07/08/23 02:55:57
ようやく続きを投下します
少し時間を遡る…
再改修されたネオジェネシスを搭載した要塞『オラトリオ』
その要塞の中を走る影があった。影の名はアンドリュー・バルトフェルド、前々大戦では砂漠の虎の異名で地球軍から恐れられ、
現在はラクス・クラインのために裏の仕事をこなしている元軍人である。
その彼がなぜこのような所にいるかと言うと、この要塞に関して不審な点があったために極秘調査を行っているからだ。
その不審点というのはオラトリオの出所に関係する。
そもそもオラトリオは前大戦においてデュランダル派が建造した要塞『メサイア』を回収、修復を行っただけものである。
にもかかわらず、オラトリオ内部に元となったメサイアにあるはずの無いエリアが存在していたのだ。
このことが分かったのはオラトリオが建造されてから1年後、クリスタル1が襲来する2年前である。
当時、そのエリア付近で怪しい動きは特に無かったため放置していたが、数日前に起こったある事件以降からエリア周辺が騒がしくなっており調査に踏み切ったのだ。
バルトフェルドがそのエリア内を調べていると、見るからに怪しい気配を放つ扉が目に入った。
周辺に見回し、誰もいないことを確認するとその扉へと近づき周囲を調べた。調べて分かったことはこの扉は電子施錠されおり、
そのパスワードはラクスが把握しているものを使っていなかったことである。
どうしたものかと悩んでいると後方から何者かが扉へ近づいてくる。バルトフェルドはすぐさま身を隠し、様子を見ることにした。
近づいてきたのは若い女性の科学者で、扉付近にある端末の前に着くと慣れた手つきでそれを操作し扉を開けた。
女性はそのまま扉の内側へと消えていった。バルトフェルドも足音を立てないようにしつつ、急ぎ足で扉の内側へと入っていった。
天井にある小型の蛍光灯のみが照らす通路を奥へ奥へと進んでいくバルトフェルド。通路の先には先ほどのものよりも小型の扉があった。
これは施錠その物がされておらずバルトフェルドは扉を開け、内部へと踏み込んだ。