種死のシンとエヴァのアスカを入れ替えたら 弐機目at SHAR
種死のシンとエヴァのアスカを入れ替えたら 弐機目 - 暇つぶし2ch45:通常の名無しさんの3倍
07/10/12 14:47:36
>>43
了解ー。

てか、うぷろーたーに適当に投下すれば作業が早いかも。

投下は深夜になるが。

46:通常の名無しさんの3倍
07/10/13 03:16:22
お待たせ。
URLリンク(1rg.org)
ここにある54530.zipってファイルを落としてくれ。
とりあえず、IEとかで見れるようにしておいたんで。
丸投げですが、どうぞ。

47:☆星になったナオ☆
07/10/13 19:40:41
サンクス♪ 感謝感謝だよ。さて…ページをまず作らないと。
先は長いな。



48:通常の名無しさんの3倍
07/10/13 23:50:55
新スレ乱立の巻き添えを食らわぬようにageておきます。

49:通常の名無しさんの3倍
07/10/17 21:21:48
まとめサイト、大分出来上がってきましたね。
頑張ってください。

50:通常の名無しさんの3倍
07/10/20 13:12:02
保守

51:通常の名無しさんの3倍
07/10/20 22:33:10
過去ログとかまとめとかはないのでしょうか?

52:通常の名無しさんの3倍
07/10/21 19:17:03
こんばんは前回シンエヴァもどきな話を>>28-32で投下させていただいたものです。

今後も投下してもよろしいようなので少し間が開きましたが第参話を投下させていただきます。
今回は削り損ねて8レスほどです。

連続して投下できるかどうかわかりませんがよろしくお願いいたします。

53:シンエヴァもどき「鳴らない電話 1/8」
07/10/21 19:18:11
エヴァ初号機のエントリープラグの中。そこにまたシンは今日も座っていた。
(この妙な感覚と血のにおい、慣れねぇな、まったく)
あれ以来何度も乗ることになったエヴァの中で何故またこれに乗っているのだろうとシンはつぶやく。
(馬鹿親父からマユの写真を奪取するため? マユと二人きりで住むのが楽しいから? なんでだろう?)

 ―第参話 鳴らない電話

『おはよう、シン君。調子はどう?』
赤木リツコの声がシンのいるエントリープラグの中に響く。
「まあ、ぼちぼち。なんとか慣れてきたと思うぜ」
『それは結構。エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット、全部頭に入っているわね?』
「ま、たぶん。だいたいこんな短期間でそんなに完璧に覚えられるわけないでだろう?」
『口答えしない!』
引き続きリツコの声でエヴァの説明が続く。
『じゃあ、昨日の続き、インダクションモード、始めるわよ』
“活動限界まであと5:00”の表示が現れカウントダウンが始まり、兵装ビルと使徒の映像が映し出される。
『目標をセンターに入れて、スイッチオン』
指示通りに操作するシン。しかし、フルオートのライフルの弾は使徒から外れて流れていく。
『落ち着いて』
(やってるつもりだけどな、まったくさぁ)
『……目標をセンターに!』
「うぉ~、あんたって使徒は~! 目標をセンターに入れてスイッチぃ~!
 俺はこのエヴァ初号機ですべての使徒をなぎ払う! 目標をセンターに入れてスイッチぃ~! 」
シンのテンションが鰻登りに上がっていく中、次第にシンの攻撃が使徒に命中していく。
「しかし、やかましいわね。……まあ、何にせよ、エヴァに引き続き乗ってくれたんだからいいんだけど。
 最近のシン君、元気がいいんだか、ヤケなんだか判断に苦しむわね。
 もしかしてマユちゃんあなた、シン君の目の前にへんなものぶら下げてやる気ださせてないでしょうね」
「私はなんにも? それにシンちゃんのはぶら下がってないで元気にそそり立って……」
「それ以上へんなこというと知らないわよ。そんなの碇司令に知れたりしたら怒りだすんじゃないの?
 第一なんでシン君のそそり立ったモノを見たことがあるのよ?」
(碇司令がお怒り。わぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ)
顔色一つ変えずに胸の内で自分の親父ギャグに大受けしているリツコ。
「別になんでもないよ。
 シンちゃんが引越してきてまもなく初めてペンペンとお風呂で鉢合わせしたときのことなんだけど。
 シンちゃん、驚いて裸んぼのまま私のところまで走ってきて身振り手振りを加えてペンペンのこと話してにね、
 そのときに彼の元気なきかん坊君がまじまじと見えちゃっただけだから。
 リツコさんが考えてそうなことは何も起こってないよ」
「別に何も考えていないけど、あなたまさか、シンちゃんのこと、食っちゃったりはしていないでしょうね」
リツコはニマニマと薄ら笑いを浮かべてマユを見下ろした。
「あれぇ~、食べちゃっていいんですか? リツコ先生」
マユはリツコの冗談にニッコリとお日様のように無邪気に笑って上目遣いで切り返す。
「私からおすすめはできないわね。……いろんな意味で犯罪だと思うし」
(て、いうかシンくんのこと、マジで食う気あるのかしら、この女は?)
「うぉりゃ~~! マユの清浄なるノーブラ脇ナマ乳チラのために、目標をセンターに入れてスイッチぃ~!!
 どぅりゃ~~! マユの清浄なるミニスカパンチラ膝枕のために、目標をセンターに入れてスイッチぃ~!!
 うぉ~~! マユの清浄なるTシャツの二つのプッチンのために、目標をセンターに入れてスイッチぃ~!!
 そうや~~! マユの清浄なるノーブラ前かがみナマ乳のために、目標をセンターに入れてスイッチぃ~!!」
シンの叫びが大音量でオペレーションルームの中に響く。

