07/10/11 16:45:16 Wwd6c2bz
>>47
かわいい
51:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/12 00:28:53 mf8dDHi1
かわいい
↓
_ __ _ ┌かわいい
, .:.´:.:.:..:.::::::::::::::::``ヽ、↓
,r'´.: .:.:.::::::::::::::::ー -、r」⌒Y⌒Y^ヽ
かわいい→ / .:.: .:.:.:::::::::::::::::::.:.:.,r'´ ソ^ヽこ イ ヽ
/ .:. /ミヽ::::::::::::::::::::.:.:.:.> > ,ィ二ヽ ¨ヽ
,'.:.:::/.:::`ヾ、::::::::::::::::::::.:.:`フ } ,イイ薔薇カ ) ←かわいい
i:.::/:::/``ヽ、`.:、::::::::`:.:、.:フ L入ハ三 ソ <
|/.::,イ} ``丶、.:.:.:.:.:ヽゝ `ゝl;;|二ノヽノ
.レイ/リ `ヽ 、.:.:> Y!;;| ヽソ たまご焼き…
かわいい→i彡 ``ー' '' ー-‐`ヾ ノ|;;;| _ソー─ -、 ↑
<ミフh ‐- 、 、 __ ミミYスメ/ 」,イ,ィ \ └かわいい
, イ三ミゝ、弋弍。テ ヾ圭。テナ V ソ彡厂 ̄ ̄``ヽノュ、
, イ,ィ´ ̄ ̄`ヽ //// , //// / - ─-、 ̄`ヽ - 、 \ _
,rソ^Y^Y ヽ ヽ\つ ,,_ _ / , ト、 \
Y^X^X(_ ノ ノ _ ノ`ゝ、 _ ___ , イ !_/_ノ! ! ノ メこスーュ、_ _ _ ←かわいい
_ノ__人_ノヽ _/ ヽ二二フ不< _ _ __ `^ー‐'^ー
/ /´ ̄  ̄ ̄`7 7
↑かわいい
52:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:06:43 6dXJEQmw
100
終わりはじめているフィールド。夢の持ち主は死に絶え、その世界はなくなろうとしている。
岩の巨大な大陸と、その崖から先に無限に広がる真っ赤なマグマの海とこげ茶色の曇り空。
まさにその大陸とマグマの境目のところに、薔薇乙女第五ドールの真紅はいた。
右手だけで断崖絶壁の岩壁にしがみつきついてぶら下がりつつ、もう片方の手でステッキを必死に振って下から繰り出される水銀燈の剣を
受け止めている。
水銀燈は翼を焼かれ、もう飛ぶことはできない。真紅の右足に片手でつかまっていることで溶岩に転落せずにいられた。
ドロドロに溶けたマグマが飛沫を熱気と共に噴き上がらす音が鳴る。
水銀燈は、頬に人間の返り血をこびれ付けさせた赤い顔で真紅を睨み上げ、微塵の躊躇もなく憑かれたように真紅に切りかかっていた。
真紅の右足を頼み綱としているのに、その真紅に燃えるような敵意を放ちながら攻撃している。
もし水銀燈がいまここで真紅にとどめを刺せば、自分もマグマに転落ことは避けられない。
真紅は深い哀しみと悔しさに襲われた。
こんな絶望的な状況になってもまだ戦いが続いていることが信じられなかった。この戦いは到底アリスゲームなどではない。
薔薇乙女のうち真紅と水銀燈の間だからこそ起こりうる、因縁と憎しみの対決だった。皮肉にも、最終決闘の舞台となった
この火山地帯のフィールドは水銀燈の煮え返る真紅への憎しみが現れてるようで、ぴったりに思える。
ふと、真紅は胸元のブローチのことを思い出した。いまでは、この戦いで帽子すら失ってしまった。
壁にしがみつく真紅の左手に限界が近づいてきた。
ただでさえ足に水銀燈がぶら下がっているのだから負担は二倍だ。
止むことなく水銀燈が剣を振り上げる。右手の指先が千切れそうだ。遠くでまたマグマの液体が噴き上げ、空を焼き滅ぼす音が聞こえた。
身という身、心という心全てが限界を訴えながらも、真紅はさらに堪えた。ここで力尽きたら終わりだ。
水銀燈は我を失ったように何度も剣を振り回してくる…
だが、そのときは訪れた。
己の意思とは裏腹に、真紅の右手が絶壁から離れた。その瞬間、地獄の苦しみから指先が開放され、ほんの刹那に天国を見た気がしたが、
次に有無を言わせず落下を強いる重力の感覚が彼女をすぐに現実に戻した。行き先はただ焼かれるあるのみだ。
二人の落下速度はどんどん早くなり、みるみる内にマグマの大河へと吸い込まれていく。
下へ向けて一直線に落ちていきながら、真紅と水銀燈の二人は宙でさらに一度ステッキと剣を交わらせた。
真紅の目の前で水銀燈が体を回転させ、足が飛び出してくると真紅の腹へと入った。
「っあ!」
真紅の体が蹴りだされ、マグマの河の上を吹き飛んでいく。
死へのカウントダウンが始まろうというところで、真紅は首だけ動かして後ろを見やった。
奇跡的にも、そこには天使の差しのべた救いがあった - イカダ程のサイズの小さな岩の小島が、マグマの河を流れついてきている。
真紅はその小島に目をつけた。
空中で効くわずかな体のコントロールで、うまく真紅は溶岩に浮く小さな島の上に着地した。その時の衝撃で思わず手を地につく。
溶岩の数十センチ上。漂う熱気が地獄の高温を彼女に味あわせる。
とはいえどうにか生き永らえた真紅は、一方の水銀燈がどうなってしまったのかを見るべくとっさに体の向きを変えた。
53:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:08:46 6dXJEQmw
水銀燈は、頭を下にして真っ逆さまにマグマへと向かっていた。下に足場となりそうな島らしきものはひとつもない。
普段なら翼を駆使して飛べたところだが、いまやそれは焼かれて失くしている。
真紅は、こののまま本当に水銀燈が溶岩に転落してしまうのではないかと不安になった。
どうにか水銀燈に助かってほしいという気持ちと、このまま水銀燈が落ちてしまえば…という、複雑な心境を覚えた。
そして、そんな心配は全く不要であったということをほんの数秒後真紅は思い知らされることとなった。
「メイメイ!」
猛スピードで溶岩に吸い込まれていく水銀燈をさらに超越するほどの早さで、紫色に光るメイメイが彼女を先回りすると、マグマの水面を
切って一直線に飛び込んだ。
その僅か一秒足らずの後、強烈な紫色の閃光が燃えたぎる灼熱のマグマの内部から発せられた。
続いて爆音が轟き、大地の底が爆発によって溶岩もろとも吹き飛ばされた。
四方にマグマが空高く打ち上げられ、それは文字通り噴火となった。水銀燈の姿がその中に隠れる。真紅はそれ以上彼女の姿を目で
追えなくなった。
水銀燈は、爆発の衝撃によって溶岩の中から飛び出してきた岩の破片の上に両足を置くと、次に手を添えて宙でしかと捕まえた。
やがてその小さな岩の破片は水銀燈の重みによって勢いを失い、一瞬宙で止まるとやがてゆっくりと落ちてはじめ溶岩に着床する。
岩の破片はマグマに沈みかけたが、うまく水銀燈は自分の着地時の衝撃を押し殺してそれに耐えた。元々溶岩の中に埋もれていた岩の破片
なので、溶岩の上に浮いていても熱には耐えられる。
その隣に、人工精霊メイメイが力を使い果たしたように弱々しく溶岩の中から姿を出し、主人のもとへ帰った来た。いまにも消え入りそうな
紫の光をほのかに放っている。
そして地獄より舞い戻ってきた漆黒のドレスに血を付着させた悪魔のような姿の水銀燈が、煮え滾る溶岩の上数センチに浮く小さなボール程の
大きさの小岩に立って、剣を翳しながら再び真紅の前に帰ってきた。
真紅の乗っている足場の小島と、水銀燈の立つ小岩では、大きさでは遥かに真紅の方が大きく、重い。
その重さの差がマグマの河川を流れる2人の島の速さに差を生み、溶岩の上で対峙する真紅と水銀燈の距離がみるみるうちに縮まりつつある。
逃げ場はなく、衝突はさけられない。徐々に迫ってくる恐るべき姿の水銀燈を真紅は何かを覚悟しつつあるような顔で見つめた。
そしてマグマ上での過熱な戦いが始まった。
真紅は小島の上で、水銀燈はほんの小さな小岩の上から剣を振るって攻撃を仕掛ける。ステッキと剣が2人を隔てるマグマの上で激しく交差する。
バランスを崩して溶岩に転落すれば一巻の終わりだ。周囲では小規模なマグマの噴火が炎と蒸気を吹き上げている。
水銀燈の攻撃が止む様子はない。歯を食いしばりながら一心不乱に手で剣を動かしている。溶岩の熱と水銀燈の狂気に煉獄の苦しみを
味わいながら真紅は最後の力を出してステッキで身を守っていた。
音を響かせて剣とステッキが2人の間で正面から衝突すると、その反動でふっと彼女達の間に距離が生まれた。互いの足場と足場が
マグマ上で離れ、攻撃が互いに行き届かなくなる。
沸いてきたような休戦。
ステッキを両手に持ち、自分を落ち着かせるように深呼吸して乱れた息を整える真紅に対して、すぐにでも戦いの再開を望むような冷たく
憎しみを宿らせたダークピンクの瞳の水銀燈がマグマの真ん中で真紅を睨みつける。
「…無理なの?」
溶岩の上で水銀燈と対峙しながら、自然と真紅の口が開いた。
「無理だったの?最初から、あなたと姉妹らしい姉妹でいることなんて。無理だったの?」
「あなたは私にひどい仕打ちばかりする!」顔の眉間に溝を刻み溶岩を号する程の声で水銀燈は叫んだ。「私ばかりにひどい目に!」
「水銀燈あれは雪華綺晶の罠よ!」
真紅は必死に説得を試みたが、水銀燈は聞く耳を持たなかった。
水銀燈は答えた。怒りに歪んだ顔が溶岩に照らし出される。「私を罠に嵌めたのはあなたでしょう!!」
なにもかもに失望しながら真紅は悲痛な叫びを上げた。「それに気付けなかったらあなたはおしまいよ!!」
54:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:11:18 6dXJEQmw
溶岩が二人の周りで煮だち、唸り声を上げる。噴火が絶えずに起こる。
この世界が終わりを迎えるのも、あと少しだ。三分とないだろう。夢の扉は閉じられる。
火の粉が舞い上がり、2人を包み込む。
「終わりね、真紅」
そう水銀燈は言い放った。
「はぁ…はぁ…」
息を切らし、真紅は水銀燈という姉の姿を下から上まで全身に渡って見渡すと、やがてステッキをゆっくりと持ち上げた。
水銀燈は自分の立っていた小岩を蹴り出すと、真上に飛び上がった。反動でその小岩が遠くへと流されていく。水銀燈の姿が真紅の視界から
ふっと上に消え、水平に振り出された真紅のステッキが彼女の足を捉え損ねて空ぶる。
水銀燈は真紅の頭上を飛び越え、真紅と同じ小島の上へと着地した。その際宙を飛んだ水銀燈をとらえようと真紅のステッキがふり返り
ざまにもう一度振り切られたが、それが水銀燈に届くことはなかった。
水銀燈は小島の端から中心へ一歩踏み入ると、上から剣を打ち落した。
溶岩の上の小さな孤島の上で、真紅と水銀燈の正真正銘最期の闘いが始まった。
剣とステッキが激突していく。
一回、二回、三回、…真紅がステッキを水平に振って剣を受け流す…水銀燈がその流れを利用して改めて頭上から剣を振り落とす…
七回、八回、九回、…もはや島流しも同然の全く逃げ場のない所で、2人はステッキを剣身をぶつけて戦い続ける。
何回目か分からないところで、剣とステッキが絡まった。ギシギシと互いの死力が押し合う。紅と紫の光が彼女達の体から発せられ、
織り交ざった光が2人を一つに包み込んだ。
それが数秒間続いたのち、真紅は島から離れた。
後ろへ宙返りしながら飛び、安全な岩の大地に着地する。二人のいた島はマグマの河川の下流まで流れつき、真紅はそばの低地の海岸
に着地したのだ。
「ここまでよ!水銀燈!」
真紅は両手を広げ、戦いをやめるようにアピールしながら言った。「地の利はもう私が得たわ!」
一人孤島の上に取り残された水銀燈。
「あなたはまだ…」流れる溶岩をバックに、返り血まみれの水銀燈の顔が真紅を睨み上げた。「…心の中で私を見下している…!」
恐ろしげに真紅は首を横にふって言う。「…やめなさい、…」
「うああああああ!!」
雄叫びを上げ、水銀燈は島から飛び上がるとマグマを越え、空中で前回りしつつ上から真紅に襲い掛かろうとした。
その過程で - その刹那で - 真紅は今までの生涯で最高の恐怖を味わっていた。水銀燈が襲ってくることに恐怖を感じたのでない。
自分が信念を裏切り、自分が助かる為に、自分が殺人に手を染めざるを得ないことに恐怖を感じていた。
いまここで水銀燈を殺さなければ自分が助かる道はない。
そんなことを告げてくる本能の強靭さ、あるいはそれにあまりにも純情に従ってしまう自分の弱さに真紅は魔の体験を味わっていた。
身体が勝手に動き、真紅は力強くステッキを振ると宙で身動きのとれない水銀燈の腹部を裂いた。体が真っ二つに割れたところを
さらにもう一度ステッキを棍棒のように振り、水銀燈の右腕の球体関節をぶち壊した。彼女の右腕は、さっき長い間絶壁で真紅に
しがみついていたとき既に耐久力を失いもろくなっていたのだ。
55:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:13:12 6dXJEQmw
それは、本当に一瞬の出来事だった。
「ア゛あ゛!」
バラバラになった水銀燈は岩場の斜面をだるまのように転げ、マグマの海岸線ギリギリのところでとまった。溶岩が惜しいとばかりに
悔し紛れの小さな飛沫を上げる。
数秒後、自分が何をしてしまったのかを真紅は悟り、その水銀燈を眺めた。
「うあああああ゛!」
言葉にならないうめき声を水銀燈は上げ、残された左手と上半身だけで懸命に斜面を這い上がろうとしたが、全く功をなさず斜面を
ずり落ちた。そこより下にあるのは溶岩だけだ。
「ぬ゛ううううううヴ!」
水銀燈が再びうめき声を上げる。切断された下半身と右腕がそのそばに落ちていた。
マグマが今か今かと待ち構えるすぐのとこで身動き出来なくなってしまった水銀燈は、ただひたすらそこから上の真紅を睨みつけていた。
そんな彼女の姿を見やりながら、真紅はありったけの感情を爆発させて嘆いた。「あなたは誇り高き薔薇乙女の第一ドールなのよ!!
