【新年】シン総合女難!?スレ 第25話【移転】at ANICHARA
【新年】シン総合女難!?スレ 第25話【移転】 - 暇つぶし2ch450:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 00:36:37 vwfDYHCo
スバル「ありがとうございます、カリムさん。それにしてもよかったじゃん、ティア。前から料理の本欲しがってたよね?」
ティア「ふええっ! ちょ、ス、スバル黙りなさい!」
 秘密をばらされて焦るティアに、デス子が追い討ちをかける。
デス子「ふ~ん、誰に作ってあげるつもりなんでしょうねぇ?」
ティア「だ、誰でもいいでしょ、そんなこと! あんた達には関係ないわよ!」
デス子「ほ~う、自分で食べるんじゃなく、誰かに作ってあげたいと・・・。屋上で二人っきりのお弁当作戦ですか? けなげですねぇ~。乙女ですねぇ~(ニヤニヤ)」
ティア「う、こんな初歩的な手に(この馬鹿MS、帰ったら解体してやる!!)」
 デス子の単純な誘導尋問など、普段のティアナなら引っかからなかったはずだ。
が、冷静さを失っている今の彼女には非常に有効な手段だった。
・・・・・このデス子、気に入らない相手に対しては鬼である。
シン 「ふ~ん、お前も料理するんだな。」
ティア「あ、当たり前でしょ! これでも、女の子なんだから・・・」
シン 「なんなら俺が教えてやろうか?これでも毎日デス子に飯を作ってるから腕は良いぞ」
ティア「えっ、ホントに?」
デス子(また裏目に・・・おのれ、ティアナ・ランスター!)
エリオ「へぇ~、シンさんって自炊してたんですか」
シン 「大食いが一人いるから、そのほうが安上がりなんだよ。ここ数日はずっとうどんとそうめんだけだったもんなぁ、デ・ス・子?」
デス子「・・・・ゴメンナサイ」
 笑顔でデス子を見つめるシンだったが、その目には明らかに『これ以上俺に恥をかかせたらどうなるかわかってるよな?』と無言の圧力をかけていた。
その中には日頃安い飯しか食べられない苦痛も幾分か混ざっていたかもしれない。
余談だが、ティアナに料理を教えていることを知った隊長たちが、我も我もと押しかけたせいで、機動六課の訓練休みはちょっとした料理教室になったのだが、
それはまだ先の話である。


451:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 00:39:46 vwfDYHCo
シン「(しかし、まさかこの年になってお年玉をもらうとは・・・)エリオとキャロはお年玉のこと知ってたのか?」
エリオ「僕たちは前からフェイトさんに貰ってましたから」
キャロ「さすがにこんなには貰ったのは初めてですけど・・・フェイトさんに知らせて貯金しようと思います」
シン「それがいいな。無駄遣いせずにちゃんと貯めとくんだぞ。使いすぎると大人になって後悔することに・・・あれ?」
 シンはぽち袋をポケットにしまおうとして奇妙な違和感に気が付いた。
シン「(中身が平らじゃない?)・・・何だ、この玉みたいな物は?」
 貰った袋を開けて中身を取り出してみると、出てきたのは紙幣ではなく丸い球状の何かだった。表面が光っているところを見ると宝石なのかもしれないが、
それにしてはずっしりと重い。この重量だと中身は鉛か金だろうか? でも、向こう側が透けて見えるのに重金属なはずはないし・・・。
それにしても、見れば見るほどレイジングハートに良く似ている。でも、魔法が使えない俺にデバイスなんて送るはずないよな。
シン 「って、まさか、これ一つだけ?」
カリム「ああ、それなんだけどね。実は・・・・」
 カリムが喋ろうとするのを遮って、デバイスから緊急の知らせを告げるアラームが鳴り響いた。
とたんに、緊張状態に入るシン達。穏やかに微笑んでいたカリムも、今は真剣な面持ちだ。
デス子 「緊急通信です、マスター! 回線をつなぎます」
シャーリー「シン君、みんなもよく聞いて! 相当数のガジェットドローンが聖王協会に向かっています。隊長たちもそちらへ向かっているので、 
      合流できるまでなんとか時間を稼いでください」
ティア 「ガジェットドローンが相当数!? 了解しました、全員で迎撃に向かいます。行くわよ、皆」
シン 「俺のインパルスとデスティニーで途中まで送る。カリムさんは一般人の避難をお願いします」
 目的が聖王教会内のレリックなら、前のように一般人が巻き込まれてしまう可能性がある。
戦場にするなら人がいない森、それもできるだけ教会から離れた位置で迎撃した方が有利だ。
殺気立った様子で戦いの場に行くシン達。しかし、その様子を見守るカリムはどこか余裕を感じさせる微笑を浮かべていた。
その顔を万人がみれば万人がこう思っただろう。『できれば彼女とは永遠にお近づきになりたくない』と。
カリム「さて、この選択が吉と出るか凶と出るか。なんにしても楽しめそうじゃない、ねぇ、はやて」


452:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 00:40:38 vwfDYHCo
・聖王教会よりさらに北の森 
シン達はガジェットのレーダー範囲ギリギリでいったん森に隠れ様子をうかがっていた。
既にかなりの数が確認できたが、うまく連携をとれれば倒せないほどの数ではない。
ティア「ガジェットが聖王教会にたどり着くまであと3キロ。隊長たちを待ってる時間はないわ。あたしとキャロが援護するから、エリオとスバルは後ろを気にせず迎撃して」
シン 「デス子、お前はスバル達の援護に行ってくれ。俺はインパルスで空にいるガジェットⅡ型の迎撃に出る」
デス子「・・・・・」
シン 「どうかしたか、デス子? 調子が悪いなら教会で休んでても・・・」
デス子「いえ、戦闘続行に支障はありません。全機落として見せます」
シン 「・・・それなら良い、無理ならすぐに帰還しろ。足手まといになる」
デス子「了解しました(この感覚は・・・お姉様?)」
 一度としてそれを見ていない彼らでは、シンが貰ったお年玉が何であったか気付くはずもなかった。
いや、彼らが気づかないのも当然だろう。
お年玉に秘匿級のロストロギアを入れて送るなど、普通の人間から見れば正気の沙汰ではない。
質量兵器に寄生しユニゾンデバイスとして再構成するロストロギア。
聖王教会が保管していた二つ目の『セイオウノツルギ』が、インパルスのコクピットで静かに脈打っていた。

