シャアのスウィートウォーター日記at X3
シャアのスウィートウォーター日記 - 暇つぶし2ch250:シャアの日記
05/06/11 21:08:07 lL2eTAvn
宇宙世紀0089、2月某日、イカリングの天気=昼白色の天井照明

試作モビルスーツの性能試験が本格的に始まり、イカリングに
泊まり込む日々が続いている。べつにスウィートウォーターから
通えなくもないのだが、コンセプト・プラナーとテストパイロットを兼ねて
新型モビルスーツの開発に携わることに対して、新鮮味とやりがいを感じだし、
夢中になりかけているのだと思う。
かつて私は生粋のパイロットであった。エゥーゴの首脳陣に感化され、
政治に関わる分野にも首を突っ込むようになり、いまでは新生ネオ・ジオンの
総帥として、みなの期待を背負っている立場なわけだが…
パイロットとしての私は、永遠に不滅であろうとも思っている。
赤い彗星の二つ名は伊達ではないということだ。

それでも週に3日ほどは、短時間ながらスウィートウォーターに顔を出す。
くわしい経緯は知らないが、キグナンとニタ研副所長、それに亡命者の博士が妙に
仲良くなっているのが気にかかる。運命共同体とでもいおうか、3人の雰囲気が
なんだか似通ってきているように感じるのだ。最近は3人でよく飲み歩いている
らしいしな。共通の新しい趣味を見つけたとでもいうのか。

量産型キュベレイの高機動タイプは、じつはナナイの密かなお気に入りであったが、
対艦攻撃特化への運用シフト実現のさいには、サイコミュが切り捨てになるかも
知れないと説明したところ、やはりいい顔をしなかった。ニタ研の所長としては、
自分の部署の功績を最大限に発揮し得るシステムこそ、強化人間とサイコミュ
の組み合わせである。当然の反応といえよう。
サイコミュの運用に特化した試作機も開発しているさ、ととっさにホラを吹くと、
ナナイはようやく笑みを見せてバスルームに消えた。シャワーの音がかすかに
聞こえてくる。鼻歌も混じっているようだ。

強化人間用にきちんとした機体を開発せねばならんな…ぶっちゃけたはなし、
素で忘れていたものだ。休養を取る必要もありそうだな…




251:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/11 22:44:46
乙であります^^

252:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 02:03:30 w/m8YZy7
最近の日記はまじめであります 大佐!

253:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:29:39
昨日は人が少なかったんだね…orz

>251
いつもレスありがとん。

>252
では、ちょっとくだけたヤツを…と思ったが、
激烈に長くなったうえに失敗したっぽい…orz

254:シャアの日記
05/06/12 09:30:41 CXrvmbHJ
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=くもり

ここのところ試作モビルスーツ関連で根を詰めていたし、満足にナナイを
いたわってやることもできなかったので、1日か、せめて半日でも休暇が
取れないものかとキグナンにかけあってみることにした。

イカリングのモビルスーツ研究・開発ブースから、ランチ発着場までの
連絡通路に売店がある。昼間しか開いていないのが唯一の難点だが、
新聞・雑誌・お菓子・飲み物から、ちょっとした日用品まで扱っている便利な店だ。
店員はスウィートウォーターから派遣されている若い娘で、なかなか魅力的な
おしりをしていたりする。
「あ…いらっしゃいませ、大佐」
私が近づいてゆくと、かすかに頬を赤くして笑顔を見せてくれるものだ。
きみはいつも元気だな、と挨拶代わりに言うと、ますます顔を赤くしながら
低糖のパック・コーヒーと新聞を手渡してくれた。
「それから…お義理で申しわけないんですけど」
私が持つ新聞の上に、小さな包みをちょこんと乗せる。なんだろうか。
「今日はバレンタインデーなんですよ。でも、ナナイさんには、ないしょ…」
そう言って、小さく舌を出す。ふとアルテイシアの顔を思い出した。顔は
まったくといっていいほど似ていないし、性格もしぐさも異なるタイプなのだが。
バレンタインか…菓子屋の企みによるそんなイベントもあったな、などと
内心苦笑しつつも、ありがとう、と礼を言ってコーヒーと新聞の代金を支払い、
ランチに向かう。

スウィートウォーターの本部に着くやいなや、おかんむりのレズンにつかまった。
ギュネイの態度がデカいだの、そもそも強化人間など必要ないだの、
ハンマ・ハンマを次期主力モビルスーツの候補から除外したのが気に食わない
だのと、日ごろため込んだストレスを洗いざらいブチまけようとしている気配が
ありありと伝わってきた。ちょっとした思いつきで、てのひらを上にして右手を
突き出してみせる。
「……?」
ガトリング砲のように愚痴をこぼしていた口が動きを止め、不意打ちを食らった
ような顔になる。
今日はバレンタインデーなんだがな、と生真面目な口調で言ってみた。
「…ばっ、バカ言うんじゃないよっ! こどもじゃあるまいし…」
レズンは私から視線をそらすと、逃げるようにして足早に去っていった。ほんの
思いつきにすぎなかったのだが、驚くほどに効果ばつぐんであった。やはり私は
ニュータイプなのだ。つくづく自分の才能が怖くなるというものだ。

255:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:31:44
254のつづき♪

やすやすとレズンを撃退できたおかげだろう、私は、足どりも軽く
キグナンのいる執務室を訪れた。
「はあ、1日くらいならどうということもありませんが。ご自身が
なさらなくてもいいような仕事にまで手を出されるから、忙しく
なるんですよ、大佐」
ふだんはイライラさせられるだけの小言だが、今日は不思議と
気にならない。こんなにあっさり許可が下りるんだったら、通信
で済ませば良かったというものだ。
そういえば…最近、みょうに副所長と博士と仲がいいようでは
ないか。なにかあったのか。
「う…く…ぐすん」
急にのどを詰まらせ、鼻をすすりあげる。なんなのだろう。
「機会があれば、いずれ…涙なしには語れないお話です…」
…そうか。まあ、人生いろいろだ。涙もあれば笑いだってあるさ。

相変わらず、ナナイはニタ研の資料とにらめっこをしていた。
「大佐…イカリングではなかったのですか?」
ン…たまには息抜きも必要だろう。急ぎの仕事というなら、
遠慮申しあげるところだが。
「ばかをおっしゃらないでください」
ナナイは微笑むと、机上の書類を手早く片付けて、化粧室に
姿を消した。ナナイを待つあいだ、ソファに腰掛けてぼんやり
していると、行き先もなにも決めていないことに気づいたものだ。
なあ、ナナイ。
「はい?」
どこか行きたいところはあるかな。
「…よろしければ、わたしの自宅へ」
ナナイの自宅…そういえば行ったことがない。よし、決まりだな。
身支度をととのえたナナイが化粧室から出てくる。心なしか、
ずいぶんとうれしそうに見えた気がしたものだ。

256:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:34:20
さらに255のつづき♪

リニアの最寄り駅で降りたあと、バスには乗らず、2人で手を
つないで歩いたものだ。途中でマーケットに寄り、ナナイが大量に
食材を買いこむ。私は荷物係というわけだ。
ナナイの自宅は、アップタウンの外れ、ほとんど自然区画と隣接
している7階建ての小ぎれいなマンションだった。ダウンタウンに
近いところでは、30階建ての高層マンションも珍しくないものである。
指紋・暗証番号・声紋・網膜パターンという厳重なセキュリティで
ガードされたエントランスをくぐり、ナナイのあとについて部屋へ向かう。
エレベーターに乗り込むと、なんとなくそんな気がしていたものだが、
彼女は7のボタンを押したものだ。
高いところが好きということか。
「バルコニーから湖がよく見えるので…」
ちょっとはにかんだ様子で答えたものだ。なるほど。
エレベーターを降りてみると、このマンションは1フロアに2戸口という
造りであることがわかった。外見上はごく小規模のマンションだが、
中身はおそろしく高級ということらしい。

「どうぞ、おあがりになってください、大佐」
なぜか日本風にたたきのある玄関で靴をぬぎ、ナナイが用意して
くれたスリッパをつっかける。左の靴下に穴があいていることはナイショだ。
間取りは4LDK、天井も高い。一人暮らしにはすぎた住まいというものである。
ナナイはキッチンに入り、冷蔵庫を開けているらしい。私が両手の買い物袋を
ダイニングテーブルの上に置くと、パタパタとスリッパの音をさせて姿を
現した。エプロン姿が新鮮なことこのうえない。袋の中身をてきぱきとより分け、
収納してゆく。
「大佐、シャワーをお使いになりますか?」
いや、いい。お先にどうぞ。
「なにかお飲みになります?」
ン…自分で適当にやるさ。
「では…」
ナナイがバスルームに消える。私は、どっしりしたサイドボードの中身を物色
しようとしたが、ふと思いたって室内の探検を始めることにした。

こ、これは…こんなものがあったとは…!
最後にたどり着いた寝室で、私は大量のランジェリーを発見してしまった。
見たことのない下着がいっぱいである。とくに、木綿のパンティが私に深い
衝撃をあたえたものだ。ナナイが…ナナイが木綿のパンティをはくというのか!
念のためににおいを嗅いでおくか。ン…たしかにナナイのにおいだな。
ちょっと…あれだ…かぶってみるか…

257:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:35:26
さらに256のつづき♪

「あの…大佐…?」
おそらく私は、ひとり恍惚の世界へと旅立っていたのだと思う。ナナイの
呼びかけに対して、ふつうに振り向いてしまったのである。
ナナイの顔が上気していたのは、風呂上りのせいだけではなかろう。
「ショーツは…頭にはくものではありませんが…」
ああ、わかっている。なんだか知らんが、無性にかぶりたくなってしまった
だけだ。魔が差したというべきかな。そもそも、おまえがふだん綿をはかない
からこういうことになってしまったのだぞ。
「………」
奇妙に平静を保ったまま、私はかぶっていたパンティを脱ぎ、もとどおりに
タンスの中にしまいこんだ。

ナナイ手製の夕食は、ザビ家おかかえのシェフですら文句のつけようがない
であろう、素晴らしいものであった。イカリングに泊まり込み、一般兵に
混じって食堂のメシをがっついていた身としては、じつにひさしぶりに味わう
類の食事である。
「新生ネオ・ジオンの総帥たるお方が…」
ナナイが食事の手を止め、憮然とした表情でつぶやいた。
私がいささか特殊な趣味の持ち主だということはわかっているハズだったが、
さすがにさっきのはショックだったようだ。
悪かった。じっさい、私が悪かった。だが、べつに発狂したとか、そういう
ことではないぞ。私の知らないおまえが見えたようで、興奮してしまったと
いうことにすぎんのだ。
「…これからは、なるべく外でも…その、綿を着用するようにいたします…」
諦めたようにナナイが言った。わかってくれたということでいいのかな。

食後、デザートとして銀のボウルが出てきた。すっかりいつもの彼女に戻った
ナナイが、うれしそうな表情でボウルを持ち上げる。現れたのは、きれいに
デコレーションされたチョコレートケーキであった。
ああ…そうか。今日はバレンタインデーだったな。
「ほんとうは、今夜イカリングに送り届けるつもりでいたのです。でも、こういう形で
お渡しすることができて、とてもうれしいですわ」
ナナイが笑う。まぶしいほどの笑顔を見せる。

…私は、つくづく自分は幸せ者だと思った。私には、ナナイという心のオアシスが
ある。どれほど深い傷を負おうとも、このオアシスに帰りさえすれば、たちどころに
傷は癒えるに違いない。

258:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 13:32:03
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

 イカリングで大佐と一緒に飯を食う機会があった。気さくな人間を演出されているようだ。
我が同志との会合で示されるような、凛とした雰囲気などどこにも無い。
 小娘とのふれあいを演出したり、ナナイ所長をたらしこむためにいろいろ・・大変なようだ。
まるで別人のように見えるから不思議なものだ。

 私が・・最後に女性と親密な関係になったのは、いったい何年前だろうか。
ふと思い返して、苦い気持ちになった。彼女もソロモンで、乗艦と共に散華したのだったな・・。
黒い髪の美しい人だった。

・・われらは彼の行動、記録を逐一監視しているのだ。大佐は我々を駒と
考えているようだが、そうではない。我らの目的の駒として大佐はいるのだ。
・・情報宣伝関係の連中から、大佐の歌をはやらせて見てはどうかという
発案があった。まあ、そこそこ叙情的な歌詞のようだ。庶民の英雄、か。
まあやってみればいい。

 私個人としては、モビルスーツ開発がニュータイプだの、強化人間だのという
金のかかりすぎる特殊兵にのみ偏って行われていることが不満である。
あんなものは、張子の虎だ。

 少佐が最後に乗っておられた、大型MAのようなものであれば連中を乗せるに適当だろう。
少しそちらのほうに議論を誘導するように手配をしてみることにした。
 パイロットの能力を生かすには、ごてごてした飾りなど必要は無い。質実剛健、これに尽きる。
アナハイムから入手したプラン、これで十二分に我らは戦うことができるのだが。

・・・リックドムIIの堅い操縦桿が思い起こされてならない。





259:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 13:56:30
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 キャスバルの日記

 ここしばらく、打ち合わせの通り普通の人間を演出するためいろいろやっている。
ふと、下着をかぶってみたくなったのには後で情けなくなった。
甘いものも好みではない。酒も控えることが多くなっている。
日本酒に盛り塩が本来の私の趣味だ。

 機関の人間に軽く診察させると、以前の強化と、本来やりたくないことを
無理して演じていることへのストレス反応だろうという。こういうことを
繰り返さなければ人心は把握できないのだろうか。面倒なことだ。

 色情狂で絶倫、ロリコンで復讐の鬼で、戦闘マシーンのテロリストのシャアを
大人の常識人で、優しさと気配りを旨とする救世主に見せかけるなどと・・。
まあ、そういうことだ。

 あまり無茶なことをナナイにできなくなってきた。今はショックからの
回復期だから、より強烈に刷り込むためにはやさしさを演じろと
いうことなので、代わりにレズンを呼びつける。内密にだ。

イカリングでモビルスーツ開発のデータ採録に張り付いていた、
ということになっている。記録もすべてそのようになっているのだが・・
場末のバーの奥の粗末な部屋で、レズンと格闘していたわけだ。

・・レズンには少々気の毒なことをしているのかもしれない。
首を絞めたり、殴ったり、書くのを憚るような滅茶苦茶な事をやってしまった。
それでも音を上げないのは、同じパイロット同士の共感もあるのだろうか。
・・そうやってストレスを発散しても時々頭が痛くなる。

こんな茶番はいつまでもやっていられない。

 モビルスーツの開発などは、士気の維持のためにやらせているに過ぎない。
私はアクシズ系の機体が好みではない。やたらと強化人間を作りたがる
連中もだ。だからアナハイムに手配をさせている。サイコミュなどなくても、
私は奴に勝てるはずなのだ。

今度の戦争では兵器にさほどの意味など無い。質量がすべてなのだから。
軌道にあることそのものが力になるのだ。

待っていろ、アムロ。



260:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/12 14:18:18
議長腹黒^^

261:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 16:31:14
~ギュネイ・ガスの手帳~

宇宙世紀0089 2月某日 月曜日
ついに大佐から殴られた数の累計が3桁の大台にのる。
畜生、俺がなにをしたっていうんだ!
いつか倍にして返してやる!