だからこんな戦いはしたくないと私はあれ程言ったのに!!自分をよく見て!そんな姿をお父様が望んだとでも?」
悔し涙を流して真紅は叫ぶ。「あなたがアリスゲームを望むなら、私はそれでもよかったのに!気高く、アリスを目指して戦うという
のなら、私はとめない…なのに、…なのに…、」
真紅は、割れた上半身と片手だけで泥の斜面を這おうとしている、人間の血にまみれた水銀燈の姿をもう一度みる。
「こんな…こんな姿が薔薇乙女だなんてあんまりよ…こんな戦いあまんりすぎるわ…誰よりもアリスへの気持ちが純粋で、
気高くあったはずの第一ドールが堕ちたのだわ!」真紅はいい、岩場の上を移動すると切断された彼女の右手から落ちた血の剣を拾い上げた。
すると水銀燈は斜面を這いながら唾と一緒に憎悪の言葉をどっと吐き出した。「あなたが大嫌いなのよ!!」
遠くでマグマの噴火が再び起こり、鈍い爆音が轟く。
真紅はしばらく黙したのち、やがて口を開くと水銀燈へ向けて言った。
「あなたはさっき言ってくれたわ、水銀燈。"私の初めてできたトモダチ"と」
地を這う水銀燈の目が一瞬見開かれた。まるで正気を取り戻したかのようなピンクの瞳が真紅を見上げる。
「…!?」それから、直後にその瞳は恐怖の眼差しへと変わった。「…めぐ、めぐが…」
水銀燈は全身を差されるような恐怖を感じていた。めぐから力が入ってこない?めぐの力を使いすぎて…?
左手の指輪はどんなに呼びかけても氷のように冷たい。「めぐが…めぐがああ」
水銀燈が契約したマスターの名前をしきり呼ぶ様子をみながら、真紅は理解した。深い悲しみが押し寄せた。
これまでの戦いで、水銀燈は我を忘れて契約したマスターの力を使いきり、生命そのものまで奪い取ってしまったのだろう。
彼女のマスターの命はもう今頃…
「めぐうううううヴ!」水銀燈はその場で泣き崩れた。「めぐがー!めぐがああああ!」
「私は、めぐを助ける為にこんなことまでしてきたのに!」
水銀燈はめぐの為にその父親を殺し、その夢の樹を奪いにここまできた。
だが、そこで水銀燈はめぐを口車に乗せ奪ったと思い込んだ真紅に憎しみを爆発させて戦い、理性を失っているうちにめぐを助ける
どころか命を奪い取ってしまった。
自分のした行為が分かったその瞬間、水銀燈はついに最期本来の姿を取り戻した。
瞳から憎しみが消える。
めぐが死んだ。めぐだけではない。私はその父親と他三人もの人間を殺した。その目的はもはや失われ、血を帯びたいまの私はめぐが
呼んだ天使のそれとは真反対だ。めぐは空を飛びたいといっていたのに、こんな不毛な溶岩地の世界で死なせてしまった。
「あ…し、しんく…」
全身を震わせながら、水銀燈が真紅を見上げる。真紅がその瞳を見つめ返した。だが、掛けてやれる言葉が見つからない。
一刻一刻が永遠に感じられるような時間が流れた。
やがて彼女は真紅を見上ると、言った。「…真紅、さようなら…」
左手で身を起こす水銀燈。そのまま身体を仰け反らせて後ろへと倒れこみ始めた。
迫り来るマグマを背に、水銀燈の瞳が閉じられる。
全ての音が消える、その瞬間。
真紅は水銀燈が何をしようとしているのかを理解し、叫んだ。「やめなさい!!水銀燈!!!」
手遅れだった。水銀燈は溶岩の中へと自ら身を投げ、ジュワという蒸発する音を立てると一瞬で消えた。
56:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:15:16 6dXJEQmw
恐るべき厳粛が真紅を襲い、頭が真っ白になった。
ただ一人地獄のような世界に置いてきぼりにされ、真紅は棒のように立っていた。
「…水銀燈…」彼女は薔薇乙女の長女、水銀燈が最期に見せた気高さと破滅的な美しさにただただ声を奪われるばかりだった。
雪華綺晶の罠で一度自分を失った水銀燈だったが、マスターの命を奪ってしまったことに気付くと最後に薔薇乙女としてあるべき
姿を思い出し、ついに自分を取り戻すと同時に恥ずべきいまの自分の姿に気付いたのだった。
彼女は薔薇乙女としての生涯が絶たれたことを悟ると、残された醜い悪魔としての姿を拒否し、自らその命を絶った。
「水銀燈…」もう一度呟き、真紅はその場で崩れ落ちて地面に寝転んだ。もうこの世界は終わる。ここから脱出する術と時間は
残れさていないしする気もなかった。気力の全てが身体から剥がれ落ち、空虚な瞳で終焉を迎えつつある焦げた夜空を眺めていた。
真紅はそのとき、溶岩の中から4つのローザミスティカが浮上し、自分の体に溶け込んでくるのを見た。
ローザミスティカ。もうどうでもよかった。ローザミスティカはこの世界と共に消滅し、アリスゲームはそれで終わる。
これ以上生きようなどという希望は完全に干からびた。ここで死ぬならそれが本望だ。
ただ一つ心残りがあるとすれば、最後に一度、ジュンやみんなに会いたい - ふとそう思った、その時だった。
「真紅ゥー!」遥か遠くの上空から、声が聞こえてくる。「真紅!」「あそこですぅ!」「真紅を見つけたの!」
夢かと思いながら、真紅は声のする方向に目を走らせた。
ジュン、翠星石、雛苺の三人が世界樹の葉っぱにのって空を飛翔しながらこちらに向かってきている。「急げ!」
「ジュン…」真紅は乾ききった喉で声を絞り出した。「来て…くれた…のね」
ジュン達三人は世界樹の葉を岩肌の地面まで降下させると、葉っぱから降り立って真紅の傍らに駆けてきた。「真紅!」ジュンが
真紅を抱きかかえる。そしてすぐにまた世界樹の葉っぱに乗って飛び始めた。
「急がないと!夢の扉が閉まってしまう!」ジュンが言う。真紅は弱りきった体で仲間達を見回した。
翠星石、雛苺、ジュン…彼らを乗せる葉。
真紅はそこにもう一つ空席になっている世界樹の葉を見つけると、また嗚咽を漏らした。
ジュン達は空席の葉を1人ではなく2人分用意していた。
この残った空席の葉っぱには、本来あの第一ドールの姿があったはずだったのだろう。
世界樹の葉に乗って出口を目掛けて飛んでいく彼ら。
第七ドールの雪華綺晶は、地面に横たわる柿崎めぐの隣に腰かけて、その三人を見上げていた。
結局生きているドール全員がこの世界に集合ではありませんか。雪華綺晶はそんなことを考えながらほくそ笑んだ。
あまりにも計画していたことが目論見どおりに進んでしまうと、その充実感は尋常じゃないことが、いま分かった。
金糸雀のマスター・草笛みつに始まり、蒼星石のマスター・柴崎元治、そしていま三人目、水銀燈のマスター・柿崎めぐを捕らえた。
彼女はまだ死んでいない。死は全てを失うが、めぐの望んだものは死後の世界だ。それはすなわち夢だ。彼女が死ぬ直前で、
雪華綺晶は彼女にこう語りかけ、口付けをした。
"死の夢は甘味な夢 ときに夢と現実が区別できないようにそれもまた曖昧 とっても甘い夢でしょう?"
柿崎めぐは死と勘違いしつつ眠りにつき、その心を雪華綺晶は奪った。長年望んできた死の夢を向かえた彼女の今の表情は幸せ
そのものだ。勘違いしたのは本人だけではない。もはや第七ドールのものとなったこの人間が水銀燈に力を与えることはなく、
水銀燈は自分が契約者の力を使い切ったのだと思い込んだ。とはいえ、もう一歩遅れていたら間違いなくこの子は死んでいたことは
疑いようもない。私が死ぬところだった彼女を助けたのだ。雪華綺晶は、水銀燈の真紅との戦いぶりが自分の想像を遥かに超越していた
ことを思い起こした。彼女はそれを"薔薇乙女の英雄達"として記憶に留めることにした。
57:RozenMaiden LatztRegieren Ⅵ: Hero of the Maidens
07/10/13 03:16:57 6dXJEQmw
今こそ私の謎を明かしをしましょう、雪華綺晶は一人心の中で呟いた。アリスゲーム以外にも、アリスになる方法はある。
それはドールズ全員の契約者の力を以ってアリスに昇華することであり、実態を持たない私が生まれた時から持っていた目標。
現に今三人の心という力を奪い、残すは真紅の契約者である桜田ジュンだけだ。
水銀燈に自らのローザミスティカを譲る際、すでに草笛みつから心を奪い、蓄えていた。それもまたローザミスティカを失っても
薔薇乙女として死ぬことはなかった一つの理由でもある。私は特別なのだ。
彼は簡単でしょう、雪華綺晶は思った。もはや真紅は心がボロボロで、アリスになる気も失せている。
難しかったのはこの柿崎めぐだった - 他のマスターとドールは互いを強く信じていて、そこにつけ込んでnのフィールドに
誘うのはたやすかったものの、水銀燈の場合となると、柿崎めぐにアリスゲームのことを多く語らず、真紅を倒すの一点張りだ。
それどころか、生まれつき病弱でベッドでの生活を24時間強いられている彼女をnのフィールドへと誘い込むこと事態が困難だった。
最も、簡単な方法は本来あった - だれかのドールの身体を奪い、自分が実体を得れば、わざわざマスターをnのフィールドへと
誘いこまなくともこたらから直接現実世界へ出向いて無理やり引っ張り込むことは出来る。
元々雪華綺晶はその方法をとるつもりでいて、誰の体を奪うかを - 雛苺 - まで決めていたのだが、今回そうはいかなくなった。
結局、自分は誰の体も"まだ"奪わず、現実世界にでることなくメグをnのフィールドへと誘い込むという形をとった。
これには列記とした訳がある。雛苺の体をじっくりと喰って奪うのならば、まず彼女を孤立させる必用があるが - その為に、
元々雛苺の契約者であったコリンヌ・フォッセーの孫娘、オディールと契約してつけ込むルートを考えていたのだが、いまでは、
彼女ではなく別の"ある男"と契約している。その為、身体を奪い取り実体を得るのは後回しにされた。
その理由は後に明かされる…蜘蛛の糸のように複雑な陰謀と裏切りが。
誰かの身体を奪うのはこれからになるだろう。その標的はもう決めてある。もはやオディールと契約できなくなったので、雛苺ではない。
結局、実体を得ることなく幻のまま柿崎めぐを奪わなければならなくなった雪華綺晶は、ある方法を考えた。
水銀燈とマスターの関係、真紅と水銀燈の因縁の関係、果てはめぐとその父親の関係利用出来るものすべてを利用する…
ついに雪華綺晶は、メグを自らnのフィールドへと入ってくるように裏で仕向け、さらにその上で水銀燈と決裂させることに成功した。
あとは真紅と水銀燈が戦っている間に心置きなくメグを貰えばいい。
本当は、もう一つだけ利用したものがあるのだが…。まだそれを明かすには早い。
雪華綺晶の周囲でマグマが噴火を起こし、大地が大きく揺れた。いよいよこのフィールドが果てる刻だ。
「この世界はもう必要のない、忘れられる世界です。私もいなくなるとしましょう」
独り言をいい、彼女はめぐの父親だった夢の世界を去った。
明日にでも、アリスゲームは終わる。だが、その結末の先は雪華綺晶とて定かではない。
Ⅶ:開花の扉 The civilization doors に続く
58:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 03:29:42 W5qdPSZ7
リアルタイムGJ
ドラクエの戦闘曲聞きながら読んだわ
59:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 07:14:56 cIg+XwBZ
>>52-57
長編いつもGJです!