質量兵器の存在を確認 
スペック分析『人型機動兵器』と認識 性能面では問題なし
起動時の負荷に十分対応できると判断 システム起動開始 
『セイオウノツルギ』 発動まであと900秒


453:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 00:41:24 vwfDYHCo
・移動中のヘリ内
なのは「うう~、ヴィータちゃんお水~」
ヴィータ「じ、自分でやってくれ。あ、あたしも限界だ」
フェイト「気持ち悪い。吐きそう」
シャマル「・・・頭が割れそうです」
シグナム「ヴァイス、そ、そんなにヘリを、揺らすな。(まさかまだ酔ってるのか!?)」
ヴァイス「あはははは、すいません。計器が二重に見えちゃってて。あれ? 聖王協会ってどっちだっけ?」
はやて 「シ、シン、今行くで~・・・あかん、え、エチケット袋を・・・」

ザフィーラ 「これは完全に駄目だな。シン、悪いがそちらに着いても着かなくても、我々は今回役に立ちそうにない」
リインⅠとⅡ「青い顔して床に転がってるお前が言うな(です)」
ザフィーラ 「青い顔は元からだ!(ぐ、大声を出したからまた頭が・・・)」


454:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 00:45:26 vwfDYHCo
投下終了です。
・・・み、ミスった。
まさか一つ目が被るなんて・・・不覚!

なんにしろ、来週には終わ・・・るとおもいますのでよろしく。


455:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 01:08:16 ziypo/LS
GJ!
いよいよPARCOw誕生か?
デス子は職人さん達によって細かな違いはあるけど、大体同じようなキャラクターを確立したけど、
パルコはどんな感じになるのかねえ
立場上はデスティニーの姉ということになるからお姉さんタイプかなw
姉萌えの俺には堪らんww

456:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 01:41:17 cyhYxYMJ
カリムが恐ろしい子になってる……
インパルスあげるはロストロギア勝手持ち出してあげてるしいいのか聖王教会?それとも実はカリムが裏で牛耳ってるから逆らえないのか?

457: ◆7XTyrhgppY
08/01/21 01:56:40 p+/Wb/Km
>>454
GJ! 続きを楽しみにしてます

458:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 08:42:09 mCM4yd3u
>>454
もうカリムがカリムじゃないですね。
何ですかこの腹黒女は。
ちょっとキャラおかしくなってきてません?
ロストロギアの私的利用や贈呈・・・・・・ネタとはいえやりすぎでしょ。
レリックのことといい、ちょっと夜向性氏はロストロギアを使いすぎもしくは頼りすぎな感じがしました。
この事が他の管理局員特に上層部にばれたら、六課や聖王教会お終いでしょ?
もしくは戦争か。

459:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 10:06:00 NMjDxRCs
>>454
夜行性氏、GJ!
次回、いよいよ衝撃娘が登場か
非常にwktkしながら待っています


感想を兼ねての話題投下になるかな?
色々、ネタを見ているけど、誰もキスに至ってないよな
関節キスはあったが・・・・

まぁ、なったらなったであらゆる意味でオワタになるか

460:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 12:28:59 etjJBzEI
>>458
ネタに何言ってんの
そんなこと言い出したら「隊舎内で魔法を(ry」とか「あれでシンが死なないのは(ry」とかキリがない

461:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 12:35:22 N77UlQOj
そもそも「シンがこんな場所に居るのがおかしい」になってしまうしなぁ。

462:夜向性 ◆pLz4u.wgPs
08/01/21 12:36:17 urGW1eKQ
[壁]´・ω・)  久しぶりに壁を使った気がするぜ
>>458
カリムを黒くしたのは、組織の中で上に立つ人間は『おひとよし』では生きていけないと思ったからです。
それに彼女がどんな人間かなんて、まるで出て来ませんでしたから・・・。
すいません、大目に見てください

>ロストロギアを使いすぎもしくは頼りすぎな感じがしました。
シリアスにするならば、どうしてもシンを前線に立たせる必要があります。
しかし、なのはの世界で魔力を持たないシンは戦闘では完全に役立たず、無能以外のなにものでもありません。
MSではでか過ぎて仲間や市街地に被害が及びますし、生身でも特徴は頑丈さぐらい。なんという帯に短し、たすきに長し!
おまけに管理局は基本的に非殺傷、相手はみんな空飛べます。
一体、シンにどうしろというのか。このスレの主役でありながら一番見せ場の戦闘パートで人間ミラコロになれというのか!
なので、彼には『アイテム士』にジョブチェンジしてもらいました(笑い)

>ロストロギアの私的利用や贈呈
>もしくは戦争
これはまぁ、ラストまで見てくださいということで・・・・。


463:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 17:02:09 ghpycoWX
カリム「諸君…!私はロストロギアを持っているっ…!それも千という数はあるだろう。
    大きな声では言えぬが、監査が入った時の為に他にもあと数百のロストロギア
    を様々な場所に隠してある」

ロッサ「ね…騎士!騎士カリム!」
教会職員「騎士!騎士カリム万歳!!」

カリム「馬鹿もん!」

ざわっ ざわっ ざわっ ざわっ ざわっ ざわっ …………

カリム「足りん、まだ……全然足りん!もっとロストロギアを…!レリックを…!
    私は欲しいのよ……!」

ロッサ「うわっ、なんだ君達は!」

春香「…………」
めぐ「…………」
カリム「…………」
ガシッ!(三者とも力強く手を重ね合わせる)

教会職員「おお、おお、、ば、万歳!万歳!万歳!」

ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!

