シャアのスウィートウォーター日記at X3
シャアのスウィートウォーター日記 - 暇つぶし2ch203:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 07:09:58 NKnwpXgH
宇宙世紀0089、1月某日、イカリングの天気=気象は存在しません

ハマーンが死んだ…エゥーゴのニュータイプを、あと一歩という
ところまで追い詰めておきながら。つくづく、慢心とは綻びを生む
ものなのだな。かつて理想をともにし、ぬくもりとやすらぎを感じ合い、
そして憎悪さえも分かち合った者よ…けっきょく年賀状の返事は
もらえずじまいだったが、いいさ。のんびりあの世で返事を書くがいい。
いずれ私もおまえのところへ逝くであろうから。

敗戦によって瓦解したネオ・ジオン軍の残党が、かねてからの手引きに
したがって続々とスウィートウォーター宙域に集まってくる。
「だいぶやられておりますなぁ…」
キグナンが苦い顔でつぶやく。右舷に大きく傾いだエンドラ級宇宙巡洋艦が、
死にかけた魚のように、ゆっくりと目の前を流れてゆく。護衛に出ている
モビルスーツ部隊にも、心なしか元気がないような印象を受けた。

「お、おお…グワダン級ですぞ、大佐!」
うれしそうなキグナンの声につられて視線を向けると、ほとんど被弾の
見られない真紅の巨躯が、スウィートウォーターの放つ光をうけて鈍く輝いていた。
グワダン級がまだ生き残っていたとは…望外の喜びとはまさにこれである。
「頼もしいですなぁ。艦隊旗艦は、やはりこうでなくては…」
そのとおりだと私も思った。かなり距離があるはずなのに、視界全体が
赤い艦体で覆い尽くされる。ブリッジが正面にきてはじめて、乗員が舷窓に立ち、
こちらに向けて敬礼している姿に気がついた。軽いうなずきとともに、礼を返す。

レウルーラの起工を急がねばならない。あぽん・ジールのプランも煮詰めねば
ならんし、停滞している主力モビルスーツ開発にも力を入れる必要がある。
モビルスーツの数もあるていど揃ったことだ、パイロット候補生の訓練メニューも
いろいろ変更せねばならんかな。ひさしぶりにおでん屋台でものぞいて、ダイコンと
ちくわをつまみながらのコップ酒も捨てがたいしな、キュベ女のアイナたんと
マウアーたんは元気だろうか…


204:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 07:11:02 NKnwpXgH
203のつづき♪

「大佐……?」
はっとして振り返ると、険しい表情のナナイが腕組みして立っていた。
いつの間にかキグナンの姿が消えている。かなり長いあいだ、敬礼
したまま妄想していたらしい。私としたことが…疲れが出ているのだろうか。
「頭痛のほうは、もうよろしいのですか?」
私の顔を見ずに歩いてきて、肩を並べる。あきらかに頬がふくれていた。
頭の中では別のことを考えているに違いない。
左腕をナナイの肩に回す。一瞬、拒むかのように硬直したが、構わず
抱き寄せると、身体の力を抜いて頭をもたせかけてきた。
「…大佐。レズンとのこと…思い出していたのですか?」
レズン…? ああ、あのヤンキーあがりのあばずれか。んなばかな。
なにを思い出していたのかは言えないが、私が愛しているのは
おまえだけだ、ナナイ。
「シャア…大佐…」
ナナイのくちびるをやさしく奪う。彼女の目から一滴の涙がこぼれ落ちた。
「…艦隊の受け入れ準備を整えなければなりません。イカリングでお待ち
しております。大佐も、お早く…」
潤んだ瞳で微笑むと、ナナイはきびすを返して歩き去った。
私はため息をつく。おでん屋台もキュベ女もとりやめだな。また忙しい日々が
始まるのだ。

地球圏に散っていったアクシズの同志たちよ、見ているがいい。ジオン再興は、
このシャア・アズナブルがきっと成し遂げてみせよう。




205:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 08:34:15
軽い頭痛が治まると、眉毛の痒みがなぜか消えていた。

ナナイが去っていく。大事な用事があるのだがどうしたことだ。
とりあえず見送ったが、もともと私はジオン再興などどうでもよい。
重力に魂を引かれたものどもを葬り、ニュータイプのための世作りを行うのだ。

もともとそれがただ唯一の目的・・ララァの死に誓った私の生きる証。
ニヤリとシャアは笑った。

とりあえず下腹部に違和感を感じたので、レズンが待機している部屋に
人払いをして押しかける。イカリングに行くのは少し遅れるが構うものか。
レコアもそうであったが、アバズレもいいものだ・・。

利用できるものは何でも利用してやる。私はいつも一人の男だったのだ。
手ごろな石ころの調査は、私独自のネットワークですでに開始している。
そう、ダイクン派の忠実なる影の者どもがだ。

普段の3倍の速度で腰を動かしながらシャアはほくそえんだ。

206:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 11:29:31
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴

月のアナハイムから各種レアメタルの塊がスウィートウォーター港に大量に届いた。
ナナイ所長がイカリングの大佐に随行中の為、副所長の私が代わりに港に赴き
リストチェックをし、受領書にサインをしたのだが、これだけ大量の、
しかも種類も雑多な金属が強化人間の研究を主とする我が研究所に必要なのだろうか?

…そんな事を考えながら、大量のコンテナの港湾倉庫に移動する為の打ち合せを
公社の職員としている所に、ナナイ所長がイカリングから帰還してきた。
所長は私にあの亡命者を連れて来るよう指示し、直接公社職員と話をつけていたが、
どうやらその資材は表向きにはニタ研の新しい実験施設とラボ建造に使用する実験的資材
という建前になっているようだ。
実際にはイカリングでのMS開発に転用される事が、私には容易に想像出来た。

私は研究所に連絡して彼を港に連れてくるよう手配し、説明を終えた所長に着荷した
レアメタルのリストやコンテナ番号を説明している所に彼が現れた。
彼は私の持つリストを奪うなり目の色を変えて書類をチェックし始めた。
私が少し不愉快な表情で彼の様子を眺めていると、所長が私に説明してくれた。


元々この資材の一部は彼がアナハイムに発注していた物で、
彼がジオン驚異のメカニズムの結晶である小型サイコミュの技術を提供する代わりに、
我々はMSや新素材の開発研究の為の援助を受けるという裏取引をしてあるという事だ。
更にはイカリング内には彼が持ち込んだ、アクシズで研究中の
サイコミュ内蔵合金の開発実験施設の増設も急ピッチで進んでいるそうだ。

・・・この男、一体専門分野は何なんだろうか?
少し恐いが、一度屋台にでも連れていって飲みながら話を聞いてみようか?
…などと考えながら、コンテナ内の資材のイカリングへの偽装持ち出し案を
キグナン氏と相談するよう所長に指示され、私はその場を後にした。

207:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 12:03:40
今日はちょっぴり小咄。

私はイカリングを師匠と読んでいる。


ただそれだけ。

208:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 20:55:07
宇宙世紀0089、1月某日、アンマン 天気=不明

材料開発部から不可思議な素材の試作品が回ってきた。
何でも、分子レベルでサイコミュの感度を大幅に上昇させる素材とのこと。
解析結果を見て驚いた。一定の高温環境下で構造が自己増殖するのだ。
しかもMSのフレームにも使用可能な強度も持ちうるらしい・・・

現在は繊維のように単一の方向にしか成長せず、強度的にも
糸のように弱いということなので、まあ参考程度にというところか。

連邦軍の某大尉にZ系の設計資料と、試作品を要求された。有名人だ。
もう数年前の計画なので、秘密も解除されていることだろうと、
データベースにアクセスしたところ、なぜか上司から呼び出されることになった。
大事な客先の事なのにいったいどうしたことだろう。
パイロットとのインタフェースに、擬似サイコミュともいえなくは無い、
バイオ・センサーシステムが載っているのがまずいという話だったが・・・。
誰にとって何がまずいのだろう。

納期と、変形機構に関して精度を保証できる作業員がいないという話をして、
ダウングレードした案を提示した。

ご本人が乗り込んでくるらしいが・・無理なものは無理だ。
私にも家族がある・・・。オリジナルZ、確かに優れた設計だ。
これを超えるには、サイコミュ導入ぐらいしか解決策が思い当たらない。
サイコミュは、通達で正規軍には納入自体が禁止されている。

これなら例のマイナーチェンジのMKIIのほうがバランスがよいような気もする・・。
一撃離脱でバックパックの使い捨て運用とは贅沢な話になってきた。

まあ、試作機なので請求はそれ相応に水増しということになるのだろうが。
ニュータイプというのも金がかかるものだな。

残党狩りなら制式ジェガンで十分だろうに。手を入れろというならそのほうが
面白そうだ。

~某アナハイム社・システムエンジニア O・S氏の個人的日記~

209:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/09 21:16:26
良スレ認定^^

210:通常の名無しさんの3倍
05/06/09 23:27:31
宇宙世紀0089、1月某日、アンマン 天気=不明

某大尉が押しかけてきた。美人の工兵さん同伴だ。
みられるとまずい機体もあるので、急ぎ別棟に移動して封印する。

話を聞いて驚いた。Zplus乗ったことあるって??
あれはバイオセンサーなしのシステムだ・・・出力に見合った機動ができない。
反応速度が追いつかないのだ。人も、制御系も。危険極まりない。
一撃離脱に使うには高価すぎる。変形機構あっても意味が無くなる。
人的損失も事故も多発したはずだ。

ああ、この人はそうだっけ。味を占めたってわけか。

まあ、話の流れでこっちの思惑に乗せることはできそうだ。
ニュータイプっていっても心が読めるわけじゃないんだな・・・。
しかし、ほんとうにこの人、パイロットか?
自分で設計できるぐらいの知識あるぞ全く・・。まあ残党狩り程度なら
デグレードしたなんちゃってZでも不自由はしないだろう。

生真面目な人なのだろうが、妙に真剣なのが気にかかる。
戦争でもまたやる気なのか。まさかとは思う。

ZZはどうかとちょっと聞いてみたが、分離合体は使えないと判断しているそうだ。
複雑すぎて故障が多発することを危惧していた。
ハイメガキャノンについては苦笑されるだけだった。一発撃ったら行動不能だからな。

FAZZに関しては戦死者かなり出している事実をご存知なのか、一言も口にされなかった。
こちらも黙っていたが。

~O・S氏の個人的日記の続き~





211:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 05:09:30
テスト

212:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 07:00:38 4MMejJd/
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーターの天気=ゆきのちはれ

午前中は大雪である。公社事務局に問い合わせたところ、
「気象コンピュータのちょっとした故障」という話であったが、
こりゃどう見たって豪雪だろと言いたくなるような有様だった。
しまいにはコロニー内の循環水量が危険水準まで低下してしまい、
非常警報が鳴り出すしまつである。困ったものだな。

水量低下の警報を受け、積雪を速やかに水に還元するため、
オープン区画のミラーが最大仰角で太陽光を取り入れ始める。
密閉区画では人工太陽がフル稼働し、気温は低いのに日差しは
異様に熱いという、なんとも奇妙な現象に遭遇する。宇宙の神秘か。

午後。誰かの気まぐれから、合流したネオ・ジオン将兵との親睦会も
兼ねて、本部職員とニタ研合同の雪合戦を行うこととなった。場所は
港湾区画の広大な倉庫(無重力帯)。
空いているモビルスーツを総動員して倉庫内に雪をドカドカ放り込み、
人海戦術で雪玉とトーチカを製造してゆく。そのうち騒ぎを聞きつけた
公社職員までぞろぞろやってきて、ふだん無人の倉庫内は大喧騒に包まれた。

チーム編成はこうだ。
<チーム・新人類>私、ナナイ、ギュネイ、ニタ研のサルども。
<チーム・下克上>キグナン、レズン、ネオ・ジオン将兵、本部職員たち。
<チーム・甘水缶>コロニー公社職員たち多数。

シュツルム・ディアスの空砲バルカンファランクスを合図に、三つ巴の
大雪合戦が幕を開ける。ふっ、ニュータイプの血が騒ぐというものだ。


213:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 07:01:44 4MMejJd/
212のつづき♪

「あ、あたしが直撃を受けているっ!?」
レズンの悲痛な叫びがこだまする。単身<甘水缶>のトーチカ
に突撃したはいいが、公社職員たちの集中砲火を浴びたようだ。
なにしろ圧倒的な人数である。
「右! 弾幕薄いぞなにやってんだ!」
その<缶水缶>で指揮をとっている部長が怒鳴りちらしている。
いったいだれのモノマネか。

わが<新人類>はどうかというと、ニタ研の連中が大活躍中である。
強化人間が2人、人間ガトリング砲と化して他陣地に雪玉の雨を
降らせている。これでは勝負にもならんな、と気を抜いた瞬間、
「大佐ッ!」
ギュネイの鋭い声がしたと思ったら、狙いすました一撃が私の顔面に
命中した。雪でくもった視界の片隅に、してやったりといった感じの
キグナンのにやけ顔が入ってくる。おのれ…
「大佐あぶな…」
緊迫したナナイの声に重なって、もう一発の雪玉が顔面にヒット。
あいつ…たしかハマーンのお気にだったような…
ええいっ、まだだ、まだ終わらんよっ!