ああ…水銀燈が…
60:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 14:22:15 nXvDOurP
の S な
か S ん
し が で
ら 少 カ
. ・ . く ナ
・ な の
・ い
, -──__-,、r z__
,. -― - 、 / r v´_ゝ- ,.=._、-、__フ
, '/ ´ ⌒7 ヽ _r_ヽr' _ _f::rz::!:}´__}_}>
,/ / ' ヾ ゝ_ く {_{__ゞ:':_::ンヽフ、
/ ' / ハ フ \___ |.ト、ヽノ>!ヽ
' |::: / ヽ ヾレヽィv.j__Vノ ゝ |
|:::. / \!`\ ゝ,ヽノ´! ,ノ
'::: / \ ' /
ゝ、,./ \ヾ/ /_ べす・・・
l イ,|!! --_‐'_ `_ー-- ヽ/、ヽ
ヽl |!| ィt_:::_ォ tr_:_,zr ハノノ べす・・・
/´ ̄ ヽ!ハ ` ´`´ `´ `´ j!::ヽ_,..--、
/ r ー- '.、 , ,.イ三!´ \
/_ ≧= 、_ゝ、._ ____ ,.へ_ 二ム,∠ _ )
jV´_ _VV_レL_ ≦ノ ミrrーrr彡 {二/l. _ ,-'、 /L_/
, ------ゝf | | r-、,-ア≡----' '--``----'-- / ハ fヽ,-、-------、
| | | | | | ヽノ l _j j_ノ |
' , ` ゙ー`- `´ `´ ,
ヽ _ _ .__ /
'、 {ニ ヽ / , - 、ヽ / / / , ― 、ヽ, /
'., \\ ノ / \\ l l l ( ) | /
ヽ ゝ ニ ノ ○ ー' L.j ゝ 二二ノ /
61:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 16:11:02 iXJ7h6A9
>>52->>57
GJ!
休日から鬱になりかけたけど面白かったよ
62:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 19:22:55 iwy/jIHP
___ / j| ヽ.
,. '´ ,二ニ>、 / ハ \ 、 r冖,ュニ ←かわいい
. / / , -‐ヘ / / ヽ. \ \匸 /
/ /,. -¬| l / / \ \r┘|
'´ / //rー┐ ! {/r'′ \ 勺」___ ←かわいい
. / // // ||  ̄二ニ´ \ {::.::.::.:
, ′ // // /Vrグ示. \ \ 弋「 ̄ ←かわいい
| /〃 // ,. -{‐j 辷夕ト へ ヽ、\仏
`ヽ」_ | { // / ∨ ヾ-‐′ ,ィーテ=ミ >‐{」 ←かわいい
` ー‐-彳|r┐ r|レ'  ̄丨〝″ トrタリハ ヾL
/ } | | l∥ l ′ ヽ辷ジノ 厶-、
. r'´ _ノ| ヽ `ヽ | `= ヽ ト、 〃 ` ″ rへ、 ←かわいい
j-―-、」 ! レヘ />ー==ミ \ ヽ、 > __ノ
__{__ `ヽ| } } | ヽ /\ 、/´ ̄` ー―¬ ←かわいい
く l `¬1 ∧/「ト<二ニヽ//__>┬―┬-- /\___/
__>{  ̄`<l|/ /l/| レ'´ ̄ ̄`Y| ::._,厶|下.¨ / `ヾミヽ、
く /丁T‐┴Uヘ/ /l | {__r==、l `7::/o ト、::.\ / `ヽ} _
厂! ヽ ` ̄´ rイ/ |/ =≠¬´/::/ /::.lレ'´ ト、 }`ー'′
63:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 19:24:04 iwy/jIHP
_ __ _
, ‐'"´ .: .:.:.:.:.:::.:.:.:. .``丶、
,.イ .:.:.::::::::::::,r'´ ̄,.r'"´ \
/.:/7.::::::::::,r'´:.:.,.ィ´.,r'´ \
.:::::,.イ7:::::::::::/:::.:/.::::l!,イ , ィ´ ,ィィ::.:.:.、 \
/.:::/::::::::::/::::./:::,イj!_/ィイ/y'´ソ^`7j l
.:::::/.:::::::::/:::.:,イ::/ l/ `ト、, /ノ , | ←かわいくない
:::/::::::::;:イ:::./::l/(( ゙=≧ミ、:j, //:::/:::::/ノ!
イ::::::::/:/:::/::/ `ー= ‐'⌒ヽ 、_/;:イ:::::/::/:!
::::::;::イイ:::/::/ _ _ (7=ミュ7::;:イ::/:/ カナ、ただいまー!!
'´ ̄ , イ::,イ /`ー- 、) ヽ_ノィイイリト、コr‐、
´  ̄``ー-ト、 /::::::::::::::::::/ ``7:.,r=ッ ゞ, ト、ヽj
``ー 、::::::.:./ ,.イ::::. ヽ´ 、jにlソー-、
\イ_ ,.. イ:::::7::.:. ノ‐ァ r=ッ {, イ^Y ←かなりかわいい
\:::::::|::::/::.イ__/ ゙゙゙゙' ,! | |
::::::::.:.:.:.:. . . `>>,イ ,イ) し′
::::::::::::::::::::::.:.:.:. . ,イソ \ __ __ , .イ <
:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:. . . . ./ノソ′ \ _ 7r‐ァ/_
64:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 19:25:22 iwy/jIHP
_..-''''"´: : : : :`'ー .、 ,,, ,,
う r‐-,, /_,,二゙゙゙゙"r‐,'ゝ八、: `'..∫`"`ゝ
と l.['' ,_ヽ: : : : : : :`,,, ' .r‐‐ ,"''"⌒゙- 、 !
う l:l'、 、゙、 .、: : : ::〈 ∫ t-;;, '`、,,、.丿 `'j
と /..ll,:゙li/`、: ゙'-、: : : :'、、.,シ‐"くし'>.,ゝル' } _,.,.. -- ..,,_
!l.:, 'i !`ラ',;;、: `'ーヽ,,xヽ ./ 'ッ、,ハ、,! ._,[. ゛`: :‐: : : : :`゙'‐
:*: l/: :...l、 ``'ー ::,,,,゙‐'/イ |゙ ! ! ,,,'._,゙ ゙̄',-┐..... へ_,, ←かわいい
,!: ./ ゙゙-- '' │!_ ! !、.l.!.'-、',-、 `^`' ,: : :
ヽ.! ,,-- ―- l_,,| `] il/从-'''i',  ゙̄\ ゙´',:
_..〃`'',.l `、 T/ ,i".rニ┐ `' "
/i >;;-〔~ゝ `'l`ー〈,,/;;;;ュ,s \、
.,,.. -r'ン.,ヘ'=ii,ノ'、 { ''ヘハ'' ノ ハ+-- _nノ/---、゙l ゙'
k,;;;;ー!''''""{jヘy ..,,:,yト'",,',i ァソ 、、、─(ゝ、そ、_ `~''、.
'、,, ゙゙゙⌒-'!?/"゙゙, ' .',,..r''"ヽ个ー─ tっ-―(Uノlノ゙(_へ`゙~゙‐'>ー "/゙゙゙^`''ー
`''L.. -i,..‐'― -'ー!-ムノ"^゛ `゛ レ‐`ゝ_r'゙'-r''
65:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 20:06:11 TB0i4FdI
URLリンク(www35.atwiki.jp)
クロスSSだけど、こんなんでもええのかね?
66:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 23:00:21 W4yqzq+v
双子のSSキボンぬ
67:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/13 23:01:48 W4yqzq+v
sageる
68:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/14 00:58:01 N8pUSV2z
翠「蒼星石、ホラ、翠星石のスコーンですぅ。いっぱい食べるですよ。」
蒼「ありがとう翠星石。やっぱり美味しいね」
翠「当たり前ですぅ!今度はクッキーも焼くで…あれ?蒼星石?どこですかぁ?蒼星石ィ!?」
ガバッ!
翠「また夢ですかぁ…ハァ…なんで行っちまったですか蒼星石…いつになったら…っく、帰ってくるですかぁ…ひっく…ぐすっ…蒼星石ィ…」
保守
69:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/14 17:52:33 pyhs7g3l
みっちゃんがミーディアムだった頃カッコいいと思って
毒にあたってもいないのに苦しそうな表情して、突然お腹を押さえて
「っぐわ!・・・くそ!・・・また謀られたかしら・・・」とか言いながら息をを荒げて
「奴等がまたクッキーに毒を盛ったみたいだわ・・・」なんて言ってた
雛苺に「うにゅ~、何してんの?」と聞かれると
「っふ・・・・邪気眼(自分で作った設定でカナの持ってる第三の目)を持たぬ物にはわからないかしら・・・」
と言いながら人気の無いところに消えていく
桜田家を偵察中、静まり返った屋根の上で「うっ・・・こんな時にまで・・・しつこい奴等かしら」
と言って屋根から滑り落ちた時のこと思い返すと死にたくなる
アリスゲームで試合してて腕を痛そうに押さえ相手に
「が・・・あ・・・離れろ・・・死にたくなかったら早くカナから離れるのかしら!!」
とかもやったお父様もカナがどういう人形が知ってたらしくその試合はノーコンテストで終了
毎日こんな感じだった
でもやっぱりそんな痛いキャラだと翠星石に
「邪気眼見せやがれですぅ!邪気眼!」とか言われても
「・・・ふん・・・小うるさい奴かしら・・・失せな」とか言って翠星石逆上させて
スリーパーホールドくらったりしてた、そういう時は何時も腕を痛がる動作で
「貴様・・・許さないかしら・・・」って一瞬何かが取り付いたふりして
「っは・・・し、静まれ・・・カナの腕よ・・・怒りを静めるのかしら!!」と言って腕を思いっきり押さえてた
そうやって時間稼ぎしてアリスゲームが終わるのを待った
桜田家の庭での短い戦いならともかく、nのフィールドで絡まれると悪夢だった
70:ロックマンJUM
07/10/14 18:26:16 Swk6p9ZA
>>65
あまりにもローゼンからかけ離れてなければいいんじゃないかな?
……と、いうよりクロスオーバー自体がNGなら俺の立場無いorz
71:ロックマンJUM
07/10/14 18:28:21 Swk6p9ZA
済まない、ageてしまった……orz
72:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/15 16:23:08 GcZ+2f7g
「ほら!金糸雀とその信者ってこんなにウザいんですよ!」ってアンチがキモい
テンプレだけじゃなくてAA厨も同じだけどね
金糸雀信者を罵倒するだけならまだしも金糸雀本体をけなすから悪質
へぷらすの時もイライラしたけどこいつはしつこい
今回の最萌えは負けて良かったと思ってる
実際に金糸雀が優勝できるとは思ってなかったけど勝つよりはこっちの方が良い
しかも「荒らしはスルーで」とか「アンチはあぼーんしてください」みたいなレスを見て嫌われてる事を知ってるのに続けるんだろ?
マゾヒズムの塊だな、槐じゃなくてな
しかもこういうレスをもらってニヤニヤしてるんだろ?最近の厨房は手に負えないな
73:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/15 22:23:33 RGoGlurW
何度も同じコピペ貼るなカス
74:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/16 00:25:40 tDi2M+0u
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
75:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/16 00:30:32 tDi2M+0u
ごめんなさい、つい出来心で…
草刈しときます
w
_ w
,',i><iヽ w w
/((ノノリノ))∩ w
((ミi!゚ ヮ゚ノミ))彡
()夲!⊂彡
...⊂(ム!,,jム)...wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
76:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/16 16:28:33 GX5+4+9R
「カナ、お色直しの時間よー。」
「はぁい、かしら~。」
ローゼンメイデン第2ドール金糸雀は、今日もマスター好みの服を着せられる。
だが金糸雀は、このお色直しの時間が好きではなかった。
自分が父親として慕う人間がくれた物を剥ぎ取られてしまう時間だからだ。
「んしょ…」
「カナ、ホック引っかかってる。」
そういうとみっちゃんは服を脱がそうとして引っ張る
プッ…プチ…
繊維が切れる音がした。
「み、みっちゃん、あんまり引っ張らないでかしら!」
「だいじょーぶよこの位!グイッ」
バリィッ!
「あ…ああ…!」
金糸雀の服は破けてしまった。
この時金糸雀は、父ローゼンを盗られたかの様な錯覚に陥った。
「みっちゃん酷いかしら!カナからお父様を盗らないでかしら!
うわあぁぁぁぁぁああん!」
「ご…ごめんカナ…でも服は縫えば…」
「もうお色直しなんかしたくない!みっちゃんも嫌いかしら!」
言ってから金糸雀は後悔した。
何故ならこの言葉がみつの怒りを買ってしまったからだ。
みつは鬼の様に怒りをあらわにしていた。
「…何よ…こっちはあんたのためを思ってやってやったのに!」
そういうとみつは金糸雀の服を半狂乱で破った。
「こんな物!こんな物!!」
ビリッ、ビリィッ!!
「嫌!止めてかしら!!謝るからゆるしてかしらぁ!!」
「黙れ!もうお前みたいな奴なんか要らない!!出てってよ!!」
「ごめ…ぐす、ごめんなさいかしらぁ…」
金糸雀は涙で顔をぐちゃぐちゃにして謝った。
だがみつは金糸雀を蹴り、部屋の外へ追いやった。
そして、金糸雀が部屋に入れない様、鍵を掛けた。
「もう出てって!どこにでも行けば良いでしょ!」
「嫌かしら…ひっく…カナのお家はここかしら…」
金糸雀がそういうと、みつは部屋から出てきた。
そして金糸雀の髪を掴み、金糸雀をベランダから投げた。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
そして金糸雀は植え込みに落ちた
「ぅう…痛いかしら…ぐす、みっちゃんごめんなさいかしらぁ…」
金糸雀の声がみつに届くことは無かった。
77:ロックマンJUM2 イデア
07/10/16 20:56:11 kqHU7Njh
>>75に触発されて……
「JUMく~ん、お庭の草むしりお願いね~♪」
「了解した(CV:風間 勇刀)」
「エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤ(ry」
「何で草むしりするのにそんな小刻みにジャンプしやがるですか!」
「ジャンプした方が硬直時間が短いからなの~」
「もう、どうでもいいのだわ……」
「ああっ! 木の葉まで毟るんじゃねーです!」
「エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤッ! エヤ―フンッ!(ガッ」
「ど、どうしたのJUM!?」
「……何かつかんだ」
「ひゃっ128回目の偵察も失敗かしら~……」
「「「「…………」」」」
「……ほ、保守かしら~♪」
「……ホシュにしては ぶんがながいな」
|ヽ,---、|ヽ
__ヽ ヽ▼/ ノ ジャマだ
\_>#・∀・|>, ⌒⌒ヽ
ツカツカ⊂ ,.ζリノヽ、卯)
)) / / | |,9、`Д´ノミm かしらーーーっ!
