07/10/29 19:18:27
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「げっ!……」
テレビに映るラクスの姿を見て引き攣るシン……まるで昔の僕を見てるようだ……って、外見は
僕なんだけどね。
「綺麗な人だね」
マユちゃん、そう言うけど、見掛けに騙されたらいけない見本だから。彼女は。
「俺、風呂に行く」
「あ、マユも!」
「ああ、じゃあ、行こうか」
「うん♪」
「良いか?」
「うん。どうぞ♪」
夕飯の後、テレビを見るのを止めて、シンは少し申し訳無さそうに、マユちゃんとお風呂に向かった。
悔しいけど、残念だけど、ここは我慢だ。
「さて……」
僕は自分の部屋に戻ると、最終仕上げに入った装置の調整を行う。
「これで良し……大丈夫。フレイは僕が守るから」
フレイをシンみたいなケダモノに抱かせはしない。この睡眠学習マシン1号をマクラに仕込めば、
低周波で耳では聞き取れないけど、確実に脳に訴える音が頭に刻み込まれる。
さて、ではシンの脳裏に刻む言葉を録音開始。
「ラクス可愛い。ラクス最高。そんな彼女が君の物。羨ましい立場。彼女の肌を思い出せ。
こんな素晴らしい女性は他に居ないよ。お似合いのカップル…………」
さあ、これで君はラクスに心を奪われフレイも、やがてマユちゃんにも見向きはしなくなる。
シン、君は良い友人だったけど、恨むなら君の妹を恨むんだね。君ほどの人間がこうも無警戒なんて、
未来の君を知る人間が見たら驚くよ♪
続く