アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ9at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ9 - 暇つぶし2ch282:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/28 01:23:51 EmSMYOx/
>>281
したらば工作員乙

283:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 20:24:54 WNbPmY9g

適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
人物背景はできるだけ把握しておく事。
過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
一人称と三人称は区別してください。
ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。



ここもいるのか?というより独りよがりな内容すぎて点プレにふさわしくないと思われ

284:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 22:15:07 dQILeIXr
>>283
そんなとこよりもっと指摘するべき部分があるだろ
ああ、あんたもしたらばの工作員か

285:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:30:00 ce9r5qmZ
 

286:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:30:36 2yxgsgr/
 言峰綺礼は一人、陽光が照らす森林の中を歩いていた……はずだった。
 土色の大地を靴底で踏み締め、草木茂る視界に自然の情緒を感じていると、異変は唐突に訪れた。
 飛び込んできたのは、灰色の群集である。
 乱雑していた木の葉のカーペットは無機質なアスファルトによって舗装され、雄大な木々は物言わぬ電柱へと変わり果てた。
 数年かけて達成できる開拓を、一瞬で終えてしまったかのような異変である。
 しかしそれを目にしての混乱や戸惑いは、言峰の胸中にはなかった。

「なるほど」

 静かに驚嘆し、ドモン・カッシュが語っていた情報の矛盾、その真相を理解する。
 景色の一変。言峰の視覚が捉えた異常は、現実的に考えてありえない事象だった。
 しかしそれも、魔術という現世の枠から外れた概念を知る言峰にとっては、さして混乱を覚えるような異常ではない。

「ふむ。方位磁石が狂ったか。魔術ではない、螺旋王が用いる科学力によるものと考えるべきか?
 この世界―もしくは惑星が持つ磁場に働きかけたのか、いずれにしても興味深い技術だ」

 言峰が握るコンパスの針は、目まぐるしい勢いで回転し、もはや使い物にならなくなっていた。
 このコンパスが故障したのは、ちょうど言峰を囲う景色が急変した瞬間。
 つまりその瞬間、支給物である安っぽいコンパスを狂わせるほどの磁力が働きかけ、同時に景色の変化に繋がった。
 言峰はこれを、魔術的な干渉ではなく、科学的な干渉であると推測した。

「科学技術による長距離瞬間移動……螺旋王は未来人かなにかか?」

 自身の方向感覚だけを頼りに、言峰は雑多な住宅地を南下し、やがて高速道路を目視した。
 ドモン・カッシュが衛宮士郎と戦闘を行ったという舞台、地図を見れば遥か北に位置していたはずのそれが、今は言峰の目の前に聳えている。
 言峰が南へと歩を進める際、出発点としたのがH-2の学校だった。
 周囲の景色が変化を見せたのは、ちょうど六百メートルは歩いたかという頃。
 そこからさらに五百メートルほど南下し、高速道路を発見した。
 以上の事柄から、言峰は現在地をH-2の南ではなく、会場最北のA-2だと推定した。
 最南地点から南下し最北に移動するなど、物理的に考えれてありえない。が、ここが会場の外である可能性のほうがもっとありえない。
 つまり、この会場は地図で見ればそれこそ平面だが―実際の形は球。廻れば周回する地球と同じように、端と端とで繋がり合っているのだ。

「ドモン・カッシュの言にも頷ける。褐色肌の男と戦っているうちに、北を突き抜け南へとやってきたというわけか。
 しかしなるほど……参加者を隔離するという意味では、これ以上に有能な柵はないな」

 高速道路上を歩き、言峰は『ワープ』という超技術について考察していた。
 ドモン・カッシュの告げる矛盾に興味を持ち、会場の南端へと躍り出たのが発端。
 南から北への瞬間移動という形で矛盾は解消されたものの、螺旋王が有する能力に関しては、ますます謎が深まった。
 とはいえ、その謎は興味という範疇を抜け出しはしない。
 絶対的に解明したい欲求もなく、その必然性もないため、言峰はこの事象を頭の片隅に留める程度にしておいた。
 彼の目的は愉悦。それは、螺旋王との敵対という形で齎されるものではない。
 他者との接触と教授、それによる変化。彼にとっての殺し合いの趣旨はそれだ。
 パズー、八神はやて、間桐慎二、ドモン・カッシュ……彼らは、言峰との出会いによりどんな変化を齎すのか。
 そして、正午を目前にしたこの時間。
 神父たる言峰の前に、新たな子羊が迷い込む。


 ◇ ◇ ◇



287:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:31:32 ktlJV0bE
 

288:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:31:52 2yxgsgr/
 お昼が近づいて、それでもエドは、無邪気に先頭を走っていた。
 両腕を翼のように広げ、飛行機のようなスタイルでキーンと飛び回ってみたり、
 四つん這いに屈み、ねずみのようにちょこまかと動き回ってみたり、
 時折背後に回りこんで、俯くシータをばぁ~っと驚かせてみたり、
 壁に覆われた人気のない道路(彼女は高速道路を知らない)でなければ、こんな風に遊んではいられない。
 ……でも、もしかしたら。
 エドには、そんな心配も常識も、まったく通用しないのかもしれない。

「だーれもいません、だーれもいません、管とみんなとごはんはどこですか~」

 リズムを刻みながら、エドは陽気な声を上げて進む。
 その後ろを、シータが無言のまま追う。
 マオから逃げ出して、シータはエドの示す方向のまま、会場内をあてもなく周旋していた。
 鉄扇子から身を守ってくれた鎧は、重いので道中に脱ぎ捨ててきた。
 何者かに襲われればあの鎧は役に立つだろうが、その前にあの重量では逃げることもままならない。
 機敏なエドと行動を共にするための、苦渋の判断だった。

(あと、何分くらいなんだろう……)

 手元に時計はない。が、刻々と近づく時を感じて、シータは思わず息を飲む。
 マオの急変は衝撃的だった。彼の思わぬ行動により、シータの精神はさらに苛まれた。
 その後エドの爛漫さに癒されはしたものの、二回目の放送が近づくにつれて、心のざわめきはまた騒々しさを取り戻す。
 この六時間の結果報告。いったい何人の人間が死んだのか。それが気になった仕様がない。
 これじゃ駄目だとは思いつつも、シータは押し寄せる不安を振り払うことができなかった。

「んにゃ? どうかしたおねえちゃん?」
「……ううん、なんでもない」

 エドの不謹慎な笑顔も、今では疎ましく思えてしまう。
 度胸が違うのか、それとも単純にそういう性格なのだろうか、エドは放送への恐怖心など微塵も持ち合わせていないようだった。
 現在位置も、現在時間も、マオの真意も、エドの真意も、パズーたちの行方も、なにもわからない。
 手ぶらのまま過ぎていく時が、シータの歩みを重くした。

「あ、はっけ~ん! はっけんはっけんはっけぇ~ん!」

 エドの急な報告を受け、シータは俯かせていた顔を上げる。
 進路上、両壁に隔てられた道路の先に、神父の格好をした男性がいた。
 エドは、神父の下へと一目散に駆けてく。
 シータは咄嗟に辺りを見渡し、退路がないか確認した。
 進むか戻るか、道は二つしかなかった。


 ◇ ◇ ◇



289:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:32:41 ktlJV0bE
 

290:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:32:58 Du49i2Xo


291:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:33:12 2yxgsgr/
「こぉんにちわあー!」

 元気よく挨拶を投げるエドに、言峰は訝しげな視線を送った。

(……なんだ、この娘は?)

 進む先は前と後ろの二つしか存在しない高速道路上。言峰の前方に、二人の少女の姿があった。
 その片方、一見して少年とも思える赤毛の娘は、ここが殺戮の舞台であるなどまったく意に介していない様子で、言峰に笑顔を振りまく。
 しかも、誰もが肩に提げているはずのデイパックが見当たらない。服装も、武器など隠し様がない簡素なシャツ姿だった。
 正真正銘の手ぶらのまま、見ず知らずの男にこんにちわと声をかける。まるで馬鹿のようだった。
 警戒心を微塵も抱かず、そしてあの特徴的な赤毛……無論、言峰の知人に該当する者などいなかったが、一つだけ心あたりがあった。
 ドモン・カッシュの情報の中にあった、エドという名の少女である。
 名簿を見る限り、エドという名に該当する参加者は二名いた。
 一人はエドワード・エルリック……これは明らかな男性の名であり、そもそも第一放送で死亡が知らされている。
 となれば、目の前の少女こそがドモンが出会ったというエド……エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世だろう。
 その長ったらしい本名からしてどこかの貴族かとも思ったが、格好から感じるイメージは、どちらかというストリート・チルドレンを思わせる薄汚さだ。

「こんにちわ。君は……エドか」
「ありー? たしかにエドはエドですけどー、なんで知ってるのぉ?」

 猛ダッシュで駆け寄ってきたエドに挨拶を返し、言峰は改めてその容姿を観察する。
 おどけた表情に、天真爛漫な瞳。恐怖や憎悪など、殺人劇に付き物であるはずの感情が、ごっそり抜け落ちたかのような平静。
 もしくはこのエドという少女は、そんな感情は元々持ち合わせていないのかもしれない。
 純真でまっさらな心に種を植え付け、彼女という人間の本質を歪めるのもそれはそれでおもしろそうだが、酷く骨が折れそうでもある。

(それよりも……)

 警戒心ゼロで周囲をぐるぐると回るエド。言峰はそんなエドから視線を外し、遥か前方を見やる。
 そこには、エドの同行者と思わしきおさげの少女が、硬直したままこちらを眺めている姿があった。

「あちらの女性は?」
「あれはー、シータおねえさんだよー。エドを怖い人から守ってくれたんだ」

 シータという名を耳にし、言峰は僅かに口元を緩めた。
 そのままシータへ向けた視線を固定し、一歩進む。
 遠方に立つシータの身が、僅かに退いたように見えた。

「ところで、おじさんのお名前はぁ?」

 間延びした声を発し、エドは言峰の進路を塞ぐように、前方に躍り出た。
 言峰はエドに対し朗らかな笑顔を見せ、語る。

「ああ、まだ名乗っていなかったな。私の名は言峰綺礼。なんということはない、ただの神父さ」

 名乗った、次の瞬間。
 エドの体は、力なく崩れた。


 ◇ ◇ ◇



292:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:33:40 Du49i2Xo


293:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:34:16 Du49i2Xo


294:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:34:24 2yxgsgr/
 マオ、エドに続く三人目の遭遇者。それは、教会の神父らしき壮年の男だった。
 一見しただけでは、敵か味方かも判断つかない。
 聖職者ならば殺人など言語道断なはずだが、そもそも格好だけでは本当に神父と決定付けることもできない。
 だというのにエドは、その性格からか、まったくの躊躇もせず男に歩み寄っていってしまった。
 第一に警戒心が働いたシータは、エドのように歩み寄ることはできず、その場で竦んでしまった。
 数秒、エドと男が言葉を交わしている様子を、遠方から眺めることしかできない。
 そして今、異常事態は唐突に起こった。
 男の周りを忙しなく飛び跳ねていたエドの身が、不意に地面に倒れふしてしまったのだ。
 一部始終を眺めていたシータだったが、その突然すぎる事態を理解することはできなかった。
 神父であると同時に一流の武術家でもある言峰の手刀が、瞬速のスピードでエドの首下を打ち気絶させたなど―
 距離の離れた場所にいるシータの動体視力では、理解などできるはずもなかった。
 理解が追いつかないため、事態の推移も把握しきれず、目の前の光景をただ見守ることしかできない。
 エドが倒れ、男はそれを気にも留めず、ゆったりとした歩みでシータの下に近寄ってくる―そんな現実を。

「こんにちわ、シータ」
「っ!」

 混乱の渦中でただ呆然としたシータは、逃げるという思考に辿り着く間もなく、男の接近を許してしまった。
 遠方で倒れたままのエド、目の前で自身を見下ろす長身の男、これらの現状が、シータの危機感に火をつける。
 顔に動揺の色を浮かばせ、そっと後ずさった。
 シータの様子を見て、男は苦笑する。

「ふふふ……そう怖がることはない。私はただ、君の名がシータであると知り、伝言を伝えようとしたまでのこと。
 あの娘には、少しばかりお休みいただいたまでさ。彼女にも興味はあるが……それは君の後だ」

 ここに来てから、シータが出会ったのは僅かに二人。
 数人しか知らぬはずのシータの名で呼びかけられ、また一歩後ずさる。
 不安と危機感に苛まれながら、それでも常の気丈さを取り戻そうと、シータは男の目を見て発言した。

