07/09/22 22:41:22
その頃東京の警視庁では、加賀美の父陸がコーディネイターで形成する組織『ザフト』との交渉に当たっていたところだった。
「あれは我々の軍事機密だ、渡せると思っているのかね?総監」
宇宙独立帯プラント評議会議長のギルバート・デュランダルは少し声を荒げるように言った。
「あなたが怒るのも無理はない・・・だが、もう今の日本は戦争をごまかすだけの事件と
戦火を乗り越えられるだけの軍事力は備わってはいない」
「戦争が起こったのはたった1年前だ、そんなに早いサイクルで戦争が起こるとも思えんがね」
「だが万が一!!・・・戦争が起こってしまったとしたら、あなたはどう責任を取ってくれるのかね?
無防備の日本を君たちはは真っ先に狙うんじゃないのかね?」
陸の必死の叫びを聞いたデュランダルは、少し考え込むとゆっくりと口を開いた。
「・・・・分かった、何とかしよう」
突然態度が急変したデュランダルに、陸は少々困惑した。
「加賀美さん・・・もしセイバーを提供するなら、代償として日本は旧ZECTのあらゆる情報を提供する・・・
ということでいいかね?」
デュランダルは旧ZECTの情報を狙っているのだ。陸は少し考え込んだあと、重苦しく口を開いた。
「・・・分かった、なんとかしよう」
「そうか・・・それは良かった。それでは『セイバー』の到着を楽しみにしているといい」
デュランダルは交渉がまとまったことに満足すると、あっさりと通信を切ってしまった。
「たかだかMS1体ごときで『アレ』の情報が手に入るなら・・・」
デュランダルは静かにほくそ笑むと部屋を出ていった。
新型機のセイバーを渡してでも旧ZECTの情報yを欲しがるデュランダル。その真意とは…
通信を切られた後、陸はソファーに深くも垂れ込んでつぶやいた
「・・・マスクドライダー計画の情報を狙っているんだろうが、少し遅かったようだな」
天道が店を出てから少したたった。
すると天道の回りをカブトムシの形をしたものが飛び回った。
「お前か・・・そうか加賀美の親父さんはうまくやってくれたか」
カブトムシのようなもの、『カブトゼクター』は、陸がオーブからある兵器を応酬したことを伝えにきたのだ。
「まだもう一仕事あるようだ。来てくれるか?」
天道の問いかけにカブトゼクターはうれしそうに反応すると、天道の右手にすっぽりと収まった。