今日のキュベ女 
1号店アイナたんと兄妹設定
「兄様!」と呼ばれるとグッとくるのは俺だけじゃないはずだ
ふっ、もう会員カードはVIPの証であるゴールドだ  

宇宙世紀0089 2月某日 水曜日
今日のサイコミュ・コントロール訓練で、
3個のファンネルの操作に成功!
ふん、大佐なんて目じゃねえ!

今日のキュベ女  
新規オープンの3号店は連邦軍の女性仕官も始めたらしい
店長おすすめの金髪さんと、お姫様と従者設定
「おやめなさい」って言ったかと思えば
数分後には「ああ・・・良くってよ・・」だとさ
へへっ、連邦もいいもんだ

宇宙世紀0089 2月某日 金曜日
今日の模擬訓練で5機撃墜。
ちょっと不調だ
ふん、本番がんばりゃいいんだろ!
俺はやるときはやるぜ!

今日のキュベ女
3号店でミライという子と、お隣の若奥様設定
顔も体型も・・・微妙だ
でもアエギ声はよかったな

262:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:20:07
宇宙世紀0089 2月某日 土曜日

手帳を落とした。なぜか所長に拾われた。
無言で返してくれたが・・・。

今日のキュベ女
すべての店に出入り禁止になってる。
ふざけんな!
発散すると能力がおちるだとぉ?
悔しいので赤提灯で飲み明かす。
裏道の怪しいネオンに誘われて・・。

ち○こが痛い。
マジでやばい。どうしよう・・。





263:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:40:27
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

恐れていたことが現実になった。
ギュネイの猿が、回復不能な病気になった。いやもちろん直るのだが、
作戦に間に合わないのでは仕方が無い。破棄を決定する。
代用のクローン素体への記憶複写を開始するが、どうにも・・・
強力なロリを大佐の人格から複写して解決することにした。
私も全身の消毒と検査を受けた。幹部全員もだ。
緩みすぎた綱紀を粛正する旨、大佐に強力に進言する。

ギュネイ猿の悪行で悩むことだけは先々無いだろう。
オリジナルは、暗礁空域に少し食料と水を与えて放逐した。
運がよければ、どこかの船かジャンク屋あたりが拾ってくれるだろう。

記憶なくした病気の猿だが、殺すには忍びなかった。
さよなら、ギュネイ・ガス。


264:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:51:28
~ギュネイ・ガスの手帳~
宇宙世紀0089 2月某日 土曜日

手帳にメモを取る習慣などなかったはずなのに、
なぜかこんなものがある。
確かにこれは俺の筆跡なんだが。
誰かの悪いいたずらだろうか。ちょうどいいから
使わせてもらうことにした。

読み返してぞっとする。

俺は年逝った女になぞ興味は無い!女は10代だ。
髪が長くてスレンダーな白人の女の子が好みだな。
第124期のもーむすなんかもいいな・・あの真ん中の子。

うん、いまテレビにちらっとうつった
連邦高官だかの娘の女の子。
はっきりいって、もうちょっとしたら俺にちょうどいい。

汚い大人の女なんかごめんこうむる!
俺は、俺はニュータイプにしてもらうんだ。



265:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 18:20:02
職人さん乙!

それにしても、今回はナナイひでーw

266:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 23:25:31
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

迂闊だった。大佐に私の正体が判ってしまったかもしれない。
ギュネイオリジナルに過酷な仕打ちをしすぎてしまった!
取り返しがつかないかもしれない・・・。

「そういう仕打ち、まるでハマーンのような潔癖さだな・・」

驚きました。あなたはだませないのですね。
整形し、髪の色を変え、指紋や遺伝子コードのデータベースまで念入りに
細工したのに・・。ああ、私のシャア!生涯只一人の愛しい方。
もう愛してはもらえないのですか。あなたのために、ザビ家もネオジオンも
すべて差し上げましたのに!

・・・パニックに陥るとは情けない。
今の私はナナイ・ミゲル。ニュータイプ研所長であなたの愛人。
あなたと共に地球を滅ぼす者。
それで、十分です。シャア。

呼び出しがあってほっとしました。
私はいつまでも、あなたのものでおります。
その名も姿も、失ったとしても・・・。






267:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 23:32:30
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 シャアの日記

キュベ女のプロの女達との接触を禁じるとは、ナナイも愚かなことをしたものだ。
彼女達は衛生教育が行き届いているから、幹部御用達にしているのに。

猿に女も抱かせなければ狂ってしまうだろう。あの年頃はみなそうだ。
カミーユを見ろ。あれだけの美女に囲まれながら全員お預けだった。
とうとう自分を見失ってしまった。
あれだけの資質がありながら、残念至極だ。一途な女なのだろうか
あれも。ふと、そんな女が昔いたことを思い出した。

ハマーンだ。私も若気の至りでひどいことをしたものだが・・・。
私の愛を一時は受け入れてくれていた。
敵に回ったのも、潔癖さ故のことだったな。

さて、イカリングに行くとしよう。
・・・・兵達が待っている。



268:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 07:55:06 085IOkhF
大佐!おはようございます。

269:シャアの日記
05/06/13 08:06:24 db5cDMwD
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=うすぐもり

…最近、背中に視線を感じる。いつ、どこで、なにをしていようとも、
そう…トイレの中にいるときでさえ、ふと気づくと誰かが見ているのだ。
いったいどういう連中で、誰の差金なのか。

この1年間というもの、本部施設が我が家も同然であり、私専用の
生活空間というものもあったのだが、ナナイの自宅に空き部屋が
あることだし、四六時中何者かに監視されることにも嫌気がさして
いたので、思いきってナナイの部屋に転がり込んでみようかと
思いたった。

「このところ、こちらにいらっしゃることが多くなりましたね、大佐」
ギュネイ絡みでなんかゴタゴタしていると聞いたものだが、ナナイは
いつもと変わらない様子だった。
ン…まあな。よく考えたら、べつに私が手を出さずとも新型モビルスーツ
の開発に不自由はないだろうしな。アナハイムの協力もあることだし。
「今日の夕食はどうなさいます?」
ああ、それなんだが…と相談してみると、ナナイは大いによろこんで
私の同居に賛成してくれた。世間一般では私のような男を<ひも>と
呼んで蔑むようだが…私はニュータイプだしな。まあいいか。

はじめて定時でタイムカードを切り、ナナイと一緒に本部を出ようとしていたら、
一階の受付ふきんでレズンとすれ違った。目を三角につり上げてナナイを
にらんでいたが、いったいなんなのか。私のほうから「おさき」と言ったにも
かかわらず無視しやがった。そんなに定時で帰るのが気に食わないか。
ナナイもナナイで、レズンにあいさつすらせず、氷のように冷たい表情で
彼女を見返していた。なんだかこわい。仲悪いのかな、この2人。
「生理的にあわないのです」
とにべもなくナナイが言う。ちょっとレズンが気の毒になったものだ。

ナナイが「歩いて帰りませんか」というので、リニアにも乗らずてくてく歩く。
この季節は、定時をすぎるともう真っ暗だ。ダウンタウンは人も多く、
ネオンやらなにやらで賑やかだが、アップタウンに入ると途端に静かになる。
どこかで犬が遠吠えをあげ、カレーの匂いが漂ってくる。ぎゅるるる、と
私の腹が鳴り、ナナイがくすっと笑った。
「今夜はカレーにしましょうか」
そう言って腕を絡めてくる。ナナイの作るカレーはうまそうだ。なんだか辛そうな
イメージが湧いてくる。辛いのは大好きである。
相変わらず何者かの視線を感じていたが、どうせナナイのマンションまでの
辛抱だしな。

こんな生活もいいものだ、と思った2月某日であった。

270:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 08:07:03
>268
おはよう。そしておやすみ。

271:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:29:09
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨

 表面的にはまるで家庭人や、まあヒモ生活をしている私である。
内にこもる衝動が、数日置きに抑えられなくなる。モビルスーツに
乗ることができる日はそうでもないのだが・・。
 そんな日だけ、レズンを呼びつける。訓練用の機体、そう今は
ネオジオンの置き土産のガザ系の軽いものを使うのだが・・
コックピットに一枚のバラの花びらを置いていくのだ。
下手に直接連絡を取ると足がつく。
 近寄るものは殴る、といった様子でレズンがいつものバーにやってくる。
当然、Closedの看板が出ているにもかかわらずだ。いまは私以外だれもいない。
戸締りを確認した後、地下のシェルターブロックに入る。
ここであれば、遮蔽も完璧である。ここまで二人とも無言だ。
 「シャワーだけは浴びてくださいね、シャア。」
ナナイの匂いがするのだけはたまらないらしい。適当に受け応えして
シャワーを浴びる。もう我慢できない。
 寝室に戻ると、体を拭くのもそこそこに、レズンに襲い掛かる。
鍛え上げた贅肉の少ない体を十二分に楽しむ。今日は3度も・・。
最後に意識がなくなるのは、なぜだろうか。
気がつくと一人でベッドに横たわっている。
レズンはまた先に引き上げたようだ。

272:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:40:25
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 レズンの日記

・・組織の命令だから仕方が無いが、所長と男を共有する羽目になっている。
私のほうが、あの獣の相手には向いているのに。なぜさっさとあの女狐を
更迭してしまわないのか不満だ。
 パイロットの事はパイロットに任せればいい。大佐はまともな人間じゃない。
あの方の中には御しがたい狂気がある。そうでなければパイロットなどできない。
お互いに自分が生き延びるために、たくさんの人間を殺してきているのに。
たかだか下らない奴が発した命令のために。

「・・・血まみれの雄と雌だ、つがいにするにはちょうど良かろう。」

 あの気味の悪いガチガチのジオニストに、事が終わったら必ず連絡を入れなければいけない
のもおぞましい。私の体も、冷たい目をしたあの医者どもの検査を毎回毎回受けるのだ・・。

「・・・・戦争が終わったら、ナナイを必ず殺す。」

組織にも約束は守ってもらう。シャアは私のものになるのだ。今は耐えてやる。




273:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:49:39
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の行動記録を眺めることが、苦痛になってきている我々である。
腑抜けになっているのではなかろうか。そういう意見もある。
オオイシクラノスケ、だったか、旧世紀の物語を例にとって解説した者がいる。
今の大佐は、腑抜けを装い、人心に不安でなく安心と・・油断を植え込んでいるのだと。
そう信じたいが、只の色情狂に見えないことも無い。
主な女二人を憎しみあわせ、ほかでもご乱行の限りを尽くしている。
以前、ささやかなふれあい、とやらを演出した売店の娘も・・・
その、毒牙にかけてしまった。あれでは獣だ。普通の女性は近づけられない。
レズン同志は良く耐えている。理想と・・彼に愛もあるのだろうか?