この三人ならyagamiにも勝てる。

464:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 17:19:41 MapE5Erl
>>458
別に今更な指摘だと思うけどね
種なのクロスの方じゃ次元渡った瞬間MSがデバイス化してるって作品も多いし
夜向氏みたいに多少なりとも理由付けされてる方が個人的には好感持てる

>>463
喜緑さんも加えれば完璧だなwww
このスレで最凶の腹グロ集団が完成するwww

465:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 18:39:27 ziypo/LS
便乗
はやて「さて、カリム。最近よくシンと会ってるようやけど・・・どういうつもりや?」
Carim「六課でいつも災難に遭ってるシン君はそろそろ貴方達と離れたがってるという話じゃない?」
はやて「冗談やない!状況はそう簡単に変わるモンやない!」
Carim「まあそれはどうでもいいわ。私は慈愛に満ちた聖母、所謂マリア。
    小娘な貴方達では私とシン君を結ぶ障害にもならない。恐るるに足らないわ」
冥王&便乗「怒」
yagami「大した鼻息やなあカリム・・・。穏便に事を済まそうと思って来たんやが・・・」
Carim「この聖王教会で私と交戦したらどうなるか、わかってるでしょ?」
yagami「勿論。でもアンタをこのまま野放しにしとくんはもっと危険や!」
Carim「それも考え様ね」

Carim「男を独占したいのね・・・女という動物はいつもそう」
ロッサ「(いや・・君も女・・)」

yagami「シン・アスカはカリムグラシアという魔女の手によって掌握されそうになってる。
     これはシンを救い出す為の聖戦や!」
yagami「来よったな・・・カリム!」
Carim「はやてめ・・来るか?」
yagami「散開してカリムを囲むんや!」
冥王「命令されるのは何か癪だけど、今は了解なの!」
便乗「だね♪」
yagami「逃げられはせんよ!」
Carim「このカリム、見くびっては困る!」


エリオ「なーんてことが先日教会であったそうですよ」
キャロ「それで隊長達、引っかき傷とかたくさんあったんだね」
シン「こあい・・・」

466:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 19:17:40 io1Zf6yf
キャットファイトということですか

467:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 22:15:15 p+/Wb/Km
>>458
君は初心者かな?
カリムが駄目な場合だと、 このスレのヒロイン達殆どが駄目になるんだ。
何故なら、 yagamiなんてカリムなんか目じゃない位危ないからね。

468:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 22:15:30 NMjDxRCs
キャットファイトと聞いて、
飼い主(シン)を巡って醜い争いをする猫達(女性陣)を妄想した俺はオワタな状態だ

469:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/21 22:44:16 Ze/z3V6n
>>465
何か会話に違和感があると思えば・・・
パロってんのかw
yagamiはシロッコとジャミトフの二役か?

470:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 02:03:30 oLnNOw1N
>>468を読んで
猫耳、猫尻尾、ソニックフォームのごとき衣装を着て、シンを(性的な方法で)奪い合いをしているのを妄想した俺は、もっとだめだ

471:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 02:12:48 T/32EKsG
>>470
お前は俺だーー!!


472:たいほうの人 ◆sZZy4smj4M
08/01/22 02:16:01 fzzKld9F
>>468-470
私は全員が電車に閉じ込められて皆が凶暴な猫化をして
阿鼻叫喚の騒ぎになった後、色白の薬売りが紛れ込んでいて
「物の怪の形・真・理をおきかけ願い候!」
と言うのが想像出来て更に別ベクトルでやばいと判明しました。

473:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 04:49:49 sR0abrx0
>>472
あ、 貴方は~!
お久しぶりです。


474:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 09:28:01 owGdDY8a
ここまでの皆様方にGJを。
投下予告です。

475:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 09:33:15 VRk1qx5r
ならば支援た

476:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:36:55 owGdDY8a
今回までのあらすじ。
スカリエッティが傍迷惑な装置を開発したよ!
あらすじ終わり。

「ちょ、だから言ってるじゃないですか! あれはスカリエッティが―ッ!!」
「問答無用だらアアァァ――!!」
「ぎゃああアアアアァァ―――」

 BGMは未だヴィータ副隊長に追われているシンの絶叫でお送りしています。

 もはや廃墟寸前となった機動六課隊舎内の食堂。
 シンとヴィータを除いた面子は再び装置付近に集合していた。
 とはいえ、
「あかん……血が足らへん……」
「相変わらず……一発の威力が……異常だね……なのは……」
「フェイトちゃんも……相変わらず……速……あと、強くなったね……ティアナ……」
「………………凡人の…………意地です………………」
 そのうち四人は貧血を起こしていたり、魔力体力を使い切っていたりでグロッキー状態で行動不能。
 実質的に動けるのは、エリオとキャロとスバルとスカリエッティだけだ。
「もう止めた方がいいと思うんですけど」
「「「「ダメ」」」」
「エリオ君は心配性だね」
「えー、まだ見たいよー。これ面白いのにー」
「折角作ったのだから活用すべきだろう?」
 常識的なエリオの提案は、無常にも七対一で撤廃された。地味にグロッキー四人も口だけ出している。
 ああごめんなさいシンさん僕はあまりにも無力ですとうな垂れるエリオ。
 だが相手が悪すぎるのであって別にエリオは悪くない。
「しかし一々論争が起こっていては面倒なのでね。ランダムで人選する機能をさっき追加しておいた。
―これなら文句は無いだろう?」
「いつの間に……」
「何。騒ぎが一段楽するまで暇だったのでね」
 得意げに言うスカリエッティ。
 ちなみに紙一重で避け続けているシンやグロッキー四人には実質的な外傷は無い。
 比べて、スカリエッティは一回グラーフアイゼンでお空の星にされているので普通に重傷である。
「じゃあ早速試してみよ~っと。ルーレットスタート!」
 スバルがぽーんとボタンを叩く。それにしてもこの天然メカ娘、先程から実にノリノリである。
 でろでろでろと非常に安っぽいメロディと共に表示内容がめまぐるしく回転する。
 まず表示されたのは『シン・アスカ』。そして次に表示されたのは―

