08/01/08 15:15:54 OOHI8Hrf
>>164
その2人じゃ話が広がらないってww
勇次郎なら絶対に使い魔にはならないし
ピクルなら犯っちゃうし
167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:19:04 flk1N+Fk
>>166
バキなら烈を呼んでダブルツンデレ
もしくは最凶死刑囚の一人ドイルを呼んで魅惑の妖精亭で女装するドイル
168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:20:16 VcQK2/zQ
バキなら渋川さんでしょう
169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:20:28 yuMwt+9T
烈なら7万人相手でも余裕なような気がする。
むしろアルビオンの大地を砕かないかどうかの方が心配になる。
170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:23:21 39vT4lbv
空に漂う球体になっちまうぞ、アルビオンw
171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:24:29 aojyRtuh
オリバだとワルドが叩きつけられた衝撃でアルビオンが墜ちるな
172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:27:25 kQhDJP+x
やっぱバキといえばジャガッタ・シャーマンだろう。
収納に便利だぞ。
173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:29:28 yuMwt+9T
巨大カマキリでも召喚しとけ
174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:38:34 AWP34AkG
>カマキリ
つまり召喚は失敗して、すべてはルイズの脳内使い魔?
175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:45:14 84/rWEe/
宝物庫にある「破壊の大岩」は迷い込んだことのある郭海皇の打岩で
ワイバーンに襲われていたオスマンを助けるためにとっさに投げつけたもの。
人間の腕力で投げられるわけが無いためマジックアイテムだと誤認されてそのまま保管される。
烈海王だと
大人気ない
ツンデレ
料理も出来る
武器も使える
見えない目潰しや水面走りや尾行など面白い小技が多い
だから話が展開しやすそう。
ギーシュ戦
「人形を召喚し戦わせる そこまでたどり着いたことは褒めておこう
しかし我が中国では1800年以上前の三国志の時代にすでに通過した場所だ!」
~略
「聞いてみれば君はメイジの中では最下級だとか そんな君を相手に本気を出そうとした私も大人気なかった」
と転蓮華で優しくギーシュの首を折る烈
教育者な海王とか超肉体医者とかも比較的常識人かつ技能や性格的に面白いかも?
176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:46:47 39vT4lbv
ブリーフ先生は病弱な姉が召喚したら面白いな
177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:48:26 yuMwt+9T
問題はそいつらの場合、せっかく召喚された近代兵器を微塵も使いそうにないところだな。
178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:49:20 g+L0mTQr
寂海王に、ハルケギニアの若者を導いてもらおうぜ
179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:49:39 aojyRtuh
下手な近代兵器より強いのがそろってるからなぁ。
まぁ少なくともデル公の出番は一切無いなw
180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:49:43 lU5OHEmK
以前雑談で話したTOPのクラース&ミランダが召喚されました。が書きたくなってきた。
契約の指輪集めて久々に家に戻ったら寂しそうなミランダさんが居て、たまには甘えさせてよでデレモード。
焼きたてのパイをアーンしてるところでテーブルごと召喚され周囲のいい笑いもの。
けれど召喚魔法が使えることが分かって唖然、しかも魔法が使いたいからって魔法が使えない平民なのに何年もの研究の末成し遂げたものであることにさらに唖然。
契約はしてないけど、何時までもミランダさんにヒモ状態はさすがに心苦しいのでルイズの実家との金銭契約で使い魔&召喚術の師匠をすることになったクラース。
精霊と契約する為、ルイズのハルケギニア大冒険が今始まったり始まらなかったり。
一方その頃テファにアーチェが召喚されていて、フーケ=おマチさん救出の為に旅立ったり旅立たなかったり。
その過程でクラース&ルイズ組とばったり会ったり。
水の精霊使役されててモンモン涙目だったり。
―と、ネタばかりはやたら浮かぶんだが、生憎バイトと卒論とレポートで時間が……
―TOPの内容はうろ覚え過ぎるけど今更やり直す時間も……と言う訳で誰かこのネタで書かないか?
181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:52:50 84/rWEe/
>>177
デルフですら使ってくれそうなのが
烈海王
本部
死刑囚
ぐらいしかいない…
加藤が使ってくれるか微妙なライン
182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 15:54:28 84/rWEe/
>>179
ワルド辺りを「貴様は中国武術を舐めた!」で凹る時などに大活躍!
183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:03:39 OOHI8Hrf
郭海皇を召喚した場合はルイズが床で寝そうだ
さすがにヨボヨボおじいちゃんを床では寝かさないだろうし
介護をする羽目になりどっちが使い魔か分からなくなる可能性大ww
そしてワルドの腕を手刀でばっさりと
184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:04:47 yuMwt+9T
電撃すらも消力で無効にするのか
185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:08:52 flk1N+Fk
医者が召喚されたらどのルーンにせよ活用出来るな
186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:11:31 yuMwt+9T
どの分野かにもよるだろうな。
だが水のメイジは脳移植ができて腕の接合も道具なしに行えるんだぞ。
しかも秘薬があればすごい勢いで怪我の治療も可能。
医者の出番はないんじゃないかな。
187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:11:49 cfbq2F9g
>>183
手刀よりむしろタマピンじゃね?
188:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:14:03 aGCB3iE6
手遅れだ(ニヤリ)
189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 16:38:03 g3jn2tsN
今更SO3やってる
フェイトかアルベルなら割と簡単に構想練れそうだな
190:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:05:25 4RcL9V1f
小ねたでルイズがルイズを召喚する話があったが、どうせなら学院の主なメンバーがみんなルイズを召喚する話(ルイズ自身はフツーに才人召喚)が診たい。
全員並行世界で才人と生き別れたルイズ同士による才人争奪戦。
>やたらスタイルのいいルイズ
>空中戦に特化(エクスプロージョンパルス推進?)したルイズ
>傭兵だったルイズ
>虎縞型猫と合体したルイズ
>不死の属性持ちのルイズ
ここは原作ではやられキャラだったルイズビッグボディに活躍を…
191:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:07:53 g+L0mTQr
>>180
とりあえず、ミランダじゃなくてミラルドだ・・・・・・。
いっそ精霊王クラースを、と思ったがこの設定はマイナーすぎるな・・・・・・
一応は公式っぽいが。
192:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:19:36 PJ49mo1t
アレ公式なのか?
敵の能力があまりにもチート臭いし既存キャラも色々と変だったような…
193:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:21:20 HSLGKkHe
ミラルドさんだよドチクショウ
名前間違いながら書くんじゃねぇ
最低でも琥珀は読め
194:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:26:09 MxUpGX27
ルイズ、タバサ、キュルケ、ギーシュがルミナスナイツの連中&ふぁちまを召喚。
テファが桜子を召喚。
美少女12人&おまけの男子2人の学生騎士団ルミナスナイツ!!
195:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:32:06 flk1N+Fk
ごはん抜きを忠実に実行して使い魔を餓死させたメイジとしてハルケギニアに名を残すルイズもみてみたいな
196:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:33:17 39vT4lbv
>>195
相手が平民だったら
「へー」で終るんじゃね?
197:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:37:01 osvahZNx
そういや、原作ルイズのSっぷりに対して耐えてるサイトがMっていうコメントがあったが。
PCゲームだけど、ライトノベルにもなった神さえ殺したM神父召喚されたらどうなんだろ?
こいつならルイズの暴虐に耐える……どころか喜ぶと思うんだが。
198:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:44:53 39vT4lbv
「殺し屋1」のもう一人の主人公
ドMのヤクザは
ルイズが生ぬるいって呆れていたな
199:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:50:28 i1QfHnS1
そりゃあれはレベル的に子供の癇癪だろ
200:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:54:11 h/lWt2jv
>>199
連邦の白い奴を召喚したら、「子供に付き合っていられるか!」と相手にされないわけだな
201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:54:54 84/rWEe/
>>198
そしてフーケゴーレムに対して
「アレで踏み潰された蛙みたいに殺すのか…良いセンスしてやがる…
お前こそ俺が求めていた変態だ!」
と「セイントの笑み」を浮かべて突進
オマチさん涙目
202:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:56:03 dUQw31jy
そうか!あのピザがルイズにちょっかい出す理由がわかった!
ピザ自身は生粋のMでルイズの潜在的なSを本能で察知したんだ!イジめてほしくてしょうがないピザは振り向いてもらうためにちょっかい出してるに違いない!
203:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:57:55 Zt5XVyPb
ルイズ以外のメンバーも全員他作品キャラ召喚(ルイズはサイトを召喚)というのも見てみたいな。(全員異性が望ましい)
ギーシュが美少女召喚した場合どんな対応するのか見てみたい。
キュルケやタバサは実際自分の使い魔が人間だったらどうするか見てみたい。
まあ完全小ネタ向きだけど
204:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:58:48 84/rWEe/
>>200
ワルド「いかにガンダールブとは言え5対1では!」
アムロ「そんな理屈~!」(殴り倒す)
ワルド「うぎゃ~!」
205:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 17:59:43 7aTPkCog
>>202
何を今さら
アバン先生や姉妹スレのアヌビス神を初め、マゾコルヌがMだと看破した使い魔はけっこう多いぞ
206:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 18:24:38 3ZjOW9gg
てか原作で彼女に罵ってもらってなかったか?
あとセーラー服の件をみるかぎり女装癖もあったような・・・
207:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 18:28:51 saD058td
ギーシュの使い魔にワンピースよりローラさん(イボイノシシのゾンビ)が召喚されたらオモロい展開になる?
208:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 18:29:39 39vT4lbv
騎士団入ってからは後輩の女子に罵られる事すら
嗜 む 漢 それがマリコルヌ
最新刊あたりじゃ普通の恋愛なぞ、目もくれぬ覚醒ぶりだ
209:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 18:36:36 AWP34AkG
>208
サイトのノートPCにエロゲが入っていたら……マリコルヌが二次元教を布教するやも知れぬ
210:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 18:45:59 FGnUVnSE
>>209
奴さんなら煩悩力で日本語を3ヶ月くらいでマスターすんだろうなw
日本のアニメや漫画を楽しみたいがために日本語を勉強したオーストラリアからの留学生みたいに。
211:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:04:50 YxyRi642
A君(17)の戦争から田中魔王が召喚されました、か。彼ならハルケギニアに同人ショップを開ける。
212:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:08:22 xhyZVT+2
田中魔王と言われるとヘルズウォーリアーが先に来る俺
何気に優秀な使い魔だよね。魔獣もついてくるし
213:異世界BASARA
08/01/08 19:11:34 wsXeaX7J
誰も予約がないのなら久しぶりの投下、よろしいですか?
214:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:12:57 KaQTKyyS
どぞー
215:異世界BASARA 1/4
08/01/08 19:15:21 wsXeaX7J
では投下いたします。
夢を、ルイズは夢を見ていた。
夢の中でルイズは、池のほとりにある小船の中にいる。
うらぶれた中庭にある池…ルイズが「秘密の場所」と呼んでいる所だった。
「ルイズ、ルイズ」
そこへ、マントを羽織った貴族が現れた。
羽根つき帽子を被っているせいか、顔を見る事は出来ない。
「ルイズ、泣いていたのかい?」
「子爵様…」
ルイズは呟いた。
「また母上に怒られたんだね?安心して、僕がとりなしてあげるから」
そう言って手を差し伸べてくる。
ルイズは立ち上がり、その手を握ろうとした…が。
そこに風が吹き、貴族が被っていた帽子が飛んでいく。
「あ…」
そこに現れた顔は、ルイズの思っていた顔ではなかった。
「な、何やってるのあんた」
「さあ行こう、ルイズ」
貴族だと思っていた男は、自分の使い魔…幸村だった。
「行こうじゃないでしょ、何でここにいるのよ!」
「何って、僕の婚約者を迎えに来たんじゃないか」
ボク?こいつ今自分の事を“僕”って言ったのか?
いつもは拙者と言っているのに…いや、それよりも婚約者とは何だ。
ルイズは困った顔でぐるぐると思考を巡らせている。
その反面、幸村はルイズを見て微笑んでいた。
こ、こいつ…静かにしてれば結構カッコイイかも…
216:異世界BASARA 2/4
08/01/08 19:17:02 wsXeaX7J
「待て!貴様…僕のルイズに何をするか!!」
と、今度は別の男の声が聞こえた。
見てみると、羽根つき帽子を被ってマントを羽織った男…今度は本物の子爵様だった。
しかし、幸村は慌てる様子もなく、軽く子爵に向けて腕を振るう。
すると強い風が吹き、子爵は吹き飛んで池に落ちてしまった。
「やめてよね。本気になった僕に勝てると思ってるの?」
幸村はしれっと言い放つと、ルイズに向き直って微笑む。
「さ、行こうルイズ」
「ちょ、ちょっと!行かないわよ!離して!」
抗議するが、幸村は気に止める様子もなく、ルイズを抱きかかえた。
「何でよりによってあんたなのよ!離しなさーい!!」
ルイズは抱きかかえられたまま手足をばたつかせるが、幸村はただ微笑んでいた。
ルイズはそれが何だかとても恥ずかしかったのだ。
「う~ん…離しなさいよぉ…」
ルイズ殿……ルイズ殿……
「何笑ってるのよ馬鹿ぁ…Zzz…」
ルイズ殿…ルイズ殿!!