「このギュネイ・ガスの…このっ、このっ!」
目を血走らせたギュネイを供に、私は<下克上>めがけて突撃した。
ルウム戦役を思い出す。戦艦5隻の撃沈に比べれば、このようにチンケな
トーチカの攻略など、児戯にもひとしいハズであった。
「きたぞ! 狙いは大佐だ! メガ粒子砲一斉射、ってぇッ!」
キグナンが号令を下し、ネオ・ジオン将兵、本部職員一丸となって雪玉を
一斉投射。とっさにギュネイの陰に隠れるも、もろとも被弾・撃墜の憂き目に遭う。
薄れゆく意識のなか、私は頭の中でなにかが弾けるような音を聞いた気がした。

その先のことはよく憶えていない。あとでナナイから聞いた話によると、
私は、ベソをかくギュネイをひっつかみ、「メギドの火じゃあ!」と叫んで
<下克上>に放り投げたということであった。とうぜんトーチカは粉砕、この勢いに
恐れをなした<甘水缶>が降伏し、大雪合戦はわれわれの勝利で幕を閉じた
ということだ。

心身ともにくたびれ果てたが、とても頭がスッキリしていい余暇だったと思う。
部下の忠誠心に少しばかり疑問が残る結果となったが…まあいいさ。


214:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 09:25:49
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴

ストレス解消のための雪合戦イベントであったが、副所長たる私は仕事をおろそかに
しているわけではない。どうもこのコロニー全体が、風紀が乱れているわけではなく、
痴呆化しているようなのだ。

異常気象も、公社職員のポカミス・・ありえないポカミスが原因である。
そういうわけで、イベントの前後で健康診断と称して全員の検査を行った。
予想のとおりの結果が出た。

全員から、弱い向精神薬の反応が出たのである。
このコロニーの循環系そのものに、何かが混入されたらしい。
テロ、もしくは連邦の工作員の仕業であろうか。

ネオジオン将兵の一部には、熱烈なハマーン個人に対する崇拝者が
いるという。大佐とハマーンの個人的な関係は有名であるが、
経緯はどうあれ、存亡危急の折、同じくジオンの旗を掲げながら
見捨てた、といえる大佐に、反感や殺意を持つものがいるのであろうか。

キグナン氏に厳重な捜査を要請した。
大佐と所長への報告は控えた。もう少し調べたいことがあったからである。

215:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 09:39:28
循環系への異物混入は、結局コロニー全体を揺るがす大騒動になってしまった。
データが漏れたのだ。

いよいよ、反シャア派の存在を確信せざるを得ない状況が出てきた。
薬物自体の除染作業は、比較的簡単に汚染源が特定できたために順調に
進んでいる。住民全体のケアも必要である。

キグナン氏は、これを奇禍として、大佐の迅速な動きを喧伝するらしい。
ホルスト・ハーネスとかいう旧ジオン派の爺さんが、いろいろ注文をつけてきた。
宣伝の専門家というより、情報操作のプロのようだ。私には良くわからない。

大佐に報告が遅れた事で、修正を受けてしまった。痛い。
薬物の影響が残っているのかもしれない。また、所長の手を無理やり引いて、
自室にこもられてしまった。まあ、そのあたりのケアもあの人の仕事だ。
大佐は幼女趣味ではなく、大人の女しか愛さない、という評判も立っている。
ゴシップに類するものだが、大佐の場合はポジティブな印象を与えている。

英雄色を好む、か。





216:あんごる@KDDI
05/06/10 10:03:45
乙であります^^

217:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 11:59:57
職人さん乙です。

できれば、誰の日記か、日付や場所と一緒に書いてください。

218:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 12:55:52
【スウィートウォーター=共同】
 スウィートウォーター政庁は昨日、コロニー生命維持系に対するテロ行為が
発生したと発表した。住民の生命に影響は幸いなかった。
詳細に関しては模倣犯の恐れもあるため、公開しないとの事。
 記者会見した政庁主席と報道官は、この事件にはティターンズ残党の関与があったのではないかと示唆した。即日住民に対する大規模健康診断が
実施されたことから、生物化学兵器の使用が取りざたされているが、
連邦政府から当地への渡航制限などは特に発表されていない。

 なお、現地には連邦政府直轄の軍研究所が存在すると非公式には伝えられるが、本事件への直接の関連はない模様である。

【ロンディニオン=軍広報部】
 連邦軍は直ちにスウィートウォーターに対する部隊派遣を決定した模様。



219:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 13:10:13
宇宙世紀0089、1月某日、グラナダ 天気=晴 カイ・シデンの日記

 グリプス戦役終結から、俺はシャアの行方を追っている。奴がこのまま
大人しくしているとはどうしても思えない。あのネオジオンに参加しないのは
エウーゴでの奴の行動を見ればわかる。でもそれだけとも思えない。

 奴は必ず何かしでかす。

だが、ネオジオンを甘く見たのは失敗だった。
ハヤトの支援をもっとするべきだったのだ。悔やんでも仕方ないことだが。
・・・あいつは、地球連邦の首相になるべきだとか、シャアに言ったらしい。
あいつらしいストレートな物言いだな。

俺は素直じゃないから生きているのかもしれないが。
シャアの本質はテロリストだと俺は信じている。

 難民収容用の急造コロニーでテロ騒ぎだという。連邦の弱者切り捨てかとも
思ったが、きな臭いにおいも感じる。

渡航制限は無いが、定期便はすべて機体整備とかで欠航している。
何かあるとは思うが、動きが取れない。



220:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 13:21:44
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=曇り

今夜は副所長と例の亡命者と飲むために、久しぶりに高架下の屋台に来ている。
一部士官の直談判や先日の汚染騒動の発覚で綱紀粛正政策が緩和された為、
屋台は強制撤去を免れ、無事に営業している。
近々、キュベ女を始めとする各種風俗店も営業を再開するようだ。

私も汚染騒動時の迅速な対応や、アクシズへの事前工作
…といってもこれは結果的にではあるが…
の手腕を大佐に評価され、無事強化を解除して頂けた。
まだ若干の影響があるのか、戦艦のブリッジに上がるとつい、弾幕弾幕と呟いてしまいクルーからは影で、
キグナン艦長代理
…などと冷やかされているのだが。

今日は副所長達が先に屋台に着いていた為、亡命者との軽い挨拶以降は暫らく
小難しい話を二人は続けていたが、切りがついたのか汚染の件でこちらに話を振ってきた。
現在、汚染源の特定と浄化作業の完了、一連の騒動に対する大佐の迅速な処理能力を宣伝
しただけで、実行犯の特定・拘束には至っていない事を伝えた。
副所長達はそうですか頑張って下さい、といった感じで私のグラスにビールを注いでくれた。

その後はおでんをつまみながら元亡命者の研究者に酒を勧め、
程よく酔いも回ってきた頃に彼に話を振ってみた。
彼の経歴はアクシズ内でも特殊であったのだろう、結局諜報員も
彼の名前・過去の経歴・所属以外の情報が入手出来なかった。
副所長も彼の事を気にしており、今回の汚染事件もあったので一度胸襟を開いて
彼に直接聞いてみようという事になり今日この場に至った訳だ。

…以下、次回へ続く

221:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 13:40:29
宇宙世紀0089、1月某日、イカリング 天気=曇り

志半ばにして散った、少佐を始めとする同志の志を新しきジオンに
継承するために私はここに参加している。

あの、誇るべき一撃を連邦に与えた我々の戦いの結果は、
呪わしい連邦の狂信者を台頭させてしまっただけに終わったのではなかった。
連邦内も矛盾に満ちていることを露呈させ、彼らは戦いあった。
シャア大佐も裏切ったのではなかったことを証明しつつある。
今は、大佐は名を騙り、連邦を分裂させ弱体化させたと言っている。

だがしかし、我々の手で少しばかり後押しをしてやる必要はあるだろう。

あの青き星はいつ眺めても美しい。しかし、やらねばならない。
重力に魂を引かれた連中を粛清し、スペースノイドに真の自治権を
確立させるのである。

同志はすでに少なくなったが、血気盛んな若者たちが加わってきている。

やるのだ。再び我々の手で。ジオン独立戦争はいまだ終わっていない。

                        ~某曹長の日記~





222:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 14:03:42 ht21FKur
シャア アズナブルである。
少し前の事だが わがネオジオンの制服をまだ 曖昧なままにしておいたので デザイナーに依頼して正式なデザインを決めることにした。

私が出した要望は 男は我がスペースノイドの矜持を 制服から出したいと言った。

問題は 女子のだ。 絶対スカートで丈は膝上20㎝まで。 上はブラウスが はだける感じ
そう 言うなれば女子高生をイメージしたものだ。

また私の性癖がでてしまった。

けれど 私はネオジオン総帥 シャアアズナブルである。

因みに 私の執務室下をマジックミラーにこっそり変えておいた。

223:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 14:18:52
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=雨
                       ニタ件所長、ナナイの日記

 一番恐れていたことが、意外な形で起こってしまった。
これまでの準備がすべて漏れてしまっては困る。でもどの道、各サイドの
連邦軍は動きたがらないはずだ。内乱は怖いだろうし、
加えて、戦争はアクシズ軍自壊で終わったと思っているだろう。

 うちの研究所で治安維持可能だ、とでも軍管区司令部には伝えてみるか。
なるべく頭を下げて、相手の面子を立てれば大丈夫だろう。
一部の部隊は受け入れざるを得ないだろうから、イカリングは活動を
停止させる必要があるかもしれない。まだうちも連邦軍なのだ。
現地駐屯部隊による任務遂行が優先されるはずだ。

ここまで書いて、ナナイは手を休めた。
「・・・ガチガチのジオニストどもの巣にならなければいいが・・。」
いらいらして髪を掻きあげながら、解毒剤のビンに手を伸ばす。

大佐は落ち着かれたようだが、相変わらず呼び出しは続いている。
いささか破廉恥だが、慣れるということはあるものだとわかった。

「レズンはいつか殺してやる・・。」

思わずビンを放り投げてしまった。 あんなあばずれと同列視されてたまるものか。
残念ながら体が持たないのでいまは手出しができないのが悔しい。
再開した風俗店にも通い始めているようだ。匂いでわかる。

「大佐は私の奴隷なのだ。なんのために強化したと・・。」

呼び出し音が鳴った。用事はわかっている。
ふらふらと、しかし楽しげに執務室を後にするナナイであった。



224:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 14:31:50
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴れ

大佐が所長と私室にひっこんでから数時間、またあれかと思っていたら、
血走った目をしていきなり私に連絡を入れてきた。

なんでも、制服のデザインが女子高生で矜持が曖昧だから新しいのに
したいとか・・・。
旧世紀ならまだしも、この時代に学生は制服など着ない。
士官学校ぐらいなものだろう。当然ながらそんなものはここには無い。

いきなり、大佐の姿が画面から消える。
所長が代わって、うおこれはこれは・・。ニヤリとしてしまった。
即座に映像が切られる。

強化の後遺症らしいということだった。映画鑑賞をなさっていたら、
旧世紀のそれをみつけて、しばらく没頭していたということなので
それに影響を受けたのだろうと。意識が混濁した折に出てきた症状だという。

どうせポルノなんだろうが・・・。
あほらしくなったので、適当に受け答えをする。所長もそれどころでは
なくなったようだ。

さっさと切り上げてキュベ女でも行こう。
連邦軍の部隊がお義理でやってきたらしい。
一応顔出しにでなきゃいかんか・・ああ、キュベ女で接待も悪くないな。
連中もまあ、いろいろたまってるだろうしな。

にやりと笑って、港に連絡を入れるキグナンである。



225:あんごる@KDDI
05/06/10 14:56:41
>>218
LDの学生のテロでしょうか?怖い怖い^^

226:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 18:09:45
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴れ キグナンの日記

 連邦軍がやってきた。やってきて早々に、オデン缶詰工場の安否を問いただされる。
聞けば、さびしい哨戒任務のお供に大人気だという。マクダニエルのバーガー自販機が
外されて、オデン缶詰販売機になっている艦も結構あるとの事。

・・・テロの調査はどうでもいいのかよ。

 所長の根回しがあったらしく、コロニー内にMSを入れるわけでもなく、
うわっつらだけの調査を行って引き上げるようだ。
ささやかな慰労の宴を設ける旨伝えると、大喜びで受けてくれた。
キュベ女で公費使って遊べるってわけだ。

所長は過労ってことで出てこない。まああれでお疲れなんだろうが。

レズンがパイロット連中と連邦軍相手に揉め事を起こしそうなので、
とりあえず休暇を出してやった。
大佐の所在をしつこく問いただされて嫌になった。

口より手が先に出る奴は大嫌いだ。なんで俺を殴る。しかも5発も。
「あの女の肩ばっかり持つんじゃない!」だとさ。知るか。
自分の男の金玉ぐらい自分で握ってろ。

・・・大佐の顔は、いくら髪型を変えても売れすぎている。
地球圏一の有名人だしな。
とりあえず、このコロニーから離れたんだろう。まあ、連邦の犬に
大佐を売るような奴がここにいるとも思えないが。

・・・ち、お土産の調査報告書は俺が作るのか。

ウラキとかいう中尉だけ、目つきがほかの奴とは違っていたような気もする。
実地に被害箇所を見たいとうるさいのなんの・・。
ラボが近いのにそうはいかんよ。
まあ、所詮下っ端が何を言っても通りはしないだろうが。
骨董品のジム改隊だからな・・・。さかってるんだろ手柄欲しさに。

実戦になれば、うちらの新型相手じゃ3分と持たないだろうがね。


227:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 18:32:45
シャアの日記
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴れ

髪型をオールバックに変えてから気分も一新し、いよいよやる気が出てきている。
しかしながら最近気になることがある。

ナナイが私に視線を向けると眩しそうに目を細めるのだ。
最初は私の魅力なせる業かと思っていたが、それにしては露骨過ぎる。
また目の細め方も物理的に「眩しい」雰囲気である。

今日はギュネイまで同じような視線だった。
レズンは内心、嘲笑しているようだった。
キグナンからは何故か同情の眼差し。

鏡に向かって額の辺りを良く見たが、以前とあまり変わらない。
ナナイに黙って、こっそり眉毛を細くしたのがいけなかったの?

228:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 18:46:04
レズンの嘲笑だけは許せなかったので、後で私室に呼びつけて
たっぷりと制裁を加えてやった。念入りにだ。
失神するほどの衝撃だったようだ。これで額の事など口にすることもあるまい。

次はナナイだ。軽く体を清めてからインターカムに手を伸ばした。

ギュネイのような子供でも、いつかは理解する日が来るはずである。
奴がそれまで生き残れれば、であるが。
私にはその予定は無い。所詮は強化人間。兵器は使い捨てにするものだ。
・・・いずれ似たような強化人間でもあてがってやるとしよう。

組織の幹部には私に隷従してもらわねば困るのだ。
無論、同志はそうではない。

229:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 20:43:13
>>220の続き…

あぁ、少し心搏数がいつもより早いな、たぶんもう一人では真っすぐ歩く事さえ困難だろうな…
今日は随分飲んで…いや、飲まされてしまったな。
私は自身の酩酊具合を他人事のような冷静さで分析していた。
やはり副所長やキグナン氏も私の過去が気になるのだろう。
酒の勢いを借りて喋らせようという魂胆がミエミエではあるが、ザビ家=ハマーン派の
アクシズが滅亡した今なら語ってもいいだろう。
もう終わった事だ。

…そして私は自身の過去を語り始めた…


サイド1出身の私は、フォン・ブラウンの工科大の卒業直前に聞いたジオン=ダイクン
の演説に感銘を受け、卒業後すぐに単身サイド3に渡り、工科大出身の経歴を買われ
実戦配備されたばかりの最新鋭の戦闘兵器『モビルスーツ』の整備班に配属された。

やがてジオン=ダイクンが暗殺され、ザビ家がダイクンの遺志を継ぎジオン公国を建国し
連邦に対し独立戦争を開始した頃、他の整備班よりも効率良く的確にMSの整備をする
手腕を見込まれフラナガン機関に転属が決まった。

そこで本物のニュータイプに遭遇し、私は彼らの為のサイコミュシステムを研究開発に従事する事になった。

そして・・・
私はそこで私の妻であった女性と出会い、そして結婚した。

230:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 20:57:12
>>229の続き…

私の妻となったその女性は、微かながらNTとしての素質があったものの、生来の温厚な性格と
年齢の為にこれ以上の能力発展は見込めないという上層部の判断で、各地から集められた
NT予備軍の子供達の世話をしており、子供達からはお母さんと親しまれていた。


そしてジオン劣勢で終戦も囁かれはじめた頃、妻はそれまでにNTとしての能力
が発現しなかった子供達を連れて非戦闘コロニーへ避難していった。

妻と離れ離れになった私に、機関に残っていた一人の少女がこう告げた…
お母さんにはいつかまた逢えるよ

…と。

大きな瞳と黒く長い髪が印象的な少女だったが、終戦の少し前に私もその建造に携わった
大型MAに搭乗し、戦場で命を落したそうだ。


そして戦争はジオンの敗戦で終結し、私は戦犯として処刑される事を恐れ、他の兵士達と共に
アステロイドベルトへと逃れていった。

231:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 21:17:45
>>230の続き

暗く何もない宇宙で、私は妻との再会だけを信じて研究に励んでいた。

数年の後、デラーズ紛争勃発を察知したアクシズから、援護に派遣される艦隊に従軍し遂に地球圏への帰還を果たした。

事前に先行して地球圏に入った同士に妻や子供達の捜索を頼んだ成果が実り、妻の生存と居場所が確認出来た。


そして・・・
私は黒髪の少女のあの日の言葉通り、妻との再会を果たした。

…妻は以前教えておいたサイド1の私の実家で暮らしており、沢山の子供達と私の家族と
一緒に私の帰りを待っていてくれたのだ。

このまま脱走してしまおうか…とも考えたが、これまで苦難を共にした仲間を裏切る事が出来ず、
妻にいつか必ず帰ってくると約束し、僅か数日の滞在で私は艦隊に戻っていった。

232:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 21:58:06
>>231の続き

デラーズ紛争から数年の時を経て、ようやくアクシズ艦隊の陣容も整った我々は、遂に地球圏への帰還を開始した。

その帰路の中
・・・悪夢のような事件を私は知らされた

あの、サイド1の30バンチ事件を・・・

事件発生の一報から暫らくして、地球圏で活動する同士が入手した非公式の犠牲者リストの中に、
私の妻や家族とあの子供達の名前が・・・あった

しかも、その中には私と同じ姓を持つ3才の子供の名が・・・
あの再会の時の!


その件以来、私は無念と、大きな喪失感から長い間塞ぎ込んでしまった。
やがてそんな私の許に、一年戦争時代からの顔見知りの子供達がやってきてくれ、こういってくれた…

・・・お母さんはいつも私達傍にいるよ
と。

そんな彼らに言葉に励まされ、何とか精神的再建を果たした私は、現場へと復帰した。
心の大きな喪失感を埋める為、以前にも増して精力的に働いた私の許に、ある膨大なデータ
の整理と分析作業が回ってきた。
何でも、新企画のサイコミュを開発する為のデータらしい。
その解析後のデータは今までに見た事のない程のもので、私は驚きを隠せず解析結果を
引き取りに来た研究員に誰のデータなのかを聞いてみたが、
今はまだ極秘だがいずれ分かると
言って解析結果を片手に去ってしまい、その時は知る事が出来なかった。

233:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 22:17:44
>>232の続き…

やがて私は新しいサイコミュの開発を命令され、その忌まわしい真実を知った。

地球連邦の内紛に乗じて地球圏での勢力を一気に拡大したザビ家=ハマーン派の狂信者共が、
地球の支配権を確立する為に、かつてフラナガン機関で発掘したあの子供達を
薬物投与や機械的な洗脳処理で戦闘マシーンに仕立て上げたのだ。
しかも、一年戦争の時代から連邦の捕虜や子供達を使って人体実験を繰り返し、
NTの遺伝情報から戦闘用のクローンNTの培養まで行なっていたとは。
宇宙に住む人類の革新を掲げたジオン=ダイクンの志を汚すようなこの行為に、
私のザビ家=ハマーン派への忠誠心は急速に薄れていった。

そして・・・私は苦悩の末、ある一つの結論を出した。
あの子達洗脳を解き、自由にしてやろう。

事が発覚すれば私自身の身が危ういだろうが
・・・妻も、会う事も叶わなかった我が子さえも失った私には、もう失うものなど何もなかった。

234:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 22:26:03
話がそこまで進んだとき、キグナンはオデン屋の親父が小刻みに肩を震わせているのに
気がついた。

「おい、親父。わかってるとは思うけど聞こえた話は口外するなよ」

釘を刺しつつ、どうして彼は震えているのか気になった。

「い、いえ、いい話だと思って・・。」
・・・・取り皿を落として割ってしまった。彼は泣き出した。

とりあえず、カップ酒を飲ませて落ち着かせると、舌が滑らかになったのか
彼は自分に関して突然語り始めた。

彼は、地球で昔情報機関の工作員をしていたと名乗った。いまは退役して、その仕事からは離れて久しいという。
そして、彼の口から出てきた言葉は、恐ろしいものであった・・・。

「私は、連邦政府の命令で子供狩りをしていたんです・・・」

連邦軍が一年戦争の後で、強化人間の研究を始めていたのは良く知られているところだ。
戦災孤児、資質のあるとされた幼年学校の生徒がその中核であったが、
サンプルとして最も重宝がられたのは、ジオンのフラナガン機関が集めたそれ。
そう、さっきまで語っていた研究者の妻子と同じ境遇の人間であった。

ジオンのニュータイプ研究が、どちらかといえば素質のあるものの発現補助と、
兵器システムの確立に傾いていたのに比して、連邦のそれはより、非人道的であった。

現在もナナイ達が研究しているのは、資質によらない強制的な兵士の資質強化である。
その、基礎過程がどのくらい残忍な手法を用いて行われていたのかは、
資料によってしか知ることはできない。それを知る、副所長は息を呑んだ。
・・・ムラサメ研・・・。

「子供を・・・集めて・・・。」研究者の彼。

「見てしまったんです、自分が集めた子供達が何をされているのか。」親父。

震えが止まらない様子で親父はコップ酒をこぼしながら呷った。
重苦しい沈黙がその場を支配した。

「す、すみません、今は一介のオデン屋の親父です。自分の罪は・・罪はわかっていますが・・。」

親父は肩を震わせながらであるが、自分の仕事に戻ろうとしている。
彼も今は、ここで必死に生きているのだ。
数年間の放浪の果てに、たどり着いたのがこのスウィートウォーターだったらしい。
人というものは引き寄せあうのであろうか。
驚きのためか、機密事項に属することをうっかり口外している自分達を
省みることも無く、我々の話は続いていった。

(中断ごめんなさい、どうぞ)

235:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 22:33:39
(ついでなので)

そんな話を酔いの回った頭で聞いていた副所長は、ふと思った。
「もしかすると・・生きているかも・・」

ティターンズが使えるものを使わずにいるはずは無い。
親父の言った話が本当であれば、30バンチからも有益な人員は回収したはずである。
「フラナガンの子供達」であるならば尚のことだ。
グリプス戦役中の、あの地獄の強化実験から生き残っていれば、ではあるが。
自分で手を下した数々の被験者の顔が、頭をよぎった。

彼に似た子供は、いなかったはずだ。

口に出してはいえない副所長であった。

キグナンが無言で、酒を注いでくれた。今日はつぶれるまで飲む。


236:通常の名無しさんの3倍
05/06/10 23:34:20
>>233の続き…

私はその命令に従いながら上層部に隙が出来るのを待った。
一年戦争時代からの仲間も察して協力してくれた。

そしてチャンスは訪れた。
ハマーン以下主だった将官がミネバに随行して地球に降下したのだ。

私はこの好機を逃さずすぐに計画を実行に移した。
留守番役に提出する報告書の一部を改竄し、
この状態でのサイコミュ使用は使用者の負担が大きく、長時間の戦闘に耐えられず短期間での精神崩壊の危険性が高い
と、虚偽の報告をし半ば強引に子供達の強化を解除していった。
全員の解除作業が終わった頃、ハマーンが地球から戻ってきてしまいデータの改竄があっさりと発覚してしまった。

ハマーンの親衛隊が開発室を訪れた時、私は死を覚悟していた。


その時・・・
強化を解かれ、意志を取り戻した数人の子供達が私を助けくれたのだ。

ハマーン親衛隊を振り払いアクシズ内を逃走する途中、子供達に何故私を助けたのか聞いてみた。
すると…
お母さんに助けてあげてと頼まれたんだ。
そうか・・・私はまた妻に救われたのか。


子供達は親衛隊の追跡を巧みに躱し、私は事前に用意してくれていた脱出用シャトルに辿り着いた。
そしてその時、子供達はアクシズに残ると私に告げた。
一緒に逃げるように説得したが、自分達の事は気にしないで、と言って私を半ば強引にシャトルに押し込み遠隔操作で射出してしまった。
最後の通信聞こえた彼らの声が、今も耳に残っている


・・・さようならお父さん

237:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/10 23:47:26
乙でありました^^
今日は少々心がささくれていたのですが最後に癒されました^^
ラストリゾートですね^^

238:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 00:13:35
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=曇り 

~旧ジオン派アジトにて~

「・・こいつらは狂っている・・」
「人間を何だと思っていやがる・・・」
「ティターンズの連中と変わるところは無い!」
「変節者のハマーンともな。小娘め、分を超えてザビ家をのっとろうなどと・・」
「おいたわしい。ミネバ様・・」

オデン屋の密談を、盗聴している黒服の一団があった。
旧ジオン派である。ギレン・ザビの理想をこそ、自らの信条として
いまだ保ち続ける、戦士の一団でもあった。

・・・彼らは戦い続けてきたのだ。砂漠の日差しに耐え、デブリの海に潜み、
アクシズに身を寄せてさえ、その志を失ってはいなかった。

自分達の目指してきた、スペースノイドの自治権確立の戦いは、こんな連中によって
ゆがめられ、貶められてきたのか。幹部連中の動静を探らせていたが、まさかこれほどとは。
人の限界を超えて、マシーンとして人間を扱うなど・・ましてや子供を。

連邦も・・ネオジオンを名乗ろうとするこの連中も狂っている。
月の裏側のこの空域にも、多くの同志が、英霊が眠っているというのに!
・・・・我々が動くしかない。

今はシャア大佐、いやキャスバル・ダイクンの志に感ずるところありと、
この場に身を潜めている彼らであったが、ザビ家を倒した彼に心酔している
わけでもなかった。ジオンの遺児であることは認め、是々非々の態度で
機会をうかがっていたのである。

理想を体現するものが、ザビ家でなくてもよい。ダイクンの遺児がそうならば
それはかまわない。だが、彼が我らの大儀を忘れるのであれば・・。

散っていった同胞の魂に懸けて、それは認めない!
そうなれば、正しきジオンは、我々が再興する。

 「・・・少佐に、デラーズ閣下に・・そして星の屑の志に懸けて誓う!」
 「ジーク・ジオン!」
 「ジーク・ジオン!」・・・

彼らは誓い合った。
志異なるならば、われらは古き旗を掲げてまた起つだろう。と。

・・・・・ほろ苦い酒宴の、少々不躾な参加者がここにいた。
それぞれが身を寄せるこの、スウィートウォーターと同じく・・
・・・・・・・・・・・ネオジオンは一枚ではないのだ・・・・


239:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 00:48:00
>>236の続き…

射出されたシャトルの中で、私は一人泣き崩れていた。
やがて泣き疲れ、そのまま眠ってしまったらしい。
そんな私の夢の中に、
妻と子供達が、そして・・・顔さえ知らない私の愛しい娘が現れた