『フェイト・T・ハラオウン』

477:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:37:17 owGdDY8a
case3.『シン・アスカとフェイトT・ハラオウンの場合』

「あの……この体勢、何とかなりませんか」
「ふふ。動いたら危ないよ?」
 シンの頭はフェイトの膝の上、そしてフェイトの右手にはみみかき。
 俗に言う『ひざまくらみみかき』状態である。
 しばし真っ赤な顔で身をよじっていたシンだったが、観念したのか大人しくなる。
 それを見計らってフェイトがみみかきを再開した。
「頭動かさないでね?」
「動かしてませんよ―いてて」
「あ、ゴメン。痛かった?」
「……別になんともないです」
 恥ずかしさが勝るのか、シンの口調はぶっきらぼうだ。ただ顔は真っ赤に染まっていく。
 その様子を満足げに見て、フェイトは微笑む。
「不精なシンが悪いんだよ? こんなにたまるまで放っておくなんて」
「しょうがないでしょ……なんか忘れちゃうんですよ」
「敬語」
 それまでの会話の流れを断ち切るかのごとく、唐突にフェイトが言う。
「敬語使わなくていいって言ってるよね――その、もう恋人、なんだし」
 しどろもどろになりながらも、フェイトの口調は不満そうだ。
「何か昔のクセが抜けなくて……それに、フェイトさん年上だし。雰囲気が大人っぽいし……」
 自分の言葉で恥ずかしさが増したのか。シンは更に顔を赤くして、身をよじる。
「誉めてくれるのは嬉しいけど……でもやっぱり不満、かな。はい反対側」
 さりげなく逃れようとするシンの頭をくるりと回して抱えなおしながらフェイトが呟く。
「フェイト、さん」
 ぽつりとシンが呟いた。
 シンの頭はフェイトの膝の上にあるが、顔は向こうを向いているので二人の視線がぶつかる事は無い。
「……俺、フェイトさんに釣り合ってますか?」
「関係ないよ。私はずっとシンと居る。同じものを見て、同じ感情を共有して―同じものを背負っていく」
 逡巡すらない即答。あくまで優しく、けど真っ直ぐに、迷う必要すら必要ないとフェイトはシンに告げる。
 それを聞いたシンは微かに笑って、全身の力を抜いてゆっくりとまぶたを閉じる。

「フェイト」

 なに? と嬉しそうに聞き返すフェイトに還ってきた言葉は一言だけ。
 とてもぶきらぼうで素っ気無い、けど真摯な一言。

「大好き」

478:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:37:55 owGdDY8a
「――――――きゅうぅぅ」

 顔から湯気を噴出しつつ、ばったーんとぶっ倒れるフェイト。
「ああっ! 普段便乗ばっかりしてるせいでガチな恋愛展開に耐性が無いフェイトさんが限界を超えちゃった―!」
 叫ぶエリオ。
 間違っちゃいないが、地味に酷い事を言っている。
 あと周囲でうんうんと頷いている残りの連中も漏れなく酷い。
「おお。今回はモニタが無事だな」
 別のことでうんうんと頷くスカリエッティ
「……何か今回はシンさんが受けっぽかったですね?」
「あ、これじゃない? さっきまでと名前の表示位置が逆になってるよ?」
 凄まじくマイペースなスバルとキャロは冷静に装置を分析していた。
 確かに二人の言うとおりで、今回はシンと相手の名前の表示位置が入れ替わっていた。
「ふむ……先に設定したほうの優先順位が高くなるのか。実に興味深い現象だ」
 スカリエッティも予期せぬ効果だったようで、目を輝かせる。
 しかしこのマッドサイエンティスト。装置に気をかける前に自分の出血を止めるべきである。
「なにぃ!? それマジか!!」
 ずざーと猛烈な勢いでヴィータがスカリエッティに詰め寄った。
 スカリエッティが肯定すると、ヴィータは装置に向き直る。
「よし!!」
「まあヴィータちゃん。何がよし、なのか説明してもらえる?」
 ガチリとヴィータに突きつけられるレイジングハート・バスターモード。
 振り返ると、出番が無さ過ぎて我慢の限界が来ている冥王の姿がある。
「どうしちゃったのかな? ヴィータちゃん、さっきは嫌がってたよねぇ?」
「あ、あれは……いきなり過ぎ……じゃ、じゃなくてだなぁ! 
やられっぱなしが気にくわねーだけだよ! こっちがやり返してるのも見ねーと不公平だろ!!」
「ふーん、そう……でもね―私はどっちも見てないんだからぁ―!!」
 警告なしでぶっ放されるディバインバスター。
 桜色の砲撃は辛うじて回避したヴィータを掠め、食堂の壁をブチ抜きつつ青い空に吸い込まれていった。
「なのは……本気か? その疲弊した状態で私とやろうってのか!?」
「本気だよ。この程度、ちょうどいいハンデ程度……おいで鉄槌の騎士。遊んであげる……!」
「上等ォ!」
 炸裂するカートリッジ。弾ける様に溢れ出す赤い魔力と、チャージされる桜色の魔力。
 そして両者睨み合いが続く。
「ルーレットスタート~!」
 その最中で、欠片の躊躇い無くボタンを押す天然メカ娘の間抜けな声が響き渡った。
「「「「「スバルゥ――!!!!!」」」」」
 エリオとキャロと未だ気絶中のフェイト、そしてスカリエッティを除く残りの面子が絶叫する。
 叫んだ面子の脳内でスバルのあだ名が『KY』に設定された瞬間だった。

479:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:38:21 owGdDY8a
case4.『シン・アスカとスバル・ナカジマの場合』