54:シンエヴァもどき「鳴らない電話 2/8」
07/10/21 19:19:20
「あの、エロバカ兄貴め~!!」
今までマユのニッコリと笑っていた表情がこわばり、眉間にもしわが寄る。
そして握りしめた拳もぷるぷると小刻みに震えている。
「少年の青い情動? あなた、うちで無防備なままでい過ぎなんじゃないの?
 まあ、これなら彼、十分すぎるほどやる気出るわよね。
 ……っていうか彼、みんなに聞こえているってこと、わかってないのかもね。
 もし、わかってて言っていたとしたら、よほどの大物か、とてつもない バ カ ね」
今までリツコと会話をしていたのだからこちらに聞こえていないとは思っていないはずだが。
マユもこれだけ無防備なら彼女は彼のことは男とは見ていない、とリツコはある意味ホッとしていた。
「今後、気をつけます。とりあえずうちの兄には後でじゅ~~ぶんすぎるほど時間をかけて言い聞かせますので。
 ……あのエロ猿、後で百編死なす! 絶対死なす!!」
「その前にまずは不自然に前屈みになって鼻血出している日向君に注意をしたほうがいいんじゃないの?」
「え?!」
急に青ざめ、驚愕した表情でリツコ達の方へ振り向く日向君。
青ざめた表情を浮かべる顔のその鼻の下に赤い血が少し付いているのがとても印象的だ。
「不潔!」「日向、おまえ、ツルペタ好みの真性ロリだったのか……」
口々にささやく同僚達。

直後、日向マコトがマユ(ミニスカ、黒ニーソ)のシャイニングウィザードを受け、『ブルーのストライプ』と
だけ一言言い残し、とても幸せそうな笑みを浮かべて気絶したことは本編にはあまり関係がないに違いない。
ちなみに彼は後に涙ながらに同僚に以下のように語った。
「僕は幼女趣味じゃない。たまたま好きになった人がマユちゃんだっただけなんだ~。それだけなんだよ~!」
また日向マコトの同僚、青葉シゲルがその直後『ちょっとはあるもん!』と叫びながら涙目でマユが放った裏拳
を食らい、盛大に鼻血を出して床に“くの字”に倒れてしばらく痙攣していたこともあまり本編とは関係がない。
その後の怯えたようなマヤの小動物のような表情と、その大きな胸を強調して仁王立ちして如何にも『勝った』
と言わんばかりのリツコの自慢げな表情が印象的であったと後にある名無しのオペレータは周囲の同僚に語った。

