07/12/28 23:53:15 F4g+0xeQ
>>10-31
あ~とうとう終わっちゃったか。。。だが100万回GJと言いたい!
正月は暇だから俺ももう一度最初から読んでみるよ
大作お疲れ様でした
40:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 02:30:32 35dBtT3o
作者の自演賞賛レスうぜぇ
↓カナのSSよろ
41:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 04:05:49 xhURW6Q3
作者からすればマジ哀れな奴に見えるんだろうな自演とか言ってる池沼は
42:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 04:08:03 VBeElfW9
後書きキボン
43:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 04:24:38 gRYnENTK
超大作の完成乙。
ところで、ラストはJUM以外の人間の帰還過程も明示的に書いてもらわないと、何か落ち着かず。。。
44:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 14:24:35 35dBtT3o
↓ここからカナのSS
45:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 15:15:12 X22j84Pi
人気最下位のゴミ人形のSSなんかお前以外誰も望んでないよ
46:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 17:48:28 861MPa1J
また金糸雀信者が暴れてるのか…
47:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 18:39:15 35dBtT3o
アンチ必死だな
カナのかわいさに嫉妬してるんですか?www
48:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/29 23:42:53 ij+9nQyN
痛い金糸雀信者に荒らされているスレがあると聞いて飛んできました
49:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 00:13:43 9uq28c6L
このスレに投下が少なくなった理由
×一つの作品がスレを独占状態だから
○みんな金糸雀厨に嫌気がさしたから
50:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 00:28:11 AXm4NXfh
たしかに金糸雀は書きづらくなったな。金糸雀厨のせいかどうかは別にして
正直あんまり長いんでアンチの一人芝居なのか厨の仕業なのかそれとも何か
別の第三の勢力があるのかわかんなくなってきた
まぁ俺の場合最大の理由は単に書けないからなんだけどな
51:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 00:57:14 xhskCrJf
カナのSS書こうと思ってもこういうクズがいるから嫌気がさして書く意欲無くす
いや寧ろカナ信者のフリしたカナアンチでワザと荒らすことで意図的にカナSSを書かせない魂胆なのか
だとしたら見事に術中に嵌ってるな
まあ書いたとしてもこんなのカナじゃねえ 三流クズSS書きがとか文句つけるんだろうな
52:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 02:58:29 ytYQK7Jo
willcomなんか永久規制されたらええねん
53:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 04:27:03 06dCqHBK
ローゼンスレで特に書き込むことがないときに金糸雀の話題出すのはもはや信者とかアンチとか関係なしに挨拶みたいなもんだから
54:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 10:38:36 AXm4NXfh
この際だから確認したいんだが、これは最萌で過剰な宣伝や多重投票等により金糸雀が優勝したために
(この時の経緯を知らないんでこれも実際どうなのか知らんのだが)アンチが粘着してるってことでいいのか?
あるいは最萌というイベント自体にアンチがついてて、この金糸雀の件を材料に最萌の印象を
悪くしようとしているとかそういうことか?
どっちにせよこれだけの長期間粘着できる人間なんて今まで見たこと無いぞ。逆に凄いわ
55:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 13:28:55 ytYQK7Jo
その優勝もローゼン自体のアンチがこういう状況になるのを望んで
多重や宣伝しまくったからって説もある。どっちにしろ最萌が原因なのは間違いないはず。
あまりひどいなら規制依頼出したほうがいい
56:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 18:22:44 8w6eknuX
ここ と この板にあるもうひとつのSSスレ ってどう違うの?
57:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 21:34:01 xTKDvnY3
金糸雀信者が粘着してるかしてないかの違いw
58:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 21:58:40 9jW7o9+o
>>56
向こうはグロや実装石もおkとかじゃなかったかな
まぁ実装は実装スレでやれって感じだが
つーかアンチでも信者でもいいけど、いっそ全部のローゼンスレに居座るくらいの気合が欲しいな
半端なんだよなこいつ
59:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/30 22:03:06 ytYQK7Jo
ほぼすべてのローゼンスレを荒廃させて1月ほど前に規制されたじゃないか
もうあんなのは勘弁
60:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/31 15:39:50 Ps4hwycP
ちょっと豪華な長編SSで胃が重たいから、
次は軽めの明るい話を頼む。
61:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:10:56 2zDZDvVW
━ 強く貴方が望むなら 強く貴方が願うなら 強く貴方が想うなら ━
━ きっと “ それ ” は貴方に答えるでしょう ━
━ 貴方の生を持って 貴方に伝える為の言葉を持って ━
貴方の生を頂きながら
62:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:11:42 2zDZDvVW
「ふぅ・・・」
冬の街の中、ある一人の男が寒そうに背を曲げながら、とぼとぼと歩いている。
その男はついさっき、職を失った。いや、自分から辞めたと言った方が正解だろう。
営業職だった男の仕事は、実際は営業とは言わず、
契約店舗に設置した多数の機器の管理運営や修理、その機器から出る売上の集金や、
売り上げ増進の為の機器入れ替えやメンテナンスと言った雑多な業務を
たった一人でこなす事を強要された、言わば現場の末端に属する、
会社には使い勝手の良い雑務従業員に他ならなかった。
変に生真面目な上に不器用で、手を抜く事をあまり知らないその男は、
いい様に使われ、遂に精神面と体調面にかなりの不調をきたし、自分から退職した訳だった。
そんな経緯の男はふらふらと歩きながら、これから先をどうするか考えていた。
これからどうしようか・・・再就職なんて、俺の歳や学歴ではまともな所なんかありゃしない・・・
ほんの少しの貯えもすぐに使い切ってしまうだろう・・・
某番組みたいに1日1万円生活チャレンジなんてのも、やろうと思えば出来るだろうけど・・・
いや・・・無理だろうな俺には・・・いっそ死んじまいたい・・・ああ、だめだ、そんな度胸すらない・・・
しかし精神と肉体が弱っている男の思考は、負の面にしか向かわなかった。
そのまま公園にたどり着いた男は、水呑場で冬の寒さにキンキンに冷やされた水をグイグイ飲み、
ハァー・・・とため息をついてベンチに腰を下ろす。
ふと、男は思った。
そういえばこんな所、今まで来た事も見た事も無い・・・何処だここ・・・大体どうやって来たんだ・・・
知っている道を歩いていた筈の男が、気が付けば自身が知らない場所に来ている。
職を手放した30半ばの人間がこの歳で迷子だなんて、恥以外の何者でもない。
男は少し焦りながら辺りを見回すと、一軒の店が目に映った。
「DOLL HOUSE・・・」
人形の館?マネキンや蝋人形でも売っているのか?
しかし後に書いてある字は何と書いてあるんだ? “ かい ”と読むのか?
読み書きがそれほど得意ではない男はそう思いながら、その店に足を進めていく。
カラン・・・カラン
男が扉を開けると、来客と帰客を知らせる鈴(りん)がやや濁った音を立てて鳴る。
店内。
そこは男が初めて見る場所・・・いや世界だった。
よくある百貨店やブティックのマネキン人形などとは明らかに一線を画す、
いわゆるアンティークドールと呼ばれる多数の少女人形達が、静かに飾られている。
「西洋人形・・・」
なんでこんな所に入ったのか、男は自分でも良く理解できない上
あまりの存在感を醸し出す人形達の視線を浴び、気味悪ささえ感じた。
しかしどこか人形達の視線は物悲しく、何かを伝えかけようとしている気がして
男にその店から出る事を思いとどまらせる。
63:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:12:27 2zDZDvVW
「いらっしゃいませ」
少しして店の奥から、長身の優男が男を出迎えに来た。
店主なのだろうか、眼鏡をかけ、清潔に髪を整えたその姿は男よりやや背が高く、
切れ長の目を柔和に微笑ませながら、どこか男を値踏みするように挨拶をしてくる。
「皆、主に迎え入れられるべく、愛される為にその時を待っているのですよ」
店主らしき男は、展示されている少女人形の一体を愛しそうにそっと抱き抱えながら
男にその少女人形を抱く様に手渡してくる。
男は少し躊躇しつつも、その人形を店主と同じ様にそっと抱いてみた。
人の幼児ほどの大きさの人形は、自分の胸でまるで安心して眠っている様にすら見える。
暖かさは無い。が、何故か暖かさすら、体温すら感じる。
その上どういう素材で作られているのか、柔らかい弾力が男の腕に伝わってきた。
更に今すぐにでも目を開き、微笑みかけてくる錯覚すら男に伝える。
「どうやら今の貴方は、色々な事で大変お疲れのご様子」
店主は微笑みを絶やさず男に両腕を差し出してくる。
少女人形を返して頂こうと言う意味らしい。
男は少し惜しみを感じつつも、店主に少女人形をそっと抱き渡した。
惜しい・・・?人形に?少女の人形に?俺は少女趣味じゃないぞ・・・
それなのに何で?こんな感情は初めてだ。
男は少女人形を返しながら、自分の内に芽生えた感情に驚いていた。
その様子を店主は見逃さず、口の両端を上げ、男の瞳を見つめつつ問いかけてくる。
「忙しい事が、幸せを掴む絶対の条件だと思いますか?」
「え・・・?」
「文明社会の中では、金銭なくしての生活や幸せは得られません。そうですね?」
「え・・・ええ・・・」
何を言い出すんだこの店主は。
男の疑問は当然だったが、店主はそれに構わず男に問い掛け続ける。
「では心の安らぎや愛情は、貴方の求めに答えてくれる者は、金銭で得られると思いますか?」
「風俗・・・と言いたいんですか?」
「ご冗談を。一時の性の快楽で安らぎや愛しさを、貴方自身は真に得られると?」
「・・・・・・からかっているんですか」
男は少し苛立ち始めた。
飄々としたこの店主に、自分が受け持ってきた営業店舗先のマネージャーのような、
相手を舐めた、自分を馬鹿にした気を感じたからだ。
「いえいえ。ですが貴方の心の内に芽生えた気持ちは偽りだと思いますか?」
「!?・・・」
64:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:15:43 2zDZDvVW
客商売ならある程度相手の心内も読めなければ勤まらないのは
男も良く分かっているが、それにしても気持ち悪いくらいに
この店主は相手の心を透かして見る人間だ。男はそう思う他無かった。
「お客様は、ドールを見初めるのは今まで無かったご様子ですが」
「・・・・・・」
「どうでしょう。この店に御出で下さったのも、きっと縁あっての事」
「・・・・・・」
「お客様自身の少女を、アリスを求められてはいかがでしょう?」
「アリス・・・?」
不思議の国のアリスのことを言っているのか?
タキシードを着た時計を気にするウサギの後を追ってワンダーランドに迷い込んだ、
その少女とここにある少女人形と何の関係があるんだ?