「むにゃ…うん?」
「ルウゥゥイズ殿おぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
「ほわあああぁぁぁ!!??」
217:異世界BASARA 3/4
08/01/08 19:19:33 wsXeaX7J
突然の大声でルイズは夢から現実へと一気に引き戻される。
「おおルイズ殿!目が覚めましたか?」
「ユキムラ…」
目を覚ましたルイズはしばらくぼーっとしていたが、我に返った。
「あ、あんた私の部屋で何してるの?廊下で寝てたんでしょ?」
「はっ!何やらルイズ殿の呻き声が聞こえたので、駆けつけた所存!」
幸村は心配そうな表情でルイズを見ている。
さっきまで見ていた夢を思い出し、ルイズは顔を真っ赤にして俯いた。
「ルイズ殿、どこか具合でも悪いのでござるか?」
「べ、別に何でもないわよ…馬鹿…」
「…あれ?」
だがここでルイズは奇妙な事に気づく。
この部屋にはちゃんと鍵か掛けられている。そして幸村は鍵なんか持っていない。
ならば、どのようにしてこの部屋に入ったのか。
「ユキムラ、どうやってこの部屋に入っ…」
その答えは幸村の背後にあった。
壁に大穴が空いている。いや、元はそこにドアがあったのだが無くなっていたのだ。
「…ねぇユキムラ、あの穴は何かしら?」
ルイズは出来るだけ平静を装って、幸村に問い掛ける。
「ははっ!駆けつけようにも鍵が掛かっていたので、武田軍に伝わる『武田式開門』で扉を開放した結果にござる!」
『武田式開門』………閉じられた扉、門を蹴破る。もしくは引っぺがす。
「ふざけるなあぁぁぁぁー!!!!」
烈火の如く怒ったルイズの蹴りが幸村を吹き飛ばした。
「あんたは力任せで物を壊す事しか出来ないの!?」
「しかし!ルイズ殿の御身に何かあってからでは!!」
「うるさいうるさい!このバカムラ!アホムラ!サナダムシイィィー!!!!」
「…あーあ…だから止めとけって言ったのによぉ…」
廊下で、デルフリンガーはポツリと呟いた。
218:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:19:47 KaQTKyyS
支援
219:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:23:09 CE8TRHDR
支援
中の人ネタwww
220:異世界BASARA 4/4
08/01/08 19:23:46 wsXeaX7J
―同時刻、チェルノボーグの監獄―
城下で最も監視と防備が厳重と言われている監獄…
その入り口の門の横に、1人の男が立っている。
「やれやれ…隠密というのは苦手だ…」
男はそう言いながら松明の炎を見ている。
「待たせたな…土くれを連れて来た」
男が炎を眺めていると、門から仮面を付けた男が出てきた。
その横には、トリステインを騒がせた盗賊…ルイズ達によって捕らえられたフーケが立っている。
「やぁフーケ殿…ご機嫌如何かな?」
「ご機嫌に見えるかい?こいつがあんたの言っていた連れ?」
男の言葉にフーケは苛立った声で言った。
仮面の男は頷く。
「ああ…目的は違えど、我等の仲間だ」
その言葉を聞いた男はフッと笑った。
妙な格好をした男だと、フーケは思った。このトリステインでは見た事のない服装である。
「変わった格好をしているけど、あんた何処の出身だい?」
「そうだな、遠い世界から此処へ呼ばれた……と言っても卿は信じないか……」
「はっ!別の世界から呼ばれただって?あいつ等みたいに?」
『あいつ等』…その単語を聞いた男の眉がピクリと動く。
「ほぉ…あいつ等とは誰かな?」
「私をこの監獄にぶち込んだ奴等だよ。確かユキムラ…いや、サナダユキムラだったね」
それを聞いた男の唇が不気味な程吊り上った。
そして、今度は笑い出した。
「ははははは、ふはははは!成る程成る程、人生はこれだから楽しいものだ。
いや、私の人生はあちらで一度終わっているから違うかな?」
いきなり訳の分からない事を言い出した男に、フーケは言葉が出なかった。
男は一頻り笑うと、2人を見て言った。
「さぁ行くとしよう。その者達に一度会いたくなったよ」
221:異世界BASARA
08/01/08 19:25:06 wsXeaX7J
これで投下終了です。
やっとアルビオンに突入出来た…
222:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:28:25 cJBzXUFy
バサラの人GJでした
しかし武w田w式wとwはwwwwwwww
ヒーローズの真田シナリオは本当にはっちゃけてたなwwwww
そして北条のバサラ技がこのスレで炸裂するのがすげぇ楽しみな俺
223:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:48:22 U4cV+xfs
バサラの方乙そしてGJでしたー
平蜘蛛を天守閣から投げ捨てて爆散した人(史実)ktkr?
224:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:07:41 /v2Z6KKv
>>186
脳移植って言っても魔法の力で無理矢理くっつけるだけで結局拒絶反応は現れるし、
怪我の治療は確かに凄いが魔法に頼り切りだから生まれつきの異常は治せないんだけどな。
おそらく体の治癒力を高めているだけのようだし、怪我の度合いや経過によっちゃ細胞が死んで回復も出来ないし。
225:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:31:32 cfbq2F9g
>>211
なんとなく買ったデビル17のあまりのつまらなさのせいで
同じ作者のA君読む気が失せたんだが、そっちは面白い?
226:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:37:25 2ipvWQhW
>>225
時折入るヲタ臭い小話を抜けば、そこそこ笑えて、戦争小説としてはマトモ。
227:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:49:18 WYvDZ7st
>>225
しかしあの本を読むなら心してかかれ。
完結は望めないからな・・・。
228:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:55:43 vxN6IbP4
>>225
扱ったネタ元が例のアレだから、もうあの名義じゃ出せないっぽいから心して挑んでくれ。
229:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 20:58:01 HSLGKkHe
何があったんだ…
230:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:04:57 WYvDZ7st
御代のいつもの病気です。
231:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:06:40 l8trcQ6l
デビル17の方だろ?アレで草加ネタを出したから。潰されたんだろうと思うが。
232:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:08:09 dgv2Opea
ルイズがDTBの黒を召喚したなんて妄想したのは俺だけで十分
233:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:11:51 cfbq2F9g
>>226-228
トン
それほど悪い評価はないみたいだな。
でも遅筆病持ちはなあ・・・もう俺何年も獏ちゃんのを待ってるからな・・・・・・
でその作者は書いてるうちに続ける気なくなっちゃいました型?
書いてるうちに新しいネタ浮かんじゃいました型?
書くより釣りに行きたい型?
234:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:18:40 aGCB3iE6
伊丹十三みたいにならなかっただけマシってこと?
235:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:21:09 WQxSmzVR
伊丹十三監督は創価を元ネタにした作品を作ろうとして不審死したんだよな・・・
236:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:24:21 cfbq2F9g
ああ遅筆じゃなくて創価か
ウッチャンが創価の勧誘断ったんで干されたって聞いたけどほんとかね
237:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:33:36 qJ3or9Kx
パナマはry
三州公はry
あっルイズに召喚されたのか!(違う
238:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:35:15 TP/Mo2q6
日本のメディアは草加せんべいの呪縛から
解き放たれねばならんのです。
といっても他新聞社の空き時間を金で買って印刷してるからたちが悪い。
239:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:39:43 ydSntq9h
風林火山の最終回を見て、勘助を召喚しようと、1月ぐらい書きためた物があるのですが、投下しても大丈夫でしょうか。
一月といっても、暇な時にちょくちょく書いたくらいなので、量としては僅かなのですが。
240:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:40:37 MYmGSLFo
>>239
よーそろー!
241:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:41:07 s3Qe2vVA
その辺りの話は【荒らしに偽装した何か】を大量に呼び込むからやめない?
めんどくさくなるとイヤだしさー。
242:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:41:47 s3Qe2vVA
すまん、リロミス。支援体制に移行
243:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:42:59 ydSntq9h
>>241
そうですか・・・
一応、歴史ものといっても、実在した人物でもなく、原作も小説だから大丈夫かな、と思ったのですが・・・
自重しますorz
244:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:44:00 s3Qe2vVA
>>243
ち、ちがいます、すんませんっ! あなたの事じゃないんです。
245:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:44:21 gudjy7Rd
支援すること風の如し
246:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:44:49 2ipvWQhW
>>233
単純に筆が遅い派
247:風林火山
08/01/08 21:45:52 ydSntq9h
>>244
すいません早合点しましたごめんなさい勘違いした自分が悪いんです
それでは、投稿させていただきます~
248:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:46:16 vyG11T2l
>>239
支援はできているが謙信(戦国ランスver.)は俺の嫁な
249:風林火山(1)
08/01/08 21:47:05 ydSntq9h
「勝った・・・」
その視線の先には、真田の御旗。
「勝った・・・!」
その眼に映るのは、武田の勝利。
「御屋形様・・・」
その頭の中に浮かぶのは、信玄の姿。
「我らが・・・勝ちにござりまする!」
その心に満ちるのは、歓喜。
「勝鬨を、おあげなされ・・・!」
その後ろには、若い侍。
「武田が軍師山本勘助!その首、頂戴仕る!」
若い侍が刀を振り上げるや否や、勘助の体が光に包まれる。
侍が驚き、動きが止まった数瞬の後。
「・・・・・」
そこに、勘助の姿は消えていた。
250:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:47:50 vyG11T2l
支援
251:風林火山(1)
08/01/08 21:48:13 ydSntq9h
―――トリステイン魔法学院にて、春の使い魔召喚の儀式がおこなわれている。
そこでは、小さな薄桃色の髪が特徴的な、少女が呪文を詠唱していた。
「わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・」
「五つの力をつかさどるペンタゴン。我が運命に従いし使い魔を、この地へと召喚せよ!」
瞬間、あたりが光に包まれた。
(やった・・・!サモン・サーヴァントが成功した!)
心の中は喜びに満たされた。
しかしその数秒後には絶望へと変化する。
何故なら、そこに現れたのは
傷だらけの鎧を着た、左目に眼帯をした異相の青年だったからだ。
―――目を、開く。
(ここは・・・どこだ?)
そこは、明らかに川中島では無かった。
死体は一つもなく、おかしな服装をした、様々な色の髪を持つ少年達。
なにより、それらの後ろには巨大な城がそびえ立っていた。
「ゼロのルイズが平民を召喚したぞぉ!」
「さすがはゼロのルイズだ!」
突然、大きな声が聞こえた。
「う、うるさいわね!ちょっと失敗しただけよ!」
と、突然あたりが静かになった。
召喚されたものを、改めて認識したからだ。
その姿は、明らかに貴族では無かった。
だが、明らかにただの平民では無かった。
見たことも無い様式の鎧を着、目には眼帯。
その鎧は、幾本もの矢が刺さっており、所々銃弾の跡のような物があった。
252:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:49:32 vyG11T2l
支援すること風の如く
253:風林火山(1)
08/01/08 21:50:07 ydSntq9h
「ぐ、軍人か!?」
「兵隊を召喚したのか!」
(召喚?一体何のことだ)
勘助には、何が起きているのか全く分からなかった。
そもそも、自分は死んだはずではなかろうか。
あの、若い武士にこの首を取られたはずでは無かったか。
しかし、このまま何もしないわけにはいかない。
とりあえず、この中で一番年をとっている禿頭の中年男性に声をかける。
「もし」
その声に、注意深く勘助を見ていた男が答える。
「な、なんでしょうか」
「ここが何所か、お答えいただきたい」
「は、はい。ここはトリステイン魔法学院ですが・・・貴方は?あ、私はコルベールというものです」
「失礼。拙者の名は、武田が軍師。山本勘助と申すもの」
軍師、という言葉に反応したのか、コルベールは眉をピクリと動かした。
「して、ここは一体」
「トリステイン魔法学院よ」
コルベールでは無く、勘助の後ろに立っていた、桃色の髪の少女が答えた。
「とりすていん?聞いたことが無いが・・・」
60近い人生の中でも、聞いたことも無い単語に首をかしげる。
「ちょっと嘘でしょ!?トリステインを知らないの!?」
「こ、これ、ミス・ヴァリエール・・・」
いくら貴族ではないとはいえ、こんな形相をした軍人に対して、不遜の態度をとっているルイズに、内心コルベールが肝を冷やす。
254:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:50:20 QXllWioY
柊蓮司>ご飯をくれないので、仕方がないから庭の草を食べて
飢えをしのごうとしていたらシエスタが台所に連れて行って
食べさせてくれた上にルイズも家名の恥なので食事ぐらいは
取らせてやるから庭の草を食べるのはやめてと言ってくれた
この世界の女の子はみんなやさしいなあ!