「シン~」
「んー、何だー?」
「別に~? 呼んでみただけ~」
「何だよそれ」
 無茶苦茶な言い分にシンが苦笑する。
 街中の、人気のない場所にポツリとあるベンチに二人は居た。
 シンの手にはコーヒー缶があり、スバルの手には先程まで食べていたアイスの包装紙がある。
 スバルはシンの肩にもたれかかりながら、シンの名前を何回か呼ぶ。
 それから、先程と似たようなやり取りが何回か繰り返される。
 意味のない会話だが、スバルはとても楽しそうで、シンも微かながら笑っている。
「し……んー…………えへへ……へ」
「眠いのか?」
「うん……ちょっと…………」
 スバルのまぶたは既に半開きで、意識が眠りの淵にあると見て取れる。
「シンは……あったかいね…………」
 とうとう目を閉じて、シンにもたれかかったまま、スバルは静かに寝息を立て始める。
「まったく……ほんと無防備だなコイツ」
 シンは苦笑いで溜息をつくと、飲んでいたコーヒーを傍らに置く。
 空いた手でスバルの頭をゆっくりと撫でる。
「デート中に寝る奴があるかー?」
 シンがスバルの頬をつつくも、スバルはくすぐったそうに身をよじるばかりで起きる気配は無い。
 更により深くシンにもたれかかり、シンの腕にしがみつく。
 シンは諦めたのか、空いた方の手でスバルの頭をゆっくりと撫でつつ、預けられているスバルの頭に自分の頭を預ける。
 少しだけそのまま時間が過ぎて、シンのまぶたも閉じていく。
 やさしくスバルの頭を撫でていた手の動きも緩慢になり、シンも意識を手放しかけていた。
 意識を手放す寸前に、
 
「……お前の方が……あったかいよ…………」

480:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:38:41 owGdDY8a
「………………これ」

 呟くスバルの右腕には、リボルバーナックルが装着されている。
 そしてカートリッジロード。
「恥ずかしいいいぃぃィィ――!!!」
 叩き込まれるリボルバーシュート。
 ど真ん中に綺麗な穴の開いたモニタは、数メートル程吹っ飛んだ後に派手に爆砕した。
「もー! シンのぶぅわかぁぁぁ――!!」
「何でこっちに来るんだよオオォォォ――!?」
 ヴィータの攻撃をかわし続けて疲弊しきったシンにスバルが襲い掛かる。
 気力を振り絞ってギリギリで回避するシン。
「なあぁぁのぉぉォはあァァ――!!」
「ヴィイィタちゃぁぁんんn――!!」
 仕切りなおしといわんばかりに激突を開始したなのはとヴィータ。
「おっと、やらせはせんで?」
「そうだよそうだよそうだよ♪ や・ら・せ・な・い・よっ♪」
「くっ! 予想よりも復活が早い……!」
 今のうちと装置にこっそり近づいたティアナは復活したはやてとフェイトに妨害され、交戦を開始した。
 どうもさっきの幸せが残っているのか、フェイトのやる気が五割り増しである。

「また乱戦になっちゃいましたねー」
「あ。また天井に穴開いた」
 再び隅に避難したエリオとキャロ。
 スカリエッティはというと、戦場の真っ只中で流れ弾を回避しながら装置の改修を始めていた。

「いつ終るんだろう……これ」
 エリオの呟きに、答えてくれる人はいなかった。

481:へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M
08/01/22 09:39:23 owGdDY8a
誤字の失点はネタで取り返すぜ―という訳で第2段をブン投げました。
相変わらず頭悪くて申し訳ない。

ノシ

482:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 11:07:59 kEWJkJSc
>>481
GJ!
早速続きが気になって仕方ないんだぜ!?
というかもうあれだな、スバルのKYっぷりがよすぎる。
そこにしびれるあこがれるーーー!!

483:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 12:31:25 MJ7ZLNvA
>>481
GJ!
口から砂糖が出まくって止まらないんだZE!
ガチ恋愛展開のシンとフェイトは良いなぁw
シンの年相応の反応といい癒されるw

484:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 13:50:42 7II6+Nix
>>481
フェイトさんが可愛すぎるぞGJ!

485:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 15:14:20 OEjVL5s2
>>481
GJ・・・・かはぁっ!!!(吐血)
シン受け大好き派な俺には強力過ぎだ
次もwktkしながら待ってますwww


ぶっちゃけ言えば、ヴィータ×シンとなのは×シンがたのしm(ry

486:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 15:31:21 216nIQ70
ちくしょう、甘い、甘すぎるぜ。

GJ!

487:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 16:07:38 fQ+pbVl6
>>481
シンとフェイトがガチでかわいすぎる、GJ!!

488:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 16:26:37 dkQNmLqi
ぐふっ!!

ダメだ。いつの間にか、俺もこんなガチで甘い展開には耐性が…
ってか、可愛いよ、フェイト可愛いよ
フェイトといえばA'sまでとか思ってた俺が愚か者でした…GJ!!

489:たいほうのちょっと予告ですよ ◆sZZy4smj4M
08/01/22 16:46:30 lqPYglxk
ハルコ「おーいたいた。シン君ー」
シン「ん? ハルコ先生……な、何ですか。また、面倒事ですか」
ハルコ「うん、作者がちょっとに詰まってるから新しい世界にはけ(ry」
シン「ちょ、勘弁してくださいよ。たいほうのとどろく頃に放置しまくった挙句別ネタ始めるなんて」
ハルコ「んー、いや前から煮詰めてたネタがあったんだけどね。
    もういい加減煮詰め過ぎて腐りそうだからガス抜きって事でお試し版を3話位投下しようと思って」
シン「あの計画破綻者め。……んで、今度は俺はどんな目にあうんですか」
ハルコ「いや、ちょっとこの機会に色々見つめなおしてみようかと思って」
シン「は、はぁ」
ハルコ「ほら、ガンダムってさ……打ち切りアニメだったじゃない」
シン「ちょ!なんでそんな脈略の無いコトォ!」
ハルコ「いや結構繋がってる。つまり、原点回帰してみようかと思って」
シン「それが俺と関係が……はっ、まさか今更宇宙世紀にはけ(ry」
ハルコ「それはない!」
シン「それじゃ、打ち切り同然で朝に追いやられたガンダムX?」
ハルコ「うーん、惜しいね。ただ、それは本来のクロススレなりですれば良いと思うんだよ、あたしゃ」
シン「そうですね。Xで女難って言っても残ってるのはショタ好きなあの―」
ハルコ「あー、ダメダメ。それ以上言うとそっちもやりたくなっちゃうからえーとね。
     はい、これが次の企画書」