「どうして、私の名前を?」
「必ず助けてやる。だから心配するな」

 質問を投げるが、返ってきたのは回答ではなく、男が預かったという伝言のほうだった。

「……とまぁ、これが君への伝言だ。名乗り忘れたな。私の名は言峰綺礼……見てのとおり、しがない神父さ」
「コトミネ、さん……? その伝言は、誰から?」

 言峰と名乗った神父の怪しさに、喉が鳴る。
 エドを気絶させた真意が見えず、戸惑う。
 そして、伝言とやらの内容をやや遅れて頭に入れ、一つの可能性にいきつく。

「―っ! あなたは、ひょっとして!」
「パズー―私のこの伝言を託した少年は、たしかそう名乗っていたかな」

 思わぬ人物から探し求めていた少年の名が飛び出て、シータは目を見開いた。
 言峰の身に縋りつき、覇気ある言葉で尋ねる。

「パズー、パズーに会ったんですか? 教えてください。パズーは、パズーは今どこに―」
「ほう……そのパズーという少年の身が、よほど気にかかると見える」

295:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:34:32 ktlJV0bE
  

296:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:34:58 Du49i2Xo


297:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:35:57 Du49i2Xo


298:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:35:56 2yxgsgr/
 ほとんど取り乱したような所作で、シータは言峰の返答を待った。
 パズー。あの日スラッグ渓谷に落ちたシータを助け、ムスカの下から救い出してくれた少年。
 その後ラピュタを発見し、一緒にこんなところにまで拉致されてしまった。
 シータはパズーを巻き込んでしまったという負い目から、真剣に彼の身を案じていた。
 それこそ自らの身を投げ出さん勢いで―それを本人が自覚していたかどうかは、また別の話だが。
 言峰はもったいぶったような間を空けて、そんなシータの様子を眺める。
 口元の緩みは声を発さずとも、心配で震える少女を嘲笑しているかのように見えた。

「落ち着きたまえ。私がパズーに出会ったのは、もう十時間も前のことだ。彼が今どこにいるかまでは知らん」
「そう……ですか」

 シータは見るからに落胆し、失意の表情を俯かせる。
 希望からの転落。言峰はシータの感情変化に若干の愉悦を覚え、言葉を続ける。

「そう落ち込むことはない。先の伝言にあったとおり、パズーは『心配するな』と言っている。
 君がどれほど彼を心配しているかは知らぬが、あまり彼の気遣いを無碍にするものじゃない」
「……そうですね」

 口ではそう言いつつも、シータはまだ、希望へは這い上がれていなかった。
 目的の達成、その足掛かりになるかと思われた情報は、しかしなにも齎しはしなかった。
 誰であろうと落胆せずにはいられない。あと一歩というところで掴み損ねた希望は、より大きな反動として返ってくる。
 失意に溺れ、希望を見失った感情が誘う先は―絶望しかない。

「―それにその心配自体、もうすぐ不要となるやもしれん。時間にして、あと数分後にはな」
「えっ?」

 言峰の意味深な発言に釣られ、シータは彼の顔を見上げる。そして、反射的に身を離した。
 なにか嫌な予感がして、本能的に言峰を拒絶したのだ。

「忘れていたわけではあるまい? それともまさか、時計をなくしでもしたか?
 もうすぐ12時……螺旋王による二回目の放送が始まる時間だ。あるいはそのときに」
「……あなたは、その放送でパズーの名前が呼ばれるとでも言うのですか?」

 シータは動揺を制し、確かな敵意を持って言峰に接した。
 少女ながらもシータが放つ雰囲気は毅然としていて、言峰に感嘆を促すほどのものでもあった。
 とはいえ、シータは少女だ。ラピュタの王族という言峰の知り得ぬ正体を持とうと、その本質は変わらない。

「一つの否定できない可能性だよ。いつ、どこで、誰がなにをするか……そんなことが把握できるのは、監視者たる螺旋王だけだ。
 私と別れた後のパズーが、どのような道程を歩み、現在はどうしているかなど、知る由もない」
「なら、どうして心配が不要になるなんてこと」
「言っただろう? 一つの否定できない可能性だと。では訊くが、パズーとはいったい何者かね?
 何者にも屈さぬ無敵の超人か? 何者にも殺されぬ不死の化物か? 私には、いたって普通の少年に見えたのだが」
「パズーは普通の男の子です。銀鉱で働いていた、単なる優しい男の子です。
 でもパズーはとても強いわ。こんな殺し合いには決して屈しない。私はパズーと一緒に生きて帰ります」
(ほう……)

 ―強い。
 言峰はシータの反論を耳にし、胸中で賛嘆した。
 言の節々には未だ不安が在沖しているものの、視線は確固として言峰の瞳と対峙している。
 常人らしからぬ物腰は生まれついてのものか、それともパズーとの日常で育まれたものか。
 それだけに、惜しい。
 彼女の精神は、とても不安定だ。余裕が見当たらない。
 言峰の言葉に揺さぶられながらも、懸命にシータという意志を保っている。
 懸命に―辛うじて、とも言い表すことができる。
 罅割れたガラスを、ガムテープで補強しているような状態だ。
 現実という槌で叩いたら、さてどう砕けるものか。

299:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:36:23 ktlJV0bE
 

300:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:36:52 ce9r5qmZ
 

301:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:37:01 2yxgsgr/


 ◇ ◇ ◇


「一つの可能性、などという曖昧な根拠でつい失言を吐いてしまった。謝罪しよう」
「いえ、謝るほどのことでは……」
「さて、では迎えるとしようか―二回目の放送を。パズーへの心配を募らせて、な」
「はい」

 言峰が振り返り、倒れたエドの下へと歩み寄っていく。
 シータは言峰の言葉に賛同し、しかし足を動かすことはできなかった。

(―あれ?)

 両足が、地面に植えつけられたかのように動かない。
 遠ざかっていく言峰の姿を視線で追うが、その焦点は定まらない。
 心が、ざわついた。

「……んー……あり、朝ぁ?」
「いや、昼だ。間もなく放送が始まる。君も静聴したほうがいいだろう」

 言峰は倒れていたエドを起こし、気絶状態から再起させた。
 それら、光景として視界に映る映像を受け止め、しかし介入することができない。
 まるで、世界の外枠から外れてしまったようだった。
 シータは心の中で反芻する。これから待ち受けるものを。

「放送。ここ六時間における死者の名と、新たな禁止エリアを発表する簡素な儀式だ。
 螺旋王にとっては、それによって齎される我々の変化が、主な目的なのだろうがな」

 言峰のふとした発言が、シータの奥底で重なる。
 死者の発表。放送のメインイベントとも言える事柄に、並々ならぬ不安を抱えている自分がいた。
 言峰の根拠のない言、パズーの死を否定して、なお放送を恐れるという矛盾に気付く。

「恐れることはない。恐れようとも、逃れる術はないのだからな。
 仮に目を背け、耳を塞ごうとも、放送の内容は我々の頭に入り込んでくる。
 意識するなというほうが無理なものだ……心配するにせよ、感傷を抱くにせよな」

 パズーの名が放送で呼ばれる……パズーが、既に死亡している。
 言峰の言うとおり、一つの可能性にすぎなかった。それが的中している確率など、シータにも言峰にも計れはしない。
 誰の名が、どれだけの名が呼ばれるのか。
 興味ではなく、知ることへの恐れ。
 待ち遠しくもあり、忌避したくもあるもの。
 しかしシータは、ただ黙って放送を待ち構える。
 選択肢など、他にはなかったからだ。

「時間だ。さぁ、静聴しようではないか―螺旋王による、放送を」

 それは小さな、とても小さな不純物。
 シータはその正体を知る間もなく、第二回の放送を迎える。



302:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:37:59 Du49i2Xo


303:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:38:12 Fz3D+avd
  

304:そして私のおそれはつのる ◆LXe12sNRSs
07/11/29 23:38:15 2yxgsgr/
【A-3・高速道路/一日目/昼(放送開始)】

【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:左肋骨骨折(一本)、疲労(中)
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:荷物一式(コンパスが故障)
[思考]
基本:観察者としての姿勢を崩さない。苦しみを観察し、検分し、愉悦とする。
1:この場で放送を聴く。
2:殺し合いに干渉しつつ、ギルガメッシュを探す。
3:風浦可符香に興味。
[備考]
※制限に気付いています。
※衛宮士郎にアゾット剣で胸を貫かれ、泥の中に落ちた後からの参戦。
※会場がループしていることに気付きました。

※もちろんパズーが既に死亡しているという事実は知りません。
 そのことを前提にシータに揺さぶりをかけているわけではないので、あしからず。


【エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世@カウボーイビバップ】
[状態]:疲労、強い使命感
[装備]:アンディの帽子とスカーフ
[道具]:なし
[思考]
1:言峰からもっと話を聞く。
2:アンチシズマ管を探す。


【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労、迷い、若干自暴自棄、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
0:放送に対する得体の知れぬ不安
1:エドに付いて行く
2:エドを守る
3:マオに激しい疑心
[備考]
マオの指摘によって、パズーやドーラと再会するのを躊躇しています。
ただし、洗脳されてるわけではありません。強い説得があれば考え直すと思われます。
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※エドのことを男の子だと勘違いしています。
※日出処の戦士の鎧@王ドロボウJINGは、A-4の高速道路入り口付近に脱ぎ捨ててあります。

305:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/29 23:38:49 Du49i2Xo


306:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/30 23:55:44 NMNxf7Cd
                    ィ ‐―- 、__
                ,-‐ァ´/  ∠-―‐-、‐ 、
               〃 _,':  /-――-\ ヽ
      〃   ̄ ̄\  入{≧ 7: /::../:/:   ,イ}ハ:\l
     |     ヾヽーく<゙{:ナ./.::..,'::/厶!:. /l:: i:::}:!:バ―― --  、
     |       !l   ¨ヽYl:::::::l:ハ{八X_ , l:;!ィリ:: } }´         ヽ
.     l       l   }=l:::::::l:{ ャtr-ュミ  jノtrァルリ!    ∠彡    /
     l       l ノ人fl:::::::l  `ー'   、`' {´イ::|  /       ./
      l       k≠^ヽ|:::::::l       _ ,  八i ::|'/       /  >>259
      l       ヘ\::ハ :::ハ.    '´‐,‐' イ::::l|::l       /   ぶっちゃけ全部いらないんちゃうの?
       ヽ       {ハ、::ヽ::::i> , 、.. _/:/:: / リ      ./
        ヽ       |ヘ:::jヽ::! fヘ ヽ::::/{::./      /
          丶       !| |lV j/|>‐<ヘ ヽ{ハ:{     /
          |~\    i | |l   |ニ二ニ! || !    /
          |  | ヽ  ./ | |l   |   l. || !  >'´
             ヽ_| ヘメ  | |l   |   l. || !/
       _ ____l     l ll   |   / /イ
.     〃〃   l     \\ l{{T}// /
      | || o   |       \`jl 〃 /
      | ||     !        ヽ!V/  {


307:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/30 23:57:41 VKkmqrIb
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
 優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
 「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1~3個入っている。内容はランダム。

【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。

【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。

【舞台】
URLリンク(blogimg.goo.ne.jp)

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0~2
 黎明:2~4
 早朝:4~6
 朝:6~8
 午前:8~10
 昼:10~12
 日中:12~14
 午後:14~16
 夕方:16~18
 夜:18~20
 夜中:20~22
 真夜中:22~24

----------------------------------------------------------------------

最初の1行だけはいるんじゃないけ?

308:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 00:08:24 HBm64YuR
>>307
そもそも殺し合わせようって話が間違い
平和的に麻雀にしようぜ

309:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 01:08:48 obTRFMvq
死んでも生き返ればいい

310:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 02:04:15 weo97iJ+
それも理想の一つだな

311:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 21:40:43 VzUj3XoU
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
 優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

       ■          ■           ■

正直こういうようなパターンも飽きてきた

312:突っ走る女たち ◆jbLV1y5LEw
07/12/01 21:40:48 a4dkH3fm
スバル・ナカジマは走っていた。
人命を救うべく、ただ前だけを見つめ、全速力で。

(速さ! 速さが足りない!)