「おい、マユ、いい加減に起きろよ! 朝だぞ! あんまり寝てると馬鹿になるぞ!」
ある朝、シンが学校へ出かける前にまだ起きてこないマユの部屋に顔を出して起床を促した。
「……う~~ん、……さっきまで当直で今さっき帰ってきたんだも~ん」
布団を頭からかぶって半分眠りながら答えるマユ。
さっき帰ってきたといいながら、シンが起きてくる前に彼の朝ご飯を準備しておくあたりは大したものだが。
「だいたい、おまえが学校行ってるところ見たことないぞ?!」
(そういえば制服姿も、体操服姿も、スクール水着姿も、俺はまだ生では見たことないぞ!)
ここに呼ばれた手紙に挟まっていたマユのスクール水着姿のスナップは今や彼の大事な“宝物”、秘蔵の一品だ。
「……だってスキップしてとっくに卒業したもん、大学ぅ~……」
「へ?! うぉ?!」
今、マユの口から明かされた驚愕すべき事実もシンにはショックだったが、それよりもシンの興味の矛先は床に
無造作に脱ぎ捨てられた淡いピンクのブラに集中しており、視線はそこにしっかりとロックオンされていた。
(今さっき、ってことは、あれ、ぬ、脱ぎたて?)
「だからちゃんと大学卒業して、ネルフに勤めてるんだってばぁ~……」
「そ、そうなのか?」
(でも、こいつ、ブラ必要なのか? それよりもあいつを回収したら、まずいよな……)
「私、お兄ちゃんより頭いいんだよぉ~。
 大人だよ~……。お兄ちゃんの方がお馬鹿だよね~」
「そ、そうなのか?」
「うん。お兄ちゃんの方がお馬鹿だよねぇ」
(胸はお子ちゃまで発育はちょっと悪いかも知れないが)

55:シンエヴァもどき「鳴らない電話 3/8」
07/10/21 19:20:29
「へいへい……じゃあ、行ってくるからな」
(普段うちにいる時はつけてないよな。よくシャツの透き間から胸のピンクのごにょごにょが見えてるし。
 あ、やべ、思い出したらちょっと……)
「あ、燃えるゴミの日だから、よろしくね~……」
「ああ、わかった」
慌ててマユの部屋の扉を閉めるシンに彼女は声をかけた。
「それとお兄ちゃん、学校の方は慣れたのぉ?」
「……まあな」
「ふぅん。いってらっしゃい」
「ああ、いってくるぜ」

シンが出かけてほどなくマユの部屋の電話が鳴る。
「ああ、リツコさん。歳なのに案外タフだね~」
ネルフの彼女の研究室にいるリツコからの電話であった。
「いってなさいよ、まったく……で、どう? 彼氏とはうまくいってる?」
「え、ええと、転校して二週間、相変わらずだねぇ。
 ……全然誰からも電話、かかってこないみたいなんだよ」
「電話?」
「うん、要ると思ってせっかくだから、きてすぐに私とおそろいのピンクのケータイ、買ってあげたんだよ。
 なのに、自分から使ったり、誰からもかかってきた様子ないみたいなんだ。
 お兄ちゃん、もしかして学校に友達とかいないんじゃないかな。母さん、ちょっと心配だな」
(あんたね、年頃の男の子がピンクのケータイ持って歩きたくはないでしょう?)
「あんたね、妹でしょ? 碇マユさん」
「あ、まあそうなんだけどね。私たちの義理の母狙いのリツコさんにたとえで過剰に反応されてもねぇ。」
「ま、それはともかく……シンちゃん、どうも友達作るには不向きな性格かも知れないわね」
「そうぉ? あんだけ私には図々しくてスケベぇなのにぃ?」
「あれは無防備なあなたも悪いところがあると思うけど。あと彼、極度のシスコンなんじゃないの?」
「そうなのかな?」
「絶対にそうよ……あなた、ヤマアラシのジレンマって知ってる?」
「山嵐? 今は同じ方の襟と袖を持ったら反則なんだってよ?」
「誰も柔道の話はしてないわよ。その冗談、つまらないわよ。
 ……動物のよ、あの背中にトゲを持つ。
 ヤマアラシの場合、相手に自分のぬくもりを伝えたいと思っても身を寄せれば寄せるほど自分のトゲで相手を
 傷つけてしまう。人間にも同じことがいえるわ。
 今のシンちゃんは心のどこかで痛みにおびえて臆病になっているんでしょうね」
「そうなのかな~、でもそんなこといわれても……
 けど成長する、大人になるってことはいろいろな人とくっついたり離れたりいろいろあって、相手によって、
 ほどほどの距離をみつけることだって、わかってくれると思うんだけどな。
 ……ってユイさん語録に書いてあった」
「あなたはいろいろと成長してないけどね」
「ほっといてください。 ……それから、シンちゃんをシンちゃんって呼んでいいのは私だけだよ」
「あら、だってかわいいじゃない、この呼び方も、彼も。あなた、意外と独占欲強いのね」
「マユ、子供だから難しいこと、わかんな~い。用済みなら電話切りますよ、お・ば・さ・ん」
「あのねぇ~」

