シャアのスウィートウォーター日記at X3
シャアのスウィートウォーター日記 - 暇つぶし2ch289:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 09:39:31
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨

残業が終わって、昨日は帰る時間が遅くなった。予定を阻止されたので
少々いらいらした。ソフトに接するように組織の連中に指示をされていたが、
ナナイの手料理で一杯やってから、理性が飛んでしまったらしい。

詳しいことは記憶に無いが、今朝はどういうわけか起きて来なかったな、彼女。
自分の業が恐ろしい私である。

一人さびしく身づくろいをして、出勤する。ウォンさんから膨大なメールが
入っている。艦隊のデザイン案だそうだ。みて絶句した。
すべて金色だ。戦艦からモビルスーツから、ご丁寧にパイロットスーツに
制服まで。子供向けのプラモデルから関連グッズまで金でまとまっている。
冗談ではない。金はやめろ金は。

キグナンも見ていたらしく、大慌てで執務室にやってきた。
「金、金ですか大佐???」
・・・間違いだ、私は赤のつもりだった。
「赤ですか・・・」
これにも不満があるようだ。
彼はアクシズ風のスカイブルーの制服を気に入っているらしい。

ウォンさんにメールを送る。色違いだとひとこと。
数分後、また大量のメールが届く。素早いな、というより準備していたらしい。
相変わらず人が悪い。
・・・むう、赤い。イメージしていたのとは少々異なるが、赤はいいものだ。
主力MSを赤にすると私の専用機が目立たなくなるので、金色はどうかとコメントがある。
・・・お断りだ。

結局、基本は赤で、主力のMSなどはジオングリーンを踏襲させることにした。
美しい部隊が編成できそうで満足する。

いつの間にかナナイが出勤してきている。昼食を半ば強制的にすすめられる。
まあしかたがない、つきあうとしよう。


290:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 16:48:44
昼食をとりながら、サインの間違いに昨日気がついた話をした。
笑いが取れるかと思ったが、ナナイは真顔でこう返してきた。

「以前からそれは判ってました。ですから、サインは・・・ええっと
キャスバル、エドワワ、シャア、クワトロ・・どれでも通してます。
ほかにもあれば、筆跡を登録させるのでおっしゃってください。」

なんということだ。私の残業時間は無駄働きだったらしい。
今日のランチは麦とろろ飯、とかいうものらしい。添えられている魚も
なんか脂っこい。吸い物も魚の匂いがする。

「しっかり食べてくださいね、大佐」
・・・なんだか嬉しそうだ。私はこの、箸というのを使うのは苦手だ。
苦手だが、握るとしっくりくるのは何故だろうか。

食事を終えてから、今日は市内を視察することになっている。
何でも老人施設を訪問して、市民とのふれあいを演出するのだそうだ。
そのあとは幼稚園か。ふむ、高校にもいかねばならんのか。

「はい、そのハイスクールは男子校です。私はお供できませんが、
お帰りをお待ちしています。」

妙に機嫌がいい。・・・ここまで露骨なスケジュールを組んでくるとは。
やはりこの女、侮れない。

ナナイと別れ、市内へ少数の随員を従えて出かける。この期に及んで、
形式だけは隠密行動なのが笑える。コロニー内で私を知らぬものはいない。

・・・いや、正確には連邦の駐在武官だけは知らないはずだ。
裏から手配が及んでおり、定年間際の老人が茶をすすっているだけだが。






291:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:10:56
華やかな柄の服を着たご婦人が通りかかる。む、あの黒服はなんだ。
まるで彼女の視界をさえぎるように割って入った。

ただ者ではない動きだ。注意してみると、一度や二度ではない。
往来を行く人々の視線から、微妙に私の一行をさえぎっているではないか。
これではふれあいに出かけてきた意味が無い。

しかし、あの動きは見覚えがある。
熟練したモビルスーツ乗りのそれだ。指揮官、あるいは艦船を完璧に防御し
エスコートしていくプロの動き。無駄が無い。

私は彼らに支持されているのだと確信した。一般民衆よりも彼らに支持される
方が重要である。生死を共にするのは、やはり彼らだからだ。
今日は公共交通機関を使わされている。施設で、往来で100回ほど、老人ばかりに
握手を求められた。少々手が痛い。大事な出資者だという。
ふと、口うるさいジンバラルの爺さんを思い出した。

庶民の英雄シャア・アズナブルか・・・昔の私を知るものには道化にしかみえんかな。
隣接した幼稚園に連れて行かれる。シンタとクムは元気にしているだろうか。
子供、これほどの子供ではさすがの私もなんらの衝動は覚えない。
あたりまえのことだが。

ハイスクールでは大人気だった。しかし臭い。男ばかりではこうなるか。
握手に写真撮影、休む間もない。ずけずけと屈託無く明るい。

ふと、カミーユの横顔を思い出した。ファの所帯じみた顔もだ。
私があの作戦を実施しなければ、彼らもまだ、グリーンオアシスで学生だったろう。
こういった明るい笑顔を奪ったのは、私かもしれない。
そう思うと心は晴れなかった。無論、あの時はやらねばならないと信じたのだ。

後悔は無い。しかし、拭い得ぬ負い目というのはやはり、あるのだ。




292:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:23:06
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の監視任務についているのは、我々の中でも優秀な男達だ。
パイロットとしてジオンのために長年働いてきた連中だが、練度が若干
下がるかもしれない危惧はあるものの、ジオン本国からきた機関の連中、
あの秘密警察の臭いがプンプン臭う連中に、大佐の監視は任せられない。
スキャンダルでも情報操作に利用する連中だ。

最近摘発されたという、大佐の私生活の盗撮ビデオにはあきれ果てた。
あのようなものを流通させるとは許しがたい俗物がいるものだ。
大佐の人間臭い部分を故意に知らしめる効果はあるとかいうことだったが、
我々の求めているのは理想への殉教者だ。あのような獣ではない。

私生活はどうでもいいといえばどうでもいいのだが・・。
最良の監視要員は最良の護衛要員でもある。我らの手の中にある内は
大佐も王道を歩んでいけることだろう。
大佐がある種の人格破綻者であることは、隠し通さねばならない。

レズン同志から、護衛を自分と部下に一任するように要求が来ている。
どうしたものか思案している。忠誠心と熱意には問題が無いのだが。
黒子が黒子でなくなってしまうだろう。



293:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:32:45
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の監視任務についているのは、我々の中でも優秀な男達だ。
パイロットとしてジオンのために長年働いてきた連中だが、練度が若干
下がるかもしれない危惧はあるものの、ジオン本国からきた機関の連中、
あの秘密警察の臭いがプンプン臭う連中に、大佐の監視は任せられない。
スキャンダルでも情報操作に利用する連中だ。

最近摘発されたという、大佐の私生活の盗撮ビデオにはあきれ果てた。
あのようなものを流通させるとは許しがたい俗物がいるものだ。
大佐の人間臭い部分を故意に知らしめる効果はあるとかいうことだったが、
我々の求めているのは理想への殉教者だ。あのような獣ではない。

私生活はどうでもいいといえばどうでもいいのだが・・。
最良の監視要員は最良の護衛要員でもある。我らの手の中にある内は
大佐も王道を歩んでいけることだろう。
大佐がある種の人格破綻者であることは、隠し通さねばならない。

レズン同志から、護衛を自分と部下に一任するように要求が来ている。
どうしたものか思案している。忠誠心と熱意には問題が無いのだが。
黒子が黒子でなくなってしまうだろう。



294:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:33:34
おっと連続ミス。ごめんなさい。

295:自分も書いてみた
05/06/15 22:38:22
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=薄曇り シャアの日記

今日、定例会議があった。議題に艦隊編成やモビルスーツの設計があったので、
スイートウォーターの連中だけでなく、アナハイム関係者や、ニタ研や、宣伝工作の
ためだとかで、ホルストを筆頭にした情報部の連中まで集まって、かなりの大所帯
になった。

異物混入事件の捜査状況の報告だとか、私の私生活を盗撮した不届きな輩がいるだとか、
連邦の外郭部隊がどうこうだとか、いつも道りの議題は滞りなく片付いたが、最後に回ってきた
艦隊ともビルスーツの件だけは違った。

こちらの予想に反してやる気がないアナハイム派と、とにかく安く仕上げたいスイートウォーター派、
どうしてもサイコミュシステムを搭載したいニタ研派とに分かれて、お互い一歩も引かずに
議論、と言うか揚げ足取りを続けていた。

私に言わせれば、ザクやゲルググ等ジオニック系の流れを受けた機体が無難だろうと思った。
新兵でも使いやすく、熟練兵の実力を殺す事もない。あれはいい物だ。ツマイド系はダメだ。
格好悪いから。加えてマ・クベだし。あんな格好悪いモビルスーツなど指揮したくない。

コスト削減のため機体に固定する内蔵兵器を廃して、火力の低下は既存品を改良した
外装オプションで補えばいいだろう。

ナナイには悪いが、サイコミュの搭載は見送りだな。兵器として運用するからには頭数を
そろえねばならない。金がかかり過ぎると言うのもあるが、何より搭乗させるパイロットに
問題がある。モビルスーツの数だけギュネイみたいな猿を用意しなければならないからだ。。
正直そんな事になったら、スイートウォーターを地球に落としたくなる。やりかねない今の自分が怖い。

デザインは、OD色でジオン風と言う事でアナハイムに任せればいいだろう。

と、まぁ、何となくそんな事をボーっと考えていると、
「大佐から何かご意見はありませんか?」
と、振られた。

とりあえず今考えていた設計案と、私の専用機を赤くすること、外装デザインにウォンさんを
関らせないことを、当り障りなく発案した。

「さすがは大佐だ」
スイートウォーター派と、アナハイムはから、何を根拠にしたのかわからない賞賛を受けたが、
案の定ニタ研派、というかナナイからクレームがついた。まぁ、そりゃそうか。
できる限り優しくなだめて見たが、芳しくない。どんどんヒートアップし、しまいには、
「サイコミュの研究をこれで終わりにするのか、続けるのか! 大佐っ!」
と、すごい剣幕で迫ってきた。いつもならここで私が折れるのだが、今日は違った。
ここ最近、抱いていた疑念を払拭すべく、懐から取り出した愛用のサングラスを掛け、こう返した。
「そんな決定権が お前にあるのかっ!」
「口の利き方に気をつけてもらおうか!!」

言い終わって、やっと我に帰ったナナイもその場の異様な空気に気付く。
あるものはただ唖然とナナイの動向を伺い、またあるものはコップに注いだ水を溢れさせ、
ホルストに至っては付け髭ズレてやんの。ププッ!

「モビルスーツ開発は重要案件ですので、今後とも議論を重ねて―」
と言う事で、モビルスーツ開発と艦隊編成については、また次回と言う事になった。
とりあえず得るものは得たが、失ったものは大きい。
今夜は、いや、しばらく執務室のソファーで寝る事になりそうだ。

296:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 00:36:26
会議が終わって、仕方が無いので執務室に引き上げようかと、資料を小脇に
部屋を出たところで、アナハイム側で参加していたウォンさんに袖を引かれた。

「クワトロ大尉、すまない、シャア大佐だったな、今は。」わざと言ってるな。
・・・ニヤニヤしている。

「あの所長、ハマーンだろ。」小声で耳打ちしてきた。
・・・この人は、遠慮とかがないのか。はっとした。取引する気か。

「グワダンで直接会っていなければわからなかったろうが・・
気がついたのはどうやら私だけのようだな?場合によっては口外しないこともない。」

「ほう、お気づきでしたか」やけくそだ。大体みんな気がついただろ。

「まあ、我々は友人だよな?大尉?」まだ言ってる。

「我々はかなり値引きして今回の商談をまとめたいと思っている。そこでだ、
物は相談だが、そちらの研究施設、イカリング?だったか、あそこにうちの
研究員を入れてほしいのだ。どうだ悪い話ではないだろう?」

・・・悪すぎる話だ。サイコミュ技術は葬る予定なのだ。まあ仕方が無い。
あとでまとめて処分するには、そっちの人間も一緒にいたほうが都合がいいか。

「とりあえず、材料開発部から人を回す。ちゃんと仕事させてくれよ。」

「どうせ断っても送ってくるんでしょう?」

にやりと笑い、肩をたたいて自社の人間のほうに流れていく。

「では大佐、次回の打ち合わせでまた!」わざとらしい大声だ。

・・あの人は主義者というより商売人なのだな。・・・安心してよかろう。

それよりも今日はどこで寝るか。レズンでも呼びつけるかなどと
考えながら執務室に向かう道すがら、突然誰かが片手を絡めてきた。

意外なことにナナイだ。

「仕事は仕事、です。私も真面目に考えているのです。判ってください。」

むう、こう出てくるとは正直考えなかった。カンの強い少女も成長したと
いうことか。しがみつかれる腕が痛い。
ふと目をやると、レズンが仏頂面で去っていくところだ。
・・・なるほど、敵に渡すぐらいなら耐えるということか。

大人しく二人で少し遅い夕食をとった。
終止無言であったがしかたあるまい。

297:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 00:55:48
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

アナハイムから人員が大量にやってきた。少人数かと思えばとんでもない。
サイコミュ機構、材料、電子部品、機構、ほかソフトの専門家、
SEまで含むと100人以上の大所帯だ。これで全員で無いというから恐れ入る。
よく顔を見れば、ジオニックやらツィマッドにいた連中も混ざっている。

・・・そういうことなのだ。結局。

別にMSの開発チーム自体が、ラビアンローズ型のドッグごとやってくるそうだ。
合わせてテストチームも来る。MSの整備運用からパイロット、実験艦船まで
一そろいまとめて投入してくるって話だ。

何でこんなことになったんだろうか。急な話で目が回る。
うちの研究所はわりとこじんまりして職人芸で物を進める人間ばかりなのだが・・

組織運営管理の専門家、とやらまでやってくるそうだ。
打ち合わせの結果、チームは10程度まで膨れ上がることになった。
予算はアナハイムがほとんど持つというから豪勢だ。

・・・急に活気が出てきたが、所長が顔を出さないのは少々気になる。
子供のように大佐に張り付いて離れないらしいのだが。

あの人がハマーンだとかいう寝言は、まあ聞き流したほうが無難だろう。
故人にも失礼だ。一時はジオンを率いた方でもあるしな。





298:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 06:37:31
みんな大変だ! 人権擁護法案を通すために公明党(創価学会/北朝鮮宗教)が、ネット特に2CHを潰すつもりだ!!

