【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その12at SHAR
【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その12 - 暇つぶし2ch425:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:15:53
なんというww
これが孔明の罠かww

426:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:17:05
>>420
もし続きがあったとしても
この雰囲気じゃ投下できないと思う。

427:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:18:03
 しかしフェイトはそんな姿に不安を覚える。無理をしているのが、見え見えだからだ。
「ごちそうさま」
 箸を置き、手を合わせシンは席を立つ。
「シン、午後はあいてるんだよね。だったら一緒に病院に行かない?」
「……ああ、そうだな」
 元気のない声で返事を返して、シンは食器を片付けに行く。
「元気ねーな。シンの奴」
「無理もないだろう。一週間も友と会っておらず、その容態も知れないのだ。
 シャマルは何か聞いていないのか」
「聞いてはいるけど…多分、シン君が聞いてることとおなじことよ」
「早く元気になってほしいです……」
「そうやね」
 隣のテーブルに座る八神家の皆も去っていくシンの姿を心配そうに見つめている。
 フェイトとしてはシンが心配なのは当然だが、レイの方も気がかりだ。ルナマリアを見
送って病室に戻ってきたときに見たレイの苦しみようは尋常ではなかった。
 アレがほぼ毎日起きていると言うのだ。レイは大丈夫なのだろうか……
 朝食後、いつものように雑務や訓練をすませると昼時に。シンを連れてフェイトは病院
へ向かう。
 面会の手続きを取り、まずは主治医の元へ向かう。レイの容態と現在面会謝絶となって
いるレイへの面会許可を取るためだ。
 主治医からレイの状態を訊いた―やはり昨日と変化はなかった―後、フェイトが面
会を頼む。
「面会ですか」
「はい。……今日も無理ですか」
 元気のないシンを見て、主治医は柔らかく微笑む。
「いえ、今日は容態も安定していますし問題はありません。ただ時間の方は短いですけれ
ど……」
「ありがとうございます!」
 立ち上がり、両手を握るシン。あまりの変わりように主治医は驚き、しかしすぐに微笑
を零すと、病室まで案内してくれる。
 シンの嬉しさ一杯の表情にフェイトも微笑み、またレイに会えることに安堵する。
「……シン。それにハラオウン隊長か」
 病室に入り、レイを見て、フェイトは絶句する。レイの無表情には強い焦燥の色が見え、
発した声にも以前にはなかった堅さと乾きが感じられる。
 そして何より、こちらを見る視線が鋭く、冷たい。まるで憎むべき相手を見るような―
 しかしシンはそんな彼の様子に気が付かないのか歓喜一杯の表情で駆け寄り、レイに話
しかけている。
「よかった、レイ。心配したんだぜ」
「そうか」
「ゴメン。俺、レイが苦しんでいるのに何の力にもなれなくて……」
「気にするな」
「顔色はちょっと悪いけど……でもまぁこれから回復していくさ」
「ああ」
 シンの言葉に淡々と応じる彼の姿を見て、フェイトはさらに不安を感じる。


428:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:18:59
今度こそ支援

429:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:19:12
 一見いつもと同じに見えるが、彼らをよく知る人物から見れば明らかに雰囲気が違う。
 レイの応答には情の欠片も感じられない。まるで機械が受け答えしているかのようだ。
「テロメラーゼがちゃんと定着するのには時間がかかるらしいけど、きっともうすぐち
ゃんと定着するさ」
 明るくシンがそう言い放ったときだ。レイの表情に変化が見られる。歪みと憤怒という
変化が。
「簡単に言ってくれるな」
 嘲笑を浮かべ、レイは言い放つ。シンの表情が凍りつく。
「仮にテロメラーゼが導入したとしても寿命が延びるとは限らない。むしろさらに短命に
なる恐れだってある」
「そ、それは……」
「それを知っていながらシン、よくもまぁそんな希望的な観測ばかりできるものだ。お前
のその短絡的思考が羨ましいな」
 親友からの、予想もしない言葉にシンの面が蒼白となる。
 シン同様レイの豹変に驚きつつも、いきなりの罵詈雑言にたまらずフェイトは前に出る
が、
「レイ! そんな言い方はないでしょう…! シンがどれだけあなたのことを」
「心配していたと? 心配されても俺の苦痛や苦しみはなくならない」
 突き刺すような眼光を放ち、レイはこちらを見る。
「気持ちだけで何とかなるのでしたら誰も苦労はしない。苦しみも悲しみもこの世に有り
はしない」
 強い憎悪の念が籠もった言葉にフェイトは言葉を失う。
 突然向けられた憎しみに、フェイトが戸惑っていると、
「お前にはわからないだろう。俺の恐怖や苦しみなど。―俺と違い完璧なクローンであ
るフェイト・T・ハラオウン、お前には……!」
 放たれた言葉にフェイトの思考は停止してしまう。何故、それを知っているの、と言う
疑問に脳裏が埋め尽くされる。
「完璧なクローン……? フェイト?」
 唖然としたシンの声にフェイトははっとなる。
 シンは説明を求めるような表情で自分を見ている。説明するべきかどうかを考えるが、
すぐにその考えを振り払う。
 今はそんなことをしている場合ではない。原因はよく分からないがレイの様子がおかし
い。一体何があったのか、訊かねば―
「…ぐぅっ!?」
 そう思ったとき、レイは胸元を押さえる。以前見たとき以上の苦痛の表情に、
「レイ、レイ! しっかりしろ、レイ!」
 シンは駆け寄り彼の背中をさすったり、呼びかける。そんなシンをレイは鬱陶しげに手
で払い、
「構うなっ…!」
 言って、さらなる苦痛の呻きを漏らし、身を縮める。
 数分後、ナースコールでフェイトが主治医と看護師達を呼び、処置を始める。
 二人は閉め出され、しばし廊下で立ち尽くす。
 一体何があったのだろう。あのようなことを言い出すなど、彼らしくない。フェイトの
知っているレイは無口で感情を表に出さないが、シン同様強い意志を持つ、友達思いの青
年だ。
 それが一体何故あんな心にもないことをシンにぶつけたのだろう―

430:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:19:47
また連投規制に引っかかりました、支援頼みます

431:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:20:17
 シンを見ると、彼は病室の扉に顔を向けたまま動かない。声をかけようとしたところで
彼は呟く。
「……最低だな、俺。レイがどんな気持ちかも考えず、自分勝手に喋って、怒らせて、傷
つけた」
「シン、それは」
「メサイア攻防戦の時―俺はレイを助けた。その時からレイがクローンであることも知
ってたし、先短い命だって事もレイから聞いてた。
 でも俺はレイを助けた。―死なせたくなかったから。寿命が短かろうが、何だろうが、
少しでも長く生きていてほしかったから」
 彼は左腕を押さえながら唐突に語り出す。話の内容から察するに、おそらくCEでの前
大戦のことなのだろう。
「でも俺は知っていたんだ。レイがあの時、議長と一緒に死にたいと思っていたことを。
 時折、レイはうなされてるんだ。そしていつも最後に議長に謝ってるんだ。『一緒にい
られなくて、ごめんなさい』って……」
 フェイトは絶句する。それはフェイトにも経験のあることだからだ。
 プレシア・テスタロッサ。目の前で母が虚数空間に消えゆくのを見た彼女はしばらくの
間、夢の中に母が出てきて、そしてその度にフェイトは母に謝っていた。
 そしてそれを側で訊いていたアルフが「フェイトは悪くない。謝る必要なんて無いんだ」
と慰めてくれていた。
「俺はレイを助けたい一念で助けたけど、もしかしたらそれはレイのためじゃなくて、俺
のためだったのかもしれない。……俺が一人になるのが怖くて。俺がレイを失いたくなく
て。俺の身勝手でレイと議長を引き離してしまった」
 シンの総身が震え出す。握りしめている両の拳からは血が垂れている。
「レイは俺のことを恨んでいるのかもしれないな。議長から引き離した俺を。
 レイのことを本当に考えているのなら、あの時俺は―」

「シン!」
 フェイトはシンの方をこちらに引き寄せる。泣き崩れかけている表情のシンを真っ直ぐ
に見つめ、言う。
「レイはあなたのこと恨んでなんかいないよ。あなたと同じで誰よりもシンのことを大切
な友達だと思っているし、生きたいと強く願ってる」
 そう、フェイトは知っている。レイが誰よりもシンを大切に思っているのかを。
 シンが六課に所属して数日経った頃のことだ。フェイトはレイを見舞った。シンと共に
アスランから預かっている身としては彼がどんな人か知る必要もあったからだ。
 病室を訪れた自分にレイは微塵も表情を動かさず淡々と話し、または返事を返す。初対
面の時に感じた、何を考えているのか分からない人物と言う人物像が定着し始めたときだ
った。
『俺の出生についてシンから聞いているのでしょう。難しいとは思いますが何らかの対処
法を見つけてくれることを、願っています』
 そう言う言葉からは紛れもない、強い生への執着と渇望が感じられた。初めてレイの、
感情の入った言葉を聞けたのがこの時だ。さらに彼は続けて、
『シンは六課で上手くやれていますか』
 その質問に、一瞬フェイトは答えに詰まった。しかしそれに気付かれぬようすぐ何とか
上手くやっていると答えたのだが、
『やはり上手くやれていないようですね』
 そう告げてレイはさらにこう言った。

432:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:20:22
支援!

433:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:21:37
『多少は問題のある奴ですが、あいつのことをよろしくお願いします』
 頭まで下げる彼にフェイトは慌てた。何故あっても間もない自分にそんなことを言うの
かと。
 レイは初めて笑って、
『アスランのふざけた命令にあなた達は従っている。それにシンが話すあなた方への印象
や俺に対しての態度を見れば、あなた達が正真正銘のお人好しということぐらい容易に想
像がつく』
 褒めているんだか、けなしているんだかわからない台詞をレイは言い、最後にこう付け
加える。
『ただし、何かしらあいつを傷つけたときは覚悟してもらう』
 声質は変わらなかったが、僅かに眉を潜めた怒りの表情をレイはしていた。それだけで
彼が本気だと言うことは十分に分かった。もしシンに自分達が何かあれば、彼は何の躊躇
もなく自分達に、その代償を払わせるだろうと―
 そこまで友を思えるレイにシンと同じようにフェイトは羨望と深い共感を感じ、そして
彼もまた自分達やシンと同様、他者のために頑張れる人なのだと、確信した。
「レイは自分の苦しみと闘っている。今は負けそうになっているのかもしれない。こんな
時にこそ、シンや私達が支えてあげなきゃ」
「……ああ。そうだな」
 シンは僅かに力を感じられる笑みを見せた。





 スクリーンに映っているのはエルセア市内のマップだ。その中央に表示されている公道
を進む赤い点―ロストロギアを搬送している車両―が見える。
「搬送車、今のところ異常ありません」
「公道及び建造物周辺200m以内にも異常ありません」
 108陸士部隊のオペレータからの報告を受けて、はやては「警戒を怠らないよう注意
して」と指示を放つ。
 今、はやてがいるここは108陸士部隊隊舎の第二作戦司令部だ。六課の作戦時にはこ
こを使用している。
 一定の時間が立ち、幾度か同様の報告が帰ってくる。それを聞き隣に発つシグナムが呟
く。
「今回は来ないのでしょうか」
「だと、ええんやけど……」
 今回のロストロギアの搬送の護衛の任に当たっているのはシンとフェイトだ。隊舎に帰
ってきたとき元気のないシンを見て、レイと面会できなかったのかと訊いてみたが面会は
したという。
 しかしシンは朝よりも元気がなく、またフェイトも少しばかり何か悩んでいるような素
振りを見せていた。とりあえず業務が終わった後話でもしてみようかと思っていたとき、
前回襲撃にあった保管庫の責任者からロストロギアを別の私設に搬送するので護衛を頼む
という依頼が舞い込んできた。

 はやては元気のない二人ではなく、シグナムとヴィータに行かせようとしたのだが話を
聞いたシンは何故か自分が行くと頑として言い張り、さらにフェイトもシンに付き合うと
言ってきたのだ。
 異様な迫力を放つシンにはやては折れ、搬送の護衛の任を任せたのだが―

434:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:22:44
「何が、あったんやろ」
 誰にも聞こえない声で、ぽつりと呟く。
 フェイトもシンも、何やら様子がおかしかった。シンは間違いなくレイ絡みだろうが、
フェイトの方は何が原因なのか、わからない。
―なのはちゃんがいれば、何か聞き出せたかもしれへんなぁ
 昨日からなのはは教導隊の方に呼ばれ、不在なのだ。
 シンやフェイト、なのはが早く帰ってこないだろうか、などと考えているはやてに、オ
ペレーターからの報告が飛び込んでくる。
 内容は先程と同じだが、二度呼ばれていたようだ。集中を欠いていた自分を叱咤する。
―二人のことは、今は後や。任務に集中せえへんと
 気合いを入れ直し、モニターを見る。赤い光点は先程と変わらず公道を進み、
「え?」
 突然、消えてしまった。そして次の瞬間、悲鳴じみた報告が聞こえてくる。
「車両、攻撃を受けましたっ!」