朝、登校したシンは誰に挨拶するでもなく自分の席に着き、そして居眠りをするように突っ伏す。
(な~んもやる気しないな)
ネルフのいや、マユの前とは180度違うシンの姿だった。

56:シンエヴァもどき「鳴らない電話 4/8」
07/10/21 19:21:39
そんな教室の中で、堂々とエッチな雑誌のグラビアを眺める色黒の少年。
彼の前に少しおとなしそうなストレートの長い黒髪の少女が眉間にしわを寄せてのぞき込む。
その少女の隣で毛先が外に跳ねている活発そうな少女が仁王立ちでほおが引くつかせていた。
「ディアッカ? あんた相変わらずなもの見ているようだけど、いい加減にしなさいよ。
 ……と・こ・ろ・で、あんた、イザークくんにプリント渡したんでしょうね?」
活発そうな少女がディアッカと呼んだ少年をにらみつける。
「あ、ミリィ様、シホ委員長さん、グッモーニン。……でもあいつ昨日は家にはいなかったぞ。」
ディアッカは今自分の机の中にあるはずのそのプリントが見つからないことを祈っていた。
「しかし、なんで彼、2週間も休んでるんだろう?
 あんた達、親友なんでしょう? あんたなんか知らないの?!」
「そういわれてもなぁ。あいつのこと何でもかんでも知っているわけじゃないしな」
なんだかんだで『ちゃんと渡すのよ』とぶつくさ言っているミリィを彼の前からシホが悲しそうな表情のまま、
引っ張って彼女らの席へと戻っていった。

ディアッカがやれやれと安堵して雑誌のグラビアに視線を戻そうとした矢先、そのイザークが教室に入ってきた。
そして彼は昨日まであいていたディアッカのひとつ前の彼の席へとついた。
「よ、イザーク、おひさし」
イザークは面倒くさそうに『ああ』とだけ答えてディアッカの方へ振り向きもしなかった。
「おいおい、なんか暗いな。この間のデカブツにドジな家族でも踏みつぶされでもしたか?」
ギロリとぎらついた目で後ろにいるディアッカの方へ振り向き、そして左手で彼の襟をつかんだ。
「エルは、……妹はドジなヤツじゃない!! それに踏みつぶされた訳じゃない、巻き込まれただけだ!!」
「?!」
イザークの声に一瞬でしんと静まりかえる教室。
おろおろと心配そうな表情でイザークを見つめるシホ。
そんな中でもシンは我関せずと居眠りを続けていた。
「だから、妹があのデカブツに巻き込まれて怪我をしたといっている!!
 両親は研究所勤めで中々帰ってこられないから、昨日まで俺が病院に付き添っていたんだ!」
「ああ、すまん」
「わかればいい。すまん、俺もつい、カッとなってしまった」
少しだけ冷静さを取り戻したイザークは掴んでいたディアッカの襟を離して彼に謝った。
「いや、いいさ、言い過ぎた俺が悪かった」
ディアッカも言い過ぎたことを素直に謝った。そしてまた、教室の中に先ほどまでのざわめきが戻ってくる。
「そういや、おまえが休んでいる間に転校生があったんだが……」
「それがどうした」
「たぶん、そいつがあのデカブツのパイロット」
と、ディアッカは居眠りをしているシンをあごで指し示す。
「なに? 本当か?」
「親父の端末にデータが入ってた。……それとあのデカブツ、エヴァっていう名前らしい」