ヽ、_ヽ {___ゝ
78:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 05:32:05 /KpWQ+Ph
>>77
GJすぎて涙が出る
79:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 15:11:11 lgKwz+dG
最萌BEST16オメ
真紅
翠星石
水銀燈
80:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 17:45:06 zPvBVOvZ
このスレって金糸雀が嫌いな人しかいないの?
81:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 20:00:52 Nwmb6H+I
VIP荒らしてる金糸雀信者うぜー
通報しといたから逃げられると思うなよ
スレリンク(sec2chd板)
82:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 20:13:01 R6hJJVlP
ただの漫画のキャラに対して、なんでここまでマジになれるのか不思議だ
ってかローゼンメイデンが本当に好きなのか疑うよ。
83:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 21:04:14 /KpWQ+Ph
>>82
おいおい、あいつらはマジになってるんじゃなくて
ただの暇人、ニートだよ
日々の劣等感が積もりに積もって、ネット上で発散してるんじゃね
お家から出れないからw
可愛そうな人たちだよ。そっとしておいてあげようよ。放っといたらその内市ぬだろ
84:ロックマンJUM
07/10/17 22:13:10 AXbrayf/
|,---、|ヽ
|ヽ▼/ ノ
|´・∀・|> そ~~・・・
|o旦△o
|―u'
|ヽ,---、|ヽ
| ヽ▼/ ノ
|_>´・∀・|> これ、お土産の「バーロン茶」と「ピュンパゼリー(メロン味)」なんだ
|ヾ ヾ
|―u' 旦 △<コトッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
||ヽ
|/ノ お茶を出す役は本当はアクセルだが、今ここにいるのは俺一人なんだ
|・|> でも、こんな俺の入れたお茶でも、ゆったりと和んでくれるなら本望だ。
|o
| 旦 △
| それだけが、言いたかった
| ミ ピャッ!
| 旦 △
85:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 16:12:46 SKKbbxo4
暇つぶし
ローゼンメイデン 好きなキャラは?
URLリンク(www.vsist.com)
~愛しの水銀燈様~ どの銀様の下僕になりたいですか?
URLリンク(www.vsist.com)
~麗しの真紅様~ どの真紅様の下僕になりたいですか?
URLリンク(www.vsist.com)
86:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 17:35:02 K6IHm1fQ
760 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/12(金) 11:19:23 ID:LoOSdkSrO
金糸雀信者は銀様だけじゃなくて他のどのドールも敵視してるよ
761 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/12(金) 14:51:01 ID:5XIVhk3Z0
前どっかの嫌いなキャラを書くスレで金以外の全部のドールを叩いてる奴がいてワロタ
どう見ても金糸雀信者です(ry
762 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/12(金) 17:18:02 ID:IQOg77X/0
キム見てると糞なドールには糞な信者しかいないってことがよく分かるわ
764 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/12(金) 18:37:22 ID:TVvdMnHa0
ローゼンは真紅と銀様(偽)とみどりのこで十分
765 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/12(金) 21:42:23 ID:27M/eAgT0
いや蒼星石と雛苺と雪華綺晶と薔薇水晶もいる
771 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/13(土) 17:45:38 ID:14xDY/RQ0
一時期収まってたのに最近また金信者がAA連投でVIPを荒らすようになってきた
糞糸雀信者死ね
776 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/15(月) 13:26:43 ID:Ea0r00ljO
このスレざっと読んでみた結果と俺の中のイメージを統合してみると
キャラが嫌われてるのが雪華綺晶
信者が嫌われてるのが水銀燈
キャラも信者も嫌われてるのが金糸雀
って感じがした(それ以外のドールは特に問題なし)
779 名前: [] 投稿日:2007/10/15(月) 17:01:28 ID:A9aAdKJj0
アニメしか見てない俺のランキング
翠>雛>>真>水>蒼>薔薇>>金
781 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/15(月) 18:06:18 ID:2iSGfeRa0
>>776
きらきーは物語的に嫌われるポジションなのは否めないし、
銀様も人気一位だから少しばかり信者に痛い奴がいてもおかしくない
物語的に一番不要で人気も最下位なのに
キャラも信者も嫌われてる糞糸雀ってwwwwwwwwwwwwwwww
87:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 18:10:21 jQL1yNKe
∧_∧
( ´・ω・) では、いただきますよ
( つ旦O
と_)_) △
88:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 23:40:34 C3H9T6S9
の S な
か S ん
し が で
ら 少 カ
. ・ . く ナ
・ な の
・ い
, -──__-,、r z__
,. -― - 、 / r v´_ゝ- ,.=._、-、__フ
, '/ ´ ⌒7 ヽ _r_ヽr' _ _f::rz::!:}´__}_}>
,/ / ' ヾ ゝ_ く {_{__ゞ:':_::ンヽフ、
/ ' / ハ フ \___ |.ト、ヽノ>!ヽ
' |::: / ヽ ヾレヽィv.j__Vノ ゝ |
|:::. / \!`\ ゝ,ヽノ´! ,ノ
'::: / \ ' /
ゝ、,./ \ヾ/ /_ べす・・・
l イ,|!! --_‐'_ `_ー-- ヽ/、ヽ
ヽl |!| ィt_:::_ォ tr_:_,zr ハノノ べす・・・
/´ ̄ ヽ!ハ ` ´`´ `´ `´ j!::ヽ_,..--、
/ r ー- '.、 , ,.イ三!´ \
/_ ≧= 、_ゝ、._ ____ ,.へ_ 二ム,∠ _ )
jV´_ _VV_レL_ ≦ノ ミrrーrr彡 {二/l. _ ,-'、 /L_/
, ------ゝf | | r-、,-ア≡----' '--``----'-- / ハ fヽ,-、-------、
| | | | | | ヽノ l _j j_ノ |
' , ` ゙ー`- `´ `´ ,
ヽ _ _ .__ /
'、 {ニ ヽ / , - 、ヽ / / / , ― 、ヽ, /
'., \\ ノ / \\ l l l ( ) | /
ヽ ゝ ニ ノ ○ ー' L.j ゝ 二二ノ /
89:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 07:39:10 9SFePQ/O
アンチがどうとか険悪なムードは嫌いです。また投下します
ジ「じゃあ元気でな性悪」
翠「そっちこそ元気でやれですよちび人間」
こうして僕らは離れた。1歩、2歩…ほんの些細な事で別れを決意した。3歩、4歩…思い出す事は楽しい事ばかり。
5歩、6歩…そういえば告白も初デートもこの公園だ。7歩、8歩…なぜだろうか。吹っ切ったはずなのに。切ない。寂しい。なぜだろうか?
9歩…もしかしたらまたこの公園で何か起こせるかも。何か?何だろう?新しい恋人を作るのか?いや違う。今、ここで起こせること…1パーセントの確率に、懸けてみよう。そう、あの時みたいに。
ギュッ
翠「!!なななな何するですか!嫌です!離せですぅ…」
そう言う彼女もまったく抵抗しない。
ジ「離さない。離したくない。別れたくないよ…」
翠「翠星石はもぉ嫌になっちゃったですぅ…だから…は、はな…うぅ…うわぁぁぁぁん!」
ジ「ごめん、ごめんな翠星石…ずっとずっと、一緒に居よう」
翠「グスッ、当たり前ですぅ、ヒッグ、ヒック、翠星石はもぉお前なしじゃ生きられないのですよぉ…」
今日、僕らはこの公園で別れた。そして、僕らはこの公園でまた結ばれた。
駄文失礼しました。ではまたの機会にお会いしましょう
90:ロックマンJUM3 テロス
07/10/20 09:14:12 gAUWw/ba
>>89に便乗して投稿だ
「みんな~♪ 今日のお夕飯は何がいい?」
「紅茶がいいのだわ」
「うにゅー!」
「スコーンです!」
「もう、皆おやつばっかりじゃだめよう? JUM君は?」
「エネルゲン水晶」
「「「「…………」」」」
「と、言う訳で似たようなの連れてきたの」
χ~ ̄~κ
<(((从从)))ゝ
ノ. |,l!、゚ -$ノ| ヽ
. ノ(,i``Y´i)ヽ
( /,.ノ人!lヽ )
ζ `~UU~´ζ
「それで、こんな下らん言い訳を思いついたと言うのか。
似てるも何もこれは『薔薇水晶』と言ってだな」
「私を、食べて……(//////)」
「脱ぐな」
投稿終了、しかし最近は我ながらペースが速いな。
91:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:57:43 R0ZEYe0Z
いつからロックマンゼロシリーズがクロスされるようになったんだwww
ニヤニヤがとまらんww
92:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 23:35:46 6qI0aGoh
,_-- 、 , --…- /
i/ `\ /  ̄`¨,' カナのSSが
| ! ヽ'  ̄ - __ 〈|
l i / 〈` - 、 丶 く:! 少ないかしら……
l! i /'´ ス \ 丶 く!
lヽ. !_ /'´ /\ \ 、 \ ム
! \ | , ' / \ 、 丶 込、
:|も l:\,/ __ 丶、 丶L ト..,,__, ィ_! r、
: l: じ !: ∨  ̄´ 丶、 `ヽ |:::| T |:::l__「 ̄
: !: : ,〈! 、_., ` ト、-l:::|/|/|::::l
| ,/i イ::;:::rY _ `|:::|、l i::::| - _
:.! r /'、 ', ゞZ::ソ ィr'-'、 ヽ| l ト:l ,
:i /ゝ|, -ト、! ,,¨´ i::{:::::r'Y /lj/ /
:! ハ/` ヽ ,: ゞ='シ / l|'_ /
lL/ ' 、 i\ tっ ''' ∠ ィ 丿 / /
{ _, -‐_>、 __. ィ´ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ハ 〈 r‐i'´_/lcl,〈¨ヽl |∨
| \/ / ヽ二 イ/cl|ヽl l| / 誰か書いて
f二ゝ ヽ ハ //ーl|-l| l/
l/| l l_|/| lr: ュl| lL」 ほしいかしら…
¨ -- _くノ| l/ハ」|ヽ/¨|
¨ -- _ \________
93:ロックマンJUM
07/10/21 00:08:45 7YihzIUm
>>91
5スレ目の369からだ(ニヤリ
真の一話なのに保管庫からは何故か除外されているがねorz
94:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 03:50:57 aGorkNvn
糞糸雀信者いいかげんにしろ
95:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:27:20 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
96:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:28:53 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
97:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:30:15 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
98:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:31:36 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
99:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:32:38 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
100:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:33:40 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
101:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:34:46 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
102:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:35:53 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
103:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:37:12 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
104:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:39:19 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
105:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 21:40:33 M8xWzPve
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ
106:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 23:44:02 PYrEgCop
ばらすぃを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
ばらすぃ可愛いよばらすぃ
107:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/22 00:20:31 MiWqqexv
, .-=- ,、
ヽr'._ rノ.' ',
//`Y. , '´ ̄`ヽ
i | 丿. i ノ '\@
.ィ/~~~' 、 ヽ>,/! ヾ(i.゚'Д゚ノ
、_/ /  ̄`ヽ} ;*∵
,》@ i(从_从)) ギュワーン ,'; ∴+
||ヽ||#゚ -゚ノ|| ,、,、,、,、,、,、,、 ';∴+ ブシュァァァ
|| 〈iミ''つ|匚)巛|}三三三三)》 (kOi∞iミフ
≦ ノ,ノハヽ、≧ ^^^^^^^^^ (,,( ),,)
テ ` -tッァ-' テ じ'ノ'
108:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/22 20:57:42 KdMs3ba2
こうやってスレを荒らすから嫌われてるってことを金糸雀信者は理解してるんだろうか
109:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/22 23:22:59 Nnb9vVKI
いや、嫌われさせようとしてるに違いないだろ、荒らしなんだから
つか信者じゃなくてアンチの活動だろどうせ
110:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 06:20:39 WtVEKAaY
キャラだけを叩くならまだしも信者を装って印象悪くさせるとかタチ悪すぎ
111:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 11:51:28 gDuteX3s
つまり、信者もアンチも迷惑な存在ということで
112:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 17:15:01 BtJcn+WA
もしかしたら勘違いしている人がいるかもしれないので念のため言っておくよ。
>>94から>>111
は同一人物ですよ。
113:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 17:20:01 /TESMVsZ
つまり>>112が一番勘違いをしていると
114:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 17:28:21 CeYZoN1h
ローゼン関係スレはいつも信者とかアンチとか言ってるのか?
どこ見てもそんなことやってるような気がする
115:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 17:55:15 BtJcn+WA
>>113がお一人でいろんな所で頑張っておられるんだろ
お疲れな事だが少しは自分の事もしなければ後から困るよ
116:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 18:49:07 Uk2eBl5V
もうこういう論争はいいからおとなしくSSを投下するかされるのを待ちましょうよ
117:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 19:34:35 4OOpOOkp
テンプレの保管庫にこのスレの6スレ目が無くて涙目
「RozenMaiden LatztRegieren」の続きが気になって仕方が無いですorz
118:JUM(*^^*)
07/10/23 23:27:59 kTwh/Qbf
昨日はいつもの幼なじみ○君が休みだったため夕方から出かけた☆○君宅でパソコンの打ち込みスピードの競争を練習ソフトを使ってしたよ☆
いま○君は仕事現場で急に使うことになったため練習してるらしい☆
明日は午前から○○○○の番組があるね☆姫早めに寝た方がいいよ。おやすみ☆(*^^*)
119:ロックマンJUM3 テロス
07/10/23 23:54:23 aDiQ6qB1
ちょっとだけ燃料投下
「ジュウウゥゥゥゥゥンッ!!!!」
「水銀燈ッ!?(CV:風間 勇刀)」
ガバッ!