男は少々不審に思ったが、こういう店主の心など、知るだけの努力をした所で
逆に馬鹿にされ適当にあしらわれるのがオチだ。だったらこちらも適当にあしらい無視するしかない。
どうやら自分の言葉に男が付き合うのを止めたと感じた店主は、
その微笑みを少しだけ柔らかいものに変え、礼儀正しく男に薦めの言葉を伝えた。
「どうぞじっくりと御覧なさって下さい。お客様の御眼鏡に叶う少女がおられます事を願っております」
店内の美しい少女人形は、どれも生きているとしか思えない程の存在感だった。
いや、むしろ生きていないのが不思議としか言いようが無い。
大きさや姿に差異はあれど、その全ての少女人形達に生命を感じてしまいそうになる。
そんな少女人形達の中、誰の視界にも入る事すら許されない様に、隅に追いやられ薄くほこりを被った人形があった。
頭から薄汚れたベールの様な布を被せられ、うずくまる様にしているドール。
男はそのベールを取ろうとして、店主の方を見た。
「ええ。お客様が望む物をご覧下さい・・・」
取って良いという事らしい。男はそっとベールを取った。薄く積ったほこりが舞う。
ベールを外された少女人形は、一糸纏わぬ姿だった。
その人以上の美しさと、儚さを漂わせる姿に、男は息を飲む。
「!・・・・・・これも・・・売り物・・・ですよね」
「本来なれば売るに出すものでは有りませんが・・・しかし“ それ ”を見初められるとは」
自身の身体を両腕で抱え込むようにし、両足を重ねて座り目を瞑った美しい顔の少女。
店内に入る薄明るい光を反射し、鮮やかに切りそろえられた銀色にすら見えるパールがかった、白い長髪。
「“ それ ”はイミテーションではありますが、宜しいので・・・?」
「イミテーション?贋作?・・・これが?」
「人形師には師がおりました。それは師が創り出した作品を超えるべく、造り上げられた作品の一つ。
師のドールは途中で放棄され、完成させられることすら叶いませんでした。
ですが人形師は師を超える為、師が完成させなかったドールを寸分違わぬまでに模して、完成させました」
「・・・それが何でこんな扱いを?」
「目覚めなかったからです」
「?目覚めなかった?」
65:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:17:23 2zDZDvVW
この店主はまた判らないことを言う。
じゃあ生きて目を開けるとでも言いたいのか、人形が。
男は言葉に出したかったが、そのまま店主の言葉を聞く事にした。
「そして二体目を模し、三体目を模し、四体目、五体目、六体目。
どれも師には追い付けず、またどれも師には近づけませんでした」
「じゃあこの人形以外にもまだ同じ様なものが他にあると・・・?」
「いいえ。“ それ ”を残し、後はすべて人形師が壊しました」
「・・・どうして・・・と・・・聞いてもいいのかな?」
「“ それ ”が、もっとも可能性を秘め、また、残していたからです」
「・・・生きて動き出す可能性を・・・とでも捉えればいいんですか?・・・」
「信じるか信じないか、“ それ ”を私が決定付ける事自体愚かしいとは思いませんか」
「・・・一々癇に障る言い方をされますね・・・」
「これは失礼を。しかし、人形師は七体目にして遂に師を超えようとする人形を創り上げ、生み出せました。
ですから、もはや“ それ ”は不要の人形。
お客様が“ それ ”をお求め下さると仰るのでしたら、私共としましても喜ばしい限りです」
七体目?生み出せた?いい加減にしてくれ。
自分だけが理解してる道程を掻い摘んで他人に一方的に聞かせる様な人間には、ろくなのは居ない。
しかし・・・この人形だけは妙に気にかかる。どれくらいの値段がするのか知らないが、
聞いてみるだけなら金を取られる事などありはしないだろう。
男はそう思い、店主とは目をあわさず、ボソッと呟くように聞いてみた。
「・・・幾らするんですか」
「置いていてもいずれは破棄するだけの存在ですので・・・70万では如何でしょうか」
「なっ?!ななじゅう万??」
じょ、冗談じゃない!俺の貰っていた給料の3月分か、それより上じゃないか!・・・
普段ならこんなキャッチセールス以下の暴利品など、
一喝してその場から立ち去るくらいの気概は持っていた男だったが、それでも“ それ ”には
言い値だけの、いや、それ以上の価値があっても不思議ではないと、男は思った。
当然ながら持ち合わせなど無い。だが、なけなしの貯金を切り崩せば払えない額ではない。
しかしそうしてしまうと、数ヶ月もせずに自身が路頭に迷うのは目に見えていた。
「・・・・・・・・・・・・」
「ではこうしましょう。価値というものは確かに人が決める物ではあります。
お客様がここに御出で下さった出会いもまた私共にとっては価値。その価値と、
私共が“ それ ”に見定めた価値を差し引いて、30万落とさせて頂きましょう。如何でしょうか」
「・・・・・・この近くにATMはありますか・・・」
もう、男の心は、銀色がかった白髪の“ それ ”に魅絡められていた。
・
・
・
・
・
・
66:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:18:33 2zDZDvVW
「大事になさって下さい」
「・・・ええ。こんな豪華な鞄とドレスまで付けて頂いて有り難うございます」
「そのままの姿の“ それ ”を、お客様がご自宅まで連れ帰られるには世間は厳しいですので」
もっともな話だ。裸体の人間の少女にしか見えない人形を抱いて歩いていれば、
変質者として通報されるのがオチだろう。
「そうそう、言い忘れていました。“ それ ”には名前がありまして」
「名前?」
「ええ、名前です。“ それ ”の名は、MercuryLamp」
「マーキュリー ランプ・・・・・・水?電灯?」
店主は、知識の乏しい男の気持ちを害することなく微笑んで、柔らかく伝え直した。
「MercuryLamp、すいぎんとう、と、呼んでやって下さい。字で書くとこうなります」
店主はウェイターに似た服装のポケットからメモと万年筆を取り出し、
鮮やかな字でその名前を書いて男に手渡した。
“ 水銀灯 ”
「水銀灯・・・灯って街燈の燈じゃなくて?」
「“ それ ”はイミテーションですので、“自ら光る事”は叶わないのです。
“誰かに灯してもらう”のが関の山。それを人形師は気づいてしまったのです」
「・・・それであの姿で放置ですか・・・」
「そうです。では私からお客様へもう一つ。光を閉ざすのは闇。闇から産まれ出でるのは光。
白の装束を纏った“ それ ”は、今だ闇の中で彷徨い続けているでしょう。
いえ、白き肌が故に、白き頭髪が故に、闇のままの心は光に塗り篭められたままなのかも知れません」
まったく・・・
意図不明な店主の言葉には、もはや苦笑しか沸いてこない男だった。
店主はそんな男の顔に、少しゾクッとするような笑みを見せ言葉を続ける。
「ですが、強く貴方が望むなら、強く貴方が願うなら、強く貴方が想うなら・・・
きっと “ それ ” は貴方に答えるでしょう・・・
貴方の生を持って、貴方に伝える為の言葉を持って・・・」
「そ、・・・そうですか・・・ま、まぁ・・・大事にしますよ・・・安くはない買い物でしたからね・・・」
さすがに最後の言葉に嫌なモノを感じた男は、軽く会釈だけをして足早にその店から立ち去っていった。
店主に教えてもらった、自分の知っている駅のある道を辿りながら。
その背中には届いてはいなかっただろう。店主の最後のこんな言葉など。
・・・貴方の生を頂きながら・・・
67:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 02:20:36 2zDZDvVW
続きは書き溜めれた時に
68:ピチカー党員 ◆7gMVTXcVsA
08/01/01 08:03:51 GKlUp5Ii
俺もカナのSS見たいな(荒らしじゃないよ)
69:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 08:41:34 zX01i7Cp
文章うまいな。お年玉かこれは
70:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 18:31:55 CyYC/QvT
↓そろそろカナのSSが始まりそうな予感
71:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 20:35:31 /VwtRvxv
キム信者死ね
72:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/01 21:22:07 O2fdjx8D
新年早々自演荒らしとは…一度脳みそくりぬいて診てもらった方がいいんじゃないか?
73:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/02 21:46:18 S5bOgsJW
一昨年くらいから長編書いてるけど全然完成しねー
はじめは勢いよく書けたんだけど途中で詰まってしまった
書けない時は書けてる分の推敲するとか音楽かけるとか逆に耳栓するとか
自分なりにいろいろやってみるんだけど、それも去年の頭くらいから効かなくなった
書ける人ってなんであんなに書けるんだ?
74:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/03 15:49:07 M9Mh0lFP
書けないものは諦めて
新しい話を始めるが吉
75:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/03 20:45:48 JhAULg5Y
最初は好調、途中から詰まる。
RPGツクール思い出した。
76:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 00:46:31 BW+i+YLz
>>61
俺も今年の4月から無職になるので主人公の男に親近感を覚えた。
続き期待してます
77:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 22:08:40 UWD/ShEU
━ 扉とは 隔たる事を生み出す物です ━
━ 開く術(すべ)は容易くもあり また難在りき処 ━
━ 鍵とは 隔たる事に力を与える術(すべ)です ━
━ では その鍵を解く術(すべ)は 鍵を回す術(すべ)は ━
鍵は廻り始めました
貴方の生のほころびで
貴方の想いのまばゆさで
78:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 22:14:22 UWD/ShEU
あれから数日が過ぎた。
「ただいま・・・」
誰もいないアパートのドアが開き、生気を欠いた声が入り口から部屋に伝わる。
靴を脱ぎ、少し苦しそうに息を吐きながら男は思った。
やっぱり体の調子がおかしい。人込みの中に入るだけで動悸が激しくなって息が苦しい。
食材を買いに行くだけでこの調子だ・・・タバコを吸ってるからだとか、そういう問題じゃない。
微熱も続いているし、めまいもする・・・やっぱり今までの仕事や人間関係のストレスからなのか。
こんな調子じゃ仕事を探せても、まともに働けない・・・・・・今は精神や肉体を回復させるのが第一だ。
そう思いながら、男は手に提げたスーパーのビニール袋を
小さな折り畳みテーブルの上に置くと、ベッドの横に置かれた鞄に向かう。
その大変豪華かつアンティークな作りの鞄は、あの店から買ったドールを仕舞っている物だった。
男は鞄をまるで壊れ物を扱うように、愛しい異性の頬を優しく撫でるようにしながら、そっと開ける。
「帰ってきたよ・・・水銀灯」
水銀灯。
その纏い(まとい)はゴシック調と例えればよいのだろうか。
鞄の中には鮮やかな白のドレスを纏い、滑らかな白のブーツを履いたあの少女人形が、
自らの身体を抱えるようにして横になって眠っていた。
銀を蓄えるような長く伸びた白髪。羽根のように分割されたスカートには黒い逆十字の模様。
ドレスの下から覗かせ鮮やかな光を反射する下着。
そして見る者を魔性の如く魅了する、目を閉じた美しい少女の顔。
人間で言うなら十四 五歳の少女の姿を、四 五歳の少女程に縮尺した大きさ。
妖かしの精と書いて妖精と言う言葉は、この少女人形にこそ、相応しい例えなのかも知れない。
男は、自分の瞳や意識が水銀灯の身体や顔に吸い込まれてゆく錯覚を覚え、軽く頭を振った。
「きょ・・・今日こそはお前・・・いや、君を・・・」
そう言いながら男は流し台に向かい、丁寧に丁寧に両手を洗う。
男はあの日から、この少女人形に触れてはいなかった。
自分が触れる事でこの少女を汚してしまうのではないか。そう思っていたからだ。
眺めているだけでも十分満足だったし、眺める事でひび割れた心が癒される感じがした。
だが、これは自分が大枚はたいて買った物だ。そう「 物 」なんだ。
触れて手に取らずに眺めるだけで、所有欲を満たす為だけに、何十万も無駄にしたのか?
自分の好きな様にしなくてどうする。見ただろうあのエロチシズムな肢体を。
また見たくは無いのか?触りたくは無いのか?
違う。そんな事をする為に買ったんじゃないだろう!
いや、確かに触りたい、抱きしめてみたい。だけど、もっと違う何か、上手くいえないが、
吸い寄せられる、疲れた今の俺に何かを感じさせてくれる、そんな引力があったからだろう!
そんなことを自問自答しながら、今日まで数日触れることすら自重してきた。
しかしそれももう限界だった。
79:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 22:18:06 UWD/ShEU
「・・・・・・」
入念に手を洗い終えた男は、やはり入念にタオルで手を拭き終え、
そのタオルで服の埃を静かに払ってから、少女人形が眠る鞄の前に座った。
「水銀灯・・・お前を抱かせてくれ・・・」
そう言いながら男はそっと、そっと少女人形に触れた。
その指先は躊躇しながらも少しづつ、少しづつ、その鮮やかなドレスの素材に吸い込まれてゆく。
そして少女の柔らかい弾力が、男の指先に伝わりだした。
あの店で抱いた少女人形と同じ感触、いやそれ以上に「 人 」に触れるような感触。
風俗すら数えるほどしか行けなかった経験の少ない男には、まるで本物の女性に触れているような感触。
まるで本物の少女に触れているような、罪を犯すような背徳の感触。
躊躇するな、たかが人形じゃないか。これは俺のものだ、そうだ、俺の「 物 」なんだ。
人の少女を「 抱く 」訳じゃない。何も罪を犯すわけじゃない。
ただの人形を腕に「 抱く 」だけじゃないか。
今更童貞じゃあるまいし、何をそんなに、何をこんな人形にどぎまぎしてるんだ。
そう自分に言い訳をしながらも、男は自身の胸の鼓動が高鳴り、
顔が高潮するのを感じて仕方が無かった。
男は少女人形の両足と身体に両手を入れ、優しく、そっと抱き上げた。
銀を纏う白髪がさらりとこぼれ、えもいわれぬ芳香と柔らかい弾力が、
男の心を突き抜けてゆくと同時に、 かくっ と少女人形の首が仰向けにしなだれる。
「あっ!」
いけない!何故か男はそう思い、膝を立てながら急いで少女人形の身体を胸に抱き、
もう片方の手でしな垂れた頭を包み込んだ。
「・・・水銀灯・・・」
男の胸の中には少女人形・・・水銀灯が文字通り抱かれている。
瞳を閉じ、身の全てを男に委ねるように、眠り姫の如く抱かれている。
愛しいとはこういう事を言うものなのかと、男は水銀灯の顔を見つめながらそう思った。
誰の目にも触れさせたくない。何者からも守ってやりたい。
もしかするとこれが父親の気持ちと言うものなのか。
そう思う男を何故か言いようのない気だるさが襲ったが、それを覆い隠す満足感で心は満たされつつあった。
ふと、男の心に疑問符が浮かぶ。何故この少女人形は、水銀灯は目を瞑ったままなのだろうと。
あの店にも目を瞑ったドールは確かに何体かはあった。しかしそれらは、
身体を起こせば目を開かせたり動かせたりする、スリーピングアイやフラーティングアイとか呼ばれる物だった筈。
何故目を開かないんだろうか。壊れているとも思えないし思いたくも無い。開かないんだったら触って開かせてみるか?
・・・・・・止めよう。傷付けでもしたら台無しになるしそれに・・・・・・まぁいい。
80:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 22:20:16 UWD/ShEU
そんな自問自答を男はしつつ、胸に抱いた水銀灯を見つめながら心で語りかけていた。
( お前の目は・・・一体何色なんだい・・・水銀灯 )
長くゾクっとするような魅惑の睫毛に覆われた瞼は、
本来開かせるべき少女人形の瞳を覆い隠したままで何の変化も無い。
本来なら光を受け取り鮮やかな彩光を見せるべき瞳は、闇の中に埋もれたまま。
「・・・お前の身体も、柔らかいんだね。とても・・・とても綺麗だよ、水銀灯・・・」
そっと、優しく、包み込むように、自分の娘を胸に抱くように、男は目を瞑りながら
少女人形を・・・水銀灯を抱きしめる。
男の言葉に埋もれながら、男の身体に包まれながら、少女人形は揺られている。
ピチャッ・・・ ポチャン・・・
流し台の蛇口から落ちる水の滴りが、水を蓄えたままの食器に幾度と波紋を創る。
その緩やかで小さな音が、この水銀灯の鼓動のように感じられて
狂おしいほどの愛おしさが男の胸に響き渡った。
━ 愛すればいい・・・父親のように ━
ただ抱かれる為だけに費やされた時間なのに、異常なほどに時は喰らわれ、
闇が、冬の空を支配していた光をあっという間に喰らい尽くしていった。
僅かに響いた幻聴を、男の耳に残しながら・・・
鍵は廻り始めました
貴方の生のほころびで
貴方の想いのまばゆさで
81:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 22:23:53 UWD/ShEU
スーパードルフィー水銀燈の画像にドキドキ。
続きはまた次回
82:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/04 23:55:35 N9xW/CP0
うまいなぁ。そういや前にもオリキャラ書いてる人何人かいたよな。あれ続きもうないのか?
83:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 20:19:25 YZvHzNbo
昔のやつはもうどんな話かも忘れたがな
84:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 21:22:16 dip2zQ6b
ジャンクの話なんかもういいから早くローゼンメイデン一かわいいカナのSSを書くのかしらー
85:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 21:31:16 TnHK2Agl
自演がばれたからってこっちに来るなwww
86:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:12:45 ZgR087PX
━ 闇から産まれ出でるのは光 その色は眩き白色 ━
━ 安息と回帰 生誕の前 その景色は皆 闇の色 ━
━ 始まりの色 終わりの色 互いに表裏一体の色 ━
━ 瞳の闇に映るのは 貴方という光を持つ命の色 ━
蘇は贋作 なれど 貴方の想いで 真作へと換わるでしょう
87:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:14:10 ZgR087PX
「お気に召してくださいましたか、“ あれ ”は」
男は再度あの店に顔を出していた。その顔は以前よりもやつれている様に見える。
来店するつもりは無かったが、想いを込めて何度か水銀灯を抱いた際に
手入れの方法などを聞いていなかった事に気付き、こうして足を運んできた訳であった。
「ええ・・・不思議ですね、あの人形は。本物の少女が、ただ眠っているとしか思えないです」
相変わらず、人の心内を除くような笑みを見せる店主の言葉に
男はごく素直に答え、その心内を言葉にしていた。
店主は ほう と言うように柔らかに眉を上げ、男の言葉に答える。
「そう仰って頂けると、見初めていただいた“ あれ ”も喜びましょう」
男はその言葉を聞きながら、店内に鎮座する多数の少女人形達に目を這わせる。
ここにあるドール全てには、えもいわれぬ不思議な魅力がある。
しかし、あの水銀灯のような魔性の魅力を持った少女人形は、他には無いかもしれない。
もしかすると店に出ていないだけで有るのかも知れないが、多分、もう売りには出ないだろう。
偶然とは言え、自分が手に出来たあの水銀灯は、やはり相当な物なのだろう。
そう思いながら男は、店主にここに来た用件を伝えようと口を開いた。
「その事で少し聞きたい事が。手入れの仕方や、必要な用具を教えてもらいたいんですが」
店主はその男の言葉に、笑みを絶やさず答える。
「確かに手入れは必要です。ここに展示してあるようなドール達であれば」
店主の言葉は続く。
「しかし“ あれ ”は贋作なれど、真作の第五と同じく、オリジナルと同じく、“ 時 ”を巻く事が出来ます」
「は? 時をまく?・・・」
またか。
この店主は他人が相手の事情を知っていると仮定した上で、勝手な物事を喋る。
「目覚めれば手入れなどは不要のもの。お客様、“ あれ ”にどのような想いを込められましたか」
「目覚めるって・・・やっぱり目は開くんですか、あの水銀灯は」
「どうやら、まだのご様子。ですがご心配なく、お客様は既に“ あれ ”を名前で呼んでいらっしゃる」
「・・・・・・意味が・・・わ・・・」
意味が判らないと、そう言おうとした時、急に自分の胸が鼓動を激しく打ち出し、
立っていられないほどの息苦しさとめまいを感じて、男は思わず店主にもたれかかってしまった。
店主はまるでそれを予期していたかのように、男を受け止め肩を貸しながら、
ロッキングチェアーに座っていた少女人形を棚に移動させつつ、
その空いたロッキングチェアーに男を静かに座らせてあげた。
男の動悸と息苦しさが徐々に納まりだすと、店主はどこから取り出したのか
水の入ったグラスを男に手渡し、飲む様に勧めた。
店主に笑顔は無く、そのかわりやや物悲しい顔を携えながら男にこう言った。
88:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:16:20 ZgR087PX
「目覚めには苦しさが伴うものです。貴方が“ あれ ”に目覚めを欲するならば、それは必然」
何を言っているんだ。しかし息苦しさはまだ収まらず、男はそれを言葉に出せない。
「見る限り、確かにお客様の想いは通じておられるでしょう」
男の息が整いだしたが、吐き気を伴うめまい感はまだ収まらず、
店主の言葉を聞くに留まるしかなかった。店主の言葉は続く。
「真作は放棄されました。しかし自らの“ 想い ”で命を掴み取り、目覚めました。
ですが人形師の造り出した“ あれ ”は、贋作。“ 想い ”は燈りませんでした。
真作は師が創り出し生み出しましたが、人形師は模し造り出したに過ぎなかったのです。
自らが無から創り上げ生み出したものでなくては、目覚めは促されなかったのです。
人形師が思いを込めても、創造の知と労が調和をし育まれなければ、目覚めないと判ったのです」
男の動悸は治まったが、今度は意識が薄れだしてきた。
「しかし想いを込め、目覚めを促す事が出来るのが第三の立場なら、
一心の愛を一身に注ぐ事が可能であるならば、
マスター足りえる方であるならば、“ あれ ”は遠からず、確実にお客様に答えるでしょう。
人形とは“ 人 ”を模した物。想いの強さと愛情は、無を有に変え、器に魂を呼び、
やがては“ 人 ”を模した者になるのです」
そこで店主はやや間を置いて、今までの話と関連が無い、
意味をなさないとしか思えない様な言葉を話し出す。
「闇から産まれ出でるのは光、その色は眩き白色。安息と回帰、生誕の前、その景色は皆闇の色。
始まりの色、終わりの色、互いに表裏一体の色。瞳の闇に映るのは、貴方という光を持つ命の色」
視界がクリアーになり始め、自分の意識が遠退くのを感じると同時に、
店主の声が遠くから聞こえ出し、本来の自分の意識が、自身の内に篭り始めるのを男は感じつつあった。
「さあ、本日はこれにて閉店の幕となりました。どうかお気をつけてお帰り下さいませ。
また御出で下さる事がありますように、私から言葉をお送り致しましょう」
男の意識は深遠の闇に、甘美なる香と感覚を伴って、落ちようとしていた。
遠くから、遠くから響くように聞こえる、店主の言葉を伴って。
・・・蘇は贋作 なれど 貴方の想いで 真作へと換わるでしょう・・・
89:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:23:12 ZgR087PX
━ わたしは 闇から産まれました ━
━ あなたが 愛をくれたから ━
━ あなたが 想いをくれたから ━
わたしを 愛してくれますか
90:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:24:22 ZgR087PX
“機械の入れ替え、ちゃんとしてもらわないと困るんだよね”
(ですから、無理だとFAXや口頭の事前連絡でお伝えした筈です)
“売り上げが上がらないとあなたも困るでしょう”
(上部からの除却指示ですので、私には権限はありません・・・)
“この両替機、急に硬貨が通らなくなったんだよ!どう責任取る気?”
(・・・投入ガイドの底板が無くなっておりますが・・・どなたか取り外されましたか・・・?)
“じゃあ部品発注で早く直せよ!”
((こっちが設置した両替機の部品を故意に紛失させておいて・・・ふざけるな・・・))
“それじゃあ何か!うちの従業員が意図的に備品を取ったと言いたいのか!?”
(ですから、どういった理由で取り外されておられたのかお教え願いたいと言っているだけで))
“機械の位置さぁ元に戻してくんない”
((何回目だ、大概にしろ・・・ワックス移動で勝手に設置場所動かすんなら、自分達で直せ・・・))
“あ、その日応援に行ってくれ。お前の集金や機器入替はずらせばいいよ”
((・・・もう何十回目だ、こっちの仕事には一切の応援や支援は回さずに・・・))
“おかしいだろお前。何でそれお前に引継ぎされてないの”
(いや、では何故引継ぎ事項すら、部署移動の連絡すら自分に通達が無いんですか)
“あー お前の事は信用しないからそのつもりで”
((ふざけるな・・・着任早々顔も出さずに電話でそれか・・・俺の仕事も見ないで何が判る・・・))
あれは? これは? それは? 早く! まだか! なんだこれは!
応援宜しく!なに言ってんの?なんであんたを手伝わなきゃいけないの?
いやいや手伝ってもらわないと困りますよ!体調が悪い?別にあんただけじゃないだろ?
一人?気楽でいいよねなんでも自由に出来てさ!天国だよね!わはははは!
応援が欲しい?何甘えてんの?そんなのはどうでもいいから機器修理の応援に来い!
・・・・・・いい加減にしてくれ、いい加減にしてくれ、いい加減にしてくれ!!
「 ! っ・・・はぁ はぁ はぁ はぁ・・・・・・ぅっ・・・うぅっ・・・う」
91:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:26:28 ZgR087PX
夜中。
閉じたカーテンの隙間から、月の光が僅かに入り込み、部屋に灯りを与えていた。
男は目を覚まし、上体を起しながら両手で顔を覆う。
鼓動は激しく打ち続け治まる様子は無い上に、寝汗で身体と寝間着は湿っている。
辞めた筈の仕事に、人間に、いまだ追い詰められている自分が情けなくなり、
男はつい嗚咽を漏らした。
もういい、もういいんだ。俺は俺なりに仕事を頑張ってきた。
ほんの少数だけどちゃんと俺の仕事振りを認めてくれた人もいたじゃないか。
こんな事ばかりじゃない、きっとこんな事ばかりじゃないんだ。
それに今の俺は一人じゃない・・・一人じゃないんだ。
水銀灯・・・
男は目の端に滲んだ涙を両手で拭い、少女人形の眠るトランクを見つめる。
何日か前。あの店から戻ってきた男は、あの日の記憶が殆ど思い出せないでいた。
どう戻ってきたのか、気が付くと自身のアパートの前に居た始末だった。
ただうっすらと覚えているのは、あの店主の言葉。
“ 瞳の闇に映るのは、貴方という光を持つ命の色 ”
男にとってそんな言葉はどうでも良かった。
今は水銀灯の顔を見たい。その頬をそっと撫でてやりたい。その髪をとかしてやりたい。
子猫を抱くように、そっと抱いて可愛がってやりたい。
いや実は慰めて貰いたいのかもしれない。
何も映さない目に、何も物を言わない唇に、偽りの少女に、母性を感じたいのかもしれない。
悪い夢から目覚めた今の男は、少女人形に会いたくて仕方が無かった。
男は部屋の明かりをつけようとするが、パチパチと音がするだけで明かりはつかない。
蛍光灯が切れたのだろうか。予備はあった筈だから昼間にまた換えよう。
そう男は思いながら少女人形・・・水銀灯の眠るトランクをそっと開け、
いつもの様に水銀灯をそっと抱き抱えると、
酒に酔うような気だるい感覚や、甘美な安息の感覚が男の心を包む。
男は小さな声で愛しそうに水銀灯に語る。
「水銀灯・・・ごめんな、情けない男で」
水銀灯は何も語らない。何も見えない。何も動かない。
しかし聞く事は出来る。感じる事は出来る。男の心を。優しさと悲しさを。やるせなさを。切なさを。
「ああ・・・ほんとごめん、こんな寝間着のままで。でも手は綺麗に拭いてるから・・・はは」
何を弁解してるんだろうか。何も喋らないこの少女に。
男は自分を滑稽だと思い、思わず小さな笑いを漏らした。
優しく、優しく水銀灯の頭を撫で、頬を撫で、
そっと指先で蕾のような紅色の唇をなぞりながら、男は水銀灯を柔らかく部屋に座らせる。
「・・・本当に綺麗だよ、愛らしいよお前は。・・・もし、許してもらえるなら・・・」
膝を出して、目を瞑ったまま座る水銀灯の前に、男はそっと手をつく。
92:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:27:44 ZgR087PX
「こんな情けない俺の・・・甘えを聞いてもらいたいんだ・・・いいよ・・・な?」
そう言って男はそのまま寝そべり、
水銀灯の膝に頭を預けながらその小さな細い腰に手を添える。
それは膝枕だった。男は少女人形に膝枕を求め実践した。
他人が見たら明らかに引いてしまうだろうその行為。
しかし男にはどうでもよかった。
偽りでもいい。異常と呼ばれても構わない。
この柔らかさと、ほのかな芳香に、少女と、少女の持つ母性を感じて、癒されたかった。
男は目を瞑る。
昔に感じた、子供の時に感じた母への安らぎと香りが、暖かさが、感じられる気がした。
ふいに男の瞼越しに、淡い光が反射したと同時に、
頭をくらりとさせるような感覚と、ほのかな甘さを漂わせる何かが顔にかかる。
何だ?男はそう思って目を開ける。
「!? ぅううわわわわ!??!」
それは水銀灯の瞳に月の光が反射して起きたものであり、
顔にかかったのは、銀色を内に秘める水銀灯の鮮やかな白髪であった。
男の頭は思わず水銀灯の膝からずり落ち、そのままワタワタと後ずさりをした。
ど、どういう事だ、唐突に目が開いてるなんて?しかも顔がこっちを覗き込んでいたぞ?