どっかのおおと、・・・・
255:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:50:25 vyG11T2l
荒らしを無視すること林の如く
256:風林火山(1)
08/01/08 21:51:27 ydSntq9h
「トリステインは、このハルキゲニア大陸にある王国よ!それを知らない何て・・・どこの辺境から呼ばれたのよ!」
「呼ばれた・・・?」
(ますます、何のことやら・・・。しかし、ハルキゲニア大陸か。もしかすると、ここは中国や、聞いたポルトガルというような、海の向こうの国ではあるまいか)
なるほど、それなら辻褄があう。
あのおかしな色の髪や、服装、そしてこの城。
全く建築様式が異なることなど、海を隔てるほど遠い国ならばおかしくはないだろう。
この国の名前や、大陸の名前など、この勘助が知っているはずもない。
「して、呼ばれたとはどういうことだ?」
「だから、召喚したのよ、サモン・サーヴァントで。あたりまえじゃない」
ミス・ヴァリエールと呼ばれた少女が答える。
「サモン・サーヴァント?召喚、はて、申し訳ないがこの勘助。何のことやらさっぱりとわかりかねます」
「は?サモン・サーヴァントすら知らないの!?本当にどこの辺境から来たのよ・・・」
少女が、嘆くように言った。
ついで、口をつぐんでいたコルベールが言う。
「サモン・サーヴァントというのは、使い魔たる存在をこの世界のどこかから呼び出す魔法のことです」
警戒の色を残しながらも、コルベールが説明する。
「魔法?まさか、そんなものが存在するはずが・・・」
魔法とは、いわゆる法力と同じ意味を射すもののはずだ。
そんなものが存在すると信じているほど、勘助は盲目では無い。
――が。
「確かに、川中島からここへと移動したのは確かなようだ・・・それに」
そう。
これこそが、先ほどからずっと感じていた最大の違和感。
軽いのだ。体が。
見れば、腕に力が満ち、頭には剃ったはずの髪が生えている。
若返っているのだ。
知識、記憶はそのままに、体だけが、20前後の姿へと。
(これが、魔法というものか・・・なるほど、これならば川中島からこの地へと誘うことも、できるやもしれん)
257:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:51:44 vyG11T2l
投稿すること火の如く
258:風林火山(1)
08/01/08 21:52:55 ydSntq9h
「わかった。これについては信用しよう。だが、何故某がここへと誘われたのだ」
「それは私にはわかりません。しかし、彼女にとって最も必要とされているものを呼び出すのが、サモン・サーヴァントなのです」
「必要?この勘助をか?なるほど、戦でもするというのか」
「い、いえ、そんなことはありません!いや、それよりも・・・先ほど、軍師とおっしゃいましたが・・・」
「いかにも。武田家の軍師だ」
「武田家・・・?それは一体」
「ふむ。某がここを知らぬのと同じように、そちらも知る筈はないだろう。簡単にいえば、この国と同じ。某の居た国だ。武力において、最強と呼ばれる国でもある」
「な、なるほど。一国の軍師を、それも大国の軍師をミス・ヴァリエールは召喚してしまったのか・・・人間の使い魔すら例がないというのに・・・・」
コルベールは頭を抱えたくなった。
が、自分が何をすべきなのかを思い出したのか
「み、ミス・ヴァリエール。この方に契約の儀を行いなさい」
落ち込んで自分を失っていた桃色の髪の少女に、コルベールが呼びかけた。
「え!?」
突然話を振られた少女が、ビクリ、と体を震わせた。
「そ、そんな!平民の使い魔なんて聞いたことありません!これはきっと何かの間違いです!やりなおさせてください!」
まさに、必死、という形相でコルベールに異を唱えている。
(使い魔、というものが何かはわからぬが・・・話からすると、大体従者のようなものであろう。何をそこまで必死になることがあるのか)
「残念だが、ミス・ヴァリエール。それはできないことだよ。これは神聖な儀式だ。やり直しは認められない。絶対に、だ」
「そんなぁ・・・」
ヘナヘナと少女から力が抜けた、が。
すぐに立ち上がった。
「し、仕方ないわ、私が召喚してしまったんだから・・・それに、これと契約しなくちゃわたし、留年だもの・・・。初めてなのに・・・」
259:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:53:10 vyG11T2l
働かざること山の如し
260:風林火山(1)
08/01/08 21:53:40 ydSntq9h
「貴族とこんなことができるなんて、普通は一生ないんだからね!感謝しなさい!」
(?一体何のことだ。儀式、だというが。何のことやら)
すると、少女が勘助の顔を両手でつかみ。
その異相の中の唇と、自分の唇を重ねた。
「なっ・・・!」
勘助がその顔を驚きで染めている。
対称に、少女の顔は朱色に染まっていた。
「グッ・・・」
勘助の表情が苦悶に歪んだ。
見れば、左手に淡い光が走っている。
そして、ルーンがその手に刻まれた。
261:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:54:04 2kPcaA1+
>>259
働けwww
262:風林火山(2)
08/01/08 21:54:41 ydSntq9h
「ふむ・・・珍しい形のルーンだな・・・あとでスケッチさせて貰おう。さて、皆さんお待たせしましたね。部屋へ戻りなさい」
コルベールが契約の完了を確認し、生徒達を教室に返した。
「これで、貴方は正式に私の使い魔よ。これからは、私の事はルイズ様か、ご主人さまと呼びなさい」
ルイズが、何かをふっ切ったようにやけくそ気味に言った。
それの言葉に、勘助がピクリ、と反応した。
「ご主人・・・だと?」
ギロリ、と片方の目でルイズをにらむ。
ウッとルイズが竦んだ。
だが、怯むも気丈に振舞う。
「そ、そうよ!私があなたのご主人様になるの!契約したんだから」
「小娘。口が過ぎるぞ」
「こ、こここ小娘って言ったわね!使い魔のくせに!」
「真実だ。わしから見れば、十分に小娘と言えるだろう」
「また言った!」
「真実を言って悪いこともなかろう」
「い、いい?貴族は名誉というものがあるのよ。命よりも大事な・・・それを、貴方は侮辱したの!」
「侮辱だと?それならば貴様の方だろう。突然拙者をこの地へと召喚し、挙句の果てには僕になれと!この勘助が仕える御屋形様はただ一人。武田信玄のみでござる」
「そんなことは知らないわよ!あなたは私の使い魔なの!」
「そのようなことは知らん。迷惑!某を元の場所へ返してもらおう!やらなければならぬことは山ほどある!」
(そうだ・・・。決戦に勝利した以上、上杉を討伐し、ゆくゆく天下を取るための準備をせねばならん。上杉の脅威がなくなった今こそが、天下を得る好機!)
263:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:55:11 vyG11T2l
>>261
働きたくないでござるwww働きたくないでござるwww
支援
264:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:55:12 DXeLD2Ch
>>259
それはイカンだろwwwww
265:風林火山(2)
08/01/08 21:55:42 ydSntq9h
「戻る?無理よそんなこと!できるわけないでしょ!おとなしく私の使い魔となりなさい!」
その言葉に、勘助は驚愕した。
「小娘!今何と申した!戻ることが、無理と申したか!」
「当たり前でしょ!元の場所へ返す魔法なんて聞いたことないわよ!」
「なんと・・・では、元の場所へ戻る手段は無いと、いうことか」
「だから最初から無理っていってるでしょ!そんなことはどうでもいいわ!私の使い魔になることを認めなさい!」
「認めぬ」
「認めなさい!」
「認めぬ」
「こ、これだけ言っても分からない何て・・・いいわ。それならこっちにも考えがあるわよ・・・決闘よ!その体に、ご主人さまというものをしっかりと教え込んであげるわ!」
「なっ!み、ミス・ヴァリエール!決闘は御法度ですぞ!」
それまで、流れについていけずに唖然としたコルベールが、あわててルイズを制止した。
「禁止されているのは貴族同士の決闘のはずです。自分の使い魔との決闘を禁止する、だなんて聞いたことありません」
が、ルイズはそれに対しては冷静に答える。
一方、それに困ったのはコルベールである。
「そりゃきみ、誰も使い魔と主人が決闘するだなんて考えもしないだろうし・・・」
「とにかく、ミスタ・コルベールに留められるいわれはありません。勘助!いいわね!」
「承知」
266:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:56:44 fBUwg+0F
>>259
それなんてニート侍'swww
267:風林火山(2)
08/01/08 21:56:52 ydSntq9h
以前はこのようなことがあれば、迷惑!と言って振り切ったものなのだが。
しかし、今度の勘助はそれを止めようとしなかった。
見る人が見れば、勘助は大して怒っていないとわかっただろう。
なにせ、勘助は自分の失策により武田家を危機にさらし、それを勝利に導くために己の命を捨てたのだ。
そこを、ルイズによって助けられた。
ここへ呼ばれたことに、何故怒れようか。
(私は、一度死んだのだ)
今更、信玄に忠義を尽くす必要も無い。
信玄の事は、好きだった。
命をかけようとも思い、実際に命を捨てた。
だがしかし、勘助は信玄の忠実な僕というわけでは無い。
信玄はあくまで、夢なのだ。
そして、夢でありながら、野望でもある。
信玄という人間、そしてその息子の勝頼によって天下を統べる。
それこそが彼という人間のすべてだった。
それももう、終わったことだ。
それに、勘助がいなくとも、信玄ならばむやみに焦って暴走することもないだろう。
武田に信玄がある限り、武田は決して滅ばない。
そういう確信が、勘助にはあった。
「良い?私は貴族だから魔法を使う。別に卑怯とかなんとか言う気はないわよね。そして、私が勝ったら、あんたは私の使い魔よ」
(使い魔か・・・よくよく考えれば、それもいいやもしれん。この地が戦乱に渦巻く地であるならば、この地の知を蓄え、再び天下を目指す為の準備期間にもなるやもしれんし、そうでなくとも、平和にただ生きるのも、あるいは良いやもしれん)
「承知した」
「あんたがそこを一歩でも動いたら、開始よ。いいわね」
「グッ」
突如、勘助が叫びをあげると、そのまま地面に崩れ落ちた。
あたりに靄がかかっている。
おそらく、スリープクラウドの呪文で眠らせたのだろう。
「ミス・ヴァリエール。例え使い魔と主のものであっても、決闘は禁止です。とりあえず、今日は部屋に戻りなさい。この使い魔の事は、院長や先生方と相談してから決めます」
268:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 21:57:54 DXeLD2Ch
武者ぶるいがするのをぉぉぉ支援
269:風林火山(3)
08/01/08 22:00:01 ydSntq9h
―――なんと驚くべきことか、と勘助は思った。
あれから丸一日、勘助は眠っていたのだという。
そして、目覚めた勘助は勘助は何よりも先に、これから暮らすであろうこの地について、そして自分の身について尋ねた。
そこで、勘助は自分の処遇・この社会での地位などを理解した。
(魔法の存在もさることながら、やはり海外ともなると随分と異なる)
魔法の存在が産業のほぼ全てを支えていることにも驚きを隠せない。
油なぞ、最低レベルの魔法で作れることから、ずいぶんと価値が低く見られているらしいし、紙も大量に出回り、図書館と呼ばれる、大量の本を集める場所もあるという。
さらに、蝮が行っていた、型破りの楽市楽座をどこの市場でも当然のように行っている。
そして何より、ガリアと呼ばれる国の存在。
人口1500万の国であるという。
1500万の国とは、武田・上杉・朝倉・毛利等など、大国の国々が同盟して戦っても、勝ち目があるかどうか。
さらに、空を飛ぶ船の存在。
使い魔の感覚の共有。
ポルトガル伝来の火縄銃程の威力は無いが、使い勝手が良い銃。
何を取っても、驚くことばかりだ。
もし、甲斐に空船の一つでもあれば、楽に上杉を打ち取ることもできたであろう。
攻撃できない場所から一方的に攻撃できるということは、それほど大きいのだ。
魔法の便利さにも驚きの一文字しか出てこない。
すでに、勘助の頭の中には、これを利用していかなる陣形を取るべきか、いかなる作戦を使うべきか、いかにして城を取るべきか、そんなことばかりが駆け巡っている。
ルイズの話しか聞いてはいないが、しかしその説明でも多くの事がわかった。
ほぼ、半日はそれについやしたのだろうか。
この地の地理も大まかにだが理解した。
目を閉じれば、タルブの平原や城下町、浮遊大陸アルビオンの首都、ゲルマニアの街やロマリア、ガリアの首都やラグドリアン湖の光景などとも、ありありと浮かんでくる。
さすがに城や家等の建造物等は想像しにくい。
だが、もし、隣国であるゲルマニアとの戦争が起きれば、どこを拠点とするべきか、もしガリアとの戦争が起きれば、どう対処すれば良いか、そんなことすら、勘助は考え出している。
勘助の頭は、それからめまぐるしく回った。
(いかん。ルイズの話によれば、ここに戦など面影もありはしないのだ。それよりも――)
勘助の手には、主たるルイズの衣服の入った籠が握られていた。
270:風林火山(3)
08/01/08 22:01:09 ydSntq9h
(まずは、これをどうにかするのが先決か・・・洗濯なぞ、殆どやったこともないが・・・)
と、前方にメイドの衣装を着た少女が歩いているのが目に入った。
「もし、そこのお方」
「・・・え、あ、私ですか?」