彼の人格は、すでに破綻しているという専門家もいる。
暴力衝動が恒常的に心の中を支配しており、戦場で人殺しをするか、
女を屈従させて満足するか、そうしていないと発狂してしまうからだとか。

大義の為、働いてくれるならどうでもよい。
我らの手はすでに血まみれだ。一年戦争の地獄よりずっと。
我らは準備を進めるだけだ。

あの星の屑のように。



274:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:59:58
宇宙世紀0089、2月某日、イカリング 天気=なし

今日は定例ミーティングに参加する為に、イカリングを訪れていた。

普段なら当然所長が出席するのだが、今回は例の汚染騒動の直後という事もあり、
所長が研究所不在という訳にもいかず、副所長の私が代理に出席する事になった。

連邦の派遣軍滞在中は、一時休眠していたイカリングだが、今は再度火が灯り皆慌ただしく活動を再開している。
そういえば彼も今、サイコミュの部品加工の為にこちらに渡ってきている筈だ。
ミーティングが終わったら陣中見舞がてら、尋ねてみよう。

そして・・・

ミーティング終了、大佐の補佐役としてミーティングに参加しているキグナン氏と合流、彼の陣中見舞の話をすると即答で同行するとの事である。


ただ、氏の場合は陣中見舞を名目に酒宴を開きたいだけのような気もするが・・・
まぁ私も同じような事を考えていたので構わないんだが
と、心の中で苦笑しながら私キグナン氏と共に宙港売店へと歩を進めた。

以降次回に続く…

275:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 16:07:43
宇宙世紀0089、2月某日、シャングリラ 天気=晴れ ヤザンの日記

ゲモンのおっさんのところに世話になって久しい。ティターンズはほぼ壊滅、
原隊復帰などしようものなら投獄、悪くすれば処刑だ。
Zを盗み損ねたのは失敗だった。あれ以来チャンスはめぐってこない。

ここでジャンク屋をやっていくのもいいかもしれない。ゲモンとは馬が合う。
流れてきたハイザックを修復できたのは幸運だった。あれは扱いやすい。
今のところの俺の大事な飯の種だ。たまにお金持ちがホビー用途に買いに
くることもある。値段が折り合わないからまだ売っちゃいないが。
今日、おかしな奴をデブリと一緒に拾い上げた。
ネオジオンのハードスーツ姿の餓鬼だ。まだ息があったから医者に見せてやった。
軽い淋病らしい。笑った。なんで酸素欠乏とかじゃなく、淋病なんだ。
目を覚ましても一言も言葉を発しない。

モビルスーツには異様な興味があるようだ。こいつ、強化人間か?
そうであれば納得がいく。強化人間連中には技術者が付きっ切りで
面倒見ていたからな・・・。薬が切れればこんなものか。
ゲモンはこいつも置いてやる気らしい。強欲でなければいい奴なんだが。

とりあえずこいつは・・モンキーと呼んでやる事にした。いい名だろ?

口は利かないが言われたことぐらいはできるようだ。部品清掃が
奴の仕事になった。油まみれでも結構良く働く。

飲みに連れて行ったら、金髪の女を見たとたん怯えてガタガタ震えだし、
泡吹いてぶっ倒れた。・・・・なんなんだこいつは?




276:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 20:23:56
>>274の続き…

宙港の売店で大量に酒とツマミを買い占めた我々は、彼が詰めている工房を訪れた。
余談ではあるが、流石に今回の支払いは自腹である。
キグナン氏も前回の件で懲りたようだ。


我々が研究室を尋ねた時、彼はちょうど上がってきた部品の精度をチェックをしている所だったようで、
暫らくこちらに気付かず検査作業を続けていたが、一段落し予期せぬ来訪者の我々を見て驚き、
その後の作業を中断して我々を出迎えてくれた。
彼は部屋の中を見回し、我々2人の為に席を作ろうとしたのだが、何処も書類や資材が山積していた為、
この部屋での居場所確保を苦笑混じりに諦め、各部署の担当との打ち合せに使う会議室へと移動する事になった。
別室へ移動後、私とキグナン氏は売店で買い占めた荷物の山を運び、缶ビールで早速乾杯し
一本目のビールを一気に飲み干した。
そして彼は差し入れの山を見て何か思いついたのか、内線で幾つかの部署に連絡を入れてた。

277:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 20:44:43
>>276の続き…

内線が終わると、キグナン氏が彼に何かの資料を渡し、確認を頼んでいた。
彼はリストに目を通しながら歓喜の声を上げていた。


私はキグナン氏に何の資料か尋ねてみると、今日の会議でも報告されていた、アクシズ派遣艦最終便の
救助者名簿である事を教えてくれた。

救助者名簿の中に、事前に作成してあったリストで見たNT研究員の名が幾つかあったので、
その中に彼の知り合いが居るかどうかを確認して貰いたかったそうだ。
あの様子だと知り合いの何名かは、無事に救助されたようだ。


・・・彼の嬉しそうな顔を見るのは、初めてかもしれないな


やがてリストを一通り読み終えると、彼は名簿にチェックを入れそれをキグナン氏に返却しながら、彼らとの面会を依頼した。
キグナン氏はビール片手にリストを受け取りながら、近日中の面会を快諾していた。


そんなやりとりをしている内に、何やらぞろぞろと人が入室してきた。
集まってきた人々は所属も役職もバラバラで、胸につけているIDカードを見ると、設計部・開発部・資材部、
果ては工場部の人間まで含めて、あっという間に総勢二十名程の大所帯になってしまった。

278:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 21:31:17
>>277の続き…

私は彼に突然やってきたこの技師達の事を聞くと、彼らは全員サイコミュの製作に協力してくれている
技師達という事だった。

暫らくして呼んだ技師達の大半が揃ったのを確認すると、彼は改めてこの場に集まった技師全員に、
日頃の協力への感謝の言葉と差し入れした私とキグナン氏への感謝の意を表し、全員で乾杯をし当初
予想していた以上の賑やかな酒宴が開演した。


突然呼び出された技師達も最初のうちは皆お互いに挨拶などしながら遠慮がちに飲んでいたのだが、
部署は違えどやはり仲間意識があるのだろう、時間が経つにつれ皆打ち解けていった。


そんな中、私はスウィートウォーターの屋台の親父から預かった封筒を彼に渡した。
中身は一枚のディスクである。
念の為に内容を確認したのだが、その中には一年戦争後に宇宙で行なわれた
連邦の子供狩りで集められた子供達の名と写真が記録されていた。


以前、彼が研究所で見た過去のデータは各研究所で登録された事のある者のデータであり、
その事前段階である適性試験を通過したごく一部のものでしかないのである。
適性試験以前のデータはニタ研の管轄外であり、私には入手不可能であったのだが、
屋台の親父は昔の仲間のツテを頼りに何とか掻き集めてくれたのである。
これが彼なりの贖罪なのだろう。


私は内容は知らない事にして、彼に暇な時に見てくれといってそのディスクを渡した。

279:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 21:53:05
>>278の続き…

我々三人も最初は互いに近況報告と日々の愚痴など溢しながら飲んでいたのだが、
私はふと思い出し彼に人類史上初のサイコミュの話を振ってみた。
その開発に携わっていたと、彼の口から聞いた記憶がある。

すると彼は、苦笑いを浮かべながら語り始めた。


・・・最初のサイコミュシステム
実はそのシステムの増幅器に使われていたのは旧時代の技術である真空管だった・・・
と。


真空管を使ったきっかけは、フラナガン所長がキシリア殿下に取り入ろうとする
骨董品好きの将官への嫌がらせとして、彼のコレクションをサイコミュの実験対象として
接収解体して適当に試してる時に偶然発見したそうだ。
しかも実戦での運用には真空管が大量に必要だった為に小型なMSに搭載する事が出来ず、
巨大なMAに搭載して運用するしかなかった。
更に上層部はこの事実を搭乗者に知られるのは心理的に悪影響が出ると判断し、
図面上の真空管スペースにはサブジェネレーターが搭載されている事になったらしい。
・・・流石のキグナン氏も絶句である。
終戦末期に足のないMAに乗り戦ったという大佐が聞いたらどんな事になるのやら・・・
因みにこのシステム、改良を加えデラーズ紛争直後まで現役だったそうだ。
しかし、彼の話はこれで終わりではなかった。


それから7年、今回のグリプス戦役の最中、破損遺棄された連邦の巨大可変MSを
アクシズが回収調査した所、この機体のサイコミュもなんと真空管増幅式であった。

それを見た仲間の一人が昔、連邦の将軍が演説でジオンに人なしだの言ってたのを思い出し、
本当に人材不足だったのは今も昔も連邦の方だろう・・・
にと呟いていたそうだ。

280:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 22:25:33
>>279の続き…

そんな裏話を終えた後、大佐という言葉でキグナン氏が何かを思い出し頭を抱えていた。
キグナン氏に何を思い出したのかと聞いてみると、氏は引きつった笑顔を見せながら話し始めた。

先月大佐から指示され実施した、次期汎用MSの基本デザインのアンケート結果が
とてもじゃないが提出出来ない結果になってしまったとの事。
何でも、イカリングに勤務する全員を対象に無記名でアンケートを実施したところ、
なんと一位がガンダムタイプという結果になってしまったのだという。
そりゃマズいな、と3人でぼやいていると近くで飲んでいた若い設計技師が
我々のところへやってきてそんな結果になった理由を教えてくれた。


・・・実はその集計結果は、匿名性を利用した大規模な悪戯だと判明したのだというのだ。
主に下士官級が利用する匿名掲示板に一時期
【ネタ?】アンケートでガンダムタイプの一位を目指すスレ【マジ?】
というスレッドがあったらしく、それを見た多くの下士官がガンダムに票を投じたのだろうという話である。


・・・恐るべき掲示板の力である・・・


次は記名投票にすれば祭りにはならないと助言された。

キグナン氏は若い設計技師に感謝をし、目先の心配事が消散した為か更にピッチを上げて飲み始めたのであった。


・・・アンタ、明日も仕事あんのに大丈夫か?
とは思ったが、口には出さずにそれに付き合う明日は休みの私であった。

281:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 00:31:42
宇宙世紀0089、2月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

サイコミュ製造の際に真空管が必要だったのは、純粋に技術的な理由からだ。
フラナガンからもそう聞いている。増幅するのは人の思念であり、電気信号では
ない。オカルト的な要素かとも思ったが、精神波というものは特性が
まったく電磁波と異なるものだそうだ。そのあたりを徹底しないと、
増幅がほとんど必要ない真のニュータイプにしか扱えない装置を作ってしまう。

強化人間が使う可能性のあるものは、どうしても大型になる。
私は今回、そういうものを使う意思はあまりない。ギュネイにしても、
あの猿は遺伝的に資質があるから使ってみるだけのことだ。
サイコミュに対する真実を知るものが少なくなるのは良いことだ。
あの兵器は、今作戦終了後、技術を含めて廃棄するつもりだ。
もちろん、副所長と、あの研究者・・彼らにも消えてもらう。
それまではせいぜい励むことだ。

モビルスーツに関しては、アナハイムの営業マンがいい案を持ってきた。
アンケートなど行ってみたが、もともと他人の意見など聞く気は無い。
今回は、旧世紀の映画のドイツの鉄兜が気に入ったので、
ザクにそれをかぶせることにする。中身はアナハイムに任せる。
基本線はそんなところだ。

ウォンさん、格下げで営業回りになっていたとは驚いた。
昔のよしみだ。値下げしてくれるなら発注もしよう。接待もよろしくたのむ。
月に行くのが楽しみだ。







282:シャアの日記
05/06/14 07:01:44 KTi3oOJM
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ

セキュリティばつぐんのナナイのマンションに転がり込んでからは、さすがに
ピーピングの気配を感じることは少なくなった。が、完全に消えたわけではナイ。
一歩外に出てしまうと、「待ってました」とばかりに背中に視線が刺さる。
その視線から感じ取れるものは、怒りと激しいイラだちのようだ。誰かが私の
私生活について不満を抱いているということなのか…
振り返ったところで誰がいるハズもなく。気配は感じられても、その源を特定する
ことまではできないとは、ニュータイプというのも良し悪しだな。

イカリングで艦船開発部を仕切っている技術将校が、とびっきりの情報を
仕入れたので来てほしいと連絡してきた。グリプス戦役のどさくさにまぎれて
アナハイムにもぐり込み、かなり広範な部署にわたって人脈を築いたという
有能な男である。
「お待ちしておりましたよ、大佐どの」
うきうきしているのが一目でわかったものだ。容姿端麗ながら、じつに人あたりの
よい男である。このアンバランスさが人ウケのよさの秘訣であろうか。
あいかわらずのようだな、レウルーラの工程はどうか。
「全工程の5パーセント足らずですがね、そんなことはどうでもいいんですよ」
自分の仕事にも関わらず、ほんとうに他人事のような口調で言い放つ。
そこまで言うならくわしく聞きたいものだな。
「アナハイムの艦船開発局にコロンバスという技術屋がいましてね、おれは
ロンバスって呼んでるんですが、がきの頃はコンパスとも呼ばれてたみたいで…」
…そこまでくわしくなくていい。
「おもしろいのに。で、このロンバスなんですが、違う部署のお偉方からバクチの
カタに極秘情報を聞き出したそうなんですよ」
お偉いさんがバクチだと…それで?
「よく聞いてくださいよ。連邦軍の一部勢力が、ティターンズやニューディサイズ
みたいな大規模テロの再発に備えて、対テロ特殊部隊の設立に踏み切った
そうなんです」
ほう…初耳だな。それで?
「まだ下準備の段階なんで、そっちはまだこれ以上の情報はないんです。
重要なのはむしろこれからで…」
まったくもってよく回る口だな。いいから手短に話せ。
「んじゃ手短に言いますが、連邦宇宙軍の戦闘艦艇が一新されるんですよ。
その手始めが、さっき言った特殊部隊用の戦艦と巡洋艦ってわけです」
…なんと。とうぜん、スペックに関するデータはあるんだろうな?
「おれを誰だと思ってるんですか。いいですか、この情報をロンバスから
聞き出すのに、むこう半年分くらいの貸しをチャラにしたんですからね」
わかったわかった、臨時ボーナスを出すよ。それで?
「ぶっちゃけ、レウルーラの万能指向とムサカ級巡洋艦のダウンサイジングは
論外と言わざるをえませんね。戦争に負けたいって言うんなら止めませんが…」

