付けあっていたが
その見苦しい茶番劇はオールド・オスマンの登場によりひとまずは収まった。
「誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかった」
「責任はこの場の皆にある」
「大体この場に居るものでまともに当直を勤めた者はいるのか」
と最高責任者に言われれば誰も反論など出来はしない。
だが、質問をする者なら一人いた。
「…あのぉ、ちょっといいですか?」
その声に皆が扉の方を向くと、そこに居たのはボサボサ頭に汚い帽子をかぶり
薄緑色の、トリスティンでは見ない奇妙な服に木で出来た下駄なる靴を履いている
小柄で貧相かつ奇妙な男であった。
皆が胡散臭げな目で見ている中、オスマン学院長が彼に返答しつつ自らも質問をした。
「君は確か……、ミス・ヴァリエールの使い魔じゃったな
何か気になる事でもあるのかね?」
男は照れくさそうに笑いながら頭をバリバリと掻き毟るのだが、頭からはふけがポロポロ
落ちてきて不潔極まりない。
教師達の男を見る目は胡散臭いを通り越して蔑んでいると言っていいだろう。
もっとも男はそんな事は全く気にしていないようだが。
「いえ、さっき学院長さんがおっしゃいましたよね。
宝物庫はちゃんと夜間の見張りがされていなかったと。」
「うむ、全くもって情けない話じゃがその通りじゃ。」
オスマンは苦笑いをしながら答える。
「なるほど、それで土くれのフーケがあんな無謀なことをしたのか納得がいきました。」
男は手をポンと叩いて頷く。
オスマンはこの男が何かを掴んだ事を理解して、今度はオスマンの方から質問をした。
「すまんが君の分かったことを教えてもらえんかの?」
「それなんですが学院長は最初に、誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかったと
おっしゃいましたが何故ですか?」
男は逆に質問で返した。
445:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:51:09 MuIC5SPl
支援
>>437
貴方がお好きなのはこれですか?
ハッハッハッ!見ろ人がゴミのようだ!ハッハッハッハッ
446:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:51:38 9MgdwsGT
男の質問の意図は読めなかったが、オスマンはとりあえず返答をした。
「それは、この学院には教師や生徒を含めた多数の貴族がおるのじゃから
いかに土くれといえどもそんな多数のメイジとやり合っては命がいくつあっても…」
「そ、そ、そう! それなんですよ! 僕の言いたいことは!!」
男は急に興奮したのかどもりだし、頭を更に掻き毟りだした。
「普通ならば宝物庫にはたくさんの見張り、それも魔法学院の宝物庫なんですから
腕利きのメイジが見張りに就いていると考えるのが自然です。
しかし土くれのフーケは堂々とあの巨大な土人形で宝物庫の破壊という手段をとりました。
つまり! 夜になって就寝時間になれば誰にも見つかることなどないと知っていたんです!!」
その言葉にオスマンや教師達が騒然となったのも無理は無い、それが意味していることは
「…この学院にフーケの協力者が潜んでいるというのかね?」
オスマンは普段の態度とは一変した慎重な態度で男に質問をする。
「あるいは、フーケ本人が潜んでいたという可能性もあります。
ところで教師の方達で今この場にいない方はおられますか?」
教師達はお互いの顔を見合わせると、そのうちの誰かがポツリと呟いた。
「そういえばミス・ロングビルはどこに…?」
この言葉で教師達の疑いが彼女に向けられる事となった。
彼女はオールド・オスマンが秘書として雇い入れたのだが彼女の素性を知っている者は
学院内に誰もいないのだ。
分かっている事は元貴族で土系統のメイジであるという事だけ。
貴族から放逐されたメイジが盗賊や傭兵といった真っ当でない職に就くしかない事と
系統が同じであるという事が、更に教師達のロングビルに対しての疑いを深めた。
オスマンは、そんなバカなと傍にいるコルベールに意見を求めようと彼のほうを見ると、
彼の顔は血の気が引いていて今にも倒れそうに震えている。
「どうしたんじゃ、コッパゲ君?
具合が悪いんじゃったら少し休んでもよいぞ。」
いつものように名前をわざと間違えて呼ぶもそれに対するリアクションも無いので
まさか本当に病気なのではと心配になるオスマンだが、コルベールは震えながらも
オスマンの方を見つめてゆっくりとだが何かを喋ろうとする。
「が、学院長……、も、申し訳ありません!!」
コルベールはまさに土下座せんばかりの勢いで謝罪をした。
余りにいきなりの事で皆が目を丸くしている。
オスマンが何か知っているのか問いかけると、コルベールはロングビルに宝物庫の特性
や破壊の杖の事などを喋ってしまった事を全て告白した。
これによりオスマンもロングビルを疑わざるをえなくなったのだが、そこに丁度運良くか
運悪くかロングビルが学院長室内に入ってきた。
「学院長! フーケの居場所を…、って皆さん…、どうかされましたか…?」
ロングビルが戸惑うのも無理は無い。
学院長室内に居る人間全てが彼女を見つめているのだ。
それも普段男達が彼女を見るような情熱的な目ではなく、疑念のまなざしで。
447:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:52:12 ZqhnYl5b
支援
…1行で誰だか分かるのも珍しい
448:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:53:15 th7OX0tF
う、俺はわからん支援
449:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:53:31 9MgdwsGT
そして彼女がその視線に戸惑い後ずさりしたのを契機に教師達が全員で飛びかかった。
「我が最強の風を持ってすれば盗賊の一人や二人!」
「貴女のせいで私はクビになっちゃうとこだったのよ!!」
「よくも、私の純情を弄んでくれましたね!!」
「そんな事をしなくてもワシにいってくれればいくらでも貢いだのに!」
「な、何いってんのよぉ! はなせぇ!!」
「あの~皆さん、まだ状況証拠だけど彼女が犯人だと決まったわけでは…」
学院長室内は叫び声と悲鳴と破壊音の混沌に包まれたのだった。
そのころ例の胡散臭い男の主人である我らがヒロインのルイズは学院長室に向かっていた。
本来なら既に到着していなければならないのだが、姿が見えなくなった使い魔を探していて
遅れていたのだが。
「まったく、あいつってば使い魔だったら主人である私の傍にいつもいるのがあたりまえでしょう!