ネット情報規制など 政府が検討を表明
傷害容疑で逮捕された男子生徒が爆発物を作る知識をインターネットのホームページ
から得たとみられることを受け、
         “公明党(創価学会/北朝鮮宗教)の神崎武法”
代表は13日の政府・与党連絡会議で「法制上、非常に難しい問題があるとは思うが、
有害情報の規制はできないか。集団自殺の話し合い、予告をするサイトもある。
関係省庁でぜひ検討してほしい」と述べ、ネット情報規制などの検討を求めた。
これに対し、細田博之官房長官は同日の記者会見で「かねてそういう問題点が指摘 されていた。
関係当局によく聞いて対応を検討したい」と語り、 政府として検討を進める考えを表明した。
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
2005年6月13日 23時25分

今日の新聞では
6月14日の午後に 関係省庁の会議を内閣府で開き、ネット上の違法、有害情報の対策強化に
向けた検討に着手した 各省庁が“21日”までに取りまとめ
実現可能なものから順次実施するらしいです。

行動が異常に速い!  本気で2chを潰す気でいるらしい…。
【2ch全板】人権擁護法案反対最高司令部★【統括】
スレリンク(asia板:122番)

299:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 07:47:41
【日本を守る】6/19日比谷で反対大集会【最終決戦】
URLリンク(off3.2ch.net)
test/read.cgi/offevent/
1118343157/

どうやら19日の参加者が前回を下回ったら、反対派を少数派とみなし、
自民党は党内了承するそうだ。何としても成功させねばならない。
サイト、ブログ、掲示板などで告知してくれ。
コピペは嫌だとか言ってられないぞ。前回に比べて明らかに告知が少ない。
理解してくれる友人や家族も連れて参加してくれ


300:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 10:09:12 9Is9RS3N
大佐!

301:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 14:45:00
>>297
ハマーンとシャアって恋人の様に付き合ってた仲ではないのか?
その割に見知らぬ他人のような、とか似非ガンヲタは書いてみた。

302:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 16:16:54
マジレス:この時点で
・ナナイとハマーンは別人。ハマーンは死亡済み。なんだけど
CVが同じなのでナナイ=ハマーン説を強引に採っているのがこのスレ。
この副所長は、ナナイしかしらないということになってるんじゃないかな。

303:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 16:35:54
それと、>>295のこのあたり。

「サイコミュの研究をこれで終わりにするのか、続けるのか! 大佐っ!」
・・・(中略)・・・
「そんな決定権が お前にあるのかっ!」
「口の利き方に気をつけてもらおうか!!」

正直ワロタ。職人さんGJ。わかんない人はZ本編みてくれw

304:295
05/06/16 22:21:18
混乱させてしまったようなので一応説明させていただきます。
珍しいことじゃなくて、ガノタとしては常識ですが。

ガンダム正史では、ハマーンとナナイはまったくの別人です。
今回このスレに張ったネタは、ハマーン≠ナナイというガノタ的
ジョーク(>>302さんの説明通り、ハマーンとナナイの声優が同じ)と
Zガンダムの最終話のセリフを元ネタにしたパロディです。

スマソ

305:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 01:36:34
でもなんか、こっちの方がいい話になっていると思えるのは
何故だろう?気のせいか・・・

306:シャアの日記
05/06/17 09:56:43 HKFP01fg
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ

ぼちぼち春めいてきたな…などとのんきに構えていた矢先、突然ナナイが
髪を切った。そろえたとか梳いたとかいうレベルではナイ。
いっきにバッサリ、ボーイッシュなショートヘアである。何年かかって伸ばした
髪か知らないが、いさぎよいとしか形容の言葉が思いつかないというものだ。

ただでさえ最近態度がよそよそしくなっているキグナンが、あきらかに軽蔑
するようなまなざしで私を見るようになった。キグナンだけではない。ホルスト
の態度もでかくなったし、本部職員の女の子たちにいたっては、私のことを
害虫かばい菌のように扱いはじめる始末だ。みなが私を攻撃するワケは
わからなくもないが、はて私がいったいなにをしたというのか。

「おかしいですか、大佐?」
ナナイだけはいつもと変わらない。ちょっと照れたような表情で、短くなった
毛先に手をやる。ナナイの髪はクセっ毛だが、とてもやわらかく、さわって
いるだけでいい気持ちになるほどだ。まだ見慣れぬショートは新鮮味の方が
強いが、けっして似合っていないわけではないし、彼女の頭がよい形をして
いることを気づかせてもくれた。
どうかしたのか、と真顔で訊いてみる。じっさい、私に心当たりはないのだ。
「………」
ほんの一瞬だが、ナナイの表情が翳った。私が見逃すハズはない。
「春…ですから。もうずいぶん長いこと、伸ばしたままでいましたし…」
微笑んで言う。が、嘘だ。私にはわかる。
「本日は、イカリングでサイコミュのテストがありますので…」
ああ、バギ・ドーガの制式採用の可否が決まるらしいな…そんなことは
まあどうでもいいのだが。
「場合によっては、今日は帰れないかもしれませんが…夕食はきちんと
とってくださいね、大佐。あと、お酒もほどほどに…では」
かちっと敬礼をして、ナナイが出てゆく。いままで髪に隠れていたその背中が、
どうにも寂しそうに見えたものだ。
そういえば、昨夜もなんだか寂しそうなオーラをまとっていたような気がするな。
あのときは、まさか髪を切ったりするなんて思いもしなかったものだが…

私はいったいなにをしたのだろう…私に関わりがあることだというのは
たしかなのだが…だめだ、わからない…

307:シャアの日記
05/06/17 09:57:56
306の続き♪

「どんっ」
という音をさせて、机のはじに湯呑が置かれた。座ったままでは手が
届かない距離だというのに、置くだけ置いて給仕の女の子はスタスタ
行ってしまう。しかも湯呑だと。私はコーヒーしか飲まないと宣言して
いるのだ。ふだんでは絶対にありえない状況である。
こりゃ早めに手を打たんとマズイかな…と思いつつ、中腰になって湯呑に
手を伸ばす。ン…さすがに熱湯を仕込んだりはしていないようだな。いくら
なんでもそこまでは………ぶはっ!
口に含んだ瞬間、異様な風味に気づいたものの、すでに一口飲んでいた。
塩味のコーヒーであった。尋常でなく濃いうえ、お茶のほのかな香りさえする。
いや、しょう油も入っていたのではないか。あわてて化粧室に駆け込み、
洗面台に顔を突っ込んでげーげー吐いたものだ。
おのれ…みているがいいぞ。

キシリアの息の根を止めた愛用バズーカを片手に給湯室に突撃すると、
女の子が3人いておしゃべりしていたが、私の顔を見るやいなや全員そっぽを
向きやがった。この態度…ゆるしがたいものだ。
エリスくん、と私に塩コーヒーを給仕した娘の名を呼ぶ。ありえないことに無視。
エリスくん! 怒りに負けて怒鳴りつけると、3人ともビクッと肩を震わせて
私の顔を見た。
塩コーヒーのお礼をしたいのだが…て、なんで泣いているのだ、きみたちは…
「大佐…大佐はナナイ大尉にお礼したんですか?」
「大佐のばか! 甲斐性なし! あほ! 死んじゃえ!」
「ナナイさんかわいそうです…髪まで切っちゃって…」
…だから、私がいったいなにをしたというのか。
「昨日はホワイトデーだったのに…女心のわからない人に、スペースノイドの
気持ちがわかるんですか!」
…ホワイトデーって…なんですか。

1時間後、私の姿はイカリングにあった。がらんとしたランチ発着場には、
両脚の代わりに巨大なスラスターを搭載した量産型キュベレイと私しかいない。
この量産型キュベレイ高機動タイプは、モビルスーツ開発をアナハイムに丸投げ
したことで一度は用済みとなったものだが、捨てるのもしのびなかったので、
私専用機としてスウィートウォーターとの行き来に使用している。
エンジン出力のほぼすべてを食いつくす巨大な推力のおかげで、私は
ナナイの乗ったランチを余裕で追い越すことができたというものだ。

アラームが鳴り響き、黄色い警告灯がぐるぐる回り始めた。エアロックの巨大な
ハッチがゆっくりとひらいてゆく。ランチが入港したのだ。瞬間的に気圧が下がり、
鼓膜に鋭い痛みが走るが、気にもならない。
ランチが固定され、乗降ハッチにデッキがドッキングする。ハッチが開き、人影が
姿をあらわす。ナナイだ。書類を小脇にかかえ、後に続くニタ研の職員を
振り返りながら、なにかの指示を出している。私は、無言で彼女の前に立つ。
「モビル・ビットの最新ドライバをサイコ…あッ!?」
ぶつかる直前で私に気づき、反射的に避けようとするナナイの身体を、両腕で
ぐいと抱きよせた。
「大…佐…?」
耳元で、ナナイの驚きに満ちた声を聞く。私は、ナナイの髪に頬をよせる。
「どうして…?」
すまなかった。それが言いたかっただけだ。
「大佐…」
ばさっ、と書類の落ちる音がして、ナナイのやわらかな腕が私の背中を包み
こんだ。彼女の髪にふれている頬が、ただひたすら心地よい。

大昔の風習も、そう悪いものばかりでもないのだな…と思った3月某日である。

308:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 11:28:00
このスレがゆくゆくは、アクシズでのお話に続くのか。

309:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 12:39:59 8IubB0OD
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

大佐と所長がなにやら昼メロな雰囲気をかもし出していて近寄れなくなっている。
あの二人は空気をまったく読まない。回りの状況にかかわり無く抱き合ったりする・・。
新人類とはああいうものなのだろうか。正直目のやり場に困ることがある。
聞いた話だが、あるときなどはMSデッキで開演されてしまい、我慢できなかったのか、
そのへんのMSにいきなりもぐりこんでハッチを閉じてしまい、
しばらく出てこられなかったらしい。・・マイクは全開だったそうだ。

女子職員の大半は、アナハイムから来た連中も含めて二人の動向で大盛り上がりだ。
・・・業務がとまっている。困ったものだ。

アナハイムから来た連中のおかげで、チームが増えたことは前書いたとおりだが、
内容はこんな感じだ・・

汎用の技術、部品、機構関係=2チーム
ソフトウエア=3チーム
試作=5チーム。

前者は仕方が無いが、5系列も試作したのではとり散らかってしまう・・・。
今日、バギ・ドーガタイプは消えると思われるが。結局、大型のMAタイプ、
小型のMSタイプに絞ることになるだろう。競作それぞれ2チームで。
ネオジオン系列の、クイン・マンサだかノイエ・ジールだかでかいのと、
サイコガンダム系か。ジオンがガンダム作ってどうなる・・・。
サイコ・ザクを想像してちょっと噴き出してしまった。
当然、手足を引っ込めると球形になるような気がするのだ。
キュベレイ系は、デザイナーが変わり者で今はインドで山にこもっているらしい。
競合がティターンズのバウンド・ドッグ派生だからどうなることか・・なのだが。
どっちもデザインが嫌だ。

気になっているのはソフトチームの擬似人格OSと、材料開発のなんとかちっぷだ。
一年戦争中に騒ぎになったEXAMとかいうシステムの資料が見つかったので、
それをもとにとかなんとか言ってたな。
暴走したらどうする気なのだろうか。

私の腹案もあるにはある。連邦のボール、あれを数倍にスケールアップして
機体内部に仕込めるだけビットを仕込むのだ。ハリネズミという仮称もつけている。
機体に前後左右を同定できるなにものも仕込まないので、敵は
近接しても向きを判断できないという優れものである。

問題は、提案書を清書してくれる秘書官が、大佐のゴシップに夢中で
給湯室からでてきてくれないことだ。

なんだか今日のお茶はしょっぱい。

310:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 12:51:23
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長秘書の日記

気難しい技術オタの副所長について仕事をするのは嫌です。そう所長に
お願いしているのに、所長は大佐とお盛んでなかなか返事が返ってきません。

私だって職場を選ぶ権利があります。あの人絶対変です。
このサイコボールって・・なんですかこれ。
球形の2重外皮の中に、均等にビットとアポジモーターが入ってます。
それで、中中空で可動式のおもり、はいってるんですよ??
中央軸固定で・・振り回して重心移動するそうです。何個か入ってて
組み合わせで・・プレゼンで作られたCG見たら、ハロちゃんそっくりじゃないですか!

おもちゃメーカから苦情がきそうなMA、主力に・・
大佐がこんな球ころに乗って連邦打倒されてもかっこよくないじゃないですか!
大佐にはもっとふさわしい機体があると思います!