・・・あの子達を助けてくれてありがとう

これからは貴方の自由に生きて下さい

・・・そう言って、妻は優しく微笑みながら抱き締めてくれた。

伝えたい事がたくさんあった筈なのに、何一つ伝えられなかったが妻はそんな私に
・・・言葉にしなくても分かっていますよ
私達はいつも貴方の傍にいますからね

と。

そして眠りが覚めた時、私はジオン=ダイクンの言葉を思い出していた

・・・人類の革新

妻や子供達に、その言葉の本当の意味を教えられたような気がした。
そして、私は真に彼の意志を継ぐ者に全てを託そうと・・・


私を利用したザビ家は自ら破滅の道を進んだ。

次は地球にしがみつきながら宇宙を支配し、そして私から全てを奪った傲慢な連邦の官僚共の番だ。


私には戦う力も人を導く徳もないが、私の生涯をかけても必ずこの復讐は果たしてみせる。

見ていて・く・れ・・・

そう呟きながら、グラスを片手に私は屋台のテーブルに俯したまま深い眠りに落ちていった。

240:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 00:56:16
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=曇り 

~シャアの私室にて~

「ふん、二人とも寝入ったか・・毎日毎日、すまないな。」
 彼は女性を抱くことが嫌いではない。であるが実は好きでもないのだ。
ほかに考えることは幾らでもあったから。絶倫なのは親譲りであるらしいのだが。

彼はすこし考え込んだ。

「・・連邦の施設である、このコロニーのニュータイプ研究所をのっとる為に、
まず、ナナイを自らのものとした。痴話げんかやゴシップも、大衆の支持を
取り付けるためには必要なことだったのだが、ナナイは有能すぎる。
 そこでレズンを呼び寄せた。彼女はもともとの同志・・いや、家臣だ。
一年戦争・・いや、それ以前からのダイクン家に忠誠を誓うものに連なる女。
 ナナイによる精神改造の危険があったために、リスク管理の一環として
彼女をそばに近づけることにしたのだ。無論、データを偽装させて。
そういう女でもなければ、安心して身を任せることはできないではないか。
 自らの遺伝情報を残すプロジェクトも、この女達を介して実施されている。
そのことも含め、この地球圏の有象無象にさまざまな影響を行使する。
概要ではあるが、すべてを把握する。それが、いまの私の立ち位置である。」

 自らのカリスマ性を高めるために、あくまで計算して行動してきた。
冷酷な男である。強化実験も、実はすべて潜り抜けてきたのだ。
フラナガン機関設立時から付き合いのある、ある男を介して
入手した特殊な携行装置と、薬物で連邦型の強化は影響を消すことができるのだ。
・・・これまでの奇行も、すべて計算されたものである。

「・・連邦側にも、エゥーゴやカラバの分子として潜入させた工作員が、
いまでは何食わぬ顔で正規兵、官僚として内部工作を行っている。
このコロニーを把握するころに、奴・・やブライトが、それなりの力を得るだろう。
容赦はしないが、少しは手強くないと面白みに欠ける。
今度の戦争は、敵も味方も、そして結果も・・私がすべて作り上げるのだ。
シナリオの通りに動いてもらう。」

「・・地球に住む連中には気の毒だが、消えてもらう。人類は宇宙の民になるのだ。
ニュータイプになれない人々には、それを育む肥やしになってもらうしかない。
そういえば、アルテイシアに送らせた種は、木星に発ったのだろうか・・」

「・・・ララァ。私を導いてくれ!そして決着はつける。この私自身の力で。」

素顔のシャアは、孤独で、純粋である。

241:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 07:11:50
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=曇り 

~シャアの日記~

ニュータイプと強化人間は明確に異なる。人の革新は薬物や、電気的刺激で
なされるものではない。ましてや外科手術など愚の骨頂だ。
しかし、私はその愚行をあえて犯そうと思う。
連邦の強化人間の成果を、ニュータイプ資質のあるものに適用して
実利を得たのはハマーンであった。ギレンの坊やは・・遺伝子操作か。
人でないものに頼る気は無い。怪物は人を殺すだけだ。

ニュータイプの資質を重力に魂を引かれたものに利用され続けたり、
ニュータイプでもないのに無理に力のみを拡大させるマシーンたち。
この連中はすべて粛清する。私が作り出す次の戦争で。

ジオンの血は残さなければならない。カリスマとしての父は偉大すぎる。
その理想は、次代以降で形あるものになされるべきだ。女の手によって。

・・・ここまで書いて、シャアはため息をついた。
ジャミトフ・・シロッコ・・そして・・ハマーン・・。
彼らは、志を同じくするものだった。その時点で、自分では忌み嫌っていた手段も、結局
自分で行う羽目になってしまった。私は偽善者だ。
たくさんの人間を、自分の愚昧さに巻き込んできたのだな、と思い返す。

・・女達が目を覚ますまえに消えねば。
今日は予定の「御乱行」を行うつもりだ。種を撒き散らさねばならない。

・・・なんだかんだいっても、下半身に理性は無い・・・・

たくさんの女が、「ララァ」の名を聞いてしまうのはこんな訳である。



242:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 07:38:06
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=曇り 

~旧ジオン派アジトにて~

今ではすべての「計画」を知りうる立場にある、カリウスは「計画」の
壮大さに思いを馳せていた。少佐も、この「計画」のために駆け抜けたのだ。

・・地球連邦は、もともとの旧世紀の国際連合にその源がある。
したがって、その当時の「強国」そう、最強国家であるアメリカ合衆国。
そのなかの支配層に牛耳られてきた組織であった。

支配層とは・・・
「White Anglo Saxon Protestant(WASP)」と呼ばれる人々である。
産業革命以来、彼らは自らの国家さえ乗り越え、地球に工業と軍事の力で
植民活動を繰り広げた。条件のよい場所は、すべて彼らの支配下にある。

宇宙世紀も例外ではない。WASPの支配する軍産複合体は、強制移民を
実施し、自分達は連邦政府の権力を利用して地上に居残った。
棄民である。

ここに、エレズムを唱える、ジオン・ズム・ダイクンが現れる。
彼の理想に共鳴した人々が、独立を画策する。
ザビ家がその理想を乗っ取ったことは、結果的には良かったのかもしれない。

効率的に、「計画」を進行させる助けになったからである。
WASPに対する反感を持つものたち・・・その志は、東洋の小さな国に
端を発する・・・は、乾坤一擲の作戦を実施させた。
ブリティッシュ作戦である。公的にはジャブローを狙ったものが、
オーストラリアに反れた事になっている。

・・・違うのだ。

デラーズ閣下は星の屑を実施した。ガトー少佐の働きで、見事星の屑は成った。
そして・・ハマーン。
小娘も、きちんと「計画」のために働かされたのだ。

イギリス-アメリカ-オーストラリア。

地上におけるWASPの根を断ち切り、彼らの禍々しい呪縛から人類を解放すること。
そして、陰謀により散ったあまたの英霊に報いること。

ジオンはそのためにあるのだ。理想としてのスペースノイドの自立は、
当然なされるべき結果になる。私の苦労も報われる日が来るだろう。

根を断ち切った今、連邦政府そのものを瓦解させなければならない。
地球に人がしばらく住めなくなっても仕方が無い。まずはラサを潰す。

自らの不遇な生い立ちと、散り散りになった家族のことをふと思い出し、
涙するカリウスであった。WASP打倒にしか、人類の未来は無い。
やるのだ!我々の手で!

大佐も、自分ももちろんそうであるが、「計画」の駒に過ぎないのだ。

別の感慨を込めて、彼は唱和する。
「ジーク・ジオン!」

・・・・ガトー少佐、私の魂はあなた方とともにあります・・・。


243:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 07:44:53
おーこの時間に人がいる。
そりゃ♪



244:シャアの日記
05/06/11 07:46:00 dA2V9uF0
宇宙世紀0089、2月某日、イカリングの天気=昼白色の天井照明

私がクワトロ・バジーナの名を捨ててから、もうすぐ1年になろうとしている。
月日が経つのはほんとうに早いものだな。わずか1年のあいだに、自分を
とりまく環境がここまで激変するとは、エゥーゴに身を置いていた頃には
想像もつかなかったものだ。

本日は、イカリングにて試作モビルスーツの起動実験に立ち会った。
試作モビルスーツといっても、既存モビルスーツをベースとして、現状で
想定している運用目的に沿った強化改造を施しただけという、なんとも
お粗末な代物にしかすぎないのだが。

ザクⅢ→固定兵装のメガ粒子砲を廃し、各部アクチュエーターを余剰出力に
見合ったものへ強化換装、白兵戦における機動を強化。次期主力モビルスーツの
ベースとして、いまのところ筆頭候補となっている。やはりジオンといえば
ザクであろう。

量産型キュベレイ→脚部を廃し、搭載制限ギリギリの大径バーニア・スラスターを
二基追加。元来の機動力を発展させ運用目的を対艦戦にシフトし、
一撃離脱能力を強化してみた。…場合によってはサイコミュの廃止もありうるな。

ドライセン→量産に適し、かつ白兵戦への適応力の高さから、ザクⅢに並ぶ
次期主力モビルスーツ・ベースの候補。各部アクチュエーターを強化換装して
いるが、出力不足による機動低下が懸念される。最も簡素な改造に終わって
いる。ようするに手抜きということか。

いまのところ、以上の3機種による性能試験が半年間にわたって予定されている。
強力な大型機と高価な可変機に関しては、運用コストはもちろん、整備の面でも
苦労するのは目に見えているので、できれば手をつけたくないというのが本音で
あったりする。
艦隊旗艦であるレウルーラはともかくとして、主力となる巡洋艦にはできる限りの
ダウンサイジングを施し、コストダウンを図りたいという思惑もあることだしな。

245:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 08:03:32
宇宙世紀0089、2月某日、アンマンの天気=蛍光色の天井照明

アナハイム:MS営業技術部 某営業マンの日誌

ネオジオンに売りつけるモビルスーツの企画案が大体まとまった。
とにかく、コストは掛けられないらしいので安く上げなければならない。
連邦軍に納めているものより、少しだけ性能向上させろとの指示もある。

 量産案1:外観ザク系の改良型
 ティターンズに只同然で供給した、マラサイのコンセプトを元に
 一応の最新技術と、出力と機動力の向上を果たしたタイプ。
 サイコミュやバイオセンサーなどはまったく無いが、
 兵装の変更により対応戦場にバリエーションを持たせる。

 量産案2:ジェガンそのもの
 どうせムーバルフレームなので、外装を張り替えてザク系に見せかける。
 とにかく安上がり。

 量産案3:量産案1を少し改修して、筐体容積を拡張したもの。

「・・・どっちにしても、丸型のジオンデザイン被せればいいだけだしな・・・」
「・・・あのときみたいにな。」

周囲を見回して、自分の発言に冷や汗をたらした彼である。
・・もとの上司である、オサリバン氏のような死に方はしたくない。きちんと子会社と、ダミー会社を
介して、直接注文があったのではなく、連邦のニュータイプ研究所からの
試作機発注であったということに偽装しなければならないのだ。

案3の機体には、サイコミュ搭載するであろうことは、はっきりわかっていたが。
スウィートウォーターでのプレゼンは近い。

資料をまとめないと・・・・。




246:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 11:49:38 6UVgtS62
宇宙世紀0089、2月某日、グラナダ 天気=湿度80%

アナハイムの下請けの下請けのモノアイづくりの名人 人間国宝左ちんご朗の日記
「おい!ジオンのヤツに言っとけ!!モノアイづくりって物は命がけの仕事なんだよっ!!
あんたらが考えるような甘っちょろい仕事じゃーないんだよっ馬鹿やろう!!」
モノアイ作成工程 したづくり3→日干し→熟成→焼きいれ→漆→乾燥→すみ入れ
 

247:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 13:41:09
宇宙世紀0089、1月某日、スウィートウォーター 天気=晴

あの屋台の夜以来、私は彼に対して罪悪感を抱えながら接するようになってしまった。

あの夜の翌日、彼は私とキグナン氏に対して、忘れてくれと言っていたが、あの話を簡単に忘れる事の方が無理というものだ。
特に、今もニタ研の副所長を務める私には。
集団の狂気によって、良心を摩滅させていった自分の姿を語られたような気分だ・・・


今、彼は研究所の一室でアナハイムに提供する小型サイコミュの製作に充たっている。
ここの設備や工作機械ではかなりの時間がかかってしまうらしいが、彼は必ず作り上げるだろう
・・・彼の真の目的達成の為に


・・・そんな事を考えながら彼の様子を別室からモニターしていた所、キグナン氏が部屋に入ってきた。
キグナン氏は、あの夜以来彼が自分と同じジオン=ダイクンの信奉者だと分かり、
疑念も消散し寧ろ彼に親近感さえ覚えているようだ。
音声が拾えない為、映像からの判断しか出来ないが、どうやら何かを頼み事をしている様子だ。
彼も最初は断っていたようだが、キグナン氏の熱意に根負けしたようだ。
キグナン氏は了承を得ると足早部屋から立ち去ったのだが


・・・最後に映った、満面に浮かべたあの、エロい笑顔がとても気になる。

248:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 14:18:22 sehzb9HB
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=コロニー公社気象実験中

