07/08/14 07:56:02
「くそっ、なんで当たらねえんだよっ!!」
ミサイルを容易に回避されメビウスの若いパイロットが毒づく。
メビウスは最高速こそジンに勝ってはいるもののモビルスーツとの運動性の差は
訓練生に毛が生えた程度のパイロットではそうそう埋められるものではない。
直線的な動きはジンに容易く捉えられキャットゥス500mm無反動砲によって爆砕する。
その様な光景がそこかしこで繰り返されていく内にメビウスは確実にその数を減らしていく。
「邪魔だっ!!」
「うわっ―!!」
一瞬で三機のメビウスを屠ったアスランはイージスを変形させ
580mm複列位相エネルギー砲"スキュラ"を放つ。
直線状に位置していたメビウスは圧倒的な火力に巻き込まれ消滅する。
―お前らが、お前らがこんな物を造るから!!
アスランの精神には怒りが満ちていた。
今回の艦隊を指揮する男がヘリオポリスのモビルスーツ開発計画を
推し進めていたと聞いたためである。
ヘリオポリスでモビルスーツが製造されなければキラと戦う事も無かった。
自分達の運命の責任がこの艦隊の指揮官にあるという想いがアスランの認識を支配していた。
無論、これは若いアスランの独善なのだが、同時にアスランに力を与えているのも事実だった。
「敵の艦・・・見えたっ!!」
四機の"G"は空戦隊を突破し前衛艦隊に向かって飛び込んでいく。
それぞれに高い火力を有する"G"は艦の装甲を事も無げに貫き爆沈させていく。
対空機銃もPS装甲の前では意味を成さず彼らは艦砲に当たるほど間抜けではない。
元々、ナチュラルを上回る能力を持つコーディネイターの更にトップクラスの資質を有する彼らだ。
"ザフト・レッド"は伊達ではない。
「オオオォ!!」
イージスのビームサーベルがドレイク級戦艦のブリッジをクルーもろとも焼き払う。
ビームの超高温の前では人の持つ肉体など一瞬で蒸発するのだ。