所長にはとてもかなわないけど、私だって大佐狙ってました。正直なところ。
言葉をかけていただいたこと、数度しかありませんが・・。

あ!

前の職場は広報宣伝部だったんですけど・・大佐に言葉をかけていただいた
翌日に、ここの秘書に回されたんでしたっけ・・。

・・・所長ってやっぱり怖いです。




311:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 17:07:27
宇宙世紀0089、3月某日、アンマンの天気=なし ウォンの日記

 ネオジオンに研究者を送り込むことに成功した。メラニー会長への顔もたった。
大尉、いやシャア大佐がこっちにきたら、せいぜい派手に接待せねばな。

連邦軍が本格的にジオン残党を狩り始めた。うちの会社にも注文が来ている。
今のところはGMIIIばかり出荷しているようだが・・。

 アムロという大尉、わざわざ押しかけてきてZを要求してきた。
坊主があんな最後を迎えた欠陥機、出せるわけが無いだろう。
修正が効いて見どころが出てきたと思っていたら、あれだ。
・・その筋からのお声もあったし、まだ遅らせればよかろう。

とりあえず、シュツルムディアスの在庫を押し付けてお引取り願った。
ジオンにも渡した機体だが、構うものか。
ジェガンのライン見せるぐらいならかまわないが、開発部の見学がどうとか・・。
断ったら強制査察するとか言い出してきた。何だこいつは。
うちがサイコミュ違法に開発しているかどうか勘ぐってるらしい。

先週でなくて良かった。ネオジオン向けの案件が入っていて危なかった。
人間も機材も一切合財まとめてごっそりネオジオンに送りつけるとは、
我ながらいいアイディアだ。進捗がある程度進んだら引き揚げればいい。

しかし大尉、いやシャア大佐も意地が悪い。長い付き合いではないか。
せっかくの私の配慮の金色のMSを断ってくるとは・・。
女も赤髪から金髪に乗り換え、いや染め替えたのだろ?ならば金色でいいではないか。
百式の時は喜んで乗っていたくせに・・。

接待であてがう女、髪の色は考えたほうが良いのかな?
赤か金髪か・・・ふむ。そういえば、あのバーにいた女、赤と金髪、
どっちがどっちか判らんが、半々に染めていたな・・。
記憶喪失とか言う話だったが。

 そういえば量産機の設計をどこに外注するか考えねば。
ティターンズに回していた機体の外装だけ換えればいいかと思っていたが、
連邦がやたらとうるさい。一応古手の技師がベンチャー立ち上げてるから・・
ふむ。どこに回すのが一番得か考えねばな。

・・当然自分にキャッシュバックがあることなので、かなり真剣に考え込むウォンである。


312:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 17:26:16 8IubB0OD
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーター>月へのランチ シャアの日記

 バレンタインデーというのとホワイトデーが組みになっているなど、
私は知らなかった。確かあの日、やたらにナナイが気ぜわしく動き回っていたのは
覚えている。何か受け取ったかもしれない。

 いまさら伊達男を気取ろうとしても無理があるようだ。
まあ何しろ、昔は復讐しか頭に無かったからな・・
 いまは復讐以外のことも考えている。そのために、ナナイの機嫌が戻ったのを見届けて、
兼ねてからの約束どおり月に向かっている私だ。
量産機の設計外注と面通しなどするとのことだ。久しぶりの月だ。

そういえば、昔・・大昔テキサスから旅立ったあの日も、こんなシャトルで
ジオンに向かうはずだった・・。
・・シャア君には気の毒なことをしてしまったな。
君の名を奪い、ザビ家を倒し、ティターンズの専横をも排除し、そして・・
ハマー・・・いやネオジオンも手にした私だ。
必ずや、重力に魂を引かれた連中を根絶やしにする。

まあ実際、ウォンさんの接待が楽しみだ。いい酒を飲ませてもらえると信じる。
にやりと笑い、期待に胸を膨らませる。そんな今日である。
もうじき入港だ・・。




313:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 18:07:59
宇宙世紀0089、3月某日、アンマン歓楽街 天気=なし シャアの日記

 外注候補の数名の”元アナハイム技師”と面談した。聞いてみると面白い。
昔はジオニック、ツィマッドにいたとか、連邦のニタ研にいたとか・・。
それぞれのアイディアを聞いてみるが、量産機は特徴が無いのが特徴だ。
安くてよいものを作ってくれればそれに越したことは無い。
後日、コンペを催すことを約束して別れる。
そういえば、一人・・フランクリン大尉に似た男がいたが、気のせいだろうか。
私の顔を見て、少し顔を歪めたような気がしたが。彼は死んだはずだ。

そして、月訪問のメインイベント、接待だ。ウォンさん、今回の趣向はなんだろう。
結構アンマンの繁華街は大きい。大きいのだがどうやら素通りするようだ。
エレカが止まったのは、工場ブロックが近い場末のバーの前である。

・・「海兵隊」変わった名前の店だな。

店はそれほど広くない。20人も入れば一杯だろうか。カウンターに
ボックス席が4つほどのこじんまりとした店だ。女は5人といったところか。

「あらウォンさん、いらっしゃい」少し凄みのある声で出迎えられる。
「よう、ママ、今日は大事なお客さんだ、念入りに接待してくれよ?」
「ここのママはな、昔ジオンの海軍にいたそうだ。女も振るっている。酒もうまい」

ニヤリと笑うウォンさん。

いや、待てよ、私はこの女を・・見たことがある。
「シーマ・・・」口に出しかけたところ、もういい年なのだろうが、胸をおもいっきり
むき出しにしたドレス姿で彼女が隣にドカン!と腰をかけてしなだれかかってきた。

「野暮なことをお言いでないよ・・」とにかく迫力のある女性だ。

「ではな、大尉。せいぜい楽しんでくれ。」席を立つウォンさん。
「え」
「むぐぁ!」口に出すまもなく、非常に濃いウィスキーを口移しで注ぎ込まれる。
・・・私は熟女趣味は無い、無いのだ。
隣に座ってきたのは割と若いが、非常に体臭のきついグラマーだ。胸をぐいぐい
押し付けてくる。こういうのも苦手だ!助けてくれ!

「なんか、こう、熱い、熱くなる人だね、あんた。」テンションが高い!高いぞ!

酔いが次第に回ってくる。ふと残りの女性を見ると・・レズン!なぜここにいる。
青いドレスを着て笑っているのはレズンではないか。
「ろういうことなのら、これふぁ?」ろれつが回らなくなってきている。
「大佐は、大人の女はお嫌いですか?」有無を言わさぬ口調で件の熟女である。
「あはははは。この人かわいい、かわいいよ」
杯を重ねるというより、かわるがわる無理やり口移しで濃い酒を飲まされるうちに・・
私は深い眠りに落ちていった。



314:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 18:09:16
目覚めたのは、どこかとよく似た非常に殺風景な部屋である。ベッドだけ異様にでかい。
でかいベッドに、裸の大女ばかり5人。どの女も筋肉質で傷跡に事欠かない。
私の上にしっかり手足を乗せていびきをかいている。
身を起こすこともできない。
「むう・・・」
目を覚ましたのか、女主人が耳元に舌を這わせながらささやいてきた。
「予想外のことは起こるものさ・・・」

むう、この女、やる!
人工照明の天井がすっかり黄色く見えるようになってから、私はそこを後にした。
レズンがニヤニヤしながら、腕を回して歩くのを支えてくれている。
ろれつの回らない舌で問いただすと、彼女は昔の上司だと教えてくれた。
そうか・・昔海兵にいたのだったな。

予定はこなさなければならないものがある。しかし、ウォンさんにまた妙な
弱みを握られてしまったらしい。困ったな。

指定の宿舎に戻るのかと思えば、すぐエレカに乗せられた。
レズンも私を逃がす気は無いらしい。
「またあとで、お見えになりますよ、気に入られたようです。」

・・・まてレズン、お前私を売ったな?

その後については書きたくない。
しばらくは非常に健全な気分で過ごせそうだ。
帰りのシャトルに見送りにウォンさんが来たが、笑いをこらえるのに必死な様子だった。
「図ったな!ウォン!」と、声に出すこともできなかった。
レズンは満足げに微笑んでいる。

・・・やたらにGが体にこたえる。なかなか有意義な・・有意義な月訪問だった。
彼女達をネオジオンに勧誘する決意を固めた、私である。
優秀な・・優秀な兵は常に必要だ。


315:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:07:47
>>307
>キシリアの息の根を止めた愛用バズーカを片手に給湯室に突撃すると、
まだ持ってたんかいw

316:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:35:18
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし キグナンの日記

大佐が月から帰ってきた。打ち合わせもそこそこに、すぐイカリングへ
向かわれた。やる気がでたらしいんだが・・。
だが、まだ所長のところに顔を出していないらしい。どういうことなんだろうか。
所長の方は気にするでもなく、普段どおり仕事を精力的にこなしている。

そういえば、大佐が戻ってから数日後、旧海兵の連中がぞろぞろ集まってきた。
柄の悪い連中だが・・。どうして女性兵の方が多いんだ。
挨拶もそこそこに、イカリングの訓練施設に向かっていったが、大丈夫なのだろうか。
不安が残る。大体、連中の悪名は高すぎる。
毒ガス・・連邦との取引・・・。

旧ジオン派の連中と衝突しかねないが。
とくに、あのオバハンは・・苦手なタイプだ。向こうに居つくならそれもよかろう。
あの巨乳は知ってるぞ、あれはハマーンの側近じゃ・・。
なんで連中の参加を大佐は認めたんだ??

最近あの人の考えてることは、真面目に理解できない。
さっさと仕事して酒飲んで寝ちまおう・・。





317:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:50:06
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

どかどか海兵の連中がやってきて、訓練施設のある一角を占拠してしまった。
訓練は非常に活気が出て、兵の錬度は急速に上がってきているが・・。

チラッと見たが、修正に名を借りた暴力が横行しているようだ。
強化人間の猿は別にしても、ここに拠点を設けてから志願してきた若い兵が
多いのだ、そういうやり方は控えてもらわねば、困る。
いまの青年は、親にも殴られたことの無い奴が多いはずだ。

キグナン氏に注意を要求したが、彼も言を左右にしてなかなか実行しない。
それどころか事務繁多を盾にこっちに来なくなっている。

所長は所長で、自分のアイディアの研究に没頭している。
大佐がイカリングに詰めっ放しなのを、仕事に集中してると解釈している
ようだ。取り付く島も無い。

大佐自体はこの状況を黙認しているようだ。いったいどうなっているんだ。

いよいよ軍としての体裁を整える気なのだろうか。
確かに、組織としての規模は小さいから、昔の正規軍より海兵のほうが
組織のモデルとするにはちょうど良いはずだが。理にはかなっている、と
門外漢の私も思う。

大佐とチラッと話をしたが、どうも元気が無い。そこまで過酷な訓練を
自らにも課しているのか・・。兵の錬度、士気があがってきたのはそのためか。
足元がかなりおぼつかないようだ。そばに中佐や部下が控えていて
ふらつく体を支えている。心服している様子だ。
この中佐、こういう気配りができる人だったのか。

これならば大丈夫だろうか。
さすがは大佐、人心も把握されているということだな。
こちらも研究をいっそう加速することにしよう。

目的はひとつのはずだ。






318:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 20:07:07
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

月から戻られたら、急に大佐がやる気を出されたようだ。
私への連絡もそこそこに、イカリングに出立されていった。

私も彼のために、成果を出さねばならない。強化中の猿どもの性能を
限界まで引き上げなければ・・新型のサイコミュに追いつけるほどに。
今度のギュネイは、あまり性能が良くない。
・・・だからといってグレミーの冷凍食品には手を出したくはないし。

海兵隊のシーマ中佐とかいう、死に損ないを月で拾ってきたようだ。
これまでどこに潜んでいたのか・・数年前の紛争で戦死したとばかり
思っていたが、なかなかしぶとい女のようだな。

女・・女だな、あれも。女とはしぶといものだ。私にしてからがそうだ。
まあ、あれは気にかけなくても十分だ。普通の男ならまだしも・・。
直接は会っていないが、見る限りではお肌も曲がりきってる。
大佐の虫除けにはむしろ好都合か。

・・・レズンは調査名目で他のコロニーに派遣すればいい。
これ以上邪魔させてたまるものか!
いけない、またグラスを放ってしまった。

・・・手料理のレパートリーも増やしておかなければ。
しばらくは忙しいはずだ。


319:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 20:58:02
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

我々の施したさまざまな糸が、いまひとつの織物になりつつある。
事が成就した暁には、われらも戦友の元に召されるはずだ。

それまでは・・・。


320:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 23:16:18
うはっ!!元ジオン公国軍海兵隊員が登場してる!!