「く……」
 チカチカする視界とふらつく体。理由は分からないが危険を感じたシンは、”デスティ
ニー”を機動。トリコロールの騎士甲冑をまとい、自分の右頬を殴りつけて無理矢理意識
をはっきりさせる。
 つい先程まで輸送者の中にフェイトと二人でいたはずだ。しかし突然何かの衝撃が来た
かと思った次の瞬間、何故か自分は道路に投げ出されていた。 
「なんなんだ。今のは……フェイト?」
 周囲には大破したトラックと、かがり火のような小さな炎が公道を燃やしている。
 自分のすぐ近くにバリアジャケットを着たフェイトが倒れている。慌てて抱き起こし、
声をかける。
「おい、大丈夫か!?」
 声をかけると、フェイトは朦朧とした表情を見せる。まだ意識がはっきりしていないよ
うだ。
「…あ、シン。今のは、一体……?」
「……俺にもわからない。ただ……」
 フェイトに視線を向けつつ、シンは周囲に気配を向ける。
 すると感じられた気配は三つ。その内二つは転倒しているトラック内から感じられた。これはトラックの運転手たちだろう。
「攻撃を受けたことは、間違いない」
 そして残る一つ。それは自分達の真上から感じられる。巨大な魔力と、肌をざわつかせ
る殺気と共に。
 視界を上に向けると、そこには奇妙な文様を顔に刻んだ男がいる。
 一目見て、その男が普通でないということと、非常に危険であるとシンは悟った。
 藍紫の騎士甲冑を身にまとうその男は狂気そのものと言った表情で自分達を見下ろして
いる。何より彼が放つ威圧感、そしてまとわりつく空気からは濃厚な血と死の気配を感じ
させている。
 フェイトも男の異様な存在を感じたのか、”バルディッシュ”を構え、上を見上げる。
「ほう、今の一撃を受けてもう立ち上がるか」
 笑みを濃くして、男が言う。
「そうこなくては面白くない。あっさり殺せても、それはそれで面白みがないからな」
 男の視線が横に動く。その先には転倒したトラックがある。

435:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:24:00
 ぎょろっと男の目が動いたのを見て、反射的にシンとフェイトは動き、トラックの前へ。
その直後、男から放たれる射撃魔法を二人は防ぐ。
「…っ、何するんだ!」
「そいつらは前菜だ。お前達というメインディッシュをいただく前のな」
「前菜……メインディッシュだと?」
「そうだ。そこのムシケラ達の命はお前達に比べれば、それだけの価値しかないと言うこ
とだ。とてもではないが俺の腹を満たすことなど、できはしない。
 殺しという俺の飢えを、な」
 平然と殺人を語る男にシンは愕然し、激怒する。
「人の命に勝手に価値をつけるだと…! 何様だあんた!」
「あなたは人の命をなんだと思っているんですか!」
 シンと同様にフェイトも激しく激昂。鎌形態だったバルディッシュが薬莢を吐き出し、
”エクスカリバー”のような大剣へと姿を変える。
「ひ・と・の・い・の・ち・ぃ・~? 決まっているだろう。大切なものだ、尊ぶべきも
のだ」
 目を見開き、気味が悪いほどに口を歪ませて、男は叫ぶ。
「全ての命は、この俺に娯楽を与えるためにある! 殺しという娯楽をなっ!!」
 叫びと同時に両手を広げる男。その中心には浮かぶ魔法陣からは砲撃魔法が放たれる。
 咄嗟にシンは前に出て防御魔法を展開。全身に重圧がのしかかるような砲撃魔法を食い
止めながらシンは叫ぶ。
「フェイト、運転手さん達を安全な場所まで連れていけ! この男は俺が倒す!」
「…気をつけて! すぐに戻ってくるから!」
 フェイトが現場から離脱したのを察すると、砲撃魔法を反らし、シンは男に向かってい
く。
 ”ウァジュラサーベル”を男の胴へ薙ぐがあっさりとかわされ、宙で一回転した男の魔
力刃つきのかかと落としを返される。
 反射的に受け止めて、弾くと同時男から距離を置く。
「ほぅ、よく受けたな!」
 嬉々とした表情で男は四肢に魔力刃を精製させ、攻撃を繰り出してくる。一見出鱈目に
見えるその動きは非常に正確で、時折トリッキーに変化してシンに襲いかかる。
 負けじとシンも”ヴァジュラサーベル”で斬りかかり、またはインパルスシューターを
放ち、攻撃するも、男は高笑いしながら悠々とかわしては弾き、反撃を返してくる。
―こいつ……強い!
 攻撃、防御の動きの鋭さもさることながら、フォースモードであるシンの動きに余裕を
見せてついていっている。このまま戦っていても決定的ダメージを与えられる可能性は低
い。
 なら―
「ははっ! どうした、その程度かぁ!?」
 男が放つ砲撃魔法を回避して、シンは加速。迫る最中フォースモードからソードモード
へ変更。”エクスカリバー”を連結させて斬りかかるが、
「そんな大振りが当たるかぁ!!」
 斬撃は虚しく空を斬り、男の反撃を食らう。致命傷はないものの、体に傷を負いつつも
シンは男に向かっていき、そしてまた攻撃がかわされる。
 それらを繰り返すシンに次第に男の表情が変化していく。
「そろそろお前の相手は飽きた。…死ねっ!」
 ゴミを見るような目つきで男は叫び、砲撃を放つ。攻撃を受け続け、動きが鈍っていた
シンはかわせず、それを受け止め、後方へ吹っ飛ばされる。

436:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:24:58
支援age

437:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:25:47
支援

438:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:26:07
 止めを刺そうと追ってくる男。体に感じる激痛を無視してシンは左の”エクスカリバー
”をビームブーメランに変化させ、投げつける。
『フラッシュ・エッジ』
「下らん小細工を!!」
 投げつけたブーメランを男はあっさりと弾き、さらに迫る。さらにはインパルスシュー
ターを放つも、これらも同様にかわされ、弾かれる。
「これで終わりだぁ!」
 至近の、かわせない距離まで近づき男が砲撃を放とうとする。それを見てシンはまずシ
ューターに命令を下す。
<ターン!>
 弾かれたシューターはシンからの命令を受け、背後から男に遅いかかかる。それに気が
付き男はかわすが、その時シンはそれを見ず、空中を浮遊している”フラッシュ・エッジ
”にシューターと同じ命令を出すと同時、”エクスカリバー”に薬莢を吐き出させる。
 目の前の男は狂っているが、強い。現状では勝ち目は薄い相手だと言うことはすぐに分
かった。
 だが―勝ち目がないというわけではない。
 シンは騎士甲冑を赤、青、白に戻し、”エクスカリバー”を構えて男に迫る。”フラッ
シュ・エッジ”を再び弾いた男はこちらを向き、
「何ぃ!?」
 ”エクスカリバー”を振り上げたシンを見て、驚愕の叫びを上げる。この距離では防御
魔法も、回避も間に合わない。
『エクスカリバー』
 真紅の大剣が男を袈裟斬りに切り裂き、爆発。確かな手応えをシンは感じ、しかしさら
なる追い打ちを放つ。
 ”エクスカリバー”を消してシンの騎士甲冑が暗緑に変化。手に握ったジャベリンを腰
に構えて男へ突撃。
「貴様…!」
 血まみれながらも男は激怒の表情を見せる。突き出したシンのジャベリンを防御魔法で
受け止める。
 藍紫のシールドと真紅の穂先がぶつかり合い、火花を散らす。ぶつかり合う中、シンの
ジャベリンが藍紫のシールドを貫通する。
 しかしほんの僅か―親指程度しか貫通しない。そのことに男は愉悦と殺戮の混じった
笑みを見せて反撃の気配を見せるが、
『ケルベロス』
 ジャベリンが薬莢を吐き出すとシールドに突き入れた穂先の前に二つの真紅の魔法陣が
展開し、砲撃が放たれた。一瞬男の驚愕の表情が見え、しかしすぐ砲撃によって生まれた
爆発が隠す。
 砲撃の衝撃でシンは後退。男も打ち付けるような轟音と共に公道に激突する。
「ふぅ……」
 ため息をつき、シンはゆっくりと降下する。今頃になって体の各部が痛み出した上、疲
労が一気に体におぶさってくる。
 ”エクスカリバー”に”ケルベロス”。今のシンに使用できる魔法の中でも最大クラス
の魔法を連続で使用したのだ。無理もない。
 一瞬の気のゆるみをすぐに押さえ、シンは男が激突した公道に視線を向ける。
 公道はものの見事に陥没しており、男は公道の破壊によって生まれた瓦礫の下敷きにな
ったのか、姿は見えない。

439:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:27:33
 しかしシンは油断していない。あれほどの使い手がこの程度で死ぬとは思えない。だか
らこそあえて殺傷設定で攻撃したのだ。確実に身動きを取れなくするために。
 着地すると同時、一部の瓦礫が吹き飛び、男が姿を見せる。しかし騎士甲冑の所々は破
損しており、傷だらけ、血まみれだ。
「ここまでだな。大人しくしてもらうぜ」
 告げるシンに、男は狂った眼差しを向け―唐突に笑い出した。
「はははははははははははははははは! はははっ、はーっはっはっは!」
 奇っ怪な笑い声にシンはぎょっとなる。何かまた仕掛けてくるのかと思ったシンはバイ
ンドで拘束しようとするが、シンの手が止まる。
「……な、何…!?」
 傷だらけと血まみれで天を仰ぎながら、笑い続ける男。しかし驚いたのはその姿ではな
く、男の体から流れている血が止まり、傷がふさがり、騎士甲冑が復元していくその姿だ。
 瞬く間に完治した男。先程と同じ狂気の笑みを見せて、男は叫ぶ。
「なかなかいい攻撃だったが、その程度では俺は倒せん。このアッシュ・グレイ様と”リ
ジェネレイト”はなぁ!!」
 叫びと同時、砲撃魔法がシンに向かって放たれる。回避と同時、”ケルベロス”を放つ
もあっさり避けられ上空へ。
「なんなんだ、あいつは…!?」
 男―アッシュ・グレイはつい先程まで相当な怪我を負っていた。気の入れようで無視
できるレベルのものではない。
 完治した姿が一瞬幻覚類の魔法かとも思ったが、それを男の動きが否定する。殺戮の悦
びをその面に浮かべ、アッシュは先程のように攻撃を放ってくる。
 見間違いでも、幻覚でもなく、間違いなく男の傷は治っている―そう判断せざるを得
ない。
「はははははっ!」
 笑い声と共に射撃魔法が放たれる。シンのインパルスシューターと同じ大きさのそれは
速さの威力も明らかに上だ。シンはフォースモードにチェンジ。回避に徹し、今現状で分
かること、できることを踏まえ、策を考える。
 アッシュ・グレイは狂っているが、優秀な魔導士であることは間違いない。それは今ま
での戦闘が証明しているし、保有する魔力量もかなりのものだ。
―怪我が治った後、ごっそりと奴の魔力が減っている。どうやら無限に回復するわけじ
ゃない
 牽制のシューターを放ち、シンはエルセアの夜空を飛び回る。
―魔力を多量に消費し、しかも重傷と言える怪我を瞬時に治す魔法だ。おそらくはデバ
イス依存型の魔法…
 強力で、効果の高い魔法ほど、時間や複雑な術式、詠唱を必要とする。あれだけ高レベ
ルの回復術にそれが全くないとなるとデバイス依存型としか、考えられない。
 もっとも、シンは例外たる手段を知ってはいるのだが―彼がその手段を用いることこ
そ、まさしくあり得ない。あれが使えるのはシンが知る限りでは自分を含めてたったの四
人のはずだ。
「逃げてばかりかぁ! さっきの勢いはどうしたぁ!?」
―となると、デバイスを破壊すればいいだけだが……それも無理だ
 アッシュの速さは今のシンには捕えきれるものではない。”デスティニー”が完全に機
能を回復しているか、シンの魔力が満タンならば話は別だが。
「と言うことは…あいつの魔力を使い切らせるしか手は無いというわけか!」
 射撃魔法を回避して、シンは”エクスカリバー”を右手に出現させる。
 放たれる魔法を回避して、シンは斬り込む。間合いに捕え、斬撃を繰り出すもあっさり
上に回り込まれる。

440:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:28:44
 振り下ろされる攻撃を、シンは回避し、反撃の斬撃を返す。
「…っ、やるなぁ!」
 元々スピードや反射神経がシンはずば抜けている。アッシュの速さはシンを上回ってい
るがこう長時間戦い続けていればそのスピードにも慣れてくるというものだ。
 振り上げた斬撃を回避し、アッシュは離れると同時に砲撃を放つ。シンは回避、そして
すぐに接近し右手に”エクスカリバー”、左手には”ヴァジュラサーベル”を持って斬り
かかる。
 ぶつかり合う真紅と藍紫の光。さらにそこへ黄金の光が襲来する。
「シン!」
 運転手達を安全な場所まで避難させたのか、フェイトが帰ってくる。アッシュと間合い
を離し、念話で現状を伝える。
 彼女から近くの病院―なんと、レイの入院している病院に運転手達を運んだ―に連
れていったと伝えられ、シンは一瞬昼間の出来事を思い出すも、すぐに頭から振り払い、
<同時に斬りかかるぞ。俺は前から、フェイトは左右や背後から頼む!>
<わかった!>
 返事と同時に二人は飛び出す。フェイトが―アッシュから言えばメインディッシュ―
―が戻ってきたのが嬉しいのかアッシュは狂喜と狂気の笑いを上げて向かってくる。
 雷の魔力変換資質を持つフェイトは、まさしくその稲妻のような鋭く速い。フォースモ
ードの自分と同等か、それ以上にも見える。
 攻撃も腕力で押すシンとは対照的で速さや女性特有の柔らかい動きを最大限に生かした
さばきぶりだ。フェイトが加わったことにより押されっぱなしだった状況が互角以上の展
開へと傾いていく。
「ちぃっ…このクソどもがぁッ!」
 この苦戦を予想もしていなかったのか苛立ちの表情でアッシュは砲撃を放つ。だが二人
はあっさり回避し、シンはインパルスシューターを。遅れてフェイトがプラズマスマッシ
ャーを放つ。
 それらを回避し、アッシュは舌打ち。
「ふん……気に入らんがあの人形共を使わせてもらうか」
 何やら呟き、彼は右手の指を鳴らす。すると後方より何やら光が接近してくる。
 いや、違う。あれは―!
「砲撃魔法! でも……」
「俺たちを狙ったものじゃない!?」
 はるか後方より放たれた幾つもの光はなんとアッシュの背中に激突する。
 六課の誰かか、近隣の部隊の援護だろうか―そう思ったシンだが、アッシュを見て、
愕然と呟く。
「砲撃魔法を…受け止めている!?」
 砲撃魔法を受けたはずのアッシュは何故か微動だにせず、宙に佇んでいる。そして彼の
足下に浮かぶ藍紫の三角魔法陣。
『ライトクラフト・プロバルジョン』
 アッシュのデバイスが言葉を紡いだと同時、シンの横を何かが通り過ぎていった。
 慌ててそちらへ振り向けば何故かそこにいたはずのフェイトの姿が無い。―そして自
分に迫る藍紫の光。
 回避しなければ―そう思った瞬間、藍紫の光―アッシュの放つ蹴りが腹部に命中し、
シンを吹き飛ばした。

441:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:29:41
支援

442:lyrical Seed Destiny
07/07/26 23:29:58



 何かの振動を感じ、レイは目を覚ました。自分の体が倍以上の重力に覆われたかのよう
に、酷く重い。
 病院内のあちこちが騒がしくなる。いや、もうなっていたようだ。ただ今崎ほど感じた
衝撃にさらに喧噪が大きくなっているようだ。廊下からは医者や看護師達、患者の声が上
がっては消えているのが聞こえてくる。
 そんな騒ぎをレイは黙殺して薄暗い闇の中、現状を確認する。
「夜か……。ということは、あの後から俺はずっと眠っていたのか」
 眠る直前の光景を思い出し、レイは沈痛な表情となる。脳裏に浮かぶのは愕然としたフ
ェイトと、泣き出しそうなシンの顔―
「俺は……なんてことを…………」
 副作用が苦しかった。悪夢を見て怯えていた。自分の苦しみを知らず、無邪気に喜ぶ姿
を見て苛立った。などは理由にならない。自分の容態を心配してくれていた友人に対し、
最悪の対応をしてしまい、さらには恩人が抱え持つ秘密をばらしてしまった。
「俺は、こんなにも愚かだったのか……? 醜かったのか…?」
 己の行いを省みて、レイは強い悔恨の念を覚えると同時、思ってもみなかった己へ愚か
さ、醜さを知り、愕然とする。
 そもそも、自分にこんな一面が会ったこと自体、予想もしなかったことだ。思い、しか
しレイは気付く。CEにいたときにはそのような思いで常に行動していたことを。
 自分はシンに苛立ちをぶつけた後、心のどこかですっきりしていた。フェイトの秘密を
らし、愕然とした彼女の表情を見て内心で嗤っていた。
「俺は…………」
 許されない。呪われた生を受けた自分はどんな所業さえも罪深い。
 考えてみれば、今までの自分は大切な人達に対し、何をしてきたのだろう? 感謝され
るようなことは何一つしてこず、周りに害になるようなことばかり振りまいてきた。この
3年間も、戦争の時も。
 シンに対しても、そうだ。戦争時は彼の思いを利用して操り、ただ戦うための兵器とし
ようとした。そしてこの3年間も、自分の体のことで常に迷惑をかけていた。
 もはや生きる価値など、いや―最初からそんな価値などなかったのだ。だというのに
死を恐れて、必死に生にしがみつき己の命に価値を見出そうとするとは。無意味かつ、害
悪だ。
 レイはベットから起き上がり、戸棚から”レジェンド”を取り出す。
「この体でどこまでいけるかわからないが……」
 もはや今の自分にできることはこの呪われた生を誰もいない場所で終わらせることだけ
だ。誰にも迷惑を変えず、誰もいない所で、ひっそりと。
 自分が死ねば、シンはアスランの命令からも開放される。六課の新しい友人達とも仲良
くやっていけるだろう。自分という呪縛からシンは解き放たれて、自由になれる。
 友人のそんな姿を想像し、レイは一瞬幸せな気持ちに浸り、すぐに消す。そんなことを
夢想することさえも自分には資格がない―
 病院内は騒がしい。この状況では自分がいなくなっても気付くのは時間がかかるはずだ。
 レイは病室の窓を開ける。そして”レジェンド”を起動させようとしたとき、病室に向
かってくる足音が聞こえ、急いでベットに潜り込む。
 それと同時に乱暴に病室のドアが開かれる。入ってきたのは主治医と共に自分の治療に
当たっている若い看護師だ。レイは今の音で起きたような素振りを見せて、

443:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:30:53
支援age

444:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:34:24
支援!!

445:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:34:32
支援

446:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:36:50
支援

447:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:47:28
支援

448:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:54:11
ダントツに文章力高いな…脱帽だ

449:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:02:08
30分たったな

450:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:04:39
>>374
なのはさんたちの世界観では地球なんてただの田舎
そんなとこで高学歴でもミッドやほかの世界では無意味なんだろ

451:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:12:23
>>448
そんな素晴らしい職人のいるスレを荒らすのは許せないよね。


報復してきました。

130 名無し三等兵 sage 2007/07/26(木) 23:58:58 ID:???
>>129
おおっ神降臨!!
お仕事はもう慣れましたか? 職場の人間関係は良好ですか?
そろそろ新しい靴など買って夏前にリフレッシュしましょう!


1月ごろに予告していたSSの進行状況はどうですか?
どんな内容か忘れてしまいましたが、新作待ってます。
なるべく早くお話ください。


452:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:13:33
投下マダー?

453:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:28:52
「何の騒ぎだ」
「バレルさん……屋上に……」
 弾ませている呼吸を整えて、彼は続ける。
「屋上にフェイトさんが飛んできました!」
「……なんだと?」
 不可解な表情を自分は浮かべていたのか、若い看護師は屋上の給水塔にフェイトが飛ん
できて、激突したのだと伝える。
 先程の激突音を思い出す。だが何故フェイトが飛んできたのだ。
「ともかく彼女の元へ案内してくれ」
 言い、レイは彼と共にフェイトの所へ向かう。途中、どんな顔して彼女に会えばいいの
かと思い至ったが、引き返すわけにも行かず進む。
「レイ…!」
 診察室のベットに寝かされていた彼女はこちらを見て驚き、気まずげな表情になる。レ
イも一瞬、内心の心情が表に出そうになるがなんとかこらえ、いつものポーカーフェイス
で問う。
「どうした。何があった」
 寝かされている彼女は酷く汚れ、ボロボロだ。黒を基調としたバリアジャケットのあち
こちは破け、血によって赤黒く染まっている。
 彼女がここまでの傷を負うなど。相当の強敵と戦ったようだ。
 フェイトは治療魔法をかけられながら、現状を説明する。
「アッシュ・グレイだと……」
 その名前には、聞き覚えがあった。前大戦末期、ザフトに所属していた腕利きの魔導士
だ。
 ザフト特殊防衛軍所属。当時のプラント議長、パトリックに最新鋭のデバイスを与えら
れ、しかし大戦末期に行方不明となった男―
 そして彼の使用するデバイス”リジェネレイト”と同じ名を冠する魔法にも、レイは知
っている。
「奴がアッシュ・グレイだとすれば、今のあなた方では奴は倒せない」
 リジェネレイトはCEの回復系魔法の中でも最高位に位置する。致命傷クラスの傷です
らものの数秒で完治してしまうあの魔法の前には生半可な攻撃は通用しない。
 倒すならばデバイスとマスターを同時に攻撃して破壊するか、マスターの魔力を尽きさ
せて”リジェネレイト”を使用不可能にするか、”リジェネレイト”の回復よりも速く、
連続で攻撃を叩き込みマスターを倒す以外術はない。
 そして今の彼ら―リミッターがかかっているフェイトに、”デスティニー”が完全で
はないシンでは到底不可能―
「……いや」
 ある。一つだけ。現状でアッシュ・グレイを倒す方法が。
 シンに使用できない―いや、封印した”デスティニー”の魔法を使わせる方法が。
 そしてそれを実行できるのは、今この場には自分以外いない。
 だが―
「何か案があるの?」
 フェイトの問いに、レイは答えられない。方法はある。しかし今の自分はそれをできる
のか。それをしていいのか。
 欠陥だらけの己。自分をずっと助け続けてくれた友へ悪意をぶつけた己が―
「……何かあるんだね、方法が」
 逡巡する自分を見て、悟ったような表情を見せるフェイト。治療を続ける看護師の手を
払って彼女は立ち上がる。

454:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:30:05
「フェイトさん、どこへ…」
「シンの所へ戻ります。皆さんは患者さんを連れて避難を。あと近隣の陸士部隊へ連絡を
お願いします」
 きびきびと言うが、体に蓄積したダメージは抜けきれていない。頼りない足取りで彼女
は診察室をあとにする。
「無茶です! 怪我は治ってもまだまともに動けるほどには…!」
「今、シンは一人で戦っています。私がここで寝ておくわけにはいきません」
 食い下がる主治医を見ずフェイトは言い、自分の方を振り向く。
「レイ、教えて。どうすればアッシュ・グレイを倒せるの?」
「そ、それは…………」
 真っ直ぐに眼差しに、思わずレイは後ずさり、視線を逸らす。
「教えて」
 視線を逸らした自分へ、彼女は逃がすまいと顔を近づけてくる。
 美しい―ふと、そんなことを思う。今の状況や場所、何もかも忘れて。
 自分と同じ存在。しかし彼女は凛々しく、美しく、強い。クローン―造られた、本来
いるはずのない存在とは思えないほどに。
 何なのだ、この違い。一体何故、どうしてここまで、自分と違うのだ―
 圧倒されつつも、レイはその方法を告げる。己では不可能なそれを訊いてフェイトが愕
然となるが、すぐに表情を戻すと、自分を見て、
「レイ、あなたならそれができるんだよね。なら一緒に来て」
「……!」
「フェイトさん、無理です! 今の彼は戦闘など」
「問題ありません。彼は戦いませんから。―レイ」
 差し出される手。しかしレイはそれを掴むことをためらう。
「シンに会うのが、怖いの?」
 刃の如く、レイの内心を貫くフェイト。
「俺は…!」
 内情をぶちまけようとするレイをフェイトは笑顔を見せて、遮る。
「友達と喧嘩したんだもんね。その気持ち、分かるよ。―でも、もしレイが行かずその
結果、シンにもう会えなくなってもいいの?」
―シンにもう会えない……? それはつまり―!
 脳裏に浮かんだ悪夢の光景。それを連想させた目の前の女性の胸ぐらを怒りのままレイ
は掴む。
『サー、レヴァンティン、グラーフアイゼンのマイスターがデスティニーのマスターの元
に救援に来たようです』
 ”バルディッシュ”が無機質な声で告げる。その内容にレイは安堵する。
 よかった。これでシンが死ぬことは―
『しかしデスティニーのマスターは、危険な状態です。生命活動が著しく低下しています』
 だが続けて告げられた内容にレイは愕然とする。フェイトから手を離し、後ろへ下がる。
―シンが……死ぬ?
 今まで、そんなことは想像もしたこともなかった。シンは誰にも負けない。その確信が
あった。
 ギルが見出し、自分が育てた戦士。SEEDの因子を持つCEの申し子―
 運の巡り合わせか、何かシンの内面に問題があったのかメサイアではアスランに敗北を
喫したが、それでもなおシンが誰かに負ける―殺されるなど、あり得ない。例え、キラ
・ヤマトであろうとも。そう思っていた。
 そのシンが、負ける? 死んでしまうというのか? ……もう、会えなくなるというのか?

455:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:31:27
「シンと話してみたら、どうかな」
「……話す?」
 おののくレイにフェイトは言う。
「シンも気にしてたよ。あの後、酷く落ち込んでいた。自分が無理矢理レイを生かしてた
んじゃないかって」
「な……!? 馬鹿な、何故そんなこと」
 あの時、自分を救ってくれたシンにレイは感謝しても、しきれないほどに感謝している。
それが何故そんな風にシンは思ってしまうのだ!? 
「友達って間柄、難しいよね。お互いを知っているように見えて、でも実のところ、知ら
ないことばかりだらけ」
「……」
「だから時には喧嘩したりするんだよね。私もたまにやっちゃうんだ」
 小さく笑うフェイト。
「でも喧嘩した後はいつもちょっと後悔して、話し合うの。どこが悪かったのか、知らな
かったのか。お互いを理解するために、今まで以上に仲良くなるために」
「ハラオウン隊長……」
「先に行ってるね」
 まるで自分が来ることを確信しているような言い方をして、彼女は去っていく。
 立ち尽くす自分へ己の中にいるもう一人の自分が冷たい声で呼びかける。
『何を恐れている。あの女の言うことなど当てになるものではない。シンは強い。例え俺
がいなくても、負けることなどあり得ない。むしろ俺が側にいればあいつの足を引っ張る
だけだ』
 助ける必要はない―そう告げる無表情の自分とは別の、もう一人の自分が呼びかける。
『何を迷っているんだ。シンが危ないんだぞ。このままなにもしないつもりなのか。見殺
しにするのか』
 助けるべきだ―必死の表情で叫ぶもう一人の自分。相反する思いに挟まれ、レイは動
けない。
「きゃっ」
 どん、と何かの衝撃がした。視線を向ければ車椅子に座っている少女の体勢が崩れてい
る。このままでは床に転げ落ちる。
 避難していたところ、廊下に立っている自分にぶつかったのだろう。咄嗟にレイは腕を
差しだし、少女の体を受け止める。落ちると思っていたのか少女はしばらく目を閉じたま
まだったが、恐る恐ると言った感じで開き、自分とレイを見ると、
「ありがとう、おにいちゃん」
 はにかむような笑みを浮かべ、礼を言った。
「――」
 何気ないその笑みが、シンのものと重なり、レイは目を見開く。車椅子を引いていた看
護師が頭を下げ、少女を連れて行く。それを見送り、レイは動き出す。
―俺は一体、何を迷っていたんだ。なせ迷っていたんだ。
 病室に戻り”レジェンド”を手に取ると、その足で屋上に向かう。
―シンに会うことが怖かったからか。罵倒され、拒絶されることが。
 扉を開き、屋上に出る。破壊された給水塔を一瞥。
―そうだ。俺は怖かった。そして今でも、そうなることを恐れている。だが、
「”レジェンド”、シンの居場所は分かるか」
『”デスティニー”のマスターは四時の方向に400m程の距離にいる様子です。その周
辺には”バルディッシュ”、”レヴァンティン”、”グラーフアイゼン”のマスター達と、
アンノウン・ウィザードが一名、戦闘中です』

456:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:32:34
―憎まれるより、拒絶されることよりも、あいつを、シンを失うことの方が何よりも恐
ろしいし、怖い。―そんなことは絶対にさせない!
自分には力がある。友を救う力が。ならば今この状況でそれを使わずして、いつ使えと
いうのか。
「”レジェンド”、起動しろ!」
 主の宣誓に応じる”レジェンド”。灰色の騎士甲冑をまとい、レイは友のいる場所を見
据える。
―話してみたら、どうかな
 そうだ。今自分はシンと話したい。死ぬ、消える前に、せめて自分の思いを知ってもらいたい―
 その表情はいつもの無表情に見えるが、彼を知るものが見れば、違いに気が付くだろう。
その顔に灼熱の如き熱い”情”が宿っていることに。





「う……ぐっ」
 ボロボロの体を必死に動かし、シンはようやく立ち上がる。
 上空でアッシュと戦っているのは”ライトクラフト・プロバルジョン”を食らい、身動
きが取れず止めを刺されようとしたところ、はやての命令で援護に来たシグナムとヴィー
タ、そして先程戻ってきたフェイトだ。
 ライトクラフト・プロバルジョン。詳細については不明だが、どうやら砲撃などのエネ
ルギーを受け止め、それを推進剤代わりとして超加速の攻撃を仕掛ける魔法のようだ。
 彼女らが戦ってくれていたおかげで”ライトクラフト・プロバルジョン”を受けたダメ
ージが幾分か抜けていった。とはいえ完全には抜けきれていない。蹌踉めき、慌ててシン
は”エクスカリバー”を支えに立ち、空を見上げる。
―たったの一撃で、このザマかよ……
 同じように食らったフェイトは戦線に復帰しているというのに。おそらく彼女が攻撃を
食らう直前反応し、後ろに下がったのだろう。だから姿が消えたかのようにはるか後方へ
吹き飛んだのだ。
 三対一という圧倒的有利な状況。しかし戦況に変化はない。アッシュの動きは衰えもせ
ず、三者と互角に渡り合っている。
 シグナム達の攻撃を受けても”リジェネレイト”が瞬時に回復させてしまうのだ。しか
も数が増えたことによるためか”リジェネレイト”の使用回数が減っており、ここぞ、と
言うときにしか使用していない。
「このままじゃ……」
 アッシュと違い、フェイト達は攻撃を受ける度にダメージは蓄積され、動きは鈍る。リ
ミッターがかけられている彼女たちではアッシュを倒すことはできない。先日の戦いでリ
ミッター解除したはやてを除く隊長陣はリミッター許可の申請中だ。
 周辺には近隣の陸士部隊が集結しているがあの激闘の中に割って入れるような実力はお
らず、周りを囲むだけで精一杯のようだ。
「くそっ……」
 シンは歯噛みする。もしも”デスティニー”が完璧に直っていたら、いやせめて魔力だ
けでも完全回復できたのなら、自分が何とかできるのに―!
 悔しさと怒りでシンが空の戦いを見上げていると、ふと背後から何かが迫ってくる。

457:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:33:39
―これは……まさか!?
 疑惑のような確信を抱き振り向くと、後ろには灰色の騎士甲冑をまとった一人の青年。
「レイ……どうしてここに!?」
 驚きつつも彼に近づくシン。レイは自分を見て安堵の笑みを浮かべ、しかしすぐに重苦
しい表情となる。
「レイ……」
 親友の変化にシンは足を止め、昼間の出来事を思い出す。
「レ…」
「シン」
 重苦しい表情でレイが名を呼ぶ。シンは反応が遅れてしまう。
「あ、な、何だ」
「まだ戦えるか」
 問いに聞こえるそれは、確認だ。それを聞き、シンはレイが何を言いたいのか、どうし
てここに来たのかを悟り、当然こう答える。
「ああ」
「わかった。なら始めるぞ」
『ハイパーデュートリオン』
 ”レジェンド”の声と同時にレイの足下に浮かぶ灰色の三角の魔法陣。その魔法陣から
放たれる光がシンを包み込む。
 枯渇しかかっていた魔力が急激な勢いで満ちていく。さらにそれに応じるように”デス
ティニー”が告げる。
『”レジェンド”のマスターよりハイパーデュートリオンの受信を確認。”デスティニー
”に記録されている魔法、全て使用可能です』
 ハイパーデュトーリオン。本来この魔法は使用者の魔力の爆発的増大と、詠唱破棄の二
重効果を持つ。
 しかしシン、及びレイは大戦後この魔法に一つの効果を与えていた。それはデバイスに
記録されている魔法の封印という効果だ。
 ”デスティニー”、”レジェンド”のデバイスに記録されていた魔法をシンとレイの二
人はデバイスを起動させずとも使用できる。しかし今まで使用したことは一度もない。
 リスクが大きすぎるからだ。”デスティニー”、”レジェンド”の魔法は一つ一つが非常
に高レベルだ。デバイスを起動させずに使用すれば術者本人にも反動が返ってくるし、体
への負担も大きい。
 それ故にこの3年間、一度たりとも使用してはいなかったのだが― 
『ただし”デスティニー”の機能不全によりリミットは180秒』
 ”デスティニー”が告げると同時にシンは片刃の長剣”アロンダイト”を右手に出現。
同時に、
『ヴォワチュール・リュミエール』
 背部の翼より溢れ出る虹色の光の翼。加速向上と幻惑の複合魔法だ。
―時間もない。一気に片を付ける!
 早速アッシュの元へ向かおうとするシン。そこでレイから声がかかる。
 振り向けば、先程と同じ重苦しい面持ちを見せるレイ。
「シン、昼間はすまなかった」
「レイ……」
「もちろんこんな言葉で済むことじゃない。だからこの後、お前と話したい。
昼間のことや、今までお前に話さなかったこと。様々なことを」
 そう言うレイの表情はいつになく幼く、脆く見える。そんな表情をする親友にシンは驚
くも、笑みを見せる。

458:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:35:07
「……ああ。わかった。俺もレイに訊いておきたいことや話しておきたことがあるからな」
 言うとレイはいつもの表情に戻り、頷く。
「そうか。―あとは任せた」
「ああ。任せとけ!」
 光の翼をはためかせ、シンは飛ぶ。
 時間もない。力の出し惜しみはしない。
 ぶつかり合う四つの光はすぐ見えてきた。藍紫の光が赤と紫の光をはじき飛ばし、黄金
へ迫る。
<フェイト、下がれっ!>
 こちらの念話を聞き、”バルディッシュ”を振るおうとしたフェイトはその動きを急停
止、下がる。
「おおおおっ!」
 フェイトが下がったことによりできた間にシンは入り込むと、アッシュに向けて”アロ
ンダイト”を振るう。
 突然の乱入者に一瞬目を見開くも、アッシュは斬撃をかわし、左足の魔力刃を鞭のよう
に振るう。
 猛禽の爪牙のごとき鋭い一撃を、シンは悠々とかわして背後に回り込むと”アロンダイ
ト”を薙ぐ。
「なっ!?」
 アッシュが驚きの声を上げると同時に、斬撃がアッシュの背中を横に薙ぐ。確かな手応
えを感じるも、切り裂かれた部位は数秒後には何事もなかったかのようにふさがってしま
う。
「効くか! そんなチンケな攻撃がぁ!!」
 振り向き両腕を振るうアッシュだが、シンは身を屈めて回避し、彼の胸部に左の掌を押
し当てる。
『パルマ・フィオキーナ』
 落雷の如き轟音が耳朶を殴りつける。左手を焼けるような激痛が襲うが、シンは歯を食
いしばって必死に無視。
―この程度でっ…!
『残り120秒』
 よろめくアッシュへ、シンはさらに追撃する。右手に持っていた”アロンダイト”を左
手に持ち替え、今度は右の掌を左の掌を当てた場所へ叩きつけ、
『パルマ・フィオキーナ』
「ぐううぁあぁ…っ!」
 二度目の轟音と激痛。吹き飛ぶ両者。激痛に呻きながらもシンはボロボロの両手で”ア
ロンダイト”を握り、刺突の構えを取る。
『残り75秒』
―容赦はしない―!
『アロンダイト』
 背中の光の翼が爆発的に噴出し、長剣の片刃に真紅の魔力が宿る。鍔から薬莢が三つ、
四つと飛び出し空色の刀身が溶岩のように赤く濃い色に染まる。
「おおおおおっ!」
 ”アロンダイト”を突き出したシンは真紅の弾丸となってアッシュに激突する。刀身は
二発の”パルマ・フィオキーナ”が炸裂した部位に激突。藍紫の光は真紅の光に呑まれ、
さながら隕石の如く両者は公道へ向けて落ちる。
 公道を突き破り、地面に激突する。発生した衝撃波と石飛礫がシンを殴りつけ、吹き飛
ばすが、空中で一回転し、大上段に”アロンダイト”を構える。

459:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:35:30
支援

460:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:36:26
『残り30秒』
―これが最後だ―!
『エクスカリバー』
 放たれた真紅の斬撃は強大な爪痕を大地に刻み、さらなる爆発を生む。さすがに至近で
の二重の衝撃波と爆発にシンは抗しきれず、吹き飛ばされる。
『残り7秒―』
 もはや体勢を立て直す力も残っていない。残った最後の魔力でシンは最後の魔法を発動。
『ソリドゥス・フルゴース』
 シンの周囲を真紅の球体が包み込み、公道を転がりつつける。
「ぐぅっ…っ」
 体勢を立て直したと同時に球体は消失。背中の翼も”アロンダイト”も音もなく消えて
しまう。どうやら時間切れのようだ。
 立ち上がろうとするが全身が酷く痛み、両腕は刃物で裂かれたようにズダズダだ。
 ハイパーデュートリオンによる”デスティニー”の魔法使用の反動は、予想を超えたも
のだった。小指を動かす力さえも、残っていない。
「シン!」
 降りてきたフェイトが駆け寄ってくるが、こちらの様子を見て絶句する。
「俺のことはいいから、アッシュの奴を、早く……」
 怒鳴ったつもりだったが、実際に聞こえたのは少女が呟くようなか細い声だ。しかしそ
れが聞こえたのかフェイトは崩落へ向かった。


 ボロボロのシンを置いておくのは気が引けたが、彼の言葉通りフェイトは崩落の現場へ
向かう。
 ここでアッシュを逃すわけにはいかない。シンのためにも、なんとしても捕らえないと
―!
 崩落を見下ろせばその中心部、土と瓦礫に埋もれたアッシュの姿がある。
 ピクリとも動かず、ボロボロの鎧や傷は再生の兆しも見せない。どうやら完全に沈黙し
ているようだ。
 彼を捕らえるべく、フェイトはバインドを仕掛けようとするがその時、
「!?」
 突然放たれてきた射撃魔法がそれを遮る。視線をそちらに向けると2体のソキウスが魔
導の杖を向けている。
 たたき落とそうとするが、その手をフェイトは止める。隙がないのも理由の一つだが、
目の前にいるこのソキウスは今まで戦った者達とは雰囲気が違う。
 生気を感じさせないその目から、僅かな意志を感じさせているのだ。
 彼らは射撃魔法を放つ。フェイトだけではなく自分と同じように崩落に近づいていたシ
グナム達へも忘れない。
―鋭いっ……!
 たまらずフェイトが下がったと同時にアッシュの周囲に転送の魔法陣が生まれる。
「っ! まずい…!」

 逃がすまいと前に出るフェイトだがそれを遮る射撃魔法の雨。邪魔をされ、反射的にフ
ェイトは彼らへハーケンセイバーを放つも、あっさりと彼らは回避してしまう。
 しかし射撃の雨はやみ、フェイトは崩落へ行き、見下ろすが、
「…!」
 遅かった。すでにアッシュの姿はなく瓦礫と土煙の姿だけだ。

461:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:36:32
投下の邪魔をされて腹が立ったので反撃してきました。


他にも住人のみなさんが連中を叩いているようですね。




133 名無し三等兵 sage 2007/07/27(金) 00:16:09 ID:???
寄生獣作者の岩明均のキャラは精神のバランス感覚がリアルで共感できる
タイフーンが妄想するような奇をてらっただけの下劣下品キャラはいつも見苦しいですな
いっつも頭悪い行動するからいらいらさせられるよ
名前見ただけで気分が悪くなる

462:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:37:37
ソキウス達も撤退していく。まんまとアッシュを逃がした二人を逃すまいとフェイトは
二人を追うとするが、
『フェイト隊長。もうええ。そこまでや』
「はやて!?」
 突然告げられた追撃停止命令にフェイトは憤りの声を上げる。
『フェイト隊長も、シグナム、ヴィータ両副隊長も、シンも傷ついとる。……帰還してや。
命令や』
 最後の語尾は震えていた。あえて命令と強調するあたり、いかにはやてがこの敗北を悔
しがっているのかが分かる。
 そう、敗北だ。ロストロギアは守れた。周囲への被害も最小限に抑えられた。
 だが―またしても敵を誰一人、捕らえることができなかった。その上たった一人の魔
導士を相手に六課の主力四名を総動員して倒すのが、やっとだったのだ。
 任務は成功。しかし……
「我々も、まだまだだな」
 シグナムの苦渋に満ちた言葉に、フェイトは無言で頷いた。





「失礼します」
 声をかけて中にはいると、いつものようにレイがベットの上で魔導書を読んでいる。
「こんにちはレイ」
「ようこそ、ハラオウン隊長」
 本を閉じ、自分を見るレイ。顔色はなかなかにいい。
「フェイトでいいってば」
 未だに生真面目な口調で言ってくる彼にフェイトは微笑。無表情なまま、しばしレイは
黙り込む。
「……。シンはどうしてましたか」
「早く退院したいって。まだ怪我が治りきってないのに」
 先日の戦いでシンは負傷―特に両腕が酷い―を負っており、回復するまでここの病
院に入院させられている。
 しかし見舞いに来るごとに退院したいと口にしているのだ。本人は怪我が治ったからと
言っているが、それはあくまで表面上の話だ。まだ戦闘に耐えうるほど完治していない。
それは本人とてわかっているはずなのだが。
「自分まで迷惑をかけていることに心苦しさを感じているのでしょう。気持ちは分からな
くもありませんが、しっかりと監視をお願いします」
「それは大丈夫だよ。今は、なのはが見てるから」
「それは安心です」
 話すレイの姿からは以前通りの、いや以前以上に生気に満ちている。
 先日の戦いの後からさらに数日経った頃、レイの体に変化が訪れたのだ。
 そう、テロメラーゼ導入による、テロメアの延長という変化が。
 延長したとテロメアはほんの僅かな長さだが、それでもシンが狂喜したことは言うまで
もない。
 そしてフェイトはもう一つ、彼の微妙な変化に気が付いていた。
 レイの表情が、柔らかくなったのだ。無表情がデフォルトなのは変わらないが、幾分か
喜怒哀楽の変化も見えてくるようになった。

463:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:39:39
 どうやらシンと何やら話し合ったらしい。その話の内容をレイからかいつまんだ程度に
訊いている。
『シンに怒られ、泣かれましたよ』
 話し終わった後、苦笑して彼は言った。フェイトはシンのように泣くのも、怒りもしな
かったが、もし現場にいたら同じような態度を取っていただろう。
 己の命を疎んでいること、レイ自身の存在意義、シンの側から消えようとしたこと、自
分に嫉妬していたこと―
 確かに自分もレイと似たような感情に陥ったことはある。しかしそれは自分を大切に思
ってくれている人への侮辱に他ならないということはフェイトは知っている。
 クローンだろうが何だろうが、その人はその人。その命はこの世にたった一つしかない、
かけがえのないもの。変わりなど無いのだから。
「ハラオウン隊長」
 変わらぬ呼び方にフェイトは内心で苦笑。名前で呼んでと前々から言っているのだが、
未だにファミリーネームや役職の方で彼は自分達を呼ぶ。言葉もどこか、丁寧で堅苦しい。
 まぁ、これは時間がかかるだろうとフェイトが思っていると、
「俺はあなたに興味が沸いた」
「……え?」
 突然そのようなことを言われ、フェイトは固まる。
―興味? 興味って……??
「あなたは俺と同じクローン。人の手によって生み出された命。
しかしあなたは普通の人と変わらない輝きや強さを持っている」
 混乱するこちらに構わず、レイは淡々と―しかしどこか熱い口調で語る。
「どうしてそこまで強く、堂々としていられるのか―。俺はあなたを知りたくなった」
「え、あ、う、うん」
 レイの言葉―どうやら自分を褒めているようだ―を聞き、たどたどしくフェイトは
頷く。 
「そう言うわけで、これからも色々よろしく頼む。―フェイト」
 そう言ったレイは、微笑を見せる。誰の目から見ても明らかな、柔らかい微笑みだ。そ
して名前と口調にも変化が。
 これは自分をシンと同じように、友達として認めてくれたのと判断して良い、というこ
となのだろう。おそらく、いや、きっと。
「……うん、よろしくね。レイ」
 フェイトは微笑み、新たな友へ握手を差し出す。レイは僅かに目を見開くも、すぐ微笑
を浮かべて、その手を握り替えした。
 
to be continued

464:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:42:09
lyrical Seed Destiny氏の作品は妄想を書きなぐるまじかるしんと違って良作だな。

まじかるしんは見てて吐き気がするが、lyrical Seed Destinyは非常に面白い。

465:lyrical Seed Destiny
07/07/27 00:42:59
4話投下終了です。大勢の方々支援有り難うございます。
テロメアについてもちょこっとネットで検索しました。ただその辺の突っ込みは勘弁してください。
さて4話ですが、レイがレイらしくないと思った方もいるかも知れませんが本編より時間も
経っていますのでご勘弁を。
レイについては小説種死の5巻を参考にしています。他の巻は、レイの心理描写って殆どありませんしね…
敵キャラアッシュ・グレイについてはASTRAYからの出演です。滅茶苦茶な強さになっていますが、
実際彼はASTRAYでも結構良い待遇でしたので、こういう風にしました。(核搭載MSを二機も持っています)
今回の話でようやくシンとレイ、両名が六課と絡みました。とりあえず一安心。残り3話。上手くまとめるよう頑張ります。
5話は来週か、再来週の土曜日辺りに投下予定です。

………ちなみに461は偽物です。

466:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:44:12
>>465
GJです
トリを付けらどうでしょう?

467:lyrical Seed Destiny ◆K08/tGd0Ac
07/07/27 00:45:53
>>466
わかりました。

これでいいですか?

468:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:48:13
>>465
GJなんだぜ
大変おいしくいただきました。

469:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:50:11
>>467
それで結構です

470:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:10:37
>>467
軍事板への仕返しお疲れ様でした。

軍事板の連中はなのはさんに制裁されるべきですよね。

471:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:11:27
最近の流れのせいで作品の過度な批判は皆荒らしに思えるから困る

472:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:16:06
>>471
まじかるしん作者乙

473:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:19:45
職人様GJ!!

474:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:20:49
>>471
仕切り厨うざいよ仕切り厨


叩かれたくないならチラシの裏にでも書いとけ

475:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:23:40
まずはGJ!
レイは自身の悪夢に勝てる日は来るのか、そしてレイとフェイトのこれからが楽しみですね

476:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:27:12
>>474
死ね とにかく死ね

477:まじかるしん作者 ◆om9ygRXchQ
07/07/27 01:31:12
戻ってきても…いいんですか?

478:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:33:39
もちろんだ

479:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:35:56
俺も最初は書いてたらGJすら貰えなかったけど
今はGJしてくる人がいるからその人たちのために書いてる。

480:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:42:01
>479
つまり何がいいたいっていうと、叩くやつはスルーって事でおk?

481:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:44:00
当然ッ!!アズライガーを放置していなくなる事こそ重罪だぜッ!!
ジブの旦那のデバイスも気になるし。ゲルマン忍法かな?

482:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:46:25
まじかるシンの人本物なら気にすんな
書き込んでんのなんてどうせ一人だから

483:???[sage]
07/07/27 01:53:37 bLujg3gU
アッシュが出てくるとはwww。GJです♪


気にせずにまじかるしん氏の書きたいSSを書いてくれ。
俺達はあなたのSSに楽しませてもらってるんだ。

484:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 02:10:25
マジカルしん氏の書きたいように書けばいいと思うよ。

485:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 02:45:13
叩きは気にするな

486:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 03:10:10
俺達は楽しみに待ってるぜ。

487:高い天を行く者から勇敢な者へ
07/07/27 06:45:23
>>465
GJです!
アッシュ出てきましたね~。
私も登場させる予定なのですが、かなり先になりそう・・・・orz
続きを楽しみにしています。
>>477
私もマジカルしん氏の作品を楽しみにしているものの1人です。
是非とも頑張ってください。
私も土曜日には・・・・どうにか・・・・orz

488:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 08:57:34
lyrical Seed Destinyだけでいいよ

489:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 09:16:02
>488
じゃ、他はスルーしろ低能

490:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 09:24:09
>>489
軍オタうぜぇ

また荒らしてほしいのかよ

491:まじかるしん
07/07/27 09:31:44
新シリーズ(?)みたいなの出来たけど投下していい?

492:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 09:33:06
もちろんです。

493:まじかるしん
07/07/27 09:35:12
AM5:30
某場所
「ん……」
シン・アスカは目を覚ました。
昨日はいろいろとあってぐっすりと眠れたようだ。
だが、気分は晴れない。
(くそ……)
シンは先日の戦いを思い出す。
(あいつ、生きてたのかよ……)
シンはくそ、と悪態をつく。
せっかく倒したと思ったのに、何であいつが生きているんだよ。
あのときからそれが気になってしょうがなかった。
せっかくの目覚めもこれでは最悪というおのだ。
その機嫌の悪さに、シンが違和感を感じるのが遅れた。
とりあえず着替えようと思ったときだった。
(あれ……動かない?)
どれだけ体を動かそうとしても全然動かないのだ。
動こうとすれば何かがカタカタと鳴る音しか聞こえない。
金縛りにでもあったのだろうか……
それに、とシンは目の前を見る。
既に日は昇っていて、部屋がはっきりと見える。
おかしい、自分はミネルバにいたはずだ。
それが何でこんな女の子チックな部屋にいるのだろう。
同じ部隊のルナですらここまで行かないのに(戦艦だから当たり前であるが)
そこで、シンは目の前で鏡があることに気付く。
その鏡を見ても、自分がいないのだ。
おかしい、と思いながらシンは周囲を見ようとする。
そうするたびに、鏡にある金色の小物のようなものがカタカタと動く。
シンが動きをやめると小物もぴたっと止まる。
最後動こうとするとまたもやもカタカタ動く。
……よし、落ち着け自分。
まあ確かにフリーダムやアスランが生きていて、さらにわけのわからない言葉で精神的にやばいのは自分でもわかる。
だが、ここは何とか落ち着こう。
深呼吸深呼吸…すぅ…はぁ……よし。
何か深呼吸すると同時に小物がピカピカ光ったような気もするけどこの際ほうっておこう。
まずは状況の確認だ。
えーと、自分が動こうとすればあの小さな金色の小物が動く。
鏡に自分がいない。
と言う事は………
(俺があの変な三角の小物になっているのか……)
なるほど、それなら自分の動くたびにカタカタ動くのも納得がいく。
自分があんな小物になったのか………
『って……んなわけあるかああぁぁーーーーーーーー!!!!!』
「うわ!?」
シンは力の限り絶叫した。
それと同時に何か声がしたような気がする。

494:まじかるしん
07/07/27 09:37:48
『なんなんだよこれは!?ここはどこなんだよおい!!?それに俺はどうなってるんだ!!?』
先ほどの落ち着きっぷりがうそのような慌てっぷりである。
「え?…え?……」
その慌てっぷりに、横で寝ぼけながらきょろきょろしている少女の存在に気付かない。
「フェイト、どうしたんだい?」
少女、フェイトの悲鳴を聞いて一人の女性が入ってきた。
「何か人がいるように見えたけど、アルフは見なかった?」
フェイトにいわれて、アルフは周囲に気を配らせる。
確かに変な気を持っているのはいる。それも近くに。
さらに……
「変なのが二人いるよ?」
アルフの言葉でえ?とフェイトは周囲を見渡す。
もしもの事を考えてフェイトはバルディッシュを握ろうとする。
その時だった。こんこんとドアを鳴らす音が聞こえる。
「フェイト、起きているか?聞きたい事はあるんだが」
既に見知ったそのこえに、いいよ、とフェイトは言う。
ドアが開くと、そこには自分のデバイスを持つ義兄、クロノ・ハラオウンがいた。
「クロノ、どうしたの?」
デバイスなんかもって、まさか、アルフが感じたことに関係するのかもしれない。
フェイトの言葉にいや、とといってクロノはバルディッシュを見る。
「バルディッシュは問題ないのかって思って」
クロノの言葉に首をかしげる二人。
「デュランダルの調子がおかしいの?」
肯定の意味を示すように頷くクロノ。
「どうも調子がおかしいらしいんだ」
そういって待機状態のデュランダルを前に出す。
『ここはどこなんだ?』
確かに、思いっきり日本語でしゃべっている。
その時、後ろから声が聞こえた。
『おい、レイなのか?』
フェイトは声のほうを向くと、それは紛れもなくバルディッシュだった。
「バルディッシュ?」
しかし、そんなにとをほうっておいて、デバイス同士は話を続ける。
『シンか、ここはどこなのだ?』
『そんなのこっちが知りたいくらいだ。目が覚めたらこんなところにいるし、どうなってるんだ?』
『おれにもわからん…今回ばかりは気になるな』
などと話しているのをあっけにとられるしかないフェイトとクロノだった。

495:まじかるしん
07/07/27 09:39:23
同時刻、高町家
「レイジングハード、どうしたんだろう……」
高町なのはは朝からうーん、頭を悩ませている。
今日は学校が休みで本当によかった。
その悩みの種は自分の相棒でもあるレイジングハートにあった。
なのはあ朝起きると毎日のようにレイジングハートに挨拶をする。
だが、いつも返事をしてくるレイジングハードが、今日に限って返事をしないのだ。
不思議に思ったなのははおーい、とかレイジングハートー?とか尋ねるが、全然応答しない。
そして、ようやくレイジングハートはなのはに気付いた。
『だれだよお前、っていうか、何でそんなにでかいんだ?』
「……ふぇ?」
訪れる沈黙………
『って……ここ、どこだよ!?確か俺は宇宙にいたはずだぜ、なのになんでこんなところにいんだよ!?』
誰かは考えるが、なのははそんな事は聞こえなかった。
今まで苦楽をともにしてきた相棒にだれだよよばわりされて、かなりもショックをうけたのだ。

少し時間はたちAM6:00 八神家
ピピピ、と朝の目覚ましがなる。
八神はやてはうーん、と背伸びして目覚ましのスイッチを押す。
ふと横を見ると、そこにはヴィータはすやすやと眠っている。
はやてはそれを見て微笑むと、今度は一緒の枕で寝ているリィンフォースを見る。
リィンフォースも、元気にどばどばと胸元から血が流れている傷を中心にして、傷だらけのリィンフォースが「ぅぅ……」とうなだれながら寝ていた。
「……え?」
はやてはあまりの光景に呆然としていた。
それどころかしばらく思考能力が停止する。
うなだれているリィンフォースの声が男のものだなんて気付いてすらいない。
(え、なんで?何でリィンがこうなったん?……は、まさか寝取る間に頭で踏み潰して……)
と、いろいろ考えているはやての顔は、だんだんと涙目になっていった。
「シャマルーーーーー!!」
はやてはやさしくリィンを持つと、大急ぎでシャマルの部屋へと向かう。
そのころ、シャマルははやての朝食の準備をしようとゆっくりと起き上がろうとしていた。
「どうしたのはやてちゃん……」
シャマルはいきなり入ってきたはやてにどうしたのだろうと思いながら、傷まみれのリィンを見て言葉を失う。
「寝取る間に私がリィンを頭で踏んだみたいで……」
あせあせとはやては説明すると、わかりました、といってリィンは急いで自分デバイス、クラールヴィントを手に取ろうとした。
「え……」
シャマルはクラールヴィントを見て言葉を失う……
「クラールヴィントも壊れてるぅ~~~」
その言葉にははやても驚く。
「騒々しいぞ、どうしたんだ?」
そして、なにやら騒がしいと思ったシグナムが駆けつける。
「シグナム…実は……」
そしてシャマルから簡単な説明を受けると…

496:まじかるしん
07/07/27 09:40:44
「よし、じゃあシャマルは急いで救急用具でリィンに救急手当てをしてくれ」
シグナムの冷静な言葉にわかった、といって下に下りるシャマル。
「シグナムぅ……」
ひぐ、ひぐ、と泣きながらはやてはシグナムを見る。
「主も落ち着いてください。主はリィンに怪我などさせていません」
シグナムの言葉にえ?とはやてはシグナムを見る。
「大体頭で押さえただけであれほど傷来ませんし、もち血が出ても主の髪の毛に血がついているはずですが、見た限りではついていません」
シグナムにいわれて、はやては自分の頭を触る。
確かに血はついていない。
だが、それはそれで疑問に残る。
「ほな、何であんな怪我を……」
はやては考える。
普通はあそこまで怪我なんてなかなかしない。
それを一晩で何かあったのか。
「はやて~~~」
シャマルの部屋で考えていると、ヴィータは眠たそうに目をこすりながらやってきた。
「さっきから携帯がなってるんだけど」
そういってパパパパーンとどこかの狩りゲーのテーマソングが流れている携帯を差し出すヴィータ。
はやてはそれを受け取る。
中身はメールでフェイトからであった。
はやては内容を読み、シグナムとヴィータに尋ねる。
「二人とも、フェイトちゃんからデバイスの確認してって。
なんでもフェイトちゃんとクロノくん、さらになのはちゃんまでもがデバイスがおかしいっていっとるみたいなんよ」
はやての言葉に?と首をかしげながら、二人はそれぞれの部屋へと戻る。

まずはシグナム。
はやてに言われ、シグナムはレヴァンテインを手にする。
それと同時だった。
『な、なんだ貴様!!?やめろデカブツ!!』
レヴァンテインがあるまじき言葉を言ったので、シグナムは少々面食らう。
「レ、レヴァンテイン?」
一体どうなったと言うのだろうか……
『それにここはどこだ!?俺はボルテールにいたはずだぞ!それが何で地上にいるんだ!?おまけに身動き一つとれんとはどういうことだ!!ええ!!?』
ヒステリック気味にさわぐレヴァンテインに、シグナムは呆然とするしかない。
テスタロッサたちのデバイスもこういう感じなのだろうか………

次にヴィータ
ヴィータはグラーフアイゼンを手に取り、そしてすぐにおどろいた。
『君……誰?』
グラーフアイゼンはとても驚いたようにヴィータを見る。
と言うよりも半分ビビッているようにも見える。
「おい!誰ってどういう意味だ!忘れたのなら本気で怒るぞ」
グラーフアイゼンはこんな冗談は言わないはず。
なら彼は誰なのだろうか……
『えっと……ごめん。ほんとうにわかんないや』
やけに気弱なグラーフアイゼンに、ヴィータはただ黙り込むしかなかった……

497:まじかるしん
07/07/27 09:43:27
AM10:00 アースラ会議室
頭に手をやり嘆きながらクロノが言う。
「朝、突然みんなのデバイスがおかしくなったりいきなりリィンフォースが大怪我を負ったりで、
おかしい事がいきなり同時に起こってみんなも混乱していると思う。実際ぼくもかなり混乱している」
クロノは資料を見ながらため息をつく。
「それで、本局に緊急メンテを行った結果……」
それ以降はクロノのとなりにいる人物、マリーが話を続ける。
「今回、かなり興味深い結果になりました」
そういいながらコンソールを動かすマリー。
足下らいろいろなデータが出力されている。
「この広い次元世界、時空漂流者がいるのはわかりますけど……それでも……その時空漂流者がデバイスに乗り移るなんて聞いたことがないですね」
つまり、と咳払いしてマリーは笑顔で言う。
「あなた達のデバイスの人格が別の人と入れ替わったんです」
「………は?」
訪れる沈黙………
「いやー、私も最初は驚いたのよねえ。まさかこんな事が起こるなんて。けど解析していくうちにいろいろわかってきて……」
一人で勝手に興奮してしゃべっているマーリーをよそに、なのはが尋ねる。
「あのー、マリーさん」
「ん?どうしたの?」
「それで、レイジングハートは?」
なのはの言葉に、ああとマリーは相槌を打つ。
今まで忘れていたのだろうか……
その中、マリーが予想外な事を口にする。
「いやー、実はもう待機しているの。人型形態で」
マリーの言っている事がわからず、首をかしげる。
人型モードなんてあったのだろうか。
「もう入ってきていいわよ」
マリーの言葉と同時に、ぷしゅうと自動ドアが開く。
それと同時に……
「「この裏切り者がーーーー!!!」」
「ごはぁ!!」
二人の男の叫びとともに、赤いものを撒き散らしながら何かがなのは達の横を通り過ぎた。
そこには、見たことも無い男の人達と少し怪我を負っている一人の女の人がいたのだった……

投下完了。
カオスった内容ですみません。
しかもどこかで見たような気がする………
まあ、こんなものでも再開までのつなぎとして続けようかな、と思ってます。
あくまで終わりのない短編集ッぽい感じで行こうかと思ってますので。
ちなみに、ギャグ度はまじかるしん以上なのでご注意を

ついでに、誰だが誰か分かる人がいればこそっと考えたりもしてください(シンとレイはすでにでたけど)

498:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 09:59:36
支援ageしますよ

499:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:05:28
なんというカオスwww


GJ!

500:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:13:59
相変わらずつまらんな、こいつの話。

501:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:22:01
GJ!!
叩きに負けることなく、がんばってくれ!!
応援してます。

502:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:25:34
まじかるしんは好きだけど、これは無理
女性型のレイジングハートに男キャラが憑依って、いくらなんでも壊れすぎ

おなじ職人さんの作品とは思えないよ
スルーすることにします

503:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:28:34
>>502
俺もまじかるしんはスルーしてる

つーかNGに入れてる

504:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:38:15
ところで読んでて思ったんだが、神隠し氏とFate×Destiny氏って…同じ人?
何となく書き方が似てるような…

505:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:39:53
>>503
奇遇だな、俺もあぼーんしてるよ

506:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:43:44
>まじかるしん作者

スレ住人に対する嫌がらせやめろよ

507:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:44:28
>>497
GJ!
まぁ、夏は多いので仕方ないけど、頑張ってください!
次も期待してます!

508:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:48:26
もうあまりの粘着っぷりに笑いが込み上げてくるw
ただ、こういう風にやられると非常に投下しにくいだろうな他の職人も

509:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:49:42
>>508
スルーしろよバカ

510:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:54:24
>>509
この状況下で投下したいなんて思う奴は稀だろ?投下するにしても批判を覚悟しなきゃいけないし

511:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:57:00
>>510
軍事板では日常茶飯事だお

512:502
07/07/27 10:57:42
>>503
まて俺はまじかるしんは好きだって言ってるの

今の繋ぎに書かれてる憑依物が駄目なだけ
まじかるしん自体は好きだよ

513:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:59:54
>>512
だったらわざわざ書き込むなよ>>502みたいなこと

514:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:01:11
>>513
意見を言うのは良いことだよ

515:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:04:21
>>512
憑き物? 詳しく

516:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:08:32
>>514
わざわざ「スルーする」とかは言わなくてもいいだろって言ってるわけで

517:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:12:24
まぁ叩かれるってことは人気がある証拠だろ…。



518:502
07/07/27 11:14:26
>>515
シン達魂?がバルディッシュなどのデバイスに宿るやつ。
>>493からのやつ

>>516
すみません荒らしと思われるかもしれませんね、自重します

519:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:18:02
まぁ確かにまじかるしんは前作のD'sに比べると微妙な感じもするし


ってD'sとまじかるしんって作者同じだよな?

520:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:20:49
やっぱりみんなまじかるしん嫌いなんだね…

521:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:24:26
>>497
>元気にどばどばと胸元から血が流れている
ワロタ
グラーフアイゼンがキラでレヴァンティンがイザーク?
後は詳しい人に任せた

522:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:27:04
>>520
嫌いじゃない奴なんていないよ

523:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:31:56
そろそろ、コテつけてくんね?
一人なのバレバレだから

524:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:34:57
レイジングハートにつくならディアッカだろ?常識的に考えて

なのは「ディバイ~ンバスター!
やりすぎちゃったかな?」
レイジングディアッカ『グゥレイト!殺ったぜ!!』
フェイト「バルディッシュ、カートリッジロード」
バルディッシュイザーク『ふん…今回だけだぞ』
フェイト「………。」

ヴィータ「ラケーテン…ハンマー!!」
グラーフアイゼンヤマト『討ちたくない、討たせないで…』
ヴィータ「このバカデバイス!さっさとカートリッジロードしろ!」

シグナム「レヴァンティン!!」
レヴァンティンアスラン『なら戦うしかないじゃないか!!(自爆)』

525:まじかるしん
07/07/27 11:34:57
すまん、こてのつけ方知らないんだ………

526:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:35:35
レイジングハートが誰だかわからんw

527:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:36:57
>524
カオスwww

528:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:44:33
GJ!!
これは、いい感じでカオスですな。レイハさんはオルガだと思ってしまった。
なのはさんが指示してないのに勝手にカートリッジロードして砲撃してくれそう。

529:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:46:52
>>525
夏休み楽しんでる?

530:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:55:44
カートリッジロードの際にこんなのはどうだ?

フェイト「シン!カートリッジロード!」
シン『嫌なんだよなぁ~…。カートリッジロードの際のあの感覚が…』
フェイト「いいから!早く」
シン『わかったよ、ふんッ!!
う、あ何か変、微妙に変。うぉぁぁああ…アッー!』
フェイト「ごめんなさい」


531:名無し三等兵
07/07/27 12:01:22
うわっ、つまんねースレ

532:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:08:58
>>531
隔離病棟から出てこないでください

533:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:09:55
>>531
鏡を見ろもっとつまらないものが見れるぜ

534:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:20:34
>>533
なんでスルーできないの?

君、もしかして頭悪い?

535:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:22:49
言ってる時点でてめーも同類

536:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:27:12
>>535
ああ、>>533みたいな奴がスレの空気を悪くするんだよな…

537:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:28:39
>>525
コテと言うかトリップのことだと思うんで、それでググって味噌

538:まじかるしん ◆Upy4wcs9SI
07/07/27 12:29:12 Wc78vlbI
これでいいですか?

539:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:31:31
>>534>>533もいちいち反応する時点で同類だって言ってんだよ

540:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:32:15
>>538
一応YOUが本人という証のために何か書いてくれYO

541:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:32:56
志村ー、sage忘れ!

542:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:33:00
>>539
仕切り厨うざいんだよとっとと氏ね

543:まじかるしん  ◆K.z0qzU5po
07/07/27 12:34:00
こうか

544:まじかるしん ◆Upy4wcs9SI
07/07/27 12:35:40 Wc78vlbI
>>540
今ちょっと外出中なんで、少しお待ちをお願いします。

545:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:36:32
>>525
>523は荒らしに対して言ってるき気がしますが

トリップの付け方は名前欄で半角の#後にキー文字列を
入れるとトリップが生成されます
“まじかるしん#honyarara”みたいに
キー文字列(上の例ではhonyarara)が判らなければ
同じトリップを出すことが出来ないので、本人の確認が出来ます
ただしキー文字列にハンドルや作品タイトル、キャラ名など容易に
推測できるものを使っては意味がありません

546:まじかるしん  ◆K.z0qzU5po
07/07/27 12:37:09
>>138
じゃあさっきのssの答えを

レイジングハート=ディアッカ
バルディッシュ=シン
グラーフアイゼン=キラ
レヴァンテイン=イザーク
リィンフォース=アスラン
クラールヴィント=メイリン
(クラールヴィントまでは変わってるってわかった人はいないか流石に……
ちょっと壊れてただけだし)

547:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:37:26
>>542
オマエモナー

548:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:37:51
>>530
そのカートリッジというのは、マサカ……

やばい、なんかlyrical Seed Destinyさんの設定とごっちゃになってきた
「ハイパーデュートリオン」
『フンッ』
「アッー!」

549:まじかるしん  ◆K.z0qzU5po
07/07/27 12:39:22
安価ミス
>>540だった。
すまん

550:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:02:17
久しぶりに来てみたら荒れすぎワロタwwww
NG導入でスルーできるんじゃないの?

551:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:12:16
>>550
馬鹿な住人多くて嫌になるよ

552:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:17:24
>>551
ああ、軍板から厨が流入してきて大荒れだお…

553:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:19:02
だが、きっとここの職人さんは残ってくれると信じてる!

554:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:29:34
>>553
職人マンセー気持ち悪い

555:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:29:56
なんていうか夏ですね
蝉が鳴くまで待つべきなんだろうか

556:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:34:38
>>555
あと半年ぐらいまとうか

557:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:36:32
>>552
今夜あたり、また爆撃してこようかな>学園島スレ

558:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:36:46
なんか避難所みたいなのないの?
俺虫苦手だからさ

559:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:38:14
>>557
ラクス「肉染みの連鎖の果てに(ry」

560:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:38:40
>>558
ここ使おう、ここ。

学園島戦争 開始23年目
スレリンク(army板)

561:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:40:04
>>559
ラクシズ厨は消えてくれ、頼むから

562:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:40:25
>>558
>>417

563:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:41:51
とうとうラクス教信者まで来たのかよw

564:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:46:12
>>563
ラクス様はなのはさんより正しいよ

565:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:48:48
今日も荒れ模様だな


566:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:52:21
>>565
まじかるしんが駄文だからだな

567:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 13:52:42
アンチラクシズもうざいから消えろ

568:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:12:33
まじかるしんの作者の人頑張ってください。応援してます。

569:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:17:02
>>568
はいはい本人自演乙

570:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:29:51
まじかるしん作者気持ち悪いな

571:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:36:15
まじかるしん叩くのやめようぜ?
他にも妄想SSいっぱいあんだろ!
神隠しとかwww

572:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:41:02
あー、そうか。X運命荒らしの時にやたらラクシズ厨連呼してたのもage厨だったのか。
とりあえず他になすりつけるやり方といい、民主的だのどーのこうの言ってるのといい、
偶然じゃねーなとは思ってたんだが。あの時の荒らしがage厨だってのは判ってたが
ラクシズ厨連呼してる奴もage厨だったとはな。

573:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:52:43
シン「(今日もフェイトたんの写真で抜いたぜ)」
ユーノ「お客さん。新しい写真があるよ。今回は女子更衣室で撮ったんだ」
シン「すいませーん。ここに犯罪者がいまーす」
ユーノ「ちょ」

574:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:08:52
望は間違いなくキラ厨

575:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:11:13
誠「なあ世界…荒らしの相手するのって…疲れる」

576:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:20:10
一ついえることは唯一つだ。

「あたま・・・ひやそっか・・・」

577:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:21:21
>>576
お前も頭冷やせ
文章が酷いことなってる

578:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:22:07
「冷や奴、食べようか…」

579:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:23:59
>>576
つ【アイスノン】

今もあるのかは知らないが。

580:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:28:38
>>576
文章がおかしいのは確定的に明らか

581:名無し三等兵
07/07/27 15:37:52
>>576
以後書き込み禁止

582:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:49:44
576は確かに文章おかしいがいいたいことはわかる。
わかればいいだろ。熱くなるなよ。

583:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:04:39
>>582
顔真っ赤だな

584:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:06:45
シンウザーさんがなのはをレイプしてるぞー

585:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:16:57
職人さんたち頑張って。作品の続きを期待してます。

586:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:19:33
期待して待機。

587:名無し三等兵
07/07/27 16:21:02
>>585
軍事板も職人を支援します

588:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:33:19
軍事板の方々は職人さんについて文句をいわないでください。
嫌ならスルーがこのスレの基本なので。

589:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:36:13
夏はやはり多いな…そろそろ避難所でも作るか?

590:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:36:14
よく分からないが、軍事板が何で関係してるんだ?

591:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:38:54
>>560のスレに人を集めたいんじゃね?荒らして誘導したい、とか。

592:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:40:19
>>589
>>417

593:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 16:42:52
>>590
軍事板から、荒らしが来てる

594:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:01:10
どうも、軍事板うんぬんと言ってる奴と、
第三勢力スレを荒らしているやつから、おんなじ臭いがする。
新シャア板と向こうを喧嘩させたいだけなんだから、スルーしましょう。
向こうでも、こっちの人間が荒らしてるなんて信じてる人はいないしね。

595:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:06:05
この流れをぶった切ってくれる
職人様の降臨に期待www

596:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:32:30
>>594
はぁ?

お前こそ荒らしだろ基地外

597:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:36:59
スルースルー

598:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:49:27
>>417の避難所につながらないんだが…、俺だけ?

599:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 17:55:38
>>598
おれは繋がるけど一部、文字化けしてるな

600:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 18:05:39
>>598
確かに・・・
おれも行こうとしたが繋がらん。

601:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 18:07:16
>>598
専ブラで接続できたが書き込むと文字化けが…。

602:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 18:53:23
>>546
シンたちの名前の前にデバイス名がつくだけで、
なんかシン達が強くなってるように見える。レイジングハートディアッカとか。


603:避難所”管理”人 ◆Tx5I6EUPow
07/07/27 18:56:32
どうやら機能の誤作動が原因だったようです、さっきまで自分も見れませんでした。
とりあえずそこを修正してみたのですがどうでしょうか?

604:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 18:58:24
>>603
おお、文字化けも治ってる
俺は無問題だよー

605:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 19:02:55
>>603
専ブラで見ると名前欄の文字化けがまだ…

606:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 19:06:50
>>603
さっきは行けなかったけど
ちゃんと行けるようになってました。
自分も問題無しです。

607:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 19:48:44
名前欄の文字化けも直ったみたい
乙です!

しかしヴァイスのトラウマはホントになまなましいな
あの女の子どうなったんだろ?

608:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 19:53:58
>>607
チンクがアイパッチつけてるから同一人物か?と思ったけど
チンクは右目、誤射された娘は左目を撃たれたんだよな・・・・

チッ

609:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:08:28
バーローは人質に取られた蘭姉ちゃんの足を撃ったっていうのにヴァイスときたら・・・

610:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:32:42
航空隊が機人たちに蹂躙されるのを見て
フリーダムのフルバーストを連想したのは俺だけじゃないはず

ナンバーズって強さにムラがありそうだな
新しいほうが強そうな気がする、ガンダム的に考えて

611:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:35:55
そういえば局員=B、隊長=Aという設定は……
そうですか、廃棄設定ですか

612:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:40:28
細かい部分を深く考えたら負けだ

613:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:52:31
確かに、アニメ全体もにいえることだな
一方で、なのはやガンダムにはこういう考察をする楽しさがあるんだけどな

>>611
十年も経てば管理局も弱体化するんじゃね?
地球連邦や今の日本のように
それで数を保つため全体的にレベルを下げざるをえなかったとか

614:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:54:54
いや、単になのはたちを目立たせるための演出だろ

615:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:03:18
9歳フェイトのフォトンランサー1発の直撃にBランク魔導師は耐えきれないんだから別に設定逸脱でもないだろ

616:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:58:53
いや、どう考えても今回のはガジェットから逃げた陸士達への言い訳だろ
何が「陸士」はBランク以下だ。こんなくだらない設定作るなら最初からスバル達のランクをAくらいにしとけば良かったのに

617:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:01:42
それだと旧キャラ信者が暴れるからな

618:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:04:41
なのはたちを強くしすぎたツケが回ってきてるな。

619:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:10:34
バランス取るには
フェイトかはやてあたりに退場してもらうしかないのか

620:38 ◆KHEtQ2j5Nc
07/07/27 22:11:17
こりゃ下手に動けないな……。
ある程度荒らしが収束するまで書き溜めておきます。

621:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:12:52
なのはたちと同レベルのキャラを出せば有る程度解決するとおもうが…
都築だから無理だな。

622:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:14:25
いや、今更ぽっと出のキャラ出されてもな……

623:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:14:35
>>620
投下の自粛ってかえって荒らしを増長させるだけだと思うんだが…

624:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:15:23
>>620
ヒント:避難所

625:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:17:17
>>611
その設定は本局の武装隊員限定で地上はCランクからDランクばかりなんだよ。

626:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:21:03
>>611
URLリンク(rainbow.sakuratan.com)
ほいこれ。

627:Fate×Destiny
07/07/27 22:22:18
私はもう少ししたら書きあがるので、投下しようと思いますが、おk?

628:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:27:10
>>627
来て

629:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:32:29
>>627
カモーン!!

630:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:34:46
>>627
Fuck me!!

631:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:38:52
>>627
自重しろ

632:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:39:27
>>627
投下速度が早すぎて私生活や体調が心配になってくるな・・・
なにはともあれカモーン

633:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:43:41
>>627
HURRY! HURRY HURRY!! HURRY HURRY HURRY!!!

634:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:01:36
唐突にまとめサイトの人、いつも乙

635:Fate×Destiny
07/07/27 23:19:24
推進材予備タンクの爆破の間に何とか逃げ切ったJPジョーンズ。
「やってくれるわ…。こんな手で逃げようだなんて…。」
呆れと賞賛の意味を込め言うタリア。
「大分手強い部隊のようだな…。」
デュランダルは難しい顔をする。
「ならば尚のこと、このまま彼らを逃がすわけにはいきません。そんな連中にあの機体が渡れば…。」
その先は言わずともデュランダルにも知れた。
「今からでは下船していただくことも出来ませんが…。
私は、本艦はこのままあれを追うべきと思います。
議長のご判断は?」
「いや、私のことは気にしないでくれたまえ、艦長。
私だってこの火種、放置すればどれだけの対価になって返ってくるか…考えるのは怖い。
あの三機の奪還、もしくは破壊は、現時点での最優先責務だよ。」
「ありがとうございます。」
タリアはデュランダルの気遣いに感謝し、クルーに追跡の指示をだした。

フェイトの指示でミネルバへと避難していたカガリとその随員のアレックスはルナマリアの案内でデュランダルに謁見を希望し、士官室に案内されているところだった。
『全官に通達する。
本艦はこれより、さらなるボキーワンの追撃を開始する。
突然の状況から思わぬ初陣となったが、これは非常に重大な任務である。
各員、日頃の訓練成果を存分に発揮できるよう務めよ!』
「何だと!?」
アレックスが驚愕の声をあげる。
避難しに来たつもりが、余計に危険な場所に来てしまったようだ。

ブリッジの遮蔽を解除、警戒レベルを緩める。
「議長も少し、艦長室でお休みください。
ミネルバもかなりの足自慢ではありますが、敵もかなりの高速艦です。すぐにどう、と言うことはないでしょう。」
そこへ、いいタイミングでレイがブリッジへとやってくる。
「丁度よかったわ。レイ、議長をご案内して。」
タリアに命じられ、レイが案内しろと頼まれた人物を見やると、目を見開き、驚く。
「議長!?」
デュランダルはレイに微笑みかけると座席から腰をあげ、立ち上がった。
「ご案内します。議長、こちらへ…。」
レイがこちらへ来るよう促し、デュランダルが向かおうとした時、ルナマリアからの通信が入った。

636:Fate×Destiny
07/07/27 23:23:53
JPジョーンズ。
光が明滅を繰り返す三つのカプセルの中にアウル、スティング、ステラ、ナノハの4人が眠っていた。
端末から伸びた配線が4つのカプセルに接続され、モニターには四人の脳波や、バイタルコンディションが示されている。
それをしばらくジッと見つめていたネオは、部屋から出て、ブリッジへと戻る。
「どうやら成功…というところですかな?」
とリー。
「ポイントBまでの時間は?」
質問には答えず、ネオが逆に尋ねた。
「あと二時間ほどですが…、大佐はまだ追撃があるとお考えで?」
一時の間を置いてから答えるネオ。
「わからんね…。わからんから、そう考えて予定通りの進路を取る。
予測は常に悪い方にしておくものだろう?特に戦場では…。」
ふむ、と納得するリー、それからまた質問をする。
今度はカプセルで眠る四人のことだ。
「彼らの最適化は?」
「大胸、問題は無いようだ。みんな気持ち良さげに眠っているよ。
ただ、アウルがステラにブロックワードを使ってしまったようでね…。
それがちょっと厄介と言うことだが…。」
「エクシードのパイロットは?何やらラボでは手を焼いていたそうですが…。」
「ふむ、ナノハは今のところ、問題は無いとのことだ。ステラたちとは違って、急ピッチで造られたわりに、最適化しやすいそうだ…。
まぁ、それがナノハにどう影響するかはわからんがね。」
は溜め息を着くリー。
「何かある度、揺り篭に戻さなければならないパイロットなど、ラボは本気で使えると思ってるんでしょうかね?」
「それでも、前のよりは大分ましだろ?
こっちの言うことや仕事をちゃんと理解してやれる分だけ…。」
ネオはどこか調子を落とした声で言った。


637:Fate×Destiny
07/07/27 23:27:16
「本当にお詫びの言葉もない…、姫までこの様な事態に巻き込んでしまうとは…。」
ミネルバ士官室。
座席に座るデュランダルと頭に包帯を巻いたカガリが対面して座り、そして、その両名のわきに控え立つミネルバ艦長、タリア・グラディスと、カガリの随員、アレックス・ディノ。
「ですがどうか、ご理解いただきたい。」
「あの部隊については、まだ全く何も分かってはいないのか?」
カガリは咎めるような目付きでデュランダルを睨む。
「えぇ…、まぁ…そうですね…。艦にも何かを示すようなはっきりとしたものはなにも」
デュランダル自分の後ろに控えているタリアに確認をとる。
「しかし、だからこそ私は、一刻も早く、この事態を収拾しなくてはならないのです。
取り返しのつかないことになる前に…。」
「あぁ…分かってる。それは当然だ…議長。
今は何であれ、世界を刺激するような事があってはならないんだ…絶対に!」
いくら停戦中とは言え、未だ前大戦の爪痕は残っており、今の平和な状態は、些細な刺激で崩れてしまうほどに脆弱なものなのだ。
「ありがとうございます。姫ならばそうおっしゃってくださると…信じておりました。」
デュランダルは何故かその視線をカガリにではなく、随員のアレックスへと移す。
「ッ?」
それから席を立つデュランダル。
「よろしければ、まだ時間のあるうちに艦内をご覧になってください。
一時的にとは言え、いわば命をお預け頂くことになるのです。
それが盟友としての我が国の相応の誠意かと…」
デュランダルの気遣いに、正直、あまりいい気分がしないカガリとアレックスだった。

モビルスーツ格納庫。
「オーブのアスハ?」
シンが声をあげた。
「うん、私もびっくり…まさかこんなところで、前大戦の英雄に会うとはね。」
陽気に話すルナマリアと違い、浮かない表情のシン。
「そう言えば、あのザク誰が乗ってたんだろ?
戦闘中だったし、損傷はしてたけど、動ける様だったからミネルバに向かうよう指示したんだけど…。」
フェイトが手に持っている端末を操作しつつ、何気なく話題を反らした。

638:Fate×Destiny
07/07/27 23:29:59
「何だ、フェイト、あんたが指示したの?
それならそうと連絡入れてくれればって…。
まぁ、まさかオーブの代表が乗ってるとは思わないわよね。」
「ごめんね…ルナ。」
笑いながら謝るフェイト。
「じゃあ、操縦してたのはアスハ?」
「うぅん、多分、護衛の人だと思うわよ。」
シンの問掛けにルナマリアはそう答え、さらに続ける。
「アレックスって言ってたけど…」
シンとフェイトの顔を覗き込むルナマリア。
「実はアスランかも…。」
その名前を聞き、シンもフェイトも驚いた。
アカデミーでも有名な名前でシンもフェイトも何度か耳にしたことがある名前だ。
「代表がとっさに護衛の人をそう呼んだのよ、アスランって」
興奮しながらルナマリアが言う。まぁ、無理もない、前大戦ヤキン・ドゥーエにて停戦に導いた、三国同盟、プラント出身の英雄の一人なのだ。
フェイトも会ってみたいと思っていたりする。
「アスラン・ザラ、今はオーブにいるらしいって噂でしょ?」
とそこへ、議長の声が聞こえてきたので、会話を切り上げMSの調整に戻る。

「ZGMF-1000ザクはもうすでにご存じでしょう?
現在のザフト軍主力の機体です。」
流暢に話すデュランダル。
「そして、このミネルバ最大の特徴とも言える…この発進システムを利用したインパルス、工場でご覧になったそうですね?」
そうカガリに尋ねるがしかし、彼女はデュランダルを睨むばかりで何も答えなかった。
代わりにアレックスが頷く。
「技術者に言わせると、これは全く新しい、効率の良いシステムだそうですよ。
もっとも、私にはあまり、詳しいことは分かりませんが…。」
口元に笑みを浮かべ、愉快そうに話すデュランダルとは別に、不快感を隠せないカガリ。
自然と握る拳に力が入った。

639:Fate×Destiny
07/07/27 23:34:39
「しかし…やはり姫にはお気に召しませんか?」
そう尋ねるデュランダルに
「議長は嬉しそうだな。」
皮肉るカガリ。
「嬉しい…というわけではありませんがね…。
あの混乱の中から懸命に頑張り、ようやくここまでの力を持つことが出来たと言うことは…やはり…。」
「力か…。」
うんざりしたようにカガリは言葉を吐き捨てる。
「争いがなくならぬから力が必要だと言ったな…議長は…。」
途端に今までの表情を真剣なものにするデュランダルと、その隣に控えているレイ。
「えぇ…。」
デュランダルは肯定する。
「だが…ではこの度のことはどうお考えになる!
あのたった三機の新型モビルスーツのために、貴国が被ったあの被害のことは!」
周囲の整備班、そして、フェイト、ルナマリア、シンたちの視線が一斉にアレックス、カガリ、デュランダル、レイに集中する。
場所を考えず、声を張り上げるカガリをアレックスがなだめるが、聞く耳をもたない。
「だから…力など持つべきではないと?」
「そもそも何で、そんなものが必要なのだ!!今更!」
格納庫に響きわたる声。さらに注目を集める。
ようやく停戦にこぎつけ、安定を取り戻そうとしている世界に何故、力が必要なのか。
熱弁を振るうカガリ。
そして、その熱弁は全くの綺麗事ばかり、一人の少年のこらえていた感情が爆発した。
「さすが綺麗事は、アスハのお家芸だなぁ!!」
怒声というには過言だが、嫌味と言うには少し足らない声。
そしてその少年、シン・アスカへと周囲の視線が一瞬にして移動。
カガリに向けられる憎悪に満ちた赤い瞳。
デュランダルのそばに控えていたレイが彼に向かって足場を飛びこえていく。
警報がなり響く艦内。
恐らく、ミネルバがボキーワンを補足したのだろう。
整備班、技術班、そしてパイロットたちは出撃準備のため、慌ただしく準備をし始めた。
「シン!!お前!」
シンは胸ぐらを掴むレイの手を乱暴にふりほどき、パイロットスーツに着替えるため、更衣室へと向かった。
「申し訳ありません、議長!この処分は後程必ず!!」
レイは敬礼したのち謝罪すると、シンのあとを追って行った。
そしてその様子を呆然と見送るカガリ。
「本当にすみません、姫。彼はオーブからの移住者なので、よもやあんなことを言うとは思いもしなかったのですが…。」
デュランダルの言葉に、困惑の表情を隠せないカガリだった。


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