放課後、シンを校舎の裏手に呼び出すイザーク。それにつきあうディアッカ。
その様子をレイが教室の中から何の感情も浮かんでいないような表情で見つめていた。
「キシャマ、訊いたぞ! あのデカブツの、エヴァのパイロットなんだってな!」
イザークははなっからけんか腰でシンに事実を確かめようとする。
「ああ、まあ、そーだけど。……あんた誰?」
全く話したこともないクラスメートから急に呼びつけられてこんなところへ連れてこられて妙なことを訊かれる。
シンにはわからないことだらけであった。
「そうか、じゃあ先に謝っておく。すまん!」
「はあ?」

57:シンエヴァもどき「鳴らない電話 5/8」
07/10/21 19:22:50
あきれているシンの左頬へイザークの腰の入った右ストレートを入った。
「むちゃくちゃだって事はわかっちゃいるんだが俺の気が済まないんでな」
そういうイザークの声をシンは硬い土の上に無様な格好でひっくり返ったまま聞いていた。
「なんだよ、それ」
「ソーリィ、コイツの家族が、エヴァの戦闘に巻き込まれて怪我をしたんでな」
ディアッカが説明を入れる。
「余計のことは言わなくていい!!」
(勝手に呼んできて、勝手に乗せておいて、勝手に戦わせて。
 そして今度はケガをした責任を勝手に負わせて……。みんな身勝手なんだよ!)
シンは殴られて切れた唇の血を手の甲で拭いて黙って立ち上がる。
「俺だって、……俺だってエヴァに乗りたくて乗ってるんじゃねぇ~~」
血の付いた拳でイザークに殴りかかる。
シンの言葉にカッときたイザークはシンが殴りかかるよりも一瞬早く彼を殴り倒す。
「なぜ乗っているのか、どういう経緯で乗るようになっているのかは俺は知らん。
 訳など聞く気もないが自分のやったことくらいは自分で背負っておけ!」
イザークは振り返ることもなくそれだけ言うとシンを残して立ち去っていった。
その後を追うディアッカ。
二人が立ち去りった後には結局一発も殴れずに返り討ちにあい、茶色く堅い土の上に無様に大の字に倒れている
シンだけが残された。
「……なんだよ、それ。全然わけわかんねーよ」
「シン、非常招集だ。俺は先に行く」
いつの間にか現れた包帯だらけのレイがそう言い残し、ひょこひょこと立ち去る。
そして遠くで警戒を促すサイレンの音が鳴り響いた。

ネルフの作戦指揮所に立つ、マユとリツコ。
彼らの前のスクリーンには侵攻してくる使徒の姿が映し出されている。
指令がいるはずの最上部では冬月副司令一人だけがスクリーンを見据えていた。
「お父さんがいない間に第四の使徒のお出ましかぁ。意外と早かったな」
「前は15年のブランク。今回はたったの3週間でしたからね」
関係修復もかねて日向マコトはマユに話しかける。
「こっちの都合はお構いなしかぁ。女の子に嫌われるタイプだよねぇ。ある意味、日向さんもそうだけど」
「ゲッ! そんな」
めがねの奥に涙が光る日向マコト。