つか海兵隊って言葉に反応する自分は変だな・・・。

321:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:34:33
>>319 の続き・・

シーマと海兵の参加は、当然ながら暴動に近いレベルで
同志の間で騒ぎになった。中には銃をとってシーマを射殺しようと息巻く輩まで。
表立っては動けないのが我々だ。あくまで兵として行動しなければならない。
それに・・・あれは・・・ 私は真相を同志にのみ明かすことにした。

アジトにて、彼女の映像を、かなり大きく写す。

「あれはシーマ中佐であってシーマ中佐ではないのだ。」
「は?」
「良く彼女を見てみろ。」
「どこをですか?」
「気づかないか、小じわが少なかろう。あれはクローンだ。」
そんなものに気づくわけもないが。ここは笑うところだ。
・・同志に私は解説してやった。

フラナガン機関が大量の優秀なパイロットのデータ採録を行ったのは
知られていない事実である。体細胞と、大まかな記憶、人格なども含まれる。
無論、技術的に許す範囲であり、ぼやけた写真のようなものだ。
あれは、我々の計画のために準備された彼女の正確な複製である。
但し、彼女の記憶は、記録された当時の・・すなわち開戦前の記憶しかない。

強化人間の手法を用いて、偽の記憶も植えつけてある。
毒ガスやらデラーズ紛争やらは、故意に操作してあるので意識していない。
旧知の人間と会っても問題にならない程度には、つじつまが合っているはずだ・・。
要は、記憶だけ見れば強化人間、そういうことだ。


322:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:35:22
>>321 の続き・・
「但し、能力的には問題ないはずだ。例のニュータイプ、あんな特殊な特性は無いが・・
肉体的には若く、健康なレベルだ。姿はシーマだが、中身は公国のために働く忠勇な兵士だ。
つまり、我々の同志、ということになる。」

「なぜそんなものを作り出したのですか・・」
「私にもわからない。とにかく準備されていたから利用した、というわけだ。」
「とにかく今後は彼女に対し、上官としての礼をもって接することだ。」
「自分は、自分はあのとき・・そんな・・・」
「冗談じゃない!」
「・・・大 義 のためだ。」強調して発言する。
同志達を半ば強引に抑える。私の役回りは・・・影となって行動すること。
必ず来る最終作戦のそのときまで。
牙をとぎ、備えるのだ。亡霊も残光も、使えるものはすべて投じて。

・・・本来のシーマ中佐であれば、赤い彗星の愛人役など絶対にやるものか。
それだけでも十二分に奴を罰することになる。しかも、今の彼女は・・
大佐への愛と尊敬が人格の基底部にプログラムされている。表面には出ないが。

生前の彼女にあった、陰鬱な影を持たない、シーマの投映像を見ながら、
カリウスは思った・・・。
「今はシーマを使って、海兵がネオジオン一般兵を統率していくように見せかけるのだ。
真に主導権を持っているのは、我々であるが。大佐のような獣には、
あの亡霊で十二分だろう。牙を抜いて押さえつけるには、
あのくらいの女でなければ不可能だ。」

同志達は、とりあえず納得したようである。
実際のところ、当初の計画の一部には、エースクラスのパイロットの
再生も含まれていたのだ。
死の世界から彼らを呼び戻す・・。そんな冒涜が許されるものか。

・・・少佐の再生だけは私が強硬に反対したのだ・・・。

我々は、対案としてシーマと部下・・海兵の連中を召還することにしたのだ。
奴らの行為は絶対に許されない。これからは、我々の駒として働いてもらう。
死しても尚、許されぬことがあるのだ。

シーマには罪を償ってもらう。今ひとたびのかりそめの生を与えられたのだから。
我らの計画通りであれば、10年も彼女は生きられないかもしれない。
罪を償わせるには、十分な時間だが。





323:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:59:35
>>322 の続き・・

・・死人を呼び戻すような行為が実施されたわけは簡単だ。
兵員が不足しているのだ。一年戦争からずっと、兵は死に続けてきた。
ハマーンとグレミーの抗争が無ければこんな急増・・いやダミー、幽霊のような
兵員増強を実施しなくてもすんだはずである。

生命科学の技術は、われわれにとっては忌むべきものだからだ。
数少なくなったベテランパイロット。その補充に海兵を選んだのだ。われらは。
このまま調練を続けても、志はあっても能力にかける若い兵の命が
失われるだけである、そう判断した。

志は伝えられなければならない。真の独立を果たしたスペースノイドに。
若者達をこれ以上失う気は、我らプロの軍人にはないのである。

すなわち。
来るべき戦争では、再生された海兵と、我らの生き残りが連邦と戦うのだ。
彼らには贖罪を果たしてもらおう。我らは・・我らは次こそ駆け抜けるのだ。
あまたの英霊が眠る、この宇宙を。


324:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 06:59:11
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

この一ヶ月、訓練名目でほとんどナナイの元に帰っていない。
いや、インターカムで毎日会話は交わしているのだが。
彼女は真面目に私が軍務に励んでいると誤解している。

違うのだ!

確かにモビルスーツ訓練や、艦隊の機動訓練に参加はしている。
いまだ制式が固まらないため、旧ハマーン軍の残存兵力を使ったお遊びだが。
シーマ中佐を復帰させたが、彼女が私に課した条件は過酷だった。
「模擬戦で勝った晩だけ、勘弁してあげる・・・」
私は一度も彼女に勝っていない。この赤い彗星がどうしたことだ。
彼女の戦闘能力は異常だ。いや、むしろ私の能力が衰えたのか。

・・負けた日は、彼女に奉仕しなければならない。
年齢の割りに異常に若い。生気を吸われているような気さえする。
そうこうしている間に、彼女がやってきた・・・。部下を引き連れて。
「さあ、坊や、お楽しみの時間の始まりだよ・・・。」
あの艶然とした笑顔に逆らえない・・。

ナナイ、すまない。私はいま阿漕な快楽に浸っている・・・。






325:シャアの日記
05/06/18 09:14:58 ORKwifU9
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし

シーマ、キャラ、レズンの海兵アマゾネス参人衆のせいで、イカリングから
出ることができないでいる。私に許された自由は、一日たった五分間の
ナナイとの通信だけ。なにも知らないナナイの笑顔だけが、私のすさんだ
心を潤いで満たしてくれるのだ。

「食事はきちんととっておられますか?」
「ちゃんと寝る前に歯を磨かれていますか?」
「夜更かしはいけません」
「飲みすぎもダメですよ。すぐにおなかを壊すんですから」
…はじめて親元を離れたお子様のごとき扱いではあるが、保護者然と
したナナイの心配もまたうれしいものだ。あの参人衆など比較にもならぬ。

「今日の相手はあたしだよッ!」
セリフを聞いただけでは、誰がしゃべったものかサッパリ区別がつかない。
類は友を呼ぶとはまさにコレダ。よくも似たようなのが参人も集まったものだ。

サイコミュとの連結試験でイカリングに来ていたギュネイをつかまえる。
以前に比べると、だいぶおとなしくなったような気がするが…気のせいかな。
「ごくろうさまであります、大佐どの」
ン…あいさつはいい。ところでギュネイ。
「は、なんでありましょうか」
例の参人衆、ほらあの年増連中だが、陰でおまえのことをぼろくそにけなしてる
そうだぞ。おまえを「強化人間のガキ」呼ばわりして、淫売ナナイのペットとか、
真性包茎とか、ロリコンだとか…とにかくいろいろな醜聞を、ほうぼうで
ふりまいているらしいな。
「え…?」
ギュネイの様子を冷静に観察しながら、耳元でささやいたものだ。ギュネイの顔が
みるみる真っ赤になり、耳まで赤くなったかと思うと、一瞬にして青くなった。
まさに激怒という言葉こそ似つかわしい。いいぞギュネイ。私を救ってくれ。
「…やつらはどこです、大佐」
ギュネイの全身から、燃え上がるような怒りのオーラを感じる。この出力の
サイコウェーブであれば、ファンネルどころか戦艦ですら意のままに操れよう。
いつのまにこれほどの成長を遂げたものであろうか。
いける。この勢いがあれば、やってみせるさ。

326:シャアの日記
05/06/18 09:16:03
325の続き♪

「真性包茎のなにがいけないかっ!」
海兵連中の汗臭いロッカールームに乗り込んだ瞬間、ギュネイは
金切り声で叫んでいた。もはや怒りの抑制が効かない様子だ。
カミーユがジェリド中尉に殴りかかった場面というものが、なんだか
容易に想像できてしまう。
少年の心というものは、こうして傷ついてゆくのであろうか。
少しだけ後悔の念を覚えたが、私は忠実な部下の行動を見守り続ける。
「言ってみろこのメスゴリラどもっ! 真性包茎のなにがいけないのかよっ!」
さいしょはあっけにとられていた参人衆だったが、やがて互いに
顔を見合わせ、下卑た笑い声をあげはじめた。

「そうかいそうかい、坊やはやっぱり皮かむりだったかい。若いねえ」
「ガキが実戦に出るんなら、せめて手術してからにしなっ」
「きゃはっ、なんとなくそんな気はしてたけどねー」
気味の悪い笑みを浮かべながら、連中はギュネイに向かってじわじわと
近づいてゆく。じりじりと後ずさり、壁に背中を預けるギュネイ。そこだ、
そこで一発ぶちかますのだ。
「…え? アレ? な、なに…?」
突然ギュネイの口調がおとなしくなった。怒りの発作がおさまったのか。
ええいっ、強化が足らなかったというのか!
「かわいいよ、坊や」
「なにも怖いことなんてないのさ」
「きゃははっ、ほーけーほーけー」
いや…結果オーライといったところであろうか。帰る準備でもするかな。
「あ、あの…あの…」
すっかり場の異様な雰囲気に飲まれてしまい、ギュネイはすでにベソを
かいている。
「どぅれ、ちょっとおねえさんたちに見せてごらん?」
舌なめずりとともに、参人衆がいっせいにギュネイに飛びかかった。
「イーヤーァッ!」

ギュネイの断末魔の叫びを背中に浴びながら、私は愛機のキュベレイで
イカリングをあとにした。これでしばらくは、あの悪魔どもともお別れだろう。
ナナイの作るカレーが恋しい。

ありがとう。そしてさようなら、ギュネイ・ガス。

327:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:47:09
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 レズンの日記

大佐がダミーにギュネイを差し出して逃亡を図った。
甘い。あの程度の餓鬼の相手はキャラの趣味だ。中佐と目配せをして
とりあえず獲物を逃がす。狩りの始まりだ。

大佐のキュベレイは大出力だが、機動性にかける。
こういうときの追跡にちょうどいい機体があった。ティターンズから接収した
ギャプランだ。2機に分譲して大佐を追う。

「勝たなきゃ自由は無いって約束したのにねぇ・・」

中佐は舌なめずりしながらブースターを切り離して、あっというまに
大佐の機体を補足してしまった。実弾装備は無いが、反撃してくる。
ファンネルは積んでいないし、通信用のレーザーを撃ち合って模擬戦する
だけだ。プログラムは解除していないはず。整備員も当然海兵だ。

「うろたえ弾など・・・落ちな!」

あっというまに数発を叩き込む。私も支援する。
大佐の機体を、イカリング方向に追い込むのだ。
回避!シミュレーションでは、ブースターが爆発!速度ががくっと落ちる。
実際はエンジンが停止するだけ。

それでも大佐は果敢に反撃してくる。私も右肩装甲に損傷を受けたサインが出る。

「なんて装甲だ!」
「しぶといねえ!」
「中佐、そろそろプロペラントが限界です。」
「落ちないんだよ!」

実際、中佐はもう10発は当てている。大佐の機体はもう撃てない。
・・あの人本当は下手糞なんじゃないか??まあ、腰に力が入らないんだろ?
私は3発だけあてた。これじゃ射的だ。


328:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:47:39
大佐の機体はすでに完全にイカリング港方向に進路を変えられている。
照準が来た!

止めは私が放つ。完全にアポジモーターが停止する。大佐の負けだ。

港から出てきたゲルググが、大佐の機体をがっちり補足して回収していく。
私達もそれぞれ帰還する。

中佐が大佐をコックピットから引きずり出した。捕虜扱いだ。
ビンタをくれている。この人には加減が無いのか。

「落とし前は付けてもらうよ。命をかけてもね・・。」

・・大佐を引きずって、待機ポストに流れていく。
かわいそうに、今日も可愛がって貰うんですね、大佐。
私も声をかけておく。
「中佐、私の分も残しておいてくださいね!」
「どうかねぇ!ははははは」豪快に笑って去っていく。

本気で心配になってきた。
キャラから連絡が入る。ギュネイが剥いたら白目を剥いて泡吹いて大暴れ
したとのこと。下半身丸出しで逃げ出したらしい。
イカリングにもMPはいる。捕まって今は拘留中との事だ。

二人でにやにやしながら、所長に連絡することにする。
「強化人間の坊やが、ちょっとからかったら錯乱して裸で往来に飛び出した」と。

後で聞いたら、キャラはああいう理屈っぽい餓鬼は嫌いだそうだ。
所長はこういうのが大嫌いなはずだ・・。


329:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:56:56
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし シャアの日記

逃亡に失敗し続けている。その度ごとに拷問のような目に遭う。
今日も天井が黄色い。

ギュネイには気の毒なことをした。キャラに捕まって剥かれたら切れたらしい。
「淫売所長の包茎のメスゴリラがなにが真性なんだ!」
暴れている。これどうすればいいのだ?普段のストレスも合わさってめちゃめちゃだ。
仕方が無い。

ナナイと通信する。相手には写らないが、恥ずかしいことに中佐に私は・・
その、大事なところを握り締められている。
「余計なことをいったら潰しちゃうからね、大佐?」
・・・潰されてたまるものか。
何が悲しくて下半身丸出しで、大事な部分を握り締められたままで
真っ青な顔で通信せねばならんのだ・・。私の尊厳はどうなるのだ。

しかし、握り方が微妙だ・・むう、この女只者ではない!

