05/06/13 21:31:17
>>277の続き…
私は彼に突然やってきたこの技師達の事を聞くと、彼らは全員サイコミュの製作に協力してくれている
技師達という事だった。
暫らくして呼んだ技師達の大半が揃ったのを確認すると、彼は改めてこの場に集まった技師全員に、
日頃の協力への感謝の言葉と差し入れした私とキグナン氏への感謝の意を表し、全員で乾杯をし当初
予想していた以上の賑やかな酒宴が開演した。
突然呼び出された技師達も最初のうちは皆お互いに挨拶などしながら遠慮がちに飲んでいたのだが、
部署は違えどやはり仲間意識があるのだろう、時間が経つにつれ皆打ち解けていった。
そんな中、私はスウィートウォーターの屋台の親父から預かった封筒を彼に渡した。
中身は一枚のディスクである。
念の為に内容を確認したのだが、その中には一年戦争後に宇宙で行なわれた
連邦の子供狩りで集められた子供達の名と写真が記録されていた。
以前、彼が研究所で見た過去のデータは各研究所で登録された事のある者のデータであり、
その事前段階である適性試験を通過したごく一部のものでしかないのである。
適性試験以前のデータはニタ研の管轄外であり、私には入手不可能であったのだが、
屋台の親父は昔の仲間のツテを頼りに何とか掻き集めてくれたのである。
これが彼なりの贖罪なのだろう。
私は内容は知らない事にして、彼に暇な時に見てくれといってそのディスクを渡した。