罰として当分食事抜きだわ!」
そのご機嫌斜めなルイズを呆れた目で見ているのが彼女の天敵ともいえる女性、キュルケである。
さらにその横に本を読みながら歩くという器用なことをしている、キュルケの親友タバサがいる。
そんな事をしているうちに学院長室前まで来たのだが、扉がきしんでしまっている。
何があったのかと三人が覗き込んでみると、そこには縄できつく締め上げらたうえに猿轡までかまされた
ミス・ロングビルと、引っかき傷やらでボロボロになった学院長と教師達、
そして頭を掻きながらこれからどうしようと悩んでいるルイズの使い魔がいたのでした。
「ちょっとコースケ、一体何があったっていうのよ!」
自分に対して叫ぶ小さなご主人の声に気づき困ったように笑いながら、彼は答えた。
「何と言うか…、容疑者の捕縛っていうのかな、多分。」
金田一耕助召喚
450:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:53:48 uD8tIGlL
タイトルですべてが理解できる支援
451:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:54:43 QHRwlMo3
わりとあっさりわかったwww支援
452:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:55:43 9MgdwsGT
ああ、やっぱ分かっちゃいましたかw
改めて思うけど物語を作るって難しいです
453:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:55:57 O1b/yL+W
頭を喉と読み間違えて危険なものを想像してしまったw
454:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:56:32 uD8tIGlL
乙です
猿轡て誰の趣味だww
455:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 18:57:38 T5WgDWqC
>>449
これはエロい(;´Д`)ハァハァ
456:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:20:04 IAUBhsZQ
陽炎揺れる名も無い駅から乙
457:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:21:05 IAUBhsZQ
>>453
フラッシュと時報はもういやだの人かよwww
458:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:22:37 ET9G+bEd
>>453
テラひぐらしwww
雛見沢メンバーで使い魔に向いてるの誰だ?いずれ雛見沢症候群起こすの前提で。
459:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:26:58 qaUgkyhO
頭でつい最近一話だけ見たドラマの
のだめなるものを思い出したが金田一か!!!
さすがナチュラルに真相を見破る達人だ
460:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:27:07 mwBU6T8N
ビートXを呼びたいがドナー設定をどうしようかな…?
461:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:30:41 oaBXLq2d
頭をかきむしるでアンドリュー・シクシソンかと思った
猿轡GJ!
462:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:33:26 IAUBhsZQ
>>458
K1:ウッディ!!
レナ:酷いよ! ルイズちゃん!!
みおんw:(・3・)<あっるうぇー?
沙都子:すじ
梨花:少し…頭冷やそっか…
詩音:悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟s(ry
羽入:あうあうwww
時報:はもういやだー!
お好みなのをお選びください
463:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:35:40 0jCSSupA
>>458
俺はレナだと思う。
鮮血の使い魔のコトゥノハ様のごとく、鉈でゴーレムをみじん切り。
ちなみにその時のコメント
「かわいい~!お持ち帰り~!」
464:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:49:00 9ooz5TQW
毒吐き見てて思いついた
キュルケがサモナ2のハサハ召喚。
サイト争奪戦に妹系獣耳が参戦。
ブチ切れるルイズ
寝ぼけて乳吸われるキュルケ
狐火で気絶するタバサ
決闘でサイトに日本刀を使われて涙目ギーシュ
おじさんと呼ばれれて、のの字を書くヒゲロリコン←最重要
465:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:54:56 6fjxHGgK
>>439
ボコボコにへこます?
なら総悟を召還か?
466:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:56:20 6fjxHGgK
連レススマソ
>>463
レナは「かわいい」じゃなくて「かぁいい」だ
467:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:56:36 C92XIusi
へこますならやはりハートマン先任軍曹だろう
468:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:57:41 A1gWQ3x8
それじゃあ魔法学院全体がへこんでしまうぞw
469:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 19:58:47 IAUBhsZQ
>>467
マリコルヌに志望フラグktkr
470:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:00:10 GjzD23kS
テファに召喚されればわりと平穏な日々が続くが
アルビオン陥落した時点で
何の準備もなしに一国と戦う羽目になりそうだな
471:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:04:59 MuIC5SPl
今日からお前の名前はほほえみデブだ。
よかったないい名前だろ
472:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:07:47 GjzD23kS
バラライカにそう呼ばれたら
マリコルヌ
…歓喜のあまり失禁しかねないな
473:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:08:16 ilku+q8v
エクセルサーガよりエクセル 予告 一応何か書いてみる
474:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:12:42 ffd+4USo
俺は厳しいが公平だ 人種差別は許さん
貴族、平民、エルフ
みな平等に……価値がない!
475:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:13:42 ET9G+bEd
>464
>寝ぼけて乳吸われるキュルケ のみ読んだ。
476:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:16:27 0jCSSupA
>>466
おお!まさかちゃんとツッコミ入れてくれる人がいたとは!きっとにーにーも喜ぶぞ!
477:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:17:47 uD8tIGlL
>>473
エクセルのテンションの高さを書けるのか?
ある意味完璧な平民だがww
イルパラッツォなら貴族としか思われないだろうけど
478:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:18:07 vadQ3Hw4
貴族より早く神はこの世にあった
心はブリミルに捧げてもよい
だが貴様らの尻は学院のものだ
分かったか豚娘ども!
アルビオンに行く前に戦争が終わっちまうぞ、アホ!
ピッカピカに磨き上げろ アンリエッタ女王でも糞したくなるようにな
貴族は許可なく死ぬことを許されない!
479:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:26:22 ilku+q8v
イントロ
世界は腐っている!!!この世界は須らく是正されねばならない!しかし!
唐突に世界を統べても愚民共にはまずついてこれまい!
そこで一国!
しかし息切れを回避するためあえてもう一声!
これでもう安心!無理なく世界西部区の第一歩!
即ち我われの目標とは・・・
市街征服!
-----------------
「ああなんだってまた、あたしがこんな事をしてるんだ」
平民が経営する居酒屋でフーケ(本名 マチルダさん 25歳)がぼやいていた、盗賊をしながら生活費を稼いでいたがある日
あやしげな格好をした青年に拉致されいつの間にか世界征服を企むヒミツ組織の構成員にされ、
何故か病弱で有名なエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール(略して ハッちゃん
)を同僚に活動費を稼ぐ為に今日も居酒屋でセクハラに耐えるのだった!!!
「ゲフっ」
「うわあああなんだこの女、血を吐いてるぞー、水のメイジを呼べー」
居酒屋でハッちゃんの脈を確かめたメイジ風の男が絶望に落ちた
「駄目だ、脈が無い」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
じゃらじゃらじゃら
「ごぷぅ、あらあら、また気を失ってしまいましたわ」
「な、なんだその薬は!」
「気にしない気にしない」
そしてバイトに戻ったフーケの客は見るからに恰幅の良い爺様で
やたら触ってくるので、ついに切れたフーケはジャーマンスープレックスを決めるとシュプレヒコールが鳴り止まなかった
店のオーナーが張り付いた笑顔で「きみ、首ね」そしてフーケはまたバイトを首になったのである
そして数日後
「ああ、もうはしばみ草しか食っていない・・・」
フーケがアジトでだれているとフクロウが手紙を持ってやってきたのであった
つづく
480:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:29:40 pnnvqOvK
>>479
煽り抜きにお前は色々と間違っている
481:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:33:43 GjzD23kS
>>479
ノリは良いんだが設定のつめが甘いな
482:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:35:48 ePOd+ZqH
FF7よりジェノバを召喚
FF7とまったく同じ世界になりそうだ
483:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:38:02 ilku+q8v
マチルダサーガ 第一話
えー私が今現在どの様な状況下と申しますとー
あの後 校長に拾われて秘書を続けたのですが
お宝に目が眩み監獄のような所に入れられて
鉄格子もものものしく流石に素直には外に出して貰えそーもないので
こーして食事用のスプーンでもって地道に脱出を試みているわけです
「テファどうしてるんだろうねぇ」
「困ってるだろーなー」
!
「出た!」
陽の光に感動したフーケは即座に警備員に見つかり監獄に戻されたのでした
そして政治犯たちを扇動して脱獄を図るのだが
「走れー」
「畜生!グリフォン隊を舐めやがって!各自魔法は任意!!」
何故か仮面を被った髭もじゃが居たような気がするがフーケは全力全開で馬屋に走ると馬で逃げ出した
馬で逃げ出す最中にレンコンキスタだのわめく髭もじゃが居たが
それに気づく事無く疾走した
「だから、私の話を聞けって ガクッ」
運悪く本物のワルドに当たってしまった為、グリフォン隊は長期休暇となったのは余談
つづく
484:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:38:53 th7OX0tF
>>479
世界西部区が素でわからんかった
世界征服の誤字か
あとマチ姉をさらりと2歳も年を取らさせるなってところと、病弱なのはカトレアだろうってところか
つーかスレの趣旨的にイルパラッツォをちょっとでいいから出せ
最後に、ハイテンションエクセルを期待した俺に謝罪を要求する
嫌いじゃないけどね、このノリ
485:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:39:10 HWcwFJfe
タシロータシローだっけ(ジュノバ
486:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:42:00 47KACHD+
書きながら投下してるっぽいね
まだ冬厨居たのかよ
487:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:45:57 ilku+q8v
しまったカトレアとエレオノール間違えた
これはもう駄目かもしれんね
イルパラッツォはいわゆるボスであるからして、表には出てこない
これは定説
488:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:48:09 xLExXp+L
>>487
それ以前の問題だ
489:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 20:57:16 BT9G64qw
>>454>>461
そうだ!怪人二十面相を召喚すれば(ry
490:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:13:27 DxC/Re7z
小ネタなら、むしろルイズが召喚する場面にホーリーブラウニーのフィオとビオラでも係わらせたらどうだ?
491:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:20:43 uD8tIGlL
確実にR指定になるけどなww
492:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:20:45 cBSH9kU9
>>490
ちゃんと優秀な使い魔を召喚させてやるつもりだったのに羊達の沈黙に出てきそうな奴を召喚
「なんであんたはそうやって話をスプラッタ方面にもっていきたがるのー!?」
「えー、だってぇー」
結局リセットしてサイトが召喚されたことに
493:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:24:48 dumTKQnA
>>492
レクター博士が召喚されたらみんな喰われちまうよ。
まあシエスタだけは殺さないような気がするけどな。
恩人の叔母を思い出して。
494:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:31:04 th7OX0tF
>>492
むしろ、優秀なやつやら美形なやつやら本気でオーバースペックなやつを召喚させてみる
→どっかで破綻を起こして失敗
→時間を戻す
を繰り返してみて、最終的にうまくいったのがサイトだった、っていう方がぽい気がする
495:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:36:12 HWcwFJfe
ルイズはGPMみたいに無意識のうちにループさせてるのか
496:使い魔を買いに
08/01/09 21:38:12 enTOi7Nz
実に実にお久しぶりです。投下させていただきます。
497:使い魔を買いに
08/01/09 21:39:15 enTOi7Nz
右腕部各関節は可動域の限界を超えるか超えないかまで捻りあげられ、左腕は押し潰さ
れる格好で体の下から動かない。動かすことができるのは左手の指が精一杯、開閉させて
土をかき出すことくらいしかやれることがない。
「うぅ、ぐっ……いたっ! 痛い! どきなさい下郎! 汚らわしい豚の分際で!」
いたいけな少女の悲痛な叫びが暴漢の鼓膜を震わせているとしても、その意味が脳まで
届いているかどうかは別問題だ。豚に似た暴漢が人語を解するという可能性が無いわけで
もなかったが、少女の命令に従うかどうかというのもまた別問題だ。
髪を掴まれ、額から顎にかけて満遍なく地面に押し付けられた。口の中に泥や砂が侵入
してきて、頬の内側からにじみ出ていた血と混ざる。苦くて酸っぱい。世に言われるとこ
ろの「敗北の味」というやつだろう。顔を擦りつけられて何もできない無力感が、わたし
の体と心から抵抗する力を奪っていく。
力が抜けたところで無理やりに立たされ、そのまま宙吊りにされた。わたしの頭ほども
ある大きな掌にがっちりと握り込まれ、指先一つ動かすことができない。全体重が肘と手
首の関節にかかる。握られた手が痛む。押しつけられた顔が、巨大な質量がのしかかって
いた腰が、体のあらゆる部位が痛む。
生涯整えられることはないであろう鋭く長い爪、その先は黒い土が入り込んでいる。分
厚くざらついた掌、節くれだった指の一本一本が赤ん坊の手首ほどもあった。見ればみる
ほど梃子でも開きそうにない。痛めつけられたわたしではなおさらのことだろう。
オーク鬼への先制攻撃を決意した時、考えるでもなくこう思った。
「わたしは貴族だ。名誉あるヴァリエール家の血を継ぐ者だ。オーク鬼から逃げ出すなん
て論外もいいところだ。不名誉な生より名誉ある死だ」
いざ目の前に死が迫ってきた時、自分の判断が霞のように揺らいで見える。
……揺らいで見える? それがなんだ。あきらめるな、ルイズ。父さまや母さまがここ
であきらめるか? 姉さまだってオーク鬼ごときに弱みは見せまい。たとえ魔法が使えな
くともわたしとてヴァリエールの人間だ。たとえ強がり九割でもいい。背中だけは見せる
まい。
口中に溜まった土と血交じりの唾液を、オーク鬼の額に向けて吐き捨てた。眼を狙った
のだが、的としては小さすぎたようだ。しかし狙いが外れたくらいで挫けない。後で悔い
ると書いて後悔。やるとしたら後でやるべきだ。今、わたしを助けることはわたしにしか
できない。後悔より先にやらなければならない。
吊るされることで、両腕以外は自由になった。先ほどよりも選択肢は多い。右足でオー
ク鬼の胸辺りを蹴りつける。鉄の感触に痺れかけたが、なんとか反動をつけて下半身を仰
け反らせた。勢いを殺さず、今度は鼻っ柱に向けて蹴りを叩き込んだ。
「いっ……たあ……」
漏らしたくも無い弱音が漏れた。鎧の胸当て部分を蹴った時と感触が変わらない。拘束
は緩まず、ひるんだ様子が微塵も見られない。こいつは普段からパンに鉄粉でもかけて食
べているのではないだろうか。
足の痛みにくわえ、予告なく腕が締め付けられた。肉が軋み骨が叫ぶ。喉の奥に悲鳴を
飲み込んだ。キングサイズの鍋つかみよりまだ大きな手で握られれば、わたしの細腕など
万力で締められた藁束でしかない。
痛みがわたしの体と神経を責めさいなむ。先ほどと同じ要領で蹴りつけてみたが、やは
りわたしの足が痛いだけに終わった。さらに蹴り、また蹴り、五度目に脚を振り上げたと
ころでオーク鬼の口元がのっそりと動いた。
