07/08/14 23:31:51
「そういう訳だ、出撃する。君達はどうする?初陣にはキツイものになってしまったが・・・」
アムロは振り向くとソキウス等に問いかける。
「僕達はこの日のために訓練を重ねてきました。出撃させてください」
「分かった・・・しかし、言っておくが・・・」
アムロは言葉に一拍おくと、
「君達にはまだ教えていない事が沢山残っている。―勝手に死ぬ事は許可しない」
そのアムロの言葉にイレブン達は今度こそ誰が見ても分かる静かな笑みを浮かべる。
ソキウスのナチュラルのために存在するという概念は他者に刷り込まれたものではある。
だが、決して間違ってはいないと確かにそう感じさせるものがあるのだ。
「分かりました。大尉の―大尉の命令に従います」
彼等は敬礼すると自分達の乗機へと流れていく。
「すまないな、勝手なことをしてしまって・・・」
「もう、いいですよ。きっと、貴方のそういう所にあの人も・・・」
『主任』は少し怒っている様な、それでいて喜んでいるような、そんな笑みをアムロに向ける。
「でも、無理はしないでください。我々には・・・ムルタさんには貴方が必要なんですから」
「ああ、分かった」
唐突にドレイク級護衛艦から通信が入る。
「いけませんなぁアムロ大尉。我々の空戦隊を忘れてもらっては」
ドレイク級護衛艦の艦長はシニカルな口調でそう口にする。
「連合最強と名高い『白き流星』と再び同じ宇宙を飛びたがっている連中は大勢いるんだ。
この機会を逃したとあっちゃあ自分は袋叩きに遭いそうなんでね。無理矢理にでも支援させてもらう」
遠慮してもついていきそうな勢いだ。そして、それはアムロ達の胸を打った。
「ああ、分かった。空戦隊の皆にアムロ・レイが感謝すると伝えてくれ」
互いに敬礼すると通信は切れた。だが、回線が切れてもなお繋がるものは確かに存在する。
「よし、出撃だ。下駄を出しておいてくれ!!」