AE技術者の日記

しかし、ひどい天気だな・・・。なんでも、大気中と地表間の放電現象「かみなり」の再現実験らしいが・・・
コロニー壊す気か?
それはそうと、今日面白い論文がフロンティアサイドから届いた。
「バイオコンピューター概説・その基礎と発展可能性」・・・?
・・・ふむ、どうやら使用者との同調が可能な擬似サイコミュのようなものらしい。バイオセンサーの
発展型みたいなもんか? モビルスーツに組み込めば、相当な働きが期待できそうだな・・・
サイコミュのようなプレッシャーもなさそうだし。
しかし複雑きわまるシステムだな、こりゃ。モビルスーツに組み込む手間も考えると・・・
配線なんかもえらいことになりそうだ。
ま、こんなもんを実用化するにはあと30年はかかりそうだな。フロンティアサイドの連中も
おヒマなこって。


249:通常の名無しさんの3倍
05/06/11 15:17:35
宇宙世紀0089、1月某日、暗礁空域 天気=曇り 闇の声

・・今日の作業が終わった。ずっと機械に接続されて過ごしている。
考える時間だけはたくさんある。人殺しでなく、人の意識を操作するだけだというから
・・引き受けたのに。

・・もう10年近く、大・・の意識を操っている・・・。
彼は私が死んだと思っている。あの状況下では仕方が無いけれども。
「せいふてぃしゃったー」とかいう特殊装備が装備されていたので
後で機関の方々に回収していただくことができた・・。

・・彼の純粋な意識に触れるのは楽しい。でも、誤った考えを押し付けるのは
心苦しい。機関の方々は大・・に大量殺人をさせるつもりでいる。
私は・・私はそれに手を貸すのだろうか。いまさら偽善が通るわけでもない。
・・操り人形に過ぎない大・・・かわいそうな方。・・もう刻はわたしには見えない。
いまさらお会いすることなどできはしないし。
・・生きていくためにはしかたがないの・・。

暗がりの中で時折光る怪しい装置・・意思そのものを発する威圧感が
あたりの空域から人を自然と排除している。
記憶自体が妨害を受けるため、気がつかないが、そばを航行する船舶に
乗った人々は、歌うような声を頭に直接響かせたはずである。

解き放たれることの無い、囚われたニュータイプの悲しい歌を。
 

250:シャアの日記
05/06/11 21:08:07 lL2eTAvn
宇宙世紀0089、2月某日、イカリングの天気=昼白色の天井照明

試作モビルスーツの性能試験が本格的に始まり、イカリングに
泊まり込む日々が続いている。べつにスウィートウォーターから
通えなくもないのだが、コンセプト・プラナーとテストパイロットを兼ねて
新型モビルスーツの開発に携わることに対して、新鮮味とやりがいを感じだし、
夢中になりかけているのだと思う。
かつて私は生粋のパイロットであった。エゥーゴの首脳陣に感化され、
政治に関わる分野にも首を突っ込むようになり、いまでは新生ネオ・ジオンの
総帥として、みなの期待を背負っている立場なわけだが…
パイロットとしての私は、永遠に不滅であろうとも思っている。
赤い彗星の二つ名は伊達ではないということだ。

それでも週に3日ほどは、短時間ながらスウィートウォーターに顔を出す。
くわしい経緯は知らないが、キグナンとニタ研副所長、それに亡命者の博士が妙に
仲良くなっているのが気にかかる。運命共同体とでもいおうか、3人の雰囲気が
なんだか似通ってきているように感じるのだ。最近は3人でよく飲み歩いている
らしいしな。共通の新しい趣味を見つけたとでもいうのか。

量産型キュベレイの高機動タイプは、じつはナナイの密かなお気に入りであったが、
対艦攻撃特化への運用シフト実現のさいには、サイコミュが切り捨てになるかも
知れないと説明したところ、やはりいい顔をしなかった。ニタ研の所長としては、
自分の部署の功績を最大限に発揮し得るシステムこそ、強化人間とサイコミュ
の組み合わせである。当然の反応といえよう。
サイコミュの運用に特化した試作機も開発しているさ、ととっさにホラを吹くと、
ナナイはようやく笑みを見せてバスルームに消えた。シャワーの音がかすかに
聞こえてくる。鼻歌も混じっているようだ。

強化人間用にきちんとした機体を開発せねばならんな…ぶっちゃけたはなし、
素で忘れていたものだ。休養を取る必要もありそうだな…




251:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/11 22:44:46
乙であります^^

252:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 02:03:30 w/m8YZy7
最近の日記はまじめであります 大佐!

253:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:29:39
昨日は人が少なかったんだね…orz

>251
いつもレスありがとん。

>252
では、ちょっとくだけたヤツを…と思ったが、
激烈に長くなったうえに失敗したっぽい…orz

254:シャアの日記
05/06/12 09:30:41 CXrvmbHJ
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=くもり

ここのところ試作モビルスーツ関連で根を詰めていたし、満足にナナイを
いたわってやることもできなかったので、1日か、せめて半日でも休暇が
取れないものかとキグナンにかけあってみることにした。

イカリングのモビルスーツ研究・開発ブースから、ランチ発着場までの
連絡通路に売店がある。昼間しか開いていないのが唯一の難点だが、
新聞・雑誌・お菓子・飲み物から、ちょっとした日用品まで扱っている便利な店だ。
店員はスウィートウォーターから派遣されている若い娘で、なかなか魅力的な
おしりをしていたりする。
「あ…いらっしゃいませ、大佐」
私が近づいてゆくと、かすかに頬を赤くして笑顔を見せてくれるものだ。
きみはいつも元気だな、と挨拶代わりに言うと、ますます顔を赤くしながら
低糖のパック・コーヒーと新聞を手渡してくれた。
「それから…お義理で申しわけないんですけど」
私が持つ新聞の上に、小さな包みをちょこんと乗せる。なんだろうか。
「今日はバレンタインデーなんですよ。でも、ナナイさんには、ないしょ…」
そう言って、小さく舌を出す。ふとアルテイシアの顔を思い出した。顔は
まったくといっていいほど似ていないし、性格もしぐさも異なるタイプなのだが。
バレンタインか…菓子屋の企みによるそんなイベントもあったな、などと
内心苦笑しつつも、ありがとう、と礼を言ってコーヒーと新聞の代金を支払い、
ランチに向かう。

スウィートウォーターの本部に着くやいなや、おかんむりのレズンにつかまった。
ギュネイの態度がデカいだの、そもそも強化人間など必要ないだの、
ハンマ・ハンマを次期主力モビルスーツの候補から除外したのが気に食わない
だのと、日ごろため込んだストレスを洗いざらいブチまけようとしている気配が
ありありと伝わってきた。ちょっとした思いつきで、てのひらを上にして右手を
突き出してみせる。
「……?」
ガトリング砲のように愚痴をこぼしていた口が動きを止め、不意打ちを食らった
ような顔になる。
今日はバレンタインデーなんだがな、と生真面目な口調で言ってみた。
「…ばっ、バカ言うんじゃないよっ! こどもじゃあるまいし…」
レズンは私から視線をそらすと、逃げるようにして足早に去っていった。ほんの
思いつきにすぎなかったのだが、驚くほどに効果ばつぐんであった。やはり私は
ニュータイプなのだ。つくづく自分の才能が怖くなるというものだ。

255:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:31:44
254のつづき♪

やすやすとレズンを撃退できたおかげだろう、私は、足どりも軽く
キグナンのいる執務室を訪れた。
「はあ、1日くらいならどうということもありませんが。ご自身が
なさらなくてもいいような仕事にまで手を出されるから、忙しく
なるんですよ、大佐」
ふだんはイライラさせられるだけの小言だが、今日は不思議と
気にならない。こんなにあっさり許可が下りるんだったら、通信
で済ませば良かったというものだ。
そういえば…最近、みょうに副所長と博士と仲がいいようでは
ないか。なにかあったのか。
「う…く…ぐすん」
急にのどを詰まらせ、鼻をすすりあげる。なんなのだろう。
「機会があれば、いずれ…涙なしには語れないお話です…」
…そうか。まあ、人生いろいろだ。涙もあれば笑いだってあるさ。

相変わらず、ナナイはニタ研の資料とにらめっこをしていた。
「大佐…イカリングではなかったのですか?」
ン…たまには息抜きも必要だろう。急ぎの仕事というなら、
遠慮申しあげるところだが。
「ばかをおっしゃらないでください」
ナナイは微笑むと、机上の書類を手早く片付けて、化粧室に
姿を消した。ナナイを待つあいだ、ソファに腰掛けてぼんやり
していると、行き先もなにも決めていないことに気づいたものだ。
なあ、ナナイ。
「はい?」
どこか行きたいところはあるかな。
「…よろしければ、わたしの自宅へ」
ナナイの自宅…そういえば行ったことがない。よし、決まりだな。
身支度をととのえたナナイが化粧室から出てくる。心なしか、
ずいぶんとうれしそうに見えた気がしたものだ。

256:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:34:20
さらに255のつづき♪

リニアの最寄り駅で降りたあと、バスには乗らず、2人で手を
つないで歩いたものだ。途中でマーケットに寄り、ナナイが大量に
食材を買いこむ。私は荷物係というわけだ。
ナナイの自宅は、アップタウンの外れ、ほとんど自然区画と隣接
している7階建ての小ぎれいなマンションだった。ダウンタウンに
近いところでは、30階建ての高層マンションも珍しくないものである。
指紋・暗証番号・声紋・網膜パターンという厳重なセキュリティで
ガードされたエントランスをくぐり、ナナイのあとについて部屋へ向かう。
エレベーターに乗り込むと、なんとなくそんな気がしていたものだが、
彼女は7のボタンを押したものだ。
高いところが好きということか。
「バルコニーから湖がよく見えるので…」
ちょっとはにかんだ様子で答えたものだ。なるほど。
エレベーターを降りてみると、このマンションは1フロアに2戸口という
造りであることがわかった。外見上はごく小規模のマンションだが、
中身はおそろしく高級ということらしい。

「どうぞ、おあがりになってください、大佐」
なぜか日本風にたたきのある玄関で靴をぬぎ、ナナイが用意して
くれたスリッパをつっかける。左の靴下に穴があいていることはナイショだ。
間取りは4LDK、天井も高い。一人暮らしにはすぎた住まいというものである。
ナナイはキッチンに入り、冷蔵庫を開けているらしい。私が両手の買い物袋を
ダイニングテーブルの上に置くと、パタパタとスリッパの音をさせて姿を
現した。エプロン姿が新鮮なことこのうえない。袋の中身をてきぱきとより分け、
収納してゆく。
「大佐、シャワーをお使いになりますか?」
いや、いい。お先にどうぞ。
「なにかお飲みになります?」
ン…自分で適当にやるさ。
「では…」
ナナイがバスルームに消える。私は、どっしりしたサイドボードの中身を物色
しようとしたが、ふと思いたって室内の探検を始めることにした。

こ、これは…こんなものがあったとは…!
最後にたどり着いた寝室で、私は大量のランジェリーを発見してしまった。
見たことのない下着がいっぱいである。とくに、木綿のパンティが私に深い
衝撃をあたえたものだ。ナナイが…ナナイが木綿のパンティをはくというのか!
念のためににおいを嗅いでおくか。ン…たしかにナナイのにおいだな。
ちょっと…あれだ…かぶってみるか…

257:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 09:35:26
さらに256のつづき♪

「あの…大佐…?」
おそらく私は、ひとり恍惚の世界へと旅立っていたのだと思う。ナナイの
呼びかけに対して、ふつうに振り向いてしまったのである。
ナナイの顔が上気していたのは、風呂上りのせいだけではなかろう。
「ショーツは…頭にはくものではありませんが…」
ああ、わかっている。なんだか知らんが、無性にかぶりたくなってしまった
だけだ。魔が差したというべきかな。そもそも、おまえがふだん綿をはかない
からこういうことになってしまったのだぞ。
「………」
奇妙に平静を保ったまま、私はかぶっていたパンティを脱ぎ、もとどおりに
タンスの中にしまいこんだ。

ナナイ手製の夕食は、ザビ家おかかえのシェフですら文句のつけようがない
であろう、素晴らしいものであった。イカリングに泊まり込み、一般兵に
混じって食堂のメシをがっついていた身としては、じつにひさしぶりに味わう
類の食事である。
「新生ネオ・ジオンの総帥たるお方が…」
ナナイが食事の手を止め、憮然とした表情でつぶやいた。
私がいささか特殊な趣味の持ち主だということはわかっているハズだったが、
さすがにさっきのはショックだったようだ。
悪かった。じっさい、私が悪かった。だが、べつに発狂したとか、そういう
ことではないぞ。私の知らないおまえが見えたようで、興奮してしまったと
いうことにすぎんのだ。
「…これからは、なるべく外でも…その、綿を着用するようにいたします…」
諦めたようにナナイが言った。わかってくれたということでいいのかな。

食後、デザートとして銀のボウルが出てきた。すっかりいつもの彼女に戻った
ナナイが、うれしそうな表情でボウルを持ち上げる。現れたのは、きれいに
デコレーションされたチョコレートケーキであった。
ああ…そうか。今日はバレンタインデーだったな。
「ほんとうは、今夜イカリングに送り届けるつもりでいたのです。でも、こういう形で
お渡しすることができて、とてもうれしいですわ」
ナナイが笑う。まぶしいほどの笑顔を見せる。

…私は、つくづく自分は幸せ者だと思った。私には、ナナイという心のオアシスが
ある。どれほど深い傷を負おうとも、このオアシスに帰りさえすれば、たちどころに
傷は癒えるに違いない。

258:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 13:32:03
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

 イカリングで大佐と一緒に飯を食う機会があった。気さくな人間を演出されているようだ。
我が同志との会合で示されるような、凛とした雰囲気などどこにも無い。
 小娘とのふれあいを演出したり、ナナイ所長をたらしこむためにいろいろ・・大変なようだ。
まるで別人のように見えるから不思議なものだ。

 私が・・最後に女性と親密な関係になったのは、いったい何年前だろうか。
ふと思い返して、苦い気持ちになった。彼女もソロモンで、乗艦と共に散華したのだったな・・。
黒い髪の美しい人だった。