「あのクソ女、何考えて待ち伏せてやがるかと思えば……オマエさんどこのチビだ?」
498:使い魔を買いに
08/01/09 21:40:46 enTOi7Nz
振り上げ、振り下ろす間際で脚を止めた。
「匂いが妙に似てやがるから見事に騙されたぜ。クソガキのイタズラだったとはよ」
そこから脚を下ろす。今度はゆっくりと。間違っても相手の顔に触れたりしないよう細
心の注意を払って。
「おいチビ。イタズラがバレたガキってぇのはもうちっとションボリするもんじゃねえの
か? ああん? それをオマエ」
今一度目の前のオーク鬼を見てみると、瞳の中に知性の光が垣間見えた……ような気が
した。けして気圧されたわけではないが、思わず目を逸らしてしまう。
「蹴るわ、喚くわ、も一つ蹴るわ」
わたしに抵抗する意志が無くなったことを察したらしい。宙吊りの状態から地面に降ろ
された。足の裏が求めていた地面という土台が、なぜだかとても心もとなく感じる。
「おまけにこいつだ」
わたしの腕を放し、空いた右掌で額に付着した唾液を拭って隣の樹にこすりつけた。自
分が何をしたのか思い出さざるをえず、わたしはますます居場所が無くなり萎縮する。彼
言うところのしょんぼりとしなければならない子供のように。
ああ、ああ、ああ。
ここが常識の埒外にある場所だということは理解していたし、その上で何をすべきか決
めていた。はずなのに。そう、はずなのに。わたしの馬鹿、わたしの馬鹿、わたしの大馬
鹿のコンコンチキの大間抜け。ダメなルイズ、本当にダメなルイズ。
オーク鬼は恐ろしい怪物で、人間を見れば襲いかかってくる獰猛さを持ち、子供の頭を
割って中身をすする害獣である。これを討つは貴族の務め、獣相手に不意を打ったところ
で誰がわたしを咎めよう。
この考えがどこから来たか。言うまでもない、わたしが身につけた、学びとった、教わ
った、常識というものから導き出した。そう、常識。無視しなければならなかったはずの
常識だ。蝙蝠が口をきき、足跡だけが道を行くようなところで、オーク鬼だけが真っ当に
人を襲うものか。少し考えれば分かることだろうに。
その態度は貴族と呼べるほど立派なものではないにしても、ならず者とこき下ろすほど
荒々しいものではない。物陰から急襲され、組み伏せた後は罵倒され、足蹴にされ、唾を
吐きかけられ、それでも手を上げず声を荒げず静かに怒っている旨を述べる様は、ケダモ
ノ風の乱杭歯や突き出た鼻からは想像することもできない大人のそれだ。
まずいことになった。先ほどまでとは違う意味でまずいことになった。
状況がわたしの立ち位置を向こう見ずないたずらっ子へと仕向けている。悲壮な決意と
貴族としての誇りを胸にして怪物に立ち向かう勇敢な少女だったはずが、悪戯が露見して
大人からガミガミと叱られるみっともない悪たれになっている。
悪童としては、黙って説諭を受けるのが本道というものだろう。言いたいことを言い尽
くせば怒りも多少は収まるはずだし、そうなれば今度はわたしが質問する番だ。ここはど
こなのか、今はいつなのか、この先にあると言われる夜市とはどんな場所なのか。他にも
聞きたいことは山積している。
というように、わたしが黙って怒られればいいのだが、
「だからガキはイヤなんだ。おい聞いてんのかチビ。クソチビ、おめえのことだよ。ガキ
ってのは知らないふりしてルール知ってやがんだ。知ってて、それで破りやがんだ。オマ
エよぉ、オレじゃなかったらコレもんだぞ。夜市のルールってなあ絶対だ。それを……」
中身はともかく、オーク鬼の顔を見ると、言ってはならないことを言ってしまいそうな
衝動に駆られるというか、我慢しなければならないことは分かっているのに、どうしても、
無礼な、とか、偉そうに、とか、相手を刺激するようなことを言いたくなってしまう。思
えばわたしの学生生活はいつもそうだった。
499:使い魔を買いに
08/01/09 21:41:30 enTOi7Nz
折れなければならなくてもけして折れず、ほぼ全局面に渡って我を押し通す。この性情
を調節、統制することができれば、もう少し甘みのある、今よりは大分塩辛くない学生生
活になったはずだ。耳元で恋の詩を囁き合う素敵な恋人は贅沢にしても、同性の友達の一
人くらいはいたに違いない。バーガンディ伯爵にしてもそうだ。結婚するまでは猫を被り
通しておくべきだった。母さまの助言を無視した挙句がこれだ。
「いいか、オレだからよかったものの、下手こけば締め殺されても文句は言えねえんだ。
そのへんきちぃっとご立派なオツムで理解できてんのか」
「……うるさい」
「ああん?」
「うるさいって言ってんのよ! 何よわたしばっかりが悪いみたいに!」
あーあ、やっぱりこうなった。
「オーク鬼の豚面なんて、見れば蹴りつけてやるのが礼儀ってものよ。文句言われる筋合
いなんてこれっぽっちもありゃしないわ」
理性で押さえつければ押さえつけようとするほどに、わたしの感情は暴れたがる。マン
ティコア隊のトップエースをもってしても乗りこなせないじゃじゃ馬だ。
「だいたいさっきからチビチビチビチビって馬鹿の一つ覚えみたいに。わたしが小さいん
じゃなくて、あんたが無駄に大きいだけのことでしょオデブさん」
我ながら酷い物言いだが、脳を介さず脊髄の反射で口を動かしているため、止める術は
無い。オーク鬼のコメカミに走る血管のうち、最も太い一本が小刻みに震えている。