1時間後、私はスウィートウォーターに向かうランチの中で頭を抱えていた。
われわれの動きが連邦に察知された気配はまだないが、むこうもただ漫然と
時間を浪費しているだけではないということか。

それとも…アムロ…ブライト…貴様らが動いているというのか…

283:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 10:28:54
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ シャアの日記

よく考えてみたら、何も楽なことは無い。マンション内ではナナイにばっちり
監視を受けているのだ。トイレで気張りながら鼻毛を抜いていたら、あとで
ナナイに物凄く怒られてそれが判った。
鼻毛を抜くのも自分の仕事だと言っている。なんということだ。
イカリングや、ほかの施設で勝手に飲み食いするのも止めろという。
便の検査もしているから、おかしなものを食べればすぐわかるらしいのだ。
これでは籠の鳥だ。私は自由な男なのだ。

レウルーラを初めとする、新規艦隊の建造をとりあえず中止させる。
よく考えてみたら、敵もアナハイムに発注しているのだから、こちらも
そうすればいい。アナハイムとしては戦争を長引かせて儲けたいはずだ。
つまり、少数精鋭にならざるを得ない我が軍の装備に力を入れるという
ことになる。我ながらいい考えだ。

ウォンさんに、戦艦建造の見積もりを依頼する。大喜びでプランを出してきた。
やはり、すでに計画していたと見える。但しサイコミュ搭載兵器は
ろくでもない大型機ばかり持ってきていた。あれでは困る。
金ぴかのサイコ百式、あれには閉口した。私の専用機ということだが。
手足引っ込めたら只の金塊ではないか。

イカリングでの開発は、サイコミュ搭載兵器とサイコミュのみに絞る
そういうことに決めた。

連邦の新部隊、対テロ特殊部隊ということだったが、内実はジオン残党狩り部隊らしい。
これは、ティターンズの再来か?
港ブロックの通路で、偶然金髪の少女とすれ違う。アルティシアに似ている。
思わず欲情してしまった。あとで所在を調べてみよう。ここの女性も
すべて私のものだ。と、偶然レズンに見られていたらしい。
街路ブロックに出るや、エレカーに無理やり乗せられ・・・。
いつもの通り一人で目覚めるとそんな元気は、完全に失せていた。

マンションに戻ると、露骨にナナイがいやな顔をして、バスルームに
放り込まれた。大量の洗剤を無造作に束子につけて、体をゴリゴリこすられる。
シャワーかとおもったが、泣いているようだ。

こんなことをしてばかりでは、戦争には勝てない。ふと思った。
アムロ、ブライト。私は阿漕な快楽に浸っている。悔しければ私を感じてみろ!

~同日同刻~
アムロは、ベルトーチカにグーで殴られていた。新しい技術副官との浮気がばれたのだ。
彼女が荷物をまとめて、出て行ったのはその日の午後である。
「親父にだって殴られたこと無いのに!・・まあいいか」
楽しげに彼女へのコールを行うアムロである。「・・チェーン、約束どおり別れたよん♪」

・・亡くなったエマリーの遺品を整理するブライトに、ミライが激怒。
ブライト家ではより凄惨に、その情景が繰り返されていた・・・。
「痛いイタイイタイ!」「浮気してたなんて許せません!」
「お父さん!」「チェーミン、そこの消毒薬とって頂戴!」
・・・・ちなみに、ブライトは無実だ。







284:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 10:59:13
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ カリウスの日記

監視が効を奏した。あの獣、いや大佐の乱行を未然に阻止したのだ。
金髪の美しい少女、あとで確認すればまだ14歳ということだったが。
彼女の貞操を救ったのだ。我々は正しいことをしたと信じる。

・・レズン同志もまあ、楽しそうにしていたからいいんだろう。
どうして彼女が即応できたのかはちょっと疑問に思ったが。

イカリングでの経費無駄遣いに眉を顰めていたが、アナハイムへの
手配などもうまく進んでいるようだ。我々の望む質実剛健の編成が
進んでいる。ジオンの兵器は、バリエーションが多すぎた。
交換部品不足、熟練不足でどれだけの兵が泣いたことか。
今回は、単独の扱いやすい機体で十分だ。名機ザクを思わせる機体が
採用されるかもしれないらしいが・・。

私個人は、リックドムIIをリファインすれば使えると、まだ思っている。
石ころを落とす作戦になるはずだ。護衛だけなら十二分に・・。

サイコミュだか、異常な強化兵やらニュータイプ兵やら、そういった
特殊な兵への装備、練成は、イカリングでやらせてもかまわないだろう。
戦場での勝敗の帰趨は、我々プロの兵士が常に握ってきたのだ。


285:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 20:02:54
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ キグナンの日記

大佐が最近大人しい。残念でならない。しかも真面目にコストとか、戦場での戦艦運用とか語ってくる。
そんなことはこっちで何とかする。客寄せのパンダを演じてくれていればいいんだ、今は。
実務なら専門家が沢山いる。リーダーは君臨しててくれれば・・。

まあなんだ、こちらの迷惑も考えてほしい。ネオジオンには年金制度は無い。
無いんだから備えなきゃいけない。
大佐の戦闘データとか、それをCGにしたアニメとかは結構値がつくはずだな。
そっちは戦争始まってからでも・・まあ準備に抜かりは無いが。

今は軍を起こし始めてからの各種・・その御乱行の数々を記録した
マニア向けのポルノが結構売れ線だ・・・しかし最近頭打ち。残念だ。
最近はレズンとの肉弾戦しか撮れない。あれはプロレスみたいだと、一般受けしない。
こっそり観たいその辺のおっさん達には、声が凄まじいし刺激も強すぎる。
俺も観た事があるが、人間技じゃない。なんというか、動物の交尾だな。
双方失神するまで・・体壊さないか本気で心配だ。

レズンはよく妊娠しないものだ。なんというか、所長の隙を見て
獲物掻っ攫っていく、そういう感じだな。猛禽だあれは。

この間の売店の女の子を・・・その何するのは結構ソフトでいけていた。
「シャア・アズナブルの素人ナンパ(売店の女の子 その1)」ってタイトルで。
ダウンロード回数は結構伸びた。軍用の暗号化してあるからコピーはできないし。
売り上げもまあまあ、エレカー一台分にはなったかな。
あれもしばらくは稼いでくれるだろう。

あの手のシリーズをもっとほしい、という要求もおおいんだがな。
チャンスだったのに。ナナイのマンションはその手の事は不可能だし・・。

盗撮したら、俺処刑されるだろうか?
ちらっとギュネイ・オリジナルの最後を思い浮かべたキグナンだ。
少し顔色が悪くなる。

・・・俺はもしかすると、犯罪者だったりするのか? 
・・・小銭稼いで老後に備えても罰はあたらんだろうよ?

そんなことを考えながら、一人イカそうめんを肴に一杯やっているキグナンである。
いまだスウィートウォーターは平和だ。

286:キグナンの日記
05/06/15 01:43:46 k3B7EVkW
宇宙世紀0089 イカリングにて

最近 大佐が「アムロは今 何のMS乗っているのか 調べろ」との事。

一体大佐は何を考えておるのやら…。

287:シャアの日記
05/06/15 07:33:48 ow3BRxXQ
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=くもり

最近はなみずがよくでる。くしゃみも多いし、目もかゆい。医務室で
診てもらったら花粉症だと診断された。U.C.以前の日本人がおおぜい
苦しめられていたらしい。慢性化したときの症状を聞いて正直ぞっとした
ものだが、いまは抗体抑制の注射だけで完治するという。
さっそく、グラマーな看護婦に注射を打ってもらった。目の前でゆれる
Dカップを注視していたかったのだが、はなみずがたれてくるので泣く泣く
天井を眺めているしかなかった。注射の効果があらわれるまでには、
長くて半日くらいかかるという。

執務室で鼻をかんでいると、山のような書類の束を抱えたキグナンが
やってきた。このところ、私の一挙手一投足にまで目を光らせ、小言を
飛ばすようになっている。やたらと神経を尖らせているようだが、連邦の
外郭新興部隊設立の情報のせいだろうか。
ためしに、鼻をかんで丸めたティッシュを投げつけてみる。とうぜん、
ニュータイプの私が狙った的を外すハズもなく、湿ったティッシュは
きれいな放物線を描いてキグナンの額に見事命中する。
「…………」
以前ならば青筋をたてて怒りだしたものだが、眉一つ動かさず、
無表情のまま。つまらないことこのうえないな。
「これは本日中にお願いいたします」
書類の山を積むだけ積んで、さっさと出て行こうとする。ちょっとまて。
「なにか御用でも?」
なんだかつっけんどんな態度だな。まあいいが。
サイコミュ搭載モビルアーマーの件だが…
「サイコ・ドーガですか。博士が中心となってニタ研で面倒をみていますよ。
大佐が心配される必要はありません」
む…そうか。わかったよ。
「では失礼いたします」
ご丁寧に床のティッシュを拾い上げ、キグナンは出て行った。

なにかしたかな…と考えてみる。
やっぱりナナイの家に転がり込んだのはまずかったかな。
艦船とモビルスーツの開発をアナハイムに丸投げしたのが気に食わないとか…
金髪の少女に欲情はしたが、ありゃギリギリ踏みとどまったしな…

いくら考えてもよくわからなかったものだ。またはなみずがたれてきたので
鼻をかんだら、もうすっかりどうでもよくなってしまった。

早く書類を片づけてナナイと一緒に帰ろう。
たわしで体を洗われるのはこりごりだが…

288:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 09:24:08
書類にサインをしつつ、ふと思い出す。
私の色、それは赤だ。まあ、百式だけは金色だったがあれはよしとしよう。
艦隊も今度は赤一色というのはどうだろうか。すばらしいアイディアだ。
ウォンさんにメールを入れておく。「私のパーソナルカラーでデザインしてくれ。」
と。

考えてみれば女も赤か金髪・・レコアは栗色だったが・・が好みなのだな。
ハマーンとナナイの行動が似通っているのは私の好みのせいだな。
それにしても声といい行動といい、よく似た女はいるものだ。
段々サインが雑になって・・うっかりクワトロ・バジーナとサインしてしまった。
いかんいかん、消して書き直しだ。少々汚いが仕方が無い。
うわ、こっちのはエドワワ・マスになってる。
最初から全部見直す必要がありそうだ。今日は残業かもしれない。
ナナイにそう告げると、お待ちしてますとにっこり笑って答えられた。

帰りに一杯やってレズンを呼びつけるつもりだったが・・
断固阻止の構えのようだ。


289:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 09:39:31
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨

残業が終わって、昨日は帰る時間が遅くなった。予定を阻止されたので
少々いらいらした。ソフトに接するように組織の連中に指示をされていたが、
ナナイの手料理で一杯やってから、理性が飛んでしまったらしい。

詳しいことは記憶に無いが、今朝はどういうわけか起きて来なかったな、彼女。
自分の業が恐ろしい私である。

一人さびしく身づくろいをして、出勤する。ウォンさんから膨大なメールが
入っている。艦隊のデザイン案だそうだ。みて絶句した。
すべて金色だ。戦艦からモビルスーツから、ご丁寧にパイロットスーツに
制服まで。子供向けのプラモデルから関連グッズまで金でまとまっている。
冗談ではない。金はやめろ金は。

キグナンも見ていたらしく、大慌てで執務室にやってきた。
「金、金ですか大佐???」
・・・間違いだ、私は赤のつもりだった。
「赤ですか・・・」
これにも不満があるようだ。
彼はアクシズ風のスカイブルーの制服を気に入っているらしい。

ウォンさんにメールを送る。色違いだとひとこと。
数分後、また大量のメールが届く。素早いな、というより準備していたらしい。
相変わらず人が悪い。
・・・むう、赤い。イメージしていたのとは少々異なるが、赤はいいものだ。
主力MSを赤にすると私の専用機が目立たなくなるので、金色はどうかとコメントがある。
・・・お断りだ。

結局、基本は赤で、主力のMSなどはジオングリーンを踏襲させることにした。
美しい部隊が編成できそうで満足する。

いつの間にかナナイが出勤してきている。昼食を半ば強制的にすすめられる。
まあしかたがない、つきあうとしよう。


290:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 16:48:44
昼食をとりながら、サインの間違いに昨日気がついた話をした。
笑いが取れるかと思ったが、ナナイは真顔でこう返してきた。

「以前からそれは判ってました。ですから、サインは・・・ええっと
キャスバル、エドワワ、シャア、クワトロ・・どれでも通してます。
ほかにもあれば、筆跡を登録させるのでおっしゃってください。」

なんということだ。私の残業時間は無駄働きだったらしい。
今日のランチは麦とろろ飯、とかいうものらしい。添えられている魚も
なんか脂っこい。吸い物も魚の匂いがする。

「しっかり食べてくださいね、大佐」
・・・なんだか嬉しそうだ。私はこの、箸というのを使うのは苦手だ。
苦手だが、握るとしっくりくるのは何故だろうか。

食事を終えてから、今日は市内を視察することになっている。
何でも老人施設を訪問して、市民とのふれあいを演出するのだそうだ。
そのあとは幼稚園か。ふむ、高校にもいかねばならんのか。

「はい、そのハイスクールは男子校です。私はお供できませんが、
お帰りをお待ちしています。」

妙に機嫌がいい。・・・ここまで露骨なスケジュールを組んでくるとは。
やはりこの女、侮れない。

ナナイと別れ、市内へ少数の随員を従えて出かける。この期に及んで、
形式だけは隠密行動なのが笑える。コロニー内で私を知らぬものはいない。

・・・いや、正確には連邦の駐在武官だけは知らないはずだ。
裏から手配が及んでおり、定年間際の老人が茶をすすっているだけだが。






291:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:10:56
華やかな柄の服を着たご婦人が通りかかる。む、あの黒服はなんだ。
まるで彼女の視界をさえぎるように割って入った。