勘助が声をかけると、数秒遅れて返事が返ってきた。
何故自分に声がかけられたのかわからないといった風だったが、勘助の持っているものを見て納得した。
「洗濯ものですか?それならば、私たちにお申し付けくださ・・・あ、もしかしてミス・ヴァリエールが召喚した使い魔さんですか?」
「いかにも」
「あの・・・えと、私たちと同じ・・・平民、でしたよね」
「この国の区分では、平民であることは確かだ。魔法は使えんのでな」
「そうでしたか!わたし、シエスタといいます!えと、何かありましたらいつでも私を頼ってください!平民どうし、助けあわなくっちゃ・・・」
勘助の異相にも全く恐れることなく、シエスタと名乗った少女が笑いかけた。
「恐れ入る。それでは、これを頼んでも良いだろうか」
「はい、お任せください!」
「ふむ。だが、立場が対等ならばこちらだけ何かして貰う訳にも行くまい。何か、手伝えることはあるか」
半ば、楽しむように、笑うように勘助は言った。
「そうですか?では、今日のお昼に食堂にケーキを運ぶのですが、お手伝いいただけますか?」
「承知した」
笑みを浮かべながら、勘助は籠をシエスタに手渡した。
271:風林火山(3)
08/01/08 22:02:13 ydSntq9h
―――昼の食堂
ルイズからの見たこともない昼食を平らげた勘助は、その足でそのまま調理場へと向かった。
これまた見たこともない物を、シエスタに頼まれ、学生たちへと届ける手助けをする。
「この列にある、台の上に置いていけばいいのだな?」
「はい。そんなに丁寧にやる必要も無いですから。終わったら私に声をかけてくださいね」
「あいわかった」
いうと、勘助とシエスタは別れ、それぞれの机にケーキを配膳していく。
はじめは柔らかいケーキに苦戦したが、元々手先が器用な方である。
すぐに慣れ、そう時間もたたずにケーキを配り終えた。
と、何やら奥で大きな声が聞こえた。
「これは僕のじゃない。他人の物ではないのか?」
「その香水はモンモランシーのじゃないか?」
「そうだ! その鮮やかな紫色はモンモランシーが自分のために調合している香水だぞ!」
「ということは・・・ギーシュ、お前はモンモランシーと付き合っているということか!?」
「それは違う。 彼女の名誉のために言っておくが……」
「ギーシュさま……やはり、ミス・モンモランシーと……」
「そんなわけないだろケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは君だけ―」
バチン――
大きな頬を叩く音がして、向こうから少女が歩いてきて、それと入れ替わるように巻き髪の少女が歩いてきた。
「モンモランシー、誤解だ。彼女とはただいっしょに、ラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで……」
「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」
「お願いだよ。『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔をそのような怒りで歪ませないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!」
と、モンモランシーが机の上のワインを手に取りギーシュにそれを吹っ掛け、
「うそつき!」
と、怒鳴って去っていった。
ギーシュはハンカチを取り出し、ゆっくり顔を拭く。
そして、突然シエスタに怒鳴りつけた。
「そこのメイド、待ちたまえ」
シエスタの肩が震え、恐る恐るとギーシュの方へ振り向く。
272:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:02:47 fBUwg+0F
なんという真っ向勝負戦争フラグw
支援
273:風林火山(3)
08/01/08 22:03:10 ydSntq9h
「君が軽率に香水の壜なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
「あ・・・す、すみません!」
シエスタはペコペコと何度も謝る。
そこで、周囲の野次馬から
「いや、二股をかけてたお前が悪いんじゃないのか?」
と声がかけられた。
ギーシュの友人達が、どっと笑った。
「確かに、そりゃ当然だ!」
すると、顔を赤く染めたギーシュが、友人達は無視してシエスタへと詰め寄る。
「何を言っている給仕君。君達が壜を放置してればよかっただけじゃないか」
「もうしわけありません、貴族様・・・」
「これは謝って済む問題ではないのだよ!君一人が謝っても、彼女達の名誉はけがれたままだ!」
「すいません、すいません、すいません・・・」
「だから謝って済む問題ではないのだよ・・・そうだな、決闘でもするかね?互いの名誉をかけて行う決闘ならば、彼女たちの名誉の汚れも少しは落とせるかもしれない」
シエスタが、泣きそうな顔で、いや、すでに目に涙をためながら、必死に謝っている。
(どうやら、シエスタに非があるのではなく、ただの八つ当たりのようだな)
シエスタに非があるのならば、自分が出る必要はないと思っていた、が。
それがただのやつあたりだというのなら、それも、身分の違いを盾にするようなやつあたりであるならば、恩のある自分はそれを助けねばならないだろう。
それに、周りのだれもが彼女を助けようとはしない。
まるで、見せものであるかのようだ。
見ていて、とても気分が良いものでは無い。
(それに、あの小僧。気に食わんな)
274:風林火山(3)
08/01/08 22:04:14 ydSntq9h
あんな小童が、幅を利かせ、あの少女のような有能な者が隅をあるかねばならないなどと。
ルイズの話を聞いた時、勘助はまず中国を思い浮かべた。
郷挙里選のように、有能なものは取り立て、無能なものは落ちていくという制度も、これほどに素晴らしい技術や政治体制がある国ならば、あって当然だと思っていたのだ。
だが、そうでは無いらしい。
有能な平民よりも、無能な貴族の方が偉いという。
下の者の事を考えることができない支配者は、どれほどの能があろうと無能である、と勘助は思う。
無能である上に、下々の物の考えることができないような支配者が、幅を聞かせられているような国なのか。
これでは、やがては上が腐敗し、下剋上が起きるのが必定、などと思いを巡らす。
「あいや、待った!なにも決闘などする必要なないだろう」
「む?なんだね君は」
「某の名は山本勘助にござる。何があったのか、大体わかった。しかし、何も決闘まで行う必要はないであろう」
「は?ああ、ルイズが召喚した平民の軍人か。全く。ルイズは自分の使い魔の教育すらまともにできないのか。さすがはゼロのルイズだ!」
ゲラゲラと、あざ笑いながら、ギーシュが言った。
そして、勘助を流し見るようにして言った。
「ならば、君が代わりにこの僕と決闘をするのかね?軍人ならば、多少は手ごたえもあるだろうさ」
ギーシュの言葉を聞いた野次馬達が、面白そうに勘助達を眺めている。
「決闘?この勘助と、決闘すると申したか?」
「ああ、確かに言ったね。耳が悪いのかい?」
「ふむ。小童。決闘の、意味。理解しているのであろうな?」
ギロリ――
塞がっていない片目でギーシュを睨む。
今更、勘助の異相に気づいたのだろうか。
ビクリ、と肩をすくませ、一歩後ずさった。
が、震えながらも、しどろもどろに勘助に口を叩く。
「も、も勿論さ。貴族に二言は、な、ない、よ」
「ふむ」
「い、いや、だけど平民相手にさすがに今のは僕もちょっと大人げなかったかな、あはは、君が謝るというのなら、この場は納めてもいいよ」
変に素早い口調で勘助に口をきく。
「いや、決闘か。構わん。やろう」
ヒクッ、とギーシュの口元が引きつる。
それに気付きながらも、そんな事を気にする勘助では無い。
275:風林火山(3)
08/01/08 22:05:42 ydSntq9h
「仮にも主人であるルイズをけなされ、それを放っておくのは使い魔としての名折れでもある」
「そ、そうかね。あ、そうだ、僕は貴族なんだ!だから、魔法を使っても文句あるまいね!」
「構わん」
「よ、よし、今の言葉忘れるなよ・・・それじゃあ、1時間後にヴェストリの広場へ来るんだ!・・・いや、もし怖気づいたのなら別に来なくても構わないよ。僕は別に君と戦いたいわけでは無いからね」
「必ず行こう。もし、その広場はどこにあるのか、教えていただきたい」
ギーシュの言葉を軽く受け流し、勘助は野次馬から広場の場所を聞き出した。
その間に、ギーシュは早歩きでその場から立ち去った。
「あ・・・あなた、殺されちゃう・・・貴族と決闘何かしたら・・・」
それまで、事の成り行きを見守っていたシエスタが、顔を真っ青にして言った。
そして、そのまま彼女は走り去ってしまった。
276:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:06:05 fBUwg+0F
どうやら決闘は大人の人ほど積極性が高まるようです
支¥
277:風林火山(4)
08/01/08 22:07:36 ydSntq9h
―――1時間後。広場。
「お、怖気づかずにきたようだね、勘助・・・」
「当然だ」
どこから噂を聞きつけたのか、呆れるほど人が集まっていた。
さらに、決闘の仲介役までついている。
そして、野次馬達が期待している決闘が、今まさに始まろうとしていた。
この決闘の結果は、観客達の予想では、殆どギーシュの圧勝であった。
しかし、誰の目にも、どちらにこそ余裕があるのか、一目瞭然であった。
貴族であるギーシュに、明らかに余裕がない。
いくら相手が軍人とはいえ、自分はメイジである。
彼らの頭の中にある、どんな達人の平民であろうとも、決して貴族には勝てない。
そんな常識が、この状況に崩れかかっていた。
だが、しかしこのギーシュにも先ほどよりは、余裕が見て取れる。
(やはり、魔法を使えるというのが自信につながっているのだろう)
と、勘助は分析する。
確かに、魔法は便利だ。
ルイズや、教師の話、そして実際に見た魔法のどれもが、驚くべきものばかりだった。
が、しかしだからと言って、それらに決して勝てないというわけでは無い。
同数の集団のメイジと平民では、基本的に平民では勝てないだろう。
高位のメイジと、平民の一騎打ちでは、どんな達人でも勝つことはできないだろう。
だが、トライアングルクラスのメイジ一人なら、足軽10人にそれぞれ弓と槍を5本ずつ持たせれば、確実に倒せる。
鉄砲兵なら、2,3人で落ちるかもしれない。
ましてやラインクラスなぞ、足軽2人3人、ドットクラスであれば、勝てるかどうかは、弓兵とそうでない者との差程度だろう。
1:1の場合、メイジ相手に、10メイル程度でも距離を離されれば、一気に危うくなる。
が、1メイル以内の懐に入れれば、もはやメイジは役に立たない。
いつぞやの、小島五郎左衛門と同じだ。
例え、スクエアクラスであろうとも、所詮一人の兵としての能力しか持たぬ。
ひょんな事で、雑兵にすら命を取られる。
だのに、自分があの小童に勝てぬ、ということはない。
問題は、距離のみである。
距離を取られて、攻撃できない場所から攻撃されては打つ手はない。
(ならば、自分が取るべき行動は――)
278:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:09:28 saD058td
風のごとく支援
279:風林火山(4)
08/01/08 22:09:58 ydSntq9h
「それでは、このコインが地面に落ちたら、それが合図だ。それと同時に、決闘は開始される。それでは、いくぞ・・・」
ピインッ、とコインが弾かれた。
――瞬間。
地面にコインが落ちるよりも早く、勘助は走りだした。
「ひ・・・ひぃ!」
無言のまま、驚きで動けないギーシュに切りかかる。
コインが地面に着いた瞬間、ズンッと鈍い音がし、そして――
ギーシュの腕が切断された。
「ぎ・・・ぎああああああああああ」
ギーシュが、腕に走った違和感に気づき、そしてその違和感の正体に気づいた時には、口から大きな悲鳴が漏れていた。
「小童。貴様の武器が魔法というのなら、この勘助の武器は智慧に他ならない。真っ向から力で持って打倒せぬなら、それ以外の方法で打ち取るまでよ」
勘助が、聞いているのかどうかはわからないが、ギーシュにそう呟いた。
「い、今のは反則じゃないか!」
「そうだそうだ!まだ開始の合図が落ちてなかったぞ!」
「これは神聖なる決闘だ!平民には誇りというものがないのか!」
野次馬からは、野次が乱れ飛ぶ。
それらを、ジロリ、と睨みながら、勘助は言った。
「黙らんか、小童ども!戦とは戦うと決まった瞬間から、いや、戦う前からすでに始まっているのだ!命をかけて戦うのが仕事の貴族が、神聖な戦いなどと申すな!」
280:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:10:12 flk1N+Fk
支援
281:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:10:17 fBUwg+0F
支援
この手の根っからの武人キャラはここでは結構珍しいよな
282:風林火山(4)
08/01/08 22:10:58 ydSntq9h
そう一括すると、野次馬達がシン、と静まりかえった。
(いかん・・・どうも、血の気が盛んになった気がする・・・若返った代償か)
以前の自分なら考えられないほど、自分を抑えられなかった。
以前なら、軽く受け流し、無駄な争いを避けたはずなのに。
(これからは気をつけねばならんな・・・)
そう考えると、そのままその場から立ち去ろうとした。
「待ちなさい勘助!」
突然、勘助を呼ぶ声が聞こえるのと同時に、勘助の行く手を、ルイズが遮った。
―――遡ること1時間程。
昼食をとってから、突然姿を消した勘助をルイズは探していた。
(全くもう・・・あの使い魔は一体、どこをほっつきあるているのかしら!)