「どうせ悪いことしてお金稼いでいっぱい食べて大きくなったくせに。貴族であるわたし
が罰したとして、何が悪いって言うのかしら」
ツェルプストーから空気が読めない王国の女王的扱いを受けることが多々あるわたしだ
が、別に読めないわけではない。その証拠に、面罵しながらも腰がひけている。
「……なるほどなぁ」
右手の槍を深々と地面に突き刺し、右掌に左拳を打ちつけた。オーク鬼の顔全体に赤み
差しているように見えるのは、けして気のせいではないだろう。
「オマエさんの言いたいことはよぉく分かった」
「ふん!」
「だがな、安心しとけ。オレぁ他所の子は叱らないなんて不人情な連中とは違うからよ。
どこのガキだろうがきっちりとしつけてやる」
右拳から骨の鳴る音。次いで、左拳からも同じ音。ゴキ、ゴキ、ゴキ。
「言って分からねぇガキにはそれなりの対応ってやつをしてやらにゃな」
「な、なによ。暴力に訴えようっていうの!? 人間みたいな格好してたからって、そう
いうところはどこまでも動物なんだから!」
一連の攻防を脳内で再生してみた。あの素早く熟達した動きにわたしがついていけると
は思えない。鈍重そうに見える野生の猪が、人間ではついていけない敏捷な反応を見せる
のと同じだ。まず逃げられない。
お尻を叩かれる程度ですめばしめたものだが、第三者が存在しない以上、どんな無法な
裁きで断罪されるかはオーク鬼にしか分からない。そうした場合、わたしの勝気が死因に
なるということで、ある意味では予想通りだがやっぱり嫌だ。荒っぽいながらも良識ある
口調に期待したいが、頭に血が上ってやり過ぎる人間は数限りなくいる。例えば母さまと
か。その血を半分受け継いだルイなんとかさんとか。
「近寄らないで!」
二歩、後ろにさがったが、相手の一歩でそれ以上に詰め寄られた。
「近寄らないでったら!」
背中に樹が触れた。もうさがる場所が残されていないことと、わたしの背中が汗でじっ
とりと湿っていたことを知った。
相変わらずオーク鬼の表情は読み取りづらかったが、なんとなくサディスティックな笑
みを浮かべているような気がする。そのままにじり寄ってわたしの方へ手を伸ばし……。
「待ちなさい!」
わたしの声に似ていた。だがわたしの声ではない。声調がもう少し大人びているし、な
によりわたしは声を出していない。オーク鬼が声のした方を振り返り、わたしもそちらへ
目を向けた。
500:使い魔を買いに
08/01/09 21:43:13 enTOi7Nz
とりあえず以上です。
もう少しペース上げて続けていこうと思います。だってオラは人間だから。
501:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 21:52:26 th7OX0tF
GJ
もしかしてこの先は避難所!? とか全く思いませんでしたすいません嘘です
にしてもこういうルイズの後ろに引けない性格は損をするけどかわいらしいものがあるね
502:宵闇の使い魔
08/01/09 21:58:19 Xhb0G6ie
寒中見舞い申し上げつつ、22時から投下させて頂きます。
503:宵闇の使い魔
08/01/09 22:00:02 Xhb0G6ie
お姫様のご命令で、メイド―もとい女騎士様のお供をする事になった俺とマチルダ。
気の強そうな顔立ちをしてると思ったが、中身もまんまガチガチでやんの。
マチルダがなんとか上手く取り持ってはくれてるが―
ま、引き受けた以上はやるだけのことはやるがね。
宵闇の使い魔
第弐拾参話:Dusky Link
異世界であっても夜は暗い。
いかに魔法によって気軽に火や明かりを生み出せる世界であっても、夜の世界を侵食できるほどの力は持っていないのだ。
故に、人は夜を恐れるのが常である。
しかしその一方で、常に当てはまらない者達が居ることも事実である。
異世界から呼ばれし異形の術を使う剣士、長谷川虎蔵。
《土くれ》のフーケの名を持つ快盗、マチルダ・オブ・サウスゴータ。
トリステイン女王アンリエッタの懐刀、アニエス。
アンリエッタの密命を受けた三人は、夜の闇に紛れてとある貴族の屋敷へと忍び込んでいた。
この屋敷は今夜、主が出かけている事もあり警備人員が少ない。
更に、マチルダの手元には屋敷の間取りが書かれた羊皮紙も準備されている。
全てアンリエッタとマザリーニの手による物だ。
今は足を洗ったとはいえ、マチルダはハルケギニアでも屈指の快盗である。
此処までお膳立てされていれば鼻歌を歌いながらでも忍び込めるというものだ。
目的は屋敷の主である貴族の裏帳簿である。
此処暫く、妙に金遣いが荒いという情報を得たアニエスが調査を主張したのだ。
虎蔵やマチルダは、いかに裏帳簿とはいえ敵側からの賄賂の情報が乗っているとは思えないと意見したのだが、
彼女は今は少しでも情報が欲しいと意見を押し切った。
確かに、此処暫くの調査では思うように情報が手に入っていないのは事実なのだ。
アニエスが未だにシュヴァリエとして認可されていない以上、派手な調査活動は出来ない。
せいぜい城下町の盛り場や裏路地で探りを入れる位のものだ。
前者はマチルダやアニエスが遊んでいる風の格好で盛り場に出入りし、男を引っ掛けて。
後者は裏路地で屯すならず者達を虎蔵が締め上げて。
はっきり言って、どちらも致命的に効率が悪い。
