07/08/14 08:06:31
「貴様、俺達の船を!!」
編隊を組むメビウスからイージスに向かい怒りと共にリニアガンとミサイルが放たれる。
「チィ・・・!!」
アスランが回避運動をとりビーム・ライフルを向けると同時に
横手からのブリッツのランサーダートがメビウスを刺し貫く。
「アスラン、油断は禁物ですよ」
「ああ、すまない・・・」
ブリッツのパイロット、ニコルの声にアスランは自分が熱くなり過ぎている事に気付く。
そうしている間にアスラン達が戦列に穿った空間に他の部隊のジンも一斉に殺到する。
「ニコル、足付きは見たか?」
「いえ、今のところはまだ・・・」
「そうか・・・」
もし、ストライクが―キラが出てくれば撃たねばならないのだ。
アスランは、キラが出て来る事を正直望んでいない。
だが、それでも、あるいはそれゆえにアークエンジェルの動向が気になっていた。
「アスラン、分かっていると思いますが今回の僕達の任務は敵艦隊の掃討です。優先順位を間違えないでくださいよ」
「ああ、そんな事分かってるさ!!」
ニコルの言葉にアスランはそれだけ言うとアスランはニコルからの通信を切る。
ニコルが自分を心配してくれている事は分かっているのだ。
ヘリオポリスの一件以来どうにも理解に感情が着いていかなくなっている
自分自身に対してアスランは歯噛みした。
≪イージス、C-16空域が膠着状態です。援護に向かってください≫
「了解しました、援護に向かいます」
アスランは復唱するとイージスを加速させる。
眼前には光が明滅している。あたかも消えていく人の命の様に。
母の悲劇を繰り返さぬため、こんな戦争を一日でも早く終わらせるために銃を取ったはずなのだ。
なのに戦火は広がるばかりで、ついに連合軍はモビルスーツまで造り始めた。
「まだ・・・まだ戦争がしたいのかっ!!お前達は!!」
アスランの咆哮とともにイージスは再び砲火の中に飛び込んでいった。