   『シン・アスカを視聴率の取れなかった魔法系アニメとコラボしてみるSSお試し版』

シン「う、うわぁああああアーーーーーーーーーーーーーー! 地雷!? 激しく地雷の香りが!」
ハルコ「大丈夫大丈夫。えーとどの位ガンダムらしいかと言うとターンエー位ガンダムしてるから。
     あ、MSは……えーと一応出るっちゃ出るけど、ぶっちゃけ出番殆ど無いねぇ♪」
シン「……orz」
ハルコ「後、萌え要素はほぼ皆無かも♪ ぶっちゃけスレ投下したら浮く可能性大♪」
シン「な、なんでそんなもんを」
ハルコ「えーと、作者曰く、Vガンダムを遣った時の富野監督の気持ちを味わいたいらしいから
     ちゃんと女難はすると思うよ……多分。あ、それとクロス先についての説明一切しないから」
シン「あんの変態作者めぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


PS:はい。と言うわけで今夜ちょっと投下してみようかと思います。話の端っこ端っこ出してみて
   ちと反応見てみます。その際ご意見宜しくお願いします。

490:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 16:50:01 CHUVahxN
シンフェイ大好きの俺にはたまらんwwwww
読みながらニヤニヤしてる自分が怖い・・・
もうこうなったら、なのは、ティアナ、シグナムにシャマル先生、ついでにヴィヴィオまで全部書いてくれなんだぜ!

491:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 16:56:01 7bBtcB5H
なんという泥仕合・・・
スバル可愛いよスバル

492:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 18:31:03 VRk1qx5r
プルキュアのことでしかー

493:たいほうの人 ◆sZZy4smj4M
08/01/22 21:00:42 lqPYglxk
「まったく、駄目ね……あなたはほんとに」
「次は上手くやるさ」
「……あいつ等といってることが同じ」
「うっ、それは言うなよ。少なくともあいつ等程馬鹿じゃないさ」

―傷だらけの体。湖の上に浮かぶひょうたん型の岩がひとつ。月に照らされている舞台に役者は3人。
 そのうちの一人、少年はその傷口を湖の水に浸しながらもやわらかい暗い闇が注ぎ込まれている。

「メロンパン、罰としておごってくれない?」
「自分で行けば良いだろ」
「私はあんましあのお店行きたく―」
「違うわ」

―風に揺れる中、少女は戸惑いの表情を見せている。否定するもう一人の少女。
 夜の月の様に冷たい視線を向けながらも左右に触れる首が蒼い髪を靡かせている。

「貴方が出来る事をやれば良いという意味」
「何だよ。俺はパシリやってれば良いってことか」
「だって、貴方ただの人間だもの。私達とは違うわ」
「人間だからって出来ない訳じゃないさ」

―満ちた月の様にわずかに潤んで輝く瞳を隠す少女。動揺していた心も落ち着きを取り戻す。
 少年の傷口はたちまちふさがってしまえば、首をこきりっと鳴らしながらも立ち上がる。

「相手は人間の14歳……しかも女の子だろ。次は絶対に負けない!」
「熱くなってるのね。馬鹿みたい」
「ああ、それで良いんだよ。熱くなって血眼になってる方が楽だから。
 だから、お前達は冷静に見届けていれば良い。後は俺が勝手に何とかする。煩わせないさ」
「ほんと、勝手な人間」
「……俺はそれで良いんだ。守りたい者を守る」

―少年の言葉にお互いを見詰め合う少女達。蒼い瞳と赤い瞳がわずかに揺れており、お互いの動揺を確認する。
 こくりと頷きあいながらも少年を見下す様に月を浴びながらも侮蔑の表情を向ける。

「貴方が私達を?」
「力も無い癖に」
「体も脆い癖に」
「ああ、もう決めたからな」
「勝手にすれば?」
「どうでもいいわ。そんな事」

―二人の少女は再び顔を見合わせながらも首を傾げあう。そして、お互いに呆れたといった言葉を表情を少年へと向ける。
 それを見て少年は満足げな笑みを浮かべていた。


494:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 21:03:23 lqPYglxk
    シン・アスカを視聴率の取れなかった魔法アニメとコラボしてみるSSお試し版
             お試し0「被害者から加害者に」


 反響する水音が薄暗い闇の中で木霊し、それが徐々に伸びて消えていく。
 肌にひりひりと痛いほどに突き刺さる寒さは風がないのが幸いだが凍えてしまいそうになる。
 鼻先を掠める匂いはひどいものばかりだ。饐えた匂い、焼け焦げた香り、泥臭い匂いに、硫黄の匂い
 金属のさびたすっぱい匂いなど鼻が捻じ曲がる程の異臭。
 何かが上にのし上げられており、その隙間からかすかに声が聞こえてくる。
 老人の様な、若い男のの様などちらとも取れない変な声がする。
 何とか聞き取ることに成功をしたが内容は何を言っているかさっぱり解らない。
 ただ、同じ言語を通じていると言う事は人間なのか? 誰なんだろう、そこにいる人間は?

「大分揃いましたね。舞台で炎上したダンサー、船と共に溺死した歌姫。
 ええと、これは土砂崩れに巻き込まれた……なんでしたっけ?」
「……ここは……助け」
「木に首吊りをした俳優、金鉱を死守したまま死んだ軍人、飛行機事故で上空で爆散した双子。
 そして、戦争で爆撃して吹き飛ばされた……おやぁ?」
「た…助け……て」
「おやぁ? ……これはどうしたことか?」