更に言えば、アニエスは男に免疫が無い訳ではないが慣れているとも言いがたく、成功率はかなり低い。
その中で、虎蔵が暇つぶしがてらに口説き落とした酒場女から偶然得られた情報がそれなのだった。
504:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:02:27 GjzD23kS
支援を
505:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:04:20 sYo/UKfZ
支援
506:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:05:19 oaBXLq2d
支援
507:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:10:18 GIK4Z0jb
宵闇さん規制されたそうなので、代理投下行きます。
508:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:10:55 uD8tIGlL
了解支援
509:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:12:52 GIK4Z0jb
237 名前: 宵闇の使い魔 [sage] 投稿日: 2008/01/09(水) 22:06:59 FEDgAOPg
「どうよ」
「五月蝿い。少し待て―」
書斎で意外なほどにあっさり見つかった帳簿を眺めるアニエスに、暇そうにした虎蔵が声をかけるのだが、
アニエスは真剣な様子で帳簿を眺めながらしっしっと手で追い払う。
虎蔵は肩を竦めて本棚を物色するマチルダへと視線を移した。
この潜入の決め手となった情報を持ってきた当初は妙に機嫌が悪かったのだが、この本棚を見てだいぶ回復したようだった。
快盗時代の本能を刺激されているのだろうか。
もっとも、潜入がばれて今後のこういった行動がしにくくなるのは面倒である。
金目の物があってももって行くことは出来ないのだが―
「ふぅん、意外と良い物が揃ってるじゃないか―この辺りの貴族の蔵書にしちゃ、モット伯に次ぐかもしれないね」
「こんな量でか?」
「価値のある本が何冊あるか、さ。だいたい有象無象の本なら、書斎とは別の所に溜まってる可能性もあるだろう?」
そりゃそうだ、と虎蔵も本棚の前に立って背表紙を眺める。
もっとも、文字は読めないので特に意味のある行動ではないのだが―
「って、こいつぁ―」
「ん? なにか珍しい物でもあったのかい?」
驚く虎蔵にマチルダが近づいてきて、彼の視線の先を覗き込む。
身長差から彼女の髪の香りが虎蔵の鼻に届くのだが、"女性経験の少ない高校生"などではない彼は特に気にすることもなかった。
一方マチルダは虎蔵が眺めていた本を発見するのだが、その背表紙に形の良い眉を顰めてしまう。
決して如何わしい言葉が書かれていたわけではない。
単純に、読めないのだ。
「これは―文字、かい?」
「同心円と極地の空洞帯―って書いてあんな」
首を傾げるマチルダに対して、虎蔵があっさりとそれを読んでしまう。
読み書きが出来ない筈の虎蔵が、だ。
マチルダは一瞬きょとんと虎蔵を見つめるが、すぐに得心が行った様子で指を鳴らし―かけて止める。
一瞬潜入調査中であると言うことを忘れていた節があるが、すぐに思い出したようだ。
「召喚されし書物」
「呼び方は知らんがな。俺の世界か、それに近い世界の本だな―
同じ物を美津里の倉で見た気がするんだが、中身は思い出せん」
「美津里?」
「なんで其処に食いつくんだよ―元の世界で色々と面倒を持ち込んでくれた奴だよ。古物商でね」
ふぅーん、とまた機嫌が悪くなりかけるマチルダだが、それ以上にその本が気になったようだ。
虎蔵の脇腹を突付いて説明を求める。
510:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:14:19 GIK4Z0jb
同心円と極地の空洞帯―
虎蔵の世界では一般的に世界は球状をしていると認識されており、その球の中身は詰まっていると考えられている。
だがこの本では、球は中空であり内側の凹面は人間などの居住が可能だと語られているという。
地球空洞説というらしい。
「内側の世界が此処だって?」
「可能性は、な。奴の受け売りってのは腹立たしいが―
穴が地殻に存在するもんだから、便宜上空洞って言ってるだけでな。
実際はなんらかの回廊で別の宇宙にある惑星―ま、ざっくりと言ってしまえば異世界と繋がってるって訳だ」
「アンタは兎も角、こいつやゼロ戦だっけか? あれの持ち主は、その穴を通って来た―かもしれない、と」
理解の早いマチルダに、虎蔵は頷いてみせる。
とはいえ―
「仮説の域を出んがな。とはいえ、これの著者とは別だが、穴の先の世界には二つの太陽がって言ってた奴もいてな。
ま、此処は太陽じゃなくて月だが」
「そりゃ―偶然にしちゃ、ちょっと出来すぎてるね」
「だろ? ま、なんにしても俺にはさっぱりだが」
ギブアップと言わんばかりに両手を挙げる虎蔵。
マチルダは此処まで煽っといてそれかい、と飽きれてしまう。
「仕方あるめぇよ。こちとら人を殴ってなんぼの仕事しかしたことが無いんだ」
「あんたらしい。っと、そういえば―
確かに他にも幾つか聞いたことがあったよ。召還されし書物、だっけかな?