今、彼女がすべきは一刻も早くはやてと合流し、さらにシャマルを見つけ出し、瀕死のロイ・マスタングを救うこと。
そのために必要なのは速さだ。
川を回りこんで北上してくるであろうはやてが全速力で駆けるスバルよりも早くE-7のT字路に到達する可能性は低い。
だが、万一、はやてが高速で移動する支給品を持っていたら、この仮定が覆るかもしれない。
マッハキャリバー、でなければローラーブーツでもあればと思うが、あいにく彼女の支給品はいずれも移動に使えるものではない。
残った一つは『アンチ・シズマ管』とだけ説明書に書かれた、用途不明のガラス官である。
だから彼女はできる限りの速さで駆ける。
急いだ甲斐もあり、彼女は驚異的な速さでT字路にたどり着いた。

「これ、なら、大丈夫、だよね……」

焦るあまり無茶なペース配分をしたため、さすがに息が切れていた。
あとはここではやてが来るのを待つだけである。
呼吸を整えて一息つきながら、やってくるかもしれない殺し合いに
乗った者に備えてT字路を見張れる位置にある民家に隠れ、周囲を警戒する。
いっそのこと、自分からはやての来るであろう南へ迎えに行きたくなるが、すれ違いの危険を考え、彼女はじっと待機していた。



313:突っ走る女たち ◆jbLV1y5LEw
07/12/01 21:41:49 a4dkH3fm
「八神部隊長! ……じゃない」

その人影は髪の長い女性だった。
走り方からローラーブーツを履いているのかとも思ったが、どうも似て非なる物のようだった。
その形相は鬼気迫る物があり、スバルは心の中で身構え、彼女の到着を待った。




藤乃静留は走っていた。
愛する女性を救うべく、ただ前だけを見つめ、全速力で。
目指すは燃え盛るデパート。
そこに彼女の想い人がいるかもしれないのだ。

もちろん、聡明な彼女はこの不安に何の根拠もないことを理解している。
だが、もしも万一、そこになつきがいたら?
すでに同行者であったジャグジーが殺され、放送で9人もの名前が呼ばれている。
殺し合いは始まっているのだ。
あのデパートで彼女が死に瀕していることだってありうる。
その確率一割にも満たないその可能性が、彼女を走らせる。
その道中、もう少しでデパートというところで、彼女は前方に一人の女の子を見つけた。
その容貌は明らかになつきではないが、彼女は少し迷った。
彼女がなつきの安否を知っているかもしれない。
訊いてみるか?
それとも、やはりデパートへ急行すべきか?
考えている間にもみるみる彼女の姿が近づいてくる。
静留は決断した。



314:突っ走る女たち ◆jbLV1y5LEw
07/12/01 21:42:50 a4dkH3fm
その女性、すなわち藤乃静留は、スバルの前で急停止すると、スバルの警戒など意に介さない様子で尋ねた。

「あんた、なつきを見とらんどすか!?」
「え?」

突然の質問と剣幕、そして聞きなれないイントネーションに、スバルは即座に対応できない。
思わず聞き返してしまった。

「だから! あんた、なつきを見とらんどすか!?」

再度聞かれたところで、スバルは気づく。
その慌てぶりは先ほどまでの自分を思い出させるものであり、
彼女もまた、誰かの危機を救おうと全力を尽くしているのだと。
だから剣幕に押されつつも、スバルは誠実に答える。

「な、なつきさん、ですか? いえ、見ていません」
「おおきに!」

言うなり、静留は再び駆け出そうとする。
その瞬間、はっとしてスバルはその手を取り、静留を引き止めた。

「なんどすか!?」
「あの! 南から来たんですよね? 八神部隊長に会いませんでしたか!?」
「知りませんえ!」

まるでバスケットボールのように勢い良く反応が返ってくる。

「もうええどすか!? うちは急いでるんどす! 行かせてもらいますえ!!」

静留は突き放すようにいい、また猛スピードで燃え盛るデパートへと向かっていく。
あそこに「なつき」がいれば助けるのだろう。

呆気に取られてそれを見送ったスバルだったが、彼女の行動を見て、決心がついた。
デパートへと向かい、救助すべき人がいれば救助するのだ。
いずれここをはやてが通るとしても、火災の起きているデパートを放置していくとは思えない。
それはシャマル他、機動六課の仲間たちも同様だろう。
彼女たちが駆けつけるまでにあれが事故ならば救助を済ませ、罠ならば粉砕する。
その後で仲間と合流し、次いでロイの救助に向かう。
やはりここでも必要なのは速さだ。
スバルは既に遠くなり始めた長髪の女性を追い、再び全速力でデパートへと駆け出した。

しかし、彼女は知らない。
既にこの時点で彼女を待つヒューズたちが、他でもないロイ・マスタングによって殺害されていることを。
眼前の火災は事故でも罠でもなく、自分と同じ、脱出を目指す者によって引き起こされたものであることを。
自分の前を行く女性が捜し求める人物は既に死んでおり、それを知った彼女が何をするか分からないことを。

間もなく、運命を分かつ放送が始まる。

315:突っ走る女たち ◆jbLV1y5LEw
07/12/01 21:43:50 a4dkH3fm
【E-6/道路/1日目/昼(放送直前)】
【藤乃静留@舞-HiME】
[状態]:健康 、衣服が半乾き
[装備]:雷泥のローラースケート@トライガン、サングラス@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ、 巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、
    ジャグジーの首輪、包丁、不死の酒(不完全版)@BACCANO バッカーノ!
[思考]:
基本思考:なつきを守る。襲ってくる相手には容赦はしない。
1:全速力でE-6のデパートに向かう。
2:デパートになつきがいたら全力で助ける(いなかったら、なつき、なつきの事を知っている人間を探す)。
3:万が一の時は不死の酒に望みをかける?
4:F-5の駅、ビクトリーム、温泉に向かった集団、豪華客船にゲームに乗っていない人間を集めるのは後回し。
5:首輪を詳しく調べられる技術者を探す。
6:あまり多人数で行動するつもりはない。

【備考】
※「堪忍な~」の直後辺りから参戦。
※なつきがデパートの火災に巻き込まれているのではと考えています。
※ビクトリームとおおまかに話し合った模様。少なくともお互いの世界についての情報は交換したようです。
※マオのヘッドホンから流れてくる声は風花真白、もしくは姫野二三の声であると認識。
(どちらもC.C.の声優と同じ CV:ゆかな)
※不死の酒(不完全版)には海水で濡れた説明書が貼りついています。字は滲んでて本文がよく読めない模様。


【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:バリアジャケット、疲労(小)
[装備]:リボルバー・ナックル(左手)(カートリッジ:6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のじゃがいも、2/3][水])、ジャガイモカレー(特大)
    アンチ・シズマ管、予備カートリッジ(×12発)
[思考]
 基本:仲間を集めて事態の解決を目指す
 1:火災現場へ急行。要救助者がいれば助け、殺し合いに乗った者がいれば確保する
 2:1の際、長髪の女性(静留)が協力してくれるようなら協力する
 3:火災現場に来るであろう八神部隊長他、六課の仲間と合流
 4:八神部隊長と合流できたら、協力して他の仲間を捜索する
 5:シャマルと合流できたら、彼女を連れてヒューズの元へと戻る(F-5/商店街・布団屋の中)
 6:その後は、八神部隊長やヒューズの指示を仰いで行動する
 7:キャロや他のみんなもまだ生きていると信じたい

316:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 23:15:47 aNoMnFVt
>>311-315

削除依頼ね

317:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/01 23:45:29 nUrIrpPa
>>316
なんで?

318:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 01:28:41 6ASACNS/
既にアニサロ移転が決まってますからね
当然でしょう

319:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 01:40:13 nzaGjab1
>>318
ざっとしたらば見たけどそれらしい記述みつかんないんだけどいつ決まったの?

320:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 01:40:18 s8q7YhSt
したらばのずうずうしさにはあきれ果てる

321:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 01:50:30 nzaGjab1
最近ここ知ったんで良く分からないんだが
したらば何かやっちゃったのか

322:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 10:41:33 0lSVs2mw
何もやっとらんよ
自称2ch派さんがぐちぐち文句垂れ流してるだけ

323:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 14:52:21 /7v/e0yU
としたらばさんがほざいてます

324:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:02:48 lsYZ3mKS



「だからその紙を置け、紙を」

スパイク・スピーゲルは温泉に入りながら微妙に命の危機を感じていた。
目の前には紙を構えた読子・リードマンがおり、その紙がなぜかは不明であるが鋭利な刃物となることを知っていたからである。
混浴だからと言って一緒に入ったのが問題であったらしい。
とはいえ、リードマンの裸などに興味はない。

「水着着てるんだから、見られて困るようなモンはないだろ」

それにリードマンは混浴だということを事前に知っていたため何処かから調達した水着を着ていたのだ。
これでは裸を見られるも何もあったものではない。それを知っていたが故に自分は混浴の温泉に入っているのだ。
流石に、裸婦のいる浴場に突入して紙手裏剣や風呂桶が飛んでこないことを予測できないわけがない。

「……むぅ」

読子は膨れっ面で紙や本を入れている風呂桶を持って湯から上がり、

「俺も上がるか」

スパイクも重い腰を上げ後に続く。
H2Oという空間からスパイクの裸体が介抱され、周囲に晒される。
手ぬぐいという邪魔なものなど一切身に着けてはいない。
正真正銘の丸裸である。
その体は180を超える長身を誇り、日々欠かさなかった普段の鍛錬で引き締まった筋肉は女性を魅了するに相応しい。
引き締まった筋肉、幾つにも割れた腹筋、無駄な贅肉が付かない肉体。
どれを取っても男が憧れるのも無理はないと言うべき姿である。
だがこの場に唯一存在する女性にはまったく魅了の効果を発揮せず、
逆に背中を向きスパイクの方を見もせずに顔を背けさせる効果しか持たなかった。

「スパイクさんには恥じらいが足りません」
「わりぃ、貧乏なんだ」

スパイクの方に振り向こうともしない読子の非難に、彼は至極あっさりとした冗談を返した。




325:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:04:30 lsYZ3mKS


「なあ、機嫌直そうぜ」

体を拭き服を着たスパイクと読子は廊下を歩いていた。
だが読子の機嫌は斜め右下に進んでいた。
30というおばさん呼ばわりされても不思議ではない年齢の彼女とて、スパイクの無神経ぶりには御立腹なのであった。

「俺が悪かったからさぁ」

図太い神経を持つスパイクでも流石に調子に乗りすぎたと考え、
なんとか機嫌を直してもらおうと浴場を出てから何度か謝罪の言葉を紡ぐがいっこうに効果は上がらない。
読子がスパイクの先を歩いているため彼に彼女の表情など窺えないが、背中越しからでも考えていることが理解できる。
ああ、流石のこいつでも怒るんだ。と。
数時間ほどの付き合いで流石も何もあったものでは無いが、
これまでの行動からスパイクはリードマンのことをあまり怒らない人種の人間だと判断していた。

「もういいッ!! 全員黙れッッ!!!!」

そんな二人が廊下を当ても無く歩いているときだった。玄関先から聞こえた若い青年の声が耳朶を振るわせたのは。
スパイクと読子はお互い顔を見合わせ疑問符を浮かべる。
いったい何が起こっているのか?
二人は無言で小走りに廊下を歩き、曲がれば何かが起こっているであろう場所の手前で立ち止まり壁に隠れながら玄関の様子を窺う。

「突然だが、ここはゼロを筆頭とする、反螺旋王組織『黒の騎士団』の指揮下に置かれる!
 以降は、そこに居られるゼロが全ての指揮を取る! 異論は認められない!!」

玄関では複数の人間と猫達がいた。
先ほどまで共に行動していたはやて達である。
他にも見知らぬ学生達にどこぞのヒーロのコスプレにメカメカしい猫、と奇人変人のオンパレードである。
いったい何をしているのか?
スパイクは読子と共に様子を窺うことにした。自分でも知らず知らずの内に銃を握り締めながら。
だがスパイクが予想していたような血なまぐさい展開は起こってはいなかった。
ただ青年が声を張り上げ演説をし、全員の注目を集めているだけであった。

326:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:05:55 lsYZ3mKS
ただ青年が声を張り上げ演説をし、全員の注目を集めているだけであった。
しかも内容は非常におざなりなものと言わざるえない。目的だけ駆け足で言っているだけだ。
あれならば、まだビシャスの方が口が達者だ。案の定、八神達からは非難の声が聞こえる。
だがたった一声で、非難の声が突然止まる。こちらに背を向け全員の注目を集めている青年の一言で。

「やって欲しいことはこれだけだ。 エリア中心部に行き、他の参加者に接触し、使えそうならば我々の仲間に誘う。
 我々に害を為すようなら排除する。それだけだ。頼む。協力してくれ」