 わずかに残された力であらん限りの声を振り絞りながら助けを乞う。手を伸ばせばそれを誰かに触れる事が出来た。
 なんだかぶよぶよとした……まるで、蛙か何かに掴まれているかの様なそんな感触に思わず背筋が震える。
 肉の山から引きずり出された―のは俺ではなくその上に二つ積み重なっていたふたりの少女。
 まとめて引きずり出されると嗚咽の声と共に口から血が混ざった吐瀉物が零し、寒さと痛みで体が震えているのが解る。
 この場所はどこかの洞窟なのだろうか。薄暗い岩肌に大きな泉、そして紫の炎がぼんやりと辺りを照らしている。
 体の上は折り重なり、自分の体を押し潰す質量は死体らしき人間の肉の山だとようやくわかった。
 死後硬直間もない体も含めて異臭の、重さの、死を感じさせる恐怖の原因である肉塊達。
 その折重なった山の一番下に埋まっていた。

「いけませんねぇー。まだ、息があるとは」
「い……いや、お父さん」
「助け……おか」
「貴方達には立派な戦士になって頂かないと行かないのですよ。手駒が足りなくてね」
「い……いやぁ」
「では、さようなら。また御逢いしましょう」

 すごい音がした。肉の裂ける音、骨が折れる音、あいた風穴を空気がすり抜ける音。
 再び、肉の山へと二人の少女は戻ってくる。それの反動で山が崩れていき
 手にぼたぼたと何か液体が……温かい液体が手に絡み付いて零れていく。
 それにようやく体の感覚が重さからの開放と手についた触感からの刺激でなんとなく意識が落ち着いてくる。
 ぐつぐつと煮え滾っていた意識はまだぐらついているがそれでも肉の山の中から這い出る事が出来た。
 目の前には薄暗くてよくわからないが”誰か”が立っている。具体的に誰なのかは解らない。
 ただ、直感……否、空気で解る。目の前の誰かを何とかしないと自分が死ぬと。

495:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 21:04:55 lqPYglxk
「まだ、居たのですか。まったく人間と言うのは度し難いほど諦めの悪い」
「う……うわぁああああーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ほぉ?」

 足元に転がっていた石を掴んで俺はそれを大きく振りかぶり、相手に叩きつけようとする。
 自然とその攻撃が成功するなどとは思えなかった。本能がかなう相手ではないと告げる。
 ただ、それでも体は恐怖で勝手に動いてしまう。その”誰か”は微動だにしない。
 真一文字に口を結んだまま、俺の凶行をただただその真紅の瞳で見つめている。
 石の砕ける音がはじけとび、手の中でぼろぼろと砕けていく感触が残っている。
 粉々になった石の残骸が水音を立てながらも暗い泉の中へと沈んでいった。
 その石で殴りつけた手を相手につかまれたままちゅうぶらりんに持ち上げられる。
 経験があるわけじゃないが万力で締め上げられるという言葉が適切か?
 じとりっと背中には嫌な汗が止まらなくてがくがくとひざは震えそうになっている。
 
「なんと禍々しい……これが人間の悪意だと言うのですか。
 恨み、哀しみ、恐れ、生への執着、やはり素材たるべき生命であるだけのことはある」
「離せ! 人殺し! 化け物め!」
「化け物ですよ。だから人だって躊躇無く殺せます。そして、私は化け物だからそれだけでは終わりません」
「なに!?」

 目に映るは緑色の肌にとても人とは思えぬ形状をした大男がひとり。尾が生えており、銀髪を靡かせながらも
 真紅の瞳が興味深そうに俺の体を上から下へと舐める様に見つめながらもふむっとあごに手を置いて何かを考えている。
 手にこめていた力は段々と弱まっていき、するりっと俺はその上げた手の中からすべり落ちて
 大きくしりもちをついてしまう。ごつごつした岩場に尻を打ったので滅茶苦茶痛いはずなのだが相手の気圧される存在感に
 痛みもどこか忘れてしまう。悠然と立つその姿はぴりぴりと緊張感と恐怖感で口の中にすっぱいものがこみ上げてきそうだ。
 

「君の事情は知っていますよ。戦争と言う奴ですね。生ある者はいずれ滅びると言うのに
 自分の欲の為にお互いを傷つけあう。不毛で馬鹿らしい行為だ」
「……な、お前は一体ナンなんだよ! 此処はどこだ!? マユは……俺はオーブに居た筈なのに」
「君、自分が何故こんな目に合わなければいけないのか考えた事はありませんか?」

496:たいほうの人 ◆sZZy4smj4M
08/01/22 21:06:53 lqPYglxk
以上、ちょっとガス抜き用作品を投下。取り合えず3話位目安で

497:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 21:19:15 Ze7WvoDq
>>496
たいほう氏 GJ!
元ネタは良く分からんが、続きを楽しみにwktkしながら待っている。

498:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 21:32:05 xs1EZR78
シン「ヤバイ。ルイズヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールヤバイ。
まず可愛い。もう可愛いなんてもんじゃない。超可愛い。
可愛いとかっても
「萌キャラ20人ぶんくらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無限。なんか単位とか無いの。何萌とか何メガ萌とか超越してる。無限だし超可愛い。
しかもツンデレらしいよ。ヤバイよ、ツンデレだよ。
だって普通の女の子はツンデレじゃないじゃん。だってツンツンされてデレデレされたら困るじゃん。可愛くてツンデレとか困るっしょ。
ツンツンされて嫌われてるのかと思ってて、急にデレデレされたら泣くっしょ。
だから普通の女の子はツンデレしない。話のわかるヤツだ。
けどルイズはヤバイ。そんなの気にしない。ツンデレしまくり。ツンとデレの具合が最高。ヤバすぎ。
無限っていったけど、もしかしたら有限かもしんない。でも有限って事にすると
「じゃあ、ルイズの魅力ってナニよ?」
って事になるし、それは言葉で表現しきれない。ヤバイ。言語では伝達しきれない。
あと使う魔法が虚無。超強い。剣士の数で言うと100人分?わかんない。ヤバイ。強すぎ。さすが虚無。怖い。
それに声優が釘宮理恵。ツンデレボイス100%。ヤバイ。可愛い。鞭で叩かれたい。萌。
なんつってもルイズは俺の嫁。ツンデレとか平気だし。
他のやつらなんてツンデレとか上手く扱えないから嫌ってるけど、やっぱり可愛い、ルイズだから許せる。
ルイズは絶対俺の嫁。"ツン"と"デレ"両方好き。萌。ヤバイ。
とにかく貴様ら、ルイズのヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイルイズの使い魔になったサイトには嫉妬。超嫉妬。いつか必ず召喚されます。がんばる。超がんばる。

