07/10/04 21:19:41
53 :自分もちょっと書いてみた [sage] :2007/05/23(水) 11:58:27 ID:???
「復讐の方法? 簡単だ、自分が合わされたと同じ目かそれ以上を味わせてやればいい」
偽りの結婚式からカガリを救い出し、コクピットの乗せてキラはAAに向かっていた。
白と赤のザク―主に白い方―に多少梃子摺った…特に白い方はこちらの弾道を予測したかのような回避力だったが、
赤い方の射撃をフリーダムと白い方を同じ軸線に乗せた状態で誘い上手く白を落とす事が出来た。
「カガリ、AAが見えてきたよ…あそこにはラクスも皆もいるから…」
『あーっはっはっはぁ! キラ=ヤマト、見えてるか!?』
突如AAの真下の海中からフォースインパルスが飛び上がってAAに取り付く。
『レイとルナは上手く時間を稼いでくれたみたいだな、見ていろ!』
「君は…誰だ!」
『お前に復讐を誓う者だ、キラ=ヤマト!』
AAの対空砲かをかいくぐりそのMSはブリッジの正面に立つ。
「…止めろ、何をする気だ!」
『お前が俺にした事と同じ事さ! よく見ていろ、一瞬たりとも見逃すんじゃないぞ!』
その右手をゆっくりとAAのブリッジに差し込んだ…その瞬間から妙にゆっくりと風景が見える。
妙にゆっくりと飛び散る破片、念入りに米ぬかを混ぜるように、そのMSは差し込んだ腕を、ぐりぐりと動かし、引き抜く。
その後小さな爆発が、AAのブリッジだった所から、赤い炎を吹き出しつつ、黒煙を空に向かって吹き上げる。
『くくくく…あはははははっ! 見たか、見ていたかキラ=ヤマト!?
死んだぞ…お前の仲間は、お前の恋人のピンクの毒電波は死んだぞ! あははははははっ!!』
突き付ける様に所々に赤い色の付いた掌をキラに向けるそのMS。
「君は…君って奴は~~~っ!」
キラの頭の中で何かが弾ける感覚と共に視覚が一気に開ける…いや、これまで以上に感情が爆発的に相手を倒す事に先鋭化する。
「おい…キラっ!」
カガリが何か叫ぶがもう聞えない、キラは相手に攻撃を貫く事だけに…ただそれだけに集中していた。
「なんて…なんて事をしてくれたんだぁっ! ラスクは…この世界の希望なんだぞ!!」
『あーっはっはっはっはぁ! どうしたキラ=ヤマト、怒っているのかい?』
「君は何でこんな事を!」
『決まってるだろ、された事をやり返しているだけさキラ=ヤマト。 どうしたい、攻撃が当たらないよ?』
「僕はこんな事はしていないっ!」
『してないだって? はっ、さすが綺麗事が得意のはアスハの姉弟だけあるね!
所詮素人の付け焼刃か、攻撃が直線的でワンパターンだ…正式な訓練を受けた俺にはまるで通じないよ』
ゆっくりと海面に向けて落下して行くAAを背景に超高速で飛び交う2機のMS…常識を遥かに超えたその速度はナチュラル
には捕らえられない程の物であるが、それでも2機は武器を放ち回避し寄っては離れ強烈な光を放つダンスを踊る。
『どうしたい、スーパーコーディネイターの君が俺一人殺せないのか? それとも恋人が恋しいか?
この右手を良く探せばピンク色の毛一本ぐらい見つけられるかもよ? ひゃーっはっはっはっはぁ!!』
「君は…君だけは許せないっ!!」
ビームライフルを手放して右手を開いてストライクに向けるインパルスに、“ラケルタ”ビームサーベルを引き抜いて突貫するキラ。
その切っ先は寸分違わず、避けようともしないインパルスのコクピットを貫いていた。
『俺の復習は始まった…愛する人も居らず、復讐する相手もいない無限の苦しみを味わうがいい……』
最後にインパルスのパイロットの声がそう聞えた…その後に“父さん、母さん、マユ”と呟く声も……。
「……どうしようカガリ……皆が…ラクスが……」
思い出したように涙を流してカガリを向くと、カガリは口から血を流して息絶えていた…ナチュラルでは戦闘機動のGに絶えられる筈も無い。
「僕は…どうして…こんなところへ…来てしまったんだろう…」
呆然と立ち尽くかのように空中に留まるキラとフリーダムを、オーブの部隊が包囲しようと集まって来て居た。
「何、相手を殺すって?
……シン、お前は慈悲深い奴だな。 わざわざ相手を楽にしてやる事もあるまい」