・・われらは彼の行動、記録を逐一監視しているのだ。大佐は我々を駒と
考えているようだが、そうではない。我らの目的の駒として大佐はいるのだ。
・・情報宣伝関係の連中から、大佐の歌をはやらせて見てはどうかという
発案があった。まあ、そこそこ叙情的な歌詞のようだ。庶民の英雄、か。
まあやってみればいい。

 私個人としては、モビルスーツ開発がニュータイプだの、強化人間だのという
金のかかりすぎる特殊兵にのみ偏って行われていることが不満である。
あんなものは、張子の虎だ。

 少佐が最後に乗っておられた、大型MAのようなものであれば連中を乗せるに適当だろう。
少しそちらのほうに議論を誘導するように手配をしてみることにした。
 パイロットの能力を生かすには、ごてごてした飾りなど必要は無い。質実剛健、これに尽きる。
アナハイムから入手したプラン、これで十二分に我らは戦うことができるのだが。

・・・リックドムIIの堅い操縦桿が思い起こされてならない。





259:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 13:56:30
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 キャスバルの日記

 ここしばらく、打ち合わせの通り普通の人間を演出するためいろいろやっている。
ふと、下着をかぶってみたくなったのには後で情けなくなった。
甘いものも好みではない。酒も控えることが多くなっている。
日本酒に盛り塩が本来の私の趣味だ。

 機関の人間に軽く診察させると、以前の強化と、本来やりたくないことを
無理して演じていることへのストレス反応だろうという。こういうことを
繰り返さなければ人心は把握できないのだろうか。面倒なことだ。

 色情狂で絶倫、ロリコンで復讐の鬼で、戦闘マシーンのテロリストのシャアを
大人の常識人で、優しさと気配りを旨とする救世主に見せかけるなどと・・。
まあ、そういうことだ。

 あまり無茶なことをナナイにできなくなってきた。今はショックからの
回復期だから、より強烈に刷り込むためにはやさしさを演じろと
いうことなので、代わりにレズンを呼びつける。内密にだ。

イカリングでモビルスーツ開発のデータ採録に張り付いていた、
ということになっている。記録もすべてそのようになっているのだが・・
場末のバーの奥の粗末な部屋で、レズンと格闘していたわけだ。

・・レズンには少々気の毒なことをしているのかもしれない。
首を絞めたり、殴ったり、書くのを憚るような滅茶苦茶な事をやってしまった。
それでも音を上げないのは、同じパイロット同士の共感もあるのだろうか。
・・そうやってストレスを発散しても時々頭が痛くなる。

こんな茶番はいつまでもやっていられない。

 モビルスーツの開発などは、士気の維持のためにやらせているに過ぎない。
私はアクシズ系の機体が好みではない。やたらと強化人間を作りたがる
連中もだ。だからアナハイムに手配をさせている。サイコミュなどなくても、
私は奴に勝てるはずなのだ。

今度の戦争では兵器にさほどの意味など無い。質量がすべてなのだから。
軌道にあることそのものが力になるのだ。

待っていろ、アムロ。



260:あんごる ◆RPzMoa7/As
05/06/12 14:18:18
議長腹黒^^

261:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 16:31:14
~ギュネイ・ガスの手帳~

宇宙世紀0089 2月某日 月曜日
ついに大佐から殴られた数の累計が3桁の大台にのる。
畜生、俺がなにをしたっていうんだ!
いつか倍にして返してやる!

今日のキュベ女 
1号店アイナたんと兄妹設定
「兄様!」と呼ばれるとグッとくるのは俺だけじゃないはずだ
ふっ、もう会員カードはVIPの証であるゴールドだ  

宇宙世紀0089 2月某日 水曜日
今日のサイコミュ・コントロール訓練で、
3個のファンネルの操作に成功!
ふん、大佐なんて目じゃねえ!

今日のキュベ女  
新規オープンの3号店は連邦軍の女性仕官も始めたらしい
店長おすすめの金髪さんと、お姫様と従者設定
「おやめなさい」って言ったかと思えば
数分後には「ああ・・・良くってよ・・」だとさ
へへっ、連邦もいいもんだ

宇宙世紀0089 2月某日 金曜日
今日の模擬訓練で5機撃墜。
ちょっと不調だ
ふん、本番がんばりゃいいんだろ!
俺はやるときはやるぜ!

今日のキュベ女
3号店でミライという子と、お隣の若奥様設定
顔も体型も・・・微妙だ
でもアエギ声はよかったな

262:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:20:07
宇宙世紀0089 2月某日 土曜日

手帳を落とした。なぜか所長に拾われた。
無言で返してくれたが・・・。

今日のキュベ女
すべての店に出入り禁止になってる。
ふざけんな!
発散すると能力がおちるだとぉ?
悔しいので赤提灯で飲み明かす。
裏道の怪しいネオンに誘われて・・。

ち○こが痛い。
マジでやばい。どうしよう・・。





263:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:40:27
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

恐れていたことが現実になった。
ギュネイの猿が、回復不能な病気になった。いやもちろん直るのだが、
作戦に間に合わないのでは仕方が無い。破棄を決定する。
代用のクローン素体への記憶複写を開始するが、どうにも・・・
強力なロリを大佐の人格から複写して解決することにした。
私も全身の消毒と検査を受けた。幹部全員もだ。
緩みすぎた綱紀を粛正する旨、大佐に強力に進言する。

ギュネイ猿の悪行で悩むことだけは先々無いだろう。
オリジナルは、暗礁空域に少し食料と水を与えて放逐した。
運がよければ、どこかの船かジャンク屋あたりが拾ってくれるだろう。

記憶なくした病気の猿だが、殺すには忍びなかった。
さよなら、ギュネイ・ガス。


264:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 17:51:28
~ギュネイ・ガスの手帳~
宇宙世紀0089 2月某日 土曜日

手帳にメモを取る習慣などなかったはずなのに、
なぜかこんなものがある。
確かにこれは俺の筆跡なんだが。
誰かの悪いいたずらだろうか。ちょうどいいから
使わせてもらうことにした。

読み返してぞっとする。

俺は年逝った女になぞ興味は無い!女は10代だ。
髪が長くてスレンダーな白人の女の子が好みだな。
第124期のもーむすなんかもいいな・・あの真ん中の子。

うん、いまテレビにちらっとうつった
連邦高官だかの娘の女の子。
はっきりいって、もうちょっとしたら俺にちょうどいい。

汚い大人の女なんかごめんこうむる!
俺は、俺はニュータイプにしてもらうんだ。



265:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 18:20:02
職人さん乙!

それにしても、今回はナナイひでーw

266:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 23:25:31
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 ナナイの日記

迂闊だった。大佐に私の正体が判ってしまったかもしれない。
ギュネイオリジナルに過酷な仕打ちをしすぎてしまった!
取り返しがつかないかもしれない・・・。

「そういう仕打ち、まるでハマーンのような潔癖さだな・・」

驚きました。あなたはだませないのですね。
整形し、髪の色を変え、指紋や遺伝子コードのデータベースまで念入りに
細工したのに・・。ああ、私のシャア!生涯只一人の愛しい方。
もう愛してはもらえないのですか。あなたのために、ザビ家もネオジオンも
すべて差し上げましたのに!

・・・パニックに陥るとは情けない。
今の私はナナイ・ミゲル。ニュータイプ研所長であなたの愛人。
あなたと共に地球を滅ぼす者。
それで、十分です。シャア。

呼び出しがあってほっとしました。
私はいつまでも、あなたのものでおります。
その名も姿も、失ったとしても・・・。






267:通常の名無しさんの3倍
05/06/12 23:32:30
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 シャアの日記

キュベ女のプロの女達との接触を禁じるとは、ナナイも愚かなことをしたものだ。
彼女達は衛生教育が行き届いているから、幹部御用達にしているのに。

猿に女も抱かせなければ狂ってしまうだろう。あの年頃はみなそうだ。
カミーユを見ろ。あれだけの美女に囲まれながら全員お預けだった。
とうとう自分を見失ってしまった。
あれだけの資質がありながら、残念至極だ。一途な女なのだろうか
あれも。ふと、そんな女が昔いたことを思い出した。

ハマーンだ。私も若気の至りでひどいことをしたものだが・・・。
私の愛を一時は受け入れてくれていた。
敵に回ったのも、潔癖さ故のことだったな。

さて、イカリングに行くとしよう。
・・・・兵達が待っている。



268:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 07:55:06 085IOkhF
大佐!おはようございます。

269:シャアの日記
05/06/13 08:06:24 db5cDMwD
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=うすぐもり

…最近、背中に視線を感じる。いつ、どこで、なにをしていようとも、
そう…トイレの中にいるときでさえ、ふと気づくと誰かが見ているのだ。
いったいどういう連中で、誰の差金なのか。

この1年間というもの、本部施設が我が家も同然であり、私専用の
生活空間というものもあったのだが、ナナイの自宅に空き部屋が
あることだし、四六時中何者かに監視されることにも嫌気がさして
いたので、思いきってナナイの部屋に転がり込んでみようかと
思いたった。

「このところ、こちらにいらっしゃることが多くなりましたね、大佐」
ギュネイ絡みでなんかゴタゴタしていると聞いたものだが、ナナイは
いつもと変わらない様子だった。
ン…まあな。よく考えたら、べつに私が手を出さずとも新型モビルスーツ
の開発に不自由はないだろうしな。アナハイムの協力もあることだし。
「今日の夕食はどうなさいます?」
ああ、それなんだが…と相談してみると、ナナイは大いによろこんで
私の同居に賛成してくれた。世間一般では私のような男を<ひも>と
呼んで蔑むようだが…私はニュータイプだしな。まあいいか。

はじめて定時でタイムカードを切り、ナナイと一緒に本部を出ようとしていたら、
一階の受付ふきんでレズンとすれ違った。目を三角につり上げてナナイを
にらんでいたが、いったいなんなのか。私のほうから「おさき」と言ったにも
かかわらず無視しやがった。そんなに定時で帰るのが気に食わないか。
ナナイもナナイで、レズンにあいさつすらせず、氷のように冷たい表情で
彼女を見返していた。なんだかこわい。仲悪いのかな、この2人。
「生理的にあわないのです」
とにべもなくナナイが言う。ちょっとレズンが気の毒になったものだ。

ナナイが「歩いて帰りませんか」というので、リニアにも乗らずてくてく歩く。
この季節は、定時をすぎるともう真っ暗だ。ダウンタウンは人も多く、
ネオンやらなにやらで賑やかだが、アップタウンに入ると途端に静かになる。
どこかで犬が遠吠えをあげ、カレーの匂いが漂ってくる。ぎゅるるる、と
私の腹が鳴り、ナナイがくすっと笑った。
「今夜はカレーにしましょうか」
そう言って腕を絡めてくる。ナナイの作るカレーはうまそうだ。なんだか辛そうな
イメージが湧いてくる。辛いのは大好きである。
相変わらず何者かの視線を感じていたが、どうせナナイのマンションまでの
辛抱だしな。

こんな生活もいいものだ、と思った2月某日であった。

270:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 08:07:03
>268
おはよう。そしておやすみ。

271:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:29:09
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨

 表面的にはまるで家庭人や、まあヒモ生活をしている私である。
内にこもる衝動が、数日置きに抑えられなくなる。モビルスーツに
乗ることができる日はそうでもないのだが・・。
 そんな日だけ、レズンを呼びつける。訓練用の機体、そう今は
ネオジオンの置き土産のガザ系の軽いものを使うのだが・・
コックピットに一枚のバラの花びらを置いていくのだ。
下手に直接連絡を取ると足がつく。
 近寄るものは殴る、といった様子でレズンがいつものバーにやってくる。
当然、Closedの看板が出ているにもかかわらずだ。いまは私以外だれもいない。
戸締りを確認した後、地下のシェルターブロックに入る。
ここであれば、遮蔽も完璧である。ここまで二人とも無言だ。
 「シャワーだけは浴びてくださいね、シャア。」
ナナイの匂いがするのだけはたまらないらしい。適当に受け応えして
シャワーを浴びる。もう我慢できない。
 寝室に戻ると、体を拭くのもそこそこに、レズンに襲い掛かる。
鍛え上げた贅肉の少ない体を十二分に楽しむ。今日は3度も・・。
最後に意識がなくなるのは、なぜだろうか。
気がつくと一人でベッドに横たわっている。
レズンはまた先に引き上げたようだ。

272:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:40:25
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 レズンの日記

・・組織の命令だから仕方が無いが、所長と男を共有する羽目になっている。
私のほうが、あの獣の相手には向いているのに。なぜさっさとあの女狐を
更迭してしまわないのか不満だ。
 パイロットの事はパイロットに任せればいい。大佐はまともな人間じゃない。
あの方の中には御しがたい狂気がある。そうでなければパイロットなどできない。
お互いに自分が生き延びるために、たくさんの人間を殺してきているのに。
たかだか下らない奴が発した命令のために。

「・・・血まみれの雄と雌だ、つがいにするにはちょうど良かろう。」

 あの気味の悪いガチガチのジオニストに、事が終わったら必ず連絡を入れなければいけない
のもおぞましい。私の体も、冷たい目をしたあの医者どもの検査を毎回毎回受けるのだ・・。

「・・・・戦争が終わったら、ナナイを必ず殺す。」

組織にも約束は守ってもらう。シャアは私のものになるのだ。今は耐えてやる。




273:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:49:39
宇宙世紀0089、2月某日、スウィートウォーターの天気=雨 カリウスの日記

大佐の行動記録を眺めることが、苦痛になってきている我々である。
腑抜けになっているのではなかろうか。そういう意見もある。
オオイシクラノスケ、だったか、旧世紀の物語を例にとって解説した者がいる。
今の大佐は、腑抜けを装い、人心に不安でなく安心と・・油断を植え込んでいるのだと。
そう信じたいが、只の色情狂に見えないことも無い。
主な女二人を憎しみあわせ、ほかでもご乱行の限りを尽くしている。
以前、ささやかなふれあい、とやらを演出した売店の娘も・・・
その、毒牙にかけてしまった。あれでは獣だ。普通の女性は近づけられない。
レズン同志は良く耐えている。理想と・・彼に愛もあるのだろうか?