青年がそう言い放った瞬間、その場にいたほぼ半数の者達が同意する。
そのまま八神達は屋外へと出て行ってしまった。なぜか倒れた青年を無視して。

「……なんだぁ?」

スパイクには何が起こっているのか理解できない。声を掛けるという発想すら思いつけないほどに奇妙な状況であった。
そんな彼の側でただじっと目の前の光景を見つめる人物がいた。読子・リードマンである。
彼女はただ黙ってことの成り行きを考えながら、一人思案に暮れていた。
いったい何が起こっているのか?
読子はそう思わざるおえなかった。青年が八神達に一方的に早口で正論を捲し立て、八神達があっさりと要求を受け入れた。
言葉にすれば至極単純なその光景を普段は流されやすい読子ですら違和感を感じずにはいられない。
なぜならば八神達はルルーシュの言葉に対して、かなり否定的な言葉と困惑や呆れたといった感情を投げかけており
とても笑顔で承知するとは全くと言っていいほど予想できなかったからだ。
元々八神は北に行くらしいということを聞いてはいたがそれにしても不自然だ。
パンツも穿かずにどこに行こうというのか?
そう、パンツである。読子は八神はやてと再会した際に、彼女がパンツを穿いていなかったことを見抜いていたのだ。
読子はどういった事情かは不明ではあったが、初対面の時には存在していなかった気恥ずかしさを八神から感じ
座る際や立ち上がる際に下半身を気にするしぐさから、何を気にしているかを考えすぐにパンツを穿いてないという答えに行き着いた。
30という人生経験を経た彼女にとっては辿り着くのが難しい問題ではなかったのだ。
温泉に入ったのも、流石に男性だらけの室内でパンツを取りに行くという行動すら気恥ずかしさを覚えるであろうことを察し、
スパイクが付いてきたのは予想外ではあったが入浴という建前を利用し脱衣所に潜入したからなのだ。
たかがパンツと言って馬鹿にしてはいけない。パンツを穿かなかった故に死んでしまった女性も世に存在していたと伝えられる事件があった。
そう、日本の都市災害史に残る大火災の一つであるかつて1932年12月16日に起こった
クリスマスイルミネーションを出火原因とする火災により14名の死者を出す日本初の高層建築物火災となった白木屋火事のことだ。
当時の女子従業員は和服で、下着をつけていなかったため、裾の乱れを気にしてロープによって救助されることを躊躇した者が多く、
犠牲者を増やしたといわれている。この説は井上章一により否定されてはいるが、神保町の青空の下でドラム缶風呂に入り茹で死に一歩手前まで追い詰められ
タオル1枚すら持たない状況で人目を気にしながらほぼ裸で脱出する破目になり、死ぬほど恥ずかしい思いをしたことがある読子としては、
白木屋火事に巻き込まれた女性店員は死と恥ずかしさの境で本当に生きるか死ぬかの瀬戸際だったのであろうと感じることができる。
そんな読子にとって女性としてパンツを穿きもせずに行動を始めることが信じられなかった。

327:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:07:32 lsYZ3mKS
そして読子の見立てでは、八神はやてからは今だパンツ穿いてないオーラが漂っている。
何をするにもどこに行くにも、まずはパンツのはずだ。
数秒で簡単にこの施設でパンツを見つけることは可能であり、現に自分のコートのポケットには脱衣所から拝借した予備のパンツがある。
「ちょっとお花を摘んできます」などと言って出立する前に男性達から離れれば、この施設で見つけることができるのだ。
故に読子には八神はやてがパンツを探さないで外に行くとは考え難かった。
それにベースキャンプである温泉施設を別グループにあっさり譲り渡すのもおかしい。
先ほどの話の内容から、別グループは同じ反ロージェノムではあるらしいがお互いに面識はないようだ。
しかも、完成するまでは梃子でも動く気がないと言っていたマタタビと名乗る喋る猫までどこかに行ってしまった。
これでは蛻のからと言ってもいい。それに自分達を放っておくのも気に掛かる。
スーパーマンの敵役として出てきそうなあやしい仮装男達を、ロージェノム派の人間と自分達が勘違いしてしまう危険もあるのだ。
故に、はやて達三人が温泉をなんの準備も挨拶もなく早急に後にするということを読子はおかしいと考える。
自分から外に行く理由があったとしてもすぐに出て行くとは思えなかった。ならば、八神達はなぜ外に出て行ったのか?
少なくとも自分の意思で出て行ったようには見えず、まるで意識を操られたために温泉施設から退去させられたようにしかみえない。
それはどういったことを指すのか?
極めて簡単に答えを出すのならば催眠術である。催眠術により意識を操られたために八神達は外に追いやられたのだ。
催眠術、それは一般的には意識を操る術であるために特殊な力と思われがちであるが少し違う。
誰でも扱えるわけではないが、素人でも誰かに弱い催眠術を掛けることは結して不可能ではない。
例として歴史上で催眠術を使える偉人をあげるのならばアドルフ・ヒトラーが有名であろう。
彼は集団催眠を用いて民衆を煽り、軍に狂気の殺戮を行わせるに至ったのだ。
なにより、催眠術の証明としてマタタビの仲間と思しきドラえもんよろしくな猫型ロボットには効果があるようには思えない。
生物には掛かると思える催眠術がロボットに掛かる訳が無い。
しかもルルーシュという名の青年は、ヒトラーが演説を敢て遅らせ民衆の意識を自分に集めるという催眠術を掛ける側にとって
重要な行動をなぞるかのように全員を自身に注目させていた。
故にあの青年が催眠術をマスターしており、八神達を操ったとしても不思議ではない。
しかし、あの青年が催眠術を使えると仮定したからといって、幾つもの疑問がいまだ存在する。


一つ目は青年が、如何にして無手で催眠術を掛けたのか?
二つ目は催眠術を本当に掛けられる状況であったのか?
三つ目はなぜ自分やスパイクが掛かっていないのか?
四つ目は本当に催眠術なのか?


一つ目の疑問は、催眠術を掛けたと思われる青年がデイパッグを背負っていたものの、両腕を体の横にしてきつく握り締めていた状態では
催眠術を掛けるための動作をとれないことだ。通常、催眠術を掛ける際にはライターの火やライトの灯を使うことで
相手を誘導しトランス状態に陥れなければいけない。だが読子の見立てでは、青年はトランス状態に移行したと思われる間や
相手をトランス状態に落す前振りすら無く催眠術を成功させたことになる。
二つ目の疑問は、あの場が八神達を催眠術に掛ける場であったかということだ。
突然の青年の主張により、それなりに騒がしい状況であったあの場ではトランス状態に移行する間がなく失敗する可能性の方が高い。
三つ目の疑問は催眠術が音声や臭いで掛けるものである場合は自分達も掛かっていなければならないことだ。
たいした距離が離れているわけでもない以上は自分達も掛かっていなければおかしいが、
読子がスパイクを観察してみても彼が外にいく前兆すら見つけられない。
四つ目の疑問はは以上の理由や別の理由により、催眠術が八神達に掛かっておらずに自分の意思で出ていったということだ。
多少の不自然さも現実に起こっていることならば納得するしかない。普通の人間ならばそう考える。
だが読子・リードマンは普通の人間とは違う。彼女は異能力を持ち、なおかつ殺人舞台における参加者一の読書量を誇るエージェントなのだ。

328:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:08:48 lsYZ3mKS
その彼女の知識と経験が彼女自身に囁く。
あの少年は催眠術を特殊能力にまで昇華した力を持つのだと。その力を持って八神はやて達を操っているのだと。
おそらく何かを見せられたために洗脳の異能が発動してしまったのだ。
なぜかゼロや少女には効かないかは読子にとっては不明ではあったが、彼女の考えでは問題ない。
特殊能力を使用するのに、それぞれ条件やデメリットというべきものが存在することが事実であることを知っていたからだ。
例としては、紙使いは紙が無ければ能力を使用できず、透過能力者は水中では無力であることなどだ。
故に少女と仮面の男に青年の力が通用しないのは、何らかの条件を満たしているためと予想が付く。
逆に青年が意図的に外したことも考えられるが、その場合は仮面の男と少女が青年とグルということでしかない。
仮面の男は表情が隠れているため何を考えているかは不明であるが、少女の方は青年が能力を使った際に全く動じていなかった。
それは少女が青年の力を理解していたが故のことだ。青年の能力を知らな素振りを見せてはいたが、
唯一効果が発揮されなかった機械猫がいたために知らぬ振りをしているだけだ。
知らないならば、簡単に物事が進んだことに疑いを持つはずなのだ。
故に仮面の男を始めとした三人は、青年の力を始めから使用するつもりで八神はやて達に接触したと読子は判断する。
そう始めからだ。八神はやてがあの場で放送を行っため彼らは彼女の存在を知り、迷いながらも立ち上がろうとした彼女を利用するつもりで近づいたのだ。
おそらくあの放送を聞き彼らはこう思ったはずだ、あの女と仲間達は対ロージェノムの弾除けがわりになると、
面倒なことや危険なことは彼女達に任せてしまえばいい、と。
なんと卑劣なのか。人を操り、弾除け代わりにするなど許せない。まるで以前戦った冷徹な策士一休だ。


読子はかつての戦いを思い出す。


偉人軍団の策士一休宗純。人類殲滅という策の為なら仲間や恋人ですら切り捨てる男だ。
彼によって死んでいった者達は数知れず、策が終わり用済みだからといってシャレコウベの付いた杖を三蔵法師の首に突き刺し、
彼の恋人であったやさしいナンシー・幕張をまるでゴミでも捨てるかのようにあっさり裏切ったのだ。
あの頃の憤りが自身の心の中に灯る。絶対に阻止しなければ。
読子はそう心に決め、手を握り締め黒の騎士団への怒りに燃える。
だが実際のところは、たまたま糸色望達が温泉に来ただけであり、カレンは既にギアス使用済みによる制限で
糸色望はゼロの仮面という透過率の悪い物で視界を遮ることによってルルーシュのギアスを防ぎ、
糸色望とカレンはルルーシュの暴走に巻き込まれただけであるが、怒りに駆られる読子にはそのことに気づけない。
許せずにエージェントとしての思考をさらに推し進め、どう物事を進めていくかを読子は考える。
本来ならば説得から始めたいところであるが、八神達のことも気に掛かり洗脳という能力を相手が持つ以上は
最初から力づくの対応をした方がいいだろう。
洗脳する能力者は背後からみたために今一能力の発動条件を特定し難いが八神達の視線から判断するに、胸より上を見なければおそらく大丈夫だ。
奇襲を仕掛け速攻で相手の体を紙で包み込んでしまえばいい。
読子はそう判断し、スパイクと共に一時的にこの場を離れることにした。

329:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:10:05 lsYZ3mKS

「スパイクさん、ちょっとこちらへ」

読子は彼の腕を掴み、以外な力を発揮してその場から移動する。

「おい、痛いって……」
「静かにお願いします」
「どこに連れて……」
「黙っていて下さい」

スパイクは言葉を紡ごうとは思ったが、読子から発せられる何かに押しとどめられ黙ってしまう。
リードマンからは先ほどまで発せられていた朗らかな空気は消え去っており、
逆に自分のようなカウボーイたちが発する硝煙の臭いに似た何かに取って代わっていた。
リードマンは真剣な表情でそんな気配を纏いながら、自分を手近な部屋へと連れて行く。

「スパイクさん、たぶん非常に厄介なことになっていると思います」

部屋の扉を閉めると、開口一番に何を言おうとしているのか分からないことを言い放つ。
何が厄介なのか、この女の一言ではまったく分からない。

「いや、いきなり厄介なことになったと言われても……」
「あの男の子は特殊能力を持っているんですよ」
「ハァ?」
「だから、相手の行動を操る類の能力を持っているんですよ。一般には催眠術と呼ばれるようなものを」

リードマンの答えは予想を遥かに超えた珍解答であった。
とりあえず黄色い救急車を呼んで、病院に連れて行くのが一番だろう。

「いいかリードマン。温泉に入ったからといって脳までふやけるのは人間としてどうかしているぞ」
「ふざけないで下さいスパイクさん」
「ふざけているのはお前だろうが」
「スパイクさんも見たはずです、いきなり八神さん達の行動が変化したのを。あれは彼の仕業です」
「……たまには人間変わったことをしたくなるもんさ」
「それでもおかしすぎます。温泉に入っていた私達を放っておいてどこかに行くものでしょうか?」
 あんなに不満そうな声を上げていましたし」
「そりゃあ……」

そこで言いよどむ。たしかにリードマンの言うとおり、あっさり自分達を放って一言もなしにどこかに行くのは妙である。

330:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:11:23 lsYZ3mKS
猫と男の方は我が強く人の言うことを簡単に聞くとは思えず、はやての方も何か一声ぐらいは掛けそうな性格だ。
それに、八神はやてはたしか自分が風呂に入る前にリードマンに鞄を返したいなどと言っており、
その時にはリードマンが風呂に入っていたために、上がってから返すつもりだったはずだ。
あの少年が青臭い正論を吐いたからと言って、彼の言葉を第一目標にするのはおかしい。
そうするにしても、相談の一つぐらいあっても良さそうなものなのだ。
しかし、人を操る超能力をあの少年が持っているなどと言われ簡単に信じるのは馬鹿がやることだ。

「いや、エスパーじゃあるまいし。そんな馬鹿な……」

そこまで言って、言葉が詰まる。
目の前の女も同じ特殊能力を持った人間のはずなのだ。紙を操る能力がなんらかの嘘やトリックならばこの女も紛い物なのだろう。
だがそうとは感じれず、以前に不死身であった少年と遭遇し、先ほども喋る猫などに遭遇した身では異能という力を嘘とは思えなかった。