私はその日、ギュネイの強化失敗をナナイに告げた。すまないギュネイ。

「しかし脇腹はやわらかいんだねぇ、大佐・・」
中佐が舌なめずりをしながら指を這わせてくる。

・・・・もう私はダメかもしれない。






330:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:00:49
>>327 おっと日付、4月ね。

331:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:15:13
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

ギュネイ・ガスの強化適性を本気で私は疑っている。前回に引き続き、
今回は・・今回はなんと破廉恥な・・。

「淫売所長の包茎のメスゴリラがなにが真性なんだ!」
「真性で何が悪い!無理やり剥きやがって!血が出たんだぞ血が!」

何を言ってるのかわからない。しかも私を淫売呼ばわりか!
許せぬ。早速破棄を決定しかけた。大佐は単に強化失敗だろうという。
優しい方だ。

おそらく海兵の荒くれどもに何かされたのだとは思うが。
ランチで護送されてくる、深層睡眠に置かれたそれを、仕方なく受け取る。
「ハ、ハマーンさま。ハマーンさまではありませんか!」
この、この声は・・まずい。海兵の中になぜキャラが?!生きていたのか。
「おいたわしやハマーン様、そのお姿はどうされたのです」
周りの人間があっけにとられているではないか!
「訳あって今はこの姿に身をやつしている。お前も元気で何よりだ!」
仕方が無い、調子を合わせるか。あとで同にでも言いつくろえる。
ふと思い当たった。

ギュネイと、それにキャラをラボに連れて行くことにする。
ギュネイの強化に失敗し続けるようなら、本気で破棄してしまえばいい。
キャラは実績がある・・それに、私への忠誠心は疑いない。

副所長には、メンタル安定化処置を二人に施すよう指示を行う。
キャラは割と簡単だ、ハマーンをナナイにすりかえるだけだからな。
ギュネイをどうするか、会議を招集する。

すみません、大佐。このようなことでご面倒をおかけして。
今は通信教育で、シチューとストロガノフ、覚えております。
落ち着いたら召し上がっていただけますよう・・・。






332:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:17:05
>>331 おっと日付、4月ね。コピーしたから連続失敗。スマソ。


333:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 14:50:55
宇宙世紀0089、4月某日、公社シャトル内 天気=なし

先日、アナハイムに引き渡すサイコミュのサンプルが完成した。
当初の予定では半年はかかるだろうと踏んでいたのだが、先月アクシズから救助された私の仲間達・・・
そう、この10年近い月日を共に駆け抜けた仲間達の協力のおかげで、当初の予定よりも早く完成まで漕ぎつけた。


そして・・・

今、私はキグナン氏や副所長の好意で、妻や子供達の眠るサイド1へと向っている。
事件の発生後、放置されていた30バンチコロニーの被害者達も、グリプス戦役中に
反連邦勢力の手で手厚く埋葬されたそうだ。
しかし、コロニー内部は未だ事件後の状態だという事なので、
何か遺品でも持ち出せればと思っている。


いつの日か、私が彼女達の許へ旅立つその日までの思い出に・・・

そして私は静かに目を閉じ、再会した仲間達から聞かされた話を思い出していた。

334:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 15:19:25
>>333の続き…

・・・私の逃亡後、私は援助してくれた仲間や子供達の処分を心配していたが、地球から帰還したハマーンは大半の者を訓告処分だけで済ませ、数名の責任者が謹慎処分を受けるに留まったそうだ。
しかも強化・洗脳を解除された子供達も再度強化される事はなかったらしい。
・・・あの、ハマーンらしからぬ処分であると皆が思ったが、どうやらその前後に一部将兵の造反計画ありとの噂が
流れいたのであった。
その為、これ以上の火種を嫌った措置だったらしい。
たが、時を追う毎に反ハマーンの動きは勢いを増し、遂にはトト家当主を旗頭にした内乱が勃発し、
アクシズ内が大混乱に陥った。
そして両陣営が激しく争い、疲弊した所に連邦の精鋭部隊が現われ、隙を突かれた
ハマーンも反乱軍も僅かな数の精鋭部隊に敗れたそうだ。
不思議な事に、ハマーンは連邦のエースとの最後の戦いの時、ファンネルを使う事はなかったという・・・


そんな三つ巴の乱戦の最中、子供達は的確にクローンNTと強化人間だけを撃破すると、
その後の戦闘には参加する事なく帰還し、混乱の続くアクシズ内部で非戦闘員を
脱出させるべく懸命に活動していた。

335:あんごる@KDDI
05/06/18 15:55:53
乙であります^^

336:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 16:03:27
>>334の続き…

トト派の造反でアクシズ周辺宙域での戦闘が激化する中、同僚達は密かに研究施設の膨大な資料やデータの中から必要な物だけを保存する作業を行なっていた。
そしてアクシズ内の混乱に乗じて数人の子供達が幽閉されていた仲間を助けだすと、必要な物だけ持ち出し研究施設の破壊を指示していった。

一部の施設ではハマーン直属の研究員やトト派の研究員の激しい抵抗があったものの、
何とか全研究施設の破壊が終わり市街地ブロックに上がった所、非戦闘員の誘導に
当たっていた他の子供達を見つけ、避難誘導を手伝いながらリーダー各の少年に
この後の行動を聞いてみた。
すると、少年は自分達はアステロイドベルトに戻ると告げた。
未だアステロイドベルトに残る実験施設や、それらを作った者達、その全てを清算する為に・・・

仲間達はその話を聞き、子供達への協力を申し出たのだが、少年は私と最も付き合いの長い
数名に、私の行なっている研究に協力する為に地球圏に残るよう頼んだという。
その時一人の少女が、

あれは・・・贈り物だから

と言っていたそうだ。

337:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 16:36:43
>>336の続き…

ある程度混乱も落ち着き、ようやく態勢を建て直した市街地の担当職員達と誘導作業を交替すると、
子供達は極秘施設の為、所在の分からなかったクローン育成施設に真っすぐ向かい、その全てを破壊すると
閉鎖されていたドックへと向かっていった。
そこには恒星間航行が可能な中型輸送船が数隻停泊していた。
彼等は今回のこの事態を知っていたのだろうか、手際良く必要な物資やMSを積み込むと、彼等と行動を共にする事を決意した人々を乗せ、
今だ戦闘の続く宙域をアステロイドベルトへ向け旅立っていった・・・


そして、私達はアナハイムに引き渡すサイコミュに、小さな・・・しかし重大な仕掛けを施しておいた。
そう、いずれアナハイムとの取引に利用する為に・・・


今イカリングでは、サイコフレームと名付けられた例の新素材の開発が仲間達の手で行なわれている。
アナハイムの全面援助により、アクシズの頃よりも急ピッチで進んでいる。


・・・そういえば、キグナン氏に頼まれていた『アレ』の調整も、そろそろ終わっている頃だろう。
氏の熱意と、そのアイデアの斬新さに承諾したが、果たして効果はあるだろうか・・・
NT能力を必要としない精神感応システム

そんな事を考えながら、私はシャトルの中で深い眠りに落ちていった。

338:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 16:55:56
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

現在のところ、シーマ中佐は完璧に大佐を把握している。レズン同志の体調も
回復してきたようだ。「一滴残らず搾り取っている」そうだ。

真顔で報告されても困るのだが。
イカリングでの練兵も十二分だ。我らの思惑の通り、事は進んでいる。
大佐すら率先して、毎日訓練に出ているように見えるから、
おのずと士気は上がる。

気になっているのはニタ研自体だ。我らはあのような人を冒涜する兵器や、
技術体系をそもそも認めてはいない。人はおのずから革新するだろう。
しかし、そのためには人為的な干渉は不要のはずだ。
いずれは、連中には消えてもらう。

そのための手段として、大戦中の逃亡者の研究成果を利用することにした。
クルスト・モーゼス・・呪わしき連邦に魂を売った裏切り者だ。
大戦後、エゥーゴに参加した分子が、連邦側の記録をも持ち帰っている。
これをあわせて、アナハイムの派遣チームに流した。
確認しているところでは、サイコミュ兵器つぶしのシステムが試作中だ。
兵の通常での意味での精神力、肉体の限界を求めてしまうようだが・・。
なに、海兵の兵を使い潰せばいい。いくらでも代わりは生産できる。
聞いたところでは、擬似人格なるものが入っているそうだ。
オリジナルの人格は、例の・・・。
個人的日誌にこれ以上書くことはできない。少なくとも今は。

残念だが、エースの再生プロジェクトのすべてを阻止することは
できなかった。今日も最終調整が終わって部隊がやってきた。
サイクロップス隊、というそうだ。一年戦争で、あの呪わしき白い悪魔の
新型を破壊するという勲功を上げたエリート部隊ということだ。

しかし、バーナードという伍長、あまり新兵と代わらない印象だ。
本当にエースであったのだろうか。他の兵は我らと馬が合う。
まあいい、結果はいずれわかることだ。駒は多いほうがいい。

339:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 17:34:14
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし シャアの日記

今日も脱出に失敗した。私が何をさせられているかについては書く気力も無い。
ナナイに助けを求めたいが、例によって中佐が絶妙な刺激を・・。
精力を使い切って短い眠りに落ちると、なぜかララァの夢を見る。
それも、ララァが一個中隊はいるのだ!リアルすぎる夢だ。
全員が私を取り囲んで、ものすごい目で睨んでいる。

「ララァ!」汗びっしょりで目覚めると、中佐がいぶかしげな目で睨んでいる。

「ほう、まだ他の女のことをお考えかぃ?お仕置きしてあげなきゃいけないようだね・・。」

彼女の派手な化粧を落とさない怪訝そうな顔が、迫ってくる。毎夜のことだ。
ちろちろと見える赤い舌が蛇のように・・・。

しかし、不快ではない。
むしろ暖かくて、いい気持ちだ・・。

・・・こんな状態では、模擬戦に出ても負けるだけだ。
もはやどうでも良くなってきている自分に気づく。

すまない、ナナイ。



340:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 18:05:23
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーター 天気=晴
【キグナンの日記】
今朝、遂にDrに頼んでいた『アレ』が完成した。
朝一で私の許に届いた『アレ』…銀色のケースのマニュアルを午前中に読破した。
そして午後から早退する事を大佐に一方的に伝え、足早に執務室を後にした。


目指すはキュベ女である。
PDAでオキニのハモンちゃんの出勤を確認すると、店に午後一からの予約を入れ大佐の3倍の速さで私は店へと向かった。
そう、銀のケースの実戦データを取る為に。

予約時間ギリギリに店内に駆け込んだ私は、ハモンちゃんのお出迎えもそこそこに、個室へと駆け込んだ。
そしてマニュアル通り準備をし・・・


私がフラフラの体で店を出た時、周囲は深夜になっていた。
ハモンちゃんもお見送りが出来ない程疲れ果て、今夜は特別に個室に泊まると言っていた。
お互いに時間も忘れる程の官能のひととき
その秘密はあの銀のケースにあった。
・・・この装置はサイコミュ技術を応用した対人用精神感応システムなのである。
お互いの頭部に着ける発信機を通し、自分の思考を本体を介して相手の意識に直接送り込む
画期的な双方向型の脳波送受信機なのだ。
NTではない一般人の使用が前提の為、どの程度の精神感応が出来るか不明であったが、
結果は予想以上のモノであった。
最初こそ何の反応もなかったが、お互いに行為に没頭し始めると漠然と相手の求める事が意識に浮かび始め、
絶頂を迎える頃には二人の意識は完全に一つのモノになっていた。
その初めての感覚に、私達は時間を忘れてお互いを求め合ったのである。

これがニュータイプというものなのか!?

・・・次に来る時には副所長も誘ってやろうと考えながら、フラフラする足で家路に付く私であった。

341:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 18:28:03
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ カリウスの日記

首脳部はこれでほぼ骨抜きだ。我々の望む編成を存分に進めていく。
キグナン氏に渡った箱、あれは普通のモノではない。

被使用者の人格を、我らのセンタ機器に接続された被験者と少しずつ入れ替える。
そういうものだ。

彼は快楽におぼれるうちに、別人となるのだ。
我々の忠実な飼い犬に。まあ、今はせいぜい楽しむがいい。
そうだな、大尉?
ガラスケースの中に納まったその彫りの深い顔を眺めてにやりと笑う
カリウスである・・・。


342:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 20:08:53
宇宙世紀0089、4月某日、サイド1 天気=晴
キグナンの日記

先日完成したサイコミュ交信機を大佐に没収されてしまった。
あの突然の早退以来、毎日午後から外出していた私の行動を不審に思い、尾行をつけていたらしい。
そして連日店に通い詰めている事が発覚してしまったのである。

しかし、今回はちゃんと言い訳も用意してある。
このシステムを発展・改良していけば、お互いに理解し合い、人類のNTへの
覚醒を促進する筈だ、私の欲望の為に作製した物ではないと。
大佐はマニュアルを眺めながら、暫らく考えたようだが


・・・思いっきりグーで殴られた挙げ句、装置は没収されてしまった。
そして私は当面の勤務中の外出を禁じられ、退出よう命じられた。


・・・まぁいいさ、ここ一週間のデータは自動的に研究所に転送されているし、あの様子だと大佐もきっと使うだろう。
そのデータを元に、また新しいのを作って貰えばいいか。
・・・などと考えながら退出する私であった。

343:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 20:18:45
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ カリウスの日記

大佐からと偽り、キグナン氏の機器を没収させた。
相変わらず大佐はイカリングで逃亡と快楽の日々を送っている。
もう逃げる意思など無いようだ。楽しんでいるとの報告がある。
大佐にはMっ気があるらしい。変態だなやはり。どうでもいいが。

没収の理由だが、この機器と、例のEXAMの類似性が判明したのだ。
人格を交換するどころか、システムに捕らえられて廃人になってしまう。
キグナン氏にはもう少し、働いてもらわねば困るのだ・・。