とある避難用のシェルター中で何か上の空でいらつくイザークと携帯テレビをいじるディアッカ。
「おい、ディアッカ、まだ外の状況は分からんのか!」
「今やってるよ。でも報道管制とかでほら、この通り」
ディアッカは穏やかな風景と音楽をバックにそっけのない長い文章が羅列されている画面をイザークへ見せる。
「おい、話がある、ついてこい!」
イザークはディアッカを促して立ち上がった。
「はいはい……」
ディアッカにはなんとなく内容の見当は付いていたが自分にも一因はあるで黙ってついて行くことにした。
イザークはディアッカをつれてクラス委員長のシホを探し、一声かける。
「おい、委員長! 俺達はこれからトイレへ行く!」
「え、あ、……気をつけて」
赤くなってそれだけイザークに言ってうつむいた。
「何よ、そんなもの、シェルターに入る前にすませておきなさいよ!」
シホの隣でミリィがぎゃーぎゃーと文句を言っていたがイザークは無視してそのままトイレへ向かった。

58:シンエヴァもどき「鳴らない電話 6/8」
07/10/21 19:23:59
「委員会からエヴァの出撃要請が出ています」
「最初っから出すつもりだったからいいけど。使徒相手に通常兵器じゃ歯が立たないなんてわかってたじゃない。
 メンツだけで税金の無駄遣いされてもなぁ……で、シンちゃんの準備はできてる?」
苦笑気味のマユは青葉にシンの状態を確認する。
「エヴァ初号機、発進準備完了しています」
リツコとマユがシンに作戦の概要を伝える。
とはいっても練習したとおりのパレットライフルによる一斉射だけではあるが。
「じゃあ、エヴァンゲリオン、初号機出撃!」
彼女の指示により、エヴァ初号機が出撃のため、地上へと射出された。

また、とある避難用のシェルター内のトイレで連れションをするイザークとディアッカ。
「しかし、シホの奴、あんな消極的な態度でよくもまあ委員長が務まるものだ」
「結構しっかりしているぜ、彼女。それにあんな態度をとるのはイザーク、お前にだけだ」
「どういう意味だ、ディアッカ」
「そういう意味なんだがな。しかしお前わかってていってるのか?」
「キシャマ、訳のわからないことをいうな!」
「やれやれ。……で、これからどうすんだよ、イザーク」
「知れたことだ! あのバカがちゃんと出撃しているかどうか、外へ出て確かめてくる。貴様もつきあえ」
「やれやれ」
(やっぱりな。転校生のこと、こいつ気にしてたんだな。まあ一人じゃ開けられないからなぁ、あの電子錠)
わかりきっていたこととはいえ、ディアッカはとりあえずため息をつき、そしてぼやいてはみた。
なんとかシェルターを抜け出した二人は見晴らしのよい小山の山頂にある神社からシンの戦いを見つめていた。
「あいつ、ちゃんと戦っているようだな」
イザークの声にはいくらかの安堵した雰囲気が感じられた。
「安心したか?」
ディアッカは意地悪くにやつきながら聞いてみる。
「キシャマ、バカいうな」
(やれやれ、素直じゃないんだからよ)

使徒と対峙したシンの頭に彼を殴ったオカッパ頭のくそ生意気な奴の顔が浮かぶ。
「くっそ~~!」
(知ったかぶりしやがってあの銀色ヘルメットめ!)
「目標を……目標をセンターに入れてスイッチ!! うぉお~~~!!」
シンは物陰からエヴァで飛び出すと残弾を気にせずひたすら使徒に向かってパレットライフルを乱射する。
無思慮、無差別な銃撃がたてた爆煙で使徒の姿が見えなくなる。
「何やってんのよ、爆煙で敵が見えないでしょ!」
爆煙の中から飛び出してきた光のムチがエヴァのライフルを切断する。
「お兄ちゃん、予備のライフル出すから、受け取って!」
煙の中から異形な姿を現す使徒。シンはその異様な姿と巨体に圧倒され、いいようのない恐怖を感じた
エヴァの後方にある兵装ビルからライフルが現れる。
「う、うぉ~~!!」
シンは恐怖を紛らせるために体を動かし、その恐怖の元を消し去るためにライフルに手を伸ばすエヴァ。
しかし、走るエヴァより先に触手がビルごとライフルと周囲のものを切断。
あおりを受けるようにエヴァも吹き飛ばされ、巻き込まれるようにしてアンビリカルケーブルも切断された。
「アンビリカルケーブル断線!」「エヴァ、内蔵電源に切り替わりました!」「活動限界まであと4分53秒!」
ネルフ作戦指揮所で青葉達の状況を伝える声にエヴァと使徒の姿が映るスクリーンを見つめ凍り付くマユ。
使徒の攻撃はやまず、まだ建っているビルに寄りかかるようにして倒れていたエヴァの足にその光の触手を絡め、
エヴァの巨体を空へ高く振り上げ、山肌へとたたきつけるように投げつけた。