「私だって紙使いなんですよ。あの少年が異能を持っていたからといって不思議じゃありません」
「つうてもなぁ。俺やお前、それにコスプレと嬢ちゃんは別に操られてるとは思えないんだが?」
「おそらく何らかの条件があるんでしょう」
「条件?」
「目下の所検討中です。でもおそらくは何かを見せることで操るんだと思います」
「いや、条件が違うだろう。コスプレその他一も小僧の視界に入っていたはずだ」
「仲間に掛からないように意識的に外したか、掛からないための別の手段を用いたと考えられます」

スパイクの疑問に読子はあっさりと答える。

「条件のことですが、いくつかは思い浮かびますが全て推測の段階までで確かなことは言えません。
 何か知っているはずの彼らに聞くのが一番早いのではないんでしょうか?」
「そりゃあまあ、たしかに」

ここまで会話しスパイクは嫌な予感がした。会話をしている間にリードマンが上目遣いに自分の瞳を覗き込んでいる。
なんとなくではあるが、この女が妙なことを自分に頼もうとする気がしてならない。

「スパイクさんに頼みごとがあります」

ほら当った。
スパイクはそう胸中で漏らす。おそらくはリードマンは自分になんとかしてもらうように頼むつもりだ。
誰が聞くものか。ただ働きは嫌いなのだ。

「八神さん達のサポートをお願いしたいんです」

だが読子の言葉はスパイクの想像を少し外れたものだった。
言われたスパイクは一瞬呆気に取られる。

「……へ?」

サポートってなんですか、リードマンさん?
スパイクは読子の言葉の意味が分からずに僅かに困惑する。
だが読子はそんなことに気付けずに先を続ける。

「八神さん達の行動がおかしくなった時に、ルルーシュさんは真中に行って仲間を集めるように、でも邪魔したら排除しろって言いました。
 これでは八神さん達やこれから接触する人たちが危険に陥る可能性が高いと思うんです」
「……それで俺にどうしろと?」
「スパイクさんは八神さん達に付いていって、接触する人たちに事情を説明してもらうんです。
 八神さん達と会話してもらっても構いません。邪魔だと思われなければ何をしてもらっても。
 そうやって効果が途切れるまで適当にやってほしいんです」

適当に邪魔と思われないようにはやてたちの邪魔をしろ。
そう言われても正直困る。ただ働きの限度を超えている。
催眠術師を抑えるのがよっぽど楽だ。

331:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:12:05 lsYZ3mKS

「……で、お前はどうするんだよ?」

自分に厄介なことを押し付けた女はいったい如何するのか?
楽なことをするようならば怒鳴りつけてやろう。

「ルルーシュさん達を説得してあの能力を使わせるのを止めて貰います」

が、読子の提案はスパイクの考えたものと真逆であった。
スパイクは呆れる。いくら何でも無茶がすぎる。人を操る能力を持つ人間を相手に目の前の女では如何こうされるのがオチだ。

「説得って、無理だろう。話している間に操られて終わりだろうが」

スパイクは止める。だが読子の意思は固い。

「……じゃあ、やっぱり力ずくで」
「まてまてまて、余計に駄目だろうが。自殺しろって言われて終わりだろ」
「大丈夫です。私の考えが正しければ、上半身から上を見なければなんとかなります」
「目でも瞑るのか? それ以前の問題としてフルボコだろうが。銃もあるしよぉ」

当然の如く、スパイクは突っ込みを入れる。
赤い髪の女学生が持っていたのは、相棒の使っている物と同じ銃だ。リードマンが銃相手に如何こうできる姿を想像できない。
紙如きを操れるだけでは、数の不利も、銃の脅威も退けられるはずがない。
スパイクの認識ではそうでしかなかった。だが読子としてはそうではなかった。

「大丈夫ですスパイクさん。私、こう見えてもちょっと強いんですよ」
「……………………」

スパイクは無言で愚かな言をほざく読子の頭に右手を翳す。

「はい?」

そのままスパイクの右手は呆ける読子の頭にチョップを打った。

「いひゃい?」

奇妙な鳴き声を上げ読子は崩れ落ちる。

「よわ」
「いきなり何をするんですか、スパイクさん!?」

崩れ落ちた彼女は、すぐさま起き上がりスパイクの呟きに非難を浴びせる。

「あのなぁ、そんなんで力技も何もあったもんじゃないんだろうが」
「……私、本番じゃないと実力が発揮できないんですぅ……」

スパイクは読子の戯言を聞き流しつつ、彼女の眼鏡を見つめ、溜息をついた。
厄介ごともただ働きもは嫌いではあるが、どうやら自分がなんとかしなければいけないらしい。
せめて、はやて達に恩を売って不良債権の回収ぐらいはしたいが、ロージェノムの圧政がある状況では無理だろう。たぶん。
このまま状況に流されたとしても、悪い方向に転がるだけだ。

332:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:13:44 lsYZ3mKS

「もういい、俺が何とかするから付いて来い」

部屋を出て廊下に立ち、辺りを見回す。

「はい?」
「だから俺が何とかする。タカ派の黒の騎士団をボコって、催眠術みたいな強行路線を取らせないようにしてから八神達に合流。
 八神達に掛けられた催眠術が解けるまで尻拭いをして、解けたらロージェノムの圧政を民衆が打ち倒すのを黙って見守る。
 これでいいだろ、たぶん」

半場口から出任せであるが、背中越しにリードマンにこれからの一様の行動方針を伝える。
もちろん全部達成するつもりもない。悪魔で適当な行動方針だ。
正直に言えば超能力大戦などから抜け出し、とっととビバップ号のベッドで惰眠を貪りたい。
そう思いつつ適当な道へと足を運ぶ。

「あっはい。そうです、とりあえずそれでいいです」

慌ててリードマンが付いてくる足音が聞える。
背後に女の気配を感じながら考える。さて、あの三人をどう探そうか?
見つからなければ、放っておいてはやて達の方に行こうか?

「絶望した! あまりの本人置いてけぼりっぷりに絶望した!!」

廊下の向こうからゼロと名乗った男の声が聞えてくる。
どうやら探すまでもないらしい。





「絶望した! あまりの本人置いてけぼりっぷりに絶望した!!」
「どうしたんですかゼロ? いきなり大声を上げたりして」

カレン・シュタットフェルトとゼロの扮装をしている糸色望は、
突如意識を失ったルルーシュ・ランペルージを温泉施設の一室である和室へと運び込み、枕を敷きその上へと寝かせていた。
運ぶ際に、邪魔となったルルーシュのザックをゼロが持っているのは些細なことだ。

「どうしたもこうしたもありませんよ!! はやてさん達がどっかに行ったと思えばいきなりルルーシュさんが倒れて、
 しかも運ぶ手伝いまでさせられて。ええ、状況に流されるにしても程がありますよ!!」
「す、すいませんゼロ! あなたの御手を煩わしてしまって」

カレンはゼロに頭を垂れる。
人手がないとはいえ大事なリーダーの手を煩わせるなど、黒の騎士団失格だ。
本来ならば、ルルーシュを放ってでもでも有効な手段を取らなければいけないのだ。
それを自分の我侭でゼロの計画を無視することになるとは。猛省しなければ。

「え、え~と……いや、別にカレンさんが悪いわけじゃありませんよ。悪いのはルルーシュさんですよ」

しかし、カレンの落ち込む理由を今一理解できていないゼロこと糸色望は慌てて取り繕う。

333:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:15:00 lsYZ3mKS

「私を無視して、勝手に話を進めるルルーシュさんがいけないんですから」
「本当に申し訳ありません」

なんのフォローにもなっていないゼロの発言にカレンは再び深々と頭を垂れる。

「でも、ルルーシュのことを攻めないでください。あなたの負担を減らそうと思って代わりにやったことなんです。
 もう勝手なことをしないように、私が言い聞かせますから」

カレンの言葉に糸色望は何かを言おうとして、止めた。
これ以上迂闊な発言をしてゼロがカレンの前から失われる結果は、今はゼロを名乗る彼にとって望むものではない。

「……まあ、いいでしょう。私のすべきことを代わりに実行した功績に免じて不問にいたします」

そう言いながら右手の掌を突き出し、今だ何かを言おうとするカレンを押しとどめる。
糸色望は適当な所で話を終わらすことにしたのだ。

「ありがとうございます」

カレンはルルーシュに何の御咎めがないことにほっと安堵しつつ、今だ意識を失っている彼の顔を見つめる。
これ以上勝手な振る舞いをされると、本気で処罰されかれない。
黒の騎士団は弱者の味方であるが、自分勝手に行動する彼に対しゼロの堪忍袋は何時まで持つか分からないのだから。
カレンはルルーシュが目覚めれば文句を言ってやろうと思い、何気なく視線を彷徨わせる。
そして、その瞳がある室内のある一点で止まる。カレンの見つめる物は、鳥の巣箱を模した木製の古い時計であった。
その時計は放送まで数分しか無い事を指し示していた。ぼうっとして下手をすれば放送による情報を聞き逃してしまう。

「もうこんな時間。早く用意をしないと」
「え、用意って?」
「放送の用意です」

この放送は聞き逃すのは不味い。北が禁止エリア南は行き止まりの現状では東か西が設定されただけで移動方向が限られる。
その上でこの場所が禁止エリアにでもなれば、ルルーシュを担いで移動しなければいけない。最悪逃げられなくなる。
拠点にすると言ったこの場所が禁止エリアにならない保障はないのだ。次の放送は自分たちにとって死活問題となる。
せめて放送までに出立した彼らに残って貰えたのならば悩む必要はないのだが、ルルーシュの発言によって出て行ってしまった。
このことが対螺旋同盟にひびを入れることにならなければいいのだが。

「まったく、これだからブリタニア人は」

ついつい愚痴が出てしまう。だがこれ以上は考えない。
せっかくゼロの許しが出たのだ、目覚めてから後でたっぷりと言い聞かせればいい。

「何か言いましたカレンさん」
「いえ、何でもありませんゼロ」

そのやり取りの後にカレンとゼロは鞄の中から、それぞれ名簿と地図と筆記用具を畳の上に取り出し、放送に備える。
できる限り状況が好転することを信じながら、二人は時が訪れるのを待つ。


334:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/12/02 17:16:39 lsYZ3mKS




【H-6/温泉施設/一日目/昼・放送数分前】

【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
[道具]:支給品一式
[思考]
1:状況の把握。
2:はやて達が問題を起こさないようにサポートしに行く。
3:はやてに真相を問い質す。
4:読子と一緒に行動してやる。

【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:パンツ
[思考]
1:状況の把握。
2:はやて達が問題を起こさないようにサポートしに行く。
3:はやてに協力したい。
4:適当なところで帰る。
5:はやてにパンツを届けたい。
※はやてがやろうとしていることを誤解しています。

335:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 20:56:43 86A9/OjN
ほい削除依頼ヨロ

336:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/02 21:25:46 zAvfk0l/
んだ

337:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:14:39 cclPutuu


338:ランチタイムの時間だよ 1/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:15:11 IOnR+U/A
「見てみろよ、ミリア! ここはお宝の山だぞっ!」
「夢の島だねっ! ドリームアイランドだねっ!」

雲ひとつない澄み渡った真っ青な空と、その頂上から燦々と降り注ぐ眩しい太陽。
その遥か足元。雑多で膨大なゴミが堆く積みあがったデコボコな地面の上を、一組のカップルが走り回っていた。
空に輝く太陽にも負けないような陽気を振りまいて、楽しそうに、とても楽しそうに―……。

「アイザックー……。こんなにもたくさん勝手に持ち出していいのかなー?」
「おいおいミリア~、ここをどこだか忘れたのか? ここにあるのは全部捨てられた物なんだぜ」
「捨てられたなんて可哀相っ! もうここにある物は誰の物でもないんだね、アイザック!」
「……そうさ、ミリア。だから俺たちがこれからこいつらの面倒を見てやろうってんじゃないか」
「やさしいアイザック! これからはもうこの子たちも寂しくないんだねっ!」
「ああ。これからは俺が父となり、ミリアが母となり、この子たちは新しい人生を歩んでいくのさ」
「リサイクルだね~、循環社会だね~!」

ゴミ処分場という施設の中。分別することを諦められたゴミがただただ積まれているだけの場所でも、
アイザックとミリアはいつもの調子であった。
もう日も昇ったというのにアイザックは半裸のままで、ミリアの方は入り口を潜ったところで拾った安全メットを被り
アレンビーから借りたスコップ片手にした姿で、そのゴミ山の上を走り回り、時には何かを掘り出している。
螺旋王を探すという目的も半分忘れ、二人揃っていつもの通りに、子供の様に今という時間を謳歌していた。


そんな二人を遠目に、同行者の一人であるアレンビーは溜息をひとつついた。
彼女は彼らより少し離れた場所。バランスよく積みあげられた古タイヤの塔の頂上に腰掛けている。
ここに入ってきてすぐの頃は彼女も螺旋王の隠れ家を探していたのだが……。

「そんな顔をすると、この青空を写し取ったかの様な君の髪の色も曇ってしまうよアレンビー」

憂鬱に顔を曇らせるアレンビーの頭上を一羽の烏―キールが浮ついた台詞を吐きながら旋回する。

「……やっぱり、おかしいんじゃないかなって思うんだけど」
「おかしいのはこの世界の方さアレンビー。そんな些事に心を囚われて、君の顔から美貌が失われることの―……」

ふう―と大きく溜息をついてアレンビーは烏の戯言を聞き流す。
どうやらこの喋る鳥は物事を真剣には捉えていないぞ、ということをこの1時間ほどでアレンビーは理解した。
そして、ゴミ山の上を駆け回る二人。彼らについても、真剣ではあっても根本的にな部分でおかしい所があると彼女は感じている。
嘘をついて騙しているとは思わないし、アイザックの復活劇も実際に目の当たりにしている。それでも……、

怒涛の勢いで問答無用に理性を押し流す運命の逆流―ポロロッカ(大騒ぎ)。
そこから僅かに取り残されたアレンビーの理性が、彼女にこのままじゃいけないと小さな警告を送り続けていた。

……と、頭上の烏よりアレンビーにとって意味のある言葉が投げかけられた。
「お客さんだよ、アレンビー。しかも二人……」
「その言い方だと、来たのは男の人かしら?」
皮肉っぽくかけられた言葉に烏は空中で器用に首肯する。
「あたり。アレンビーと相互理解が深まって嬉しいよ。来たのは両方とも男。おっさんと小僧さ」

古タイヤの塔の頂上で立ち上がり入り口の方へと振り返ったアレンビー。
その視線の先には、一組の壮年の男性と背の低い少年の姿があった。

339:ランチタイムの時間だよ 2/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:16:23 IOnR+U/A
 ◆ ◆ ◆


「ゴミ処分場だと……何があるんだろう?」
出会ってより数時間が経ち、そろそろ口数も少しずつ増えてきた同行者の質問にジェットは頭を捻る。
「そうだな。……映画館では映画に、博物館では展示室に何かがあったんだ。
 ということはゴミ処分場だとやっぱり集められたゴミ……、もしくはそれを処理する施設あたりが怪しいな」
その返答にチェスはこくりと頷き、納得したことをジェットに知らせる。
そして視線を上げて、眼前に大きく広がるゴミ処理場をその小さな両目で見渡した。

ゴミ処分場に入ってすぐに見えるのは、廃車となり積み上げられた車の残骸や古タイヤの塔。
真っ赤に錆びた金属製の何かだった物で組上げられた奇怪なオブジェ。同じ様に錆びの浮いた、古びたコンテナの数々。
その間の所々に見えるのは、それもゴミかと見間違うほど汚れたゴミを動かすための重機達。
それらから目を移せば、次に見えてくるのは無愛想な灰色の建物の群れだ。
特徴的なのは、空へと長く伸びる紅白の縞模様に塗られた煙突だけだが、そこから吐き出されるべきである煙は少しも見えない。
そして、更に視線を奥へと進めればそこに見えるのは灰一色に見える巨大な山。
よく観察してみると、一見灰一色なそれは雑多な色が重なりあった結果そういう印象を受けるのだということが解る。
物の死骸を集める場所だけあって、まるで墓場の様にそこは静寂で、
聞こえてくるのは海風に揺られたゴミの群れが奏でる、細波の様な静かなノイズだけだった。

―と、一瞬何かが二人の頭上に降りかかる陽光を遮った。そして、それは軽い音を立てて彼らの目の前にへと着地する。

「はじめまして! 私はアレンビー・ビアズリー。オジサンと少年は?」

それは、この場には似つかわしくない透き通った青い髪の少女―アレンビー・ビアズリーだった。


 ◆ ◆ ◆


「あ……と、驚かせたみたいだね……」

突然に現れて今、目の前で両の手の平を顔の前で振り、照れ笑いする少女にチェスは大きく驚いていた。
視界の中のどこから飛んできたのだとしても、それが尋常な距離ではないと推測できる跳躍力。
そして、目の前のジェットが銃を向けていても、なお平然としていることから窺い知れる実力。
あの螺旋王に集められていた場所でのことを除けば、目の前で見る超人との初めての遭遇であった。

「俺はジェット・ブラック。この子はドモン・カッシュだ」

銃を下ろさずまだ警戒を解かないままに、ジェットはチェスのことを聞かされたとおりにドモンと紹介する。
その瞬間、アレンビーの顔に怪訝な表情が浮かぶのをチェスは見逃さなかった。

「ドモン・カッシュです。こんにちはおねーさん」

あどけない声を使って嘘の自己紹介をすませた裏で、チェスはこの状況を推定していた。それは―、
”目の前の女はドモン・カッシュという人物を知っている。だが、決して不死者ではない”
ならば、問題は想定範囲内だった。前もって考えていた通りにことを推移させればよい……。

「どうしたのおねーさん? なんだか怖い顔をしてるよ」

自分は子供だ。と、最早そう思わなくても自然に出るようになっているその使い古した仮面をチェスは被る。

340:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:16:33 cclPutuu


341:ランチタイムの時間だよ 3/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:17:34 IOnR+U/A
「アタシの知っているドモン・カッシュとは違うみたいだけど、同姓同名って訳じゃあないよね……」

相手は警戒を強めている。だが、それもチェスの手の内だった。
ある程度緊張を高めた所で拍子抜けするような回答を提示すれば、相手を容易にそちらへと誘導することができる。
水と同じで低きところへと流れるのは人の心でも変わらない。それは300年を生きた彼が信じる世界の法則だ。

「ううん。僕は”チェスワフ・メ……”……―!」

一瞬、ドクンと心臓が脈打ちチェスの仮面に皹が入った。
(馬鹿な。今、私はドモン・カッシュと名乗ろうとしたはずなのに……何故!?)
偽名が名乗れない。それが何故なのかは解りきっている―不死者が近くにいるのだ。見えないどこかに。
そいつが目の前の女と会話をしているうちにひっそりと近づいてきている。

「ご、ご、ごめんなさい。本当……は、チェスワフ・メイエル……です」

それに気付いたことに気付かれてはまずいと、チェスは必死に子供として動揺するという自分を取り繕う。
目の前にいる二人に対しても、そしてどこか近くに潜んでいる不死者に対しても、自分は無害で臆病な子供だと見せかけなければならない。
途端に複雑化した状況と条件に、チェスの頭脳はその回答を導き出すべくめまぐるしく回転を始める。
予め用意していたプランに、このような特殊な条件を設定したものはない。だからこの一瞬で……―、

「おー! チェス君じゃあないか」「無事だったんだねー!」

と、仮面の下で苦悩するチェスの元へ聞き覚えがある声と共に助け舟が降りて来た。
1931年のフライングプッシー号に乗り合わせた、自分の身元を保証してくれる風変わりな男女のカップル。
彼らによってこの苦境から自分は救われるだろうとチェスは確信した。だが、チェスにはその男の笑い顔が―、

―その嘘偽りの全く無い真っ白な笑顔が、死神のそれにしか見ることができなかった。


 ◆ ◆ ◆


結局の所、アレンビーがチェスに抱きかけていた誤解はあっさりと解かれた。
すでに同行していたアイザックとミリアが間に入ったことで、それは単なる臆病な子供がその場の思いつきでついた嘘だったと
チェスの想定していた通りに決着がついた。
興味なさげにその場を離れていたキールも、チェスの同行者であったジェットも最終的にはそれに納得した。

かくして、互いが安全な相手だと確信した彼らはそれまでに得ていた情報を交換し合うのだが……。


 ◆ ◆ ◆


「俺にはどうしてもお前さんがたの言っていることが正気とは思えんのだが……」
「……否定はしないわ」

合流した後、再びゴミ処理場内の探索へと二手に別れたその片方。
ジェットとアレンビー。そして、その頭上のキールの二人と一羽はゴミ処分場内にある焼却施設の中を探索していた。

先程行われたばかりの情報交換の中で、新しく合流したジェットとチェスの二人に語られた
アイザックが螺旋王の息子だという話と、そこから続く荒唐無稽なストーリーをジェットは……、

342:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:18:15 cclPutuu


343:ランチタイムの時間だよ 4/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:18:44 IOnR+U/A
「意味が解らん。そんな訳ないだろう」

……と、常識という観念で一蹴した。
勿論、それを目の前で物語を熱心に紡ぐ、頭の上にお花を咲かせた二人に直接ぶつけたりはせず、
ていよく別れた所で、比較的常識が通用しそうなアレンビーへとぶつけて探りを入れてみた。
ジェットの見込み通り彼女もあの話には懐疑的な部分があったようだが……、

「でも、彼が不死身だってことはこの目で確認したし、彼は今までもそうだったって……」

そこが問題だった。
彼はこの実験が始まってより繰り返し殺され続けてきた―そういうありえない事実があるからこそ、
またそこから続く信じがたい話もアレンビーは一蹴できないでいるのだ。

「……とりあえず、話に出てきたカフカって娘と会ってみないと解らんな。
 それに、やつが”殺された”という相手にも確認を取りたいところだが……」

そこでジェットも首を捻った。行方知れずのカフカという少女を探すのも骨が折れる話だが、名前も知らない相手を探すのはそれ以上だ。
しかも、アイザックを”殺した”ということは、つまりはその殺意をこちらにも向けてくる危険人物であろうことが容易に想像できる。

床の上を歩く二人は頭を悩ませ、逆に空を羽で叩いて飛ぶ一羽は何も考えずに、ゆっくりと施設の奥へと入り込んでいった。


 ◆ ◆ ◆


片方の組が薄暗い室内で、これまた暗い考えに心囚われている頃。
もう片方の組の方は明るい日差しが降り注ぐ中、あいも変わらず陽気に宝探しを楽しんでいた。

「いやー、チェス君が無事でよかった」「よかったネ!」
「あのおじさんにも何かお礼をしないとな~」「恩返しだね! 玉手箱だね!」
「よし、と言うわけで玉手箱を掘り当てよう!」「ここ掘れワンワンだね! 大判小判ザックザクだね~!」

目の前にいる二人は馬鹿だ―クルクル回ってはスコップを振り回す二人にチェスはそう評価を下した。
だが、その二人を目の前に彼の心臓は落ち着かず、身体は足場の悪さを考えてもなおフラフラと揺れていた。

”アイザック・ディアンは不死者である”

それはチェスにとっては最早間違いのないことであった。
先刻の突如として偽名を名乗れなくなった事。そして、その後彼らから聞かされた「手品」の話……。
1931年のフライングプッシーフット号。その食堂車の中にいたチェス以外の不死者。それはアイザック・ディアンだった。

子供として目の前の二人に付き合いながらチェスは考える。
―アイザック・ディアンという男は一体何者なのか? 何を考えているのか?
底抜けの明るい態度。手品やポロロッカという荒唐無稽な話で皆に幸せをもたらせると考えている異常な思考。
チェスの頭の中に思い浮かんだのは、同じ錬金術師であり不死者の一人でもある”笑顔中毒者”のエルマーという男だった。
幸不幸の関係なしにただ”笑えればいい”―それだけが至上命題の、ある意味最も狂っていて、そして傍迷惑な男だ。
果たして、目の前の男はそんなモノなのだろうか? それとも全ては演技なのか? そして―、
―この男は私が不死者だと知っているのか? 私を喰おうとするのか?
それがチェスにとって最も重要な事だった。文字通り、それは死活問題だ。

344:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:19:24 cclPutuu


345:ランチタイムの時間だよ 5/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:19:56 IOnR+U/A
目の前の男が何を考えているのか解らない。それがチェスにはどうしようもなく怖い。
もし自分を喰おうとしているのならどうすればよいのか? それだけはどうしてもいやだ。死んでもいい。だが喰われたくはない。
こんな汚いものを。こんなおぞましいものを、誰かの中に移し覗き見られるなんてとても耐えられない。それだけは……、

「(……私が、ヤツを喰えば……)」

そうだ。そうすればよい。そうすれば不安は何もなくなる。何も怖がる必要はなくなってしまう。
何よりも、ここはそういう場所なのだ。不死者は不死者でしか殺せない。ならば、どこに躊躇う必要があるのか。