ただ者ではない動きだ。注意してみると、一度や二度ではない。
往来を行く人々の視線から、微妙に私の一行をさえぎっているではないか。
これではふれあいに出かけてきた意味が無い。

しかし、あの動きは見覚えがある。
熟練したモビルスーツ乗りのそれだ。指揮官、あるいは艦船を完璧に防御し
エスコートしていくプロの動き。無駄が無い。

私は彼らに支持されているのだと確信した。一般民衆よりも彼らに支持される
方が重要である。生死を共にするのは、やはり彼らだからだ。
今日は公共交通機関を使わされている。施設で、往来で100回ほど、老人ばかりに
握手を求められた。少々手が痛い。大事な出資者だという。
ふと、口うるさいジンバラルの爺さんを思い出した。

庶民の英雄シャア・アズナブルか・・・昔の私を知るものには道化にしかみえんかな。
隣接した幼稚園に連れて行かれる。シンタとクムは元気にしているだろうか。
子供、これほどの子供ではさすがの私もなんらの衝動は覚えない。
あたりまえのことだが。

ハイスクールでは大人気だった。しかし臭い。男ばかりではこうなるか。
握手に写真撮影、休む間もない。ずけずけと屈託無く明るい。

ふと、カミーユの横顔を思い出した。ファの所帯じみた顔もだ。
私があの作戦を実施しなければ、彼らもまだ、グリーンオアシスで学生だったろう。
こういった明るい笑顔を奪ったのは、私かもしれない。
そう思うと心は晴れなかった。無論、あの時はやらねばならないと信じたのだ。

後悔は無い。しかし、拭い得ぬ負い目というのはやはり、あるのだ。




292:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:23:06
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の監視任務についているのは、我々の中でも優秀な男達だ。
パイロットとしてジオンのために長年働いてきた連中だが、練度が若干
下がるかもしれない危惧はあるものの、ジオン本国からきた機関の連中、
あの秘密警察の臭いがプンプン臭う連中に、大佐の監視は任せられない。
スキャンダルでも情報操作に利用する連中だ。

最近摘発されたという、大佐の私生活の盗撮ビデオにはあきれ果てた。
あのようなものを流通させるとは許しがたい俗物がいるものだ。
大佐の人間臭い部分を故意に知らしめる効果はあるとかいうことだったが、
我々の求めているのは理想への殉教者だ。あのような獣ではない。

私生活はどうでもいいといえばどうでもいいのだが・・。
最良の監視要員は最良の護衛要員でもある。我らの手の中にある内は
大佐も王道を歩んでいけることだろう。
大佐がある種の人格破綻者であることは、隠し通さねばならない。

レズン同志から、護衛を自分と部下に一任するように要求が来ている。
どうしたものか思案している。忠誠心と熱意には問題が無いのだが。
黒子が黒子でなくなってしまうだろう。



293:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:32:45
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の監視任務についているのは、我々の中でも優秀な男達だ。
パイロットとしてジオンのために長年働いてきた連中だが、練度が若干
下がるかもしれない危惧はあるものの、ジオン本国からきた機関の連中、
あの秘密警察の臭いがプンプン臭う連中に、大佐の監視は任せられない。
スキャンダルでも情報操作に利用する連中だ。

最近摘発されたという、大佐の私生活の盗撮ビデオにはあきれ果てた。
あのようなものを流通させるとは許しがたい俗物がいるものだ。
大佐の人間臭い部分を故意に知らしめる効果はあるとかいうことだったが、
我々の求めているのは理想への殉教者だ。あのような獣ではない。

私生活はどうでもいいといえばどうでもいいのだが・・。
最良の監視要員は最良の護衛要員でもある。我らの手の中にある内は
大佐も王道を歩んでいけることだろう。
大佐がある種の人格破綻者であることは、隠し通さねばならない。

レズン同志から、護衛を自分と部下に一任するように要求が来ている。
どうしたものか思案している。忠誠心と熱意には問題が無いのだが。
黒子が黒子でなくなってしまうだろう。



294:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 19:33:34
おっと連続ミス。ごめんなさい。

295:自分も書いてみた
05/06/15 22:38:22
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=薄曇り シャアの日記

今日、定例会議があった。議題に艦隊編成やモビルスーツの設計があったので、
スイートウォーターの連中だけでなく、アナハイム関係者や、ニタ研や、宣伝工作の
ためだとかで、ホルストを筆頭にした情報部の連中まで集まって、かなりの大所帯
になった。

異物混入事件の捜査状況の報告だとか、私の私生活を盗撮した不届きな輩がいるだとか、
連邦の外郭部隊がどうこうだとか、いつも道りの議題は滞りなく片付いたが、最後に回ってきた
艦隊ともビルスーツの件だけは違った。

こちらの予想に反してやる気がないアナハイム派と、とにかく安く仕上げたいスイートウォーター派、
どうしてもサイコミュシステムを搭載したいニタ研派とに分かれて、お互い一歩も引かずに
議論、と言うか揚げ足取りを続けていた。

私に言わせれば、ザクやゲルググ等ジオニック系の流れを受けた機体が無難だろうと思った。
新兵でも使いやすく、熟練兵の実力を殺す事もない。あれはいい物だ。ツマイド系はダメだ。
格好悪いから。加えてマ・クベだし。あんな格好悪いモビルスーツなど指揮したくない。

コスト削減のため機体に固定する内蔵兵器を廃して、火力の低下は既存品を改良した
外装オプションで補えばいいだろう。

ナナイには悪いが、サイコミュの搭載は見送りだな。兵器として運用するからには頭数を
そろえねばならない。金がかかり過ぎると言うのもあるが、何より搭乗させるパイロットに
問題がある。モビルスーツの数だけギュネイみたいな猿を用意しなければならないからだ。。
正直そんな事になったら、スイートウォーターを地球に落としたくなる。やりかねない今の自分が怖い。

デザインは、OD色でジオン風と言う事でアナハイムに任せればいいだろう。

と、まぁ、何となくそんな事をボーっと考えていると、
「大佐から何かご意見はありませんか?」
と、振られた。

とりあえず今考えていた設計案と、私の専用機を赤くすること、外装デザインにウォンさんを
関らせないことを、当り障りなく発案した。

「さすがは大佐だ」
スイートウォーター派と、アナハイムはから、何を根拠にしたのかわからない賞賛を受けたが、
案の定ニタ研派、というかナナイからクレームがついた。まぁ、そりゃそうか。
できる限り優しくなだめて見たが、芳しくない。どんどんヒートアップし、しまいには、
「サイコミュの研究をこれで終わりにするのか、続けるのか! 大佐っ!」
と、すごい剣幕で迫ってきた。いつもならここで私が折れるのだが、今日は違った。
ここ最近、抱いていた疑念を払拭すべく、懐から取り出した愛用のサングラスを掛け、こう返した。
「そんな決定権が お前にあるのかっ!」
「口の利き方に気をつけてもらおうか!!」

言い終わって、やっと我に帰ったナナイもその場の異様な空気に気付く。
あるものはただ唖然とナナイの動向を伺い、またあるものはコップに注いだ水を溢れさせ、
ホルストに至っては付け髭ズレてやんの。ププッ!

「モビルスーツ開発は重要案件ですので、今後とも議論を重ねて―」
と言う事で、モビルスーツ開発と艦隊編成については、また次回と言う事になった。
とりあえず得るものは得たが、失ったものは大きい。
今夜は、いや、しばらく執務室のソファーで寝る事になりそうだ。

296:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 00:36:26
会議が終わって、仕方が無いので執務室に引き上げようかと、資料を小脇に
部屋を出たところで、アナハイム側で参加していたウォンさんに袖を引かれた。

「クワトロ大尉、すまない、シャア大佐だったな、今は。」わざと言ってるな。
・・・ニヤニヤしている。

「あの所長、ハマーンだろ。」小声で耳打ちしてきた。
・・・この人は、遠慮とかがないのか。はっとした。取引する気か。

「グワダンで直接会っていなければわからなかったろうが・・
気がついたのはどうやら私だけのようだな?場合によっては口外しないこともない。」

「ほう、お気づきでしたか」やけくそだ。大体みんな気がついただろ。

「まあ、我々は友人だよな?大尉?」まだ言ってる。

「我々はかなり値引きして今回の商談をまとめたいと思っている。そこでだ、
物は相談だが、そちらの研究施設、イカリング?だったか、あそこにうちの
研究員を入れてほしいのだ。どうだ悪い話ではないだろう?」

・・・悪すぎる話だ。サイコミュ技術は葬る予定なのだ。まあ仕方が無い。
あとでまとめて処分するには、そっちの人間も一緒にいたほうが都合がいいか。

「とりあえず、材料開発部から人を回す。ちゃんと仕事させてくれよ。」

「どうせ断っても送ってくるんでしょう?」

にやりと笑い、肩をたたいて自社の人間のほうに流れていく。

「では大佐、次回の打ち合わせでまた!」わざとらしい大声だ。

・・あの人は主義者というより商売人なのだな。・・・安心してよかろう。

それよりも今日はどこで寝るか。レズンでも呼びつけるかなどと
考えながら執務室に向かう道すがら、突然誰かが片手を絡めてきた。

意外なことにナナイだ。

「仕事は仕事、です。私も真面目に考えているのです。判ってください。」

むう、こう出てくるとは正直考えなかった。カンの強い少女も成長したと
いうことか。しがみつかれる腕が痛い。
ふと目をやると、レズンが仏頂面で去っていくところだ。
・・・なるほど、敵に渡すぐらいなら耐えるということか。

大人しく二人で少し遅い夕食をとった。
終止無言であったがしかたあるまい。

297:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 00:55:48
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

アナハイムから人員が大量にやってきた。少人数かと思えばとんでもない。
サイコミュ機構、材料、電子部品、機構、ほかソフトの専門家、
SEまで含むと100人以上の大所帯だ。これで全員で無いというから恐れ入る。
よく顔を見れば、ジオニックやらツィマッドにいた連中も混ざっている。

・・・そういうことなのだ。結局。

別にMSの開発チーム自体が、ラビアンローズ型のドッグごとやってくるそうだ。
合わせてテストチームも来る。MSの整備運用からパイロット、実験艦船まで
一そろいまとめて投入してくるって話だ。

何でこんなことになったんだろうか。急な話で目が回る。
うちの研究所はわりとこじんまりして職人芸で物を進める人間ばかりなのだが・・

組織運営管理の専門家、とやらまでやってくるそうだ。
打ち合わせの結果、チームは10程度まで膨れ上がることになった。
予算はアナハイムがほとんど持つというから豪勢だ。

・・・急に活気が出てきたが、所長が顔を出さないのは少々気になる。
子供のように大佐に張り付いて離れないらしいのだが。

あの人がハマーンだとかいう寝言は、まあ聞き流したほうが無難だろう。
故人にも失礼だ。一時はジオンを率いた方でもあるしな。





298:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 06:37:31
みんな大変だ! 人権擁護法案を通すために公明党(創価学会/北朝鮮宗教)が、ネット特に2CHを潰すつもりだ!!

ネット情報規制など 政府が検討を表明
傷害容疑で逮捕された男子生徒が爆発物を作る知識をインターネットのホームページ
から得たとみられることを受け、
         “公明党(創価学会/北朝鮮宗教)の神崎武法”
代表は13日の政府・与党連絡会議で「法制上、非常に難しい問題があるとは思うが、
有害情報の規制はできないか。集団自殺の話し合い、予告をするサイトもある。
関係省庁でぜひ検討してほしい」と述べ、ネット情報規制などの検討を求めた。
これに対し、細田博之官房長官は同日の記者会見で「かねてそういう問題点が指摘 されていた。
関係当局によく聞いて対応を検討したい」と語り、 政府として検討を進める考えを表明した。
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
2005年6月13日 23時25分

今日の新聞では
6月14日の午後に 関係省庁の会議を内閣府で開き、ネット上の違法、有害情報の対策強化に
向けた検討に着手した 各省庁が“21日”までに取りまとめ
実現可能なものから順次実施するらしいです。

行動が異常に速い!  本気で2chを潰す気でいるらしい…。
【2ch全板】人権擁護法案反対最高司令部★【統括】
スレリンク(asia板:122番)

299:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 07:47:41
【日本を守る】6/19日比谷で反対大集会【最終決戦】
URLリンク(off3.2ch.net)
test/read.cgi/offevent/
1118343157/

どうやら19日の参加者が前回を下回ったら、反対派を少数派とみなし、
自民党は党内了承するそうだ。何としても成功させねばならない。
サイト、ブログ、掲示板などで告知してくれ。
コピペは嫌だとか言ってられないぞ。前回に比べて明らかに告知が少ない。
理解してくれる友人や家族も連れて参加してくれ


300:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 10:09:12 9Is9RS3N
大佐!

301:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 14:45:00
>>297
ハマーンとシャアって恋人の様に付き合ってた仲ではないのか?
その割に見知らぬ他人のような、とか似非ガンヲタは書いてみた。

302:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 16:16:54
マジレス:この時点で
・ナナイとハマーンは別人。ハマーンは死亡済み。なんだけど
CVが同じなのでナナイ=ハマーン説を強引に採っているのがこのスレ。
この副所長は、ナナイしかしらないということになってるんじゃないかな。

303:通常の名無しさんの3倍
05/06/16 16:35:54
それと、>>295のこのあたり。

「サイコミュの研究をこれで終わりにするのか、続けるのか! 大佐っ!」
・・・(中略)・・・
「そんな決定権が お前にあるのかっ!」
「口の利き方に気をつけてもらおうか!!」

正直ワロタ。職人さんGJ。わかんない人はZ本編みてくれw

304:295
05/06/16 22:21:18
混乱させてしまったようなので一応説明させていただきます。
珍しいことじゃなくて、ガノタとしては常識ですが。

ガンダム正史では、ハマーンとナナイはまったくの別人です。
今回このスレに張ったネタは、ハマーン≠ナナイというガノタ的
ジョーク(>>302さんの説明通り、ハマーンとナナイの声優が同じ)と
Zガンダムの最終話のセリフを元ネタにしたパロディです。

スマソ

305:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 01:36:34
でもなんか、こっちの方がいい話になっていると思えるのは
何故だろう?気のせいか・・・

306:シャアの日記
05/06/17 09:56:43 HKFP01fg
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ

ぼちぼち春めいてきたな…などとのんきに構えていた矢先、突然ナナイが
髪を切った。そろえたとか梳いたとかいうレベルではナイ。
いっきにバッサリ、ボーイッシュなショートヘアである。何年かかって伸ばした
髪か知らないが、いさぎよいとしか形容の言葉が思いつかないというものだ。

ただでさえ最近態度がよそよそしくなっているキグナンが、あきらかに軽蔑
するようなまなざしで私を見るようになった。キグナンだけではない。ホルスト
の態度もでかくなったし、本部職員の女の子たちにいたっては、私のことを
害虫かばい菌のように扱いはじめる始末だ。みなが私を攻撃するワケは
わからなくもないが、はて私がいったいなにをしたというのか。

「おかしいですか、大佐?」
ナナイだけはいつもと変わらない。ちょっと照れたような表情で、短くなった
毛先に手をやる。ナナイの髪はクセっ毛だが、とてもやわらかく、さわって
いるだけでいい気持ちになるほどだ。まだ見慣れぬショートは新鮮味の方が
強いが、けっして似合っていないわけではないし、彼女の頭がよい形をして
いることを気づかせてもくれた。
どうかしたのか、と真顔で訊いてみる。じっさい、私に心当たりはないのだ。
「………」
ほんの一瞬だが、ナナイの表情が翳った。私が見逃すハズはない。
「春…ですから。もうずいぶん長いこと、伸ばしたままでいましたし…」
微笑んで言う。が、嘘だ。私にはわかる。
「本日は、イカリングでサイコミュのテストがありますので…」
ああ、バギ・ドーガの制式採用の可否が決まるらしいな…そんなことは
まあどうでもいいのだが。
「場合によっては、今日は帰れないかもしれませんが…夕食はきちんと
とってくださいね、大佐。あと、お酒もほどほどに…では」
かちっと敬礼をして、ナナイが出てゆく。いままで髪に隠れていたその背中が、
どうにも寂しそうに見えたものだ。
そういえば、昨夜もなんだか寂しそうなオーラをまとっていたような気がするな。
あのときは、まさか髪を切ったりするなんて思いもしなかったものだが…

私はいったいなにをしたのだろう…私に関わりがあることだというのは
たしかなのだが…だめだ、わからない…

307:シャアの日記
05/06/17 09:57:56
306の続き♪

「どんっ」
という音をさせて、机のはじに湯呑が置かれた。座ったままでは手が
届かない距離だというのに、置くだけ置いて給仕の女の子はスタスタ
行ってしまう。しかも湯呑だと。私はコーヒーしか飲まないと宣言して
いるのだ。ふだんでは絶対にありえない状況である。
こりゃ早めに手を打たんとマズイかな…と思いつつ、中腰になって湯呑に
手を伸ばす。ン…さすがに熱湯を仕込んだりはしていないようだな。いくら
なんでもそこまでは………ぶはっ!
口に含んだ瞬間、異様な風味に気づいたものの、すでに一口飲んでいた。
塩味のコーヒーであった。尋常でなく濃いうえ、お茶のほのかな香りさえする。
いや、しょう油も入っていたのではないか。あわてて化粧室に駆け込み、
洗面台に顔を突っ込んでげーげー吐いたものだ。
おのれ…みているがいいぞ。

キシリアの息の根を止めた愛用バズーカを片手に給湯室に突撃すると、
女の子が3人いておしゃべりしていたが、私の顔を見るやいなや全員そっぽを
向きやがった。この態度…ゆるしがたいものだ。
エリスくん、と私に塩コーヒーを給仕した娘の名を呼ぶ。ありえないことに無視。
エリスくん! 怒りに負けて怒鳴りつけると、3人ともビクッと肩を震わせて
私の顔を見た。
塩コーヒーのお礼をしたいのだが…て、なんで泣いているのだ、きみたちは…
「大佐…大佐はナナイ大尉にお礼したんですか?」
「大佐のばか! 甲斐性なし! あほ! 死んじゃえ!」
「ナナイさんかわいそうです…髪まで切っちゃって…」
…だから、私がいったいなにをしたというのか。
「昨日はホワイトデーだったのに…女心のわからない人に、スペースノイドの
気持ちがわかるんですか!」
…ホワイトデーって…なんですか。

1時間後、私の姿はイカリングにあった。がらんとしたランチ発着場には、
両脚の代わりに巨大なスラスターを搭載した量産型キュベレイと私しかいない。
この量産型キュベレイ高機動タイプは、モビルスーツ開発をアナハイムに丸投げ
したことで一度は用済みとなったものだが、捨てるのもしのびなかったので、
私専用機としてスウィートウォーターとの行き来に使用している。
エンジン出力のほぼすべてを食いつくす巨大な推力のおかげで、私は
ナナイの乗ったランチを余裕で追い越すことができたというものだ。

アラームが鳴り響き、黄色い警告灯がぐるぐる回り始めた。エアロックの巨大な
ハッチがゆっくりとひらいてゆく。ランチが入港したのだ。瞬間的に気圧が下がり、
鼓膜に鋭い痛みが走るが、気にもならない。
ランチが固定され、乗降ハッチにデッキがドッキングする。ハッチが開き、人影が
姿をあらわす。ナナイだ。書類を小脇にかかえ、後に続くニタ研の職員を
振り返りながら、なにかの指示を出している。私は、無言で彼女の前に立つ。
「モビル・ビットの最新ドライバをサイコ…あッ!?」
ぶつかる直前で私に気づき、反射的に避けようとするナナイの身体を、両腕で
ぐいと抱きよせた。
「大…佐…?」
耳元で、ナナイの驚きに満ちた声を聞く。私は、ナナイの髪に頬をよせる。
「どうして…?」
すまなかった。それが言いたかっただけだ。
「大佐…」
ばさっ、と書類の落ちる音がして、ナナイのやわらかな腕が私の背中を包み
こんだ。彼女の髪にふれている頬が、ただひたすら心地よい。

大昔の風習も、そう悪いものばかりでもないのだな…と思った3月某日である。

308:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 11:28:00
このスレがゆくゆくは、アクシズでのお話に続くのか。

309:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 12:39:59 8IubB0OD
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

大佐と所長がなにやら昼メロな雰囲気をかもし出していて近寄れなくなっている。
あの二人は空気をまったく読まない。回りの状況にかかわり無く抱き合ったりする・・。
新人類とはああいうものなのだろうか。正直目のやり場に困ることがある。
聞いた話だが、あるときなどはMSデッキで開演されてしまい、我慢できなかったのか、
そのへんのMSにいきなりもぐりこんでハッチを閉じてしまい、
しばらく出てこられなかったらしい。・・マイクは全開だったそうだ。

女子職員の大半は、アナハイムから来た連中も含めて二人の動向で大盛り上がりだ。
・・・業務がとまっている。困ったものだ。

アナハイムから来た連中のおかげで、チームが増えたことは前書いたとおりだが、
内容はこんな感じだ・・

汎用の技術、部品、機構関係=2チーム
ソフトウエア=3チーム
試作=5チーム。

前者は仕方が無いが、5系列も試作したのではとり散らかってしまう・・・。
今日、バギ・ドーガタイプは消えると思われるが。結局、大型のMAタイプ、
小型のMSタイプに絞ることになるだろう。競作それぞれ2チームで。
ネオジオン系列の、クイン・マンサだかノイエ・ジールだかでかいのと、
サイコガンダム系か。ジオンがガンダム作ってどうなる・・・。
サイコ・ザクを想像してちょっと噴き出してしまった。
当然、手足を引っ込めると球形になるような気がするのだ。
キュベレイ系は、デザイナーが変わり者で今はインドで山にこもっているらしい。
競合がティターンズのバウンド・ドッグ派生だからどうなることか・・なのだが。
どっちもデザインが嫌だ。

気になっているのはソフトチームの擬似人格OSと、材料開発のなんとかちっぷだ。
一年戦争中に騒ぎになったEXAMとかいうシステムの資料が見つかったので、
それをもとにとかなんとか言ってたな。
暴走したらどうする気なのだろうか。

私の腹案もあるにはある。連邦のボール、あれを数倍にスケールアップして
機体内部に仕込めるだけビットを仕込むのだ。ハリネズミという仮称もつけている。
機体に前後左右を同定できるなにものも仕込まないので、敵は
近接しても向きを判断できないという優れものである。

問題は、提案書を清書してくれる秘書官が、大佐のゴシップに夢中で
給湯室からでてきてくれないことだ。

なんだか今日のお茶はしょっぱい。

310:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 12:51:23
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長秘書の日記

気難しい技術オタの副所長について仕事をするのは嫌です。そう所長に
お願いしているのに、所長は大佐とお盛んでなかなか返事が返ってきません。

私だって職場を選ぶ権利があります。あの人絶対変です。
このサイコボールって・・なんですかこれ。
球形の2重外皮の中に、均等にビットとアポジモーターが入ってます。
それで、中中空で可動式のおもり、はいってるんですよ??
中央軸固定で・・振り回して重心移動するそうです。何個か入ってて
組み合わせで・・プレゼンで作られたCG見たら、ハロちゃんそっくりじゃないですか!

おもちゃメーカから苦情がきそうなMA、主力に・・
大佐がこんな球ころに乗って連邦打倒されてもかっこよくないじゃないですか!
大佐にはもっとふさわしい機体があると思います!

所長にはとてもかなわないけど、私だって大佐狙ってました。正直なところ。
言葉をかけていただいたこと、数度しかありませんが・・。

あ!

前の職場は広報宣伝部だったんですけど・・大佐に言葉をかけていただいた
翌日に、ここの秘書に回されたんでしたっけ・・。

・・・所長ってやっぱり怖いです。




311:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 17:07:27
宇宙世紀0089、3月某日、アンマンの天気=なし ウォンの日記

 ネオジオンに研究者を送り込むことに成功した。メラニー会長への顔もたった。
大尉、いやシャア大佐がこっちにきたら、せいぜい派手に接待せねばな。

連邦軍が本格的にジオン残党を狩り始めた。うちの会社にも注文が来ている。
今のところはGMIIIばかり出荷しているようだが・・。

 アムロという大尉、わざわざ押しかけてきてZを要求してきた。
坊主があんな最後を迎えた欠陥機、出せるわけが無いだろう。
修正が効いて見どころが出てきたと思っていたら、あれだ。
・・その筋からのお声もあったし、まだ遅らせればよかろう。

とりあえず、シュツルムディアスの在庫を押し付けてお引取り願った。
ジオンにも渡した機体だが、構うものか。
ジェガンのライン見せるぐらいならかまわないが、開発部の見学がどうとか・・。
断ったら強制査察するとか言い出してきた。何だこいつは。
うちがサイコミュ違法に開発しているかどうか勘ぐってるらしい。

先週でなくて良かった。ネオジオン向けの案件が入っていて危なかった。
人間も機材も一切合財まとめてごっそりネオジオンに送りつけるとは、
我ながらいいアイディアだ。進捗がある程度進んだら引き揚げればいい。

しかし大尉、いやシャア大佐も意地が悪い。長い付き合いではないか。
せっかくの私の配慮の金色のMSを断ってくるとは・・。
女も赤髪から金髪に乗り換え、いや染め替えたのだろ?ならば金色でいいではないか。
百式の時は喜んで乗っていたくせに・・。

接待であてがう女、髪の色は考えたほうが良いのかな?
赤か金髪か・・・ふむ。そういえば、あのバーにいた女、赤と金髪、
どっちがどっちか判らんが、半々に染めていたな・・。
記憶喪失とか言う話だったが。

 そういえば量産機の設計をどこに外注するか考えねば。
ティターンズに回していた機体の外装だけ換えればいいかと思っていたが、
連邦がやたらとうるさい。一応古手の技師がベンチャー立ち上げてるから・・
ふむ。どこに回すのが一番得か考えねばな。

・・当然自分にキャッシュバックがあることなので、かなり真剣に考え込むウォンである。


312:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 17:26:16 8IubB0OD
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーター>月へのランチ シャアの日記

 バレンタインデーというのとホワイトデーが組みになっているなど、
私は知らなかった。確かあの日、やたらにナナイが気ぜわしく動き回っていたのは
覚えている。何か受け取ったかもしれない。