頭の回りが良く、理解が早い勘助を、ルイズは少し認めていた。
ただの平民ならばこんなことは思わなかっただろうが、コルベール先生の話によれば、ロバ・アル・カリイエにある大国の軍師であるという。
これって、ひょっとするとすごいことじゃないかしら?と、ルイズは思った。
だから、ご飯も貴族と同じような物を出したし、寝る場所にもちゃんとシーツを敷いてあげたのだ。
ルイズからしてみれば、使い魔に対して驚くべき待遇を出している。
だというのに――
(勝手にご主人様のそばから離れて、どっかにいっちゃうなんて・・・)
283:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:11:17 fBUwg+0F
支援
284:風林火山(4)
08/01/08 22:12:49 ydSntq9h
そして、再び食堂に戻ってきて、そこを探していると――
「そ、そうかね。あ、そうだ、僕は貴族なんだ!だから、魔法を使っても文句あるまいね!」
ギーシュの必死な叫び声と、そして他の生徒たちのざわざわとした声が聞こえた。
そちらを見てみると、一点を囲むようにして生徒たちの垣ができており、やがてそこからギーシュが逃げるように歩いてきた。
そして、ギーシュがルイズを発見すると
「ルイズ!き、君は使い魔の教育というものがなってないな!おかげで決闘なんてするはめになってしまったよ。まったく・・・」
と言い残し、去って行った。
何のことか分からず、そして決闘という言葉に思考が停止する。
とりあえず、人垣の方へと行ってみると、勘助が歩いているのが見えた。
「か・・・勘助!あんたどこ行って・・・って聞きなさい!待ちなさいこら!」
まるで聞こえないように勘助が出て行ってしまった。
慌てて追いかけようとするが、人垣が邪魔で追い付けない。
ついに、勘助を見失ってしまった。
仕方なく、人垣の一人に勘助の事を聞いてみた。
すると、驚くべき答えが返ってきた。
「君の使い魔?ギーシュと決闘するってさ。1時間後に、ヴェストリの広場でやるって」
「け、決闘!?勘助とギーシュが、本当に決闘するの!?」
「あぁ。なんでも、ルイズを貶されたからには使い魔として何もしないのは、名折れだっていってたね」
ルイズの目の前が一瞬、真っ暗になった。
それでも、すぐに気を取り戻し、勘助を止めるべくヴェストリの広場へと向かった。
が、そこには野次馬ばかりで勘助の姿は無かった。
(もう・・・本当に何をやってるのよ勘助!)
285:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:13:58 fBUwg+0F
支援
286:風林火山(4)
08/01/08 22:14:12 ydSntq9h
それから1時間。
勘助がやってきたと思ったら、すぐに決闘が始まってしまった。
自分が止める暇もなかった。
というよりも
(勝手に決闘して、1時間もご主人様を待たせるなんて・・・一回、ボコボコにやられるのがいいわ!)
という思いがあったためか。
でも、ご主人様の名誉のために決闘をしたっていってたし、本当に危なくなったら助けてあげよう、とルイズは思った。
まさか、ギーシュが一瞬で敗北するなどとは全く考えていなかった。
―――ルイズか。
勘助は行く手をさえぎる者を確認した。
「一体、何ようでござる」
問うた。
その言葉に、ルイズはすかさず返す。
「あんた、ご主人様に相談もしないで、勝手になにやってるのよ!」
「見ての通り、決闘にございます。何も、ルイズ様に迷惑をかけてはおらぬと思いますが」
ジロリ、とルイズを睨む。
「迷惑ですって!かかってるわ。十分に。ギーシュをあんなにして!主人の不始末は使い魔の不始末っていったわよね、前。当然、使い魔の不始末は主人の不始末なのよ!ギーシュの腕の治療費とか、学校からの処罰とか、いろいろと大変になるんだから!」
「ふむ。それは申し訳ないことをした。だが、言わせてもらえれば・・・逃げることだけはできなかった。貴族の言葉でいえば、名誉のために、だな」
「名誉のために・・・ふ、ふん!いいわ・・・別に、あんたが悪いってわけじゃないし・・・悪いのは、決闘をふっかけてきたギーシュの方だっていうし・・・おとがめなしにしておいてあげる!ご主人様に感謝しなさいよね!」
言うと、ルイズはすぐにそっぽを向いて、叫ぶように言った。
「戻るわよ!」
(追い出しはできないとしても、相当の罰はあるものと思っていたが・・・いや、ありがたくはある。とりあえず、それでよしとしておこう)
不可思議な思いであったが、しかし、害はない為にそのままにしておこうと勘助は思った。
287:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:15:03 fBUwg+0F
支援
288:風林火山(4)
08/01/08 22:18:30 ydSntq9h
以上で投下終了となります。
支援いっぱいありがとう!
そして支援にこそ笑いました。特に>>259-263の間の支援の人。
そして、勘助の若返り・・・
いやだな、と思う人もいるかもしれませんが・・・さすがに60の老人が召喚されてもなぁ、と思った為に、若返らせていただきました。
それから、勘助の一人称とか性格とかも、自分の思っている勘助像が入っているために、実際とは違っちゃったかもしれません・・・。
そのあたりは、なんとか流してみてもらえると・・・嬉しいです。
書く速度遅いので、次投下できるのはかなり遅くなると思います。
289:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:19:29 vyG11T2l
乙
290:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:21:04 Plpj314f
GJでした!!
魔法モノの作品で魔法至上主義じゃないのが俺は最高に好きなのでこういうのはいいなぁ
戦いは力じゃない、やっぱり智恵だよね!!
291:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:21:14 OOHI8Hrf
GJ
しかし、ニートとその親の戦いは何なんだww
292:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:21:42 s3Qe2vVA
>>288
乙でした。渋くていいっすね。次を待ってます。
すんませんっしたっ!
293:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:24:00 vaZ/4vSi
お前らギーシュが片腕になったことはスルーか
294:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:24:34 WQxSmzVR
>>293
魔法でくっつくんじゃない?
295:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:25:28 GT12PSTQ
>>294
治療代云々の話が出てたから多分無理かと
296:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:25:51 dUQw31jy
GJ!
ギーシュの腕?そんなもんセメダインでくっつけとけ!
297:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:26:36 P7sGL3QG
>>293
脳移植ができる世界の魔法学院なんだから腕の一つや二つ問題なくくっ付けられるよ。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:31:57 q+ksSMoX
GJ良い感じに軍師な思考してるね
レコンキスタとガリアの関係にいち早く気付きそうだな
ギーシュ?
西洋剣で押し切られて切断ならともかく
日本刀で切断されたんだったら傷口も綺麗なもんだろ
魔法でくっつくと言われても不思議とは思わんよ
299:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:32:54 P7sGL3QG
モンモンが秘薬作ってくれるよ。
300:SS書き丁稚
08/01/08 22:38:49 MYmGSLFo
もしくはアナキン・ルーク父子のように本物そっくりな義手という手もありかと。
しかし1年もせずに100スレとは凄いですな。私も早いところ続き書かないと。
301:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:45:03 z1R85u5J
>>295
くっつける薬とかメイジの手配に金が要るんじゃない?
るろうにで出てきたノコギリ状の刃を持つ刀とかで無ければ大丈夫そう
神経をつなぐ技術が基本的に無い→研究したら出来るようになったんで脳を移植してみました
とか途中経過を一気にすっ飛ばしているならともかく…
302:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:48:15 7wHmi8qD
逆に考えるんだ
男の浪漫な色々仕込んだ義手を装着するチャンスだと考えればいいんだ
303:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:49:21 aGCB3iE6
ワルドの場合は腕拾って逃げられなかったからだよね。
304:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:49:54 flk1N+Fk
>>302
一気にバサラ臭漂う世界観になるのか
305:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:53:36 z1R85u5J
>>302
ギーシュ「カンスケ 腕のことは気にしなくて良いよ
この義手はすごく気に入っているんだ!
人差し指にはモンモンの香水入り
親指薬指中指は予備スペース
小指をひねるとバラの花が出てくる
そして手首から接合部までの間には
ヴェルダンでのおやつである蚯蚓がぎっしり!
凄いだろう?」
こうですか?判りません!
306:虚無と最後の希望
08/01/08 22:54:02 U8Kry86g
予約無さそうなんで投下して良いですかー?
307:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:54:26 aGCB3iE6
つーか、「決闘」で反則はダメだろう…
308:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:55:14 P7sGL3QG
>>307
そこをハッタリで丸めこんだのさ。
309:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 22:56:46 vaZ/4vSi
>306
どうぞ
>307
あの手の戦法は宮本武蔵の一乗寺下り松と似たり寄ったりだろう
310:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:00:39 ohtM1Quq
>>307
読んでて「うっわすっげー詭弁w 勘助ナイス!」とは思った
そして支援
311:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:01:53 DSkLFECR
噂によると初期の武士道=「勝てばよかろうなのだァァァッ!」らしい。
・・・支援する!
312:虚無と最後の希望
08/01/08 23:03:44 U8Kry86g
「後で話、聞かせてもらうからね!」
学院前でワートホグを降りて、学院へ歩いていくルイズ
チーフとタバサが何かを話していたのに気がついたのだろう
しょうがないと、すぐに諦める
「はは、嬢ちゃん気になって仕方が無いようだねぇ」
「ある程度話しておいたほうがいいんじゃねぇか? 相棒」
「ああ、そうだな」
杖で突付かれ振り向くと
「いつ」
と、聞かれた
これからやることがある、それに追従してもらえれば話しやすい
「これから行く所がある」
「付いて行く」
もう一度、ワートホグに乗り学院外に墜落しているペリカンへと向かう
ものの数分、到着して見るとタバサの目の前には鋼鉄の何かが地面にめり込んでいる
半分ほど土に埋まっているので、全体図がわからないが独特なフォルムなのはわかった
「これは?」
「『D77H-TCI ペリカン』、垂直離着陸機だ」
よくわからないと言った顔のタバサ
口を開けているかのように見えるのは人員を乗せる貨物部分
チーフはその中に入っていく、タバサはそれを見つめるだけ
十秒も経たず、手に何かを持って出てくる
そのまま、ワートホグに乗せる
313:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:05:11 4RcL9V1f
ただ当時の日本人に「中国」という概念は有ったかな?