文字だけの、精巧な絵だけのと色々あるらしいけど―興味が?」
「俺がそうそう本なんぞ読むように見えるか?まぁ、"厄介な本"じゃあないことを祈るばかりだね」
マチルダはアンタらしい、と笑って肩を叩いて物色へと戻っていった。
一方でアニエスは帳簿から書斎机の引き出しの物色を始めている。
一つ一つ引き出しを開けては、中に入っている羊皮紙や手紙を慎重に調べているようだ。
時折何かをメモしているのは、次の調査対象といったところだろうか。
「これは―」
511:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:15:40 GIK4Z0jb
だが突然、アニエスが先程の本を発見した虎蔵のように声を上げた。
よほど驚く何かが見つかったのか、声のボリュームが少し大きい。
ぬ、と慌てて口を押さえるが、幸いにも何者か書斎に近寄って来るような気配は無い。
虎蔵は手でOKを示してアニエス元へと向かった。
マチルダもまた、やれやれとため息をつきながらやってくる。
「そんなに驚くほどの物が見つかったって?」
「あぁ―これだ」
アニエスが二人の視線の先に晒したのは一通の封筒。
その声色、目付きからしてそれなりの発見と言うことなのだろうか。
もっとも、決定的な証拠などが手紙などという形で残っているとも考えにくいが。
「リッシュモン―高等法院長だったね」
アニエスはその通りだ、と頷きながら封筒から手紙を取り出した。
だが、その中身に書かれていたのは観劇がどうのこうのといった当たり障りの無い文面のみである。
アニエスは僅かに眉根を寄せて考え込む。
「同じ国の貴族同士なら、手紙のやり取り位しても不思議は無いんじゃないか?」
「この二人の間に、私信をやり取りするような繋がりは無かった筈だが―」
虎蔵の指摘も、腑に落ちないようで何度もその文面を確認する。
だが、何かの暗号が潜んでいる様子も無い。
本当にただの私信だというのだろうか。
いや、そうは思えなかった。
理由は無く、ただなんとなくでしかない。
だが、この手紙の裏に薄っすらと何かが透けて見える気がするのだ。
そして何度目かの読み返しで、彼女はある事に気づいた。
当たり障りの無い文面の中にある数少ない明確な固有名詞に。
「タニアリージュ・ロワイヤル座、トリスタニアの休日―か」
「流行の演劇だろう? それがどうかしたのかい」
「いや、少し気になってな―さて、少し長居し過ぎた。そろそろ引き上げよう」
二人にはさっぱりだが、彼女には薄っすらと敵への繋がりが見えたのかもしれない。
それまでの調子が嘘のように口元に笑みを浮かべると、手紙を封筒へと戻した。
マチルダは虎蔵に向かって肩を竦めて見せると、調査の痕跡を消す作業に入る。
その後三人は無事屋敷を抜け出し、帰宅した貴族が侵入者に気づくことも無かったという。
512:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:16:42 GIK4Z0jb
一方、時と場所が変わって魔法学園。
虎蔵をアンリエッタに貸し出したルイズは、やや退屈ながら平和な学園生活を送っている。
《虚無》に目覚めた影響なのか、初歩のコモンスペルならば使えるようになった。
更に虎蔵やキュルケ、タバサらの影響で性格も少しずつ丸くなり、
散々《ゼロ》と馬鹿にしてきたクラスメイト達とも少しずつ打ち解けてもきた。
今までのことを思えば、怖くなるくらいに幸福な日々であるとすら言える。
とはいえ、そんな日々も何日かたてば飽きがくる。
キュルケとタバサがふらりと何処かに出かけてしまったこともあり、これといった話相手がいないのだ。
シエスタとも比較的話すようにはなっていたが、彼女には仕事がある。
そうそう邪魔をする訳にもいかない。
「と、言うわけなんです」
「まぁ、構いはしないがね。しかし、此処に居ても同じくらい暇ではないかね?」
そこでやってきたのがコルベールの研究室であった。
彼はここ数日、タルブ村から運ばれてきた《ゼロ戦》の整備に掛かりきりになっていたが、
それを眺めるのは一人でボーっとしているよりはよっぽど良い暇つぶしにはなっていた。
彼は作業をしながらも話相手にはなってくれるし、時には手伝わせてもくれる。
なにより、虎蔵の世界の物に興味があった。
彼の話では、この金属の塊がシルフィードよりも早く飛べるというのだ。
興味が湧かない方がおかしい。
513:宵闇の使い魔(代理)
08/01/09 22:17:47 GIK4Z0jb
「そんなこと無いですよ。少なくとも、此処意外では見れるものでもないですし―でも、本当に飛ぶんですか、これ」
「飛ぶ、だろうね。少なくとも、彼の―虎蔵君の話を聞いた限りでは、納得できる理屈ではあったよ」
「理解できたんですか?」
「あぁ。もっとも、詳細な部分で疑問は尽きないがね。
少なくとも、私の発明の延長、その派生にこれが存在することは間違いない。
ならば、信じる以外の道は、私には存在しないよ」
機体の下から這い出してきたコルベールが、ぽんぽんとエンジンが納まっている部分を叩いて語る。
ルイズとしては、コルベールが言うならそうなのかも知れない位にしか考えられないが、
彼の目にはこのゼロ戦が空を舞う姿が映っているのだろう。
「おっと、そうだ。ミス・ヴァリエール、一つ頼まれてくれるかな?」
「はい? えぇ、構いませんけど」
「ミスタ・グラモン―ギーシュ君を呼んで来てくれないかい」
「ギーシュを?」
背の高い椅子からひょいと飛び降りながらも、コルベールの口から出てきた意外な名前に首を傾げる。
ギーシュは決して無能という訳ではないし、ゴーレム創造にいたっては優秀とすら言って良い。
多少性格に―主に女性がらみの―難はあるが、教師に呼び出されるような事は滅多に無いはずだ。
「あぁ、彼にはこれの整備を手伝ってもらっていてね」
「ぇッ、本当に?」
「彼は練金が得意で手先も器用だからね。飲み込みも悪くない」
はぁ、と納得したようなしていないような微妙な表情で研究室を出て行くルイズ。
どうしてもコルベールのように顔を汚しながらゼロ戦の整備をするギーシュが想像出来ずに、何度も首を捻りながら歩き始めた。
「とりあえず部屋かしらね―」