男は唾を飲み込みながら、伏せたままの顔を、身体を、少しづつ上げていく。
視界に入るのは水銀灯の姿。月の灯りを纏い、首を傾けぎこちなく立ち上がる水銀灯の姿。
「!!なあっ?!あ・・・ぁゎわ・・・わわわ・・・・・・」
声にならない男の声と同時に、水銀灯は崩れ落ちた。
しかし、そのまま這いずる様に、水銀灯は男の元へ向かう。
恐怖。畏怖。
人で有るまじき「 物 」が、「 人 」と同じ姿を持って自分の元に這いずり寄って来る。
男の身体は振るえ、硬直し、動く事が出来なかった。
しかしその目だけは目の前に起きている現実を、水銀灯の姿を克明に捉えていた。
無表情の顔。人ではない美。
開く事が無かった人形の瞳は今はっきりと開き、男の姿を、顔を映し出している。
男の心が恐怖で張り裂けそうになったその時。
目の前の人形の顔が変わった。悲しさを湛え、今にも泣き出しそうな顔に。
美しい少女の、人間の少女の顔に。
その瞬間全ての恐怖は掻き消え、男の身体は水銀灯を抱きしめていた。
小さな少女の身体は震えている。確かな命を持っている。
男は確かに感じた。今自分の胸の内で息吹く存在の温かさを。
そしてあの日思い出せなかった店での記憶が、言葉が男の脳裏に思い出てくる。
生きている、生きているんだ、この少女人形は。本当に生きているんだ。
あの店主の言っていた意味は、こういう事だったのか。
93:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:29:47 ZgR087PX
少女の顔が不意に男の顔を見上げ、
美しく薄い赤を携えた紫の瞳で男を見つめながら、紅を含ませた艶やかな唇が動く。
声は無い。
だが、脳裏には、心にははっきりと響く。
小さく、泣くようなその言葉。
わたしを 愛してくれますか
男の目に涙が滲み、荒み退廃した心に明かりが灯る。
ああ、これは夢なのか。
夢なら、夢なら醒めないでくれ。
この夢をずっと手元に出来るなら、これを本物に出来るなら、俺はもう何も要らない。
「水銀灯・・・俺の所に来て・・・くれたんだね・・・・・・」
男の小さな言葉に答える様に、水銀灯の細い腕がぎこちなく動き、
その細く、美しく、小さな指先でそっと男の目から零れようとしていた涙をすくい取った。
泣き笑う様なか弱い水銀灯の笑みが、僅かに差し込む月明かりに照らされ男の瞳に写り込んだ。
男は願う。この夢が永遠に醒めない様にと。そして男の意識は闇へと浮かび上がっていった。
愛しい生きた少女人形を。水銀灯を抱いたまま。
━ 強く貴方が望むなら 強く貴方が願うなら 強く貴方が想うなら ━
━ きっと “ それ ” は貴方に答えるでしょう ━
━ 貴方の生を持って 貴方に伝える為の言葉を持って ━
貴方の生を頂きながら
94:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:33:40 ZgR087PX
まだ続きます、すいません
95:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:35:32 inuxponP
リアルタイムで見てた。うまいなしかし
96:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/06 23:38:14 TnHK2Agl
いくらでも続いてくれ、いつまでも待ってるぜ
97:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/07 01:16:42 RBSDRY0p
>>73
今更だが自分の最も好きな曲効きながら原作なりアニメを見直すと構想が浮かぶかもしれん。
敢えて洋楽聴きながらがおすすめかも?かなり個人的な推奨だがThe Doorsの曲なんかまじで頭にイメージ浮かんでくる。
てか、なんか前スレに3rdアルバムの love street の歌詞書き込んでいる人がいてびびったんだが
98:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/07 01:24:54 4DfMEFuJ
乙
99:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/07 01:49:04 VUNCl+N5
とりあえずageてみるか
100:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 10:00:41 5a+6+6FI
>>32,35,38,40,68,70
カナのSSを待ってる人がこんなにいるのに
それを無視してまた別のSS始めてるのか
結局このスレの連中も金糸雀アンチと同じだな
101:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 11:37:31 JQQ4jauM
カナかわいいよカナ
102:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/08 19:27:36 IUlo7VH7
キム信者はいい加減糞キムが嫌われてることに気づけよwwww
人気最下位(笑)
コミケでも一人だけタオル売れ残り(笑)
こんなゴミのSSなんか誰も書かんわwwwwwwwwwwwwwwww
103:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 00:50:21 b3T3juDg
━ ともし火は ともりました ━
━ 燈は消えています 灯は灯りました ━
━ 許されるのは 唯一つのともし火 ━
これを本物に出来るなら
俺はもう何も要らない
104:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 09:09:50 PuE1CZoY
↑中二臭くて見てらんない。もう書くの止めたら?
↓ここからカナのSS
105:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:48:01 tUN1wMqs
投下も書き込みも出来ない?
106:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 10:50:21 tUN1wMqs
書き込みは出来るのになぁ
107:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 22:58:13 5YJKY1S4
やっぱり>>103は正規の続きか?エロパロでは一行目開けるとはじかれてるみたいだが
>>103はどういう理由で書き込めないのかわからんな。とりあえず俺もテスト
108:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:24:40 /DwJE6QM
闇を漂う意識が現世という次元に引き戻され、男は目を覚ました。
小さな少女人形、水銀灯の膝枕の元で。
ぼんやりとした意識の中。
あれは、あの光景と身体に感じた感触は幻だったのかと男は疑う。
そう思うのか?
目覚めた意識が遠くから男自身に声をかける。
男の後頭部に感じる柔らかな感触。
頬に感じる、ややもすると幼子よりも小さな手の感覚。
鼻腔に届くかすかに甘い草花のような芳香。
男の瞳を見つめオドオドとした笑みを見せる美しい少女の小さな顔。
やや遠慮がちに男を覗き込む少女の瞳。
命のともし火を輝かせる、水銀灯の鮮やかな白髪が男の顔にかかり、
心を暖かくするような優しい香りが、男の意識を確実なものへと引き戻す。
「・・・夢じゃなかったんだな・・・・・・水銀灯」
首をかしげるように見せていた弱々しい笑みを、水銀灯は安堵の笑みに変えた。
それを見た男も、父親が娘に見せるような笑みを水銀灯に返す。
と、同時にはっとして、小さな水銀灯の膝枕からゆっくりと自分の頭をはずした。
そのままそっと上体を起し、膝枕のまま女性座りをした水銀灯を見つめ、男は思った。
自分の身体の半分程の、この少女人形に、
命を持ってくれた少女に、俺は膝枕をしてもらって寝ていたのか・・・
あれ?でも確か俺は水銀灯を抱きしめてそれから・・・
そこから覚えていない。しかしそれまでの出来事は確実に覚えている。
そういや、俺が抱きしめたままだったもんな。そりゃ苦しいし男臭いから俺から離れるよな。
でも確かにこれは夢じゃない。あの店主の不可解な言葉の意味はこういう事を知らしていたんだ。
ああ・・・しかし可愛いなぁ・・・本当に綺麗だなぁ・・・・・・
まてよ・・・でもこうして膝枕をしてくれていたって事は・・・
水銀灯はきょとんとしながら不思議そうに男の顔を見つめている。
身体が小さいだけで、どこからどう見ても美しく愛くるしい人間の少女だ。
男も水銀灯を不思議そうに見つめている。
こちらは無精ひげが生えた、ややむさ苦しい寝起きの顔をした30半ばの中年だ。
「!すっすすすいぎんとう!」
男は顔を赤らめ素っ頓狂な声を出す。水銀灯はその声にビクッと身体を震わせた。
「おおおお、俺の顔、寝顔ずっと・・・み、見てた・・・のか?」
━ え?・・・あ あの・・・その・・・ ━
言葉は無かったが、まるでそう言っているかのように
水銀灯は柔らかく握った片手を自分の口に添え、目を宙に泳がせている。
その顔に、頬に、うっすらと紅がさす。
109:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:28:45 /DwJE6QM
「うわーーーーーーー!!!」
その声に水銀灯の身体が再びビクンッ!!と震え、
男はそれに気付かず顔を真っ赤にしながら急いで洗面所に向かった。
洗面所ではジャージャージャブジャブと水音が聞こえ、その後にガーガーガリガリと機械音も聞こえた。
その間、水銀灯は子猫のようにきょとんとしたままだった。
・
・
・
「・・・水銀灯・・・えっと・・・俺の事が判る・・・よな?」
顔を洗い綺麗に無精ひげを剃り終えた男は、改めて水銀灯の前に座って優しく話しかけた。
昨日までは美しい人形だった少女。
今日からは命を持った、人間としか思えない小さな美しい少女。
( はい ゆうべは驚かせてしまって ごめんなさい )
小さく艶やかな紅色の唇が柔らかく動き、男にそう伝えるが、やっぱり声は無かった。
しかし男にははっきりと聞こえる。
弱々しいが、透き通った声が、耳からではなく頭の中から。
「うわ・・・なんか照れるな・・・っくし!はっくしょん!」
( ?どう したんですか )
どうやら男は風邪を引いたらしい。
冬の、気温が下がった部屋で、
何も羽織らずに少女の膝枕で夜を明かしていたのだから、当然と言えば当然だった。
今の内ならバスタブに湯をはわして身体を温めれば、悪くなる事も無いだろう。
男はそう考え水銀灯に断りの言葉をかけた。
「ぐす・・・じょじょっと待っててくれ・・・」
うわ、鼻水が出そうだ。ずずず・・・ぅえ・・・喉が気持ち悪い。
本当に目覚めてくれたあの子の前で、こんな醜態を続けて晒してるなんて・・・俺すげーかっこ悪い。
そう思いながら、男は小さな風呂場のバスタブに湯をはり出した。
後ろを見ると、水銀灯がこちらに来ようと身体を起こしている。が、“ どたっ ” と倒れたではないか。
「あ! 水銀灯!?」
男は急いで水銀灯をそっと抱き起こす。
どうやら上手く起き上がれないらしい。
( ご ごめんなさい うまく 動けなくて )
申し訳なさそうな小さい声が、男の頭に届く。
男は抱き起こした水銀灯を優しく立たせてあげると、自分は前かがみになって、
赤子の立ち練習をするように、水銀灯の小さな両手を自分の大きな両手でそっと包み、
水銀灯の透きとおる薄赤紫の瞳を見つめながらこう言った。
「大丈夫。大丈夫だよ、水銀灯。ほら・・・ゆっくりと歩いてみな、大丈夫だから」
一歩 二歩 三歩・・・
男は水銀灯の手を引きながら、ゆっくりとゆっくりとゆっくりと歩かせてあげる。
覚束ない(おぼつかない)足取りだったが、水銀灯は不安そうな顔を男に向けながらも、
確かにその足を前に進めている。
110:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:30:00 /DwJE6QM
「上手い上手い。自分で歩くのはこれが初めてだもんな。でも、ちゃんと歩けてるぞ」
男の優しい声が水銀灯を褒める。
その声に、不安そうだった水銀灯の顔が、おずおずとながらも笑顔に変わっていく。
男はその顔にやはり笑顔で答えると同時に、こう思った。
それにしても本当に不思議だ。この小さな柔らかい手から、薄っすら体温まで伝わってくるなんて、と。
水銀灯の足取りが確実になるにつれ、男の頭がめまいを感じ、胸の鼓動が早くなっていく。
何だ?・・・急に・・・またストレス的なものが出てきたのか?・・・
そう男は思ったが、昨日まで現実でありえなかったものが、在り得ない出来事や行為が、
今こうして現実として起きて、触れ合っている行為に興奮しているだけだと感じ、そう納得する事にした。
そうこうしながら、男はそのまま水銀灯を風呂場まで連れてきてしまった。
( ここは 何ですか )
水銀灯が男の心に尋ねる。
「ズズ… ふ くしゅっ!・・・風呂場だよ」
( ふろ ば ? )
「そうか、知る訳無いよな。簡単に言えば熱いお湯で身体を綺麗にして、
そこのバスタブ・・・お湯の中で身体を温める場所だよ」
( ? きれいになって からだが温かくなるんですか ? )
「うん。人間はどうしても汚れたり体が冷えたりするからな。
一日に一回は身体を綺麗にして、身体を温めるんだ」
( お父様は いまからからだをきれいにして 温めるんですか ? )
「お、おとうさま?! ・・・俺が?!」
( だって わたしを愛してくださるのは お父様です )
「あ、いや・・・え、お、俺・・・」
( 愛してくれますか と 言ったとき 来てくれたのか と 泣いて答えてくださいました )
「あああ!も、勿論そうだ!当たり前じゃないか!だからそんな泣きそうな顔をしないでくれ!」
( うれしい お父様 )
「・・・俺も、俺も凄く嬉しいよ、水銀灯」
( わたし お父様と この “ふろば” をご一緒したいです )
「ぇ ええっ!・・・」
( だめ ですか )
「ぅう・・・そ、そんなすがるような目で見ないでくれよ・・・」
( お父様 )
111:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:30:52 /DwJE6QM
男は考えた。その顔は風呂に入る前からのぼせている様にも見える。
どうする?元々は人形だ。しかし今はあまりにも美しい少女だ。
よく考えろ。店で最初に見たあの美しい裸身を、遠慮無しに見る事が出来るんだぞ。
よく考えろ。あの日からこの人形はお前の“ 物 ”だったじゃないか。
よく考えろ。俺は少女人形の服を脱がして喜ぶ様な下衆な真似だけは、一切してないんだぞ。
よく考えろ。あの日からこの少女を自分の“ 者 ”として、どれだけ愛しんで(いとしんで)きたんだ。
よく考えろ。人形という“ 物 ”から、人間と同じ“ 者 ”になってくれた少女の気持ちを。
よく考えろ。今のこの現実を。状況を。自分の気持ちを。想いを。
よく考えろ。目の前の少女が、自分を想ってくれている気持ちを。
長い沈黙にも思えた。
しかし実際はほんの数秒にしか過ぎないだろう。
男は口を開いた。
苦笑いをする様に、遠慮がちに、しかし嬉しそうに、照れくさそうに。
「解った。じゃあ一緒に入ろうか、水銀灯」
( はい! )
美しくも、どこか幼い雰囲気を漂わせていた水銀灯のオドオドした顔に、
淡く、美しい、笑顔と言う花が開いていった。
━ ともし火は ともりました ━
━ 燈は消えています 灯は灯りました ━
お父様
112:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/09 23:36:46 /DwJE6QM
>>107
103以降の投下が急に無効にされだしておかしいおかしいとは思ってたんですが。
一行目を詰めたら何とか投下出来ました。
書き逃げ荒らしみたいな真似になってしまってすみませんです。
113:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 01:19:54 A88iPbRw
急に途絶えたから不安だったぜ!!こんちくしょう、GJだ!!
114:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:06:27 VPIV4AMh
糞銀燈のSSは中二臭くてつまらんなー
感想レスも一つしか付いてないし
これがカナのSSだったら五つ以上は楽に付いてただろうね☆
115:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:32:37 dqvtd9O6
この先無職が良くない目に遭うのは間違いないようだな
これ他のドールズは絡まない話になるんかね?
116:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:37:13 VPIV4AMh
言われてすぐレスつけるあたりが自演臭いな
117:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 18:57:36 b33MAcjA
なら>>116が何かss書いてみなよ。
一連の流れで書く気の失せたカナのssネタくらいなら提供するぞ。
118:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 19:28:39 6w9n+WFN
相手すんなよ
119:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:28:29 A88iPbRw
>>117
おめぇさん屈しちゃいけねぇよ
是非そいつを書き起こして欲しいもんだ
120:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 21:49:11 KdGWcgcc
ほんとほんと
>>114が言ってるみたいにゲロ以下の
幼稚な作文垂れ流してる>>112を追い出すためにも書いてうPしてくれ
121:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:30:00 b33MAcjA
あーあ、もういいや。ネタだけ書いとくよ。
老いたバイオリニストが息を引き取った。
彼の持ち物は1枚だけプレスされた、自分の演奏を録音したレコード。
金糸雀はこの老人に昔会っていた。
たった5ドルで売られていたそのレコードには、金糸雀と演奏者の思い出が詰められている。
上機嫌でレコードに聴き入るみっちゃんの傍らで、金糸雀は思い出の中の青年に問いかける。
そこにプレスされていた曲は……
おいら的にコンセプトは「船の上のピアニスト」
スレの空気が良くなったら書くかも知れないが、今は書く気が全くおきないなー。
122:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:35:24 A88iPbRw
>>121
OK、いつまでも待ってるぜ、空気か、どっかに避難所でもあればな・・・
123:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:42:28 KdGWcgcc
すべては>>112のせいだからなあ
124:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/10 22:49:30 A88iPbRw
俺は楽しみにしてるんだな、これが。
125:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 02:00:34 fcwPTyG8
お前らあんまり荒らすと1003が来るから、やめなさい。
126:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 13:37:56 sk0kuaMt
金糸雀ほどオリジナリティ溢れるキャラがかつてあっただろうか?
水銀燈にしろ翠星石にしろ蒼星石にしろ、結局のところ、はっきり
言ってどこかで見たような設定のキャラだ。それに比して、金糸雀
は外見的にも性格的にも、既視感を感じさせない。そういう意味で
金糸雀こそローゼンがおのれの人形師の想像力を全開にして
生み出した、一世一代のマイスターヴェルクなのだ。
こうしたオリジナリティ溢れるキャラは概して想像力の欠ける俗人
の称賛に恵まれないものである。卑賤なにわかヲタは、記号化
された「仕組まれた萌え属性」に気付くことなく飼い馴らされ、
既存の萌えを打ち破らんとするオリジナリティに、歩み寄る努力
さえせずに排撃しようとするのである。
言うなれば、他のドールズの愛好者たちは、とどのつまり「ツンデレ
萌え」だの「ボーイッシュ萌え」だのといった、記号化された萌え属性
に属さしめ得るのに対し、金糸雀派はどの属性にもカテゴライズされ
ることのない、独立した「金糸雀萌え」なのである。
127:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 14:20:51 72z+YYdV
カナリアはハゲキャラだろうが
128:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/11 16:00:24 VSaLsenu
うわ気持ちわり
129:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 04:51:13 5Z4ZUc9v
>>126
真紅、雛苺、薔薇水晶、雪華綺晶は?
130:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 09:29:24 Q9OhbbOS
小さな小さな風呂場は、湯気で一杯だった。
早く入りに来いと言うように、白く温かい靄(もや)が風呂場を包んでいる。
「はっくしゅん!・・・寒ッ!」
男は少し抵抗はあったものの、水銀灯に服を脱ぐように言い、自分も服を脱ぎ始めた。
最初は ? と言う顔をしていた水銀灯だったが、
服のままじゃ入れないし身体も綺麗に出来ないんだよと男が言うと、
なるほど!すごい! と言わんばかりの驚きと尊敬の顔で男を見つめながら、楽しそうに服を脱いでいった。
身体を動かすのにも大分慣れてきたらしい水銀灯は、丁寧に服を脱いでゆき、
やがてその美しい裸体を無邪気に晒しながら男に尋ねてきた。
( これで よろしいんですよね お父様 )
「あ、ああ・・・き、綺麗だね、水銀灯は」
動き出し、命を持ったとは言え、その白い身体は人形であり、各部には球体関節が見られる。
そうは言うものの、それ以外はやはり美しい少女の裸体であり、その初々しさが男にはとても眩しかった。
あんまりジロジロ見るもんじゃないなと、男は心で苦笑しながら裸になった。
( ? なんですか これは ? )
「やっ!やめなさいっ!女の子がそんなことするもんじゃない!」
( ご ごめんなさい でも わたしにはそういうのはありませんので なんだろうと思いまして )
「そりゃ無くて当たり前なんだけどな・・・」
( ね? ついてませんでしょう? )
「判った!見せなくていいから!それに女の子はそんなところ軽々しく見せちゃいけません!」
( お父様 おかおが赤いです )
「・・・さあ、もういいから早く風呂に入ろう、水銀灯」
見るもの触る物全てが初めての体験である水銀灯の探究心に焦ったものの、
まるで子供そのものの行動や、その小動物のような仕草に、男は、
もし娘を持つと、今感じてる保護欲や愛情みたいなものが芽生えてくるのかなと思った。
十分に湯が張ったバスタブ。
男は敷いたマットに腰を下ろし、自分の身体に流し湯をしてはっと何かに気付き、思った。
自分の前にちょこんと座る水銀灯の身体に、本当に湯をかけても大丈夫なのだろうかと。
その水銀灯は、自分を難しそうに見つめる男の視線に気付き ? と言う顔をしていたが、
男の心内(こころうち)を何となく理解したらしく、男にこう答えていた。
( わたしのことは大丈夫です お父様 )
「え?ああ・・・でもその・・・」
( お父様に きれいにしていただきたいです )
「そう、言ってくれるんなら・・・じゃあ、お湯・・・かけるからな、水銀灯」
131:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 09:33:44 Q9OhbbOS
もうこれ以上考えても仕方が無いし、本人自身がそう言ってくれている。
男はそう割り切り、微笑んで自分を見上げてくれている水銀灯を後ろに向かせ、
その鮮やかに美しい銀が映える長い白髪をそっとかき上げてやりながら、
湯を優しくゆっくりと、その滑らかで華奢な美しい背中にかけていった。
( ああ・・・ すごく・・・ きもちがいいです・・・ お父様 )
目を閉じ、うっとりとした声と表情で、水銀灯は男の心にそう話しかける。
その水銀灯の、美しく、艶めかしく、それでいてどこか幼い姿と表情に、男は見とれてしまう。
本当に・・・どこからどう見ても人間の女の子だよな・・・
部分部分は人形だって感じさせるけど、それでもなぁ・・・いかんいかん!何考えてるんだ俺・・・
ちょっと宜しくない考えが頭に浮かんだものの、すぐにそんな考えは消え、
自分に全ての信頼を寄せてくれている水銀灯の身体に、二度三度優しく湯をかけてあげていた。
そして男は先に狭いバスタブに浸かりながら、水銀灯に、おいでと呼びかける。
その呼びかけに、おずおずと水銀灯がバスタブに両手をかけて、大胆にまたいで入ろうとした為、
水銀灯のあられもない場所が目に飛び込んできて、男は噴き出しそうになり急いで目をそらした。
当の水銀灯は不思議そうな顔をしながらそっと湯船に浸かり、男の身体に自分の身体を預けてきた。
水銀灯の美しい白髪が湯船に広がり、銀色の光を張り巡らせながら男の身体に触れてくる。
子猫が安心して頭をもたげるように、水銀灯もまた、男の身体に頭をもたれかからせ、
うっとりとした顔で、湯の温かさと、男の身体と言う安心を感じ取っていた。
・・・・・・西洋人形ってのは・・・女の子ってのは、ほんと・・・目のやり場に困る。
水銀灯から香る、春の草花のようなほわっとした微かに甘い芳香と、女の子らしい身体の柔らかさに、
困っていいのか嬉しがっていいのか、男の身体と心は葛藤を続けていたが、
自分の胸に身体の全てを預け、気持ち良さそうに目を閉じて
初めての湯を感じている水銀灯の美しくも可愛らしい顔を見ている内に、やがて葛藤は消え、
すぐに父性愛のような暖かい感覚に変わっていった。
しかしそれを揺るがす様に、水銀灯の探究心が悪戯娘の如く男にもたれかかってくる。
( お父様のこれ ふにゅふにゅしています なんだか 大きくかたくなってきました )
「な!? お、おい触っちゃいけないってさっき・・・ああ・・・いやこ、これはその・・・」
( お父様苦しそう・・・ だいじょうぶですか ? )
「だだ!大丈夫!すぐに元に戻るから!だからもぅ触らないでくれ・・・」
( でも・・・ )
「心配かけさせて悪かった!というか・・・不純で本当にすまない・・・」
・
・
・
132:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 09:35:29 Q9OhbbOS
その後男は当たり障り無く水銀灯の身体を洗ってあげ、自分の身体を洗っていると、
水銀灯が男の背中を洗いたいと言ってくれた為、お願いすることにした。
その男の背中を小さな手で一生懸命洗いながら、水銀灯が話しかけてきた。
( お父様のせなか とてもおおきいです )
「そうか? そうかな・・・」
( お父様・・・ )
「ん? なんだい、水銀灯」
( わたしを目覚めさせてくださって・・・ すごく・・・ うれしかったです・・・ )
「・・・ 俺も・・・君が、俺のところで目覚めてくれて、すごく嬉しいよ・・・水銀灯」
男のその言葉を聞き、水銀灯は小さく細い腕で男を背中から抱きしめ、自身の身体を密着させた。
そして、自分の気持ちを、身体を通じて受け止めて欲しいと言わんばかりに、こう呟いた。
( お父様・・・ 大好きです・・・ )
その小さく儚い言葉が、男の頭の中に、胸に響き渡る。
えもいわれぬ言葉の温かさを、水銀灯自身の温かさを背中に感じながら、
男は水銀灯にそっとささやいていた。
「・・・水銀灯・・・また、泡が付いちゃうぞ・・・」
水銀灯はその美しい瞳を閉じて、男に、信頼の、甘えの言葉で答える。
( へいきです お父様が また あらってくださいますもの・・・ )
「・・・水銀灯」
男の手が、背中から回された水銀灯の小さな手に重なる。
そして思った。
この少女の心さえあれば、水銀灯さえいてくれれば、俺はもう少しだけ頑張れるかもしれない。
そして思った。
この幸せをずっと得られるのなら、俺は生きていける以上の欲を望まない。
そう本心から思った。
━ 愛とは 形の無い具現 ━
━ 想とは 容の無い具現 ━
━ 心とは それらを抱擁する器 ━
移に叶うべき器となり得る事を願いましょう
133:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 09:38:04 Q9OhbbOS
エチくさくてすいません
134:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 10:01:32 L1hcbomS
どう見てもエロパロです本当に
135:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/12 23:12:41 tR4NSxBm
糞銀燈の中二SSはよ終われ
カナのSSの方が面白い
136:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 00:09:18 d/+Noy6X
じゃあ添削してやるから早く金のSS今すぐ書け
137:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 01:20:05 Shk1dTpF
つーかもう『金糸雀SSスレ』みたいな専用スレ立ててそっちでやれよ糞キム信者は
138:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 01:21:47 566kgr6p
アンチじゃないけどその方がいい気がするほどにウザイ荒らしだな
139:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 03:45:18 EqYiJmXp
久しぶりに来たがいまだにこんな馬鹿みたいなことやってるのかw
ワロタwwwww金糸雀アンチだか信者だか知らんがその根気には頭が下がるw
また何ヵ月後かに来るよw
140:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 10:42:34 9i/aBSw2
いい加減スルーしなよ。
141:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/13 23:08:18 7Kyk4j9i
ほんとだぜみんな。
糞銀燈の中二SSなんてちゃんとスルーしなよ。
142:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 01:12:01 e/xPoAlB
>>133
低脳がいつも自演しまくって何か妄言吐いてるけど全く気にしなくていいよ
>>135,141みたいなのは毎回恒例でもう空気みたいなもんだから
143:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 14:09:49 yhdmkOf0
自演してるのは金糸雀アンチの方だろ
今までのSSは他のキャラに比べてカナは全然目立ってなかったし
ここでカナが活躍するSSを求めても何ら問題はないだろうが
まあアンチにとっちゃ「キムなんかローゼンメイデンじゃないよwww」とか思ってるんだろうけど
144:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 14:26:46 7BSBAFGr
まあやり方が問題なわけで…回線つなぎかえて自演したり
人の作品非難ばかりしてりゃあうぜーと思われて当然。
145:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 14:28:58 TcTO2yEu
はい。
若い女を殺して食らう食人マンガでつ。
(氏賀Y太 作)
URLリンク(sakuratan.ddo.jp)
DELキーは「eat」でつ。
146:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 14:29:52 edWJNChU
求めるばかりで作ろうともせず文句ばかり言う人は救えない
まぁこのスレにおいては>>135の様にイタイ我侭な金糸雀ファンを演じている工作活動も見受けられる
様はSS書く人は好きに書いてよし!
147:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 18:29:19 m09zVAed
原作やアニメですら何のためにいるかわからんようなカスを活躍させろとかアホか
148:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 20:42:29 B6lzQpte
ドール製作の暗部みたいな話おk?
149:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 21:35:45 edWJNChU
バッチコーイ
150:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 23:00:31 j/L6kcGY
おk!
偽クソ銀の作文野郎追い出すんなら応援するぜ、そしてカナSSも書いてくれ
151:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 23:19:30 edWJNChU
ここに…思いの丈をぶつけてこい…
ローゼンメイデン系スレ荒らし対策本部@シベリア
スレリンク(siberia板)
152:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 23:27:35 70OBUHAd
結局>>150一人がこのスレから消えれば平和になるんだよなあ
>>135も>>141もこいつの自演なんだし
153:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/14 23:44:42 B6lzQpte
書いてるうちに未来っぽくなったんだが流石にこれはNGか。
154:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/15 00:01:58 tX5aelXs
その後みたいな感じか?おkだろ
155:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/15 00:47:39 Z7PWp6mw
書いてるうちにいろいろと設定変わって数百年後になったがとりあえずw
ふと蒼星石は考える。
・・・あれからどれだけの年月が経ったのだろう。
最も鮮明に憶えているのは日本という国で出会った少年のことだけ。
彼は僕達に課せられた宿命や存在を変えてくれると期待したけど・・・結局何も変わらなかった。
あれからまた何度も目覚めて、眠って・・・。
こんなことを思い出すということは、再び目覚めの時が来ているのだろうか?
あれから50年?100年?どれほど長い年月が経ったのかすらわからない。
姉である翠星石を殺してしまってからはもう何もかもがどうでもよくなってきた。
瓦礫だらけのビルの一室に取り残されたひとつの鞄。蒼星石の眠る鞄である。
そこへ薄汚れた、汚い男二人が近づいてきた。
「おい、高そうな鞄があるぞ!
「中身は何だ?早く開けてみようぜ」
男の一人が鞄を開けようとするが開かない。
「硬くて開かねえ」
「レーザーで焼きってみよう」
もう一人の男が小型のレーザーカッターを取り出し、光度を丁度良いくらいに調整する。
その光を鞄の鍵の部分に当てると、金属の部分は見る見るうちに溶けていった。
「もう少しだ」
ジジジ、と鍵を切っていく。
「これでいい」
鍵は完全に壊された。
男が鞄に手を伸ばそうとした瞬間、二発の銃声がコンクリートの部屋に鳴り響いた。
二人の男は頭を撃ち抜かれ、一人は鞄の上に倒れ臓物と大量の血をぶちまけていた。
「こちらオーウェンス。クズを二人始末。サンプルケースを回収する」
人を二人殺した男は、まったく顔色を変えずに倒れた男を蹴り飛ばし、鞄を持ち去った。
156:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/15 10:23:55 tX5aelXs
また連投できない?とりあえず続き期待
157:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/15 20:16:42 0zceHhDX
サイバーなローゼンメイデンキタw
158:アイ・アム・レジェンド(謎)
08/01/16 01:32:57 qa1xfOM/
>>155
『おい・・・冗談だろ』
蒼星石は意識がほとんどない状態だった。ただ人の声だけは聞こえる。
声の持ち主は、先程自分を持ち去った男の声だ。
程なくして蒼星石は目を覚ました。
「ここは・・・」
はっきりしない意識の中で蒼星石はおぼろげに言った。
「喋るアンドロイド。実に良くできている」
男はすぐさま腰のホルダーから銃を引き抜き、蒼星石の頭に突きつけた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それにアンドロイドって」
無表情な顔が余計に恐怖を煽る。
「自らが作られしものということすら自覚できなくなるほど、優れた人格形成。新型か」
「確かに僕は作られた存在だけど・・・」
咄嗟の出来事で戸惑いを隠せない蒼星石。そんな姿を見て、男は特に警戒すべき相手でもないと考えたのか、銃を下ろした。
「いいだろう。お前のことを話してみろ。ただし少しでも不穏な動きをすれば破壊する」
再び男から殺気立った気配を感じ取った。この感じはどうも好きになれそうもないと思った。
蒼星石はこれまでの経緯を男に話した。自分はローゼンという人形師によって創られたこと、アリスゲームという戦いのこと、そして自分の姉妹達を殺してしまったこと。
男は黙って聞いているだけだった。
「というわけなんだ。信じてもらえる確信はないけどね」
「いや、納得した。そのおとぎ話のような設定によって自己を確立させているというわけか。確かに国立図書館あたりを漁ればそれらしい話くらいは見つかる。連中は頭がいいから捏造された記憶を植えつけることも可能だろう」
「連中?」
「お前を造ったアンドロイドどもだよ」
男の話によると、世界はアンドロイドという機械による攻撃で荒廃しており、すでにほとんどの人間は死んだか地下に潜伏しているらしい。
彼はその中でもアンドロイドを駆逐することで生活の糧を獲ているハンターだという。
「アンドロイドは元々俺達が作業用として作ったものなんだ。それが今じゃこの有様さ。まったく親不孝な連中だ」
その時初めて彼は表情を、苛ついた顔に変えた。
・・・話す言葉がない。お互いによく喋る性格ではないため、時間が止まったかのような感覚に陥る。
「さっきも言ったように僕はそのアンドロイドとかいうものじゃないんだ」
なんとかこの空気を追い払おうと蒼星石は口を開いた。
「ああ、わかった。これからの会話ではそのことを前提とした上で話そう」
男から人間らしい感情のこもった言葉が出てくる。
「しばらくまともに口を聞けるヤツとは会ってなくてな。・・・ところでさっき言ってた自分の姉妹を殺したって話だが」
蒼星石の脳裏にかつて姉妹だったドール達が過ぎる。
「あれは仕方なかったんだ。馴れ合いだけじゃ何も解決しない。隙があれば命を奪う。それが宿命なんだ」
自分に言い聞かせるように言った。
「同感だな。生きるためには仲間だろうと殺す。たとえ血の繋がりがあろうと」
男は手に装着した金属の物体を取り外すと、傷ついた手の平を蒼星石の顔の前に差し出した。
「この手にはな、何百人という人間を裏切り、殺してきたやつらの血がついてるんだ。その中には家族や兄弟もいる」
言葉が出なかった。
159:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/16 09:09:29 Bx7FJqp9
世紀末か!
ケンシロウでも出てきそうだ乙
160:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/16 16:54:00 NNaSFCkP
すごくウマいな、引き込まれるぜ
161:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/16 22:31:29 VI62y1fR
また金糸雀アンチの作者か…
蒼星石とかどうでもいいっつーの
↓カナのSSよろ
162:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/16 22:40:50 r8RZVxmf
ひぐらしのなく頃に
カナカナカナカナ・・・
163:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 00:37:16 BgoiJGb4
どのドールも嫌いじゃない俺から見ると、どうして自分の好きなドール以外を否定しようとするかまるで分からん。
164:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 00:41:19 prr/SnwN
>>163
151のスレで聞けば大体わかるがな、これが
165:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 02:33:58 XuWd6Ra5
>>163
いやだって161は職人叩いてこのスレ潰そうと1人で必死になってるアンチローゼンだし……
そいつの言ってる事について深く考えない方がいいよ
166:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 15:59:07 0cONP4cQ
金糸雀信者は他ドール信者からは考えられないような行動を平気でするからな~
こいつらはローゼンファンと思わない方がいいよ
167:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 17:29:41 N8YApGiv
>166
うん、アンタはファン名乗んなくていいよ
168:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 21:03:25 iC/nEs6G
60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/31(月) 15:39:50 ID:Ps4hwycP
ちょっと豪華な長編SSで胃が重たいから、
次は軽めの明るい話を頼む。
61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 02:10:56 ID:2zDZDvVW
━ 強く貴方が望むなら 強く貴方が願うなら 強く貴方が想うなら ━
━ きっと “ それ ” は貴方に答えるでしょう ━
━ 貴方の生を持って 貴方に伝える為の言葉を持って ━
貴方の生を頂きながら
流れを読まずにクソ作文を流し始めたこいつが全部悪い。
だから早くカナのSS書けよクソ共がっ!!!!
169:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 21:29:26 N8YApGiv
>>168
自分で書いてください
お待ちしております
170:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 22:21:38 0bq3qGMX
でもここに投下しなくていいよ
金糸雀個別にでも投下し・て・ね♪
171:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/17 22:25:44 prr/SnwN
相手すんなよ、痛い人になりきってると思ってる本当に痛い人だから
172:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/18 00:52:00 r+PmDzea
ID:iC/nEs6Gは一人で毎晩荒らしに来るあたりがまた痛いwww
こいつが自演してもすぐ分かるww
173:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/18 00:53:00 gTPiX2W5
>>158
「無口だな。俺が怖いか?」
「そうじゃないんだ。さっき僕は宿命のために大切な姉妹の命を奪ったと言ったけど、それだけが解決の道じゃないという考えもどこかにあると思ってるんだ。そう考えると苦しくなってきて」
「だがお前の答えは『裏切り』だった」
「裏切りだって?これは僕の信念に基づいた結果だ。他のドール達が甘すぎたんだ。皆平凡な毎日を過ごそうと必死で、でもそれも長くは続かないものだってわかってるくせに。内心イライラしていたんだ」
蒼星石は自業自得だよ、とでも言いたげな表情で語った。
「随分と殺気立った考え方だな」
「お互いにね」
蒼星石は思った。こんな何もない草臥れた世界でも自分と似通った人間がいるのだと。
-僕は今幾多の人々を殺していた男と会話をしている。
でもただの人殺しじゃない。青い瞳からは殺めたことによる後悔や罪の意識が感じ取れる。そういう目だった。
それはどこか遠くを見ているような気がして、とてももの悲しげだった。
蒼星石は思う、この男もまた、自分と同じように心に深い傷を負った人間なんだと。
「ねえ、ところでさっき話したように、僕はマスターを探しているんだ。良ければ君に…」
「冗談はよせよ。今の状態でも十分危険なんだ。その上で得体の知れないヤツらの抗争に加担するなんてヤバすぎる」
「そう、無理強いはしない」
「この世界のことが理解できたら、それどころじゃないってこともわかるさ」
男は立ち上がって、遥か遠くの方を眺めた。
「どうしたの?」
「来るぞ」
「来るって?」
「アンドイドどもだ!」
そう言うと男は窓から飛び降りた。
「死にたくなければついて来い!」
蒼星石は一瞬戸惑ったが、すぐに意を決して窓から飛び降りた。
「うわ!」
落とし穴にはまったかのようにとてつもなく高いビルから落下していく。
このままでは男は地面に叩きつけられて死んでしまう。
そんなことを考えていると、先程男が眺めていた方角から轟音とともに建物が崩壊していくのが見えた。
一体あれはなんなんだろう?