彼の人格は、すでに破綻しているという専門家もいる。
暴力衝動が恒常的に心の中を支配しており、戦場で人殺しをするか、
女を屈従させて満足するか、そうしていないと発狂してしまうからだとか。

大義の為、働いてくれるならどうでもよい。
我らの手はすでに血まみれだ。一年戦争の地獄よりずっと。
我らは準備を進めるだけだ。

あの星の屑のように。



274:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 10:59:58
宇宙世紀0089、2月某日、イカリング 天気=なし

今日は定例ミーティングに参加する為に、イカリングを訪れていた。

普段なら当然所長が出席するのだが、今回は例の汚染騒動の直後という事もあり、
所長が研究所不在という訳にもいかず、副所長の私が代理に出席する事になった。

連邦の派遣軍滞在中は、一時休眠していたイカリングだが、今は再度火が灯り皆慌ただしく活動を再開している。
そういえば彼も今、サイコミュの部品加工の為にこちらに渡ってきている筈だ。
ミーティングが終わったら陣中見舞がてら、尋ねてみよう。

そして・・・

ミーティング終了、大佐の補佐役としてミーティングに参加しているキグナン氏と合流、彼の陣中見舞の話をすると即答で同行するとの事である。


ただ、氏の場合は陣中見舞を名目に酒宴を開きたいだけのような気もするが・・・
まぁ私も同じような事を考えていたので構わないんだが
と、心の中で苦笑しながら私キグナン氏と共に宙港売店へと歩を進めた。

以降次回に続く…

275:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 16:07:43
宇宙世紀0089、2月某日、シャングリラ 天気=晴れ ヤザンの日記

ゲモンのおっさんのところに世話になって久しい。ティターンズはほぼ壊滅、
原隊復帰などしようものなら投獄、悪くすれば処刑だ。
Zを盗み損ねたのは失敗だった。あれ以来チャンスはめぐってこない。

ここでジャンク屋をやっていくのもいいかもしれない。ゲモンとは馬が合う。
流れてきたハイザックを修復できたのは幸運だった。あれは扱いやすい。
今のところの俺の大事な飯の種だ。たまにお金持ちがホビー用途に買いに
くることもある。値段が折り合わないからまだ売っちゃいないが。
今日、おかしな奴をデブリと一緒に拾い上げた。
ネオジオンのハードスーツ姿の餓鬼だ。まだ息があったから医者に見せてやった。
軽い淋病らしい。笑った。なんで酸素欠乏とかじゃなく、淋病なんだ。
目を覚ましても一言も言葉を発しない。

モビルスーツには異様な興味があるようだ。こいつ、強化人間か?
そうであれば納得がいく。強化人間連中には技術者が付きっ切りで
面倒見ていたからな・・・。薬が切れればこんなものか。
ゲモンはこいつも置いてやる気らしい。強欲でなければいい奴なんだが。

とりあえずこいつは・・モンキーと呼んでやる事にした。いい名だろ?

口は利かないが言われたことぐらいはできるようだ。部品清掃が
奴の仕事になった。油まみれでも結構良く働く。

飲みに連れて行ったら、金髪の女を見たとたん怯えてガタガタ震えだし、
泡吹いてぶっ倒れた。・・・・なんなんだこいつは?




276:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 20:23:56
>>274の続き…

宙港の売店で大量に酒とツマミを買い占めた我々は、彼が詰めている工房を訪れた。
余談ではあるが、流石に今回の支払いは自腹である。
キグナン氏も前回の件で懲りたようだ。


我々が研究室を尋ねた時、彼はちょうど上がってきた部品の精度をチェックをしている所だったようで、
暫らくこちらに気付かず検査作業を続けていたが、一段落し予期せぬ来訪者の我々を見て驚き、
その後の作業を中断して我々を出迎えてくれた。
彼は部屋の中を見回し、我々2人の為に席を作ろうとしたのだが、何処も書類や資材が山積していた為、
この部屋での居場所確保を苦笑混じりに諦め、各部署の担当との打ち合せに使う会議室へと移動する事になった。
別室へ移動後、私とキグナン氏は売店で買い占めた荷物の山を運び、缶ビールで早速乾杯し
一本目のビールを一気に飲み干した。
そして彼は差し入れの山を見て何か思いついたのか、内線で幾つかの部署に連絡を入れてた。

277:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 20:44:43
>>276の続き…

内線が終わると、キグナン氏が彼に何かの資料を渡し、確認を頼んでいた。
彼はリストに目を通しながら歓喜の声を上げていた。


私はキグナン氏に何の資料か尋ねてみると、今日の会議でも報告されていた、アクシズ派遣艦最終便の
救助者名簿である事を教えてくれた。

救助者名簿の中に、事前に作成してあったリストで見たNT研究員の名が幾つかあったので、
その中に彼の知り合いが居るかどうかを確認して貰いたかったそうだ。
あの様子だと知り合いの何名かは、無事に救助されたようだ。


・・・彼の嬉しそうな顔を見るのは、初めてかもしれないな


やがてリストを一通り読み終えると、彼は名簿にチェックを入れそれをキグナン氏に返却しながら、彼らとの面会を依頼した。
キグナン氏はビール片手にリストを受け取りながら、近日中の面会を快諾していた。


そんなやりとりをしている内に、何やらぞろぞろと人が入室してきた。
集まってきた人々は所属も役職もバラバラで、胸につけているIDカードを見ると、設計部・開発部・資材部、
果ては工場部の人間まで含めて、あっという間に総勢二十名程の大所帯になってしまった。

278:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 21:31:17
>>277の続き…

私は彼に突然やってきたこの技師達の事を聞くと、彼らは全員サイコミュの製作に協力してくれている
技師達という事だった。

暫らくして呼んだ技師達の大半が揃ったのを確認すると、彼は改めてこの場に集まった技師全員に、
日頃の協力への感謝の言葉と差し入れした私とキグナン氏への感謝の意を表し、全員で乾杯をし当初
予想していた以上の賑やかな酒宴が開演した。


突然呼び出された技師達も最初のうちは皆お互いに挨拶などしながら遠慮がちに飲んでいたのだが、
部署は違えどやはり仲間意識があるのだろう、時間が経つにつれ皆打ち解けていった。


そんな中、私はスウィートウォーターの屋台の親父から預かった封筒を彼に渡した。
中身は一枚のディスクである。
念の為に内容を確認したのだが、その中には一年戦争後に宇宙で行なわれた
連邦の子供狩りで集められた子供達の名と写真が記録されていた。


以前、彼が研究所で見た過去のデータは各研究所で登録された事のある者のデータであり、
その事前段階である適性試験を通過したごく一部のものでしかないのである。
適性試験以前のデータはニタ研の管轄外であり、私には入手不可能であったのだが、
屋台の親父は昔の仲間のツテを頼りに何とか掻き集めてくれたのである。
これが彼なりの贖罪なのだろう。


私は内容は知らない事にして、彼に暇な時に見てくれといってそのディスクを渡した。

279:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 21:53:05
>>278の続き…

我々三人も最初は互いに近況報告と日々の愚痴など溢しながら飲んでいたのだが、
私はふと思い出し彼に人類史上初のサイコミュの話を振ってみた。
その開発に携わっていたと、彼の口から聞いた記憶がある。

すると彼は、苦笑いを浮かべながら語り始めた。


・・・最初のサイコミュシステム
実はそのシステムの増幅器に使われていたのは旧時代の技術である真空管だった・・・
と。


真空管を使ったきっかけは、フラナガン所長がキシリア殿下に取り入ろうとする
骨董品好きの将官への嫌がらせとして、彼のコレクションをサイコミュの実験対象として
接収解体して適当に試してる時に偶然発見したそうだ。
しかも実戦での運用には真空管が大量に必要だった為に小型なMSに搭載する事が出来ず、
巨大なMAに搭載して運用するしかなかった。
更に上層部はこの事実を搭乗者に知られるのは心理的に悪影響が出ると判断し、
図面上の真空管スペースにはサブジェネレーターが搭載されている事になったらしい。
・・・流石のキグナン氏も絶句である。
終戦末期に足のないMAに乗り戦ったという大佐が聞いたらどんな事になるのやら・・・
因みにこのシステム、改良を加えデラーズ紛争直後まで現役だったそうだ。
しかし、彼の話はこれで終わりではなかった。


それから7年、今回のグリプス戦役の最中、破損遺棄された連邦の巨大可変MSを
アクシズが回収調査した所、この機体のサイコミュもなんと真空管増幅式であった。

それを見た仲間の一人が昔、連邦の将軍が演説でジオンに人なしだの言ってたのを思い出し、
本当に人材不足だったのは今も昔も連邦の方だろう・・・
にと呟いていたそうだ。

280:通常の名無しさんの3倍
05/06/13 22:25:33
>>279の続き…

そんな裏話を終えた後、大佐という言葉でキグナン氏が何かを思い出し頭を抱えていた。
キグナン氏に何を思い出したのかと聞いてみると、氏は引きつった笑顔を見せながら話し始めた。

先月大佐から指示され実施した、次期汎用MSの基本デザインのアンケート結果が
とてもじゃないが提出出来ない結果になってしまったとの事。
何でも、イカリングに勤務する全員を対象に無記名でアンケートを実施したところ、
なんと一位がガンダムタイプという結果になってしまったのだという。
そりゃマズいな、と3人でぼやいていると近くで飲んでいた若い設計技師が
我々のところへやってきてそんな結果になった理由を教えてくれた。


・・・実はその集計結果は、匿名性を利用した大規模な悪戯だと判明したのだというのだ。
主に下士官級が利用する匿名掲示板に一時期
【ネタ?】アンケートでガンダムタイプの一位を目指すスレ【マジ?】
というスレッドがあったらしく、それを見た多くの下士官がガンダムに票を投じたのだろうという話である。


・・・恐るべき掲示板の力である・・・


次は記名投票にすれば祭りにはならないと助言された。

キグナン氏は若い設計技師に感謝をし、目先の心配事が消散した為か更にピッチを上げて飲み始めたのであった。


・・・アンタ、明日も仕事あんのに大丈夫か?
とは思ったが、口には出さずにそれに付き合う明日は休みの私であった。

281:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 00:31:42
宇宙世紀0089、2月某日、イカリング 天気=なし シャアの日記

サイコミュ製造の際に真空管が必要だったのは、純粋に技術的な理由からだ。
フラナガンからもそう聞いている。増幅するのは人の思念であり、電気信号では
ない。オカルト的な要素かとも思ったが、精神波というものは特性が
まったく電磁波と異なるものだそうだ。そのあたりを徹底しないと、
増幅がほとんど必要ない真のニュータイプにしか扱えない装置を作ってしまう。

強化人間が使う可能性のあるものは、どうしても大型になる。
私は今回、そういうものを使う意思はあまりない。ギュネイにしても、
あの猿は遺伝的に資質があるから使ってみるだけのことだ。
サイコミュに対する真実を知るものが少なくなるのは良いことだ。
あの兵器は、今作戦終了後、技術を含めて廃棄するつもりだ。
もちろん、副所長と、あの研究者・・彼らにも消えてもらう。
それまではせいぜい励むことだ。

モビルスーツに関しては、アナハイムの営業マンがいい案を持ってきた。
アンケートなど行ってみたが、もともと他人の意見など聞く気は無い。
今回は、旧世紀の映画のドイツの鉄兜が気に入ったので、
ザクにそれをかぶせることにする。中身はアナハイムに任せる。
基本線はそんなところだ。

ウォンさん、格下げで営業回りになっていたとは驚いた。
昔のよしみだ。値下げしてくれるなら発注もしよう。接待もよろしくたのむ。
月に行くのが楽しみだ。







282:シャアの日記
05/06/14 07:01:44 KTi3oOJM
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ

セキュリティばつぐんのナナイのマンションに転がり込んでからは、さすがに
ピーピングの気配を感じることは少なくなった。が、完全に消えたわけではナイ。
一歩外に出てしまうと、「待ってました」とばかりに背中に視線が刺さる。
その視線から感じ取れるものは、怒りと激しいイラだちのようだ。誰かが私の
私生活について不満を抱いているということなのか…
振り返ったところで誰がいるハズもなく。気配は感じられても、その源を特定する
ことまではできないとは、ニュータイプというのも良し悪しだな。