心と水はよく似ている。どちらも低き低き方へと自然に流れてゆく。恐れを抱いたチェスの心も低き方へと―。


 ◆ ◆ ◆


「……で、キールはこれをどう思う訳?」

アレンビーはジェットとの会話が一段落すると、頭上で無関心を貫いていた喋る烏に声をかけた。

「あれ、もしかしてオイラに意見を求めたの?
 でもオイラ、男の声なんか全然頭の中に入ってこないからさ。アレンビーがその可愛い声でもう一度聞かせておくれよ」

はぁ……と、アレンビーは何度目になるかわからない溜息をつく。こんなにも面倒くさいのなら、いっそ無視すればと決め込みたいところだが、
今は鳥の足も借りたいところなので渋々ながら説明を繰り返した。

「ジェットさんが言っていた螺旋王の本当の目的って話。螺旋力ってのはあなたも聞いたでしょ」
「さぁてね。鳥頭って言葉があるぐらいだから、オイラ女の子の話以外は……」
「…………焼却炉に放り込んで焼き鳥にしちゃうわよ」
「おぉ、なんと大胆なアプローチか。不肖ながらこのキース、恋の炎にならば喜んでこの身を投げ込みましょう……」
「たまにはあんたも普通に喋りなさいよ!」


いつ終わるとも知れない一人と一羽のやり取りから離れた場所で、残りの一人であるジェットは大きく息を吐いた。
「(……焼き鳥、か)」
そういえば、ここに来てからろくに食事をしていない。
これから長丁場になりそうなことを考えると、スパイクではないがたんぱく質の補給を期待したいところだ。
だがジェットの記憶が確かならば、自身の鞄の中に肉は入ってなかったはずだ。……と。

「魚の肉も……たんぱく質だよな?」

ジェットの両眼が注視するところ、アレンビーの背中には青々とした巨大なブリが背負われていた……。

346:ランチタイムの時間だよ 6/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:21:06 IOnR+U/A
 ◆ ◆ ◆


「そーだよ忘れてた!」

突然あがったの大声にチェスはびくりと身体を震わせ、ミリアも何事かとそちらを振り返った。
アイザックは二人が自分に注視していることを確認すると、今までに見せたことののないような真剣な口調でそれを口にした。

「……俺達、メシ喰ってねーじゃん」

その発言に、ミリアはまるでこの世の終わりが目の前にやってきたかのような表情を浮かべ絶叫する。

「どうしようアイザック! このままじゃあ、チェス君も私達もみんな餓死しちゃうようっ!」

涙を浮かべひしと抱きつくミリアを受け止めると、アイザックはその涙を拭いながら次の台詞を吐く。

「安心しなミリア。俺達には心強い味方がいるんだぜ」
「……それは?」
「ブリだ!」
「……アイザック。あのアレンビーさんのお友達を食べちゃうんだね」
「ああ。そうだぜミリア。そして、彼は我々の血となり肉となりて我々に宿りその御魂は永延と受け継がれるんだ」
「リサイクルだね~、循環社会だね~!」

という訳で。と、ピタリと直立するアイザックとミリア。

「じゃあ、ミリアはアレンビーさん達とブリさんをここまで呼んできてくれ。
 俺はその間に、みんなで楽しく食事ができるよう見晴らしのイイ場所を探しとく。」
「OK。アイザック! みんなで野原にマットをひいて楽しいランチタイムだね♪」

言い終わるが早いか、ミリアはドレスの裾を翻し安全メットを小刻みに揺らしながらゴミ山の向こう側へと消えていってしまった。
後に残ったのは、ミリアが消えた先へ未だ爽やかな視線を送るアイザックと、呆然とし目が点になっているチェスの二人のみ。


 ◆ ◆ ◆


「じゃあさチェス君、一緒に見晴らしのいい場所を探そうか!」

そう言いながらザクザクとゴミ山を登るアイザックに、チェスは恐る恐るとついて行く。
目の前の無防備な男は一体何を考えているのか。これは罠なのではないか。そんな気持ちを心の中に渦巻かせながら。

347:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:21:46 cclPutuu


348:ランチタイムの時間だよ 7/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:22:20 IOnR+U/A
「チェス君さー。アレンビーやあのおじさんに”偽名”を使ったんだって?」


先を行く男から何気なくかけられたその言葉に、チェスの身中にある小さな心臓がドクンと大きな音を立てた。
まるで、その音が外に漏れ聞こえてしまうのが心配だという風に、チェスはその手をそこに当てる。
見上げた先、振り向いた男の表情は日の光が逆光になっているため見ることはできない。

だが、チェスには男が自分を見下ろして薄笑いを浮かべているんじゃないかと思えた。

―よ~くわかるよ。怖いもんな、俺だって泥……ウ…………時ハ…………。

ドクンドクンとまるで自分の身体がひとつの心臓となったかと思うぐらいに、その音は響き、身体を揺らす。

―だ……ら、チェス君も………………………………だロ…………?

ドクンドクンと一つ音を打つたび、身体が恐怖に引き絞られる。まるで見えない蛇が音を打つたびに絡み付いてくる様に。

―で…………「安心」…………ヨ。…………で、……………………「喰ったら」………………って!

身体を縛り付けていたは恐怖という感情だったが、それを解放したのはそれよりも強い恐怖だった。


「うわああああああああああああああああああ――っ!」


ゴミ山の上に蕩う濁った空気を切り裂くような絶叫を上げ、まるで手負いの獣かと思えるような様でチェスは突進した。
足場も悪く、チェスは短躯なために速さはそれほどでもない。だが、眼前へと迫る彼の気迫にアイザックは動くことができなかった。
いつの間にかに抜き出されていた短剣を前に構え、弾丸となったチェスはそのままアイザックへとぶつかり―押し倒した。

グシャリと音を立ててゴミの中に埋まったアイザックの上を這い、チェスは彼の頭へと短い右手を伸ばす。
その手がそこに届いた次の瞬間、それは始まった―、

張り付いたチェスの右手から中身を吸い出されているかの様に、アイザックの身体が萎み始める。
最初は手や足の末端部分から、血が肉が骨が吸い取られ残された皮膚が乾いた紙の様にくしゃくしゃになる。
そして中身が吸われた後、残された皮膚も同じ様に右手の中へと吸い取られた。
髪の毛の一本、歯の一本、爪の一枚、何一つ残さずにアイザックという存在をその中へと吸い込んで「喰った」。

その場に残ったのは彼が身に纏っていた衣服と荷物。そして、彼の名前が刻まれた首輪が一つだけだった。
だが、アイザックがここにいたという証であるその首輪も、持ち主が居なくなると重力に従いゴミ山を転がり落ち、何処かへと姿を消した。

そして、残された人間は孤独な不死者であるチェスワフ・メイエルが一人。

彼は思っていた自身は最悪の存在であると。この世で最も汚い物の一つだと。だから、もうどの様な悪行を尽くしても変わらぬと。

だが、信じていた己の最悪よりもまだ邪悪で汚らわしい存在があるということを今此処で彼は知った。

「―――――――――――――!」

自身の魂を内側から切り裂くような無音の絶叫を上げ、チェスワフ・メイエルはただ独り……逃げた。

349:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:23:07 cclPutuu


350:ランチタイムの時間だよ 8/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:23:32 IOnR+U/A
 ◆ ◆ ◆


「アイザックー! どこにいるのー?」

広大なゴミ山の片隅に、もうこの世には存在しない男を呼ぶ声が木霊していた。

「早く出てこないと、先に食べちゃうよー」

そんなことは今までで一度もなかった。出会ってからはいつもアイザックは彼女の傍に居続けたのだから。

「チェス君? アイザック? どこに隠れているのー?」

綺麗なストレートの金髪をなびかせる彼女の足元で、何かがキラリと陽光を反射していた……。



 【E-4/ゴミ処分場・ゴミ山の上/1日目-昼】


 【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】
 [状態]:健康
 [装備]:安全メット、スコップ、珠洲城遥の腕章@舞-HiME
 [道具]:デイバック、支給品一式、拡声器、ガラクタ(未識別)×1~3
 [思考]
  基本:アイザックと一緒♪
  1:アイザックとチェス君を探してみんなと一緒にランチを食べる
  2:ランチが終わったらゴミ山探索の続き、螺旋王を探す
  3:ジャグジー、剣持、明智、高遠、ドモン、清麿、ジンを探す
  4:パーティー楽しみだねアイザック! みんなでやればもっと楽しそう! あとでカフカたちと合流しようか?

 [備考]
  ※可符香とアイザックの話を全面的に信用しています
  ※殺し合いの意味を完全に勘違いしています(アイザックに課せられた試練で、終了条件は全員に手品で殺される事)
  ※アイザックはポロロッカ星の王子で、螺旋王は彼の父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます
  ※この世界は死ねば元の世界に帰還。生き残ればポロロッカへご招待されると勘違いしています
  ※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み。(金田一の事件簿)
  ※可符香、金田一、アレンビー、キール、ジェットと情報交換をしました


 【ジェット・ブラック@カウボーイビバップ】
 [状態]:健康、空腹
 [装備]:コルトガバメント(残弾:6/7発)
 [道具]:デイバック、支給品一式(ランダムアイテム0~1つ 本人確認済み)
      テッカマンブレードのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
      アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION
 [思考]
  基本:情報を集め、この場から脱出する
  1:チェスとアイザックを探してブリを食べる
  2:情報を集めるために各施設を訪れる。(とりあえず今はゴミ処理場の探索)
  3:カフカという少女を探し出しポロロッカについて尋ねてみる
  4:出会えればティアナを保護
  5:謎の爆弾魔(ニコラス)を警戒
  6:仲間(スパイク、エド)が心配
  7:明日の正午以降に博物館に戻ってくる

351:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:24:15 cclPutuu


352:ランチタイムの時間だよ 9/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:24:42 IOnR+U/A
 [備考]
  ※テッカマンのことをパワードスーツだと思い込んでいます
  ※ティアナについては、名前を聞き出したのみ。その他プロフィールについては知りません
  ※チェス、アレンビー、アイザック&ミリア、キールと情報交換をしました
  ※監視、盗聴されている可能性に気づきました
  しかし、それは何処にでもその可能性があると考えているだけで、首輪に盗聴器があるという考えには至っていません


 【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】
 [状態]:健康
 [装備]:ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)
 [道具]:デイバック、支給品一式、爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING、注射器と各種薬剤
 [思考]
  1:ミリアと一緒にアイザックとチェスを探し、その後みんなでブリを食べる
  2:ポロロッカのことについては、もう一度考え直したい
  3:豪華客船へとゲームに乗っていない人間を集める(高遠の伝言)
  4:悪いヤツは倒す! (悪くなくとも強い人ならばファイトもしてみたい……)

 [備考]
  ※キールロワイアルのアレンビーver.「ノーベルロワイアル」を習得
  ※参加者名簿はまだ確認していない
  ※シュバルツ、東方不敗はすでに亡くなっている人として認識している
  ※ガッシュ、キール、剣持、アイザック&ミリア、ジェットと情報交換をしました
  ※高遠を信用できそうな人物と認識しています


 【キール@王ドロボウJING】
 [状態]:健康
 [装備]:
 [道具]:デイバック、支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING
 [思考]
  基本:可愛い女の子についてゆく(現在はアレンビー)
  1:居なくなった男二人を適当に探し、アレンビーと優雅なランチを楽しむ
  2:他のことは……、まぁ、あんまりどうでもいい
  3:女性は口説く! 野郎? 別に興味ない

 [備考]
  ※参加者名簿はまだ確認していない
  ※ガッシュ、キール、剣持、アイザック&ミリア、ジェットと情報交換をしました
  ※高遠を信用できそうな人物と認識しています


 ※アイザックの遺品がゴミ山の中に放置されています
 デイバック、支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師
 カウボーイ風の服とハット、アイザックのパンツ、アイザックの首輪
 アイザックの掘り当てたガラクタ(未識別)×1~3

 ※アイザック&ミリアがゴミ山から掘り出したガラクタは多分ただのガラクタです


353:ランチタイムの時間だよ 10/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:25:51 IOnR+U/A
 ◆ ◆ ◆


チェスはただ闇雲に走り続けていた。その小さな身体で。何かに追われる様に。何かから逃げる様に。
バクバクと心臓が激しい収縮を繰り返し、全身から汗が噴出し、身体中の筋肉が悲鳴を上げている。

彼は不死者である。歳は負わないし、身体が傷ついてもそれは瞬く間に元通りとなる。
だが、それはあくまでそうであるというだけのことであって、常時の肉体の働きは普通の人間と変わりはない。
疲労が限界を超え筋肉の断絶が起きた時になって、やっと悪魔の定めたルールに基づいて肉体は修復を開始する。

走りながら何度もそれを繰り返したチェスの身体が、糸の切れた操り人形の様にアスファルトへと叩きつけられた。
全身の修復箇所が身体を動かすのに必要な分を超えたからだ。それが修復されるまでの間、チェスは物の様にそこへ横たわる。