彼の好みは若干判明した。痩せ型だが鳩胸、まあ要するにグラマー美人が
好みということらしい。そんな女を例の風俗店に手配する。
何で私がこんなことまでしなければならないのだろう。





344:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 20:43:54
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし シャアの日記

最近、中佐が愛しく思えてならない。身のこなしは経験を積んだ年増女そのもの
なのに、体はナナイを思わせる若さだ。まるでそう、体は処女、心は売女・・
男にとっては理想の女だ。

もうナナイなどどうでも良くなってきた。
彼女との戦闘訓練もスリリングで楽しめる。
今日はどんな趣向で楽しませてくれるのだろうか。付け合せのレズンもまあ、
それはそれで楽しめる・・・。

自分の本性にあらためて気がついた気分だ・・・。
新世界は彼女のような女と過ごしたいものだ・・。



345:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 22:14:32
大佐が・・・・・染まっていきます・・・・・・(ノД`)

346:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/18 23:02:31
議ch・・・
大佐のご高説いつも楽しんでおります^^
職人さんがんがってくださいね^^

347:シャアの日記
05/06/18 23:51:01 Rx4VWrnF
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし

人としてダメになってきている。われながらそう思う。ギュネイを
盾にし、かれのイチモツと人生さえも踏み台にしておきながら、
アマゾネスどもからの逃亡に失敗した。私はなにをやっているのか。

「かねがねご高名は伺っております、大佐」
新しくやってきた、一見傭兵部隊ふうの四人組の長らしき中年が、
私に挨拶しにきた。シュタイナー大尉というらしい。
「聞けば、腐敗しきった連邦めに再びメギドの火を食らわせるとか…」
まあ、そんなところだ。地球に蹴落とすのはコロニーではないが。
「われらサイクロップス隊、粉骨砕身の覚悟を以てお手伝いさせて
いただきましょう。なんなりとお申しつけください、大佐」
この言葉に、私の額がするどく閃いた。この男…使えるぞ。
大尉、さっそくで悪いんだが…と恥を忍んで持ちかけてみた。

「…なんと! おのれジオン軍人の風上にもおけぬやからども!
赤い彗星を監禁したうえ四六時中色事を強要するなどとはっ…!」
シュタイナーは怒りに震えて叫んだものだ。
他人の口から聞かされると、自分の立場の情けなさが改めて
認識できるというものである。そうとも、こんなことではいかんのだ。
私は真性―新生ネオ・ジオンの総帥、シャア・アズナブルである。
「おまかせください大佐。われらサイクロップス隊が全力で支援
いたします。かならずや、大佐の退路を切り開いてごらんにいれましょう」
にやりと笑い、シュタイナーが敬礼した。たくましい口ひげだ…ランバ・ラル
を思い出すよ、大尉。よろしく頼む。

赤い彗星の直筆サインによってひそかに買収していた整備士が、
私にむけて親指を立ててよこした。できている、というサインだ。
パイロット・スーツに身を包んだ私は、愛機である高機動型キュベレイの
ハッチに取りつく。目立たぬように貼られたメモを見つけ、すばやくはがす。
「一発でも食らったら分解しまつ。プゲラw」
非情な内容だ。だが、それこそ私の望んだ結果である。
キュベレイの装甲は、いまやハリボテ以外のなにものでもない。戦闘機動
に耐えうるだけの強度しかない、成型加工されたただの超強化プラスチックだ。
機動を上げるための最後の手段であった。
二度はない…自分に言い聞かせる。

「おや大佐、めずらしくノーマルスーツを着用かい」
シーマのケバい顔がマルチウィンドウに映し出される。唾棄すべき虜の日々が
脳裏をよぎった。私をいままでの私と思うなよ。
「今日はちょっと趣向を変えて、こんなものを用意してみたよ」
シーマが言い、手に持ったなにかを見せてきた。あれは…ばかな! あれは
イチヂク浣腸ではないかっ! この女なにを考えて…
「くっくっく…さあ、今日の罰ゲームが楽しみだねえ、大佐」
正直、背筋が凍りついたものだ。これは死んでも負けるわけにはいかんぞ…

348:シャアの日記
05/06/18 23:53:07
347の続き♪

私は最初から全開で臨んだ。シーマのゲルググ・マリーネ改は、
見た目と中身がまるで別物になっているのだ。
「おや、今日はやけに動きがいいじゃないか」
うれしそうなシーマの声が入ってくる。が、こちらは必死だ。
超強化プラスチックの装甲など、ビームコーティングを施工した
ところで、出力を絞ったビームライフルがかすっただけでも溶解
してしまう。われながらなんと危険な賭けにでたものか。
「うっ、くっ、なんとっ…ばかなっ!」
先読み、先読み、ぎり回避…そこだっ!
キュベレイのハンドランチャーがゲルググの脚をとらえた。
「癪だねえっ!」
するどい敵意だ。ほとんど無意識でかわす。ン…やけにビームが
太かった気がするが…
「堕ちろ堕ちろっ!」
ゲルググがビームを乱射してくる。出力の補正がされていないでは
ないか! 当たったら死ぬ! それこそ死にものぐるいで回避するが、
機体がぎしぎしといやな音をたてはじめた。
「ちぃっ! キャラ! レズン! 出番だよっ!」
シーマがヒステリックに叫ぶ。私は深呼吸した。勝負はこれからだ。

「あねさんらしくもない。どうしたんだい?」
「堕ちないんだよっ!」
「きゃはっ、大佐ひっしだね。カンチョーなんか見せるからだよー」
「ウルサイ! このままでは大佐に逃げられる! やるよっ!」
3方向から同時にモビルスーツが突っ込んでくる。3機とも格闘戦の
武器を携えて、だ。背中を見せて逃げ出したいところだが、キュベレイの
両手にビームサーベルを抜かせて踏みとどまる。ここが正念場だ。
レズンのザクⅢ改のビームサーベルをまともに受けとめた左腕が、
負荷に耐えきれず圧壊する。おのれ、強度さえあれば…
「このっ!」
ゲルググのナックルシールドがキュベレイの鼻先めがけてフックを放つ。
冷や汗をたらしながらぎりでかわすと、勢いあまったスパイクが、
ザクⅢ改の横っ面をしたたかにひっぱたいた。
「いたっ!」
「ちぃっ、邪魔なんだよっ!」
ゲルググとザクがもみ合いになる。この混乱のすきに、私はキャラの
Rジャジャ改の右腕を斬りおとし、すかさず照明弾を打ち上げた。
シュタイナーへの合図だ。
「待ちくたびれましたぞ、大佐ぁ!」
頼もしい鬨の声とともに、4機のモビルスーツが姿を現した。ぜんぶ
ケンプファー改である。
「なんだ! う…あいつらはっ!」
「あねさん!」
「きゃはっ、かっこいーあのモビルスーツ!」
アマゾネスどもがうろたえたすきに、私はアクセル全開でその場を
離脱する。さらばイカリング。シュタイナー、あとは任せたぞ!
「おまかせください、大佐!」
頼もしいシュタイナーの返事。
「あっ、大佐が逃げるよっ!」
「なにぃ、逃がしゃしな…ウっ!」
「…この腐ったメスブタどもめ! 真のジオン魂というものを見せてくれよう!
全機ジャイアント・バス一斉射! 食らえっ!」
シュタイナーの笑い声と、アマゾネス参人衆の断末魔の叫びを聞きながら、
私はただひたすら全力でアクセルを踏んづけていた。

やっと…やっとこれでナナイのカレーが食えるというものだ。
じつにひさしぶりのスウィートウォーター…辛かった日々が思い出される。
涙がひと筋、頬を濡らしたものだ。

349:シャアの日記
05/06/18 23:56:12
すまん…ジャイアント・バスになってた…orz


350:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 00:15:00
>349
バズだろうがバスだろうが威力は絶大ッスよ

乙でありますっ!敬礼っ!

351:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 00:29:44
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし レズンの日記

たまには変わった趣向もやってみなければ楽しくない。
シュタイナー大尉、いやサイクロップス隊は、あたしの同志。
みんな海千山千の猛者ばかりなのに・・大佐も甘い甘い。

打ち合わせの通り、ケンプファー改の摸擬弾にあたってやる。
ちょっとしたショックが機体に走るが、どうというものでもない。

必死にスウィートウォーターに戻られていく・・。
今頃は大尉が仕込みに連絡を取っているはず。通信回線は開いてるね・・

「大佐、お迎えに上がりました。ワイズマン伍長であります。」
ザクFZでお出迎えだね、躾けたとおりにできるかな?坊や。
「おお、エスコートか、済まない。」
「大変申し訳ないのですが、モビルスーツで進入できる港が工事中です。
あのザンジバルに着艦願えますか?あとでランチでお送りします。」

ふんふん、坊やよくやるねえ・・・。中佐にキャラは引いたか。
いや、さすが。私も追うとしよう・・。

「3番デッキに着艦お願いします!」
「よろしく頼む、自動制御まわす!」あーあ、切っちゃったよ。。
「へい!了解です!」

「?!」

かわいそうにねえ・・。
私もイカリングに帰還することにしよう。
・・・どのみち、大佐の専用機もう、ばらばらだろ?






352:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 00:30:06
大佐が1ヶ月ぶりにご帰還なされた!

353:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 00:50:31
宇宙世紀0089、4月某日、あともうちょっとでスウィートウォーター 天気=涙雨 シャアの日記

涙目に、夢にまで見たスウィートウォーターが見える。
まあ、涙は大げさだ。正直なところ中佐になら何をされても燃える。
あの体が自分のものかと思うと下半身は正直に反応する。だがしかし!

ナナイの手料理が食いたくなった。
時として食欲は性欲に勝るものだ。新しく来たシュタイナーを取り込んで・・
うまく脱出できた。しばらくはあの女どもも病院だろう。
死んでいるとは思えない。プレッシャーを感じる。それもものすごいのを。

「・・ん?」
サイクロップス隊の、お荷物の坊やがエスコートに出てきた。
あのタイプのザクには私は乗ったことは無い。海兵の仕様か?
誘導も丁寧だ。安心してよかろう・・・。
誘導に乗ったとたん、操縦系をすべて外部から切られた!
どういうことだ・・。ハッチを空けるのは、しばらく待ったほうがよさそうだ。

なんだ、いったい何が起こっているのだ?一斉に機体に取り付く音が・・・
ハッチを強制開放された!

「!」

笑っているのは、シーマ中佐・・・。
「予想外のことは起こるもの・・大佐、お楽しみになりましたか?」
手に持っているのは・・あの液体が入った容器だ・・・。
「機体はこの際ですので、分解させていただいてます」
にっこりと微笑む。
装甲を外しているから簡単なのだろう、愛機が見る見る分解されて行く!
見る間に、出るのをためらっていた脱出ポッドだけになる。
それも・・解体する気満々だ。この連中。

完敗だ。
体中から液体という液体を搾り取られてかさかさになっている自分を想像した。
中佐がこちらに流れてくる!思わず身構えたが・・
意外なことに、濃厚なキスをされた。全身の力が抜けていく。

体のほうが慣れてしまっているのだ。今回も負けた。












354:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 01:21:43
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし レズンの日記

イカリング中がお祭り騒ぎになった。何しろほぼ全員で大佐をからかったのだ。
普段は工具を投げ合ってる整備の連中も一緒になって盛り上がった。
いうなればお祭りだ。こういうイベントも悪くは無い。

モビルスーツの兵器を微妙に調整してくれた、にきび面の整備兵を
今日は肴にしようと心に決めた。キャラは、例のワイズマン伍長を
無理やり引っ張っていずこかへ消えていった。

大佐は・・中佐のペットだね、あれは。
私はたまに相伴させていただければ十分だ。

どこからとも無く、歌声が沸いてきた。
「 ほぉしのひかぁりにぃ~ おも~いをかけて
 熱い銀河を 胸に抱けばぁ~ ゆーめはいつしか この手にとっどぉく!
 シャアズ ビリービング アワズプレイ!
 シャアズ ビリービング アワズプレイ!!」
「ジーク!ジオン!」
「ジーク!ジオン!」
「Wooooooooo!」

みんな大佐が好きなのだ。これだけは間違いない。





355:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 01:33:24
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ カリウスの日記

兵達の士気が上がっている。よい感じだ。
私も自らの任務に励むとしよう・・・。



356:通常の名無しさんの3倍
05/06/19 23:21:13 mVRfWo3v
大佐 最近お疲れですな

357:通常の名無しさんの3倍
05/06/20 01:51:26
もう、大佐の味方はナナイだけですかね…あとは元エゥーゴの切れた十代?