「あ~水銀燈がJUMに抱きついたの~! ヒナもヒナも~!」
「ちょっと水銀燈! それは私の僕よ!?」
「くぅおらあああああ!!! 翠星石を差し置いて抱っことはいい度胸ですぅッ!!」
「相変わらず俺に拒否権は無い訳だな」
「うう、JUM……JUM……!!」
「どうした、何があった?」
「めぐが……めぐがぁ……!!」
「ああ、お前のミーディアムか。 あの買出しの後、水銀党の連中が一年に渡って
俺を追い掛け回したもんだから、体中の筋肉が(※)鍛えられてしまったんだぞ」
(※参照:URLリンク(www.capcom.co.jp) → URLリンク(www3.capcom.co.jp))
「そ、それはおいといて……めぐが、めぐがおかしくなったの!」
「「「「……?」」」」
「天使になりたいと言っていためぐが『人魚』になったのおおおおお!!!」
「落ち着け水銀燈、何がなんだかサッパリ分からん」
「だから! ジョークでも幻覚でもなくて本当の話し――」
「うゆ? どうしたの?」
「……敵の気配だ」
「おかしいです真紅! 窓の外が水中に沈んでるですぅ!?」
「これは……無意識の海!?」
「め、めぐが来たんだわぁ……!!」
「「「!?」」」
「……成る程、だんだん状況が読めてきたぞ」
とりあえず今回の投稿は最初の部分だけ。
そろそろ表現に限界を感じてきたし、やっぱり下手なりにでもナレーションは付けるべき?
120:ロックマンJUM3 テロス
07/10/23 23:57:21 aDiQ6qB1
しまった、文の修正し忘れた
「……成る程、だんだん状況が読めてきたぞ」 →「人魚に、なった……だと? まさかな」
121:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/23 23:58:45 7O/RCjzu
>>119
GJです 自分の思うようにかけばいいと思うよw
122:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/24 02:54:19 UWkxauWP
GJだ!
123:Jum(*^^*)
07/10/25 00:24:24 xQDEScVc
今手紙書いてるよヽ(´ー`)ノ
前に書いたのをもう一回推敲し直したら、字が下手な気がしてまた最初から書き直した☆(>.<)y-~
すると…φ(..)すでに紙面に貼ってしまったデザイン用のシールが足らなくなってしまった(ρ_―)o
そこで夕方追加用を買いにいく羽目になってしまった…(-.-)Zzz
…☆ところで心配なのは、「誕生日」の日は、ちょうど姫は地方出張日のような気がしてならない( ̄~ ̄)ξ
木曜日は出張が多い気がするので☆
それとも前日の水曜日なら確実に都内にいるのかも…と思った。
都内で午前中アレの仕事があるから(*^^*)
その読みは当たるだろうか?
うーん日をずらした方がいいかな?
とにかくもうじき手紙が着くのでよろしく☆(≧▽≦)/
124:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/25 01:12:34 X2dsKFij
今
前
す
そ
…
木
そ
都
そ
う
と
125:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/25 20:31:01 PsRJH1V9
/:::、::::::、::::::、::::/::::jL、
/:::/::/\:::\:::辻-く仁、
i::::i::/__ ` ー ミ _∧ ニ/{
l::::レ.ァニ、ヽ ィニ、ヘ_ノレ'
゙:」 ´込ソ . 込ソ i::/
/∧  ̄ r==┐ ̄ ∧ヽ
, --、 {!`ーヽ. 、___ノ メー' i}、
/ ̄>-、」::_:_:_-:i>┬<!:-:_:_:_:」i
/ / / ト、7∠イ::i⌒i:::iヽ:ニ:ニ:ノ\
_ヽ ´/、 __ニ」:::! ゚ i:::l〉=:、. .ヽ \
\___\ ノ/r=_ _「i::! ゚ i:/{!三:`ー' i ,, l
/z{::::\ /::Y <<. 、ニr=_ノ .::i.:/ /
【ゴールデンレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後屋根から転げ落ちるわ火事に巻き込まれるわ
名前を間違えられるわたまご焼きをカラスに奪われるわでえらい事です
126:(*^^*)
07/10/26 01:44:02 JpB4rb1j
今日仕事に熱中してて書き込み遅れてしまった☆ヾ(^_^)
これから深夜アニメ観て寝ます☆
127:Jum
07/10/26 03:23:10 JpB4rb1j
注
ローゼン主人公桜田ジュンの日記です☆
128:Jum(*^^*)
07/10/26 03:36:20 JpB4rb1j
クラナド途中から観た☆ ボーっとしてたら思わず時計の針が過ぎてしまった。
昨日はマクロスも深夜観たがいいシーンだったな☆
あのシーンは劇場版と重なってるのでうっすらと覚えてた☆
80年代アニメのためか、リンミンメイの髪型は松田聖子カットだ(笑)
服装もどことなく当時の雰囲気☆でも絵は古さを感じない。
けっこう良かった(*^^*)最後のおちとかも☆
129:(*^^*)
07/10/26 03:58:16 JpB4rb1j
昨日はごめん☆
もしかしたら待ってたのかな?
blog見るタイミングがどうも遅くなってしまうが、もしかしたら姫の方が更新しても、最新画面がすぐこちらに現れないのかもしれない…?ワンテンポずれてる(-.-)Zzz
ケータイで見てるからかな…?☆
もうじき手紙着くからね(*^^*)
130:真紅の日記
07/10/26 19:01:20 Chf9J7rY
最近ジュンがキモいのだわ、おかしいのだわ
131:Jum
07/10/26 19:54:03 AEbsqnwB
真紅が俺を怪しんでいる。 何故だ?
俺が真夜中にNのフィールドに行って、ヒッフッハとJUMナックルの練習をしたからだろうか?
それとも皆に黙って「ザ・めしや」で昼食をとっているのを見られたからだろうか?
ともかくこれ以上下手に詮索されるとまずそうだ。
真紅達のためにはやおきして、おべんとうでもつくって機嫌をとるしかなさそうだな。
132:ロックマンJUM
07/10/26 19:55:05 AEbsqnwB
出来心で書いた。 だが反省は(ry
133:真紅の日記
07/10/26 22:07:45 Chf9J7rY
ジュンが突然早起きして弁当を作ってたのだわ
私が朝4時頃、一階の御トイレに行った時に、台所が明るかったから覗いてみたら
ジュンが台所で変な鼻歌歌いながら嬉しそうに腰振って唐揚げ揚げてたのだわ!ガクブル
腰抜かしそうになったのだわ。
どうしたのかしら・・・やっぱりジュン最近おかしいのだわ・・・
ってすれ違いなのだわゴルァ
134:Jum(*^^*)
07/10/27 02:30:26 Sc5Maazd
一応>>131は別人の書き込み(*^^*)なかなか良かった☆
先日松○聖子の名前を出してしまったけど、80年代というとベストテン番組がかなり流行っていて、なんだか当時の思い出が蘇ってくる…
久米○ろしと黒柳○子の早口コンビが懐かしい☆
久○といえばニュースステーションでなくベストテンの司会者時代の方が好印象だ。
アナウンサーでは姫もよく知ってる吉○照○という元文化放送アナがいて、おにゃんこクラブ(今のモー娘のような感じの)を配した「夕焼け○○」という番組があった☆
吉○照○というアナウンサーは個人的にけっこう好感を持っている☆
ところで男のアイドルはなぜいつもJ事務所ばかりなのかと当時、幼心に感じてた(笑)
まあいいか。
…とりとめのない話になってしまった…φ(..)
ケータイだとこれだけ打つのに30分かかってる…情けない(ρ_―)o
眠くなったので…おやすみ(≧▽≦)/
(-.-)Zzz
135:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 12:31:33 IqKH2aMO
>>130>>131>>133
吹いたw
あと両者共にGJ!
136:Jum\_>;・∀・|>
07/10/27 14:01:51 OgedPUXk
>>133
おべんとう自体は喜んでくれたようだ。 しかし余計怪しまれるようになった。
非常にまずい、アレだけは見られる訳には行かない。
ヘルメットをとったら、俺の髪はプリン頭だと言う事を……!!
見られた日にはティウンティウンしそうだ。
(元の髪型(黒毛)+金髪長髪の為。 元の髪型の部分はヘルメットで隠れている為分からない)
137:真紅の日記
07/10/27 19:47:58 QgHRtD9j
ある日の夜、ジュンが発する鼾の異常な煩さに私は目を覚ましたのだわ。
そう、あれはまるで道路工事や採石場で行われるハツリを耳元でされたような、
もはや人間業とは思えないほどの轟音だったのだわ。
あったまにきた私は一発絆ックルを顔面に食らわしてやろうと
ジュンのベッドの上に行ったのだわ。
するとその時!世にも恐ろしいものを見てしまったのだわ!
ジュンの頭が!いえ、正確には毛!毛よ!髪の毛!髪の毛が頭から少しずれてたのだわ!
なんというか、毛根そのものが右下にずれてたのだわ。そして少し変な物体が隙間から・・・
・・・いえ、何も無いのだわ。何もなかったのだわ。何も見てない。何も・・・
私は気持ち悪くて吐き気がしたからその日はそのまま鞄に引き返したのだわ・・・
ジュン・・・やっぱり最近変よ・・・
翠星石や雛苺に相談しようかしら・・・
138:Jum\_>;・∀・|>
07/10/27 20:40:12 OgedPUXk
油断も好きも無い奴だ……。 ヅラっぽくみせるように寝る前に
ハゲかつらとその上から、金髪カツラをかぶっておいて正解だった。
真紅には悪いが、プリン頭は拝ませないぞ。
万が一見られた時は……JUMナックルでローザミスティカをシージングしてやる。
139:Jun(*^^*)
07/10/27 22:13:13 Sc5Maazd
blog写真かわいいよヽ(´ー`)ノ
きょうも遠くにいるみたいだね☆いま電車の中かな、それともまだ現地かな?
パソコン代わりにすべてケータイ使ってるから、1日のうちかなりの時間小さな画面を覗き込んでる☆
パソコンより目が疲れるな(´Д`)
一休み(u_u)o〃
140:Rozen Maiden Latzt Regieren
07/10/28 02:12:21 XnC22b+p
..ローゼンメイデン
それは人形師ローゼンが造り上げた七体の少女人形
七人の姉妹に与えられた宿命はアリスゲーム
かくして姉妹は 仲良く殺しあったのでした...
私の名は真紅 薔薇乙女の第5ドール
誓いなさい 薔薇の指輪にかけて 私のローザミスティカを護ると..
- THIS ERA -
この時代
7人の薔薇乙女が一斉に目覚めたのよ アリス・ゲームが始まるのよ
- THE ALICEGAME ENDS -
アリスゲームは終わる
敗けたドールは 勝ったドールにローザミスティカを托すのが掟
目を逸らさないで見るの これがアリスゲームなのだわ
あら、私は自分のことを可愛そうだなんて思っていないわ
だって...生きることって、闘うことでしょう?
姉妹の絆もマスターの絆も 最後にはぜんぶぜんぶ引き千切られてしまう
私たちは 絶望するために生まれてきたの だってそれが薔薇乙女の宿命だもの
- WE CAN NOT BECOME ALICE
WITHOUT LOSS -
私達は失うことなしにアリスになり得ない
かわいそうな水銀燈…
彼女のパパを殺してあげても あなたの呪縛は消えないのに
ぐるぐる…ぐるぐると ただ憎しみが廻るだけ すべてはアリスのために
- NO VICTORY
WITHOUT SUFFERING -
勝利には苦しみが伴う
アリスゲームに生きる事 それが私達の薔薇乙女の自然であり必然なのだとしたら…
私達ドールは人間のように老いる事も成長する事もない
けれど意識の器であるこの身体が物質世界の存在である以上 いずれ朽ちて塵となり 私達はいつか滅びるでしょう
- NO FREEDOM
WITHOUT SACRIFICE -
自由には犠牲が伴う
…かわいそうなのは貴女だわ 器を持たない貴女は 生命の糸も必要としない 絆という繋がりを
本当に思いが繋がっていれば契などいらないのだわ 指輪がなくなっても繋がっていられる 信じていられる
だから真紅は...
