05/06/13 21:53:05
>>278の続き…
我々三人も最初は互いに近況報告と日々の愚痴など溢しながら飲んでいたのだが、
私はふと思い出し彼に人類史上初のサイコミュの話を振ってみた。
その開発に携わっていたと、彼の口から聞いた記憶がある。
すると彼は、苦笑いを浮かべながら語り始めた。
・・・最初のサイコミュシステム
実はそのシステムの増幅器に使われていたのは旧時代の技術である真空管だった・・・
と。
真空管を使ったきっかけは、フラナガン所長がキシリア殿下に取り入ろうとする
骨董品好きの将官への嫌がらせとして、彼のコレクションをサイコミュの実験対象として
接収解体して適当に試してる時に偶然発見したそうだ。
しかも実戦での運用には真空管が大量に必要だった為に小型なMSに搭載する事が出来ず、
巨大なMAに搭載して運用するしかなかった。
更に上層部はこの事実を搭乗者に知られるのは心理的に悪影響が出ると判断し、
図面上の真空管スペースにはサブジェネレーターが搭載されている事になったらしい。
・・・流石のキグナン氏も絶句である。
終戦末期に足のないMAに乗り戦ったという大佐が聞いたらどんな事になるのやら・・・
因みにこのシステム、改良を加えデラーズ紛争直後まで現役だったそうだ。
しかし、彼の話はこれで終わりではなかった。
それから7年、今回のグリプス戦役の最中、破損遺棄された連邦の巨大可変MSを
アクシズが回収調査した所、この機体のサイコミュもなんと真空管増幅式であった。
それを見た仲間の一人が昔、連邦の将軍が演説でジオンに人なしだの言ってたのを思い出し、
本当に人材不足だったのは今も昔も連邦の方だろう・・・
にと呟いていたそうだ。