59:シンエヴァもどき「鳴らない電話 7/8」
07/10/21 19:25:09
「うお?! こっちに来る!」
叫ぶディアッカ。
「んなこと、見てればわかる!」
冷静なのかパニックしているのか一目ではわかりにくいイザークの声。

『お兄ちゃん! お兄ちゃん! 大丈夫なの?! ダメージは?』『問題なし。いけます!!』
エントリープラグの中で朦朧としているシンの周りで指揮所からの通信が聞こえる。
シンは痛む頭を振りながら体を起こす。
「こ、この野郎!」
使徒の姿を捜すシン。
そして彼の目はエヴァの左手のすぐ側で涙目で震えているイザークとディアッカ、二人の姿を見つけた。
(何、やってんだよ、あいつら?!)

その民間人二人の存在はネルフ作戦指揮所でも確認された。驚くマユとリツコ。
「お兄ちゃんのクラスメート?」
「なんであんなところに?」

エヴァのすぐ側へとゆっくりと飛んでくる使徒。
また、2本の光の触手がエヴァを襲う。シンはそれをよけることなく、エヴァの両手でつかむ。
「うぉあああああ!」
シンの両手に衝撃が走る。

「あの腰抜け、何をやっている?! 何故戦わない」
「俺らがここにいるから、俺らをかばって自由に身動きがとれないんだろうさ」
イザークは涙目のまま、体に気合いを入れて抜けそうな腰に力を込めてなんとか立ち上がる。
「逃げるぞ、ディアッカ! あいつの足手まといになるわけにはいかんだろうが!」
「あ、ああ」
そろり、そろりと体を動かすディアッカ。

そんな二人を横目で見ていたシン。
「マユ! 二人をエヴァに乗せる。エントリープラグをあけろ!」
「ちょっと、シン君、そんな……。
 許可のない民間人をエントリープラグに乗せられると思っているの?!」
シンの言葉に怒りをあらわにするリツコ。
「こいつらの足で逃げても間に合うわけないだろう?!」
「だからといって……」
「そうだね、いいよ、リツコさん。私が許可するから。お兄ちゃん、二人を回収後、一時撤退して!」
リツコの言葉をマユが遮る。
「何いってんのよ。一般人をエヴァに乗せるなんて。
 あなた、シンに甘すぎるわよ! 越権行為よ 碇一尉!」
キッと無言のまましばしの間、にらみ合うマユとリツコ。
「初号機、活動限界まであと3分!」

