07/10/14 20:27:22
「お父様、お母様、本気なのですか……」
帰国したマリナは、王宮に到着した直後にある要件を切り出した
「いかにも本気だとも」
マリナは顔面蒼白になった
「おやめになってください。ソレスタルビーイングと、秘密同盟を結ぼうだなんて……」
「ほんの少し、居場所を提供しようと言うだけだよマリナ」
「危険過ぎます」
「危険は百も承知だよマリナ。だが、それによって、我が国は彼らの資金と技術を、見返りに得られるのだよ……」
マリナから見て、父親は目先の欲に走り過ぎているように見えた
「お父様、目先の欲に走り過ぎています」
「わかっている」
「わかっているのでしたら何故!?」
父親の考えている事がマリナには理解できないでいた
「……マリナ、お前には黙っていたのだが、我が国には天然のヘリウム3鉱脈があるのだよ」
「ヘリウム3……」
「そうだ、今や世界の三大列強は我が国に眠るヘリウム3鉱脈の存在に気が付いた」
「……………」
「ヘリウム3は、三大列強が開発を進めている核融合エンジンの、動力源として期待されているエネルギー資源だ。
だが残念な事に、ヘリウム3は地球圏では余り存在していないのだよ。
私が言いたい事はわかるねマリナ」
父親が何を言わんとしているかを理解できたマリナだが、返って危険極まりない行為に思えた
「彼らを国内に招聘する事で、三大列強を牽制しようと言うのですね」