358:通常の名無しさんの3倍
05/06/20 19:10:59
最初の雰囲気だとどーにも隕石落とししそうに無いから、
執念深そうな旧ジオン軍人復活させて見ました。
カリウスあたりをどーにかしちゃうと元の路線に戻せるかもですね・・・。
反撃しますけどw


359:通常の名無しさんの3倍
05/06/20 19:52:21
カリウスの空手ガンダムキボンヌ

360:通常の名無しさんの3倍
05/06/20 19:59:08 UV2JFKSQ
大佐 お体に気をつけて

361:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 00:41:43
また逆走しそう大佐…

362:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 11:32:31
宇宙世紀0089、4月某日 コウ=ウラキの日記

スイートウォーターの視察より帰還後、連邦本部より情報部への出頭を命じられた。
例の事件の真相を知って、なおかつ軍に残った自分に対する監視の目は理解しているつもりだったが、今回は内容が異なっていた。
情報部の担当者から提示されたのは1通の辞令と1通の命令書。情報部への転属とスイートウォーターへの潜入捜査命令だった。
監視される対象であるはずの自分が、何故情報部で潜入捜査を命じられるのか?その疑問に対しての回答は端的だった。
「君がデラーズ紛争の真相を知る数少ない生き残りで、
 かつ、アナハイムの内部の人間と個人的な繋がりを持っているからだ。」
同時に渡された資料写真を見て、その内容に目を疑った。
「シーマ・・・。莫迦な、あいつは・・・。」
「その写真は先日、アナハイムのウォン・リーを調べていた捜査員が撮影したものだ。」
「アナハイムのウォン・リー・・・?。」
「エゥーゴとアナハイムのパイプ役だった男で、色々と噂のある男だ。」
「・・・。」
「その後、シーマは行方を晦ましたが、直後にアナハイムの一部に動きが有ってね。
 結構な人数の開発関係者が月の本社から異動している。
 行き先はスイートウォーターだが、あそこにはそれだけの人数を異動させる施設は無い。」
「何故、自分がその捜査を?」
「言ったろう、今回の調査に必要な知識とコネを持っているからだ。
 それに、あの事件の真相を知る人間を増やしては、あとの管理の手間が増えるのでね。」
「・・・。」
「君は、来月1日付けでスイートウォーターの連邦行政出張所へ駐在武官として出向してもらうことになった。
 話は以上だ、引継ぎ等はすみやかに行ってくれたまえ。」

そして、間もなく自分は二ナと一緒にスイートウォーターへ向けたシャトルに搭乗する。
 


363:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 12:07:11
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ シュタイナーの日記

一年戦争から数年、我々が戦傷の後遺症で眠っている間に、これほど状況が
変化しているとは驚いた。とはいえ、ジオンは確実に再興しつつある。
先日は大佐に一芝居うって楽しんでいただいた。
なぜ、バーニーがうちの部隊にまだ所属しているのかはわからない。
頭の痛い話だ。奴はプロの軍人というレベルには程遠い。
学徒動員兵あがりは、やはりダメだ。

とりあえず、モビルスーツの機種転換訓練は受けるが、我が隊にそれなりの
任務が命じられた。新しい連邦の駐在官の監視である。じきにくるそうだ。
同行しているアナハイムのエンジニアの、拉致も命じられているが・・
おおっぴらにそれを行えば問題になるのではないか。
とりあえず、ミーシャとガルシア、それにバーニーを回すことにする。
秘密警察の連中との共同作戦だが・・・。

ちなみに、拉致を命じているのは大佐ご本人だ。秘密裏に、と言明されている。
何を考えていらっしゃるのかわかりかねる。
相変わらずイカリングで青息吐息の状態なのに・・。
別件で伺った際に資料をお見せしたところ、カリウス軍曹はその女性とはお知り合いらしい。

組織内部では彼は上官だが、表向きは私のほうが階級が上だ。
妙な事になっているものだ。
駐在武官、どこと無くバーニーに印象が似ている。こういう男は扱いやすいはずだが。

しかし、全天視界モニターというのは、いい。宇宙に浮いているような感じさえ受ける。



364:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 12:22:49
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング監禁室 天気=涙雨 シャアの日記

模擬戦をしているか、中佐に弄ばれているかしか、いまの私にはない。
しかし、何もしていないのに、兵の訓練がどんどん進んでいるように見える。
素人上がりばかりだったアクシズ敗残兵にあった士気の落ち込みが無い。
まるで、一年戦争の時に戻ったようだ。これであれば、いける。

ナナイから一般報告を受けた際、受け取った資料を見返した。
連邦の駐在武官が同行する、アナハイムのエンジニア、休職中らしいのだが
・・・美しい。
久々に見る、清楚な美しさがある。この数ヶ月、筋肉質の大女しか相手にしていない
私には、刺激が強すぎる。やはり金髪はいいものだ。
彼女を私のものにできないだろうか。いや、私はネオジオン総帥である。
女の一人ぐらい自由にできないでどうするのだ。アナハイムのエンジニアとは好都合だ・・
私の開発チームに加えればいいではないか。
見れば見るほど好みの女だ。久しぶりに血が、血がみなぎってくる。

・・・ドアが開くが気がつかない。
「!」
「おや大佐、ずいぶん元気が余っているじゃないか・・」
「中佐、いきなりそこを握るのは止めていただきたい!」
「止めちゃっていいのかい?」
「むう・・・」
「さあさ、お楽しみはこれからだよ・・・」

ちらりと資料に目をやるシーマ。
・・・ふん、いけすかない顔だね。こういう奴は生かしておいちゃいけない気がする・・・

「ま、あっちで手は打ちますよ、大佐。向こうでじっくりと、ねぇ・・・」

彼女はウラキを知らない。


365:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 13:01:43
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ カリウスの日記

シュタイナーから見せられた写真には動揺を隠せなかった。
二ナ=パープルトン・・・。
少佐から託されたが、アクシズに連れて行くわけにもいかず地球圏に戻した女性・・・。
聞けば、次の連邦の人事異動で赴任してくる駐在武官付のスタッフとしてこちらに来るとのことだ。
サイクロップス隊に拉致指令が出ているというが民間人を拉致するなど大佐は何を考えているのだろうか?
駐在武官に関しての資料はまだこちらに来ていないので調べさせるとして、
連邦関係者が失踪すればまた無用の警戒感を煽ることにも成りかねない。
シュタイナーには悪いが、拉致計画は成功させるわけにはいかない。
これはジオンの再起のために万全を期すためのものであり、決して少佐への個人的な・・・。
いや、止めようどんな言い訳をしても私個人の感情からの措置であることに変わりは無い。

少佐は私を信頼し託されたのだ、その信頼に応えることが私が私であるために必要なことなのだから

366:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 15:30:20 SGjk0won
宇宙世紀0083、5月下旬、グワジン艦長待機室 デラーズ日記
いつの間にかに、自分も年を食っているのを感じ出した。
なので、私はズラをかぶるように仕様と思うのだが、かぶる勇気がない
もう、誰でも良いから私に髪の毛をわけてくれえー

367:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 17:13:25
時代逆行してる?!

368:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 17:49:52
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ カリウスの日記

シーマで思い出したことがある。以前の・・今の彼女とは関わり無いといえば無いのだが。
あの、星の屑にとって屈辱の日。
海兵によって占拠されたグワダンに、とんでもない落書きがあった。

・・・>>336をディスプレイに映し出して憮然とする。

デブリとなって漂っていたかの戦艦に、残兵が居ないか確認を行った際に、
私が撮影してきたものだ。

思い返すだけ腹が立つ。いまの彼女は、我々の目的に忠実な同志だ。別人なのだ。

シャア大佐は、我々によって操られる人形でしかない。好色さにはあきれ果てるが。
同姓としては同情するというより、苦笑する。
まあ、仔細を抜きにすれば、シーマは十分美女のうちに入るはずだ。
せいぜい、楽しまれておればよい。彼女は大佐のために、再びの命を得たと言っても
過言ではないのだから。シャア専用・・なのだな。
・・・赤く塗って角もはやしておけばよかったのかな?

「ふ。」にやりとするカリウス。

パープルトンさんに関しては、入国審査で撥ねてしまえばよいと考えている。
追い返せばよいのだ。武官のほうは、入れざるを得ないが。
彼は、非公式の情報によれば反ジオンだが、反連邦の資質もあるという。
パイロット能力は、少佐も評価される程度であったはずだし。
説き伏せて仲間に引き入れられれば、それはそれで問題ないのだが・・。
根からのアースノイドであれば、不可能かもしれないが。
とにかく、いまは動きを待つしかない。



369:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 18:05:35
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=晴れ ナナイの日記

大佐は毎日激しい訓練に明け暮れていらっしゃるようだ。兵の戦技向上に
これ以上の見本は無いであろう。
再生したザクIIで、我がネオジオンの・・いや、新型機や連邦鹵獲の新世代機と
渡り合っていらっしゃるというから、さすが私の見込んだ男だけのことはある。
そのくらいのハンデがなければ、即座に全員撃破されてしまうだろうしな。

「私がキュベレイに乗れば・・別ですが。大佐。」ニヤリとするナナイ。

兵に自信をつけさせつつ、自らは劣った機体で勘を養う。
さすがとしかいいようがない。シーマ中佐はよく大佐をアシストしているようだ。
監視の必要も無いな。イカリングにいる限りは、大佐のことは気にかけなくてよい。

・・・問題は、再三の強化に失敗し続けている、ギュネイ猿だ。
あれは、どうしようもないのではないか?

キャラは、再強化の上私の身辺警護に当たらせている。あれほど信用できる
護衛はいないだろう。復帰してきたサイクロップス隊の・・なんとかいう
若いのに惚れたらしいが、まあそんなことはどうでも良かろう。
それはそれとして、連邦から少々厄介なネズミがやってくるようだ。
ニュータイプとは思えないが。

「・・・ソロモンの悪夢と因縁を持つもの、か。」

オールドタイプなのだな。

いまのうちに、料理のレパートリーを増やしておかねば。
通信講座もしっかりこなさねばな・・・。
大佐が事を成せば、それからは長い家庭生活が始まるはずだ・・・。
キャラがなにか言ってきたようだ。

・・・・大佐、お会いしたいのですが、いまは耐えます。



370:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 18:27:18
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

あの金髪の女性を拉致、いや私の元に招いてからのあれやこれやを想像すると
興奮する。否が応でもさまざまなことに気合が入ってくる。
専用のキュベレイをばらばらにされて以来、わたしに割り当てられたのは
ザクだ。前にギュネイが拾ってきたザクタンクに変わり果てたザクIIを
レストアした機体だ。ここはサイド3のはずれでもあるし、
ザクの部品には事欠かない。残念なことに、赤いだけで3倍の速度は出ないのであるが。

最近は、この機体で模擬戦だ。
シーマ中佐とレズン、それにたまにやってくるキャラはガブスレイとかいう
ティターンズの機体で・・私を痛めつける。ビーム代わりにレーザーか、
ペイント弾の発射機が入っているだけだから、遊びといえば遊びだ。
しかし、その日の貞操が掛かっている。まけられるものか。

一度も勝てていないのだが。

沢山当てた順に何回相手をするとか勝手に決めて・・。
そういうのは正直、止めてもらいたいものだ。
いずれ、シュタイナーから吉報が入ったら、私はここを脱出する。
そして、彼女とあれやこれやを楽しむのだ。徹底的にやるつもりだ。

「ゴンゴンゴンゴン!」また被弾したらしい・・・。
「あはははは、大佐、もう一連射あたっちゃってますよ?」キャラだ。
ハマーン、いやナナイの護衛に落ち着いてくれればいいのだが・・・。
たまにこうやって私をストレス解消の的にする。
・・・・ええい、行け、ザク!
モビルスーツの性能の差が、戦力の決定的な差でないことを!
いつか・・かならず・・教えてやる・・・。

あ、また動力停止判定か・・。
「大佐、きょうはここまでですなぁ?・・あとでまた、お会いしましょう」
中佐が勝ち誇っている・・・。
「いや今日は・・」
「今日は、誰からにしますか?」レズンだ。
「あっははははは・・・あたしでもいいですよ、大佐」

くっそ、先日の貸しを早く返せよシュタイナー!





371:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 18:33:26
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り コウ=ウラキの日記

入国審査で二ナの入国が受理されなかった。
もともと二ナを今回のような任務に同行させることには乗り気では無かったので半ばホッとした。
二ナには悪いが、一度月に戻ってもらって別件での協力を頼むことにした。

ただ、新任の駐在武官の婚約者という触れ込みの二ナの入国審査が受理されなかったことで、いくつかの推論が浮かんだ。
1.やはりスイートウォーターには、連邦政府を快く思わない入国審査にまで影響を与える程度の政治力を持つ組織が有る。
2.ただの新任武官に対する嫌がらせにしては手が込んでいるので、今回の目的は二ナの入国阻止である。
3.二ナを存在を重視しているところを見ると、組織の上層部に二ナと関わりの有る人間がいる可能性が高い。
  (その気になれば、二ナを人質にするなどする方が効率が良いのに寧ろ危険から遠ざけようとしている)
4.意思決定にシーマが絡んでいるとすると二ナの安全を考慮する必要が無い。相手は一枚岩ではなく、より上位に二ナを保護しようとする一派がいる。
5.アナハイムが決定権を持っている可能性を考慮するが、やり方が少々あからさまで企業らしくない。意思決定権者は別にいると考える方が良さそうだ。
6.二ナを守ろうとする理由は何か?

