07/08/14 19:52:00
5 二〇〇三年一月二十二日 学園島南部 オターキングラード戦域上空
「一%・・・なるほど。お前ららしい考えだ」
舞虎は口元を緩める。
一%の希望の縋るよりも、舞虎は九十九%の絶望を打開する方法を先に考える性格だ。
「戦場のエースというのは、戦場に長く居すぎた奴の過信だ」
対戦車ライフルの砲火を浴びせ、WGを弾き飛ばす。
セミオートで断続的に二十㎜弾を撃ち込み、WGに反撃する隙を与えない。
「お前のことだよ」
一時的に動きを止めたWGを、仲間のSGが追い討ちをかける。
稲葉のSG隊は魔法を使えるほどマナに余力が無く、実弾兵器を主力にしているのはそのためだ。
とは言え、舞虎はアクセルなんたらだのディバインなんたらだの、一々声に出して魔法を唱えるのは気の乗らないことだった。
無論、深夜にやっている魔法少女のバトルアニメは嫌いではないが。
<<ほざけ!>>
WGの腹部が光を増していく。
先ほど舞虎は、戦車隊がWGのレーザーに似た攻撃で損害を出したという報告を受けている。
舞虎は強い危機感を抱きつつも、部下に命令を下す。
「グラウフォーゲル2、3!電磁防護幕展開!」
「グラウフォーゲル2、了解!」
「グラウフォーゲル3、了解!」