- THE MAIDEN CIVILIZES -
141:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:15:22 XnC22b+p
NEW LINE CINEMA.
presented by rozen maiden
fan fiction/side story film
世界は変わった。
時計の針がそう告げている。水からそれを感じる…
もうすぐで思い出すことができる アリスが私たちを呼びかけている
あったものが失われました...それはもう誰の記憶にも残っていない
<支配は終わる>
第四ドール、蒼星石は死にました。
同時に彼女の持つ世界も朽ちていきます…三本の柱が並ぶ断続的な通路
第二ドール、金糸雀は殺されました。
遂に彼女の演奏が彼女の劇場で聞かれることはなかったのです
第一ドール、水銀燈は自殺しました。
愛の棘から己を解こうとしたお姉さまの、悲しい結末でした
お姉さまは…第五ドールとの戦いで…
「ここまでよ!水銀燈!」
真紅は溶岩を飛び越え、安全な土地に着地して言う。「地の利はもう私が得たわ!」
一人マグマの上の孤島に残され、状況的に窮地に立たされた水銀燈。
「あなたはまだ…」そんな水銀燈は、いまでは真紅に対する憎しみに心が完全に支配されている。「…心の中で私を見下している…」
彼女の激情に歪んだ顔が、何処までも執念深いダークピンクの瞳が、流れる溶岩をバッグに真紅を睨みつけた。攻撃の合図だ。
理性の限界がきていた真紅は必死で懇願する。「…やめなさい、…」
「うあああああ゛!!」
だが、その上からなだめるような真紅の言葉に返って逆上した水銀燈はついに溶岩の孤島から飛び上がった。
宙で一回転し、真紅の背を取ろうとする。
平静さを失い、宙を飛んだ水銀燈は隙だらけだった。真紅はステッキを振るい、彼女の腹部を裂いて真っ二つにするとつぎに左手を
砕いた。
バラバラになって斜面を転げていく水銀燈。この瞬間、真紅と水銀燈の長く続いた戦いに、終止符が打たれた。
そんな水銀燈を眺めて真紅は泣き叫ぶ。「こんな戦いだけはしたくなかったのに!薔薇乙女の中で最もアリスへの気持ちが純粋で、
気高くあったはずの第一ドールが堕ちたのだわ!」
いまや上半身だけの姿に逆戻りした水銀燈は左手だけで懸命に斜面を這い登ろうとしながら真紅に憎しみを吐き出した。
「あなたが大嫌いなのよ!!」
2人の間に言葉がしばし途切れる。
真紅は、最後水銀燈の手から落ちた剣を拾い上げながらやがて静かにそれに答えた。
「水銀燈、あなたはさっきいってくれたわ、私の初めて出来た友達って」
初めて出来た友達。19世紀の頃であった2人の仲の間に、アリスゲームなどという概念は全くなかった。
真紅のその言葉に、一瞬だけ理性を取り戻した水銀燈がそれに気付いた。瞳に押し寄せる恐怖を宿わせる。「…めぐが…」
彼女は真紅とのこの溶岩地の戦いで、めぐの力を完全に使い切ってしまった。真紅に怒りを覚えるあまり完全にわれを失っていた。
完全に自分が薔薇乙女としての生きかたを逸れ、ただの人殺しの悪魔に成り果てしまったことを水銀燈は悟り、
最期に真紅を見上げて別れを告げた。「…真紅。さようなら…」
そして彼女は自ら溶岩の中へと身を投じた。
「水銀燈やめなさい!!」
叫んだ真紅の声も結局最後まで彼女には届かなかった。
四つのローザミスティカがマグマの中に投じられ…焼かれ…魂が焼かれていく…魂は溶岩の中へ沈んでゆき、岩盤の底を突き抜けて、
岩と岩の間を潜り抜け、底より下の巨大な空洞に出ると、無意識の海へと落ちていく。
第一ドールの魂が…莫大な闇の地下世界で一点の光りを月のように輝かせながら…どんどん落ちる。
暗闇の底に広がる無意識の海の海面がみえてきた。魂はそれに吸い寄せられるように落下し…遂に水面に着水した。
142:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:17:11 XnC22b+p
102
「水銀燈!!」
真紅は目を開けた。目の前に広がるのはジュンの部屋。
ジュンは腰の骨を完治させて退院し、昨日に自宅へと戻ってきていた。
部屋の素朴な時計を見やる。午前9時34分。
ああ、普段ならば起きている時間だ。だが鞄から外に出るつもりはもうなかった。
もう一度目を閉じる。
鞄の中には、昨日の戦いで最後水銀燈の落とした剣が形見として中に入っていた。剣にはまだ人間の乾いた血の跡が残っている。
人形であるのに、この鞄の中で独り老いていく感じがした。変化のない取り残された世界の隅で時間だけが過ぎ老婆のようになって
いく気が…
彼女の鞄の外で、別の人たちの声がしている。「…ダメか?」「ですぅ…」「なのぉ…」
ジュンはため息をついた。無理もない。真紅は二度としないと誓ってこの時代で行動してきていたのに、最期には自分を守る為に
そうしてしまった。でも、そうする以外に真紅があの場で生き残る方法があっただろうか?彼女はその状況に甘んじた自分に絶望
していた。
そして何より、雪華綺晶の仕掛けた罠から最後まで抜け出すことができず、水銀燈との因縁が最悪の形で終わりを告げたことにも
絶望していた。2人は雪華綺晶に操られたままその戦いを終結させた。
かけてやれる言葉がみつからない。真紅は鞄の中で眠り続け - まるでそこで待っているかのように思えた。
誰もしらないときに。
143:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:18:38 XnC22b+p
103
巡る…巡る…宿命の先に…
「みんな、お疲れ様」
「お疲れ様です、柏葉先輩」
剣道部の活動が終わる。
柏葉巴は、制服に着替え終えて部室を後にした。
帰宅路を歩く途中、人通りのない静かな道ではその時間を惜しんで教科書や単語帳を片手に暗記に励む。
市道の階段を登りきり、ある地点にきたところで巴は歩く足を止めた。
自分の前に立つ店の入り口に掲げられた看板を見る。
"Enjyu"
そして店の入り口のドアに掛けられた木札。
"Closed"
巴はため息をついた。ここ一週間、ドールショップエンジュの店はずっとClosedだ。中で何かあったのかあるいは閉店してしまったか。
彼女はこの店を気に入っていた。ローゼンメイデンの雛苺と出会ってからは、すっかり人形関連のグッズに興味が集中している。
だがらこそ、この店「Enjyu」での買い物は、厳格でしきたりの多い家庭の現実からのちょっとした逃避にもなっていたのだが -。
「はぁ…どうしちゃったんだろう…」
諦めてその場を後にしかけた時、驚いたことにClosedの札がかけられた店の扉が開いた。木の軋む音を立てながら、ゆっくりと。
中からは店の店主・槐が姿を現した。
巴は息を張り詰めた。
槐の井出達は人間としての生活を捨てたようなそれだった。
髪の毛も乱れ、髭の処理も怠われ、パンツ一枚しか身に纏っていない。ずっと風呂にすら入っていないように全体的に不潔な
印象すら受ける。
そんな自分の姿など全く気に掛けていないように、槐は巴に声をかけ店に入るように招いた。
「…君と話したいことがある。入ってくれ」
彼の瞳はどこか夢見心地だ。異様な光景に一瞬たじろいたが、巴はやがて頷くと槐に誘われるまま店の中に入った。
「こっちだ」
巴が案内されたのは、彼女がいままで彼女が入ったことのない、槐の生活部屋だった。
強烈な異臭がする。
このにおいの正体はすぐに分かった。壁際に隙間なくズラリと並べられた黄色い液体の入ったビン。
ビンには"U - O - Y - S - I - …"といった無意味な順のアルファベットがひとつずつ記されている。
漂う悪臭の元はそれだけでなく、部屋のベッドの脇に大量に置き捨てられている酒瓶もまた嫌なアルコール臭を部屋に充満させていた。
さらにそのベッドのシーツには、点々とした乾いた血の跡がこびれ付いているのが見える。
一体槐に何があったというのだろうか。よほどのことがなければ人間は通常こんなことにはならない。
「あの…どうかなさったのですか?」
巴は恐る恐る聞いて見た。
槐の瞳は空虚なままだった。「一緒に来てもらおう」
「何処へ…ですか?」
「nのフィールドに」
「n…!」
巴は本能的に危険を感じ、逃げようとしたが、その肩を槐ががっしり掴まえた。「きゃっ…」
部屋の壁際には割られ、全体にヒビが行き渡っている大きな鏡台がある。
2メートル近くある長身の男を相手に巴はなすすべもなく、その鏡の中へと引き込まれた。
144:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:20:07 XnC22b+p
104
真紅は二度寝していた。
第五ドールの夢の世界。裕福そうな屋敷の部屋に置かれた椅子に腰をかけて紅茶を飲んでいる。全くおいしくない。
夢の中で飲む紅茶にはそもそも味なんかなかった。
…味がないですって?…
彼女は独りで笑いそうになった。
しょうもないことを考えながら、もう一度紅茶を口に含もうとする。
"…真紅…"
カップが唇に触れる直前、水銀燈の声がした。夢の世界に響いてくる。
真紅はカップをテーブルに置き、席を立った。「…水銀燈?…あなたなの?」
"…真紅…あなたを迎えにきたわ…"
「私を?」席を離れて応じる真紅。彼女は、水銀燈が戦いに使っていた剣を両手の平に置いて持つと前に進み出た。
"…ええ…真紅…聞いて…"
水銀燈の声が再び響いてくる。
"…わたしは限界なの。アリスになりたいしお父様にも会いたい…でも…私はこれ以上戦いを続けることができそうにないわ…"
「水銀燈…」
いまや完全に真紅は響いてくる声に夢中になっていた。
"…ねえ真紅…あなたには思い描くことができる?全てから解き放たれた自由を?他人の考えからの自由、自分自身からの考えさえからも
束縛されない自由を?"
水銀燈の声が続く。
"…だから…一緒に来て…真紅…"
黒い羽が一枚、真紅の夢の領域の空間に舞い落ちてきた。
落ちた羽はまるで水面に着水したように波紋を広げ、床に別世界への穴をあけた。
そこに入ったとき、自分が何を見つけるのか、何をするのか、真紅はある部分で感じていたことは、恐れよりも遥かに強い欲望、
水銀燈にもう一度会いたいという欲望だった。
"…待ってるわ。真紅。時期に私達は集えるわ…"
145:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:22:56 XnC22b+p
105
独りでにジュンのPCの画面が明るくなった。
以前もPCの画面からは水銀燈が飛び出してきたことがある…それを思い出したジュンははっとして画面に顔を向けた。
しかしそこに映っていたのは水銀燈ではなく、雪華綺晶だった。
その場の全員が慌てふためいて身構えた。鞄の中に閉じこもっているであろう真紅ただ一人を除いて。
「こんなにも早くくるなんて…しかも僕の部屋に…!」
「何しにきやがったですか白薔薇!」「来ちゃだめなのぉー!」
雪華綺晶は両手を画面についたまま、口元に笑みを浮かべてしかし傲然とした目で部屋の中を見渡した。
「…恐れ…」
彼女が最初に口にした言葉は、それだった。「…恐れが…感じられます…」
「何の用なんだ!?」ジュンが大声で聞いた。
金色の右目が開いた。「ふふ、真紅のマスター!」急に打って変わって、彼女は喜んだように声を張り上げた。「あとはあなただけ!」
ジュンは恐怖と困惑が入れ混じったような表情を顔に浮かべた。「…何の話なんだ?」
すると雪華綺晶は答えた。「実のなるマテリアル。終焉はすぐそこ、全てが呼ばれ、見届けます!開花の刻がやってきました。」
そういいながら雪華綺晶は流れるような動きで自分の体を横に逸らした。後ろに映し出される、背景。白い薔薇と氷の結晶の世界…
視点は少しずつ下へと降りてゆき、その世界を見下ろしていく。
そうなっていくに従って、ジュンは身の凍りつくような光景を目撃するに至った。
ジュンのよく知っている人たちがそこには沢山いた。最初に目に入ったのは草笛みつ。金糸雀のマスターだ。
大事そうに幸せそうな笑みを浮かべながら…"がらくた人形"を抱えている。
だがおかしいことに、そこだけ時間がとまったしまったように、みつは身動き一つしない。
ジュンは悟った。
彼女がそびえ立つ水晶の城の一部と融合し、中に閉じ込められてしまっていることを…
いつか薔薇水晶が翠星石にしたように…
彼女だけではない。蒼星石のマスターであった柴崎時計店の元治や昨日病院で出会った水銀燈のマスター柿崎めぐの姿もそこには見えた。
いずれも、彼女の世界に閉じ込められてしまっていることは分かった。いや…柿崎めぐの方については、どういう訳か一人だけ少し
隔離されているかのように、水晶の中には閉じ込められることなく大きな白い薔薇の花の上に吊るされ、足先だけが花弁の中に
沈んでいる。
瞳は閉じられ、やはり夢を見ているかのようだ。
「一体…なんだよ、これは…。ローゼンメイデンのマスター達が…」
ジュンは震えながら声を絞り出した。
「私の実の成るマテリアルたちです」
「どういうことだよ!」
「つまり…」ふわふわと浮遊しながら彼女はまたPCの画面に近づいてくる。「ローザミスティカを奪い合うことだけが、アリスになる
方法ではなく…私のような実体のないドールが」前も思ったが、彼女の声はまるで頭の中から直接響いてくるかのようだ。「人の心
を素材に志向の少女になることもあるということです」
ジュンも雛苺も翠星石も愕然とした。
ローザミスティカを奪い合わずにアリスになる。人間の心を"素材"に?
ふと三日ほど前、水銀燈のフィールドでラプラスから聞いた言葉が思いだされた。"七番目の姉妹が糧とするものは、人間のこころ。"
…まさか。
「ドールズの契約者全ての力を以ってアリスになる…」
そう呟く翠星石の声は震えていた。
「そんな…そんなバカな…まってくれよ…」
水晶の中に封じ込められた哀れな人間達を見ながら、ジュンは後ろへと退いていった。
「そんなことあるもんか…"薔薇乙女は、人間を傷つけたり不幸にする存在じゃない"って真紅が言ってたじゃないか!!」
人間を傷つける存在でないはずの薔薇乙女が、人間の心を奪い、水晶の中に封じ込めてアリスになろうとするだって?