そして目を下に向けたとき、すぐ目の前には地面があった。
「レンピカ!」
咄嗟に人工精霊の名を呼ぶと、蒼星石は何事もなかったかのように地面に着陸する。
「彼は?」
「ここだ」
「あの高さから落ちて無事だったの?」
男は青く光る靴を鳴らした。
「衝撃吸収ブーツだ」
「へえ、そんなすごいものがあるんだ!」
蒼星石はなんだか好奇心が沸いてくる気がした。
「話している暇はない急ぐぞ!」
「わかったよ」
瓦礫の街の中を軽快に駆け抜ける男。
間違いなく危険な状況だが、蒼星石はそんなに焦りは感じなかった。
大昔に人間や姉妹達と遊びまわった時のような感覚。何かとても充実した気分に満ち溢れていた。
174:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 03:10:02 G0FMlmAv
水銀灯が目覚めてから、男の日々は今までになく充実していった。
親とも連絡を取る事も無く、友人らしい友人もいなかった男にとって、
水銀灯と言う命を持った少女人形が、掛け替えの無い存在になったのは言うまでも無く、
水銀灯の方も、自分を目覚めさせてくれた男を父親だと感じて大層慕っている日々だった。
また、男の手ほどきで料理なども覚え、
小さな身体で甲斐甲斐しく嬉しそうに料理を作っては、男に振舞うまでになっていった。
男もどうにか警備の仕事にありつき、以前より安定はしないものの、何とか暮らしは成り立っていた。
朝。男はいつもの様に目覚め、上半身を起こして軽くベッドで伸びをする。
中々爽快な目覚めだと男が思うと同時に、すぐその鼻にご飯の焚ける甘い匂いと、
味噌汁の香ばしい香りがもぐりこんで来る。水銀灯が作ってくれている朝ごはんだ。
流しの方に目をやると、小さな椅子を台にして炊事をしてくれている水銀灯の姿と、
美味しそうな匂いを醸し出している味噌汁の鍋が見える。
( おはようございます お父様 起きられましたか )
男が起きた事を感じ、にっこりと振り向く水銀灯。
その美しいドレスには不恰好としか言いようが無い、小さな白い割烹着のような服を上から着込んでいる。
水銀灯のドレスを汚さないようにと、どうにかこうにか男がこしらえた物らしい。
美しい銀が揺らめく長い白髪も、綺麗に纏め上げられている。
まるで昭和の時代に見られた、食事を作る地方家庭の母親の様な水銀灯の姿に、
男は毎朝えもいわれぬ嬉しさと懐かしさと温かさを感じていた。
「ああ。おはよう水銀灯・・・悪いな、いつもいつも・・・」
( それは 言わない約束ですよ )
「ははは 毎朝この会話から始まるな」
( でも わたし楽しいです こういう朝のごあいさつ )
男は苦笑しながら顔を洗ってくると水銀灯に言い、洗面所に向かう。
水銀灯は( はい )と笑顔で答えながら、小さな折り畳みテーブルに
よいしょよいしょと朝食を運んで行く。
男はその姿をチラチラ見ながら、この上ない幸せを感じつつ顔を洗った。
「それじゃあ、いただきます」
( はい いただきます )
熱々のじゃがいもと玉ねぎの味噌汁に、かりっと焼けた たこさんウィンナーと市販の漬物。
そしてふっくらと炊き上がった山盛りのご飯。男と水銀灯は手を合わせて朝食を口に運ぶ。
ふかふかのご飯の甘さと、絶妙な味加減の味噌汁が、男の胃と脳を一気に活性させていく。
「ズズッ・・・っ くあー・・・美味い、美味いなぁ!ほんとに美味い!」
( うふふ お父様 毎朝ちいさな男の子みたいですよ )
「そうは言ってもなぁ、本当に美味いんだから。でも、よく短期間でこんな味が出せるようになったなぁ」
( お父様のお教えが お役に立ってますから )
嬉しそうに微笑みながらそう言う水銀灯に、一人の時には絶対に感じ得なかった
安堵や幸せ、大事な者を庇護したいと言った感情と愛情が、男に湧き上がってくる。
この感情はあの日からずっと耐える事無く、男に生きる源のようなものを与え続けていた。
175:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 03:11:50 G0FMlmAv
今日もその幸せを感じつつ、男は水銀灯にこう話す。
「今日の現場な、 モグモグ ちょっと・・・ズズ・・・遠いんだ」
( 食べながらのお話は おぎょうぎが悪いです お父様 )
「んグッ・・・モグモグ・・・ す、すまん。でな、今日は結構距離のある所での誘導なんだ」
( はい )
「それで帰りが結構遅くなると思うんだ。晩飯は買って帰るけど、その・・・暗くなるから」
( はい わかっています わたし 暗いのへいきですから 気になさらないで下さい )
「すまんな、留守で誰も居ないはずの部屋に、明かりが点き出すと不振がられるから・・・」
( ごめんなさい 一度しっぱいしちゃいまして・・・ )
「ああ!いやいや、幸い両隣は今も空き室だから、そんなに気にするな。 な、水銀灯?」
( はい・・・ じゃあ暗くなるまでは ご本を読んでいてもいいんですよね? )
「そうしてくれるとありがたい。TVとかはカバー被せてイヤホンでなら、見てもだいじょうぶだから」
( わかりました )
どうと言うこと無い出社前の会話だったが、
水銀灯を迂闊に人目にさらす危険を避ける為に、毎朝確認する事でもあった。
その後は他愛も無く和気藹々とした会話で朝食が済み、男は出社の用意を、水銀灯は洗い物を始めた。
やがて水銀灯は洗い物を終え割烹着を脱ぎ、纏め上げた髪を下ろして、男を見送る準備をする。
身支度を終えた男は、ドア口で靴を履きながら水銀灯の方を振り返った。
その愛らしく美しい笑顔に、銀がきらめく白い長髪。そして水銀灯を纏うゴシック調のドレスとブーツ。
そのドレスとブーツの滑らかなほどに鮮やかだった白色が、日を追うごとに黒くなっているのを男は申し訳なく思った。
あの店主の、水銀灯が目覚めれば手入れは不要と言った事を鵜呑みにした自分を恥じながら、水銀灯を見つめる。
自分を見上げて、にこっと笑顔を返してくれる水銀灯に父性愛をくすぐられながらも、男は申し訳なさそうに口を開く。
176:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 03:12:39 G0FMlmAv
「じゃあ、行って来るよ。近い内にそのドレス、ちゃんと洗ってやるからもう少しだけ、我慢してくれな」
( お気になさらないでください お父様 なんだかこの服 じぶんで黒くなってゆくんですから )
「いやいや・・・それが汚れというんだよ水銀灯」
( ? )
きょとんと首をかしげる水銀灯と苦笑する男。
自分の言っている事と水銀灯の言っている事にはどこかズレはあるが、それもまた会話の味と言うものだ。
男はそう思うことにした。途端にめまいがする。
( ! お お父様! )
「ん・・・んん、大丈夫、いつもの事だよ。もう気にしなくていいから、後はゆっくりしてなさい」
( ・・・でも・・・ )
「さ、もう行かなくちゃ。そうそう、本は新しいの図書館で借りてきてるから、続きが読めるぞ」
( ・・・はい・・・ じゃあ 気をつけて行ってきてくださいね )
「ん。行ってきます!なるべく早く帰ってくるから、留守番宜しくな」
( はい! お父様 )
男は微笑んで、水銀灯に小さく手を振りながらドアを閉めた。
ドアの内側には、水銀灯の少し寂しそうな顔だけが残っている。
やがて男の足音が聞こえなくなると、水銀灯は少し背伸びをしてそっと・・・ドアの鍵を掛けた。
177:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 03:15:30 G0FMlmAv
アンカー打てばよかった…
>>173さん、割り込みしてしまい申し訳ないです。
178:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 10:50:46 kXJaEPo2
二人とも乙!
179:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 17:07:03 d0R3vhfi
糞銀燈や糞星石のSSはつまらない
180:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 18:10:01 hjUKsJMd
>>174->>176
続きが気になるなぁ・・・。個人的な予測だが折り返し点が近い気がしたw
乙です
181:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 19:32:39 BwGGBKRc
ふふ、なんという素晴らしいもの出してきやがる・・・
しかし途中どうしてもこれがよぎった
。 _|\ _
。 O / 。 u `ー、___
゚ 。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛ u / ゚
- ・。 / ; ゚(●) u⌒ヽ i @ 。
, ゚ 0 ─ { U u r-(、_, )(●) .| / 。 ,'´ ̄ ̄`',
゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o ,! ハ ハ !
。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ,. ir- r 、//u / 。 ・゚ l フ ム l
ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-、\ ∠ ハ ッ j
ー = ^~、 ̄r'´ ̄`''jヽ、 〃ヾ ゚ 。 ヽ フ /
jヽjvi、人ノl__ / / ヽ´{ミ,_  ̄`'''-ヽヾ ` ̄ ̄
) ハ 7 / / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。
) フ て / / !。 l l - ニ
7 ッ ( __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___
) !! ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l l-=二=-,
^⌒~^⌒^~⌒^└==┘  ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/
182:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 19:36:51 wpcooCqi
>>173の続きまだー?
183:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/19 23:33:44 r1iWVjbq
>>179
同意。カナのSSの方が面白い
184:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 00:02:43 L0HVGbQI
>>183自演乙
185:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 00:10:41 aucMtYa9
自演荒らしの相手なんざしなさんな
せっかく投下もあったってのに
186:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 00:57:54 p/DoHqHy
いつもの事とは言え、やっぱり少し退屈。
水銀灯は男が仕事に出かけてから少しの間だけ、そう思っていた。
だけどこれから楽しい家事が出来る。男の為に、自分の父親の為にしておいてあげられる事が出来る。
男がやらなくてもいいよといっていた洗濯物。しかし水銀灯は洗いたくて仕方が無かった。
普段はコインランドリーを使用する男が、念のためにと買っておいた洗濯板と大きな洗面器。
いや、洗面器ではなく、むしろタライと言った方がいいだろうか。
水銀灯はそれで洗濯物を洗い始めた。洗い方は男がやっていたのを見ていたので覚えている。
小さな手で こしこし こしこし と一生懸命洗う。洗剤をつけて こしこし こしこし と一生懸命洗う。
( お父様の しゃつ・・・ おおきい・・・ )
( お父様の おしごとの服 おおきい・・・ )
( お父様の くつした・・・ おおきい・・・ )
( お父様の したぎ・・・ ・・・ ・・・おおきい・・・ )
それぞれを洗いながらクスクスと楽しそうに小さく笑う水銀灯。
さすがに脱水は出来ないので、そのまま漬けおき洗いにしておく。これも男がやっていた事だ。
気がつくと水銀灯のドレスと顔は、泡まみれの水びたしになっている始末。
( びしょびしょ・・・ お父様もいないから あれ 使おうかしら )
水銀灯はそう思い、左手を上に挙げて人差し指を立てながら目を瞑る。
するとうっすらとした光が水銀灯の身体を纏い、ドレスや顔についた水と泡を消していく。
まるで水銀灯が頬を濡らす前のように、水銀灯がドレスを濡らす前のように、消えていく。
何も無かったように水銀灯の顔とドレスが、水と泡に塗れる(まみれる)前の状態にもどっていった。
何故水銀灯がこういう事を出来るのか当の水銀灯にも解らず、
いつの間にか出来るようになっていた、としか本人にも言いようが無かった。
何度か、割れた食器や濡れた衣服を男の前で元に戻して見せた事があったが、
それを見ていた男が度々苦しみだしたので、これは男が、父親がいる時に使ってはいけないものなのだと
無意識的に悟り、それ以来使わない様にと自分に言い聞かせていた事だったが、
今は男は仕事で居ないので、水銀灯はちょっとだけ使ってしまったのだった。
( きれいになった・・・ )
水銀灯は満足そうに頷き、洗濯物を漬けおきにして男が借りてきてくれた本を読み始める。
挿絵の入った童話が水銀灯のお気に入りで、それを色々と読んでいった。
中でも水銀灯が気に入ったのは「不思議の国のアリス」で、夢中になって読んでいた。
やがて安アパートのガラス窓に入る日差しの角度と量が変化し、昼の光が夕の赤みを含みだす。
視界に入る光の色が変化を帯びた事にようやく気付き、水銀灯は、ふっと顔を上げた。
夕方だ。ちょっと寂しい色。もうすぐしたらお父様が帰ってくる時間。
いつもなら。
でも今日は遅いと言っていた。本当なら夕飯を作ってあげて待っていたいけれど、誰かに見られたりするといけない。
だから大人しく待って差し上げるのが今の自分に出来る大事な事。
この空の灯りが続く間、本を読みながら、お父様が帰ってくるのを待とう。
水銀灯はそう思いながら、窓越しに夕の空を見上げた顔を下げ、また本を読む事にした。
187:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 00:59:22 p/DoHqHy
・
・
・
( ・・・ ・・・ お父様 )
窓の外。
既に夕の赤が描いた世界の公演は幕を引かれ、変わって夜の濃紺と星の瞬きと言う新たな舞台へと、空は変化していた。
直視する事の叶わなかった、太陽と言う光に代わり、その姿を面々と直視する事が出来る月の光が、
水銀灯の薄く美しい色合いで作られた赤紫のグラスアイに、灯(ともしび)をともす様に反射する。
あれから更に時間は流れていたが、未だに男は帰っていなかった。
水銀灯の不安そうな呟きが、明かりと人気(ひとけ)の無い部屋に零れ落ちる。
お父様はどうしたんだろう・・・。ご連絡をしていただけないほど忙しいのだろうか・・・。
直接床においてある、型の古い電話機に目をやる水銀灯。
それが何なのか、どういう物なのか、どう使うのかは男・・・父親から教えてもらっていた。
遅くなる時はそれで連絡をくれていた。3度音が鳴って切れた後、もう一度鳴るのがお父様からのご連絡の証し。
( お父様・・・ もう まよなか です・・・ どうされているんですか お父様・・・ )
不安が募ってくる。
自分を包んでくれる温かくて大きな存在である、子供の様な一面を持つ優しい父親。それが今は影も形も見えない。
プルルルル! プルルルル!
電話だ!
水銀灯の心に光の花が開く。しかしここで取ってはいけない。そういう約束だ、男との・・・父親との約束だ。
プルルルル!