冷たい地面に触れて、乱れていたチェスの思考が少しずつ戻ってくる。狂ったままなら楽だったろうにと思っても、否応無しに……。

不死者が不死者を喰うということは、ただその片方に死を齎すという事だけではない。
喰った方が喰われた方の全てを得るということだ。脳の中の記憶だけでなく、身体の覚えた技術、体術までをもだ。
その人間の人生を受け継ぐといっても変わりはない。

そしてチェスは知った。アイザックが―愚かで、無自覚で、それでいて、とても善良な人間であることを。

彼は自身が不死者であることにすら気付いていなかった。それ故に記憶を探ってもどうして彼が不死者だったのかは解らない。
そう―だから、彼が自分を喰らおうとしているということなどは、全て卑小で愚かな自分の妄信だったのだ。
自身の記憶と同じ様に、近い記憶ほど鮮明に読み取れる。彼の最後の記憶は―「これも手品か」―だった。

その愚かさに、チェスの両目から涙が溢れた。とめどなく流れ、筋をつくり、地面にそれは溜まった。

最初に人を「喰った」のはフェルメートという男で、彼は同じ錬金術師であり、保護者であり、また自身を虐げる者であった。
「喰った」のは自衛のためであったが、直後にそうしたことを後悔した。
フェルメートの中にあったモノは己に向けられていた歪んだドス黒い欲望ばかりで、それは己の中に元よりあった
彼を恐れる気持ちと同居し、その身体を裏返しにして吐き出したくなる様な汚く重い膿を心の中に生み出した。
虐げる者と虐げられる者が同居するという、誰にも見られたくない汚らわしい自分。

それを誰にも見られたくないかった小さなチェスは、いつしか自分以外の全ての不死者を喰らおうとまでに思いつめていた。
そして、そんな自分が最悪のものであるという自覚はあったのに―。

穢れていないもの。真っ白なもの。無垢なもの。それらを踏み躙り、己の中に取り込んでしまうことのなんと悲しいことか。
真っ白なものが世界から失われ、自身の中で汚物に侵され黒ずんでいくことのなんと悲しいことか。

身体が再生を終え立てるようになっても、チェスはまだ横になったまま泣いていた。


―ただただ、アイザックがこの世からいなくなったことを嘆いて泣いていた。



 【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ! 死亡】

354:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:26:43 cclPutuu


355:ランチタイムの時間だよ 11/11  ◆AZWNjKqIBQ
07/12/03 00:27:01 IOnR+U/A

 【D-3/市街地/1日目-昼(放送直前)】


 【チェスワフ・メイエル@BACCANO バッカーノ!】
 [状態]:健康
 [装備]:アゾット剣@Fate/stay night
 [道具]:デイバック、支給品一式、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
 [思考]
  基本:最後の一人になる。または、何らかの方法で脱出する
  0:ミリア達とは会いたくない
  1:…………………………

 [備考]
  ※アイザック・ディアンを「喰って」その知識や技能を得ました
  ※ミリアが不死者であることには気付いていません
  ※なつきにはドモン・カッシュと名乗っています
  ※不死者に対する制限(致命傷を負ったら絶命する)には気付いていません
  ※チェスが目撃したのはシモンの死に泣く舞衣のみ。ウルフウッドの姿は確認していません
  ※ジェット、アイザック&ミリア、アレンビー、キールと情報交換をしました
  ※監視、盗聴されている可能性を教えられました。
  ※無意識の内に急激に進化する文明の利器に惹かれつつあります。

356:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:28:31 BODwRXf/
フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)

経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。

キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。

キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。

『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。

書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
 携帯からPCに変えるだけでも違います。

--------------------------------------------------------------------------

ここらへんもいらないですね

357:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:36:21 eGl9PTCN
>『展開のための展開』はNG
> キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。


ここ、気になるな
こんなもん、チェスの駒だろ常考                                               
                                                               
                                                         
思考考えたってしょせん二次創作のクソ同人作家の妄想じゃね
価値なんて何も無いよ。
あると思ってるなら、それはただの原作者に対する傲慢だよ                                                       
考えたってどうせポイ捨てされるようなSSに対して
                                                       
何こいつらそんなに熱くなってんだ?

                                                       




358:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:43:05 pCMJRTvp
URLリンク(keiyasuda.ddo.jp)

2ちゃんねる板対抗バトルロワイアルの遊び方
        キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

0)2ちゃんねる板対抗バトルロワイアルとは

板対抗潰し合いゲームです。  (*´д`*)ハァハァ
1)2ちゃんねる板対抗バトルロワイアルの目的

数ある2ちゃんねるの板を戦争でぶっ潰して頂点に立とうって言うゲームです(・∀・)
はっきり言ってよそのバトロワとはスクリプトは同じでも、やってる連中の脳みそは違うので
「バトロワとは(ry」とか言い出して厨房扱いされないように
2)2ちゃんねる板対抗バトルロワイアルの参加条件&禁止行為
2ちゃんねらーなら誰でも参加汁!
だけど荒らし君は勘弁な。
んで、初心者は必ず初心者の方へを読めよ
読まないで教えて君・クレクレ君・厨房扱いされたよヽ(`Д´)ノウワーンって言ってもおいらは知らないぞ

荒らされるスレッドはsage進行した方がいいけど、サブ板にある避難スレはガンガン上げていいよ。
んで、避難所じゃなくて本板にスレがあるけど、参加者を増やしてえよって言う場合は・・・
まああくまで軍の判断でよろしく。
スレを上げてなにかあってもおいらのせいにしちゃいやずら( ̄ー ̄)
それと参加する軍の板は必ず見ること。コレ大事、テストに出るよ。

スタキラ(スタータに攻撃はできない)は駄目。F5の連打や過剰なリロード禁止、負荷厨は自動的にアク禁。
多重登録、チート行為をすること聞くこと教えることは禁止。
行動記録荒らしもいやずら。
敵だろうが味方だろうが参加板のスレッドは荒らすな、正々堂々とゲームでヌッ殺しあえ!
裏切り行為= 自軍等のキャラに対して攻撃。
スパイ行為= 他軍で入り作戦内容等を自軍に報告。
その他、他人を不快にさせる行為に対しては厳しく取り締まります。
こういうことしたやつらははクビチョンパ→アク禁→接続業者に報告→友達のスーパーハカーに(ry
連続リロードによるアク禁解除はオフィシャルページから。

             ■                ■                 ■

そんなことよりこれ、どう思う?

359:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 00:50:21 pvQtBXfL
>はっきり言ってよそのバトロワとはスクリプトは同じでも、やってる連中の脳みそは違うので
>「バトロワとは(ry」とか言い出して厨房扱いされないように

>はっきり言ってよそのバトロワとはスクリプトは同じでも、やってる連中の脳みそは違うので
>「バトロワとは(ry」とか言い出して厨房扱いされないように

>はっきり言ってよそのバトロワとはスクリプトは同じでも、やってる連中の脳みそは違うので
>「バトロワとは(ry」とか言い出して厨房扱いされないように

>はっきり言ってよそのバトロワとはスクリプトは同じでも、やってる連中の脳みそは違うので
>「バトロワとは(ry」とか言い出して厨房扱いされないように




おいwwwwww

360:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 01:24:57 DTWLnPI7
したらば厨どもめ
外にとびだしやがったな

361:名無しさん@お腹いっぱい。
07/12/03 23:11:28 BnAwu2aW
そのバトロワ、面白そうだな

362:奪え、全て、その手で 1/10 ◇1sC7CjNPu2
07/12/04 05:35:21 f25l5XK/
 アルベルトは不死の少女を小脇に抱えながら、ある場所を目指して走っていた。

 ―放送まであと数十分といったところか。

 アルベルトは、軽い苛立ちを積もらせていた。
 伝言が思うように伝わらないことから、アルベルトは別の手立てを考える必要があった。
 しかし、これといったものが考え付かなかったのだ。
 十傑衆の一人としてどうかと思ったが、そもそも初めの段階で最良と考えたのが伝言なのだ。
 その伝言と比べると、どれもこれも最良とは言いがたいものばかりになってしまう。
 どうも手詰まりな感触に、アルベルトがさらに苛立つと―目的の建物が見えた。

 「ふん、あれか」
 「え?」
 「黙っていろ、舌を噛み千切るぞ」

 アルベルトは声に反応した少女に、素っ気なく注意しておく。
 そして―アルベルトは、その場に急停止した。

 「ぐがはっ!」

 アルベルトの抱えた少女が、いささか下品な悲鳴を上げる。
 少女はアルベルトの注意を聞かなかったのか―というより、理解できなかったのだろう。
 慣性の法則というものがある。移動しているものはずっと移動しており、静止しているものはずっと静止しているという法則だ。
 少女もバスが急停車する時になど、その法則を実感することがある。
 少女は慣性の法則通りに進行方向に引っ張られ―胴体はアルベルトの腕でがっちり固定されているため、体が引き千切られそうな痛みに襲われたのだ。
 車以上の速度で駆け、人を握りつぶすぐらい朝飯前の腕力である。
 アルベルトとて、相手が不死身でもなければまずやらない。……苛立ち混じりだったのはいささか大人気ないと言うしかないが。

 「……もう……ちょっと、女の子は……労わり、なさいよ」

 息も絶え絶えのかがみの文句を黙殺し、アルベルトは眼前の建物に目をやる。
 まるで城のような建物だ。中央に四角形の城塞じみた建物に、左右に中央の四角形よりゆうに二倍の大きさはある塔が繋がっている。
 塔の二倍の大きさというのは縦もそうだが、横にも二倍の大きさなのだ。二かける二で、四倍と言った所か。
 その大きさのせいで、中央の建物がとても小さく見える。
 窓は、どういうわけか一切見当たらない。唯一内部を覗けるのは中央の建物に設けられた自動ドアだけだ。
 さらに自動ドアの上には達筆で書かれた看板が掲げられており、それが唯一その建物の役割を表している。

 私立図書館『超螺旋図書城』

 「断じて図書館には見えん」
 「城ってなんだ、城って」
 二人は思わず突っ込んだ。

363:奪え、全て、その手で 2/10 ◇1sC7CjNPu2
07/12/04 05:36:33 f25l5XK/
 アルベルトがこの図書館を目指した理由は、割とシンプルなものだ。
 四方八方に散った参加者たちは、おそらく地図上の施設を目的地として行動するはず。
 戴宗もまた、人が集まりそうな場所を目的地として行動しているだろう。
 アルベルトは地図上にある施設をすべてか、あるいは幾つかを回ればいずれ戴宗に出会うだろうと考えたのだ。
 空振りであっても書置きなどの手段があるし、人がいた場合は伝言という手がある。
 ……ただやはりアルベルトは、どうも十傑衆としていささか考えが安直すぎる気がしてならないのだった。

 ■

 
 ガラス張りの自動ドアが開き、アルベルトたちを館内に迎え入れる。
 外観通りかなり大規模な―そして、奇妙な造りだった。
 正面玄関からすぐに貸し出しのためのカウンターがあり、そこから左右に塔へ続く通路がある。
 通路の先には、螺旋状の書架がところ狭しと並べられていた。
 螺旋状の書架はそれ自体が柱として機能しているのか、床から天井まで繋がっている。
 書架の前には螺旋階段が作られており、それを上がって本を取れということだろう。
 螺旋状の書架の隙間には、読書のためと思われる机と椅子が幾つかあった。

 ―変わっているどころか、文字通り捻くれた図書館だな。

 上にある資料を取るためには、馬鹿みたいに高い所まで螺旋階段を上らなくてはならない。
 利用者にとって、わざとらしいほどに不親切な作りとなっている。
 ……もっとも現在この舞台において利用者とは参加者に他ならず、不親切な作りになっているのも頷ける話であるが。

 「本を読んでる暇があったら、他の所に行けということか」
 「は?……痛っ!」
 「そこらで適当に待っておれ。逃げても無駄だとは分かっているだろう」

 少女を床に放り出し、アルベルトは単身で貸し出しカウンターの奥に進む。
 カウンターの奥には、おそらく従業員用の通路が続いていた。

 ■

 アルベルトは、館内に入った時から人の気配を探っていた。
 しかしこれといった反応はなく、後は人が潜んでいそうなのはこの通路しかなかった。
 何者かが―特に戴宗が身を潜めていることを期待していたアルベルトだが、残念なことに期待は外れることとなった。
 通路の奥には会議室や職員用の更衣室など様々な部屋があったが、人が潜んでいるということはなかった。
 階段があり、上がってみたがどこも同じようなものだった。

 ―戦闘が起きた時お荷物にならぬように不死の娘を置いてきたというのに、無駄足か。

 アルベルトの苛立ちはさらに積もる。
 念のため他の参加者たちの書置きなどがないか調べ、アルベルトは最後に『書庫』とプレートに書かれた扉を開いた。



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