07/08/02 23:42:20
そうしている間にも紅零斗丸と魔刃頑駄無が繰り広げる次元の違う戦いは続き、
技に勝る紅零斗丸と勢いで上回る魔刃の激突は膠着状態を迎えていた。
両者ともにかなりのダメージのためか息を切らせ、その戦いの凄まじさを思い知らせる。
「グゥ……さすがに貴様と正面からやり合うのはなかなか骨が折れるな……」
「お前の手の内などとうの昔に割れている! いかに強力な力といえど、直撃さえ避ければ!」
「このままでは互いに消耗戦を強いられるのみ……久々に血沸き肉踊る戦いだったが、
これを試してみるのもそれはそれで悪くない趣向だ!」
魔刃頑駄無はマントの影から長銃の形をした特殊装置、堕悪馬吸夢を取り出して
その照準を倒れている武者丸と斗機丸、その後ろであたふたしているシャチョーに定める。
「何をする気だ、魔刃!?」
「この堕悪馬吸夢は森羅万象ありとあらゆるエネルギーを吸収する装置……
それは武者魂とて例外ではない! これだけ武者頑駄無がいればさぞかし力になることであろう。
さぁ、我が野望の贄となるがいい!」
堕悪馬吸夢を作動させ、エネルギー吸引光線を照射する魔刃頑駄無。
これで勝ったと思ったのも束の間、その事態を黙ってみていらず、その矢面に立った者がいた。
「させるかぁーっ!!」
「なっ、紅零斗丸!?」
「くっ……しまった! こうなれば紅零斗丸、貴様だけでも武者魂を吸収してやる!」
紅零斗丸は全身にエネルギー吸引光線を浴び、少しずつその体組織が分解されていく。
文字通り体をバラバラにされるほどの苦痛に耐えながら、シャチョーに呼びかけた。
「ぐっ……今のうちだ! シャチョー! やつを仕留めるんだ!」
しかし、頼みのシャチョーは及び腰になって曲がり角の影にその身を隠してしまう。
「戦いはコワイだぎゃ、コワイのは……コワイのはイヤだぎゃ~!!
ボクちゃんはもう戦いに戻る気はないのみゃー! 武者丸、なんとかしてチョー!!」