499:簿記入門 ◆rxZFnGKLCg
08/01/22 22:04:40 ZsxCWA3y
パルマが俺にもっと輝けと囁いている by シン・アスカ(17)
女難の最前線に立ち続ける覚悟はあるか? by シン・アスカ(17)
一つだけ言える心理がある。「パルマを決めたら諦めろ」 by シン・アスカ(17)
知ってたか?シグナムさんはニートの象徴なんだぜ by シン・アスカ(17)
食えよ、何処までも食費を稼いできてやる by シン・アスカ(17)
統合女難!?スレという劇場に舞い降りたネタキャラ by シン・アスカ(17)
愛に生き、愛に死ぬ。それが南斗の宿星 by 南斗六聖拳「殉星」・シン(17)
スターライトブレイカーすらも防ぎきる頑丈さ!by シン・アスカ(17)
この光学迷彩がヤバ過ぎる環境から程よく守ってくれる by シン・アスカ(17)
女たちはみんな一直線に俺を砲撃 by シン・アスカ(17)
エレガントにパルマ、クレイジーに散る by シン・アスカ(17)
ここからが俺のパルマレジェンドのはじまり by シン・アスカ(17)
永遠の美学の名は NO.PARUMA! by シン・アスカ(17)
いつだって何かに逆らい生きてきた by シン・アスカ(17)
女難に選ばれし男の体制への逆襲 by シン・アスカ(17)
人は俺を「ラッキースケベ」と呼ぶ by シン・アスカ(17)


500:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 22:07:53 kpLvYb9o
俺は16歳だ。このニセモノめ(`□´) by シン・アスカ(16)

501:名無しさん@お腹いっぱい
08/01/22 22:09:58 Xm8dtAeE
>>481
GJ!!
しかし、なんて甘さだ!極甘すぎるにも程があるぜ!!

そういえば、スカが「本体はラボにある」って言ってましたけど、
それってつまり、ラボでは数の子たちがシンとの「あま~い生活」を観てるって事ですかー!?

502:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 22:20:12 7bBtcB5H
>>500
種死後期は17だからあってるよ。
ファーストアムロだって劇中で誕生日迎えたじゃないか。

>>501
もうモニターを量産すればすべてが丸く納まる・・・
スカ逃げてぇぇぇ!

503:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 22:55:05 Qo4V+ibp
「ハァー……」
「あれ?デス子どないしたん?」
「元気が無いみたいなの」
「無いみたいだね無いみたいだね」
「あ、皆さん……実は……マスターが昨夜から構ってくれないんです」
「それは酷いね……どうしてなの?」

「昨夜、マスターが女の子を連れ込んだんです。マスターはその子につきっきりで」
「「「!!!」」」

「しかも、マスターその子と一緒にお風呂はいってたんです」
「「「!!!」」」

「その後一緒のベッドで寝てましたし……」
「「「!!!」」」

「そのうえ今朝からその子はマスターにニャンニャンとじゃれあってて……」
「「「シンー!!アンタって人はー!」」」



「ニャー、ニャー」
「あぁこら、顔を舐めるな、くすぐったい……
 ……しかし子猫って可愛いなぁ……」

勢いで書いた
矛盾点とかここおかしいとか笑って流して

504:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 23:01:00 CHUVahxN
ん?放送期間中に誕生日を迎えたら、劇中のキャラは歳取るようになってんの?
劇中とは時間の進みが違うような
じゃあ凸やキラは19なの?

505:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 23:02:59 Ze7WvoDq
>>504
そうなって、つまりなのは達とタメって事だな。
まぁ、もの凄くどうでも良い事だけど

506:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 23:06:53 dkQNmLqi
>>503
よし、笑って流そう。
何となく、ツンデレが捨て猫拾った奴を思い出したZE!
そして、デス子は確信犯でやったに100パルマ。

507:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 23:07:06 CHUVahxN
まあたしかにどうでもいいことではあるかもしれんが・・・
だが他の作品のネタならともかく、なのはネタでシンが17だと何か落ち着かないな
ティアより年上ってことになるし
まあ俺は今まで通り16歳シンで脳内補完しとこw

508:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 23:11:17 +TMJ62p5
>>498
シンきめぇwwww

509:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/23 00:32:51 wunZ3/1F
>>508
釘宮病ルイズ型が発病しているからそっとしとけ

510:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/23 00:38:38 Q0vPQrXX
>>481

平行世界観測機のプログラムにフラクタライズエラーが発生しました。
自己畳み込みが急速に進行中。制御不能。制御不能。

スカ「大変なことになってしまった。プログラムが自己増殖しはじめた。」
キャロ「なんですかそれ?」
スカ「平行世界観測機のプラグラムが暴走して勝手に情報を増やしてるのだよ。」

ぴっぴっぴっ…

スカ「……何かに引きずられているみたいだ。
   未知の領域から大量の情報が流れ込んできている。
   いやはや、まさかこんなことがあろうとは。」
エリオ「それで、情報量が増えるとどうなるんですか?」
スカ「うむ、このままでは平行世界観測機の世界はシミュレーションではなくなる。
   そこで起こったことが全部現実の世界に影響するのだよ!」

ティアナ「なっ?!」
なのは「と、いうことは…」
ヴィータ「ま、まさか……」
フェイト「まさか♪」
なのは「ふふ……ふふふふふ」


「「「「「みなぎってきたぁぁぁぁぁぁああああ!!」」」」」


スバル「へぇ、すごいね。」
シン「いや、ちょっとは深刻に受け止めようよ時空管理局。」


ゴメンナサイ、勝手に便乗しました。 元ネタが通じたら奇跡。

511:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/23 02:51:32 +yzqWmMX
>>499GJだ!ここであれのコピペ改変を見れるとは・・・



512:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/23 13:23:24 gdKktVOF
>>510
…ジーンダイバー?


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