ここで一度切れるはず。水銀灯は待った。
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
切れない?!どうして?!お父様じゃないの?!
だれ?!わたしはしらない!わたしは取れない!お父様とちがうと取っちゃいけないんだもの!
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
別の意味で水銀灯の不安が見る見るうちに膨れ上がってくる。
こんな夜中に電話なんか一度もかかってきた事など無かったからだ。
しかもこの電話は男からでは、父親からではない。明らかに知らない者からだ。
でも、もしも、もしも・・・男からだったら、父親からだったらどうしよう。
水銀灯の心は葛藤を続けていた。そんな水銀灯を誘うように電話の音はいまだ続いている。
188:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:07:31 p/DoHqHy
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プッ・・・
189:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:08:42 p/DoHqHy
5分ほど鳴っていただろうか。
水銀灯が意を決して恐る恐る受話器を取ろうと手を掛けようとした時、急にそれまで鳴っていた音が消えた。
あ・・・ と水銀灯が思うと同時に、月の灯りに照らされた窓の外に奇妙な影が入り込み、
そのシルエットが水銀灯を覆い隠そうとしてきた。そして再び電話が鳴り響く。先程よりも大きく。
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル! プルルルル!
( ひっ!? )
人ではない水銀灯が恐怖を感じる。
拙いながらも人と同じ感情が育ち、人として愛されてきただけに、それはもはや当然の心理だった。
ブツッ!
その恐怖を膨れ上がらすかのように、受話器も取っていないのに電話が勝手に喋り出す。
…ヒトヲマタセルノハ アマリヨロシクナイ… ソウオシエラレマセンデシタカ… アナタノダイスキナ オトウサマニ… クククク… ブツッ!
奇怪な声が途切れる。同時に ゴッ… という音が水銀灯の後ろから聞こえた。
あの影が黒さを増しながら窓ガラスを抜けてくる。物理的に遮断された空間を無視して “ ヌメリ ” と入り込んでくる。
( なに・・・ これ・・・ )
それを水銀灯は怯えながらもただ見据える事しか出来なかった。
見据える事でしかこの恐怖に対抗する術が無かったからだった。
黒いそれは、ガラス窓の上部に上体を下に反らすようにして “ ズルン ” と入り込んできた。
いや、“半分”だけ入ってきたと言えばいいだろうか。
そして顔らしき部分に赤い二つの光が、縦を裂くように細長く光り始め、
頭らしき部分からは二つの細長い影が更に伸びだすと同時に、怯えて動けない水銀灯の意識に直接声が響いた。
((燭台は同なれど、ともる明かりは異に等しき。永久(とこしえ)には到底及ばぬとは言え、見事なものです))
喋った?!目の前の何かがわたしの心に直接話しかけてきた?!
わたしがお父様に話しかける手立てと同じ事をしてきた?!
自分が全く経験した事もない未知の何かが目の前に現れて、自分と同じ能力で自分の心に入り込んでくる。
水銀灯は混乱した。
((異形の奇である己が人である為の演者を続けても私には無意味。怖さなどお前には無の心理でしょう?))
190:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:09:37 p/DoHqHy
逆さ状態の影が水銀灯の心にそう喋る。
この得体の知れない何かが何をしたいのか分からないが、自分に危害を加えるつもりは無いらしい。
そう思うと恐怖心は薄れ始める。しかしこの影の言った意味は判らない。
( あ・・・あなたは・・・ なにですか? どうして・・・ここにきたのですか? )
((ふむ。器は完全に形成されていますか・・・宜しい))
( こ 答えてください! )
((お前をその身体に呼び、器を形成させた者はもうすぐ死ぬでしょう・・・))
( !? ど どういう意味ですか?! )
((お前は何故そうしていられると思うのです。何故・・・お前が意思を持ち、その身体で動く事が出来ると思うのですか))
( 何を 言っているんですか?・・・わからないことは言わないで下さい )
((万物はすべからくその命を他に寄生する事で、他の命を奪う事で成り立っているのです))
( わたしには わからないです それにそんなことを聞きたいのではありません )
((笑止な事を。では砕いて教えてあげましょう。お前はあの者の命を吸い取る事で、今を生きてきたのです))
( ?! わ・・・わたしが お父様のいのちを 吸う?! そ そんな事などしていません! )
((信ずる信じずに関わらず、お前がこうして己の意思を持ち、動き、伝える事が出来るのが全ての証))
( ・・・い いったい何が言いたいのかわかりません! )
((お前は命を吸い続けました。男の命を糧にして。契約の指輪すら形成できない贋作の、抑制無き吸引で))
( わた・・・わたしは 何も知りません! それに わたしはお父様を愛していますから そんな事はしません! )
((では問いましょう。何故“ 時 ”を巻いたのです。指輪無き吸引は無作為の命吸。それを何度繰り返しました))
( とき? ときなんて知りません!わたしはお父様に何もしていません!どうしてそんないじわるを言うのですか? )
((幼きは残酷な罪の証。お前は昼間、自分の身体に何をしましたか。思い出しなさい))
( ひ ひる ま ? ・・・!? あ あれは・・・お お父様がいないから ・・・だから )
((存在の可視、不視は関係有りません。“ 時 ”を巻く事は、命の吸引を急速に増長する要因なのですよ))
( わた わたしはそんなこと し 知らなかったんですもの! )
((お前は今知りました。生きて動けるこの事実を今知りました。それは偽り無き真実にして、今ここで発生し続ける現実))
( わ・・・ わたしが・・・ おとう さまの・・・いのちを吸って 生きてきた・・・ )
((お前が昼間“ 時 ”を巻いた事で、あの男は事故に遭いました))
( じ?! じこ!? )
((誘導の最中に飲酒をした者の暴走車に轢かれ、瀕死の状態になっています))
( ど どうして!? そ そんなのうそです!!! )
((逃げる時間はありました・・・しかし・・・“ 時 ”は男を弱らせ、暴走車を避ける事すらさせ得なかったのです・・・))
( あ あああ・・・ そ そん な・・・ )
((贋作であれ、真作であれ・・・時の流れは平行にして非ず。
繋がりの環を望むも永久に遠き、成就無に等しく、都合届かぬメビウスの環になる表裏にしか成らず・・・))
191:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:11:58 p/DoHqHy
188だけああいう風に区切らないと後がうp出来ませんでした。すいません。
192:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:18:07 J8f27UfT
だから糞銀燈のSSつまらんっつーの
もう投下すんな
193:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:24:12 jcJX9Tom
>>173
「やけに楽しそうな顔だな」
「昔を思い出しちゃってね」
「スリル大好き大いに結構。だが今はマジで危険だ。スピードを上げるぞ」
男の全身が薄っすらと赤く光ると、今までの倍の速度で走り出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
不規則に積み上げられた瓦礫が蒼星石を邪魔する。対照的に軽快に瓦礫をジャンプで飛び越えていく男。
「これじゃ置いていかれてしまう!邪魔だ!」
蒼星石は鋏を出現させると、衝撃波で瓦礫の山を吹き飛ばした。スクラップや建造物の一角が飛び散る。
走りながら男が後ろを振り返ると、瓦礫が次々と吹き飛ばされていくのが見えた。
「なんてヤツだ!あんなエネルギーギアを内蔵しているとは!」
次の瞬間には蒼星石は男のすぐ横を走っていた。
「やっと追いついた」
「そこのビル!」
落ち着く暇もなく男は正面のビルを指差し、人間とは思えないほどの跳躍力で飛び込んだ。
蒼星石も後に続く。
「なにしてる!こっちだ!」
瓦礫の中の小さな隙間に潜り込む男。
慌てて蒼星石が中に飛び込む。
「君はあいつらを倒すのが専門じゃなかったの?」
「君というのはよせ。ラスティだ」
男が自ら名を語るとは思わなかった。
「それじゃラスティ。なぜ戦わないの?」
「時と場合ってのがある。今はその『時』じゃない。アレが通り過ぎてからだ」
「アレ?」
「見ていろ。面白いものが見れる」
ビルが微かに振動し始める。やがて地震のように振動し始めた。
「来るぞ!」
「な、何なのあれ・・・」
二人の目の前には全長五十メートルほどの高さのロボットが立っていた。
四本足と青いカメラアイが不気味に光る。
「まるで蜘蛛だ」
「生物捕獲用装甲体『スパイダー』だ。アンドロイドどもが狩りのために造った悪趣味なデカブツだ」
「狩りって・・・人間を!」
「まあ見てろ」
四つの足に支えらた中心部から数本のケーブルが伸びてきた。
それらは瓦礫を弾き飛ばした。そこには外れなく、人間が隠れていた。
ケーブルの先からクローアームのようなものが出てきた。
それは怯える人間に迫ろうとしている。
「あの人、殺される!助けないと!」
蒼星石が飛び出そうとすると、ラスティは肩を引っ張って引き止めた。
「馬鹿言うな。俺が殺される。『時』を待て」
「そんな!目の前で人間が殺されようとしているんだよ!」
「もう遅い」
蒼星石が人間の方を振り返ると、人間は頭をクローで粉砕され、脳が飛び出していた。そこにケーブルからさらに小さなケーブルが出てくると、一気に人間の脳に向けて突き刺した。
「ひどい・・・なんであんなことを」
不機嫌そうな顔をする青星石。ラスティも良い顔をしなかった。
「いつ見ても気分がいいもんじゃない」
ラスティは地面の方を向いたまま目を瞑った。
194:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:29:31 8JCnD0qW
なんというコンボ・・・お二方gj過ぎる・・・
195:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:31:02 aucMtYa9
二人とも乙であります
196:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:35:21 jcJX9Tom
なんか独自のSFワールド展開しちゃってすいません。
最終的に人情ものに縮めるつもりなんで。
197:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:36:59 5veWRCUw
>>192
禿同!!!もっもっとノイローゼになって自殺するくらいにののしってやれーーー!!!
ほんとマジでニセ銀作文書きは新打法がいいよ?
198:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 01:37:46 8JCnD0qW
チジメルなんてもったいないぜ!
199:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 12:51:29 I7TabeKT
>>191,>>193
乙なんだぜ!
続きがwktk!
200:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 16:48:44 rH6CLoKM
>>191
分かっていたとはいえこの展開はきつい、これからどうなるんだろう
男はこのまま死ぬのか、水銀灯が吸ってきた命を戻すのか(出来るかは知らんけど)、それとも両方とも…
あと兎、死ね
201:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 23:07:04 I7TabeKT
いやもう俺は贋作だろうが銀様と一緒に暮らせるならば死んでも悔いはない
202:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/20 23:17:01 wHzeMJdo
水銀灯の心は砕け散ってしまいそうになっていた。
自分がこの世に生を受けた事で、自分が目覚めた事で、自分の父親である男の命を削り続けていた事実に。
その父親である男が今、自分の存在がきっかけで、自分の力がきっかけで、確実な死を迎えようとしている。
((やがてお前の意識もその身体から剥離し、消滅、人で言うなれば死を迎えるでしょう))
呆然となってうなだれていた水銀灯に、影が追い討ちをかける様に話す。
うなだれていた水銀灯の顔が、錆びたゼンマイのようにぎこちなく回り影を見る。
影を見る美しいガラスの瞳は、今まで男から頂いていた生気の宿り火を失いかけていた。
( し・・・ ぬ・・・ )
水銀灯のその声は、もはや先ほどまでの透き通る美しいイメージは無く、壊れたトーキングドールの様な濁った声になっていた。
((そう。誰にも変え得る事が叶わぬ終着の場、お前と男の舞台は、閉幕を迎えます))
( わた しが めざめてしまった から・・・すべては わたし の せいな のです か? )
((男が望み、お前と言う意識を呼び、お前が目覚め、男と共にこの今を生きてきた、それは誰の罪でも有りません))
( それ な のに それなの に わたし は どうして・・・ )
((男の命を削り続けたのが罪だと感じるのであれば、それは正解では有りません))
( な ぜ ? )
((お前は壊れかけた男の心を救い、癒し、生きる力を与えました。それは抗えぬ死への運命とは異なる、希望の力))
( わたし が お父様 を ? )
((お前も感じてきた筈です。男の愛情と抱擁の温かさを。お前が男を癒し、愛を芽生えさせたからこそ、得られたお前への愛を))
男の愛情と抱擁の温かさ。
影のその言葉に、目覚めてから今までの、男との楽しい日々や想いが、水銀灯の心に幻灯の様に映し出される。
わたしが初めて目覚めた時に、涙ぐんで強く温かく抱きしめてくれたお父様。
わたしの膝枕で、子供の様に安らかな寝顔を見せてくれたお父様。
わたしの手を取って歩く練習をさせてくれたお父様。
わたしが初めてお風呂に入った時に、優しくお湯を掛けてくれたお父様。
わたしの身体を優しく、そっと丁寧に洗ってくれたお父様。
わたしに大きなシャツを優しく着せてくれたお父様。
わたしに読み書きや挨拶を教えてくれたお父様。
わたしに色々な本を読んで聞かせてくれたお父様。
わたしに料理の仕方や掃除の仕方を教えてくれたお父様。
わたしを色々な所に人目を忍びながら連れて行ってくれたお父様。
わたしに人々の暮らしの色々な事を教えてくれたお父様。
わたしとテレビを見て涙を流していたお父様。
わたしとニュースを見て怒っていたお父様。
わたしにおどけて見せて、わたしを笑わせてくれたお父様。
わたしのちょっとした事に感動して、涙ぐんでくれたお父様。