6については少々考える材料が不足しているし、もしかすると一人になった二ナを狙うつもりなのかもしれない。
その可能性を考慮した上で、入管に対して次の定期便で迎えを寄越すのでそれまでの短期滞在を認めてくれるように圧力をかけて3日間の滞在を認めさせた。
条件として空港内の滞在施設から出ないということだったが仕方ないので了承する。
二ナのボディガードを探す必要が有るので情報部に依頼すると同時に、あの事件の際に生き残った可能性の有るデラーズフリート参加者のリストを要求した。
どうせ不完全なものしかないだろうが、無いよりはマシだろう。

二ナから教えてもらった情報の整理もしたいところだし、正式な赴任まではまだ日が有るので迎えが来るまでは自分が二ナを守ることを決意した。
もう1件、意外な人物からのメッセージが届いたが本人からのものなのかを確認する必要が有る。
場合によっては彼に二ナのボディガードを依頼できるかもしれない。性格的にはともかく腕は信用できる人だから。

372:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 19:03:41
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り 二ナ・パープルトンの日記

この6年間、正確に言えばコウが収監されていた数ヶ月を除いた期間。
私は、ずっとこの人をだまして来た。愛していないわけではない。
ただ、ガトーとの約束を・・果たさなければいけなかった。それに・・。

私は、ずっとアナハイムの開発情報を、ジオンにあれから流し続けてきた。
正確に言えば、アクシズの工作員に・・・。
名を偽り、場所を変え、彼らは巧妙に私に接触し続けてきた。

それが、それがあの時、無傷でアクシズ艦隊から解放されるときの条件だったのだ。
そうでなければ、私は女性不足のアクシズに拉致され・・慰み者になっていただろう。
ガトー少佐の女。彼らはいまだに私をそう見ている。

コウはそのことを知らない。
それでも、会社の利益にも合致していたから、黙認されてきたのだと思う。
私のように、不本意から深入りしてしまったルナリアンは、結構多いはずだ。
正直に生きているコウを、まじかに見ながら・・・。
この人を失いたくない。

今回の任務・・無事に終わらせて帰還できればいいけれど・・・。
もし、何か、何かあるようならば。
私はどうすればいいのだろう。私だけ、帰れというのは・・。
コウを、一人にはできない。連れ帰らなければ。どんな理由をつけてでも・・。






373:通常の名無しさんの3倍
05/06/21 20:40:18
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

連日の激務に私は心身ともに疲労している。たまにはテレビでもみるかと
スイッチを入れてみれば、子供向けのアニメーションか。
「機甲戦記ドラグナーSEED DESTINY」なんともご大層なタイトルだ。
ストーリーはさっぱり判らんな。目玉がデカイな。人間じゃないのか?
大変なものだな。モビルスーツも出るのか。おお、赤い、赤いのが・・
バラバラだ。許せんな。
「なぜ赤いモビルスーツがあんなに弱いんだ??乗ってる餓鬼が不甲斐無いのか!」
「・・・大佐?もうおめざめですか?」
「い、いやもう少しまどろみながら子供番組でも・・」
「そうですか、ではこのままお待ちします。私の番終わってませんので・・。」
「む、むう・・・」

お目こぼしなしか。なんだこの男は、偉そうにアニメの中で演説している。
「戦争を起こしたいと願うもの、それがすべての元凶です・・
すなわち、ロゴス、これと戦わなければ、人類に明日は無い!」
えーっと・・今回戦争を起こそうとしてるのは私なんだが・・・
こんなものを流されては困る。子供が勘違いして私に銃を向けてきたらどうなる!

「大佐は、演説巧いですから大丈夫ですよ・・そんなことより、はじめますよ?」
「いや、真面目に戦争を起こす理由を無視して、戦争が悪であるの平和が正義とか語られると
困る。・・むわっ」
「いきなりそんな・・まてまてまて・・心の準備が・・」
「何おっしゃってるんですか。毎日のことでしょ?」
「とりあえず、そういうことは考えないで楽しみましょう・・・ねぇ?」

いや絶対平和だの寝言を言われたらどうする・・
人類の明日を考える私が、このように色事に・・溺れてもしかたないか・・。
・・・む、このアニメの演説野郎、あんなに若い子をはべらせてるのか・・

・・・そういえば、ナナイ、すまない。



374:通常の名無しさんの3倍
05/06/23 04:44:38 /zuGX+PS
宇宙世紀0089 スウィートウォーターにて ある広報士官の回想



大佐から ジークジオン!に変わる新しい歓声?を考えろとの指示がでた。
私的には これで良いと思うのだが 大佐はやはりザビ家が悪用していたのが たまらなく嫌らしい。
しかも 私もいろいろと案件を抱えていて忙しく 本来は時間が無いのだが 大佐の指示だから仕方が無い。
しかも二日で考えろとの無理強い。 正直しんどいが やるしかない。
寝ずに考えたんだが やはりうまい案が出てこない。
もうやけっぱちだと 落書き気分で 考えることにした。

375:通常の名無しさんの3倍
05/06/23 05:03:30 /zuGX+PS
374の続き…

いろいろと寝ないで考えたんだが 出てこない 真面目に考えるのはよそうと 落書き気分で考えると 出るわ出るわで まあほとんどが大佐の悪口 組織への愚痴など他愛がない物ばかり
で 結局やはり ジークジオン!がいいと結論に達し その利点を出して 大佐を説得することにした。

締切当日 大佐のオフィスに書類を携え出頭した。
寝ずに考えたんで 少し上の空だったが 大佐はきっと納得してくれるだろう。
しかし 大佐はみるみるうちに顔が真っ赤になってきている。 書類を投げ返して来た。

ロリコン シャア!

376:通常の名無しさんの3倍
05/06/23 05:10:59 /zuGX+PS
375の続き…





私は 最悪なミスをした。

落書き気分で書いた案の一枚を ファイルから抜くのを忘れてたいたのだ。

「これは私への皮肉か」
と大佐は笑っていた。
しかし目は笑っていない。

後日 私へ アルテロイドベルトへの偵察と言う名の 左遷いや 転属命令が来たのは言うまでもない。

377:通常の名無しさんの3倍
05/06/23 08:42:25 s3+fPa6c
大佐 おはようございます。

378:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 19:55:04 XmhALw8u
てか下がり過ぎです 大佐!

379:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 20:34:20
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング 天気=なし シャア付きメイドの日記

大佐の身の回りの世話が憂鬱でたまらない。特にベッドルームとかバスルームは
悲惨の一言に尽きる。毎朝毎朝凄まじい臭いのものを処理しなければいけない。
いっそノーマルスーツを着て作業したいと願い出たらはねられた。

今日は、一面に体液がこびりついて取れないのでシートを丸ごと捨てた。
一昨日は、バスルームに糞尿がこびりついていたのでメイド総がかりで掃除した。
3日前は、小便がベッド一面にされていたので丸ごと交換した。

ナナイ所長はこんな獣の世話を良くできたものだと皆感心している。
しかも、高給だからと口外を禁じられた上に・・・。
口封じのために、私達も数日に一回は犯されている・・・。

どうすればこの地獄から抜け出すことができるのだろう。
今日も鬱になりかかっている。薬が手放せない。
恐ろしい場所に来てしまった。前にミネバさまのお世話をしていたころが懐かしい・・。
今日は非番だからとにかく、ぐっすり眠ろう・・・。




380:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 21:13:47
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り コウ=ウラキの日記

モンシア大尉が約束の時間にやってきた。ティターンズにいたのに何の咎めもなく、
情報部に出向、いや左遷されただけで済んでいるのは人柄のせいだろうか。
こちらとは違う事情で、ジオンの残党狩りに必要な情報を集めているということだ。
「ニナッサーン!」いきなりニナの手を握ってビンタを食らっていた。挨拶にしてはちょっと酷いな。
まあ、大尉自体は全然気にしていないけど。
僕は連邦の事務所に向かって挨拶をする必要があった。仕方がないので、モンシア大尉にニナの護衛を頼んでコロニー内部に入国した。
「頼みます、大尉。」「おお、一切合財まとめて面倒見るぜ、ウラキ中尉。お前も人間ができてきたな、
俺を頼るなんざ・・」「今は、お願いするしかないんです、ニナを頼みます。」
狼に羊の番をさせるようなものだが・・。ニナも昔に比べてすれている。
大丈夫だとは思う。ただ、ニナの眼が濁って見えたのが気に掛かったが。コロニー内部は雑然としていて、いかにも急ごしらえという感じだ。
下町とか・・スラムというのはこういう雰囲気なのだろうか。
ジャンク屋ばかり大量にあった月を思い出す。・・ケリーさん・・。僕は、まだ燃え尽きていません・・。

駐在事務所の駐在官は、文官のお年寄りだ。武官は僕だけ?おかしなこともあるものだ。フォックス書記官、そういっていた。
「お若いの、食事でも一緒にいかがかね。ここでは何も起こらんよ別に。」
彼につれられ、オープンテラスのレストランで食事を取る。「お連れの方はお帰りと聞いたが、まだ発っていらっしゃらないようだね」
「はい、婚約者なので心配です」「ふむ、お付き合いは長いのかな・・いやすまんね、余計な詮索だ」
「いえ、もう6年になります。」「いつ結婚なさる?」
「いろいろありまして、まだ・・」「ふむ。」
めがねを拭きつつ、真顔で見つめ返す彼。「時間というものは、過ぎてしまえば取り返しがつかないものさ。」
「でも、新しく得られるものも、ある。」「はあ。」
「希望が、あればな。」「希望、ですか。」「ここにはそれがある。いや・・余計なことを言ったかな。
勤務はそれほどきつくない。たまに警察から報告もらって司令部に転送するだけだ。
このコロニーには、ゲリラもいないし、目だった反連邦、いや反政府活動もない。」
眠そうに眼鏡をこすり、コーヒーに手をつけながら、彼は僕に告げた。
「あたらしい、出会いもあるかもしれんな。」「出会い、ですか?」
「ふむ。今日こうして私と食事しているのも、出会いだろう。これからしばらく、
付き合ってもらうことも多いだろう、なに年寄りのことだ、繰言だと思って
聞いてくれればいい。そうすれば任務は無事に終わる、君は帰れるさ。」
意味深長なのかそうでないのか、老人の表情から何も僕は読み取ることが
できなかった。連邦軍の制服姿でないためか、道行く人も誰も僕に注意しない。
とりあえず、港の宿舎に戻ることにして、分かれてもと来た道をエレカでもどる。
特に変わった様子はない。
港に戻ったら、モンシア大尉がおかんむりで待ち構えていた。ニナに肘鉄を食らったらしい。今日は、それだけでも十分かもしれない。
その夜、久しぶりにニナを抱いた。大尉には悪いが、あの人のことだ。そっちのほうは自分で何とかするだろう。

ニナの体は、心なしか硬かった。





381:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 21:25:00
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り ニナ・パープルトンの日記

モンシア大尉が護衛についてくれるとのこと。嫌だったけど仕方がない。
大尉自体に注意さえすれば、他の厄介ごとからは守ってくださるに違いない。
適当にお茶を飲んだり、食事やビジター向けの映画などを見て時間を潰した。

しかし、トイレにまでついてきたのは閉口した。
トイレで、ネオジオンのエージェントの女性が接触してきたのは、予想の通りだけど。
私は、もう完全にスパイ・・。
渡されたメモには、コウをジオンに取り込め、そう書いてあった・・・。
できるわけがない。彼は完全にアースノイド、ジオンを倒すことになら生涯を捧げるだろう。
「不可能ならば、我々も不本意な行動を起こさざるを得ないかもしれません・・」
コウを、殺すというの・・・。
私は、どうすればいいのだろう。モンシア大尉に八つ当たりしてしまったのは
仕方がない。それにしても。やはりここは・・・。







382:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 21:34:18
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り モンシアの日記

ウラキに呼ばれてこんな辺鄙なコロニーにやってきたのは、奴に頼まれたからもある。
気に食わない若造だが、俺達はバニング大尉の弟子で、同じ釜の飯を食った仲だ。
ある意味兄弟も同然だ。俺様に声をかけてきたことは褒めてやる。

しかし、小僧に言っていないことがある。
情報部の連中から、ニナさんがスパイじゃないかという話を耳にしたことがある。
いや、無論連邦軍の動向云々じゃない。アナハイム自体の情報を、ジオンどもに
リークしているっていう噂だ。

まさか、ウラキを売りはしないと思うが・・。
表立ってこっちが動くことじゃ、ない。

しかし、これ以上ウラキの馬鹿に傷がついたら取り返しがつかない。
奴が死ぬようなことだけは避けてやらなければ、大尉に申し訳が立たない。
まあ、元エリート部隊の俺様が言うのもなんだがな。
・・・ジオン野郎どもに跋扈されたらたまらない。大尉の敵だ。
奴らにはこの宇宙に居場所なんかないってことを教えてやらなきゃならない。
ティターンズは滅んだが、俺様はまだ、ここにいるんだからな。




383:通常の名無しさんの3倍
05/06/24 22:11:07
面白くなってきますた。
ガンガッて下さい、中の人

384:通常の名無しさんの3倍
05/06/26 20:24:47 9byvYLOk
そうですガンガッて下さい。

385:通常の名無しさんの3倍
05/06/26 20:32:24
ハマーンに負けて打ちひしがれて数年隠遁していたはずなんだけどなあ

386:通常の名無しさんの3倍
05/06/26 21:00:07
立ち直りが早いのさ・・・・大佐はそういう人だ

387:通常の名無しさんの3倍
05/06/28 17:17:17
宇宙世紀0089、4月某日、スウィートウォーターの天気=曇り ニナ・パープルトンの日記

いろいろ考えたが、やっぱりコウを助けることはできそうにない。昨日は最後に抱かれてあげた。
男としては彼はやっぱり大したことがない。ジオンの総帥が私に興味があるという。
少し驚いたけど、総帥の愛人なら好きなことができるんじゃない?。

そう考えると一切がくだらない事に思えてきた。なにも連邦に義理立てすることも
ないのに、いちいち子供みたいに理屈を並べ立てるコウ。他に男はいくらでもいる。
あの、品のない大尉と一緒に処分してしまえば後々面倒もないかもしれない。
うちの会社はもともとジオンとは・・。
ジオンの開発拠点でモビルスーツ開発に復帰させてもらえるという内々の話も
部長から頂いている・・。

スペースノイドとアースノイドは所詮別の人種なのね。
この何年かの、悪寒と呪縛からこれでさよならできるかも。

・・・さようなら、ウラキ中尉。

心は決まった。私はスペースノイドとして生きていく。



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