08/01/27 23:34:58 x84hvFP+
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「俺は一足先にF-5の駅に行って、周辺を調べておく。お前たちは18:00のモノレールで後から来い」
ドモンがそう言い出したのは、カミナをソファに寝かせてからすぐのことだった。
『しかし、カミナの意見は』
「今は寝てる。起きたら文句は俺に言えとでも伝えとけ」
クロスミラージュの意見をバッサリと切り捨て、ドモンは早々に詰め所の外に向かおうとする。
慌ててクロスミラージュは引き止めようとするが、それよりも早くドモンが口を開いた。
「ティアナとかいう奴がどこにいるか分からない以上、お前の言っていた明智と合流する方が無難だろ?
それに一人でも多くの仲間を集めるために、ここで時間を無駄にするのは惜しい」
『だからといって、一人で行動するのは危険です』
「安心しろ、約束する」
ドモンはカミナがやったように、ビシッと親指を立てて自分の胸を指す。
それを見て、クロスミラージュはドモンを止めることを諦めることにした。
今さらだが、ドモンもカミナと同様に言い出したら聞かないことを確信したからだ。
『ではせめて、その紅い槍を持っていって下さい』
「悪いが、槍よりは拳の方が性に合ってる」
『いえ、武器としてではなく位置確認のためです。
その槍からは非常に高い魔力が感知出来るため、デイパックに入っていないなら私でも感知することができます』
「……なるほど、これが発信機になる訳か。分かった」
納得し、ドモンは壁にかけられた紅い槍を手に取る。
槍を肩に担ぎ、ドアノブを捻って詰め所の外へ出た。
「じゃ、またな」
『御武運を』