07/07/23 23:00:10
ある日のヴィヴィオとキラ
「キラさん、目に隅が出来てますけど…、眠れなかったんですか?」
廊下を歩きながら、傍らを歩くキラの顔をエリオはまじまじと見ている。
欠伸を噛み殺しし、キラは理由を説明した。
「フリーダムの修復の手伝いしてたらね…、部屋に戻るの朝方になっちゃったし…。」
「フリーダム…直せそうですか?」
「うん…、時間はかかりそうだけど…なんとかね。」
「そうですか。
じゃあ、僕は訓練なんで失礼します。また、お昼に!」
エリオはキラと別れ、玄関へと向かっていく。
「うん、がんばって…。」
笑顔で見送り、それから、ヴィヴィオの子守りのため、目的の部屋に向かうキラであった。
部屋の前まで来ると、ドアがスライドして開く。
中に入ると、ソファに座ってキラを待っていたヴィヴィオは舟を漕いでいた。
無理もない、まだ本来ならば子どもが起きるには早い時間帯だ。
首がかくんっと落ちてはすぐに寝惚け眼を開け、座り直すが、またすぐに瞼が閉じて行く。
「ヴィヴィオ?」
「……ふあ?」
一生懸命に目を開けようと頑張るヴィヴィオ。
「あはは…。無理に起きてなくていいんだよ?寝ちゃったら?」
「…なのはママが…。」
恐らく、なのはがヴィヴィオ一旦起こしたときに言ったであろう言葉、「起きて、ヴィヴィオ」を忠実に守ろうとしていたのだろう。「うん…、なのはママには僕から言っておくからね?大丈夫だよ…。」
キラはジャケットを脱ぎ、ヴィヴィオにかけてやると、その手を掴むヴィヴィオ。
「ん?」
「…行っちゃやだよ?」
寝てる間にどこかに行かないで、そう言いたいのだろう。
「うん、いかないよ…。
おやすみ…ヴィヴィオ。」
ヴィヴィオはキラの膝に頭を預け眠りについた。