【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】at ANICHARA
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】 - 暇つぶし2ch224:名無しさん@お腹いっぱい。
08/01/22 01:32:36 EJio1SMG
>>223
その日ラスティは政府軍大学の講義を終え、家に帰るところだった。
いつものようにスーパーカーでハイウェイを爆走していた。
彼の家は街から数十キロ離れた郊外にあった。住民はごくわずかで、静かなところだった。
「まったく、世界最高府の大学とはいえ、軍隊に関することばかりじゃ体が持たないぜ」
車のスピードを上げ、次々と車を追い抜いて行く。この疾走感が心地良い。
「遅い遅い!ん?なんだあれ?」
モニターに映っていたのは、都市のビル群に接近しつつある筒状の物体であった。
「ミサイル?映画の撮影か?」
そう考えたがこれは大胆すぎる。ではいったい何か、などと考えているうちにミサイルはビルに衝突した。
途端にとてつもない爆発が起こる。
ラスティは目の前が真っ白になった。わけもわからずただ叫んだ。
それからしばらくしてふと目が覚めた。
あたりは炎に包まれ、ハイウェイは半壊していた。
ほとんどの車は使い物にならなくなっており、人々も死に絶えていた。
「(俺は助かったのか?一体何が・・・)」
家族のことが頭を過ぎる。
「(そうだ、親父、母さん、エリン!)」
ラスティは走った。壊れたハイウェイをひたすら走った。
体のあちこちが痛む。それでも走った。
走り続けて数時間、家に着いた時には息も切れ切れ、今にも倒れそうだった。
ラスティは家のドアを蹴り飛ばし中に入った。
「親父!どこだ?母さん!」
すると、家の奥から懐中電灯の小さな明かりが見えた。
段々と近づいていくる。
「ラスティ!無事だったんだな!」
「ああ。それより一体何が?母さんとエリンもいないし」
「さっきニュースで世界各地で戦争が起こったと言ってた。ここも安全じゃなくなる」
「戦争?ああ、なんてこった!でもそれより母さんたちは?」
「街へ出かけた。俺は今から探しに行ってくる。お前は家の中で待ってろ」
「あ、ああ。俺にはもう何がなんだか」
父親が出て行くと、ラスティはすぐに自分の部屋に戻って寝てしまった。
結局その日、父親が帰ってくることはなかった。

「それでお父さんはどうなったの?」
「帰ってきた。俺を殺しに家族と一緒にな」
「殺しにって・・・お父さんじゃないか!」
「街へ行ったときにスパイダーに頭をやられたんだ。外見は人でも中身は殺人マシーンだ」
「そんな!ひどすぎる」
「親父はまだ意識があったのか、俺を撃てと言った。だがそんなことできるはずがない。しかしやらなければ殺される。泣く泣く俺は護身用の銃で親父の頭をぶち抜いたさ。そのままお袋と妹もな」
蒼星石は胸が辛くなるのを感じた。
「あれ以来、寝ていると誰かが殺しに来る夢を見るようになり、恐ろしくて眠れなかった。実際に遅いに来たやつもいる」
ラスティの顔はとても悲しげだった。
蒼星石は触れてはいけないところに触れてしまった気がして申し訳ない気持ちになった。
「ごめん。無理な詮索をしちゃって」
「いや、いい。ただ、俺もお前も仲間を殺しながらも生きている。その事実だけは忘れないようにするんだな」
そういってラスティはベッドに入った。
「あれ?今日は寝るの?」
「話したら久々に眠りたくなってきた。今日は眠らせてくれ」
「うん、睡眠は大事だからね」
徐々に心を開きつつあるラスティのことを嬉しく思い、蒼星石もまた深い眠りに着いた。


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