中原の地とか明国とか…
314:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:07:03 U8Kry86g
「私の本当の名前は『シャルロット・エレーヌ・オルレアン』」
「オルレアン? つーことはおめぇは王族か」
デルフリンガーはチーフが知る世界情勢を読み取り、『オルレアン』に適合した情報を口にする
「いや、いきなり重い話になっちまったなぁ」
『オルレアン』、その名を持つものは現ガリア王国の王、ジョゼフ一世の弟であり、暗殺された天才的なメイジだと聞いていた
そうなると、タバサは、シャルロット・エレーヌ・オルレアンはオルレアン公の娘であり、王位継承権を持つ王女
そして父が暗殺された事、母がエルフの薬で精神を壊された事、そしてその母が人質に取られている事
それを利用してガリア北花壇騎士団員として呼び戻されては危険な任務を強いらされている事
その全てがジョゼフ一世の指示で行われた事を話した
「こりゃあ、重すぎたな。 嬢ちゃん、すまねぇ」
「いい」
無表情で返事を返すタバサの瞳は、先ほど以上の憎悪が渦巻いていた
「事情はわかったが、これは貸せない」
その言葉を聞いたタバサに失望の色が宿る
「こんなものを使わず、自分の手でやるんだ」
「だな、あれはかなりあっけねぇぞ。 殺したって感覚がないし」
あたかも撃ったことあるようなデルフリンガーだった
「そう」
少し俯くタバサ
「まぁそう落ち込むなよ、今すぐは無理でもいずれその機会が来ると思うぜ?」
「その時まで自分を磨いときゃいいじゃねぇか」
チーフはその話を聞きながら、弾薬ケースを開け、弾丸の数を数える
その後、スナイパーライフルのグリップを持つとステータスに4/0と表示される
弾倉に4発、予備弾薬は0、弾薬ケースの中には12発
他の所を回ればまだあるかもしれない
315:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:09:28 U8Kry86g
「今度は貴方の番」
スナイパーライフルを置きながら、自分の素性を話し始める
マスターチーフ、スパルタン-117は『Spartan-II Project』により作られた兵士
最新鋭強化複合装甲服『ミョルニル(ムジョルニア)アーマー』を装備し、あらゆる武器と兵器の知識を備える
また、肉体強化を施され、常人とは比べ物にならない反応速度や筋力を手に入れている
それらにより極めて高い戦闘能力を発揮、それに伴う厚く蓄積された経験により、多彩な戦況に対応できる
そして、チーフと同様の装備と知識を持ち合わせるスパルタン達が存在していたが
『人類の存在は神への冒涜である』と戦いを仕掛けてきた異星起源種族軍事連合『コヴナント』の
圧倒的な技術力と数の前に敗北、チーフを残し全滅したと言う
「馬鹿げた話だろ? あんな奴らに攻め込まれたらあっという間に終わっちまう」
馬鹿げた話所ではない、本当の話なら人間同士が争っている場合じゃない
チーフと同様の、強力な兵士が複数居たにも拘らず人類を敗北せしめたコヴナント、その強大さが手に取るようにわかった
「信じる信じないはそちらに任せる」
ただ、淡々と話すチーフの言葉にタバサは頷く
荒唐無稽な話だが、それを嘘と判断する物は無く、チーフの戦闘能力と手に持つ武器により高い説得力があった
だから
「信じる」
「なら、具体的な訓練内容は─」
「夜に」
「……、わかった」
今すぐにでも聞きたいといった感じだが我慢しているようだ
話が終わる頃には日が落ちかけ、双月が顔をのぞかせていた
ワートホグの銃座には拾い集めてきた銃、ハンドガンやアサルトライフル、バトルライフルなどがあった
助手席にタバサを乗せ、学院の門をくぐる
「ここでいい」
女子寮から少し離れた場所でタバサは降りた
「夜に」
違えない様に再度確認、それを聞いて頷く
歩きながら口笛を吹くタバサ、数秒後にタバサの使い間が飛んできて背中に乗せ飛んでいった
「嬢ちゃんの目、やべぇな」
どんなことをしても『殺す』と言う決意
16でここまでの覚悟をするほどの出来事だったのだろう
ハンドルを切り、シエスタに聞いた使われてない倉庫へ向かいアクセルを踏み込んだ
316:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:11:41 U8Kry86g
「遅いわよ」
銃の手入れをこなし、部屋に戻ると完全に日が落ちていた
それを待っていたのは腕を組み椅子に座るルイズ
「それじゃ、何話してたか聞かせてもらうわよ」
「まあまあ落ち着けって、相棒は元から話すつもりだったしな」
「アンタは黙ってなさい! 私はチーフに聞いてるの!」
「おーこえぇこえぇ」と鞘に納まるデルフ、それを見た後にチーフは話し出す
タバサと戦った経緯、その後の話した内容
そして、戦闘技術を教えることになった事を
一々質問を挟んでくるルイズのおかげで外は紅と蒼の、双月の光が世界を照らしていた
「なんでそんなに……」
「事情はしらねぇが、強くなる必要があるんじゃねぇか?」
先ほどタバサから聞いた話をおくびにも出さず、デルフは語る
「でも、何でチーフに?」
「おいおい娘っ子、相棒がべらぼうに強いこと忘れてんだろ?」
「それでもよ、メイジがその……、魔法を使えないチーフに何を教わるのよ」
「娘っ子、タバサって嬢ちゃんは魔法の扱いはかなり上手いと思うぜ、それには納得出来るよな?」
「え、ええ」
悔しいが、タバサのその才覚は素晴らしい物であるとルイズは思っている
あの歳でトライアングルクラスは伊達じゃない
「まあ本気出してないとは言え、魔法を使えない相棒に負けたんだぜ?」
「それがどういう意味か、解らねぇわけじゃねぇだろ」
うっ、と言葉が詰まる
よほど油断している状況で奇襲を掛けるぐらいしかメイジに勝てない
そのメイジが魔法を使えない者に負ける、それも正面からだ
チーフという個人はハルゲニアの「魔法を使えない者はメイジに勝てない」と言う定義を破壊している
「第一、優れた技術を持つやつに師事を仰ぐなんざよくある事じゃねぇか」
「そ、それはそうだけど……」
一理ある、確かにデルフリンガーが言うことには一理在るけど……
あのチーフがタバサを抱きかかえていた光景が浮かび、何かが引っかかっていたルイズ
少し考える、「まさか、まさかね」と飛躍しすぎた考えに頭を振った
「う~、まあいいわ! 今回は許してあげる、でも─」
言い掛けたルイズが止まる、チーフも気づいている
317:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:12:31 flk1N+Fk
支援
318:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:13:01 U8Kry86g
「地震……?」
かすかに感じる、女子寮が揺れている事に
「地震、じゃないわね……」
揺れは一度だけではなく、定期的に揺れている
歩いていれば気が付かないほど小さな揺れ
ルイズは窓に手を掛け外を覗く
「……なにあれ?」
本塔の横には巨大な何かが聳え立っている
本塔と同等の高さを持つ─
「ゴーレム!?」
ルイズはかかとを翻し、ドアを勢いよく開ける
ガンッ、とドアは鈍い音を出しながら何かにぶつかった
「あっ」
ドアを開けた先にはタバサが蹲っていた
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫」
よろめきながら立ち上がるタバサ
「約束」
「それは後にして! 本塔の横にゴーレムが立ってるの!」
そう言ってルイズは駆け出す
だが、少女の足では遅い
「きゃ!」
軽い悲鳴を上げたルイズ
チーフはルイズを抱えて、廊下を走る
ルイズの二倍近い速度で駆けた、それを見ていたタバサは
「アン・ロック」
ルイズの隣の部屋、キュルケの部屋の鍵を解除
キュルケを叩き起こした
「ちょっと~、なんなのよぉ」
「外にゴーレム」
「え、なに? なに?」
よく理解できていないキュルケを他所に、タバサは自分の部屋に戻り、口笛を吹きながら窓から飛び降りた
319:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:15:17 U8Kry86g
時を遡る事、数時間前
「チッ、なんて頑丈な……」
本塔の外壁、非常に分厚く、さらには『固定化』の魔法まで掛けられておりフーケのゴーレムでも壊せない頑丈さがあった
塔内部の扉にも同様に強力な『固定化』が掛けられており、他の物質へ変化させる『錬金』を弾くほど強力
固定化を上回る錬金を掛ければ良いが、フーケ以上のメイジが掛けた代物であり、変質は不可能であった
「中が駄目なら外、と思ったがそう上手く行かないようだね……」
だが、ここで諦め無いのがフーケ
「とりあえず、叩いてみるかね」
地面が競りあがり、物の数秒で巨大なゴーレムが出来上がる
そして、大きく振りかぶったゴーレムの腕
「ひび位は入っておくれよ!」
壁に当たる瞬間、ゴーレムの拳を鉄へと錬金した
320:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:17:31 hMDkrH7R
唐、唐土(もろこし)、支那あたりだな。<当時の日本人にとっての中華大陸
中国だと中国地方のことになるんだったような……それは明治以降か?
321:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:17:35 U8Kry86g
「やっぱりゴーレム!」
外に出ると見えたのは巨大な、30メイルはあるゴーレム
その土の拳を本塔にたたき付けていた
「なにして……、あそこは確か……」
宝物庫、貴重なマジックアイテムなどは保管している
そこの壁を攻撃していると言うことは
「まさかフーケ!?」
チーフと武器を買いに言ったときに、店主から聞いた言葉を思い出す
『近頃、下僕に剣を持たせる貴族様が増えてきたんですよ』
『どうして?』
『何でも、「土くれのフーケ」ってな貴族様ばかり狙った盗賊が居るって話でさ』
そのフーケが宝物庫を狙ってる!?
止めなければ、そう思いルイズはゴーレムへ向かって駆け出そうとしていた
「なにをする気だ」
「何って、あいつを止めるのよ!」
怒鳴るようにルイズは言った
「何か手はあるのか」
「うっ」
言葉が喉に詰まる、考えなしに突っ込もうとしてた様だ
「で、でも! 何とかしなくちゃ……」
指を唇に当て考え始めるルイズ
「ルイズ!」
そこへキュルケが走ってくる
その上空にはタバサとシルフィード
「何なのよあれ! あの大きさだとトライアングルクラスは有るわよ!」
「多分、土くれのフーケよ」
「まさか、あんな堂々と狙ってくるとは思っても見ないわよね」
「何とかして止めないと!」
「とりあえず……、タバサ!」
呼びかけ、操っている奴の顔を見れないか尋ねる
「見えない」
距離もあるが、夜な上にフードを被っている為、男か女かすら解らなかった
「ダーリン、あれ、何とか出来そう?」
「ちょっと! 何がダーリンよ!」
「あら、良いじゃない別に」
口喧嘩を始めそうな二人に割って入る
322:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:19:48 hMDkrH7R
おっと割り込みすまんかった支援
323:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:20:08 U8Kry86g
「無理だな」
アサルトライフルにハンドガン、デルフリンガーにあとは『プラズマグレネード』と『プラググレネード』が2個ずつ
あのゴーレムを破壊するには明らかに火力不足、『ロケットランチャー』や『ロッドガン』、『戦車』でもあれば簡単だろうが
「だが、やって見るしかないようだな」
アサルトライフルを構えるチーフと杖を手に持つキュルケ
上ではシルフィードに乗るタバサ
「わ、わたしも!」
いそいそと杖を取り出すルイズ
「それじゃあ、援護をお願いできるかしら? ミス・ヴァリエール」
「任せて! ミス・ツェルプストー!」
それを聞いてゴーレムへ駆け出すチーフ、
後に続くように杖を振るうキュルケとタバサ
「ファイアボール!」
「エア・カッター」
噴出した火玉と風の刃
チーフの上を通り過ぎ、ゴーレムに直撃した
「やった!」
それを見たルイズが喜ぶが
「あー、駄目っぽそうね」
表面を焦がす程度と浅い傷を作る程度、すぐさま傷が修復され元通りになった
チーフの方も発砲するが表面に小さい穴を作る程度
324:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:21:53 U8Kry86g
その攻撃に気づいたゴーレムがルイズたちの方へ歩み寄る
「下がるわよ!」
ルイズの手をとり、逃げようとするが
「駄目よ! ここであいつを捕まえなきゃ!」
そう言って杖を振るうルイズ
「ファイアボール!」
ゴーレムの表面、軽い爆発が起きる
「ルイズ!」
引っ張っていこうとするキュルケだが、振りほどいて再度杖を振るうルイズ
「ファイアボール!!」
同様の、軽い爆発
軽い傷を作るだけに至った
「もう!」
無理やり、ルイズを抱え上げて逃げ始めるキュルケ
「何馬鹿なことしてるのよ!」
「離して! 貴族は敵に後ろを見せないのよ!」
「ちょっ、キャ!」
ルイズが暴れキュルケが転倒、抱えられていたルイズも同様に転がる
ゴーレムは踏み潰そうと歩み寄る、次第に強くなる地響き
「ファイアボール!!!」
起き上がり、呪文と唱える
先ほどより大きな爆発だが、軽い傷
「ルイズ!」
「ファイアボール!!!!」
またも爆発
「どうしてよ! どうして出ないのよ!!」
325:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:22:17 /kz+mWiX
halo main themeが脳内で再生されてきたぜ
支援
326:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:25:26 U8Kry86g
唱えるのはファイアボール、起こるのは爆発
踏み潰そうと迫るゴーレムの足
キュルケはルイズに覆い被さり、タバサは間に合わないと目を瞑った
確実に踏み潰された、確かにそうなるはずだった
だが、ゴーレムから少し離れた場所にチーフと、二人の少女を抱きかかえる姿があった
そして、ゴーレムの足首は青白い閃光とともに砕け散る
バランスを崩し、倒れそうになるも足首がすぐさま再生を始める
「馬鹿! 何であんなことしたのよ!!」
「悔しく……て、いつも馬鹿に、されて……、フーケを捕ま……、えれば、もう誰にも『ゼロ』なんて……」
溜めに溜めた思いが堰を切ってあふれ出していた
こんなにも強い使い魔を呼び出したくせに、事に関して何も出来はしない
己の無力さで涙が溢れ出し、喋れなくなるほど泣きじゃくった
「メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろ」
泣くルイズの声をさえぎる様に、チーフは言った
「契約を」
目の前に立つ使い魔は、恐怖や慢心が無く、ただ起伏の無い感情で言った
彼は決めたのだ、ルイズの使い魔になることを
正式な契約を結ぶことは、元居た世界に返れなくなるかもしれないという事
それを承知で言ったのだ
その決意を固めた使い魔がたった一言を要求している、ならば主人として答えてあげなければならない
溢れていた涙は止まり、一つの信念が宿る
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズはチーフに口付けをした
その途端、チーフの左手から光があふれ出す
浮かび上がったのは『ルーン』
ここに契約に至り、チーフは正式なルイズの使い魔となった
「命令を」
「っ…、フーケを、『土くれのフーケ』を捕まえなさい!」
その言葉を聞いた使い魔は、一言返した
「了解した」
頷いた、デルフリンガーを持つ左手にはルーンが淡く輝いている
振り返ると同時に右手に持ったアサルトライフルを背中に担ぎながら駆ける
視線の先には高さ30メイルはある巨大なゴーレム
「突っ込んでいくなんて……」
チーフの行動を見てキュルケは呟く
「大丈夫よ! チーフは私の使い魔なんだから!」
涙目ながら自信たっぷりにルイズは言った、その姿を見たキュルケは嬉しそうに
「ええ、大丈夫よね」
と、僅かに微笑んだ
327:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:26:29 rGElxeds
支援
328:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:27:06 U8Kry86g
その頃、ゴーレムへの攻撃が効果無しと判断したタバサは上空へ舞い上がっていた