 いまさら伊達男を気取ろうとしても無理があるようだ。
まあ何しろ、昔は復讐しか頭に無かったからな・・
 いまは復讐以外のことも考えている。そのために、ナナイの機嫌が戻ったのを見届けて、
兼ねてからの約束どおり月に向かっている私だ。
量産機の設計外注と面通しなどするとのことだ。久しぶりの月だ。

そういえば、昔・・大昔テキサスから旅立ったあの日も、こんなシャトルで
ジオンに向かうはずだった・・。
・・シャア君には気の毒なことをしてしまったな。
君の名を奪い、ザビ家を倒し、ティターンズの専横をも排除し、そして・・
ハマー・・・いやネオジオンも手にした私だ。
必ずや、重力に魂を引かれた連中を根絶やしにする。

まあ実際、ウォンさんの接待が楽しみだ。いい酒を飲ませてもらえると信じる。
にやりと笑い、期待に胸を膨らませる。そんな今日である。
もうじき入港だ・・。




313:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 18:07:59
宇宙世紀0089、3月某日、アンマン歓楽街 天気=なし シャアの日記

 外注候補の数名の”元アナハイム技師”と面談した。聞いてみると面白い。
昔はジオニック、ツィマッドにいたとか、連邦のニタ研にいたとか・・。
それぞれのアイディアを聞いてみるが、量産機は特徴が無いのが特徴だ。
安くてよいものを作ってくれればそれに越したことは無い。
後日、コンペを催すことを約束して別れる。
そういえば、一人・・フランクリン大尉に似た男がいたが、気のせいだろうか。
私の顔を見て、少し顔を歪めたような気がしたが。彼は死んだはずだ。

そして、月訪問のメインイベント、接待だ。ウォンさん、今回の趣向はなんだろう。
結構アンマンの繁華街は大きい。大きいのだがどうやら素通りするようだ。
エレカが止まったのは、工場ブロックが近い場末のバーの前である。

・・「海兵隊」変わった名前の店だな。

店はそれほど広くない。20人も入れば一杯だろうか。カウンターに
ボックス席が4つほどのこじんまりとした店だ。女は5人といったところか。

「あらウォンさん、いらっしゃい」少し凄みのある声で出迎えられる。
「よう、ママ、今日は大事なお客さんだ、念入りに接待してくれよ?」
「ここのママはな、昔ジオンの海軍にいたそうだ。女も振るっている。酒もうまい」

ニヤリと笑うウォンさん。

いや、待てよ、私はこの女を・・見たことがある。
「シーマ・・・」口に出しかけたところ、もういい年なのだろうが、胸をおもいっきり
むき出しにしたドレス姿で彼女が隣にドカン!と腰をかけてしなだれかかってきた。

「野暮なことをお言いでないよ・・」とにかく迫力のある女性だ。

「ではな、大尉。せいぜい楽しんでくれ。」席を立つウォンさん。
「え」
「むぐぁ!」口に出すまもなく、非常に濃いウィスキーを口移しで注ぎ込まれる。
・・・私は熟女趣味は無い、無いのだ。
隣に座ってきたのは割と若いが、非常に体臭のきついグラマーだ。胸をぐいぐい
押し付けてくる。こういうのも苦手だ!助けてくれ!

「なんか、こう、熱い、熱くなる人だね、あんた。」テンションが高い!高いぞ!

酔いが次第に回ってくる。ふと残りの女性を見ると・・レズン!なぜここにいる。
青いドレスを着て笑っているのはレズンではないか。
「ろういうことなのら、これふぁ?」ろれつが回らなくなってきている。
「大佐は、大人の女はお嫌いですか?」有無を言わさぬ口調で件の熟女である。
「あはははは。この人かわいい、かわいいよ」
杯を重ねるというより、かわるがわる無理やり口移しで濃い酒を飲まされるうちに・・
私は深い眠りに落ちていった。



314:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 18:09:16
目覚めたのは、どこかとよく似た非常に殺風景な部屋である。ベッドだけ異様にでかい。
でかいベッドに、裸の大女ばかり5人。どの女も筋肉質で傷跡に事欠かない。
私の上にしっかり手足を乗せていびきをかいている。
身を起こすこともできない。
「むう・・・」
目を覚ましたのか、女主人が耳元に舌を這わせながらささやいてきた。
「予想外のことは起こるものさ・・・」

むう、この女、やる!
人工照明の天井がすっかり黄色く見えるようになってから、私はそこを後にした。
レズンがニヤニヤしながら、腕を回して歩くのを支えてくれている。
ろれつの回らない舌で問いただすと、彼女は昔の上司だと教えてくれた。
そうか・・昔海兵にいたのだったな。

予定はこなさなければならないものがある。しかし、ウォンさんにまた妙な
弱みを握られてしまったらしい。困ったな。

指定の宿舎に戻るのかと思えば、すぐエレカに乗せられた。
レズンも私を逃がす気は無いらしい。
「またあとで、お見えになりますよ、気に入られたようです。」

・・・まてレズン、お前私を売ったな?

その後については書きたくない。
しばらくは非常に健全な気分で過ごせそうだ。
帰りのシャトルに見送りにウォンさんが来たが、笑いをこらえるのに必死な様子だった。
「図ったな!ウォン!」と、声に出すこともできなかった。
レズンは満足げに微笑んでいる。

・・・やたらにGが体にこたえる。なかなか有意義な・・有意義な月訪問だった。
彼女達をネオジオンに勧誘する決意を固めた、私である。
優秀な・・優秀な兵は常に必要だ。


315:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:07:47
>>307
>キシリアの息の根を止めた愛用バズーカを片手に給湯室に突撃すると、
まだ持ってたんかいw

316:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:35:18
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし キグナンの日記

大佐が月から帰ってきた。打ち合わせもそこそこに、すぐイカリングへ
向かわれた。やる気がでたらしいんだが・・。
だが、まだ所長のところに顔を出していないらしい。どういうことなんだろうか。
所長の方は気にするでもなく、普段どおり仕事を精力的にこなしている。

そういえば、大佐が戻ってから数日後、旧海兵の連中がぞろぞろ集まってきた。
柄の悪い連中だが・・。どうして女性兵の方が多いんだ。
挨拶もそこそこに、イカリングの訓練施設に向かっていったが、大丈夫なのだろうか。
不安が残る。大体、連中の悪名は高すぎる。
毒ガス・・連邦との取引・・・。

旧ジオン派の連中と衝突しかねないが。
とくに、あのオバハンは・・苦手なタイプだ。向こうに居つくならそれもよかろう。
あの巨乳は知ってるぞ、あれはハマーンの側近じゃ・・。
なんで連中の参加を大佐は認めたんだ??

最近あの人の考えてることは、真面目に理解できない。
さっさと仕事して酒飲んで寝ちまおう・・。





317:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 19:50:06
宇宙世紀0089、3月某日、イカリングの天気=なし 副所長の日記

どかどか海兵の連中がやってきて、訓練施設のある一角を占拠してしまった。
訓練は非常に活気が出て、兵の錬度は急速に上がってきているが・・。

チラッと見たが、修正に名を借りた暴力が横行しているようだ。
強化人間の猿は別にしても、ここに拠点を設けてから志願してきた若い兵が
多いのだ、そういうやり方は控えてもらわねば、困る。
いまの青年は、親にも殴られたことの無い奴が多いはずだ。

キグナン氏に注意を要求したが、彼も言を左右にしてなかなか実行しない。
それどころか事務繁多を盾にこっちに来なくなっている。

所長は所長で、自分のアイディアの研究に没頭している。
大佐がイカリングに詰めっ放しなのを、仕事に集中してると解釈している
ようだ。取り付く島も無い。

大佐自体はこの状況を黙認しているようだ。いったいどうなっているんだ。

いよいよ軍としての体裁を整える気なのだろうか。
確かに、組織としての規模は小さいから、昔の正規軍より海兵のほうが
組織のモデルとするにはちょうど良いはずだが。理にはかなっている、と
門外漢の私も思う。

大佐とチラッと話をしたが、どうも元気が無い。そこまで過酷な訓練を
自らにも課しているのか・・。兵の錬度、士気があがってきたのはそのためか。
足元がかなりおぼつかないようだ。そばに中佐や部下が控えていて
ふらつく体を支えている。心服している様子だ。
この中佐、こういう気配りができる人だったのか。

これならば大丈夫だろうか。
さすがは大佐、人心も把握されているということだな。
こちらも研究をいっそう加速することにしよう。

目的はひとつのはずだ。






318:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 20:07:07
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

月から戻られたら、急に大佐がやる気を出されたようだ。
私への連絡もそこそこに、イカリングに出立されていった。

私も彼のために、成果を出さねばならない。強化中の猿どもの性能を
限界まで引き上げなければ・・新型のサイコミュに追いつけるほどに。
今度のギュネイは、あまり性能が良くない。
・・・だからといってグレミーの冷凍食品には手を出したくはないし。

海兵隊のシーマ中佐とかいう、死に損ないを月で拾ってきたようだ。
これまでどこに潜んでいたのか・・数年前の紛争で戦死したとばかり
思っていたが、なかなかしぶとい女のようだな。

女・・女だな、あれも。女とはしぶといものだ。私にしてからがそうだ。
まあ、あれは気にかけなくても十分だ。普通の男ならまだしも・・。
直接は会っていないが、見る限りではお肌も曲がりきってる。
大佐の虫除けにはむしろ好都合か。

・・・レズンは調査名目で他のコロニーに派遣すればいい。
これ以上邪魔させてたまるものか!
いけない、またグラスを放ってしまった。

・・・手料理のレパートリーも増やしておかなければ。
しばらくは忙しいはずだ。


319:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 20:58:02
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

我々の施したさまざまな糸が、いまひとつの織物になりつつある。
事が成就した暁には、われらも戦友の元に召されるはずだ。

それまでは・・・。


320:通常の名無しさんの3倍
05/06/17 23:16:18
うはっ!!元ジオン公国軍海兵隊員が登場してる!!

つか海兵隊って言葉に反応する自分は変だな・・・。

321:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:34:33
>>319 の続き・・

シーマと海兵の参加は、当然ながら暴動に近いレベルで
同志の間で騒ぎになった。中には銃をとってシーマを射殺しようと息巻く輩まで。
表立っては動けないのが我々だ。あくまで兵として行動しなければならない。
それに・・・あれは・・・ 私は真相を同志にのみ明かすことにした。

アジトにて、彼女の映像を、かなり大きく写す。

「あれはシーマ中佐であってシーマ中佐ではないのだ。」
「は?」
「良く彼女を見てみろ。」
「どこをですか?」
「気づかないか、小じわが少なかろう。あれはクローンだ。」
そんなものに気づくわけもないが。ここは笑うところだ。
・・同志に私は解説してやった。

フラナガン機関が大量の優秀なパイロットのデータ採録を行ったのは
知られていない事実である。体細胞と、大まかな記憶、人格なども含まれる。
無論、技術的に許す範囲であり、ぼやけた写真のようなものだ。
あれは、我々の計画のために準備された彼女の正確な複製である。
但し、彼女の記憶は、記録された当時の・・すなわち開戦前の記憶しかない。

強化人間の手法を用いて、偽の記憶も植えつけてある。
毒ガスやらデラーズ紛争やらは、故意に操作してあるので意識していない。
旧知の人間と会っても問題にならない程度には、つじつまが合っているはずだ・・。
要は、記憶だけ見れば強化人間、そういうことだ。


322:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:35:22
>>321 の続き・・
「但し、能力的には問題ないはずだ。例のニュータイプ、あんな特殊な特性は無いが・・
肉体的には若く、健康なレベルだ。姿はシーマだが、中身は公国のために働く忠勇な兵士だ。
つまり、我々の同志、ということになる。」

「なぜそんなものを作り出したのですか・・」
「私にもわからない。とにかく準備されていたから利用した、というわけだ。」
「とにかく今後は彼女に対し、上官としての礼をもって接することだ。」
「自分は、自分はあのとき・・そんな・・・」
「冗談じゃない!」
「・・・大 義 のためだ。」強調して発言する。
同志達を半ば強引に抑える。私の役回りは・・・影となって行動すること。
必ず来る最終作戦のそのときまで。
牙をとぎ、備えるのだ。亡霊も残光も、使えるものはすべて投じて。

・・・本来のシーマ中佐であれば、赤い彗星の愛人役など絶対にやるものか。
それだけでも十二分に奴を罰することになる。しかも、今の彼女は・・
大佐への愛と尊敬が人格の基底部にプログラムされている。表面には出ないが。

生前の彼女にあった、陰鬱な影を持たない、シーマの投映像を見ながら、
カリウスは思った・・・。
「今はシーマを使って、海兵がネオジオン一般兵を統率していくように見せかけるのだ。
真に主導権を持っているのは、我々であるが。大佐のような獣には、
あの亡霊で十二分だろう。牙を抜いて押さえつけるには、
あのくらいの女でなければ不可能だ。」

同志達は、とりあえず納得したようである。
実際のところ、当初の計画の一部には、エースクラスのパイロットの
再生も含まれていたのだ。
死の世界から彼らを呼び戻す・・。そんな冒涜が許されるものか。

・・・少佐の再生だけは私が強硬に反対したのだ・・・。

我々は、対案としてシーマと部下・・海兵の連中を召還することにしたのだ。
奴らの行為は絶対に許されない。これからは、我々の駒として働いてもらう。
死しても尚、許されぬことがあるのだ。

シーマには罪を償ってもらう。今ひとたびのかりそめの生を与えられたのだから。
我らの計画通りであれば、10年も彼女は生きられないかもしれない。
罪を償わせるには、十分な時間だが。





323:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 00:59:35
>>322 の続き・・

・・死人を呼び戻すような行為が実施されたわけは簡単だ。
兵員が不足しているのだ。一年戦争からずっと、兵は死に続けてきた。
ハマーンとグレミーの抗争が無ければこんな急増・・いやダミー、幽霊のような
兵員増強を実施しなくてもすんだはずである。

生命科学の技術は、われわれにとっては忌むべきものだからだ。
数少なくなったベテランパイロット。その補充に海兵を選んだのだ。われらは。
このまま調練を続けても、志はあっても能力にかける若い兵の命が
失われるだけである、そう判断した。

志は伝えられなければならない。真の独立を果たしたスペースノイドに。
若者達をこれ以上失う気は、我らプロの軍人にはないのである。

すなわち。
来るべき戦争では、再生された海兵と、我らの生き残りが連邦と戦うのだ。
彼らには贖罪を果たしてもらおう。我らは・・我らは次こそ駆け抜けるのだ。
あまたの英霊が眠る、この宇宙を。


324:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 06:59:11
宇宙世紀0089、4月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

この一ヶ月、訓練名目でほとんどナナイの元に帰っていない。
いや、インターカムで毎日会話は交わしているのだが。
彼女は真面目に私が軍務に励んでいると誤解している。

違うのだ!