「おい、あんたら、背中をあけるから、そしたらすぐにこの中に入れ」
マユが自分のいう通りにしてくれるとわかったのでさっそく外の二人に声をかける。

「エヴァは現行命令のままホールド、その間にエントリープラグ排出。お願い、急いで」
エヴァの背中からエントリープラグがせり出してくる。

60:シンエヴァもどき「鳴らない電話 8/8」
07/10/21 19:26:31
エヴァから聞こえた声に驚く二人。
「どうする?」
ディアッカはイザークへ問いかける。
「忌々しいがあいつのいうことを聞く。おい、急いであの中に入るぞ!」
エントリープラグの中へ飛び込む二人。
「なんだこれは?! 水ではないか?」「うぉ! おぼれる、おぼれちまうぜ~……」
『エントリー、リスタート』
その声とともに周囲が明るくない中の様子がわかるようになった。
「とりゃ~!」
また、エヴァの再起動が確認できるとシンは気合いもろとも光の触手を持った腕を振り、使徒を投げ飛ばした。
「今よ! 後退して、お兄ちゃん!」
初号機は両手から煙を立ち上らせながらゆらりと立ち上がる。脱出ルートを指示する声がプラグの中に響く。
「おい、シン、後退しろといっているぞ!」
「……聞こえない。いやだ。こいつは今、俺がここで絶対に倒す! マユのためにも!」
肩からプログレッシブナイフを引き出し構えるエヴァ。
『お兄ちゃん、お願い、戻ってきて!』
プラグ内に響くマユからのお願いも無視して、山の麓で体勢を立て直した使徒にひたすら突進するシン。
「うぉ~~~~!!!!」

「お兄ちゃんの、……シンのバカ……」
マユは誰にも聞こえないように悲しそうにつぶやいた。

接触する間近で光る触手がエヴァの腹部を貫通する。
「このやろうーー!!! こいつは絶対に~! 俺がこの手で倒す!」
シンは腹部に走る激痛にもかまわず突進し、腕を伸ばしてプログレッシブナイフを使徒のコアへ突きたてる。
そのコアの傷口から目映いばかりの火花が散る。
「うぉ~~~~~~!!!!!!」
目を血走らせ、腹から叫び、力の限り操縦桿を押し込むシン。
そんな鬼気迫る彼をイザークとディアッカはただ唖然と黙って見つめることしかできなかった。

彼らにとって30秒しかたっていなかったとも1時間はたってしまったとも思われる時間が過ぎた。
使徒のコアは砕け、触手も光を失い、完全に動きを止める。
それと同時にエヴァも全ての光が消えて動きを止まりエントリープラグの中を非常灯のような光が包んでいた。
薄暗い赤い闇の中、肩で息をするシン。
振り向いた彼は照れくさそうな表情を浮かべ、イザークとディアッカに親指を立てた右の拳をつきだした。
彼らもつられて親指を立てた拳をシンの前に突き出し、照れくさそうに笑った。

あの後、イザークとディアッカがネルフでこってりと絞られてから3日後のその日は朝から雨だった。
「どうして奴は今日も来ない?! 今日で三日だというのに何故だ?!」
じめついた教室の中、イザークはうめく。
「まあ、俺たちもこってり絞られたからな~。ま、あいつの方が大変だろう。多分、いろいろあるんだろうさ」
ディアッカはグラビア雑誌からは目を離さずに片耳でイザークの話を聞いていた。
「……そんなに心配なら、ほら」
ディアッカは雑誌から顔を上げ、手帳からメモ紙へシンのケータイの番号を書き写し、イザークに差し出した。
「とっととシンに連絡して安心してくる?」
「なんだそれは?」
イザークはしぶしぶ、そのメモを受け取った。
……しかし、結局その日、持ち主の側になく電源も入っていなかったシンのケータイが鳴るわけがなかった。

61:シンエヴァもどき「鳴らない電話」
07/10/21 19:27:55
以上です。

62:☆星になったナオ☆
07/10/22 00:29:38
シンエヴァモドキさん、乙! あーんど 面白かったぁd(^O^)b
がむばれぇ!

さて、遅れに遅れてますがまとめサイト鋭意製作中です!
今はまだ途中ですが、サイトアドレス晒したほうがいいかなぁ?
本音を言えば職人さんやみんなに手伝って欲しいが\(^O^)人(^O^)/

63:通常の名無しさんの3倍
07/10/24 02:02:34
600番台は新スレ乱立時にdat落ちの危険性ありらしいので、念のため保守がてらage

64:通常の名無しさんの3倍
07/10/24 21:22:32
ディアッカ君、ミリィ「様」って何よw

65:通常の名無しさんの3倍
07/10/26 03:08:42
シン「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる殺してやる、殺してやる、殺してやる殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやるぅ…」


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