ゴーレムへの攻撃が効かないなら、それを操るメイジへ攻撃する
対土メイジの基本であり、最も効率がいい解決方法
幸い、ゴーレムを操るメイジの意識はチーフに向いている
好機と判断、上空へ舞い上がっていたシルフィードは一気に下降する
「──」
タバサは小さくつぶやき、ゴーレムの肩に乗るローブを着たメイジに向かって杖を振るった
威力と詠唱速度を考慮した風の魔法を放った
うねる風の刃、メイジを切り裂かんと空を走るが直前で弾け消えた
途端、ゴーレムの左拳が迫る
振り上げる拳は鋼色に変化し、魔法を防ぎつつタバサへ攻撃を行う
だが、体をひねるシルフィードには当たらない
それを見てフーケは笑った
「残念」
ゴーレムの腕になぞるように突っ込んでくるタバサとシルフィード
すれ違いざまに魔法を叩き込もうという魂胆だろうが
「見え見えなんだよ!」
ゴーレムの腕から土の壁はせり上がり
「!」
シルフィードは避けきれず激突した
放り出されたタバサと、墜落するシルフィード
「残念だったねぇ、これで仕舞いだよ!」
止めと言わんばかりにフーケの足元から撃ち出される石礫
シルフィードは咄嗟に尻尾を振るい、石礫の射線上に割り込ませタバサを石礫から守る
だが、完全とは言えなかった
たった一つ、通過を許した礫が杖を振るおうとしたタバサの額に直撃
その威力は十分、一発でタバサの意識を刈り取った
それを見たシルフィードは「きゅいっ!」と軽い悲鳴を上げ、バランスを立て直せずそのまま落ちていく
329:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:27:28 OOHI8Hrf
支援
330:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:27:53 U8Kry86g
「タバサッ!」
悲鳴に近いキュルケの声
杖を構えたキュルケの『レビテーション』は間に合わない
シルフィードは落下する前に体勢を立て直せるだろうが、タバサを救うに至らない
杖すら握っていないルイズは持っての他
ならば駆け出す者は一人
およそ3メイル、落下寸前のところでタバサを抱きかかえ大地を駆けるのはチーフ
キュルケの前まで駆け、タバサを渡し抱える
「離れろ」
キュルケは頷き、二人はタバサを抱えその場から遠ざかる
「タバサの顔に傷が残ったら、骨の一欠けらさえ燃やし尽くしてあげるわ」
気絶したタバサを抱えるキュルケの声は明らかな怒気を含んでいた
331:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:30:20 U8Kry86g
左手にデルフリンガーを持って走る
「相棒! やっちまえ!」
その速度は風、振るわれた剣は剛力
剣の面で叩かれたゴーレムの足は爆発したように弾ける
「なッ!」
驚きをあげたのはゴーレムを作り上げたメイジ、土くれのフーケ
足首の8割を吹き飛ばされ、バランスを崩すゴーレム
「その程度で!」
即座に修復を始めたゴーレム
やはりこの程度では破壊できない、一撃で大部分を破壊できる武器ではないと
破壊、その言葉で思い出した
何度かデルフをたたきつけ、土を吹き飛ばす
「無駄だって言ってるだろうがぁ!」
踏み潰そうと足を上げるが、すでにその場所には居ないチーフ
見ると、ルイズ達の元に駆け寄っていた
「ど、どうしたの!?」
「ルイズがゴーレムを破壊するんだ」
「え?」
突飛に言った言葉にルイズが固まる
「本気なの?」
信じられないといったキュルケ
その問いに答えるチーフ
「ああ」
「で、でも!」
口ごもるルイズ、前方には迫り来るゴーレム
「ルイズは『ゼロ』ではない」
と、隣で呟くように言ったチーフ
332:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:30:53 OOHI8Hrf
支援
333:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:31:24 rGElxeds
支援
334:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:31:27 WuAW3SBI
もうねる
335:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:32:55 U8Kry86g
驚きながらもその言葉に同意したのはキュルケ
「そうね、ダーリンを召還したんだから、ルイズはもう『ゼロ』じゃないわ」
「キュルケ……」
「ほら、杖を構える!」
「え、あ」
キュルケがルイズの腕を取り、杖をゴーレムへ向けさせる
「狙いはゴーレムの胸だ」
杖先はゴーレムの胸部へ
「さあ、集中」
「うん」
瞼を瞑るルイズ
「全力で唱えなさい、貴方の魔法を」
瞼を開くと同時に唱えた
「すぅーーー」
息を吸い込み、魔法を唱えた
「ファイアァァァァボォォォーール!!!」
一瞬、ゴーレムの胸が凹んだが何も起こらない
「失敗……?」
迫るゴーレム、距離は5メイルもない
「いや、成功だ」
言うと同時にゴーレムの上半身が凄まじい爆発を起こして吹き飛んだ
地面がゆれ、響き渡った轟音が鳴る、爆発は激しい閃光を生み、暗く染まった学院を染め上げる
「す、凄いわね……」
あまりの威力に驚くキュルケ
そんな中、落下する土の中にフーケを見つけたキュルケがレビテーションを掛ける
「ね、ねえ、しししし死んで無いわよね……?」
ゆっくりと降りてきたフーケを見てルイズが言った
「死んでない方がおかしいわよ」
ど、どうしよう! と困惑するルイズ
火系統のキュルケが見たことが無いほどの大爆発
その爆心地近くに居たフーケが生きていればそれこそ奇跡
「と思ったけど、生きてるっぽいわね」
微かな呼吸、恐らく衝撃で気絶しただけのようだ
336:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:35:05 rGElxeds
支援
337:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:35:56 U8Kry86g
(見た目ほど威力は無かったのかしら?)
失敗したのにこの威力、正しく成功させて居たらどれぐらいの威力になっていたか
創造をこえるルイズの今だ開かぬ才能に冷や汗を流した
「ん」
目が覚めたタバサ、空ろな瞳には落ちる土破片が映っていた
「タバサ、大丈夫?」
タバサの額から流れていた血をぬぐうキュルケ
「大丈夫、ゴーレムは?」
「ルイズの魔法で吹き飛んだわよ」
失敗魔法しか出来ないルイズがゴーレムを吹き飛ばした?
30メイルはあるゴーレムを?
「本当?」
「うううそじゃないわよ! 私が吹き飛ばしてやったんだから!」
「本当?」
「ええ、かなり凄かったわよ」
その言葉を聴いて納得した
ルイズがあのゴーレムを吹き飛ばしたのは真実だと
「すごい」
「え、あ、ありがと」
「まぁ、ともかくさっすがはダーリン!」
「ちょぉ! なに人の使い魔に抱きついてるのよっ! それにゴーレム壊したのは私なんだからねっ!」
「感謝」
キュルケはチーフに抱きつき、ルイズはそれを見て激怒、タバサは軽く頭を下げていた
「なあ、相棒。 俺は『剣』なんだぜ?」
と返事も返されず、本来の用途で使用されなくて落ち込むデルフリンガーだった
338:虚無と最後の希望 level5
08/01/08 23:37:05 U8Kry86g
以上で投下終了です
長くてだらだらでした、今度からはもうちょっと短く纏めてみようと思います
サブタイでもつければよかったかも
339:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:39:14 OOHI8Hrf
GJした
フーケよく生きてたなww
340:ゼロの夢幻竜
08/01/08 23:50:07 tdN0C0Xu
ジャーンジャーンジャーン。皆さん今晩は。
予約無さそうなので0時30分からの投下宜しいでしょうか?
341:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:51:53 flk1N+Fk
げぇっ 支援
342:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:54:52 yaVxOgVB
むむむ。なにが(ry
その0時半までに他の人が待たされる可能性もあるから、もうちょい早くならんかね?
343:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 23:58:52 GT12PSTQ
>>340
空き時間があるなら少しだけ投下よろしいですかね?
344:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:00:12 ccLHIwbn
チーフのひとGJでした。
しかしペリカン墜落してるってことはどんな召還されたのか気になるところ。
345:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:01:19 Vkh2nZR+
>>343
支援
346:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:01:40 RH5LM0ke
初書きですが、プロローグだけ投下してもよろしいですか?
人がやりそうでやっていない作品を使うのは随分緊張するので、
とりあえず試し読み程度に。あまりにもつまらないならば止めますので。
『ゼロのミステス』 - 坂井悠二 / 灼眼のシャナ
14巻のサブラク戦終了後、待ち合わせ場所へ向けてのシーンから。
向こうの世界でも自在法は使える。ただし、何故か封絶の効果はない。
347:ゼロのミステス
08/01/09 00:02:26 GT12PSTQ
下げ忘れ本当にすいません
発明家とはすべからく多大なる時間の果てに我学を大成させるものである。
かつて一人の発明家が生み出した自在法「封絶」も、
複雑で無駄が多いとされた原型に至るまでに既に多大な失敗を繰り返していた。
後にある天才によって簡略化され広く普及することになるその自在法であるが、
様々な角度から見れば、完成形やそこまでへの道のりである過程は当然、
最初に生み出された「原型」すらも「重大な意味をもつもの」と言えた。
探耽求究の生み出した「原型」には、不要なものが紛れていた。
当時まだ不安定だった封絶は、副作用による紅世との因果関係力の低下を
抑制させる力を持つ複式を主軸式に織り交ぜて展開させていたという。
この因果力維持用の自在式をとあるミステスが求め、
「ミステスがその自在式を使うこと」を
仮装舞踏会が求めるようになるとは、誰も夢にも思わなかったであろう。
緻密に計画を練ってきたベルペオルも、まさかの
"零時迷子及びそのミステスの消失"によって盟主の再誕を絶たれるとは
思いもしなかった。しかも、存在の力が消滅したわけでもないらしく、
そのミステスの身近な人間達は彼のことを覚えている。
となればもう、答えは一つしかない。
(あの干渉で…ミステスは別の世界へ飛んだ)
『この世の本当の事』が一つ増えたらしい。
(まったく…相変わらずこの世は思うようにいかないねえ…)
また彼女は笑う。因果力をどうにかして零時迷子に与えなければ。
向こうが式を使ってくれればいいが、あのミステスが自分で式を
組み上げる、などありえないだろう。
"永遠の恋人"が顕現でもしない限り、あちらは何も起こらない。
ともかく何とかこちら側がフレイムヘイズ達より先に動くしかない。
「まあ…そこが面白いんだけどねえ」
鋭い眼差しの笑顔を半月に差し出し、参謀は窓に佇む。
------------------
「―そうか、だからアナタは居るんだ」
坂井悠二が"彼方"へ向かおうとしたその前に現れる、不思議な何か。
(これが"道"への扉なのか…)
次第に体はその中に吸い込まれて、いなくなってしまった。
それは、本来導くべきところにいざなう門ではなく、
紅世とは別の何かによる干渉。
悠二はその"妨害"を完全に取り違えていた。
幸か、不幸か。
348:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:07:45 9ooz5TQW
先生、なんか読みにくいです……
意味の区切りで「、」を打つほうがよいかと…
349:ゼロのミステス
08/01/09 00:09:47 RH5LM0ke
一応投下はこれだけですが終了ということで
sage忘れ本当にごめんなさいorz
>>340氏の作品を見た後つってきます
>>348
意味で区切ると今度はやたらと句読点が増えて困って…
改行して別段落にしてみましょうかね
350:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:09:54 cqocaprn
>>348
無理だろ。そういうことも意識できてないんだから。
、だらけになるのがオチ
351:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:11:27 cqocaprn
おまえこれ、プロローグにしても冗談が過ぎるだろ。
ちゃんと書いてから投下しろ。
本人は本気かもしれんが、傍から見れば、冬厨と見分けつかんぞ?
352:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:19:09 9ooz5TQW
音読してみるのがいいかもねぇ。
絶対息切れすると思う。
353:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:21:19 y9oYTIsw
>>350-351
まあまあ
毒吐きでもないし批判はもうちょっと穏やかにどうかひとつ
354:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:23:13 k8Ymt24A
>>350-351
カプランあんた、リッカーに食われたんじゃなかったか?
引き続き夢幻竜の人を支援
355:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:28:13 xLExXp+L
そろそろかな?
夢幻竜支援
356:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:28:15 TvM9c8v0
>347
文章力は
①只管良い作品をたくさん読む
②それを意識しながら自分で書く
③誰かに見てもらい、欠点を指摘してもらいながら推敲する(推敲前Verをちゃんと残しておくこと
で確実に上がる。
あとはゼロ魔クロスの場合、読み手は召喚シーンは読み飽きてる人多いからある程度独自色が出せる一気に書いてから投下しちゃったほうがいい。
少なくとも、それで「お前何がしたいの?」って批判は免れることが出来るはず。
文章作法とか何から始めればいいか分からない場合は「やる夫が小説家になるようです」か「ライトノベル研究所」「美少女ゲームシナリオ教室」あたりを参考にスベシ!
357:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:30:14 azzW3q0G
>>349
熱意はわかるんだが、10kbくらい書いて、三日間寝かせたあとに推敲してみ
そんだけでかなり違うぜ
358:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:30:29 1QarBKXm
では投下します。
ゼロの夢幻竜 第十七話「深海の宝珠(前編)」
一本道を進み続ける屋根無しの馬車。
御者と案内役を買って出たミス・ロングビルを始めとするフーケ捜索隊の姿がそこにあった。
使い魔のラティアスは馬車の速度に合わせつつ5メイルほど上の空を飛んでいる。
その一行の中でキュルケは、ルイズに対して一抹の違和感を持っていた。
こうも静かな状況で自分の次に何かを言おうとするのは彼女ぐらいなものだ。
ところが今は側にいて本を読みふけっているタバサと同じくらい何も喋らなかった。
時々、使い魔の事やナシになった授業の事について話題をふるのだが、返って来るのは愛想の無い言葉ばかりで会話が全くと言っていいほど続かない。
たまに視線をラティアスの方に向けて、何かを聞き取っているように頷いたり目配せをしているがそれが何を意味しているのかが分からない。
何をやっているのか教えてくれと言っても、噛み付かれるような勢いで「黙ってて!」といわれるばかりだ。
朝食の後、学院長室に行った事が原因だとは思っていたが一体学院長に何を吹き込まれたのだろうか?
そうこうしている内に馬車は深い森の中へと進んでいく。
周りの木々がやたら高く鬱蒼としているせいか、道の見通しはいいくせに薄気味悪い感じがしてならない。
「ここから先は徒歩で行きましょう。」
ミス・ロングビルがそう言ったので、全員が馬車から降り森の中を進む事にした。
それから周囲に警戒しつつ暫く進んでいると急に視界が開けた。
丁度学院の中庭と同じくらいの広さを持った空き地といったところだろうか。
その真ん中に確かに廃屋は存在していた。
昔は木こりが使っていた炭焼小屋であったのだろうか、近くには大小様々な薪が散在し、そして小屋の脇には古ぼけた窯がある。
一行は先ずフーケが中にいるかもしれない、悟られては不味いという事で近くの茂みに隠れて小屋の様子を見ることにした。
「私の聞いた情報だと、フーケはあの中にいるという話だそうです。」
ミス・ロングビルは廃屋を指差して言う。
しかし、小屋からはそれらしき感じは全くしない。
ルイズに至ってはあまり聞いていないようでラティアスとの話に熱心になっている。
耐え切れなくなったキュルケはルイズを引っ掴み、少し離れた場所で話しかけた。
「ヴァリエール!あなたねぇ、この泥棒退治自分から名乗り出たのに大事な事そっちのけで使い魔とお喋りしてんじゃないわよ!」
「私は!学院長先生からラティアスと一緒に言いつかった事を確認していただけよ!」
「それにしても限度があるんじゃないの?馬車に乗ってる時からずっとそうだったの?」
「そうよ。でも人に教えちゃいけない、常に連絡を取っていることって言われたからそうしていただけよ!」
「それって一体何なのよ!」
そこまで言って二人の周りが急激に静かになった。
ついでに言うとお互いの声も聞こえず、相手の声はただ口パクを繰り返しているだけになった。
ふと近くを見るとタバサがこちらに向かって杖を向けている。
お得意の『サイレント』を使ったのだろう。
いつの間にか大声で話していたという事だ。
二人は元いた所まで戻り、タバサが作ったという作戦に耳を傾ける事にした。
もし中にフーケがいるのであるとすれば、奇襲を使って不意をつくしかない。
その為には相手に気配を悟られてはお終いなので、不可視化が出来、『技』を繰り出す事の出来るラティアスが偵察兼斥候として赴く。
もしそれが上手くいかなかったなら、フーケを外に誘き出す。
と言うのも、外にはフーケお得意の土ゴーレムを作り出すのに必要な土がそれほど無いからだ。
そしてフーケがゴーレムを作り出そうとまごまごしている隙に、全員で集中砲火を浴びせる、という事になった。
早速ラティアスは自らの姿を消し、小屋の側面にある小窓まで近づいてみる。
そこから中を覗くと大体の様子が見て取れた。
間取りは恐らく一部屋。
部屋の中央には長い事誰も使った事が無さそうなテーブルと、乱雑に置かれた椅子があった。
ちらと見えた暖炉は完全に崩れており、使う事は殆ど不可能と見える。
また部屋の隅に積み上げられた薪の横には大きめの棚があった。
埃の積もり具合と内部の様子からして長く人が使ってはいなかったものの、極最近誰かが使っていた事だけははっきりする。
何度見回しても中に誰もいないことを確認したラティアスは、皆の所まで戻って結果を報告した。
359:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:31:23 azzW3q0G
支援
360:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:31:37 1QarBKXm
「中に誰もいませんよ。入っても大丈夫ではないかと思います。」
それを聞いた全員は恐る恐るドアの近くまで近寄る。
一応タバサはドアに向かって杖を振り、罠の類が仕掛けられていないかどうか調べてみたが、どうやら無いらしい。
そこでドアを開けて中に入ろうとすると、一番後ろに控えていたミス・ロングビルが外に向かおうとしだした。
「私はフーケが近くにいないか、ちょっと辺りを偵察してきます。」
その彼女を前にいたルイズが引き止めた。
「駄目ですよ、ミス・ロングビル。生徒だけを残して偵察なんかに行ったら危ないじゃないですか。ここがフーケの隠れ家なら、もしかしたらここに『深海の宝珠』があるかもしれないんですよ!
フーケに会わずに宝を持ち帰れたらそれだけでも良いじゃないですか!」
「え?え、……ええ。そうね……分かったわ。」
言われて彼女は小屋の中へ歩を戻す。
皆はフーケが何か手懸かりを残していないかあちこちを漁りだす。
そしてルイズが何か無いだろうかと棚の中をごそごそと探っていると、中から質素な作りの木箱が現れた。
そしてその中を開けると……
「あったわ!『深海の宝珠』よ!」
ルイズは木箱の中から青い直径10サント程の宝石を取り出す。
光量が少ない室内にも拘らず、それは非常に鮮やかに輝いていた。
「あっけないわねぇ!」
キュルケはつい拍子抜けした声を上げて反応してしまう。
が、ただ一人、神妙な面持ちで『深海の宝珠』を見つめる者がいた。
入り口の辺りを警戒していたラティアスはルイズが掲げた『深海の宝珠』にふらふらと寄せられていく。
そして夢中になったような表情でそれを見つめた。
「ご主人様、これは本当に『深海の宝珠』なんでしょうか?」
「ええ、そうよ。前に宝物庫を見学した時に見たの。って、どうかしたの?ラティアス。」
ルイズの声はラティアスには聞こえてこなかった。
ラティアスは知っている。
これが一体何でどういった代物なのかを。
その時、一瞬ではあるが頭の中に鋭い痛みを感じた。
それから彼女の視界は一気に暗くなる。
そして幾つもの言葉が断片的に、しかし大量の悪寒のようになって彼女の心を襲いだした。
これは……よく出来た幻想?……それとも、記憶?
―これは『こころのしずく』と呼ばれていて……は守っている……君には……事は無理だ……一族の掟は……お前に出来るわけ無いだろ……人間共に何故……下衆が……だからあれ程……なと言ったろうが!
…………助けて……助けて、兄様(あにさま)!……―
「ラティアス……?!どうしたの?!ラティアス!!」
ルイズの叫び声が聞こえてラティアスははっとする。
気がつくと、自分の身は何故か床に落ちていた。
頭を上げるとタバサやキュルケが自分をぐるっと取り囲んで見下ろしている。
状況が分からないラティアスは取り敢えずルイズに質問した。
「あのぅ……私どうかしましたか?」
「どうかしましたか~?じゃないわよ。急に気を失って床に落ちるんだもの。びっくりしたわ!」
「そ……そうだったんですか。」
361:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:32:10 TvM9c8v0
中に誰もいませんよ支援
362:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:33:15 1QarBKXm
そう言いつつラティアスは空中に戻る。
と、その時、ミス・ロングビルが『深海の宝珠』の入った箱をすっとルイズから取り上げた。
「皆さん素晴らしいですわ。さあ、学院に戻りましょう。あー、これは私が学院に着くまで持っておきます。
ここに置いておいたのに無くなっている事に気づいたフーケが、何時私達を襲うか分かりませんから。」
しかし最後の辺りの言葉は、ラティアスが発した精神感応の声によって掻き消された。
「それは駄目です。私達が持っておきます。」
その言葉と共にラティアスは木箱を上からひょいと取り返す。
そしてそれを部屋の奥にいるルイズに渡した。
事情が飲み込めないのか、ミス・ロングビルは間が抜けた様に訊いた。
「あら、どうして?」
「……あなたが持っていれば何処かに隠してしまうからですよ。違いますか?『土くれ』のフーケさん?」
その言葉でキュルケとタバサがミス・ロングビルの方向を見た。
だが、言われた当の本人は涼しい顔をして冗談混じりに反論する。
「あらあら。私がフーケですって?冗談でしょ?」
「冗談ではありません。あなたがフーケであるというキーワードは幾つかあります。」
その言葉に場の空気がずしりと重くなった。
ミス・ロングビルも表情を固くする。
「先ず一つ。『徒歩で半日、馬で4時間』。あの事件が起きたのは日付が変わろうかとしていたぐらいの夜中です。ご主人様達が現場に呼ばれた時、朝御飯も始まっていないほどの時間でした。
なのにあなたは調査に出たといったにも拘らずあの場にいましたよね?かなりの距離があったのにどうしてですか?
ついでに言うと、学院長の調べでは先日の夕方以降、厩舎の馬を借りた者は誰一人としていないそうです。
二つ。『近在する農民への訊きこみ』。確かにこの近くに農家はありました。でも先程言った事を踏まえれば、訊きこみをするなら普通人が起きている時にやりませんか?
皆が寝静まっているような夜中に無理矢理やる物ではないと思うんです。おまけにそういった時間帯なら目撃情報も物凄く少なくなるか、或いは全く無いと言っても無理はありません。
ましてさっきの事と合わせて考えれば、帰って来る筈の時間が余計遅くなると思いますけど?
三つ。『埃の具合』。あなたはここをフーケの隠れ家だって言いましたけど、見ても触っても分かる通りこの小屋って凄く長いこと使われてない筈なんですよ。
隠れ家にしているんだったらそれなりに生活の痕跡があってもおかしくはないはずです。何でかって言うと、床に転がった酒壜にまで埃が溜まった状態なのは変だと思いましたから。
それとドアの辺りと棚の辺りだけ変に埃の積もり具合が薄いんです。つまり、誰も使っていないこの小屋にはごく最近誰かがやって来て何かをしたって事です。
そして最後の四つ。『偵察』。恐らくあなたは私達に『深海の宝珠』を発見させた後、ゴーレムを使って蹴散らそうという算段を立てていたんでしょう。
ここからそれなりに離れればゴーレムを作る為の土はたくさんありますからね。って言っても、半分学院長先生、半分私とご主人様の推理なんですけどね
……どこか違う所はありますか?『土くれ』のフーケさん?」
ラティアスは取り澄ました表情で言い切る。
ミス・ロングビルは最初こそ笑い混じりに聞いていたが、後になるにつれて段々表情が引き攣っていった。
暫しの沈黙が場を支配する。
それを打ち破ったのはミス・ロングビルの笑い声だった。
「っはははははっ!!こいつは驚いたねえ。あのエロジジイがまさかそこまで考えていたとは思わなかったよ。そしてあんたも。なかなか鋭い観察力じゃないか。そうさ。私が『土くれ』のフーケだよっ!」
言うが速いかミス・ロングビルことフーケは外に飛び出し、地面に杖を向けて詠唱をしだす。
そして数秒の後に、そこには学院を襲ったあの時のゴーレムとほぼ同じ大きさのゴーレムがあった。
フーケはゴーレムの腕伝いでその身に乗り、肩の所に立つと再び杖を振ってゴーレムを操る。
するとゴーレムはその巨大な腕を振り回して、小屋の屋根を吹き飛ばした。
363:ゼロの夢幻竜
08/01/09 00:33:39 1QarBKXm
「きゃあああああっ!!」
ルイズが大きな悲鳴をあげてその場に蹲った。
ばらばらと屋根の木材や暖炉に使われていた煉瓦の破片が降り注ぐ中、タバサはいち早く立ち上がり呪文を詠唱して杖を振る。
あっという間に大きな竜巻が出来、ゴーレムに向かって一直線に進む。
しかし、ゴーレムはまるで微風を受けたかのように平然としていた。
ならば、とばかりに今度はキュルケが胸に差した杖を引き抜いて、タバサと同じく呪文を詠唱して杖を振る。
直径にして1メイルはありそうな火炎の玉がゴーレムを襲ったが、やはりゴーレムは意に介してないかの如く三人に向かって進み続ける。
「無理よ、こんなの!!」
「退却。」
キュルケが叫び、タバサがぼそりと呟くなか、ラティアスは近くにいたルイズに声をかける。
「ご主人様!私に『深海の宝珠』を渡して下さい!」
「どうするの?!」
「説明している時間はありません!早く!」
「わ、分かったわよ!……はいっ!」
そう叫んでルイズは『深海の宝珠』を空中に投げる。
ラティアスはそれを横取りしようと腕を動かしたゴーレムを、辛くも避けながら『深海の宝珠』をキャッチした。
その時である。
体の中に何かが流れ込んできた。
端的に言ってしまえば力その物だが、それだけではない何かも入り込んでくる。
一体これは何なのか。彼女は知っている。
これは彼女が元いた世界では『こころのしずく』と呼ばれる物であり、彼女と同じ姿をした者達の力を高める力を有している事を。
フーケの操るゴーレムは、尚も主人であるルイズとその仲間を踏み潰そうとしていた。
傷つけさせてなるものか!
ラティアスは鋭く嘶くとゴーレムに向かっていった。