イカリングで艦船開発部を仕切っている技術将校が、とびっきりの情報を
仕入れたので来てほしいと連絡してきた。グリプス戦役のどさくさにまぎれて
アナハイムにもぐり込み、かなり広範な部署にわたって人脈を築いたという
有能な男である。
「お待ちしておりましたよ、大佐どの」
うきうきしているのが一目でわかったものだ。容姿端麗ながら、じつに人あたりの
よい男である。このアンバランスさが人ウケのよさの秘訣であろうか。
あいかわらずのようだな、レウルーラの工程はどうか。
「全工程の5パーセント足らずですがね、そんなことはどうでもいいんですよ」
自分の仕事にも関わらず、ほんとうに他人事のような口調で言い放つ。
そこまで言うならくわしく聞きたいものだな。
「アナハイムの艦船開発局にコロンバスという技術屋がいましてね、おれは
ロンバスって呼んでるんですが、がきの頃はコンパスとも呼ばれてたみたいで…」
…そこまでくわしくなくていい。
「おもしろいのに。で、このロンバスなんですが、違う部署のお偉方からバクチの
カタに極秘情報を聞き出したそうなんですよ」
お偉いさんがバクチだと…それで?
「よく聞いてくださいよ。連邦軍の一部勢力が、ティターンズやニューディサイズ
みたいな大規模テロの再発に備えて、対テロ特殊部隊の設立に踏み切った
そうなんです」
ほう…初耳だな。それで?
「まだ下準備の段階なんで、そっちはまだこれ以上の情報はないんです。
重要なのはむしろこれからで…」
まったくもってよく回る口だな。いいから手短に話せ。
「んじゃ手短に言いますが、連邦宇宙軍の戦闘艦艇が一新されるんですよ。
その手始めが、さっき言った特殊部隊用の戦艦と巡洋艦ってわけです」
…なんと。とうぜん、スペックに関するデータはあるんだろうな?
「おれを誰だと思ってるんですか。いいですか、この情報をロンバスから
聞き出すのに、むこう半年分くらいの貸しをチャラにしたんですからね」
わかったわかった、臨時ボーナスを出すよ。それで?
「ぶっちゃけ、レウルーラの万能指向とムサカ級巡洋艦のダウンサイジングは
論外と言わざるをえませんね。戦争に負けたいって言うんなら止めませんが…」

1時間後、私はスウィートウォーターに向かうランチの中で頭を抱えていた。
われわれの動きが連邦に察知された気配はまだないが、むこうもただ漫然と
時間を浪費しているだけではないということか。

それとも…アムロ…ブライト…貴様らが動いているというのか…

283:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 10:28:54
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ シャアの日記

よく考えてみたら、何も楽なことは無い。マンション内ではナナイにばっちり
監視を受けているのだ。トイレで気張りながら鼻毛を抜いていたら、あとで
ナナイに物凄く怒られてそれが判った。
鼻毛を抜くのも自分の仕事だと言っている。なんということだ。
イカリングや、ほかの施設で勝手に飲み食いするのも止めろという。
便の検査もしているから、おかしなものを食べればすぐわかるらしいのだ。
これでは籠の鳥だ。私は自由な男なのだ。

レウルーラを初めとする、新規艦隊の建造をとりあえず中止させる。
よく考えてみたら、敵もアナハイムに発注しているのだから、こちらも
そうすればいい。アナハイムとしては戦争を長引かせて儲けたいはずだ。
つまり、少数精鋭にならざるを得ない我が軍の装備に力を入れるという
ことになる。我ながらいい考えだ。

ウォンさんに、戦艦建造の見積もりを依頼する。大喜びでプランを出してきた。
やはり、すでに計画していたと見える。但しサイコミュ搭載兵器は
ろくでもない大型機ばかり持ってきていた。あれでは困る。
金ぴかのサイコ百式、あれには閉口した。私の専用機ということだが。
手足引っ込めたら只の金塊ではないか。

イカリングでの開発は、サイコミュ搭載兵器とサイコミュのみに絞る
そういうことに決めた。

連邦の新部隊、対テロ特殊部隊ということだったが、内実はジオン残党狩り部隊らしい。
これは、ティターンズの再来か?
港ブロックの通路で、偶然金髪の少女とすれ違う。アルティシアに似ている。
思わず欲情してしまった。あとで所在を調べてみよう。ここの女性も
すべて私のものだ。と、偶然レズンに見られていたらしい。
街路ブロックに出るや、エレカーに無理やり乗せられ・・・。
いつもの通り一人で目覚めるとそんな元気は、完全に失せていた。

マンションに戻ると、露骨にナナイがいやな顔をして、バスルームに
放り込まれた。大量の洗剤を無造作に束子につけて、体をゴリゴリこすられる。
シャワーかとおもったが、泣いているようだ。

こんなことをしてばかりでは、戦争には勝てない。ふと思った。
アムロ、ブライト。私は阿漕な快楽に浸っている。悔しければ私を感じてみろ!

~同日同刻~
アムロは、ベルトーチカにグーで殴られていた。新しい技術副官との浮気がばれたのだ。
彼女が荷物をまとめて、出て行ったのはその日の午後である。
「親父にだって殴られたこと無いのに!・・まあいいか」
楽しげに彼女へのコールを行うアムロである。「・・チェーン、約束どおり別れたよん♪」

・・亡くなったエマリーの遺品を整理するブライトに、ミライが激怒。
ブライト家ではより凄惨に、その情景が繰り返されていた・・・。
「痛いイタイイタイ!」「浮気してたなんて許せません!」
「お父さん!」「チェーミン、そこの消毒薬とって頂戴!」
・・・・ちなみに、ブライトは無実だ。







284:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 10:59:13
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ カリウスの日記

監視が効を奏した。あの獣、いや大佐の乱行を未然に阻止したのだ。
金髪の美しい少女、あとで確認すればまだ14歳ということだったが。
彼女の貞操を救ったのだ。我々は正しいことをしたと信じる。

・・レズン同志もまあ、楽しそうにしていたからいいんだろう。
どうして彼女が即応できたのかはちょっと疑問に思ったが。

イカリングでの経費無駄遣いに眉を顰めていたが、アナハイムへの
手配などもうまく進んでいるようだ。我々の望む質実剛健の編成が
進んでいる。ジオンの兵器は、バリエーションが多すぎた。
交換部品不足、熟練不足でどれだけの兵が泣いたことか。
今回は、単独の扱いやすい機体で十分だ。名機ザクを思わせる機体が
採用されるかもしれないらしいが・・。

私個人は、リックドムIIをリファインすれば使えると、まだ思っている。
石ころを落とす作戦になるはずだ。護衛だけなら十二分に・・。

サイコミュだか、異常な強化兵やらニュータイプ兵やら、そういった
特殊な兵への装備、練成は、イカリングでやらせてもかまわないだろう。
戦場での勝敗の帰趨は、我々プロの兵士が常に握ってきたのだ。


285:通常の名無しさんの3倍
05/06/14 20:02:54
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=はれ キグナンの日記

大佐が最近大人しい。残念でならない。しかも真面目にコストとか、戦場での戦艦運用とか語ってくる。
そんなことはこっちで何とかする。客寄せのパンダを演じてくれていればいいんだ、今は。
実務なら専門家が沢山いる。リーダーは君臨しててくれれば・・。

まあなんだ、こちらの迷惑も考えてほしい。ネオジオンには年金制度は無い。
無いんだから備えなきゃいけない。
大佐の戦闘データとか、それをCGにしたアニメとかは結構値がつくはずだな。
そっちは戦争始まってからでも・・まあ準備に抜かりは無いが。

今は軍を起こし始めてからの各種・・その御乱行の数々を記録した
マニア向けのポルノが結構売れ線だ・・・しかし最近頭打ち。残念だ。
最近はレズンとの肉弾戦しか撮れない。あれはプロレスみたいだと、一般受けしない。
こっそり観たいその辺のおっさん達には、声が凄まじいし刺激も強すぎる。
俺も観た事があるが、人間技じゃない。なんというか、動物の交尾だな。
双方失神するまで・・体壊さないか本気で心配だ。

レズンはよく妊娠しないものだ。なんというか、所長の隙を見て
獲物掻っ攫っていく、そういう感じだな。猛禽だあれは。

この間の売店の女の子を・・・その何するのは結構ソフトでいけていた。
「シャア・アズナブルの素人ナンパ(売店の女の子 その1)」ってタイトルで。
ダウンロード回数は結構伸びた。軍用の暗号化してあるからコピーはできないし。
売り上げもまあまあ、エレカー一台分にはなったかな。
あれもしばらくは稼いでくれるだろう。

あの手のシリーズをもっとほしい、という要求もおおいんだがな。
チャンスだったのに。ナナイのマンションはその手の事は不可能だし・・。

盗撮したら、俺処刑されるだろうか?
ちらっとギュネイ・オリジナルの最後を思い浮かべたキグナンだ。
少し顔色が悪くなる。

・・・俺はもしかすると、犯罪者だったりするのか? 
・・・小銭稼いで老後に備えても罰はあたらんだろうよ?

そんなことを考えながら、一人イカそうめんを肴に一杯やっているキグナンである。
いまだスウィートウォーターは平和だ。

286:キグナンの日記
05/06/15 01:43:46 k3B7EVkW
宇宙世紀0089 イカリングにて

最近 大佐が「アムロは今 何のMS乗っているのか 調べろ」との事。

一体大佐は何を考えておるのやら…。

287:シャアの日記
05/06/15 07:33:48 ow3BRxXQ
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=くもり

最近はなみずがよくでる。くしゃみも多いし、目もかゆい。医務室で
診てもらったら花粉症だと診断された。U.C.以前の日本人がおおぜい
苦しめられていたらしい。慢性化したときの症状を聞いて正直ぞっとした
ものだが、いまは抗体抑制の注射だけで完治するという。
さっそく、グラマーな看護婦に注射を打ってもらった。目の前でゆれる
Dカップを注視していたかったのだが、はなみずがたれてくるので泣く泣く
天井を眺めているしかなかった。注射の効果があらわれるまでには、
長くて半日くらいかかるという。

執務室で鼻をかんでいると、山のような書類の束を抱えたキグナンが
やってきた。このところ、私の一挙手一投足にまで目を光らせ、小言を
飛ばすようになっている。やたらと神経を尖らせているようだが、連邦の
外郭新興部隊設立の情報のせいだろうか。
ためしに、鼻をかんで丸めたティッシュを投げつけてみる。とうぜん、
ニュータイプの私が狙った的を外すハズもなく、湿ったティッシュは
きれいな放物線を描いてキグナンの額に見事命中する。
「…………」
以前ならば青筋をたてて怒りだしたものだが、眉一つ動かさず、
無表情のまま。つまらないことこのうえないな。
「これは本日中にお願いいたします」
書類の山を積むだけ積んで、さっさと出て行こうとする。ちょっとまて。
「なにか御用でも?」
なんだかつっけんどんな態度だな。まあいいが。
サイコミュ搭載モビルアーマーの件だが…
「サイコ・ドーガですか。博士が中心となってニタ研で面倒をみていますよ。
大佐が心配される必要はありません」
む…そうか。わかったよ。
「では失礼いたします」
ご丁寧に床のティッシュを拾い上げ、キグナンは出て行った。

なにかしたかな…と考えてみる。
やっぱりナナイの家に転がり込んだのはまずかったかな。
艦船とモビルスーツの開発をアナハイムに丸投げしたのが気に食わないとか…
金髪の少女に欲情はしたが、ありゃギリギリ踏みとどまったしな…

いくら考えてもよくわからなかったものだ。またはなみずがたれてきたので
鼻をかんだら、もうすっかりどうでもよくなってしまった。

早く書類を片づけてナナイと一緒に帰ろう。
たわしで体を洗われるのはこりごりだが…

288:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 09:24:08
書類にサインをしつつ、ふと思い出す。
私の色、それは赤だ。まあ、百式だけは金色だったがあれはよしとしよう。
艦隊も今度は赤一色というのはどうだろうか。すばらしいアイディアだ。
ウォンさんにメールを入れておく。「私のパーソナルカラーでデザインしてくれ。」
と。

考えてみれば女も赤か金髪・・レコアは栗色だったが・・が好みなのだな。
ハマーンとナナイの行動が似通っているのは私の好みのせいだな。
それにしても声といい行動といい、よく似た女はいるものだ。
段々サインが雑になって・・うっかりクワトロ・バジーナとサインしてしまった。
いかんいかん、消して書き直しだ。少々汚いが仕方が無い。
うわ、こっちのはエドワワ・マスになってる。
最初から全部見直す必要がありそうだ。今日は残業かもしれない。
ナナイにそう告げると、お待ちしてますとにっこり笑って答えられた。

帰りに一杯やってレズンを呼びつけるつもりだったが・・
断固阻止の構えのようだ。


289:通常の名無しさんの3倍
05/06/15 09:39:31
宇宙世紀0089、3月某日、スウィートウォーターの天気=雨

残業が終わって、昨日は帰る時間が遅くなった。予定を阻止されたので
少々いらいらした。ソフトに接するように組織の連中に指示をされていたが、
ナナイの手料理で一杯やってから、理性が飛んでしまったらしい。

詳しいことは記憶に無いが、今朝はどういうわけか起きて来なかったな、彼女。
自分の業が恐ろしい私である。

一人さびしく身づくろいをして、出勤する。ウォンさんから膨大なメールが
入っている。艦隊のデザイン案だそうだ。みて絶句した。
すべて金色だ。戦艦からモビルスーツから、ご丁寧にパイロットスーツに
制服まで。子供向けのプラモデルから関連グッズまで金でまとまっている。
冗談ではない。金はやめろ金は。

キグナンも見ていたらしく、大慌てで執務室にやってきた。
「金、金ですか大佐???」
・・・間違いだ、私は赤のつもりだった。
「赤ですか・・・」
これにも不満があるようだ。
彼はアクシズ風のスカイブルーの制服を気に入っているらしい。

ウォンさんにメールを送る。色違いだとひとこと。
数分後、また大量のメールが届く。素早いな、というより準備していたらしい。
相変わらず人が悪い。
・・・むう、赤い。イメージしていたのとは少々異なるが、赤はいいものだ。
主力MSを赤にすると私の専用機が目立たなくなるので、金色はどうかとコメントがある。
・・・お断りだ。

結局、基本は赤で、主力のMSなどはジオングリーンを踏襲させることにした。
美しい部隊が編成できそうで満足する。

いつの間にかナナイが出勤してきている。昼食を半ば強制的にすすめられる。
まあしかたがない、つきあうとしよう。



次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch