【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】at ANICHARA
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】 - 暇つぶし2ch225:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 01:57:17 EJio1SMG
>>224
しかし別れは突然やってきた。
この世界に平穏などありはしない。
いつものようにラスティはアンドロイド狩りに出かけて、帰ってくる。
それだけのはずだった。
部屋の隠し扉が開く音がした。
「おかえり」
蒼星石が出迎えるが、ラスティは無反応だった。
いつもなら無愛想ながら返事はしてくれた。明らかに様子がおかしい。顔も青ざめている。
「どうしたの?」
「お前に頼みがある」
「なんだい?」
「俺を殺してくれ」
「え?」
蒼星石は一瞬、凍ったかのように止まった。
「頼む。俺を殺してくれ!」
ラスティは普段の調子を取り乱して叫んだ。
「一体何があったの?いきなり殺せだなんて!」
ラスティは蒼星石の両肩を着かんで、目を見つめた。
「よく聞け。アンドロイドに捕まって変な改造をされた!多分このままじゃ洗脳されて俺じゃなくなる。くそ!なんて失敗だ!俺はもうおしまいだ!」
ラスティは気が狂ったかのように壁を叩いた。
「お、落ち着いて!なんとかなるよ!」
とは言ったものの具体的な案はなかった。
「なんとかなる?ふざけるな!こうしている間にも俺の脳は破壊されてるんだ!すでに自殺できないようにプログラムが働きかけてる!畜生!なんてこった!」
「だからって・・・僕に殺せだなんてやめてよ!もう嫌なんだ!」
蒼星石は涙を流した。
「もうこれ以上大切な人の命を奪うのは・・・嫌なんだ」
取り乱していたラスティは蒼星石の頭に手を置いた。
「良かった。お前はまだ生きる資格がある」
「え?」
「俺は何人も殺しているが、既に罪悪感なんてない。それどころか生き甲斐とすら感じる時もあった。こんなの人じゃない。ただの殺人鬼だ。だがお前は違う。罪の意識があるだけでも十分だ」
「そんなことない!君だって罪悪感を感じていたはずだ」
「大昔の話だ。ここまできたらもう後戻りはできない。だがお前にはまだ未来がある。悔い改めることはいくらでもできる。そんなヤツに殺してくれだなんて言った俺が馬鹿だった」
ラスティは腰からナイフを取り出した。
「さあ行け!俺はなんとか頭を掻っ切ってみる」
ラスティは頭にナイフを向けた。蒼星石はそれを掴んで必死に止めた。
「駄目だよ!今までだってなんとかなったじゃないか。今度だって!」
「もう無理なんだ!頭を弄くられたら死ぬしか道はないんだよ!」
二人が争っていると、いきなり部屋自体が揺れた。
「うわあ!」
激しい揺れに二人は床に叩きつけられた。
「いたた、一体何が・・・あ・・・」
蒼星石が顔を上げると、そこに立っていたのはアンドロイドだった。
青い目を光らせ、右手のソードで蒼星石を貫こうとしていた。
アンドロイドが腕を振り上げる。
蒼星石は鋏を構えようとするが間に合わない。
「くっ!」
やられた、と思った。恐る恐る目を開くと、そこに立っていたのはラスティだった。
「手間かせさせやがって・・・うぐ・・・」
アンドロイドのソードは見事にラスティの胴体を貫き、腹からは血が大量に零れていた。
「ラスティ!」
ラスティは渾身の力を振り絞ってナイフでアンドロイドの首を切り裂いた。
アンドロイドはその場に立ち尽くしたまま機能を停止している。
「ここがバレるとはな」
ラスティは突き刺さったソードを抜き取り、その場に倒れこんだ。
「しっかして!ラスティ!」
ラスティは息も絶え絶えながら、震える手で蒼星石の頭に手を置いた。
「これで楽に死ねる。お前に殺してもらわなくて良かったよ」
大量の血が口から流れている。


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