確かにモビルスーツ訓練や、艦隊の機動訓練に参加はしている。
いまだ制式が固まらないため、旧ハマーン軍の残存兵力を使ったお遊びだが。
シーマ中佐を復帰させたが、彼女が私に課した条件は過酷だった。
「模擬戦で勝った晩だけ、勘弁してあげる・・・」
私は一度も彼女に勝っていない。この赤い彗星がどうしたことだ。
彼女の戦闘能力は異常だ。いや、むしろ私の能力が衰えたのか。

・・負けた日は、彼女に奉仕しなければならない。
年齢の割りに異常に若い。生気を吸われているような気さえする。
そうこうしている間に、彼女がやってきた・・・。部下を引き連れて。
「さあ、坊や、お楽しみの時間の始まりだよ・・・。」
あの艶然とした笑顔に逆らえない・・。

ナナイ、すまない。私はいま阿漕な快楽に浸っている・・・。






325:シャアの日記
05/06/18 09:14:58 ORKwifU9
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし

シーマ、キャラ、レズンの海兵アマゾネス参人衆のせいで、イカリングから
出ることができないでいる。私に許された自由は、一日たった五分間の
ナナイとの通信だけ。なにも知らないナナイの笑顔だけが、私のすさんだ
心を潤いで満たしてくれるのだ。

「食事はきちんととっておられますか?」
「ちゃんと寝る前に歯を磨かれていますか?」
「夜更かしはいけません」
「飲みすぎもダメですよ。すぐにおなかを壊すんですから」
…はじめて親元を離れたお子様のごとき扱いではあるが、保護者然と
したナナイの心配もまたうれしいものだ。あの参人衆など比較にもならぬ。

「今日の相手はあたしだよッ!」
セリフを聞いただけでは、誰がしゃべったものかサッパリ区別がつかない。
類は友を呼ぶとはまさにコレダ。よくも似たようなのが参人も集まったものだ。

サイコミュとの連結試験でイカリングに来ていたギュネイをつかまえる。
以前に比べると、だいぶおとなしくなったような気がするが…気のせいかな。
「ごくろうさまであります、大佐どの」
ン…あいさつはいい。ところでギュネイ。
「は、なんでありましょうか」
例の参人衆、ほらあの年増連中だが、陰でおまえのことをぼろくそにけなしてる
そうだぞ。おまえを「強化人間のガキ」呼ばわりして、淫売ナナイのペットとか、
真性包茎とか、ロリコンだとか…とにかくいろいろな醜聞を、ほうぼうで
ふりまいているらしいな。
「え…?」
ギュネイの様子を冷静に観察しながら、耳元でささやいたものだ。ギュネイの顔が
みるみる真っ赤になり、耳まで赤くなったかと思うと、一瞬にして青くなった。
まさに激怒という言葉こそ似つかわしい。いいぞギュネイ。私を救ってくれ。
「…やつらはどこです、大佐」
ギュネイの全身から、燃え上がるような怒りのオーラを感じる。この出力の
サイコウェーブであれば、ファンネルどころか戦艦ですら意のままに操れよう。
いつのまにこれほどの成長を遂げたものであろうか。
いける。この勢いがあれば、やってみせるさ。

326:シャアの日記
05/06/18 09:16:03
325の続き♪

「真性包茎のなにがいけないかっ!」
海兵連中の汗臭いロッカールームに乗り込んだ瞬間、ギュネイは
金切り声で叫んでいた。もはや怒りの抑制が効かない様子だ。
カミーユがジェリド中尉に殴りかかった場面というものが、なんだか
容易に想像できてしまう。
少年の心というものは、こうして傷ついてゆくのであろうか。
少しだけ後悔の念を覚えたが、私は忠実な部下の行動を見守り続ける。
「言ってみろこのメスゴリラどもっ! 真性包茎のなにがいけないのかよっ!」
さいしょはあっけにとられていた参人衆だったが、やがて互いに
顔を見合わせ、下卑た笑い声をあげはじめた。

「そうかいそうかい、坊やはやっぱり皮かむりだったかい。若いねえ」
「ガキが実戦に出るんなら、せめて手術してからにしなっ」
「きゃはっ、なんとなくそんな気はしてたけどねー」
気味の悪い笑みを浮かべながら、連中はギュネイに向かってじわじわと
近づいてゆく。じりじりと後ずさり、壁に背中を預けるギュネイ。そこだ、
そこで一発ぶちかますのだ。
「…え? アレ? な、なに…?」
突然ギュネイの口調がおとなしくなった。怒りの発作がおさまったのか。
ええいっ、強化が足らなかったというのか!
「かわいいよ、坊や」
「なにも怖いことなんてないのさ」
「きゃははっ、ほーけーほーけー」
いや…結果オーライといったところであろうか。帰る準備でもするかな。
「あ、あの…あの…」
すっかり場の異様な雰囲気に飲まれてしまい、ギュネイはすでにベソを
かいている。
「どぅれ、ちょっとおねえさんたちに見せてごらん?」
舌なめずりとともに、参人衆がいっせいにギュネイに飛びかかった。
「イーヤーァッ!」

ギュネイの断末魔の叫びを背中に浴びながら、私は愛機のキュベレイで
イカリングをあとにした。これでしばらくは、あの悪魔どもともお別れだろう。
ナナイの作るカレーが恋しい。

ありがとう。そしてさようなら、ギュネイ・ガス。

327:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:47:09
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨 レズンの日記

大佐がダミーにギュネイを差し出して逃亡を図った。
甘い。あの程度の餓鬼の相手はキャラの趣味だ。中佐と目配せをして
とりあえず獲物を逃がす。狩りの始まりだ。

大佐のキュベレイは大出力だが、機動性にかける。
こういうときの追跡にちょうどいい機体があった。ティターンズから接収した
ギャプランだ。2機に分譲して大佐を追う。

「勝たなきゃ自由は無いって約束したのにねぇ・・」

中佐は舌なめずりしながらブースターを切り離して、あっというまに
大佐の機体を補足してしまった。実弾装備は無いが、反撃してくる。
ファンネルは積んでいないし、通信用のレーザーを撃ち合って模擬戦する
だけだ。プログラムは解除していないはず。整備員も当然海兵だ。

「うろたえ弾など・・・落ちな!」

あっというまに数発を叩き込む。私も支援する。
大佐の機体を、イカリング方向に追い込むのだ。
回避!シミュレーションでは、ブースターが爆発!速度ががくっと落ちる。
実際はエンジンが停止するだけ。

それでも大佐は果敢に反撃してくる。私も右肩装甲に損傷を受けたサインが出る。

「なんて装甲だ!」
「しぶといねえ!」
「中佐、そろそろプロペラントが限界です。」
「落ちないんだよ!」

実際、中佐はもう10発は当てている。大佐の機体はもう撃てない。
・・あの人本当は下手糞なんじゃないか??まあ、腰に力が入らないんだろ?
私は3発だけあてた。これじゃ射的だ。


328:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:47:39
大佐の機体はすでに完全にイカリング港方向に進路を変えられている。
照準が来た!

止めは私が放つ。完全にアポジモーターが停止する。大佐の負けだ。

港から出てきたゲルググが、大佐の機体をがっちり補足して回収していく。
私達もそれぞれ帰還する。

中佐が大佐をコックピットから引きずり出した。捕虜扱いだ。
ビンタをくれている。この人には加減が無いのか。

「落とし前は付けてもらうよ。命をかけてもね・・。」

・・大佐を引きずって、待機ポストに流れていく。
かわいそうに、今日も可愛がって貰うんですね、大佐。
私も声をかけておく。
「中佐、私の分も残しておいてくださいね!」
「どうかねぇ!ははははは」豪快に笑って去っていく。

本気で心配になってきた。
キャラから連絡が入る。ギュネイが剥いたら白目を剥いて泡吹いて大暴れ
したとのこと。下半身丸出しで逃げ出したらしい。
イカリングにもMPはいる。捕まって今は拘留中との事だ。

二人でにやにやしながら、所長に連絡することにする。
「強化人間の坊やが、ちょっとからかったら錯乱して裸で往来に飛び出した」と。

後で聞いたら、キャラはああいう理屈っぽい餓鬼は嫌いだそうだ。
所長はこういうのが大嫌いなはずだ・・。


329:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 10:56:56
宇宙世紀0089、4月某日、イカリングの天気=なし シャアの日記

逃亡に失敗し続けている。その度ごとに拷問のような目に遭う。
今日も天井が黄色い。

ギュネイには気の毒なことをした。キャラに捕まって剥かれたら切れたらしい。
「淫売所長の包茎のメスゴリラがなにが真性なんだ!」
暴れている。これどうすればいいのだ?普段のストレスも合わさってめちゃめちゃだ。
仕方が無い。

ナナイと通信する。相手には写らないが、恥ずかしいことに中佐に私は・・
その、大事なところを握り締められている。
「余計なことをいったら潰しちゃうからね、大佐?」
・・・潰されてたまるものか。
何が悲しくて下半身丸出しで、大事な部分を握り締められたままで
真っ青な顔で通信せねばならんのだ・・。私の尊厳はどうなるのだ。

しかし、握り方が微妙だ・・むう、この女只者ではない!

私はその日、ギュネイの強化失敗をナナイに告げた。すまないギュネイ。

「しかし脇腹はやわらかいんだねぇ、大佐・・」
中佐が舌なめずりをしながら指を這わせてくる。

・・・・もう私はダメかもしれない。






330:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:00:49
>>327 おっと日付、4月ね。

331:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:15:13
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

ギュネイ・ガスの強化適性を本気で私は疑っている。前回に引き続き、
今回は・・今回はなんと破廉恥な・・。

「淫売所長の包茎のメスゴリラがなにが真性なんだ!」
「真性で何が悪い!無理やり剥きやがって!血が出たんだぞ血が!」

何を言ってるのかわからない。しかも私を淫売呼ばわりか!
許せぬ。早速破棄を決定しかけた。大佐は単に強化失敗だろうという。
優しい方だ。

おそらく海兵の荒くれどもに何かされたのだとは思うが。
ランチで護送されてくる、深層睡眠に置かれたそれを、仕方なく受け取る。
「ハ、ハマーンさま。ハマーンさまではありませんか!」
この、この声は・・まずい。海兵の中になぜキャラが?!生きていたのか。
「おいたわしやハマーン様、そのお姿はどうされたのです」
周りの人間があっけにとられているではないか!
「訳あって今はこの姿に身をやつしている。お前も元気で何よりだ!」
仕方が無い、調子を合わせるか。あとで同にでも言いつくろえる。
ふと思い当たった。

ギュネイと、それにキャラをラボに連れて行くことにする。
ギュネイの強化に失敗し続けるようなら、本気で破棄してしまえばいい。
キャラは実績がある・・それに、私への忠誠心は疑いない。

副所長には、メンタル安定化処置を二人に施すよう指示を行う。
キャラは割と簡単だ、ハマーンをナナイにすりかえるだけだからな。
ギュネイをどうするか、会議を招集する。

すみません、大佐。このようなことでご面倒をおかけして。
今は通信教育で、シチューとストロガノフ、覚えております。
落ち着いたら召し上がっていただけますよう・・・。






332:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 11:17:05
>>331 おっと日付、4月ね。コピーしたから連続失敗。スマソ。


333:通常の名無しさんの3倍
05/06/18 14:50:55
宇宙世紀0089、4月某日、公社シャトル内 天気=なし

先日、アナハイムに引き渡すサイコミュのサンプルが完成した。
当初の予定では半年はかかるだろうと踏んでいたのだが、先月アクシズから救助された私の仲間達・・・
そう、この10年近い月日を共に駆け抜けた仲間達の協力のおかげで、当初の予定よりも早く完成まで漕ぎつけた。


そして・・・

今、私はキグナン氏や副所長の好意で、妻や子供達の眠るサイド1へと向っている。
事件の発生後、放置されていた30バンチコロニーの被害者達も、グリプス戦役中に
反連邦勢力の手で手厚く埋葬されたそうだ。
しかし、コロニー内部は未だ事件後の状態だという事なので、
何か遺品でも持ち出せればと思っている。


いつの日か、私が彼女達の許へ旅立つその日までの思い出に・・・

そして私は静かに目を閉じ、再会した仲間達から聞かされた話を思い出していた。


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