そんなことあって…あっていいのだろうか。
「ただ一人の私を除いて、それに従った姉妹がいたというのですか?」すると不穏に笑う雪華綺晶。「可笑しなことを言いますね…
ジャン?ジュン?ジャム?あーもうこの国の"gook"たちのおなまえはみんな同じに聞こえてしまうのでしてよ?近頃ではとてもへんな
当て字をしたおなまえも多いですし」
「お前がいうなですう!」翠星石がすかさず槍を入れた。
146:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:26:34 XnC22b+p
「まあ、」左手で自分の髪に括り付けられた白薔薇をいじって言う。「そう…あー、七体目は愛に満ち溢れていますよ!ふふ…
…えーと、何言ってんだろ私、つまり…彼らをごらんなさい!」
少しふらふらしながら彼女は水晶の中のドールのマスター達を指差した。
「みんな幸せそうにしているでしょう?私の愛に抱かれて安らかにそして幸せに眠りについているのです」
そして金色の瞳がジュンへと向けられる。「第七ドールは誰よりも夢と幸福を理解できるように作られました。あなたも外れては
いない。私は知っている、あなたの願いを。全ては私の世界で知ることができる…」
彼女の言っていることは無茶苦茶だとジュンは思った。
それが本当だとしたら、ローゼンは…あの創り主ローゼンは何を考えているというんだと問い掛けたくなったが、
恐ろしくて彼女を機嫌を逆撫でするような言動をするのを堪えた。
みんながあの世界の中に閉じ込められている…助けなければ。
…でも、どうやって?
そんなジュンの心の様子を察知したのか雪華綺晶は画面の中でにっこり微笑んだ。
「この私を以って、あなたを迎えに上がります…真紅のマスター。あなたを縛り付けるしがらみは全て消え、あなたはインテグアル
タンジェントスリーシータだとか、ダブルエックスマイナスコスシータサインシータディバイズワンエックスプラスワンパレンジシス
デルタエックスだとかに頭を悩ますことはなくなります…さあ、おいでなさい!」
以前水銀燈のフィールドでであったときに比べたら、ジュンはこのドールが随分と明るく、というか、饒舌だなと思った。
あのときはおどけて静かな印象だったが…いまはこの人形、喋りに喋る。
恐らく自分の策略がうまくいきすぎて楽しくて仕方がないのか、完全にキマグレで飛んだ性格なのかどっちかだ。
「ところで、私の世界は確かにnのフィールド」雪華綺晶はさらに続ける。「この"n"を考えたことはありますか?」
誰もが閉口してしまって答えない。
切り詰めるほどの静粛がしばし流れる。
「恐れることなんて何もないのに!」彼女は画面の中で喚いた。あい変わらず虚ろなままの瞳で。「自然数"n"がまず浮かびますが…
実はこのnって、"literal-mindedness n"といったりするように"現実的"を意味する字なんです…要するに、数学的でも倫理的でも
よろしいのですが、帰納で説明できるんです。演繹ではありません、帰納で…空白の証明。それがnのフィールドの世界」
これほど謎めいたことばかり語ってくる姉妹がかつて薔薇乙女にいただろうかと思いながら、ジュンは喋りを続ける雪華綺晶の口の奥に
隠された異様に鋭く発達した犬歯に気付いた。口に入れればなんでも噛み切ってしまいそうな犬歯だ。
「例えるなら…そう…ここは私の家でなかったでしょうかとあなたに問いかける…もし私の家でないというのならあなたにそれを
証明して頂こうと迫り、証明ができないのなら私の家だと考えてもいいという帰納です。たとえ実際にここがあなたの家だとしても、
私の家でないとは限らない。そうでしょう?nのフィールドとはそういうところなのです。だから…」
いいながら彼女は左手の指先を画面にくっつけた。
「nのフィールドへの入り口は鏡とは限りません。知っていましたか?」
「知るかっ!」
ジュンはピシャリと画面の中の白い少女に言い放った。
「ちったあロクなこと喋ってみせろですぅ!」その隣で翠星石が雪華綺晶に批判の言葉を放射していた。
雛苺については頭を傾げてまさに"?"マークが頭上に浮いているイメージだ。
「nのフィールドというとこは」見かねた雪華綺晶が自分で答える。「創造がむしろ欠如したところなのです。あなたの見る夢が
実在しない世界などという証しがありますか?あなたには見えているのに。永遠の器が存在し得ないと真に証明できるような"知性"が
それを否定しましたか?nのフィールドは、本当にどこにでもあって、どこにでもないところ…そう!そこへいくには"向こう側に
突き抜けられるか"どうかだけなのです!」
雪華綺晶の後ろで、一つの扉がストンとおちてきた。PCの画面内にそれが映る。
「あれは"知覚の扉"…」
彼女はその扉を指差して言う。
「もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れ、無限に見える。あの扉の先には何が見えるのでしょう?
その先にいってみなければわかりません。ふふ…とても開けたくなってみるでしょう?何故ならあの扉の先には、アリスがあるからです」
147:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:28:45 XnC22b+p
「ちくしょ…」
ジュンはそんなことよりも、彼女の世界に閉じ込められてしまったドールのマスター達のことを気にしていた。
何かがおかしいが、くるところまでアリスゲームがきてしまったと、ジュンは認めざるを得なかった。
薔薇乙女が人間の心を奪うことでアリスを目指す?ローゼンがかつて言ったことと矛盾しているじゃないか!
「彼らが気になるのですか?真紅のマスター」
その様子を察した雪華綺晶が言ってくる。
「あなたは現実世界を好きでない…昼は夜を壊し、夜は昼を裂く。"ある"ない"ある"ある"ない"ある"ない"…それだけの世界。
突き抜けてみたいと思っているのでしょう? 1 0 1 1 0 1 0
彼女もその内の一人…」
「彼女?」ジュンは顔を上げて聞き返した。
画面の中に、迷い込んだように首をきょろきょろさせながら彷徨い歩いている彼女の姿 - ジュンの同級生 - 剣道部にして
クラスの学級委員長の巴がいた。
「ああっ!ともえ~っ!」
雛苺がすぐに画面を見て反応した。ジュンの膝の上に飛び移って顔をのばす。
「あ、あいつ…!」ジュンは呟きながら、自分の眉間が痙攣するのを感じた。「おまえ、柏葉にまで手を出す気か!?」
「夢の扉を自分で見つけることも」さらに雪華綺晶は言った。「それが薔薇乙女の場合、行き先はただひとつ…」
そう言い、今度は水晶の城の上部、鋭く尖った頂上より少し下辺りを白い指先を伸ばして差した。
彼女が意図したとおりに、恐る恐るジュンは目を凝らして彼女の差した先をよく見てみた。
かなり嫌な予感がする。
そして見つけたのは、まるで夢遊病のようにふらふらと夢見心地な瞳で聳え立つ水晶の城の中ををふらふら歩いている、
真紅だった。両手に水銀燈の形見であるあの剣を持って、今は亡きその持ち主を探しているかのように彷徨っている。
「真紅!?」ジュンと翠正石の声がはもった。「どうして真紅まで!?」
ジュンは飛ぶように椅子から離れ、真紅の鞄の駆け寄ると蓋を開けた。「いない!ずっと鞄の中にいたと思っていたのに!」
鞄の中は、空っぽだった。
するとPC画面の中の雪華綺晶がふふっと笑って言った。「nのフィールドへの入り口は、鏡だけでないと私は言いましたわ?」
「お前!みんなをそこに集めてどうするつもりだというんだ!?」
「それは扉を突き抜けなければわからない」雪華綺晶は人指し指を口にあてて言った。「あなたも一緒ですよ、真紅のマスター」
そしてそこから飛び降りていくように雪華綺晶はきえた。さいご舞い上がった彼女の白い髪が画面には映った。
148:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:32:20 XnC22b+p
108
「くそ…どうする」
薔薇乙女たちのアリスゲーム。まさか自分の知らないうちにこんなことになっていたなんて。薔薇乙女に関係していた人間全てがそれに
巻き込まれてしまっていた。
「ジュン~!ジュン!!巴が…巴がぁ…」
雛苺が椅子の上からジュンの腕を引っ張っていう。
「分かってる。いくしか…」
「ちょっと待てですぅ!ジュン!」翠星石が突っ込んだ。「白薔薇の狙いはチビ人間だと分かったです…ジュンがそこで正面から
出向いたらヤツの思う壺なのですぅ!ちったあ頭を使うです!だから私たちが…」
「いや…だめだよ…僕がいかなければ、お前たちはnのフィールドで十分に力が出せないんだろう?それに、30分までしかいられないって」
それは紛れもない事実であった。「…ですぅ」
You know the day destroys the night
Night divides the day
「みんなでいくしかないってことさ!向こう側に!」
Tried to run
Tried to hide
「真紅やみんなが七体目に連れ込まれてるってのに、部屋にいられる訳がないじゃないか…!」
ジュンは言う。誰も反論しない。その場の雛苺と翠星石も、同じ気持ちだった。
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on through to the other side, yeah
「nのフィールドへの入り口は、鏡だけじゃない…」
ジュンは雪華綺晶の言っていた言葉と同じことを呟いた。「向こう側に尽き抜けられるかどうか、かよ。そうかよ…それなら」
PCの前にたち、狙いを定めると、ジュンはPC画面にむかって頭から飛び込んだ。PC画面が光り、ジュンはそこから向こう側へと
入り込んでいった。
We chased our pleasures here
Dug our treasures there
But can you still recall
The time we cried
Break on through to the other side
Break on through to the other side
「あっジュンが!」
PCの中へと入っていったジュンを見て雛苺が驚いたように声を張り上げた。
「一生の不覚です、チビ苺」翠星石がその横でいう。「チビ人間如きに先を越されてしまったのですぅ!」
そして彼女達2人もすぐにあとを追って、勢いよくPC画面からnのフィールドへと入っていった。
Everybody loves my baby
Everybody loves my baby
She get
She get
She get
She get ... high!
彼女達三人の前には、待っていたように先ほど雪華綺晶が"知覚の扉"とよんだのと同じ、大きな扉が置かれていた。
「この扉の先に何がみえるか…もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れ、無限に見える…」
ジュンは扉へと近づていく。「あるとないをも超えた世界…そんなことはどうでもいい」
選択をせままれている。
149:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:33:32 XnC22b+p
I found an island in your arms
Country in your eyes
Arms that chain us
Eyes that lie
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on throuoww! oh yeah!
この扉を超えたら最後そう簡単には帰ってこれないような気がする。
だが迷いなどはない。猛烈な意志の力がここには働いている。僕の引きこもり生活はこうしてグッバイするのか。
「待ってろよ…七体目のドール…真紅も水銀燈も金糸雀も、みんなをひどい目に合わせて…やってやるさ。僕は扉を突き抜けていく!」
すると大胆にも、正面の扉にむかってジュンは駆け出した。「うおおおお!」そして飛び上がった。
ジュンの体が浮き、足先が前に出るとまるで空中でスライディングするかのような形でジュンの足が扉へとぶち当たった。
扉が勢いよく開かれる。ジュンは扉の先へと体を滑り込ませていった。
「おおっ!」「人間にしてはやるですぅ!」
雛苺と翠星石が目を大きく開いて感嘆の声を出した。それからすぐにジュンを追って開け広げになった扉へと彼女たちも入っていった。
「あいててて…」
当然の成り行きなのだが、ジュンは扉の先では痛そうに腰を手で撫でながら転げていた。
それを目撃した翠星石のコメントが「見直しかけて損したですぅ!」だ。
ついに扉の向こう側へとやってきた。
三人は周囲の世界をまじまじと見回した。
Wait and see
Week to week
Day to day
Hour to hour
The gate is straight
Deep and wide
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on through
Break on through
Break on through
Break on through
yeah - yeah - yeah - yeah - yeah - yeah..
150:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 02:36:31 XnC22b+p
109
ジュン達は、自分らがただの暗闇のど真ん中にいることが分かった。地面はある。
暗すぎて互いの姿が確認できない。「みんないるか?」
「ですぅ」「なのぉ」2人の返事が返ってくる。すぐそばには居るみたいだ。
「ふぅ…」ジュンはひとまず息をついた。「こんなに暗いんじゃどうしようもないな…核とマントルの間にでも埋まったか?」
後ろを確認してみると、さっき通り抜けてきた扉の入り口はもうない。
完全に別世界へと来てしまった…闇の奥地。誰もきたことのないところ。
一緒に雛苺と翠星石がいることがすごく頼もしかった。こんな心淋しいところ一人では耐えられないだろう。
「何か明るく照らせるものはあるか?」
「あるですぅ」翠星石の声が闇の中から聞こえる。「スィドリーム!」
「ベリーベルぅ!」翠星石の真似するように雛苺も人工精霊をよんだ。
緑色とピンク色のほのかな光が闇の中に煌き、お互いの顔がその光に照らされた。
「うわ…」翠星石が顔を後ろに退かせるのが見えた。「暗闇で緑色に照らされたチビ人間の顔はまるでお化けですぅ」
ジュンはむすっとした。「ピンク色に照らされたお前の顔も古典に出てくる悪霊みたいだぞ」
「な…」
翠星石が反論しかけたそのとき、思いがけずラプラスの魔の声がいずこから聞こえてきた。「皆さんお揃いですかな!」
その声は、無限の闇にもう一度轟いた。「皆さん、お揃いですかな?」
ジュン達はあたりを見回したが、ラプラスの魔は暗闇に隠れてどこにも見当たらない。
「アリスのセレモニーが始まろうとしています!明かりが足りないようですね。姫君方」そこで間を取る。「それでは…メイメイ」
するとこの闇に、新たな光源が現れた。紫色の光源…浮遊している。第一ドールの人工精霊の光だった。
「そして…ピチカート」黄色の浮遊体がメイメイの隣に現れる。
「さらに、レンピカ」三つ目に、青い光がそこに現れる。
紫、黄色、青。「蒼星石のレンピカ!」翠星石が身を乗り出した。「どうして?いつの間に…!」
「この舞台を照らし出す照明はまだまだ足りません」
暗闇の先からラプラスは言う。人工精霊たちの色とりどりの光に照らされて、ついにその姿がおぼろげに見えた。
「真っ赤に燃える…ホーリエ!」
さらにもう一度ラプラスの声がしたあと、三つの人工精霊の隣に真紅の人工精霊が闇の中に姿を現した。
「真紅のホーリエまでここに…?」
ジュンは真紅がまだ無事なのか不安になった。
「全ての…」
突然、雪華綺晶が言いながら人工精霊たちの照らす光のもとに闇から躍り出てきた。
「全てのドールのマスターがここに集いました…」
その台詞をきくと、ラプラスの魔は意味深に笑った。
「それでは、ごらんあれ、いまここに - 六つの人工精霊たちが舞台照らそうと健気に飛び回っています。
しかしながらまだ全てではない。なぜか分かりますかなぼっちゃん?」
ラプラスは手持ちのステッキの先をジュンに向けると聞いて来た。
「えっ…」ジュンは、急に学校で先生にあてられたときの気分を思い出してたじろいた。「っと…薔薇乙女は七体…」
「その通り。薔薇乙女たちは七体。しかし私が名に出した人工精霊たちはまだ六つ。さて…七つ目の人工精霊は?」
「七つめの人工精霊…?」
ジュン達は一瞬考えたのち、いっせいに視線が雪華綺晶の方へと向いた。
「私はこの子を使ったことがない…」七体目のドールは、そう呟いた。「要らなかったから」
雪華綺晶の体のうちからどこからともなく、真っ白に輝いた浮遊体が姿を現してきた。
攻撃的にチカチカ光を点滅させながら、他の人工精霊たちの輪へ加わっていく。
「七つの照明!舞台はこうでなくては!」ラプラスが声高に言った。「七つ目は"スゥーウィ"!」
「スーウィ!?」
翠星石は、今まで見たことのなかった白く発光する人工精霊を見上げて皮肉そうに言った。「あれが七体目の人工精霊なのですか…!」
メイメイ、ピチカート、スィドリーム、レンピカ、ホーリエ、ベリーベル、スゥーウィ。
七つの人工精霊がそこには全てが集まった。
人工精霊達は互いに距離を縮めあいながら高度を上げてゆき、彼らの頭上へと上りつめていく。
「ウェークアップ!」
そのタイミングを見計らったかのように、ラプラスが足踏みするとハイテンションな声を張り上げた。
集まった七つの人工精霊たちそれぞれが、強烈な光を発するのと同時に互いが合体して一つの光の塊へと変化した。
ジュン達を取り巻いていた暗闇が一挙に退いて行く。夜が昼にる。
世界の光景が、一挙にその姿を現した。
151:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/28 02:47:26 t2+aSE97
>>140-150
本命が読めた
ありがとう
152:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 03:46:37 XnC22b+p
真っ白な地面。
白薔薇と氷の結晶の城が聳え立っている。
間違いなく、さっきPCの画面に映っていたところだ。
ジュンは空を見上げた。
何処までも広がる、透き通った明るい水色の空に星々が煌く。
昼間の世界なのに星々が空に輝いているのがはっきり見えること自体、ここが普通の世界ではないことを証明していた。
少なくとも地球上ではない。
やがて - ジュンはそれらが星ではなく、光を発している空に浮いた無数の扉であることが分かった。
「ついにここまで来てしまったか…」下手すれば、僕もまた他のマスター達と同じようにこの世界に封じられる。
その時第七ドールの雪華綺晶はアリスになる。もし僕がマスター達を救い出せればそれとは逆の結果になる。
ジュンは、少し離れたところの水晶の上に腰掛けてずっとこちらを見据え続けている雪華綺晶を見返した。
ただ笑みを口元に浮かべながらじっとこちらを観察している。向こうから仕掛るつもりはない。僕が先に動き出すのを待っている。
そこからジュンは全く動けなかった。
白いドレスに包まれた体のあの金色の瞳に見据えられ、自分の全てがスキャンされたように知り尽くされている錯覚を覚えてしまう。
どんな行動を起こしても彼女の想定の内に入っしまう気がする。
見えない何かに縛られてしまったかのように動けない。
…くそ、動け…!動け!
「扉はもう開かれたのです!」
ジュンの前方で雪華綺晶がにっこり微笑み、急に立ち上がるとジャンプしながら水晶から白い地面に飛び降りた。
「終わりの始まり!薔薇乙女は全て消える。残るのはアリスだけ!ようやくその刻がきたのです!」
みんなの前に降り立ってきた雪華綺晶を、ジュン、雛苺、翠星石の三人が見つめる。
薔薇乙女最後のドールは、さらに言う。「みんなみんな、みんな終わるの!みんな繋がって、張り詰めて、動かなくなるの!」
もう一度胸を張って飛び上がりながら、悪魔的な声を響かせて呼びかけてくる。
それから、見るに奇妙な動きをしだした。
「あの水晶の城があななたちに答えを出します!私達は全て終焉の水晶の十字路の上に立っている!」
編み上げのブーツを履いた脚をふらふらさせながら、上を向いて歌い出す。「朝になれば破滅が待っているの!」
それからも彼女は一人で熱狂していき、片足だけでぴょんぴょん跳ねながらあっちいったりこっちいったりした。
「白い水晶の城の中で、魂が入れ狂う!ぐるぐると!」
次に左手を上げて空を見つめると、ある地点に留まって右足で跳ねながらくるくる回りだした。「巡る、巡る!」
その人形の奇怪な踊りないし予測不可能な動きのパフォーマンスにジュンは釘付けになった。
回転しながら上を見つめる瞳は何処か外れたところに向けられていて、余計それが異様な印象を与えてくる。
あれはジュンや薔薇乙女に関係した者全てに誘いかける彼女の悪魔のダンスだ。
魂が入れ狂うとはきっと彼女自身の存在のことを言っているに違いない…
雪華綺晶は尚も踊り続けた。「手繰り寄せられる!ぐるぐる、どんどん、ぐるぐる巻かれていく!」
両手を掲げながらいきなり飛び上がる。「さあ糸に身を任せるのです!」
「あんの白薔薇ぁ!」
翠星石は、そんな踊り狂う末の妹を苛立ちに満ちた顔で見つめ、拳を握りしめた。「ジム・モリソンを気取ってやがるですぅ!」
そして手元に如雨露を召喚する。「こうしちゃおれんです!あの薔薇乙女一の問題児七番目が一人で暴れてる間に眠らせちまうですぅ!
この間の借りも残っていますしね!」そして図太い世界樹を伸ばした。雪華綺晶へ向けて伸びていく。
153:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 03:49:40 XnC22b+p
「あなたは無意識の海に滑り落ちる…あがっ」
まだ一人で歌を続けていた雪華綺晶の後頭部を世界樹が打った。バタと地面に転げまわる。
それでもまだ彼女は転がりながら壊れたテープ再生のようにまだ口ずさんでいた。「…前に…もう一度あなたに口付けを…目が廻った」
「雛苺、いまですぅ!」翠星石が雛苺を連れて雪華綺晶に接近する。「捕まえるです!」
翠星石の世界樹がまず地面に酔いつぶれたように伏せた雪華綺晶を上から拘束し、そらにその上から雛苺が蔓で拘束した。
世界樹と蔓によって、雪華綺晶は二重に縛られる。
「ジュン、いまですぅ!」
翠星石は顔を翻してジュンに向かって叫ぶ。
「ジュン!白薔薇野郎は私達に任せて、ジュンは真紅たちを探しにいくですぅ!」
「わ…わかった!」
ジュンはぎこちなく頷き、2人の薔薇乙女を最後にもう一度見つめると振り向いて遠くへと駆け出した。
アリスゲームの結末を掛けた雪華綺晶との追いかけっこが始まったわけだ。
ジュンの向かう遥か先には、巨大な氷の結晶でできた城が聳え立っているのが見える。
みんなを助けなければ。真紅も、柏葉も、他のドールのマスター達も。
指輪が熱い。今頃翠星石と雛苺が雪華綺晶と交えているのだろう。
いまはこうするしかない。出来るだけ早く終わらせるから、耐えててくれ。ジュンは心の中で祈った。
僕がやるしかない。
ジュンは、薔薇乙女にあって以来初めて、まるで自分がアリスゲームの主役になってしまったような気がした。
「前にも思いましたが、この白薔薇ってやつは」
すっかり縛り上げられてしまった雪華綺晶の上に片足をのっけ、翠星石は言った。「正面から対峙すれば意外と隙だらけなのですぅ。
目からしてなんかボケーとしてやるがるですぅ」前回の敗北への仕返しを果たした気分になって、少し得意気な表情を浮かべながら、
如雨露を振り上げる。「眠らしちまうです!」
うつ伏せの雪華綺晶の頭へ上から如雨露の先を突き落とす。果たしてアストラル体の後頭部を殴ったところで本当に眠らすことが
出来るのかはわからないが。
「あいたっ!」
殴られた雪華綺晶が喚く。それから起き上がろうとしたが、自分の体が縛られている状況にそのときようやく気付いたらしい。「ひどい!」
「しぶてーやろーです!」翠星石がもう一度如雨露を持ち上げる。「大人しく寝ちまうです白薔薇!」
「白薔薇じゃなくて,雪華綺晶ですよ!」背中だけで抗議する。「そろそろ覚えましょう」
「モリソン気取りめ!ですぅ!」
「27歳のままnのフィールドを彷徨い歩いてそう」
「じゅ、」翠星石は顔に皺を走らせしかめっ面を作った。「重症です…これは放っておいたら次は歌いながらドレス脱ぎ出しそうです」
と、突然に雪華綺晶の体から白い茨が伸びてきた。
うようよ動きながら翠星石の世界樹と雛苺の蔓の上にさらに被さるようにしてにくるくる巻きついてくる。
「いやっ!」「うわ!」
ゆがて伝ってきた白の茨が翠星石と雛苺の体に纏わり付きだす。
「しまった…こいつの体に触れるとロクなことが起こらないってことを忘れてたです…!」
彼女達三人は、お互いに体を拘束し合う状態となった。
誰も動かない。翠星石は、冷や汗が首の後ろで滴り落ちていくのを感じ取った。
「ゲームはもう終わる!もはや盤はドールのものだけでない!」
いきなり言いながら雪華綺晶が地面で寝返りを打って顔を出してきた。
「げ!」「あぁっ!」
彼女とお互い繋がっている状態であった翠星石と雛苺の2人は、茨に引っ張られて危うくつんのめって転びそうになった。
「あなた達はもう盤を飾る主役ではない。お父様もそういっているのが私には聞こえてくるよう」
雪華綺晶の体の何処からともなく、白い小さな浮遊体が出てきた。
光るというより、燃えているように煌いている。
「"スゥーウィ"…」
さっきラプラスに呼ばれていた、七つ目の人工精霊。
それがいま、翠星石と雛苺の前に飛んできている。他の人工精霊と違い、動くたびにヴォンとう低音を轟かせる。
まずい…。翠星石は思った。茨に絡まれて体を動かすことができないが、この人工精霊は危険だ。
「私はあなたを知っていない。好きなようにしてごらんなさい、スゥーウィー」
声に応じて、スゥーウィーが己を巨大化させるが如くに白い光を強めさせる。
「まぶし…っ」
次の瞬間、フラッシュの如くスゥーウィーから放たれた強烈な白銀の閃光に、翠星石と雛苺の2人が包まれた。
154:Rozen Maiden Latzt Regieren Ⅶ:The Civilization
07/10/28 04:02:45 XnC22b+p
110
「はぁ…、はぁ」
ジュンは息をきらしつつひたすら異空間の世界を走り続けた。前方にそそり立つ水晶城を目指して。
真紅も、ドールのマスター達もあそこにいたはずだ。
だが、いくら走ってもあの上空高くに伸びる水晶城との距離は一向に縮まらない。あれは目に見えているだけで、
実際には別次元のところに絵として存在していて、永久に近づけないものにすら思える。
走りを続けているうち、何処からともなく現れてきた真っ白な靄の中にジュンは呑まれた。
濃い霧と靄に視界が覆われ、何も見えなくなる。
「くそ…なんだ」もはや方向感覚すら奪われてしまった。後ろを向いても横を向いても、あるのは纏わりつくような白い靄だけだ。
夢の中に見る白い音のないあの世界に置かれてしまった気がする。いま自分がいるところは、nのフィールドの中でも、
特に深いところ - まさにnのフィールドという存在自体が見る夢の中であるかのようだった。
そこには人間も、人形も存在意義の区別なんか意味をなさないのかもしれない。
ああ、ここはもしかしてあの悪名高き無意識の海とやらの海底なのか。そんなことをふと考えてあたりを見回しているうち、
ジュンはとある人影をみつけた。第七ドールの影だ。
最初の一瞬は、ジュンは雪華綺晶が追い詰めてきたのだと思った。
やがてそれが違うと分かると、なおさら混乱した。
僕はやはり夢を見ているのか。心で思った。
目に飛び込んできたのは、雪華綺晶そっくりではあるがそうではない、"紫色のドレスを着た第七ドール"だった。
"誰か…そこにいるの?"
その影はいう。靄の先から僕に語りかけてくる..
"誰でもいい…願いを…私の願いを…聞いてください。お父様が騙されている。私の声…つ…て…とど…"
既に彼女の声は途切れ途切となり、消え行く声と共に影は遠くへ薄らいでいった。
白の霧の奥へ飲み込まれ、消えてしまうのと同時に、ジュンを覆っていた靄は突如として晴れてきた。再び視界を取り戻す。
驚いた。ジュンは圧倒されて後ろによろめかけた。
濃い靄から開放されたとき次にジュンが立っていたところは、あの聳え立つ水晶の城の真ん前だったからだった。
向こうが自発的にこちらを迎えてきたわけだ。